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技術 粒子状物質検出センサ

出願人 株式会社デンソー
発明者 山本真宏田村昌之宮川豪為井悠男木全岳人片渕亨
出願日 2016年7月20日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-142329
公開日 2017年3月23日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-058365
状態 特許登録済
技術分野 電気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 不感期間 検出部構造 ヒータ配置 カバー体内 センサ個体間 一定保 排気管内壁 個体間ばらつき
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図面 (20)

課題

センサ感度が良好で、感度ばらつきが小さく、粗大粒子による出力変動が抑制可能な粒子状物質検出センサを提供する。

解決手段

検出部11となる絶縁性基体2の表面に、正負一対検出電極3、4を配置したセンサ素子1と、筒状ハウジングHの開口H1を覆い、被測定ガスガス導出入孔5a、5bから検出部11に導入するカバー体5を備える。上記一対の検出電極は、それぞれ複数の線状電極3a、4aを有し、上記正極に属する線状電極3aと、上記負極に属する線状電極4aとが、交互に平行配設されると共に、隣り合う上記正極に属する線状電極と上記負極に属する線状電極の間に、両電極の間隔を狭い電極間隔Dnとする第1絶縁層21及び電極間隔Dnより広い電極間隔Dwとする第2絶縁層22のうちの一方が配置され、かつ、上記検出部の中央部には、上記第1絶縁層が配置される。

概要

背景

内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質(すなわち、Particulate Matter:PM)の量を検出するために、電気抵抗式粒子状物質検出センサが使用されている。一例として、特許文献1に開示される粒子状物質検出センサは、積層構造絶縁性基体と、該絶縁性基体に少なくとも一部が埋設された検出電極を有し、検出電極が露出する表面を検出部とするセンサ素子を備えている。

センサ素子は、排ガスの導入孔を設けたカバー体内に保持され、排ガス流れ誘導されるセンサ素子の検出部には、異なる極性の検出電極が、絶縁層を挟んで交互に配設される。これら電極間電圧印加することで、静電場が形成されると、帯電した粒子状物質が引き寄せられ、電極間に堆積する。したがって、電極間の抵抗値の変化から、排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出することができる。あるいは、絶縁性基体の表面に、櫛歯状電極印刷形成して検出部とすることもできる。このような粒子状物質検出センサは、例えば、ディーゼルエンジン排気管に配置されて、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)を備える排気浄化装置故障診断に用いられる。

概要

センサ感度が良好で、感度ばらつきが小さく、粗大粒子による出力変動が抑制可能な粒子状物質検出センサを提供する。検出部11となる絶縁性基体2の表面に、正負一対の検出電極3、4を配置したセンサ素子1と、筒状ハウジングHの開口H1を覆い、被測定ガスガス導出入孔5a、5bから検出部11に導入するカバー体5を備える。上記一対の検出電極は、それぞれ複数の線状電極3a、4aを有し、上記正極に属する線状電極3aと、上記負極に属する線状電極4aとが、交互に平行配設されると共に、隣り合う上記正極に属する線状電極と上記負極に属する線状電極の間に、両電極の間隔を狭い電極間隔Dnとする第1絶縁層21及び電極間隔Dnより広い電極間隔Dwとする第2絶縁層22のうちの一方が配置され、かつ、上記検出部の中央部には、上記第1絶縁層が配置される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

検出部(11)となる絶縁性基体(2)の表面に、正極と負極からなる一対の検出電極(3、4)を配置し、被測定ガス中の粒子状物質を検出するセンサ素子(1)と、該センサ素子を収容する筒状ハウジング(H)の開口(H1)を覆うように設けられ、被測定ガスを導出入するためのガス導出入孔(5a、5b)を有するカバー体(5)と、を備えており、上記一対の検出電極は、それぞれ上記検出部の表面に露出する複数の線状電極(3a、4a)を有し、上記正極に属する線状電極(3a)と、上記負極に属する線状電極(4a)とが、交互に平行配設されると共に、隣り合う2つの線状電極の間に、両電極の間隔を狭い電極間隔Dnとする第1絶縁層(21)及び上記電極間隔Dnより広い電極間隔Dwとする第2絶縁層(22)のうちの一方が配置され、かつ、上記検出部の中央部には、上記第1絶縁層が配置される、粒子状物質検出センサ(S)。

請求項2

上記検出部は、中央部に配置される上記第1絶縁層を挟んで、その両側に、上記第1絶縁層と上記第2絶縁層とが、対称配置される、請求項1に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項3

上記検出部は、中央部に配置される上記第1絶縁層の外側に、上記第2絶縁層と上記第1絶縁層とが、この順で交互に配置される、請求項1又は2に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項4

上記第2絶縁層は、層厚の異なる複数の絶縁層(221、222)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項5

上記第2絶縁層は、上記検出部の周辺部側に配置される絶縁層(221)と、上記検出部の中央部側に配置される絶縁層(222)とを有し、前者が形成する電極間隔Dw1と、後者が形成する電極間隔Dw2と、上記電極間隔Dnとは、Dn<Dw1<Dw2の関係にある、請求項4に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項6

上記第2絶縁層は、上記検出部の中央部側に配置される絶縁層(221)と、上記検出部の周辺部側に配置される絶縁層(222)とを有し、前者が形成する電極間隔Dw1と、後者が形成する電極間隔Dw2と、上記電極間隔Dnとは、Dn<Dw1<Dw2の関係にある、請求項4に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項7

上記検出部は、中央部に配置される複数の上記第1絶縁層を有し、これら複数の上記第1絶縁層の外側に、上記第2絶縁層が配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項8

上記電極間隔Dnは、1μm〜60μmであり、上記電極間隔Dwは、20μm〜300μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項9

上記第1絶縁層を挟んで隣り合う2つの線状電極は、素子幅方向(Y)の端部に、上記電極間隔Dnより狭い電極間隔Dn1で隣り合う狭幅部(12)を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項10

上記センサ素子は、上記筒状ハウジング内に同軸的に収容される上記絶縁性基体の素子長手方向(X)の端面を上記検出部とし、上記カバー体は、同軸配置される外側カバー(51)と内側カバー(52)とを備え、上記内側カバーは、上記検出部を取り囲んで均等配置される複数の上記ガス導出入孔(5b)を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項11

