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技術 レーダ装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 岸上高明佐藤潤二
出願日 2016年5月23日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2016-102475
公開日 2017年3月23日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-058359
状態 未査定
技術分野 レーダ方式及びその細部 可変指向性アンテナ、アンテナ配列
主要キーワード 垂直方向直線 水平位置関係 字型配置 角度方向θ 十字配置 M系列 パルス変調波 Y座標
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
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図面 (20)

課題

仮想受信アレーにおける開口長最大限拡大すること。

解決手段

複数の送信アンテナ106は、第1の方向に配置されるNt1個の送信アンテナと、第1の方向と直交する第2の方向に配置されるNt2個の送信アンテナと、を含み、複数の受信アンテナは、第1の方向に配置されるNa1個の受信アンテナと、第2の方向に配置されるNa2個の受信アンテナと、を含み、第1の方向において、Nt1個の送信アンテナ間各素子間隔、及び、Na1個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第1の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値であり、第2の方向において、Nt2個の送信アンテナ間の各素子間隔、及び、Na2個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第2の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値である。

概要

背景

近年、高分解能が得られるマイクロ波又はミリ波を含む波長の短いレーダ送信信号を用いたレーダ装置の検討が進められている。また、屋外での安全性を向上させるために、車両以外にも、歩行者を含む物体ターゲット)を広角範囲で検知するレーダ装置(広角レーダ装置)の開発が求められている。

例えば、レーダ装置として、パルス波を繰り返し発信するパルスレーダ装置が知られている。広角範囲において車両/歩行者を検知する広角パルスレーダ受信信号は、近距離に存在するターゲット(例えば車両)と、遠距離に存在するターゲット(例えば歩行者)とからの複数の反射波が混合された信号となる。このため、(1)レーダ送信部では、低いレンジサイドローブとなる自己相関特性(以下、低レンジサイドローブ特性と呼ぶ)を有するパルス波又はパルス変調波を送信する構成が要求され、(2)レーダ受信部では、広い受信ダイナミックレンジを有する構成が要求される。

広角レーダ装置の構成として、以下の2つの構成が挙げられる。

一つ目は、パルス波又は変調波を狭角(数度程度のビーム幅)の指向性ビームを用いて、機械的又は電子的に走査してレーダ波を送信し、狭角の指向性ビームを用いて反射波を受信する構成である。この構成では、高分解能を得るためには多くの走査が必要となるので、高速移動するターゲットに対する追従性劣化する。

二つ目は、複数のアンテナアンテナ素子)で構成されるアレーアンテナによって反射波を受信し、アンテナ間隔に対する受信位相差に基づく信号処理アルゴリズムによって反射波の到来角推定する手法(Direction of Arrival (DOA) estimation)を用いる構成である。この構成では、送信ブランチでの送信ビーム走査間隔間引いたとしても、受信ブランチにおいて到来角を推定できるので、走査時間の短縮化が図れ、1つ目の構成と比較して追従性が向上する。例えば、到来方向推定方法には、行列演算に基づくフーリエ変換逆行列演算に基づくCapon法及びLP(Linear Prediction)法、又は、固有値演算に基づくMUSIC(Multiple Signal Classification)及びESRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)が挙げられる。

また、レーダ装置として、受信ブランチに加え、送信ブランチにも複数のアンテナ(アレーアンテナ)を備え、送受信アレーアンテナを用いた信号処理によりビーム走査を行う構成(MIMOレーダと呼ぶこともある)が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。

MIMOレーダでは、送受信アレーアンテナにおけるアンテナ素子の配置を工夫することにより、最大で送信アンテナ素子数と受信アンテナ素子数との積に等しい仮想的な受信アレーアンテナ(以下、仮想受信アレーと呼ぶ)を構成することができる。これにより、少ない素子数によってアレーアンテナの実効的な開口長を増大させる効果がある。

また、垂直方向又は水平方向の一次元走査以外にも、垂直方向及び水平方向の2次元におけるビーム走査を行う場合にもMIMOレーダが適用可能である。

概要

仮想受信アレーにおける開口長を最大限拡大すること。複数の送信アンテナ106は、第1の方向に配置されるNt1個の送信アンテナと、第1の方向と直交する第2の方向に配置されるNt2個の送信アンテナと、を含み、複数の受信アンテナは、第1の方向に配置されるNa1個の受信アンテナと、第2の方向に配置されるNa2個の受信アンテナと、を含み、第1の方向において、Nt1個の送信アンテナ間各素子間隔、及び、Na1個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第1の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値であり、第2の方向において、Nt2個の送信アンテナ間の各素子間隔、及び、Na2個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第2の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値である。A

目的

本開示の一態様は、仮想受信アレーにおける開口長を最大限拡大することができるレーダ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

所定の送信周期にてレーダ信号を複数の送信アンテナのそれぞれから送信するレーダ送信部と、前記複数のレーダ信号がターゲットにおいて反射された複数の反射波信号を複数の受信アンテナを用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記複数の送信アンテナは、第1の方向に配置されるNt1個の送信アンテナと、前記第1の方向と直交する第2の方向に配置されるNt2個の送信アンテナと、を含み、前記複数の受信アンテナは、前記第1の方向に配置されるNa1個の受信アンテナと、前記第2の方向に配置されるNa2個の受信アンテナと、を含み、前記第1の方向において、前記Nt1個の送信アンテナ間各素子間隔、及び、前記Na1個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第1の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値であり、前記第2の方向において、前記Nt2個の送信アンテナ間の各素子間隔、及び、前記Na2個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第2の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値である、レーダ装置

請求項2

前記送信アンテナの前記第1の方向におけるアンテナ素子間隔の総和は、前記受信アンテナの前記第1の方向におけるアンテナ素子間隔の最小値よりも小さい、又は、前記受信アンテナの前記第1の方向におけるアンテナ素子間隔の総和は、前記送信アンテナの前記第1の方向におけるアンテナ素子間隔の最小値よりも小さい、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項3

前記第1の方向において、前記Nt1個の送信アンテナと前記Na1個の受信アンテナとでは、アンテナ個数が少ないアンテナの素子間隔最大値は、アンテナ個数が多いアンテナの素子間隔の最大値よりも大きく、前記第2の方向において、前記Nt2個の送信アンテナと前記Na2個の受信アンテナとでは、アンテナ個数が少ないアンテナの素子間隔の最大値は、アンテナ個数が多いアンテナの素子間隔の最大値よりも大きい、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項4

前記レーダ受信部は、前記複数の反射波信号を、前記複数の送信アンテナ及び前記複数の受信アンテナによって構成される仮想受信アレーを用いて受信した信号として、受信処理し、前記仮想受信アレーにおいて、前記第1の方向に配置されるNt1×Na1個の仮想アンテナ素子のうちの任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔の各々は、前記第1の間隔の1以上の整数倍であり、複数の前記任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔は、1倍から第1所定値倍までの全てを含む、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項5

前記レーダ受信部は、前記複数の反射波信号を、前記複数の送信アンテナ及び前記複数の受信アンテナによって構成される仮想受信アレーを用いて受信した信号として、受信処理し、前記仮想受信アレーにおいて、前記第2の方向に配置されるNt2×Na2個の仮想アンテナ素子のうちの任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔の各々は、前記第2の間隔の1以上の整数倍であり、複数の前記任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔は、1倍から第2所定値倍までの全てを含む、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項6

前記複数の送信アンテナ及び前記複数の受信アンテナの少なくとも一方のアンテナは複数のサブアレー素子で構成され、前記少なくとも一方のアンテナの前記第1の方向の各アンテナのサイズが1波長以上の場合、前記Nt1個の送信アンテナの各素子間隔と前記Na1個の受信アンテナの各素子間隔との間で、各素子間隔の差が1波長未満となる組み合わせが少なくとも1つ含まれ、前記少なくとも一方のアンテナの前記第2の方向の各アンテナのサイズが1波長以上の大きい場合、前記Nt2個の送信アンテナの各素子間隔と前記Na2個の受信アンテナの各素子間隔との間で、素子間隔の差が1波長未満となる組み合わせが少なくとも1つ含まれる、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項7

前記レーダ受信部は、前記複数の反射波信号を、前記複数の送信アンテナ及び前記複数の受信アンテナによって構成される仮想受信アレーの全ての素子における素子間ベクトルが示す位置に仮想的に配置された仮想面配置アレーアンテナを用いて受信した信号として、受信処理し、前記仮想受信アレーにおいて、前記第1の方向に配置されるNt1×Na1個の仮想アンテナ素子のうちの任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔の各々は、前記第1の間隔の1以上の整数倍であり、複数の前記任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔は、1倍から第1所定値倍までの全てを含む、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項8

前記レーダ受信部は、前記複数の反射波信号を、前記複数の送信アンテナ及び前記複数の受信アンテナによって構成される仮想受信アレーの全ての素子における素子間ベクトルが示す位置に仮想的に配置された仮想面配置アレーアンテナを用いて受信した信号として、受信処理し、前記仮想受信アレーにおいて、前記第2の方向に配置されるNt2×Na2個の仮想アンテナ素子のうちの任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔の各々は、前記第2の間隔の1以上の整数倍であり、複数の前記任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔は、1倍から第2所定値倍までの全てを含む、請求項1に記載のレーダ装置。

請求項9

前記複数の送信アンテナは、Nt1×Nt2が最大となるように配置され、前記複数の受信アンテナは、Na1×Na2が最大となるように配置される、請求項2ないし8のいずれかに記載のレーダ装置。

請求項10

前記複数の送信アンテナ及び前記複数の受信アンテナは、L字型、T字型又は十字型に配置される、請求項1に記載のレーダ装置。

技術分野

0001

本開示は、レーダ装置に関する。

背景技術

0002

近年、高分解能が得られるマイクロ波又はミリ波を含む波長の短いレーダ送信信号を用いたレーダ装置の検討が進められている。また、屋外での安全性を向上させるために、車両以外にも、歩行者を含む物体ターゲット)を広角範囲で検知するレーダ装置(広角レーダ装置)の開発が求められている。

0003

例えば、レーダ装置として、パルス波を繰り返し発信するパルスレーダ装置が知られている。広角範囲において車両/歩行者を検知する広角パルスレーダ受信信号は、近距離に存在するターゲット(例えば車両)と、遠距離に存在するターゲット(例えば歩行者)とからの複数の反射波が混合された信号となる。このため、(1)レーダ送信部では、低いレンジサイドローブとなる自己相関特性(以下、低レンジサイドローブ特性と呼ぶ)を有するパルス波又はパルス変調波を送信する構成が要求され、(2)レーダ受信部では、広い受信ダイナミックレンジを有する構成が要求される。

0004

広角レーダ装置の構成として、以下の2つの構成が挙げられる。

0005

一つ目は、パルス波又は変調波を狭角(数度程度のビーム幅)の指向性ビームを用いて、機械的又は電子的に走査してレーダ波を送信し、狭角の指向性ビームを用いて反射波を受信する構成である。この構成では、高分解能を得るためには多くの走査が必要となるので、高速移動するターゲットに対する追従性劣化する。

0006

二つ目は、複数のアンテナアンテナ素子)で構成されるアレーアンテナによって反射波を受信し、アンテナ間隔に対する受信位相差に基づく信号処理アルゴリズムによって反射波の到来角推定する手法(Direction of Arrival (DOA) estimation)を用いる構成である。この構成では、送信ブランチでの送信ビーム走査間隔間引いたとしても、受信ブランチにおいて到来角を推定できるので、走査時間の短縮化が図れ、1つ目の構成と比較して追従性が向上する。例えば、到来方向推定方法には、行列演算に基づくフーリエ変換逆行列演算に基づくCapon法及びLP(Linear Prediction)法、又は、固有値演算に基づくMUSIC(Multiple Signal Classification)及びESRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)が挙げられる。

0007

また、レーダ装置として、受信ブランチに加え、送信ブランチにも複数のアンテナ(アレーアンテナ)を備え、送受信アレーアンテナを用いた信号処理によりビーム走査を行う構成(MIMOレーダと呼ぶこともある)が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。

0008

MIMOレーダでは、送受信アレーアンテナにおけるアンテナ素子の配置を工夫することにより、最大で送信アンテナ素子数と受信アンテナ素子数との積に等しい仮想的な受信アレーアンテナ(以下、仮想受信アレーと呼ぶ)を構成することができる。これにより、少ない素子数によってアレーアンテナの実効的な開口長を増大させる効果がある。

0009

また、垂直方向又は水平方向の一次元走査以外にも、垂直方向及び水平方向の2次元におけるビーム走査を行う場合にもMIMOレーダが適用可能である。

先行技術

0010

Jian Li, Stoica, Petre, "MIMO Radar with Colocated Antennas," Signal Processing Magazine,IEEE Vol. 24, Issue: 5, pp. 106-114, 2007

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、MIMOレーダに対して小型化かつ低コスト化を図るために送受信ブランチアンテナ数制約(例えば、送信4アンテナ程度/受信4アンテナ程度)がある場合、MIMOレーダによる面的な仮想受信アレーにおいて垂直方向及び水平方向の開口長が制約される。

0012

本開示の一態様は、仮想受信アレーにおける開口長を最大限拡大することができるレーダ装置を提供する。

課題を解決するための手段

0013

本開示の一態様に係るレーダ装置は、所定の送信周期にてレーダ信号を複数の送信アンテナのそれぞれから送信するレーダ送信部と、前記複数のレーダ信号がターゲットにおいて反射された複数の反射波信号を複数の受信アンテナを用いて受信するレーダ受信部と、を具備し、前記複数の送信アンテナは、第1の方向に配置されるNt1個の送信アンテナと、前記第1の方向と直交する第2の方向に配置されるNt2個の送信アンテナと、を含み、前記複数の受信アンテナは、前記第1の方向に配置されるNa1個の受信アンテナと、前記第2の方向に配置されるNa2個の受信アンテナと、を含み、前記第1の方向において、前記Nt1個の送信アンテナ間各素子間隔、及び、前記Na1個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第1の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値であり、前記第2の方向において、前記Nt2個の送信アンテナ間の各素子間隔、及び、前記Na2個の受信アンテナ間の各素子間隔は、それぞれ第2の間隔の整数倍の値であり、全て異なる値である構成を採る。

0014

なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。

発明の効果

0015

本開示の一態様によれば、仮想受信アレーにおける開口長を最大限拡大することができる。

0016

本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。

図面の簡単な説明

0017

送信アンテナの配置例を示す図
受信アンテナの配置例を示す図
仮想受信アレーの配置例を示す図
仮想受信アレーによる指向性パターンを示す図(d=0.5λ)
仮想受信アレーによる指向性パターンを示す図(d=1.3λ)
本開示の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図
本開示の実施の形態1に係るレーダ送信信号の一例を示す図
本開示の実施の形態1に係るレーダ送信信号生成部の他の構成を示すブロック図
本開示の実施の形態1に係るレーダ送信信号の送信タイミング、及び、測定範囲の一例を示す図
本開示の実施の形態1に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態1に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態1に係る仮想受信アレーによる指向性パターンを示す図
本開示の実施の形態1のバリエーション1に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態1のバリエーション1に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態1のバリエーション2に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態1のバリエーション2に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態1のバリエーション3に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態1のバリエーション3に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態2に係るサブアレー化したアンテナ素子を用いた送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態1に係る仮想受信アレーによる指向性パターンを示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション1に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション1に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション1に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション2に係るサブアレー化したアンテナ素子を用いた送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション3に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション3に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
開示の実施の形態2のバリエーション3に係るサブアレー化したアンテナ素子を用いた送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
開示の実施の形態2のバリエーション4に係るサブアレー化したアンテナ素子を用いた送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション4に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション4に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション5に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション5に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション6に係る送信アンテナ及び受信アンテナの配置例を示す図
本開示の実施の形態2のバリエーション6に係る仮想受信アレーの配置例を示す図
本開示の送信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の送信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の送信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の送信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の送信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の送信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の受信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の受信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の受信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の受信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の受信アンテナの配置の一例を示す図
本開示の受信アンテナの配置の一例を示す図
方向推定部の他の構成を示す図
方向推定部の動作説明に用いる3次元座標系を示す図
図9Aアンテナ配置及び、図9Bの仮想受信アレーの配置を用いて構成した仮想面配置アレーアンテナを示す図
素子ベクトルD(nva(t),1)が示す位置に仮想的に配置した素子を示す図
素子間ベクトルD(nva(t),2)が示す位置に仮想的に配置した素子を示す図
図9Bに示す仮想受信アレーを用いて、2次元における方向推定処理を条件Aにおいて計算機シミュレーションした結果を示す図
図9Bに示す仮想受信アレーを用いて、2次元における方向推定処理を条件Bにおいて計算機シミュレーションした結果を示す図
図27に示した仮想面配置アレーアンテナを用いて、2次元における方向推定処理を条件Aにおいて計算機シミュレーション結果を示す図
図27に示した仮想面配置アレーアンテナを用いて、2次元における方向推定処理を条件Bにおいて計算機シミュレーション結果を示す図