上記絶縁性基体は、上記第1絶縁層及び上記第2絶縁層を含む絶縁層の積層体からなり、上記一対の検出電極は、上記検出部の表面に露出して上記線状電極となる電極膜が、上記絶縁性基体の層間に埋設されると共に、上記検出部の表面において、上記一対の検出電極の全体が上記絶縁層によって取り囲まれている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項12

上記絶縁性基体は、素子厚方向(Z)の最外層に位置する第3絶縁層(23)を有し、上記検出部の表面において、上記第3絶縁層の内側に、上記第1絶縁層が配置されている、請求項11に記載の粒子状物質検出センサ。

請求項13

上記第3絶縁層の層厚は、上記第1絶縁層より厚く上記第2絶縁層の層厚の3倍以下である、請求項12に記載の粒子状物質検出センサ。

技術分野

0001

本発明は、被測定ガスに含まれる粒子状物質を検出するための粒子状物質検出センサに関する。

背景技術

0002

内燃機関から排出される排ガス中の粒子状物質(すなわち、Particulate Matter:PM)の量を検出するために、電気抵抗式の粒子状物質検出センサが使用されている。一例として、特許文献1に開示される粒子状物質検出センサは、積層構造絶縁性基体と、該絶縁性基体に少なくとも一部が埋設された検出電極を有し、検出電極が露出する表面を検出部とするセンサ素子を備えている。

0003

センサ素子は、排ガスの導入孔を設けたカバー体内に保持され、排ガス流れ誘導されるセンサ素子の検出部には、異なる極性の検出電極が、絶縁層を挟んで交互に配設される。これら電極間電圧印加することで、静電場が形成されると、帯電した粒子状物質が引き寄せられ、電極間に堆積する。したがって、電極間の抵抗値の変化から、排ガスに含まれる粒子状物質の量を検出することができる。あるいは、絶縁性基体の表面に、櫛歯状電極印刷形成して検出部とすることもできる。このような粒子状物質検出センサは、例えば、ディーゼルエンジン排気管に配置されて、ディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)を備える排気浄化装置故障診断に用いられる。

先行技術

0004

特開2012−78130号公報

発明が解決しようとする課題

0005

粒子状物質検出センサには、いわゆる不感期間が存在し、検出部の電極間に堆積した粒子状物質によりセンサ出力所定値に達するまでの、立ち上がり時間が短いほど、粒子状物質を速やかに検出できる。つまり、粒子状物質検出センサを用いた故障診断において、センサ感度を高めるには、検出電極の間隔を狭くするのがよい。ところが、検出部において、検出電極のサイズや数を変えずに電極間隔のみを狭めると、実質的な検出面積が小さくなり、カバー体内に導入される排ガスのガス当たり位置がずれると、センサ感度が逆に低下する。そのため、カバー体の寸法精度やセンサ素子との組付精度の影響が大きくなり、センサ感度の個体間バラツキが大きくなる。これを回避するために、検出電極の設置数を多くして検出面積を大きくすると、積層数の増加や電極材使用量の増加により、生産コストが増大する。

0006

一方、例えば排気管内壁に付着した粒子状物質が剥離し、通常より大きな粒径の粗大粒子となって放出されることがある。この場合、検出電極の電極間隔が狭いと、粗大粒子の付着によって、センサ出力が急増する頻度が多くなる。そのため、DPFの故障診断の精度が低下し、DPF故障誤診断するおそれがある。

0007

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、センサ感度が良好で、センサ個体間感度ばらつきが小さく、しかも、粗大粒子の付着によるセンサ出力変動の発生確率が小さく、生産性及び信頼性に優れた粒子状物質検出センサを提供しようとするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明の一態様は、検出部(11)となる絶縁性基体(2)の表面に、正極と負極からなる一対の検出電極(3、4)を配置し、被測定ガス中の粒子状物質を検出するセンサ素子(1)と、
該センサ素子を収容する筒状ハウジング(H)の開口(H1)を覆うように設けられ、被測定ガスを導出入するためのガス導出入孔(5a、5b)を有するカバー体(5)と、を備えており、
上記一対の検出電極は、それぞれ上記検出部の表面に露出する複数の線状電極(3a、4a)を有し、上記正極に属する線状電極(3a)と、上記負極に属する線状電極(4a)とが、交互に平行配設されると共に、
隣り合う2つの線状電極の間に、両電極の間隔を狭い電極間隔Dnとする第1絶縁層(21)及び上記電極間隔Dnより広い電極間隔Dwとする第2絶縁層(22)が配置され、かつ、上記検出部の中央部には、上記第1絶縁層が配置される、粒子状物質検出センサ(S)にある。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。

発明の効果

0009

上記粒子状物質検出センサは、被測定ガスが導入されるセンサ素子の検出部の一対の電極を、第1絶縁層又は第2絶縁層を挟んで隣り合う複数の線状電極で構成したので、隣り合う2つの線状電極の間隔は、狭い電極間隔Dn又はこれより広い電極間隔Dwとなっている。このとき、検出部の中央部は、狭い電極間隔Dnとなるので、カバー体のガス導出入孔から流入する被測定ガスが誘導されると、粒子状物質が速やかに検出される。また、広い電極間隔Dwの部位を有することで、検出面積が拡大し、被測定ガスが誘導される位置(すなわち、ガス当たり位置)がずれても、センサ感度の低下が抑制される。さらに、粗大粒子が流入した場合に、狭い電極間隔Dnのみであると、一対の電極間が容易に導通してセンサ出力の急増を生じやすいが、電極間隔Dnより広い電極間隔Dwの部位を有することで、これを抑制することができる。

0010

以上のごとく、上記態様によれば、良好なセンサ感度を維持し、センサ感度の個体間ばらつきを抑制しつつ、粗大粒子による出力変動を抑制して、検出精度を高めることができる。しかも、粗大粒子の付着によるセンサ出力変動の発生確率が小さく、また、製作工数や電極材使用量の増加を伴わないので、生産性及び信頼性に優れた粒子状物質検出センサを実現することができる。

図面の簡単な説明

0011

実施形態1における、粒子状物質検出センサのセンサ素子の全体斜視図およびその要部拡大図。
実施形態1における、粒子状物質検出センサの概略構成を示す軸方向断面図。
実施形態1における、粒子状物質検出センサのセンサ素子構成の一例を示す分解斜視図。
実施形態1における、粒子状物質検出センサのセンサ素子構成の一例を示す分解斜視図。
実施形態1における、センサ素子の検出部の検出電極配置の一例を示す概略構成図。
実施形態1における、センサ素子の検出部の検出電極配置の一例を示す概略構成図。
実施形態1における、センサ素子の検出部の検出電極配置の一例を示す概略構成図。
実施形態1における、センサ素子の検出部の検出電極配置の一例を示す概略構成図。
従来のセンサ素子における、検出部の検出電極配置の一例を示す概略構成図。
センサ素子の検出部の検出電極配置と粗大PM粒子による出力増大発生確率との関係を示す図。
センサ素子の検出部の検出電極配置とセンサ出力立ち上がり時間との関係を示す図。
実施形態2における、粒子状物質検出センサのセンサ素子の概略構成を示す要部拡大図。
実施形態2における、センサ素子の検出部の検出電極配置の他の例とヒータ配置との関係を示す要部拡大図。
従来のセンサ素子における、検出部の検出電極配置の一例とヒータ配置との関係を示す要部拡大図。
実施形態3における、粒子状物質検出センサのセンサ素子の概略構成を示す要部拡大図。
実施形態3における、センサ素子の検出部の一部拡大図
実施形態3における、粒子状物質検出センサの概略構成を示す軸方向断面図。
実施形態3における、粒子状物質検出センサの概略構成を示す径方向断面図で、図17のXVIII−XVIII線断面図。
実施形態3における、センサ素子の作用効果を説明するための検出部の一部拡大図。
実施形態3における、センサ素子の製造方法の一例を示す概略構成図。
実施形態3における、センサ素子構成を示す分解斜視図。
実施形態4における、センサ素子の構成と製造方法の例を示す概略構成図。
センサ素子の検出部の検出電極配置とセンサ出力立ち上がり時間との関係を示す図。

実施例

0012

(実施形態1)
次に、粒子状物質検出センサの実施形態について、図面を参照して説明する。図1、2において、実施形態1の粒子状物質検出センサSは、積層型のセンサ素子1の先端に検出部11を備え、被測定ガスに含まれる粒子状物質を検出する。被測定ガスは、例えば、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される燃焼排ガスであり、導電性を有する等の微小な粒子状物質(以下、適宜PMという)を含んでいる。粒子状物質検出センサSは、内燃機関の排気管壁Wに取り付けられて、例えば、DPFを備える排気浄化装置の故障診断システムを構成する。

0013

図1に示すように、センサ素子1は、直方体形状の絶縁性基体2を有し、その先端面を検出部11として、正極と負極からなる一対の検出電極3、4を配置している。ここでは、例えば検出電極3を正極、検出電極4を負極とし、それぞれ、検出部11の表面に露出する複数の線状電極3a、4aを有する。なお、センサ素子1は、絶縁性基体2の長手方向を素子長手方向X、検出部11における線状電極3a、4aの線長方向素子幅方向Y、これと直交する積層方向素子厚方向Zとしている。

0014

複数の線状電極3a、4aは、正極となる検出電極3に属する線状電極3aと、負極となる検出電極4に属する線状電極4aとが、交互に平行配設されており、隣り合う線状電極3a、4aの組が複数形成される。隣り合う2つの線状電極3a、4aの間には、第1絶縁層21及び第2絶縁層22のいずれか一方が配置され、第1絶縁層21の層厚は、第2絶縁層22の層厚より薄く形成される。これにより、第1絶縁層21を挟んで隣り合う2つの線状電極3a、4aは、狭い電極間隔Dnを有する。また、第2絶縁層22を挟んで隣り合う2つの線状電極3a、4aは、電極間隔Dnより広い電極間隔Dwを有する。素子厚方向Zにおいて、検出部11の一対の検出電極3、4の外側には、第3絶縁層23が配置される。この検出部11の構成については、詳細を後述する。

0015

図2に示すように、粒子状物質検出センサSは、筒状ハウジングH内にセンサ素子1を同軸的に収容し、ハウジングHの先端開口H1を覆うように取り付けたカバー体5によって、先端開口H1内に配置される検出部11を保護している。粒子状物質検出センサSは、ハウジングHの外周に設けたネジ部材H2により、例えば、内燃機関の排気管壁Wに設けたネジ穴W1に固定される。カバー体5は二重容器状で、同軸配置される外側カバー51と内側カバー52からなり、各カバー51、52の底部及び側面には、それぞれ複数のガス導出入孔5a、5bが、軸周りに均等に配置される。ここでは、外側カバー51には、下部側面と底部外周のそれぞれ複数箇所に、ガス導出入孔5aが設けられ、内側カバー52には、上部側面の複数箇所と底部中央の1箇所に、ガス導出入孔5bが設けられる。

0016

排気管内の燃焼排ガスの流れ方向g(図の左右方向)は、粒子状物質検出センサSの軸方向である素子長手方向X(図の上下方向)と直交する方向となっている。このとき、図中に点線で示すように、燃焼排ガスは、外側カバー51の下部側面のガス導出入孔5aからカバー体5内に流入した後、外側カバー51と内側カバー52の間に形成される通路を経て、内側カバー52の上部側面のガス導出入孔5bを通過し、対向するハウジングHの先端開口から、検出部11に導入される。粒子状物質検出センサSは、例えば、排気管の途中に設置される図示しないDPFの下流に配置されて、DPFをすり抜ける粒子状物質を検出し、DPFの異常診断ステムの一部を構成することができる。

0017

ここで、図2のカバー体5の形状や、ガス導出入孔5a、5bの配置は一例であり、適宜変更することができる。カバー体5は、内側カバー52のガス導出入孔5bから内部に流入する燃焼排ガスが、検出部11の中央部へ向けて誘導されるように構成されていればよい。通常は、図示のように、内側カバー52のガス導出入孔5bを、検出部11の下方位置に近接配置して、ガス導出入孔5bから流入する燃焼排ガスが、検出部11の中央部の下方を通過するように構成するとよい。また、外側カバー51のガス導出入孔5aから内側カバー52のガス導出入孔5bへ直接流入しないように、ガス導出入孔5a、5bは、軸方向又は径方向において、互いに離れた位置に設けられる。

0018

図3に示すように、センサ素子1は、電気絶縁性を備えるセラミックグリーンシート2a〜2cを積層して絶縁性基体2を構成すると共に、セラミックグリーンシート2a〜2c間に、線状電極3a、4aを交互に配置して、検出電極3、4としている。隣り合う線状電極3a、4aの間には、第1絶縁層21となるセラミックグリーンシート2a又は第2絶縁層22となるセラミックグリーンシート2bが配置される。ここでは、例えば、セラミックグリーンシート2aとセラミックグリーンシート2bが、図1に示した構成となるように、素子厚方向Zに交互に積層配置される。セラミックグリーンシート2aは、狭い電極間隔Dnに対応し、そのシート厚は、広い電極間隔Dwに対応するセラミックグリーンシート2bのシート厚より薄く形成される。