実施例

0018

[本開示の一態様をするに至った経緯]
図1Aは、4個の送信アンテナ(Tx#1〜Tx#4)を含む送信アレーアンテナのアンテナ配置を示し、図1Bは、4個の受信アンテナ(Rx#1〜Rx#4)を含む受信アレーアンテナのアンテナ配置を示す。

0019

図1A及び図1Bにおいて、dHは受信アンテナの水平方向の素子間隔を示し、dVは受信アンテナの垂直方向の素子間隔を示す。また、図1Aでは、送信アンテナの水平方向及び垂直方向の素子間隔は、それぞれ、2dH、2dVとする。

0020

図1Cは、図1A及び図1Bに示すアンテナ配置の送受信アレーアンテナを含む仮想受信アレーを示す。

0021

図1Cに示すように、仮想受信アレーは、水平方向に4アンテナ、垂直方向に4アンテナが面的に配置された16素子の仮想受信アンテナ(VA#1〜VA#16)を含む。

0022

図1Cでは、仮想受信アンテナの水平方向及び垂直方向の素子間隔は、それぞれ、dH、dVとなる。すなわち、仮想受信アレーの水平方向及び垂直方向の開口長DH、DVは、3dH、3dVとなる。

0023

一例として、素子間隔d=dH=dV、開口長D=DH=DVの仮想受信アレーを用いた、等振幅ウェイトであり、かつ、フーリエビームによるビーム幅(フーリエビーム幅)BWは、次式で表される。なお、λは送信ブランチから送信される無線信号RF信号)のキャリア周波数の波長を示す。
BW≒0.7λ/D[rad]

0024

図1Cに示す仮想受信アレー(D=3d)では、フーリエビーム幅BW≒0.7λ/3d[rad]となる。

0025

例えば、d=0.5λではフーリエビーム幅BW≒0.7/1.5[rad]≒30°であり、d=0.7λではフーリエビーム幅BW≒0.7/2.1[rad]≒19°である。

0026

素子間隔dを更に広くすることにより、フーリエビーム幅BWをより狭くすることができる。しかし、素子間隔dを広くするほど、メインビームに比較的近い角度においてグレーティングローブが発生し、誤検出が増大してしまう。

0027

例えば、図2Aは素子間隔d=0.5λにおける指向性パターンを示し、図2Bは、素子間隔d=1.3λにおける指向性パターンを示す。なお、図2A及び図2Bでは、メインビームが0°方向に形成されている。

0028

図2Aに示すように、素子間隔d=0.5λでは、メインビームのフーリエビーム幅BWが30°程度と比較的広くなる。また、図2Aでは、±90°の範囲においてグレーティングローブは発生しない。

0029

一方、図2Bに示すように、素子間隔d=1.3λでは、メインビームのフーリエビーム幅BWが10°程度と比較的狭くなるが、メインビーム(0°方向)から±50°程度離れた角度にグレーティングローブが発生する。

0030

例えば、図2Bにおいて、広角レーダ検知角が±25°程度以上に広いでは、検知角度範囲内にグレーティングローブが発生することになり、誤検出が増加する。

0031

このように、フーリエビーム幅BWを狭めるために素子間隔dを広くすることには制約がある。また、素子間隔dを広くする代わりに、アンテナ素子数を増やすことにより開口長Dを広くしてもよいが、低コスト化を考慮すると、仮想受信アレーの開口長Dにも制約が生じる。

0032

上記制約の下で10°程度の角度分解能を実現するに、DOA推定アルゴリズムとして、例えば、MUSIC、Capon法等を用いる場合、固有値分解又は逆行列演算を行うための演算量が増加する。また、高分解能を実現するDOA推定アルゴリズムを適用する場合でも、SNR(Signal to Noise Ratio)が十分に高くなければ、高い角度分離性能は得ることは困難である。

0033

本開示に係る一態様は、MIMOレーダを用いて垂直方向及び水平方向の2次元においてビーム走査を行う場合に、垂直方向及び水平方向の仮想受信アレーの開口長を最大限拡大する。このような仮想受信アレーを用いることで、少ないアンテナ素子数による角度分解能の向上を可能とし、レーダ装置の小型化、低コスト化を図る。

0034

以下、本開示の一態様に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。

0035

なお、以下では、レーダ装置において、送信ブランチにおいて、複数の送信アンテナから符号分割多重された異なる送信信号送出し、受信ブランチにおいて、各送信信号を分離して受信処理を行う構成について説明する。しかし、レーダ装置の構成は、これに限定されず、送信ブランチにおいて、複数の送信アンテナから周波数分割多重された異なる送信信号を送出し、受信ブランチにおいて、各送信信号を分離して受信処理を行う構成でもよい。また、同様に、レーダ装置の構成は、送信ブランチで複数の送信アンテナから時分割多重された送信信号を送出し、受信ブランチで、受信処理を行う構成でもよい。

0036

[実施の形態1]
[レーダ装置の構成]
図3は、本実施の形態に係るレーダ装置10の構成を示すブロック図である。

0037

レーダ装置10は、レーダ送信部(送信ブランチ)100と、レーダ受信部(受信ブランチ)200と、基準信号生成部300と、を有する。

0038

レーダ送信部100は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号に基づいて高周波無線周波数:Radio Frequency)のレーダ信号(レーダ送信信号)を生成する。そして、レーダ送信部100は、複数の送信アンテナ106−1〜106−Ntによって構成される送信アレーアンテナを用いて、レーダ送信信号を所定の送信周期にて送信する。

0039

レーダ受信部200は、ターゲット(図示せず)により反射したレーダ送信信号である反射波信号を、複数の受信アンテナ202−1〜202−Naを含む受信アレーアンテナを用いて受信する。レーダ受信部200は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を用いて、下記の処理動作を行うことで、レーダ送信部と同期した処理を行う。すなわち、レーダ受信部200は、各受信アンテナ202において受信した反射波信号を信号処理し、少なくともターゲットの有無検出、方向推定を行う。なお、ターゲットはレーダ装置10が検出する対象の物体であり、例えば、車両(4輪及び2輪を含む)又は人を含む。

0040

基準信号生成部300は、レーダ送信部100及びレーダ受信部200のそれぞれに接続されている。基準信号生成部300は、基準信号としてのリファレンス信号をレーダ送信部100及びレーダ受信部200に供給し、レーダ送信部100及びレーダ受信部200の処理を同期させる。

0041

[レーダ送信部100の構成]
レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101−1〜101−Ntと、送信無線部105−1〜105−Ntと、送信アンテナ106−1〜106−Ntと、を有する。すなわち、レーダ送信部100は、Nt個の送信アンテナ106を有し、各送信アンテナ106は、それぞれ個別のレーダ送信信号生成部101及び送信無線部105に接続されている。

0042

レーダ送信信号生成部101は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいてレーダ送信信号を生成する。そして、レーダ送信信号生成部101は、所定のレーダ送信周期(Tr)にてレーダ送信信号を繰り返し出力する。レーダ送信信号は、rz(k, M)=Iz(k, M)+j Qz(k, M)で表される。ここで、zは各送信アンテナ106に対応する番号を表し、z=1,…,Ntである。また、jは虚数単位を表し、kは離散時刻を表し、Mはレーダ送信周期の序数を表す。

0043

各レーダ送信信号生成部101は、符号生成部102と、変調部103と、LPF(Low Pass Filter)104とを含む。以下、第z番目(z=1,…,Nt)の送信アンテナ106に対応するレーダ送信信号生成部101−zにおける各構成部について説明する。

0044

具体的には、符号生成部102は、レーダ送信周期Tr毎に、符号長Lの符号系列の符号a(z)n(n=1,…,L)(パルス符号)を生成する。各符号生成部102−1〜102−Ntにおいて生成される符号a(z)n(z=1,…,Nt)には、互いに低相関又は無相関となる符号が用いられる。符号系列としては、例えば、Walsh-Hadamard符号、M系列符号、Gold符号などが挙げられる。

0045

変調部103は、符号生成部102から受け取る符号a(z)nに対してパルス変調振幅変調ASK(Amplitude Shift Keying)、パルスシフトキーイング)又は位相変調(Phase Shift Keying)を行い、変調信号をLPF104へ出力する。

0046

LPF104は、変調部103から受け取る変調信号のうち、所定の制限帯域以下の信号成分を、ベースバンドのレーダ送信信号として送信無線部105へ出力する。

0047

第z(z=1,…,Nt)番目の送信無線部105は、第z番目のレーダ送信信号生成部101から出力されるベースバンドのレーダ送信信号に対して周波数変換を施してキャリア周波数(Radio Frequency:RF)帯のレーダ送信信号を生成し、送信増幅器により所定の送信電力P[dB]に増幅して第z番目の送信アンテナ106へ出力する。

0048

第z(z=1,…,Nt)番目の送信アンテナ106は、第z番目の送信無線部105から出力されるレーダ送信信号を空間に放射する。

0049

図4は、レーダ送信部100のNt個の送信アンテナ106から送信されるレーダ送信信号を示す。符号送信区間Tw内には符号長Lのパルス符号系列が含まれる。各レーダ送信周期Trのうち、符号送信区間Twの間にパルス符号系列が送信され、残りの区間(Tr-Tw)は無信号区間となる。1つのパルス符号(a(z)n)あたり、No個のサンプルを用いたパルス変調が施されることにより、各符号送信区間Tw内には、Nr(=No×L)個のサンプルの信号が含まれる。すなわち、変調部103におけるサンプリングレートは、(No×L)/Twである。また、無信号区間(Tr-Tw)には、Nu個のサンプルが含まれる。

0050

なお、レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101の代わりに、図5に示すレーダ送信信号生成部101aを備えてもよい。レーダ送信信号生成部101aは、図3に示す符号生成部102、変調部103及びLPF104を有さず、代わりに符号記憶部111及びDA変換部112を備える。符号記憶部111は、符号生成部102(図3)において生成される符号系列を予め記憶し、記憶している符号系列を巡回的に順次読み出す。DA変換部112は、符号記憶部111から出力される符号系列(デジタル信号)をアナログ信号に変換する。

0051

[レーダ受信部200の構成]
図3において、レーダ受信部200は、Na個の受信アンテナ202を備え、アレーアンテナを構成する。また、レーダ受信部200は、Na個のアンテナ系統処理部201−1〜201−Naと、方向推定部214と、を有する。

0052

各受信アンテナ202は、ターゲット(物体)に反射したレーダ送信信号である反射波信号を受信し、受信した反射波信号を、対応するアンテナ系統処理部201へ受信信号として出力する。

0053

各アンテナ系統処理部201は、受信無線部203と、信号処理部207とを有する。

0054

受信無線部203は、増幅部204と、周波数変換器205と、直交検波器206と、を有する。受信無線部203は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいて動作する。具体的には、増幅器204は、受信アンテナ202から受け取る受信信号を所定レベルに増幅し、周波数変換器205は、高周波帯域の受信信号をベースバンド帯域に周波数変換し、直交検波器206は、ベースバンド帯域の受信信号を、I信号及びQ信号を含むベースバンド帯域の受信信号に変換する。

0055

信号処理部207は、AD変換部208、209と、分離部210−1〜210−Ntと、を有する。

0056

AD変換部208には、直交検波器206からI信号が入力され、AD変換部209には、直交検波器206からQ信号が入力される。AD変換部208は、I信号を含むベースバンド信号に対して、離散時間でのサンプリングを行うことにより、I信号をデジタルデータに変換する。AD変換部209は、Q信号を含むベースバンド信号に対して、離散時間でのサンプリングを行うことにより、Q信号をデジタルデータに変換する。

0057

ここで、AD変換部208,209のサンプリングでは、レーダ送信信号における1つのサブパルスの時間Tp(=Tw/L)あたり、Ns個離散サンプルが行われる。すなわち、1サブパルスあたりのオーバーサンプル数はNsとなる。

0058

以下の説明では、I信号Ir(k, M)及びQ信号Qr(k, M)を用いて、AD変換部208,209の出力としての第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の離散時間kにおけるベースバンドの受信信号を複素数信号x(k, M)=Ir(k, M)+j Qr(k, M)と表す。また、以下では、離散時刻kは、レーダ送信周期(Tr)の開始するタイミングを基準(k=1)とし、信号処理部207は、レーダ送信周期Trが終了する前までのサンプル点であるk=(Nr+Nu)Ns/Noまで周期的に動作する。すなわち、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noとなる。ここで、jは虚数単位である。

0059

信号処理部207は、送信アンテナ106の個数分の系統数に等しいNt個の分離部210を含む。各分離部210は、相関演算部211と、加算部212と、ドップラー周波数解析部213と、を有する。以下、第z(z=1,…,Nt)番目の分離部210の構成について説明する。

0060

相関演算部211は、レーダ送信周期Tr毎に、AD変換部208,209から受け取る離散サンプル値Ir(k, M)及びQr(k, M)を含む離散サンプル値x(k, M)と、レーダ送信部100において送信される符号長Lのパルス符号a(z)n(ただし、z=1,…,Nt、n=1,…,L)との相関演算を行う。例えば、相関演算部211は、離散サンプル値x(k, M)と、パルス符号a(z)nとのスライディング相関演算を行う。例えば、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]における離散時刻kのスライディング相関演算の相関演算値AC(z)(k, M)は、次式に基づき算出される。

0061

上式において、アスタリスク(*)は複素共役演算子を表す。

0062

相関演算部211は、例えば、式(1)に従って、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noの期間に渡って相関演算を行う。

0063

なお、相関演算部211は、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noに対して相関演算を行う場合に限定されず、レーダ装置10の測定対象となるターゲットの存在範囲に応じて、測定レンジ(すなわち、kの範囲)を限定してもよい。これにより、レーダ装置10では、相関演算部211の演算処理量の低減が可能となる。例えば、相関演算部211は、k=Ns(L+1),…,(Nr+Nu)Ns /No-NsLに測定レンジを限定してもよい。この場合、図6に示すように、レーダ装置10は、符号送信区間Twに相当する時間区間では測定を行わない。

0064

これにより、レーダ装置10は、レーダ送信信号がレーダ受信部200に直接的に回り込むような場合でも、レーダ送信信号が回り込む期間(少なくともτ1未満の期間)では相関演算部211による処理が行われないので、回り込みの影響を排除した測定が可能となる。また、測定レンジ(kの範囲)を限定する場合、以下で説明する加算部212、ドップラー周波数解析部213及び方向推定部214の処理に対しても、同様に測定レンジ(kの範囲)を限定した処理を適用すればよい。これにより、各構成部での処理量を削減でき、レーダ受信部200における消費電力を低減できる。

0065

加算部212は、第M番目のレーダ送信周期Trの離散時刻k毎に相関演算部211から受け取る相関演算値AC(z)(k, M)を用いて、所定回数(Np回)のレーダ送信周期Trの期間(Tr×Np)に渡って、相関演算値AC(z)(k, M)を加算(コヒーレント積分)する。期間(Tr×Np)に渡る加算数Npの加算(コヒーレント積分)処理は次式で表される。