0019

これら積層体の最上層又は最下層には、第3絶縁層23となる複数のセラミックグリーンシート2cが配置され、下層側の複数のセラミックグリーンシート2c間にヒータ電極6a及び引出電極6bが配置されて、ヒータ6が構成される。また、線状電極3a、4aと反対側の端部において、最上層のセラミックグリーンシート2c上面には、端子電極31、41が形成される。最下層のセラミックグリーンシート2c下面には、ヒータ6用の端子電極61、62が形成される。ヒータ電極6aは、線状電極3a、4aの形成位置に対応して設けられ、検出部11全体を加熱可能となっている。粒子状物質検出センサSは、センサ素子1の作動時にヒータ6に通電して、検出部11の表面に付着する水分や粒子状物質を除去し、検出誤差を防止する。

0020

線状電極3a、4aは、セラミックグリーンシート2a〜2c上に、スクリーン印刷等により形成され、セラミックグリーンシート2a、2bの側端縁部に沿って形成される引出電極3b、4bによって、他端側へ引出される。なお、線状電極3a、4aは、絶縁性基体2の表面に露出する部分が線状電極形状となっていればよく、例えば、1辺が線状電極3a、4aとなる矩形又は台形電極膜をセラミックグリーンシート2a〜2c間に埋設する構成としてもよい。引出電極3b、4bは、グリーンシート2a〜2cの側端縁部の異なる面に設けられ、他端側において素子厚方向Zに形成される図示しない導体部を介して、最上層の端子電極31、41に接続される。この接続位置を、図中に点線で示す。セラミックグリーンシート2a〜2cの材料としては、例えば、アルミナマグネシアチタニアムライト等の絶縁材料や、チタン酸バリウム等の高誘電率材料とアルミナやジルコニアを混合した誘電体材料等の公知のセラミック材料が用いられる。線状電極3a、4aには、例えば、アルミニウム、金、白金タングステン等の金属材料や、酸化ルテニウム等の金属酸化物材料、又は、ペロブスカイト型導電性酸化物材料等の公知の導電性材料が用いられる。

0021

セラミックグリーンシート2a、2bは、同一の長方形状で、シート厚を変更することにより同一材料を用いて形成することができる。図4に示すように、第1絶縁層21、第2絶縁層22を、1種類のセラミックグリーンシート2aを用いて構成することもできる。この場合は、広い電極間隔Dwに対応する第2絶縁層22を、シート厚の薄いセラミックグリーンシート2aを複数枚(例えば3枚)組合せて形成し、図3のセラミックグリーンシート2bと同等のシート厚とすればよい。それ以外の構成は、図3と同様であり、説明を省略する。また、ここでは狭い電極間隔Dnもセラミックグリーンシートで形成しているが、スクリーン印刷等で形成することも可能である。

0022

センサ素子1は、セラミックグリーンシート2a〜2cに、線状電極3a、4a及び引出電極3b、4b、端子電極31、41、ヒータ電極6a及び引出電極6b、端子電極61、62等を形成し、図3又は図4のように積層して、焼成することにより一体化される。
すなわち、絶縁性基体2は、第1絶縁層21〜第3絶縁層23を含む絶縁層の積層体からなる。第3絶縁層23は、検出部11の素子厚方向Zにおいて、一対の検出電極3、4の外側を覆うように配置される。また、検出部11の素子幅方向Yにおいて、第1絶縁層21〜第3絶縁層23の幅は一定であり、線状電極3a、4aの線長よりも、十分に大きい。一対の検出電極3、4の両側において、第1絶縁層21〜第3絶縁層23は、線状電極3a、4aを介さずに、互いに圧着される。このように、検出部11となる絶縁性基体2の先端面では、表面に露出する一対の検出電極3、4の外側を、絶縁層(すなわち、第1絶縁層21〜第3絶縁層23)が取り囲んでおり、検出電極3、4の剥離を防止している。

0023

第3絶縁層23の層厚は、通常、第1絶縁層21の層厚より厚く形成され、例えば、第2絶縁層22の層厚と同等ないしそれ以上とすることができる。検出部11において、検出電極3、4の剥離を防止して、絶縁性を確保するには、また電極間隔を一定保持するには、第3絶縁層23が厚い方がよいが、一対の検出電極3、4を形成可能な領域が狭くなるため、好適には、第2絶縁層22の層厚の3倍以下程度の範囲で、適宜選択するとよい。最外層とする第3絶縁層23が薄過ぎる場合は、剛性低下し剥離しやすくなるので、第1絶縁層21の層厚より厚くするのがよく、厚過ぎる場合は、絶縁性基体2の体積が拡大しコスト高となるため、第2絶縁層22の層厚の3倍以下とすることが望ましい。

0024

これにより、図5に示すように、絶縁性基体2の先端面に、第1絶縁層21を挟んで対向する線状電極3a、4aの組と、第2絶縁層22を挟んで対向する線状電極3a、4aの組とが、素子厚方向Zに交互に配置されて、検出部11を形成する。このとき、検出部11の中央部のガス当たり位置G1に、第1絶縁層21が位置し、その両側(すなわち図の上側及び下側)に、第1絶縁層21と第2絶縁層22とが対称配置されるのがよい。このような第1絶縁層21、第2絶縁層22の配置は、図5に示す例の他に、図6図8に示す例があり、以下に順に説明する。

0025

図5に示す検出部11は、中央部の第1絶縁層21を挟んで両側に、第2絶縁層22と第1絶縁層21が、この順で交互に配置される。ここでは、例えば、5つの第1絶縁層21の層間に4つの第2絶縁層22が配置され、最外層の第1絶縁層21は、検出部11の素子厚方向Zの端縁部に近い位置にある。このように、検出部11の中央部に、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組を配置し、燃焼排ガスのガス当たり位置G1に対応させることで、カバー体5のガス導出入孔5a、5bを経て流入する微小な粒子状物質を速やかに検知でき、センサ感度が向上する。また、広い電極間隔Dwの線状電極3a、4aの組を複数配置し、検出面積を広げることで、例えば、燃焼排ガスが中央部から外れたガス当たり位置G2へ誘導されても、検出可能とする。これにより、カバー体5の寸法ばらつきやセンサ素子1との組付ばらつきが生じて、ガス当たり位置がずれた場合でも、粒子状物質をより外側の線状電極3a、4a間に捕捉でき、センサ感度を低下させることがない。したがって、センサ感度の個体間ばらつきが抑制され、検出精度が向上する。