0066

ここで、CI(z)(k, m)は相関演算値の加算値(以下、相関加算値と呼ぶ)を表し、Npは1以上の整数値であり、mは加算部212における加算回数Npを1個の単位とした場合における加算回数の序数を示す1以上の整数である。また、z=1,…,Ntである。

0067

加算部212は、レーダ送信周期Trを単位として得られた相関演算部211の出力を一つの単位として、Np回の加算を行う。つまり、加算部212は、相関演算値AC(z)(k, Np(m-1)+1)〜AC(z)(k, Np×m)を一単位として、離散時刻kのタイミングを揃えて加算した相関値CI(z)(k, m)を離散時刻k毎に算出する。これにより、加算部212は、相関演算値のNp回に渡る加算の効果により、ターゲットからの反射波信号が高い相関を有する範囲において、反射波信号のSNRを向上できる。よって、レーダ受信部200は、ターゲットの到来距離の推定に関する測定性能を向上できる。

0068

なお、理想的な加算利得を得るためには、相関演算値の加算回数Npの加算区間において、相関演算値の位相成分がある程度の範囲で揃う条件が必要である。つまり、加算回数Npは、測定対象となるターゲットの想定最大移動速度に基づいて設定されることが好ましい。これは、ターゲットの想定最大速度が大きいほど、ターゲットからの反射波に含まれるドップラー周波数の変動量が大きい。このため、高い相関を有する時間期間が短くなるため、加算回数Npは小さい値となり、加算部212での加算による利得向上効果が小さくなる。

0069

ドップラー周波数解析部213は、離散時刻k毎に得られた加算部212のNc個の出力であるCI(z)(k, Nc(w-1)+1)〜CI(z)(k,Nc×w)を一単位として、離散時刻kのタイミングを揃えてコヒーレント積分を行う。例えば、ドップラー周波数解析部213は、次式に示すように、2Nf個の異なるドップラー周波数fsΔΦに応じた位相変動Φ(fs)=2πfs(Tr×Np)ΔΦを補正した後に、コヒーレント積分を行う。

0070

ここで、FT_CI(z)Nant(k, fs, w)は、ドップラー周波数解析部213における第w番目の出力であり、第Nant番目のアンテナ系統処理部201における離散時刻kでのドップラー周波数fsΔΦのコヒーレント積分結果を示す。ただし、Nant=1〜Naであり、fs=-Nf+1,…,0,…,Nfであり、k=1,…, (Nr+Nu)Ns/Noであり、wは1以上の整数であり、ΔΦは位相回転単位である。

0071

これにより、各アンテナ系統処理部201は、離散時刻k毎の2Nf個のドップラー周波数成分に応じたコヒーレント積分結果であるFT_CI(z)Nant(k, -Nf+1,w),…, FT_CI(z)Nant(k, Nf-1, w)を、レーダ送信周期間Trの複数回Np×Ncの期間(Tr×Np×Nc)毎に得る。なお、jは虚数単位であり、z=1,…,Ntである。

0072

ΔΦ=1/Ncとした場合、上述したドップラー周波数解析部213の処理は、サンプリング間隔Tm=(Tr×Np)、サンプリング周波数fm=1/Tmで加算部212の出力を離散フーリエ変換DFT)処理していることと等価である。

0073

また、Nfを2のべき乗の数に設定することで、ドップラー周波数解析部213では、高速フーリエ変換FFT:Fast Fourier Transform)処理を適用でき、演算処理量を削減できる。なお、Nf>Ncでは、q>Ncとなる領域においてCI(z)(k、Nc(w-1)+q)=0とするゼロ埋め処理を行うことで、同様にFFT処理を適用でき、演算処理量を削減できる。

0074

また、ドップラー周波数解析部213において、FFT処理の代わりに、上式(3)に示す積和演算を逐次的に演算する処理を行ってもよい。つまり、ドップラー周波数解析部213は、離散時刻k毎に得られた加算部212のNc個の出力であるCI(z)(k, Nc(w-1)+q+1)に対して、fs=-Nf+1,…,0,…,Nf-1に対応する係数exp[-j2πfsTrNpqΔφ]を生成し、逐次的に積和演算処理してもよい。ここで、q=0〜Nc−1である。

0075

なお、以下の説明では、Na個のアンテナ系統処理部201の各々において同様の処理を施して得られた第w番目の出力FT_CI(z)1(k, fs, w), FT_CI(z)2(k, fs, w),…, FT_CI(z)Na(k, fs, w)を、次式のように仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)として表記する。仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)は、送信アンテナ数Ntと受信アンテナ数Naとの積であるNt×Na個の要素を含む。仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)は、後述する、ターゲットからの反射波信号に対して受信アンテナ202間の位相差に基づく方向推定を行う処理の説明に用いる。ここで、z=1,…,Ntであり、b=1, …, Naである。

0076

以上、信号処理部207の各構成部における処理について説明した。

0077

方向推定部214は、アンテナ系統処理部201−1〜201−Naから出力されるw番目のドップラー周波数解析部213の仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)に対してアレー補正値h_cal[y]を用いてアンテナ系統処理部201間の位相偏差及び振幅偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)を算出する。仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)は次式で表される。なお、y=1,…,(Nt×Na)である。

0078

アンテナ間偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)は、Na×Nr個の要素からなる列ベクトルである。以下では、仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)の各要素をh1(k, fs, w),…,hNa×Nr(k, fs, w)と表記して、方向推定処理の説明に用いる。

0079

[レーダ装置10におけるアンテナ配置]
以上の構成を有するレーダ装置10におけるNt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202の配置について説明する。

0080

Nt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202の各々は、水平方向及び垂直方向において不等間隔に配置される。

0081

具体的には、水平方向に直線上に配置されるNTH(Nt1と表すこともある)個の送信アンテナ106の各素子間隔、及び、水平方向に直線上に配置されるNRH(Na1と表すこともある)個の受信アンテナ202の各素子間隔は、それぞれ所定値dH(第1の所定値に相当)の整数倍の関係であり、これらの素子間隔は全て異なる値となる。

0082

同様に、垂直方向に直線上に配置されるNTV(Nt2と表すこともある)個の送信アンテナ106の各素子間隔、及び、垂直方向に直線上に配置されるNRV(Na2と表すこともある)個の受信アンテナ202の各素子間隔は、それぞれ所定値dV(第2の所定値に相当)の整数倍の関係であり、これらの素子間隔は全て異なる値となる。

0083

また、本実施の形態に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置では以下の制約条件を満たすものとする。

0084

なお、送信アンテナ106の水平方向に直線上に配置されるアンテナ素子数をNTH本とし、それぞれの素子間隔をα1×dH,α2×dH,…,αNTH−1×dHとする。また、受信アンテナ202の水平方向に直線上に配置されるアンテナ素子数をNRH本とし、それぞれの素子間隔をβ1×dH,β2×dH,…,βNRH−1×dHとする。

0085

また、送信アンテナ106の垂直方向に直線上に配置されるアンテナ素子数をNTV本とし、それぞれの素子間隔をγ1×dV,γ2×dV,…,γNTV−1×dVとする。また、受信アンテナ202の垂直方向に直線上に配置されるアンテナ素子数をNRV本とし、それぞれの素子間隔をη1×dV,η2×dV,…,ηNRV−1×dVとする。

0086

<条件A−1>
水平方向に直線上に配置される受信アンテナ202の素子間隔の総和(受信アンテナ202の水平方向の開口長)は、水平方向に直線上に配置される送信アンテナ106の素子間隔の最小値よりも小さい。
min(α1 , α2 , ・・・ )> (β1+β2+・・・)

0087

または、水平方向に直線上に配置される送信アンテナ106の素子間隔の総和(送信アンテナ106の水平方向の開口長)は、水平方向に直線上に配置される受信アンテナ202の素子間隔の最小値よりも小さい。
min(β1,β2, ・・・ )> (α1 +α2 +・・・)

0088

つまり、水平方向において、送信アンテナ106及び受信アンテナ202のうち、一方のアンテナの素子間隔の総和は、他方のアンテナの素子間隔の最小値よりも小さい。

0089

条件A−1を満たすことにより、仮想受信アレーには、NTH×NRH本の水平方向直線アレーが含まれる。例えば、NTH=NRH=3の場合、水平方向直線アレーは以下の配置位置の素子によって構成される。
{0、β1、β1+β2、
α1、α1+β1、α1+β1+β2、
α2、α2+β1、α2+β1+β2}×dH

0090

<条件A−2>
素子間隔αnth、βnrhは、Nt×Na本の仮想受信アレーのうち、水平方向の直線上に配置されるNTH×NRH本の水平方向直線アレーの任意の2つの素子間隔として、1×dH、2×dH、3×dH〜n×dH(nは2以上の整数)まで、順次dH毎に増加するように、配置される。ここで、上記所定数は、次式がとり得る最大の自然数である。

0091

<条件B−1>
垂直方向に直線上に配置される受信アンテナ202の素子間隔の総和(受信アンテナ202の垂直方向の開口長)は、垂直方向に直線上に配置される送信アンテナ106の素子間隔の最小値よりも小さい。
min(γ1 , γ2 , ・・・ )> (η1 +η2 +・・・)

0092

または、垂直方向に直線上に配置される送信アンテナ106の素子間隔の総和(送信アンテナ106の垂直方向の開口長)は、垂直方向に直線上に配置される受信アンテナ202の素子間隔の最小値よりも小さい。
min(η1 , η2 , ・・・ )> (γ1 +γ2 +・・・)

0093

つまり、垂直方向において、送信アンテナ106及び受信アンテナ202のうち、一方のアンテナの素子間隔の総和は、他方のアンテナの素子間隔の最小値よりも小さい。

0094

条件B−1を満たすことにより、仮想受信アレーには、NTV×NRV本の垂直方向直線アレーが含まれる。例えば、NTV=NRV=3の場合、垂直方向直線アレーは以下の配置位置の素子によって構成される。
{0、η1、η1+η2、
γ1、γ1+η1、γ1+η1+η2、
γ2、γ2+η1、γ2+η1+η2}×dV

0095

<条件B−2>
素子間隔γntv、ηnrvは、Nt×Na本の仮想受信アレーのうち、垂直方向の直線上に配置されるNTV×NRV本の垂直方向直線アレーの任意の2つの素子間隔として、1×dV、2×dV、3×dV〜n×dV(nは2以上の整数)まで、順次dV毎に増加するように、配置される。ここで、上記所定数は、次式がとり得る最大の自然数である。

0096

以上、A−1,A−2,B−1,B−2の条件について説明した。

0097

仮想受信アレーは、A−1,A−2,B−1,B−2の条件を満たすことにより、水平方向に最長となる不等間隔直線アレー及び垂直方向に最長となる不等間隔直線アレーにおける任意の2つのアレー素子の素子間隔の冗長性を最小化するアレー配置(Minimum Redundancy Array:最小冗長アレー。例えば、参考非特許文献1を参照)となる。これにより、レーダ装置は、アレー開口を増大させることで角度分解能を高めることができ、かつ、検知範囲内においてグレーティングローブが発生しない基本単位(例えば、dH、dV:0.5λ程度)毎に、アレー素子による空間的なサンプリングができるので、グレーティングローブ及びサイドローブ抑圧を図ることができる。

0098

(参考非特許文献1)A. Moffet, "Minimum-redundancy linear arrays", Antennas and Propagation,IEEE Transactions on, vol. 16, no. 2,(1968), pp. 172-175.

0099

次に、図7Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図7Bは、図7Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0100

ここでは、送信アンテナ106の個数Nt=4個とし、受信アンテナ202の個数Na=4個とする。また、4個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#4で表し、4個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#4で表す。

0101

図7Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#4は、垂直方向に配置した3つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを配置し(L字を+90°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの右端である受信アンテナRx#3を基点に垂直上方向に更に1つのアンテナを配置する(L字を−90°回転)。

0102

また、図7A図7Bにおいて、dHは水平方向の素子間隔の基本単位を示し、dVは垂直方向の素子間隔の基本単位を示す。図7Aでは、送信アンテナ106の水平方向の素子間隔は7dHであり、垂直方向の素子間隔はdVと2dVとである。また、図7Aでは、受信アンテナ202の水平方向の素子間隔は2dHとdHとである、垂直方向の素子間隔は7dVである。

0103

図7Aでは、水平方向において、受信アンテナ202の素子間隔の総和(3dH)は、送信アンテナ106の素子間隔の最小値(7dH)よりも小さい。また、図7Aでは、垂直方向において、送信アンテナ106の素子間隔の総和(3dH)は、受信アンテナ202の素子間隔の最小値(7dH)よりも小さい。つまり、図7Aのアンテナ配置は、上述したA−1及びB−1の条件を満たす。

0104

また、図7Aでは、水平方向において、NTH個の送信アンテナ106とNRH個の受信アンテナ202のうち、アンテナ数の少ない送信アンテナ106の素子間隔の最大値(7dH)は、アンテナ数の多い受信アンテナ202の素子間隔の最大値(2dH)よりも大きい。同様に、図7Aでは、垂直方向において、NTV個の送信アンテナ106とNRV個の受信アンテナ202のうち、アンテナ数の少ない受信アンテナ202の素子間隔の最大値(7dH)は、アンテナ数の多い送信アンテナ106の素子間隔の最大値(2dH)よりも大きい。

0105

また、Nt個の送信アンテナ106は、NTH×NTVが最大となるように配置され、Na個の受信アンテナ202は、NRH×NRVが最大となるように配置されることが好ましい。例えば、図7Aでは、Nt(=4)個の送信アンテナ106は、(NTH×NTV)=(2×3)となるように配置され、Na(=4)個の受信アンテナ202は、(NRH×NRV)=(3×2)となるように配置される。こうすることで、Nt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202によって構成される仮想受信アレーの開口面を最大化することができる。

0106

上述した図7Aに示すアンテナ配置によって構成される、図7Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0107

(1)水平方向
図7Aにおいて水平方向に素子間隔7dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#4と、水平方向に素子間隔2dH、dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、図7Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔2dH、dH、4dH、2dH、dHでそれぞれ直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図7Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)。

0108

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 2 dH, 3 dH, 7 dH, 9 dH, 10 dH]となる。

0109

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dHとなる。すなわち、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを用いることによって、水平方向の基本単位dHを素子間隔とする11素子の等間隔直線アレーと仮想的にみなした到来方向推定が可能となる。

0110

例えば、dH=0.5λとすることで、レーダ装置10は、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定が可能となる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dH=5λとなり、ビーム幅BWが約8°となるため、BW=10°以下の高い角度分解能を実現することができる。

0111

方向推定部214における具体的な水平方向の方向推定処理は以下のように行われる。

0112

まず、図7Bにおいて上述した{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dHとなる2つの素子の素子間隔は、例えば、以下の水平方向の仮想受信アレーの組み合わせで得られる。
1×dHとなる素子間隔:VA#5, VA#9の組み合わせ
2×dHとなる素子間隔:VA#4, VA#8の組み合わせ
3×dHとなる素子間隔:VA#1, VA#9の組み合わせ
4×dHとなる素子間隔:VA#9, VA#4の組み合わせ
5×dHとなる素子間隔:VA#5, VA#4の組み合わせ
6×dHとなる素子間隔:VA#9, VA#8の組み合わせ
7×dHとなる素子間隔:VA#1, VA#4の組み合わせ
8×dHとなる素子間隔:VA#5, VA#12の組み合わせ
9×dHとなる素子間隔:VA#1, VA#8の組み合わせ
10×dHとなる素子間隔:VA#1, VA#12の組み合わせ

0113

すなわち、水平方向の直線上に配置されるNTH×NRH本の仮想アンテナ素子(VA)のうちの任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔の各々はdHの1以上の整数倍であり、任意の2つの仮想アンテナ素子は、間隔dHの整数倍を素子間隔とする素子であり、素子間隔が、1倍から所定値倍までの全てを含む。すなわち、図7Aのアンテナ配置は、上述したA−2の条件を満たしている。

0114

なお、同一の素子間隔となる素子の組み合わせが複数ある場合には、その一つを選択してもよく、複数の組み合わせに対して加算平均処理が施されてもよい(ここでは一つを選択する例を示している)。