0026

また、検出部11の中央部から外側へ、広い電極間隔Dwの線状電極3a、4aの組と、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組とを交互に配置したので、電極間隔の広い部分が増加する。例えば、排気管壁で凝集した粒子状物質が剥離し、粗大PM粒子(すなわち、図中の粗大PM)として流入することがあるが、このような場合でも、電極間隔の広い部分を有することで、粗大PM粒子の付着により直ちに線状電極3a、4a間が導通する確率は小さくなる。したがって、粗大PM粒子によるセンサ出力の急増が抑制され、検出精度が向上する。

0027

これに対して、図9に示す従来例では、検出電極3、4の電極間隔は一定で、検出部11の中央部寄りに、複数の第1絶縁層21を挟んで線状電極3a、4aが平行配置される。このように狭い電極間隔Dnのみとすることで、センサ感度は高まるが、検出部11の検出面積が小さくなり、周辺部に検出電極3、4が配置されない部分が多くなる。そのため、ガス当たり位置G1が中央部から外れると、周辺部のガス当たり位置G2の大半が検出電極3、4の設置範囲外となり、センサ感度の個体間ばらつきが大きくなって、検出精度が低下する。また、電極間隔Dnより大きい粗大PM粒子(すなわち、図中の粗大PM)が付着すると、センサ出力が急峻に立ち上がり、DPFの故障診断装置に適用された場合には、正常なDPFを異常と判断してしまうおそれがある。

0028

検出部11において、狭い電極間隔Dn、すなわち第1絶縁層21の層厚は、通常、1μm〜60μm、好適には、5μm〜60μmの範囲で設定される。一般的な粒子状物質のサイズは、例えば10nm〜100nm程度の分布を有し、中心粒径は40nm程度であることを確認しており、このような粒子状物質を速やかに検出するには、電極間隔Dnは狭いほどよい。ただし、第1絶縁層21の層厚が薄くなると、検出部11を所望の寸法精度で製作するために手間がかかり、粗大PM粒子の付着による出力急増のおそれが増す。一方、広い電極間隔Dw、すなわち第2絶縁層22の層厚は、通常、20μm〜300μm、好適には、20μm〜100μmの範囲で設定される。粗大PM粒子のサイズは、通常、数μm〜100μm程度であり、中心粒径は20μm程度であると推察されることから、20μm以上の電極間隔Dwとすることで、粗大PM粒子の付着による出力急増を抑制する効果が高まる。第3絶縁層23の層厚は、上述したように、第1絶縁層21の層厚より厚く、第2絶縁層22の層厚の3倍以下(すなわち、1μmより厚く、900μm以下)であればよく、好適には、100μm〜400μmの範囲で設定される。

0029

検出部11は、より広い領域に、検出電極3、4が配置されることで、センサ感度を高め、応答性を向上させることができる。具体的には、センサ素子1の素子幅(すなわち、検出部11となる先端面の素子幅方向Yの長さ)が、例えば、3mm〜5mm程度のとき、検出電極3、4の電極幅(すなわち、素子幅方向Yの線状電極3a、3bの線長)は、例えば、2mm〜4mm程度に設定される。このとき、素子幅方向Yにおいて、線状電極3a、3bより外側に位置する第1〜第3絶縁層21〜23の長さが、両側で0.4mm〜1mm(すなわち、片側で0.2mm〜0.5mm)程度であれば、絶縁層同士の圧着性を確保して、剥離等を防止することができる。また、素子厚(すなわち、検出部11となる先端面の素子厚方向Zの長さ)は、例えば、1mm〜3mm程度であり、素子厚方向Zに、所望の数の検出電極3、4の組が、所望の間隔で配置されるように、第1絶縁層21又は第2絶縁層22の配置や層厚を、上記した範囲で設定するとよい。

0030

検出部11は、図6図7に示すように、第1絶縁層21より広い電極間隔Dwを形成する第2絶縁層22を、層厚の異なる複数の絶縁層221、222を組み合わせて構成することもできる。複数の絶縁層221、222により、線状電極3a、4a間に形成される電極間隔Dw1、Dw2は、いずれも電極間隔Dnより広く、上述の第2絶縁層22の電極間隔Dwと同等範囲内で、適宜設定される。ここでは、例えば、絶縁層222の電極間隔Dw2を、絶縁層221の電極間隔Dw1より広くし、絶縁層221の電極間隔Dw1を電極間隔Dnより狭くして、検出面積が図5に示す検出部11と同等となるようにしている(すなわち、Dn<Dw1<Dw<Dw2)。

0031

図6において、中央部の第1絶縁層21の両側には、線状電極3a、4a間を、電極間隔Dwより広い電極間隔Dw2とする絶縁層222が配置され、その外側に、第1絶縁層21を介して、絶縁層221が配置される。例えば、検出部11に、粗大PM粒子が流入しやすい条件では、このように、中央部の第1絶縁層21の近傍に、より広い電極間隔Dw2の絶縁層222が配置されることで、粗大PM粒子の付着による出力増大を抑制できる。したがって、異常診断システムに適用された場合の誤検出を防止する効果が高まる。

0032

あるいは、図7に示すように、検出部11において、中央部の第1絶縁層21を挟んで、その両側に、層厚のより薄い絶縁層221を配置することもできる。絶縁層221の外側には、第1絶縁層21を介して、層厚のより厚い絶縁層222が配置される。例えば、カバー体5の寸法ばらつき等の影響で、ガス当たり位置G1が中央部から外れやすい構造となっている場合には、このように、中央部の第1絶縁層21の近傍に、比較的狭い電極間隔Dw1の絶縁層221が配置して、線状電極3a、4aの組を集め、センサ感度を高めることができる。

0033

さらに、図8に示すように、検出部11において、中央部と周辺部に、それぞれ複数の第1絶縁層21を配置し、線状電極3a、4aの設置数を増すこともできる。中央部と周辺部には、第2絶縁層22が配置される。ここでは、中央部と周辺部に、3層の第1絶縁層2を挟んで線状電極3a、4aを交互に配置し、それらの中間部に、各1層の第2絶縁層22を配置している。これにより、中央部と周辺部に、電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組が複数形成されるので、ガス当たり位置が中央部から外れやすい場合でも、センサ感度のばらつきを抑制できる。また、中間部に、電極間隔Dwの線状電極3a、4aの組が形成されるので、粗大PM粒子が流入しても、センサ感度の低下を抑制できる。

0034

試験例1)
上記図5図9に示した構成のセンサ素子1を以下のようにして製造し、ディーゼルエンジンのベンチ試験機による評価を行って、検出部11の電極配置とセンサ出力の関係を調べた。センサ素子1は、素子幅4mm、素子厚1.6mm、電極幅3.2mmとした。まず、セラミックグリーンシート2a〜2cとして、シート厚さを調整したアルミナグリーンシートを作製した。アルミナグリーンシートは、アルミナ粉末エタノール等の溶媒バインダ溶液を添加してスラリー状としたものを、公知のドクターブレード法等によりシート状に成形し、乾燥して得た。得られたアルミナグリーンシートを、所定のサイズに切断し、スクリーン印刷等により、検出電極3、4となる線状電極3a、4aと、引出電極3b、4bを、所定位置に形成した。同様に、ヒータ6となるアルミナグリーンシートに、スクリーン印刷等により、ヒータ電極6a、引出電極6bを、所定位置に形成した。さらに、最上層又は最下層となるアルミナグリーンシートに、端子電極31、41、61、62を形成した。

0035

これらのアルミナグリーンシートを、所定の順に積層し、一軸加圧又は冷間等方加圧等の方法により加圧、圧着した後、脱脂、焼成した(例えば、1450℃、2時間)。その後、絶縁性基体2の表面を研磨することで検出部11に検出電極3、4を露出させた。さらに、絶縁性基体2の側面に露出させた引出電極3b、4bを、導電性ペースト等を用いた導電部を介して、端子電極31、41に接続した。同様にして、ヒータ6の引出電極6bを端子電極61、62に接続し、センサ素子1を得た。このとき、第1絶縁層21、第2絶縁層22となるアルミナグリーンシートのシート厚さを調整し、線状電極3a、4aの配置や積層順序を変更することにより、上記図5図8に示した検出部11を有するセンサ素子1を作製し、それぞれサンプルS1〜S4とした。また、比較のため、上記図9に示した従来構成の検出部11を有するセンサ素子1を作製し、サンプルS0とした。

0036

得られたセンサ素子1をハウジングHに収容し、カバー体5を取り付けて、粒子状物質検出センサSとした。ディーゼルエンジンの排気管に、燃焼排ガス中の粒子状物質がすり抜けるように栓空けしたDPFを搭載し、その下流端から1000mmの位置において、粒子状物質検出センサSを排気管壁に取り付けた。粒子状物質検出センサSは、カバー体5で保護されるセンサ素子1の先端側が、排気管内に挿通位置し、被測定ガスである燃焼排ガスに晒されるように取り付けられる。排気管径はφ55mmとし、流速40m/s、PM濃度5mg/m3、排ガス200℃の条件で、燃焼排ガスを排気管内に導入した。センサ素子1の検出電極3、4間に所定の捕集電圧を印加して、DPFの下流にすり抜ける粒子状物質を検出し、粗大PM粒子による出力増大発生確率とセンサ出力立ち上がり時間を調べた。結果を図10図11に示す。ここで、粗大PM粒子による出力増大発生確率は、粒子状物質検出センサSを用いて、後述するセンサ出力立ち上がり時間の測定を、所定回数(例えば、30回)行ったときに、粗大PM粒子の付着によって出力急増が発生した回数から、その発生比率を算出した。また、センサ出力立ち上がり時間は、まずヒータ6に通電してセンサ素子1に付着した粒子状物質を除去する再生処理を行った後に、ヒータ通電を止めて、捕集電圧の印加を開始してからセンサ出力が所定値(例えば、15μA)に立ち上がるまでの時間とし、その平均値とばらつき(例えば、30回)を求めた。

0037

図10図11に明らかなように、検出部11の検出電極3、4間が一定の電極間隔DnであるサンプルS0では、粗大PM粒子による出力増大発生確率が25%を超えており、センサ出力立ち上がり時間のばらつきが大きい。これに対して、サンプルS1〜S4では、いずれも出力増大発生確率が15%を下回り、センサ出力立ち上がり時間のばらつきも小さい。特に、検出部11の中央部において、電極間隔Dnの線状電極3a、4aの両側が、広い電極間隔Dw、Dw2、Dw1であるサンプルS1〜S3では、出力増大発生確率が10%以下に大きく低減し、電極間隔Dw、Dw1、Dw2が広いほど(すなわち、Dw1<Dw<Dw2)、粗大PM粒子による影響が小さくなる。一方、電極間隔Dw、Dw1、Dw2が狭いほど、センサ出力立ち上がり時間のばらつきは小さく、センサ感度の個体差が小さくなる。検出部11の中央部に、電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組が複数位置するサンプルS4では、センサ出力立ち上がり時間が最短であり、センサ感度が高い。

0038

したがって、検出部11の検出電極3、4の配置を、センサ要求仕様に応じて最適化することができる。例えば、粗大PM粒子の影響が比較的大きい環境では、出力変動を抑制できセンサ感度のばらつきも小さい図5の電極配置(すなわち、サンプルS1)や、出力変動の抑制効果がより高い図6の電極配置(すなわち、サンプルS2)を選択し、粗大PM粒子の影響が比較的小さい環境では、センサ感度のばらつき低減と出力変動の抑制を両立しやすい図7の電極配置(すなわち、サンプルS3)や、センサ感度をより高めた図8の電極配置(すなわち、サンプルS4)を選択することができる。

0039

(実施形態2)
上記実施形態1では、積層型のセンサ素子1の先端面を検出部11とし、複数の線状電極3a、4aが絶縁性基体2に埋設された構造としたが、図12図13に実施形態2として示すように、一対の検出電極3、4を絶縁性基体2の先端面以外の表面に形成することもできる。本形態の粒子状物質検出センサSの基本構造は、実施形態1と同様であり、以下、相違点を中心に説明する。センサ素子1は、平板形状の絶縁性基体2を有し、その板面の先端部表面を検出部11として、一対の検出電極3、4を配置している。これら検出電極3、4は、それぞれ、複数の線状電極3a、4aが一端側で接続された櫛歯状電極であり、絶縁性基体2の表面に素子長手方向Xに形成した引出電極3b、4bにより、図示しない端子電極と接続されている。これら検出電極3、4の線状電極3a、4a、引出電極3b、4bは、公知のスクリーン印刷等により形成される。