0115

上記仮想受信アレーの素子番号(VA#の番号)は、式(6)に示すアンテナ間偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k、fs, w)の列ベクトルの要素番号に対応する。例えば、VA#1はh_after_cal(k、fs, w)の列ベクトル要素の1番目の要素h1(k、fs, w)に対応する。他のVA#2〜VA#16についても同様である。

0116

方位推定部214は、上記の素子間隔と仮想受信アレー素子との組み合わせに基づいて、水平方向の基本単位dHを素子間隔とする11素子の等間隔直線アレーの相関ベクトルhVAH(k、fs, w)を生成する。等間隔直線アレーの相関ベクトルhVAH(k、fs, w)は次式で表される。なお、水平方向の等間隔直線アレーの相関ベクトルhVAH(k、fs, w)の要素数をNVAHと表す(図7BではNVAH=11)。

0117

水平到来方向推定において、方位推定部214は、方向推定評価関数値PH(θ、k、fs、w)における方位方向θを所定の角度範囲内で可変として空間プロファイルを算出し、算出した空間プロファイルの極大ピークを大きい順に所定数抽出し、極大ピークの方位方向を到来方向推定値として出力する。

0118

なお、評価関数値PH(θ、k、fs、w)は、到来方向推定アルゴリズムによって各種の方法がある。例えば参考非特許文献2に開示されているアレーアンテナを用いた推定方法を用いてもよい。また、相関の高い複数波が到来する場合は、相関抑圧のために空間スムージング手法を適用した後に、各種の到来方向推定アルゴリズムを適用してもよい。このことは、以下で記載される到来方向推定処理についても同様に適用が可能である。

0119

(参考非特許文献2)Direction-of-arrival estimation using signal subspace modeling Cadzow, J.A.;Aerospace and Electronic Systems,IEEE Transactions on Volume: 28 , Issue: 1 Publication Year: 1992 , Page(s): 64 - 79

0120

例えばビームフォーマ法は次式のように表すことができる。他にも、Capon, MUSICといった手法も同様に適用可能である。

0121

ここで、上付き添え字Hはエルミート転置演算子である。また、aH(θu)は、方位方向θuの到来波に対する仮想受信アレーの方向ベクトルを示す。

0122

また、方位方向θuは到来方向推定を行う方位範囲内を所定の方位間隔β1で変化させたベクトルである。例えば、θuは以下のように設定される。
θu=θmin + uβ1、u=0,…, NU
NU=floor[(θmax-θmin)/β1]+1
ここでfloor(x)は、実数xを超えない最大の整数値を返す関数である。

0123

図8は上記構成を用いて得られる方向推定結果(計算機シミュレーション結果)を示す。図8では、シミュレーション条件として、ビームフォーマ法を使用し、ターゲット方向を0°としている。また、図8に示す方向推定結果は、水平方向における基本単位dHを素子間隔とする11素子の等間隔直線アレーと仮想的にみなした到来方向推定が行われた結果である。

0124

図8に示すように、ターゲット方向0°のビームのビーム幅BWが約8°であり、13dB以下のサイドローブレベルが得られ、かつ、グレーティングローブが発生していないことが分かる。

0125

(2)垂直方向
図7Aにおいて、垂直方向に素子間隔dV、2dVによって配置された3つの送信アンテナTx#1,Tx#2,Tx#3と、垂直方向に素子間隔7dVによって配置された2つの受信アンテナRx#3, Rx#4との垂直位置関係から、図7Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔2dV、dV、4dV、2dV、dVによって直線上に配置された6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図7Bに示す破線で囲まれた、VA#11, VA#10, VA#9, VA#15, VA#14, VA#13)。

0126

VA#11の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#11, VA#10, VA#9, VA#15, VA#14, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, 2 dV, 3 dV, 7 dV, 9 dV, 10 dV]となる。

0127

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである11素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0128

例えば、dV=0.5λでは、レーダ装置10は、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定が可能となる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dV=5λとなるため、ビーム幅BWが約8°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0129

方向推定部214における具体的な垂直方向の方向推定処理は以下のように行われる。

0130

まず、図7Bにおいて上述した{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dVとなる2つの素子の素子間隔は、例えば、以下の垂直方向の仮想受信アレーの組み合わせで得られる。
1×dVとなる素子間隔は、VA#10, VA#9の組み合わせで得られる。
2×dVとなる素子間隔:VA#11, VA#10の組み合わせ
3×dVとなる素子間隔:VA#11, VA#9の組み合わせ
4×dVとなる素子間隔:VA#9, VA#15の組み合わせ
5×dVとなる素子間隔:VA#10, VA#15の組み合わせ
6×dVとなる素子間隔:VA#9, VA#14の組み合わせ
7×dVとなる素子間隔:VA#10, VA#14の組み合わせ
8×dVとなる素子間隔:VA#10, VA#13の組み合わせ
9×dVとなる素子間隔:VA#11, VA#14の組み合わせ
10×dVとなる素子間隔:VA#11, VA#13の組み合わせ

0131

すなわち、垂直方向の直線上に配置されるNTV×NRV本の仮想アンテナ素子(VA)のうちの任意の2つの仮想アンテナ素子の素子間隔の各々はdVの1以上の整数倍であり、任意の2つの仮想アンテナ素子は、間隔dVの整数倍を素子間隔とする素子であり、素子間隔が、1倍から所定値倍までの全てを含む。すなわち、図7Aのアンテナ配置は、上述したB−2の条件を満たしている。

0132

なお、同一の素子間隔となる素子の組み合わせが複数ある場合には、その一つを選択してもよく、複数の組み合わせに対して加算平均処理が施されてもよい(ここでは一つを選択する例を示している)。

0133

上記仮想受信アレーの素子番号(VA#の番号)は、式(6)に示すアンテナ間偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k、fs, w)の列ベクトルの要素番号に対応する。例えば、VA#1はh_after_cal(k、fs, w)の列ベクトル要素の1番目の要素h1(k、fs, w)に対応する。他のVA#2〜VA#16についても同様である。

0134

方位推定部214は、上記の素子間隔と仮想受信アレー素子との組み合わせに基づいて、垂直方向の基本単位dVを素子間隔とする11素子の等間隔直線アレーの相関ベクトルhVAV(k、fs, w)を生成する。等間隔直線アレーの相関ベクトルhVAV(k、fs, w)は次式で表される。なお、垂直方向の等間隔直線アレーの相関ベクトルhVAV(k、fs, w)の要素数をNVAVと表す(図7BではNVAV=11)。

0135

垂直到来方向推定において、方位推定部214は、方向推定評価関数値PV(φ、k、fs、w)における仰角方向φを所定の角度範囲内で可変として空間プロファイルを算出し、算出した空間プロファイルの極大ピークを大きい順に所定数抽出し、極大ピークの仰角方向を到来方向推定値として出力する。

0136

なお、評価関数値PV(φ、k、fs、w)は、到来方向推定アルゴリズムによって各種の方法がある。例えば参考非特許文献2に開示されているアレーアンテナを用いた推定方法を用いてもよい。また、相関の高い複数波が到来する場合は、相関抑圧のために空間スムージング手法を適用した後に、各種の到来方向推定アルゴリズムを適用してもよい。このことは、以下で記載される到来方向推定処理についても同様に適用が可能である。

0137

例えばビームフォーマ法は次式のように表すことができる。他にも、Capon, MUSICといった手法も同様に適用可能である。

0138

ここで、上付き添え字Hはエルミート転置演算子である。また、aV(φv)は、仰角方向φvの到来波に対する仮想受信アレーの方向ベクトルを示す。

0139

また、φvは到来方向推定を行う仰角範囲内を所定の方位間隔β2で変化させたものである。例えば、φvは以下のように設定される。
φv=φmin + vβ2、v=0,…, NV
NV=floor[(φmax-φmin)/β2]+1

0140

以上、図7Bに示す仮想受信アレーの配置の特徴について説明した。

0141

なお、本実施の形態では、後述する仮想受信アレー配置VA#1,…, VA#(Nt×Na)に基づいて仮想受信アレーの方向ベクトルが予め算出されているとする。

0142

また、上述した時刻情報kは、距離情報に変換して出力されてもよい。時刻情報kを距離情報R(k)に変換するには次式を用いればよい。ここで、Twは符号送信区間を表し、Lはパルス符号長を表し、C0は光速度を表す。