0040

図12において、検出部11には、正極となる検出電極3に属する線状電極3aと、負極となる検出電極4に属する線状電極4aとが、素子幅方向Yに、交互に平行配設されており、隣り合う線状電極3a、4aの組が複数形成される。隣り合う線状電極3a、4aの間隔は、素子幅方向Yの中央部に、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組が複数配置され(例えば、ここでは3組)、これら電極の両側に、広い電極間隔Dwの線状電極3a、4aの組と、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組が、この順に配置されている。狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの間には、第1絶縁層21が、広い電極間隔Dwの線状電極3a、4aの間には、第2絶縁層22が形成される。線状電極3a、4aの電極長さや電極幅は適宜設定することができる。なお、本形態において、素子幅方向Yは、絶縁性基体2の検出部11が形成される板面の幅方向である。

0041

このように、検出電極3、4を印刷形成する構成とすることで、電極間隔Dn、電極間隔Dwの調整が容易になる。また、図13のように、検出部11に、正極となる検出電極3に属する線状電極3aと、負極となる検出電極4に属する線状電極4aとを、素子長手方向Xに、交互に平行配設する構成としてももちろんよい。ここでは、素子長手方向Xの中央部に、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組が複数配置され(例えば、3組)、これら電極の両側に、広い電極間隔Dwの線状電極3a、4aの組と、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組が、この順に配置される。絶縁性基体2の検出部11と反対側の先端部表面には、検出電極3、4の線状電極3a、4aが形成される領域を覆うように、ヒータ電極6aが配置されたヒータ6が配置される。ヒータ電極6aと引出電極6bは、公知のスクリーン印刷等により形成される。このヒータ6は、図12の電極配置と組み合わせることもでき、同様に線状電極3a、4aの形成領域の全体を覆って設けることが好ましい。

0042

これにより、図14に示すように、検出電極3、4を一定の電極間隔Dnとした従来構成の検出部11と比べて、図13に示す検出部11は、線状電極3a、4aの組数に対応する検出面積が拡大し、電極数を増加することなくセンサ感度を高めることができる。図12に示す検出部11のように、線状電極3a、4aが素子長手方向Xに延びる配置とすると、電極間隔Dn、Dwや電極数を変更することなく、検出面積を広げやすい。

0043

なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。

0044

(実施形態3)
上記実施形態1、2では、センサ素子1の検出電極3、4を構成する線状電極3a、4aは、各組ごとに、一定の広い電極間隔Dw、Dw2、Dw1又は狭い電極間隔Dnを有するように設定されているが、これを素子幅方向Y(すなわち、線状電極3a、4aの線長方向)に変化させることもできる。一例として、図15には、実施形態3として積層型のセンサ素子1への適用例を示しており、検出部11の基本構造は、上記実施形態1の図5に示した構成と同様である。以下、相違点を中心に説明する。

0045

図15において、センサ素子1の先端面に設けられた検出部11には、広い電極間隔Dwの線状電極3a、4aの組と、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組とが、交互に配置されている。素子厚方向Zにおいて、検出部11の中央部には、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aが位置し、その両側に、広い電極間隔Dwの組と狭い電極間隔Dnの組とが順に、対称配置されている。さらに、素子幅方向Yにおいて、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組は、その両端に、他の部位よりもさらに狭い電極間隔Dn1の、狭幅部12を有する。

0046

具体的には、検出部11に配置される線状電極3a、4aのうち、狭い電極間隔Dnの各組は、素子幅方向Yの中央部から両端部へ至る主部分が、一定の狭い電極間隔Dnに設定される。この主部分に続く両端部は、両端へ向けて、対向する線状電極3a、4aの間隔が徐々に狭くなるテーパ形状の電極配置となり、両端において、最も間隔が狭くなる狭幅部12を形成する。図15中には、その一方の端部側を拡大して示している。また、図16に示すように、線状電極3a、4aの対向する端縁を延長した仮想線(すなわち、図16中の点線)を設定したとき、狭幅部12を形成する両端部の対向する端縁は、それぞれ、仮想線をよぎって、その内側に位置する。

0047

このとき、検出部11の線状電極3a、4aのうち、狭い電極間隔Dnに隣り合う、広い電極間隔Dwの各組には、その両端に、他の部位よりもさらに広い電極間隔Dw3の、拡幅部13が形成される。すなわち、広い電極間隔Dwの各組は、素子幅方向Yの中央部から両端部へ至る主部分が、一定の広い電極間隔Dwに設定される。この主部分に続く両端部は、両端へ向けて、対向する線状電極3a、4aの間隔が徐々に広くなるテーパ形状の電極配置となり、両端において、拡幅部13となる。

0048

このようなセンサ素子1は、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組が、両端にさらに狭い狭幅部12を有するので、より微小な粒子状物質を検知できる。また、狭幅部12に隣り合う拡幅部13を有するので、粗大PM粒子によるセンサ出力の急増を抑制する効果が高まる。

0049

図17に示すように、このようなセンサ素子1を用いた粒子状物質検出センサSは、上記実施形態1の図2に示した構成と同様に、排気管壁Wに取り付けた筒状ハウジングHと、センサ素子1の外周を取り囲む二重容器状のカバー体5を有する。カバー体5は、外側カバー51の複数のガス導出入孔5aから内側カバー52の複数のガス導出入孔5bを経て、センサ素子1の検出部11に燃焼排ガスが導入されるように構成される。内側カバー52のガス導出入孔5bは、センサ素子1の先端よりやや下方に位置し、例えば、図18に示すように、検出部11を取り囲んで、8個のガス導入孔5bが均等配置される。

0050

このとき、外側カバー51から流入する燃焼排ガスの流れに応じて、8個のガス導出入孔5bのいずれか1つ以上から、内側カバー52の内部に燃焼排ガスが流入し、検出部11の表面に沿って、反対側のガス導出入孔5bへ向かう。このガス流れの方向と、検出部11の素子幅方向Y(すなわち、線状電極3a、4aの線長方向)とが一致するように、センサ素子1が配置されることで、燃焼排ガスは、確実に検出部11の端部を含む表面を通過し、その間に粒子状物質が捕捉される。

0051

そのメカニズム図19に示すと、狭い電極間隔Dnの線状電極3a、4aの組では、両端の狭幅部12において、図中の拡大図に点線で示す等電位線の間隔が詰まり電界集中が生じる。そのため、クーロン力が作用して、狭幅部12に粒子状物質が集まりやすくなり、検出部11の端部側において、微小な粒子状物質を速やかに捕捉できる。その結果、広い電極間隔Dwを設けることによる感度低下を補って、センサ全体としての検出感度をより向上させることができる。

0052

図20、21に示すように、このようなセンサ素子1を製造する場合には、上記実施形態1と同様に、セラミックグリーンシート2a〜2c間に、線状電極3a、4aを交互に配置して、検出電極3、4とすることができる。具体的には、狭い電極間隔Dnに対応するセラミックグリーンシート2aを挟んで、その上下両面に、線状電極3a及び線状電極4aとなる電極膜をそれぞれ配置し、さらにその上方又は下方に、広い電極間隔Dwに対応するセラミックグリーンシート2bを配置する。このとき、セラミックグリーンシート2a、2b間には、線状電極3a、4aとなる電極膜の側方(すなわち、素子幅方向Yの外側)に、その膜厚に相当する隙間が形成される。

0053

その後、図20中に矢印で示すように、全体を素子厚方向Zに加圧すると、線状電極3a、4aとなる電極膜を挟んで、セラミックグリーンシート2a、2bが圧着され、一体化する。この過程で、線状電極3a、4aとなる電極膜の主部分は、隣接するセラミックグリーンシート2a、2bに吸収される。一方、線状電極3a、4aの側方では、セラミックグリーンシート2a、2b間に電極膜が吸収されないために、他の部位に比べて密度が小さいままとなる。その結果、さらに加圧していく際に、この部位のセラミックグリーンシート2a、2bがより潰れやすくなり、線状電極3a、4aの両端部において、対向する端縁が互いに近づくように変形して狭幅部12が形成される。また、その外側には、図示されない拡幅部13が形成される。

0054

(実施形態4)
図22に実施形態4として示すように、狭幅部12が形成されない構成とする場合には、上記実施形態3に示した製造方法において、線状電極3a、4aとなる電極膜の側方に、その膜厚に相当するセラミックグリーンシート2dを配置することもできる。上記実施形態3と同様に、図示の状態から加圧すると、セラミックグリーンシート2a、2b間に隙間が形成されないので、狭幅部12及び拡幅部13が形成されない構成となる。すなわち、この場合には、上記実施形態1に示したように、線状電極3a、4aの間に一定の狭い電極間隔Dnを有する構成とすることができる。

0055

この製造方法によれば、セラミックグリーンシート2a、2bの間に、セラミックグリーンシート2dが配置されることで、段差を有さずに良好に加圧圧着される。これにより、検出部11において、検出電極3、4の周囲を取り囲む絶縁層が形成され、密着性が向上する。また、セラミックグリーンシート2a、2b、2dが互いに密着し、検出電極3、4との間の剥離が防止されることで、絶縁性、耐久性が向上する。

0056

なお、上記実施形態1の構成において、狭い電極間隔Dnに対応するセラミックグリーンシート2aが、比較的厚いシート厚を有する場合には、線状電極3a、4aの膜厚による影響が小さくなる。すなわち、セラミックグリーンシート2a、2bの積層時に、これらに対して十分に薄い線状電極3a、4aの膜厚による段差はほとんど形成されない。この場合には、セラミックグリーンシート2dを配置することなく、上記実施形態1の構成とすることができる。

0057

(試験例2)
上記実施形態3、4に示した構成について、上記試験例1と同様にして、それぞれセンサ出力の立ち上がり時間を調べた。図23に比較して示すように、例えば、狭幅部12を有しない場合には、センサ出力の立ち上がり時間が、約180秒であったのに対して、狭幅部12を有する場合には、センサ出力の立ち上がり時間が、約160秒以下に短縮された。このように、検出部11に狭幅部12を設けることによって、センサ素子1全体としてのセンサ感度を向上できることが確認された。

0058

上記実施形態3では、積層型のセンサ素子1への適用例としたが、上記実施形態2に示した印刷型のセンサ素子1において、複数の線状電極3a、4aが、その両端部に狭幅部12及び拡幅部13を有する構成とすることももちろんできる。また、両端部に限らず、一方の端部としても、狭幅部12のみを有し拡幅部13を有しない構成としてもよい。あるいは、上記実施形態1に示したように、広い電極間隔Dwに加えて、あるいはこれに代えて電極間隔Dw1、Dw2のうち一方又は両方を有する場合には、それぞれに拡幅部13を設けても、その一部に拡幅部13を設けてもよい。その場合、それぞれの拡幅部13は、同じ電極間隔でも異なっていてもよい。

0059

以上のように、粒子状物質検出センサSは、センサ素子1の検出部11を、複数の電極間隔Dn、Dwを有する一対の電極3、4で構成し、検出部構造や製造工程を大きく変更することなく、センサ感度の維持と感度ばらつきの低減を両立させることができる。また、粗大PM粒子による出力急増の頻度を少なくして、検出精度を高めることができる。

0060

上記実施形態では、粒子状物質検出センサSを、内燃機関の燃焼排ガスに含まれる粒子状物質を検出するセンサとして説明したが、粒子状物質が含まれる被測定ガスであれば、いずれにも適用することができる。また、粒子状物質検出センサSは、DPFの故障診断に適用されることを前提とするものではなく、種々の用途に適用することができる。内燃機関は、ディーゼルエンジンに限らず、ガソリンエンジン等であってもよい。

0061

また、上記粒子状物質検出センサSは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を超えない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、センサ素子1を保護するカバー体5は、センサ素子1の検出部11に被測定ガスを導入するように構成されていればよく、外側カバー51及び内側カバー52の形状、ガス導出入孔のサイズや数や、配置等は、任意に設定することができる。また、センサ素子1は、絶縁性基体2の表面に検出電極3、4を配置した検出部11を有していればよく、絶縁性基体2や検出電極3、4の形状、材料等は、適宜変更することができる。

0062

S粒子状物質検出センサ
1センサ素子
11 検出部
2絶縁性基体
21 第1絶縁層
22 第2絶縁層
3、4検出電極
3a、4a線状電極
5 カバー体

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