0143

また、ドップラー周波数情報(fsΔΦ)は相対速度成分に変換して出力されてもよい。ドップラー周波数fsΔΦを相対速度成分vd(fs)に変換するには、次式を用いて変換することができる。ここで、λは送信無線部105から出力されるRF信号のキャリア周波数の波長である。

0144

以上のように、送信アンテナ数4個、受信アンテナ数4個という比較的少ないアンテナ素子数において、図7Aに示すアレー配置を用いることで、図7Bに示す仮想受信アレーの水平方向及び垂直方向によって構成される開口面を最大化することができる。

0145

つまり、本実施の形態によれば、レーダ装置10は、MIMOレーダを用いて垂直方向及び水平方向の2次元でのビーム走査を行う場合に、垂直方向及び水平方向の仮想受信アレーの開口長を最大限拡大することができる。

0146

また、レーダ装置10は、受信アンテナ202における水平方向及び垂直方向の双方の素子間隔(dH、dV)を例えば0.5λとし、フーリエビーム幅BW=8°程度の高分解能を、等振幅ウェイトであるフーリエビーム走査によって実現できる。すなわち、レーダ装置10は、高分解能を実現可能な到来方向推定アルゴリズムを適用することなく、水平方向及び垂直方向の高分解能化を低演算量で実現できる。

0147

このように、本実施の形態では、このような仮想受信アレーを用いることで少ないアンテナ数による角度分解能の向上を可能とし、レーダ装置10の小型化、低コスト化を図ることができる。

0148

なお、図7Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#4と、受信アンテナRx#1〜Rx#4との間隔は、仮想受信アレーの配置には影響しない。ただし、送信アンテナTx#1〜Tx#4と受信アンテナRx#1〜Rx#4とが近接することにより送受信アンテナ間の結合度が高まるので、送信アンテナTx#1〜Tx#4と受信アンテナRx#1〜Rx#4とは、許容されるアンテナサイズ内においてできるだけ離す配置の方がより好適である。このことは、後述する他のアンテナ配置においても同様である。

0149

また、図7Aでは、一例として、送信アンテナを4素子、受信アンテナを4素子とした場合のアンテナ配置を示した。しかし、図7Aにおける送信アンテナ配置を受信アンテナ配置とし、受信アンテナ配置を送信アンテナ配置とした場合でも、図7Bに示す仮想受信アレーの配置と同様な構成が得られ、同様な効果を得ることができる。このことは、後述する他のアンテナ配置においても同様である。

0150

(実施の形態1のバリエーション1)
送信アンテナ106を4素子、受信アンテナ202を4素子とした場合のアンテナ配置は、図7Aに示すアンテナ配置に限らない。例えば、図9Aは、送信アンテナ106を4素子、受信アンテナ202を4素子とした場合の他のアンテナ配置例を示す。また、図9Bは、図9Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0151

図9Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#4は、図7Aと同様、垂直方向に配置した3つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを配置したパターンである。一方、図9Aにおいて、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの中央である受信アンテナRx#2を基点に、垂直上方向に更に1つのアンテナを配置する(T字を180°回転)。

0152

図9Aに示すアンテナ配置によって構成される、図9Bに示す仮想受信アレーの配置は、図7Bと同様、上述した特徴(1)、(2)を有する。以下、図9A及び図9Bを用いて具体的に説明する。

0153

(1)水平方向
図9Aにおいて水平方向に素子間隔7dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#4と、水平方向に素子間隔2dH、dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、図9Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔2dH、dH、4dH、2dH、dHでそれぞれ直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図9Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)。

0154

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 2 dH, 3 dH, 7 dH, 9 dH, 10 dH]となる。

0155

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを用いることによって、水平方向における基本単位dHを素子間隔とする11素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0156

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dH=5λとなるため、ビーム幅BWが約8°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0157

(2)垂直方向
図9Aにおいて、垂直方向に素子間隔dV、2dVによって配置された3つの送信アンテナTx#1,Tx#2,Tx#3と、垂直方向に素子間隔7dVによって配置された2つの受信アンテナRx#2, Rx#4との垂直位置関係から、図9Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔2dV、dV、4dV、2dV、dVによって直線上に配置された6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図9Bに示す破線で囲まれた、VA#7, VA#6, VA#5, VA#15, VA#14, VA#13)。

0158

VA#7の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#7, VA#6, VA#5, VA#15, VA#14, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, 2 dV, 3 dV, 7 dV, 9 dV, 10 dV]となる。

0159

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを用いることによって、垂直方向における基本単位dVを素子間隔とする11素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0160

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dV=5λとなるため、ビーム幅BWが約8°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0161

(実施の形態1のバリエーション2)
実施の形態1において、水平方向又は垂直方向の何れか一方の角度分解能として10°程度の高い分解能が必要でない場合、レーダ装置10は、送信アンテナ106の素子数又は受信アンテナ202の素子数を3素子としてもよい。

0162

以下では、一例として、垂直方向の角度分解能として高い分解能が要求されない場合に、送信アンテナ106の素子数を3素子とし、受信アンテナ202の素子数を4素子とするレーダ装置10について説明する。

0163

図10Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図10Bは、図10Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0164

図10Aにおいて、3個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#3で表し、4個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#4で表す。図10Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#3は、垂直方向に配置した2つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを、垂直方向の素子間隔よりも狭い間隔によって、配置し(L字を+90°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの右端である受信アンテナRx#3を基点に垂直上方向に更に1つのアンテナを、水平方向の素子間隔よりも狭い間隔によって、配置する(L字を−90°回転)。

0165

また、本バリエーションに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置では、実施の形態1で説明した制約条件A−1、A−2、B−1、B−2を満たすものとする。

0166

図10Aに示すアンテナ配置によって構成される、図10Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0167

(1)水平方向
図10Aにおいて水平方向に素子間隔5dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#3と、水平方向に素子間隔dH、2dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、図10Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔dH、2dH、2dH、dH、2dHによって直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図10Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#4, VA#7, VA#3, VA#6, VA#9)。

0168

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#4, VA#7, VA#3, VA#6, VA#9)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, dH, 3 dH, 5 dH, 6 dH, 8 dH]となる。

0169

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを用いることによって、水平方向における基本単位dHを素子間隔とする9素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0170

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λとすることで、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定が可能となる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が8dH=4λとなるため、ビーム幅BWが約10°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0171

(2)垂直方向
図10Aにおいて、垂直方向に素子間隔dVによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#2と、垂直方向に素子間隔3dVによって配置された2つの受信アンテナRx#3, Rx#4との垂直位置関係から、図10Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔dV、2dV、dVによって直線上に配置された4素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図10Bに示す破線で囲まれた、VA#8, VA#7, VA#11, VA#10)。

0172

VA#8の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する4素子(VA#8, VA#7, VA#11, VA#10)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4)は、(y1,y2, y3, y4)= [0, dV, 3 dV, 4 dV]となる。

0173

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から4の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、4素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを用いることによって、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである5素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0174

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が4dV=2λとなるため、ビーム幅BWが約20°となる。

0175

(実施の形態1のバリエーション3)
実施の形態1において、受信アンテナ202の素子数として5素子以上用いるレーダ装置10では、送信アンテナ106の素子数を3素子としてもよい。又は、送信アンテナ106の素子数として5素子以上用いるレーダ装置10では、受信アンテナ202の素子数を3素子としてもよい。

0176

以下では、一例として、送信アンテナ106の素子数を3素子とし、受信アンテナ202の素子数を5素子とするレーダ装置10について説明する。

0177

図11Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図11Bは、図11Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0178

図11Aにおいて、3個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#3で表し、5個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#5で表す。図11Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#3は、垂直方向に配置した2つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを配置し(L字を+90°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#5は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの中央である受信アンテナRx#3を基点に垂直上下方向にそれぞれ1つのアンテナを配置する(十字型)。なお、受信アンテナRx#1〜Rx#5の配置は十字配置に限定されるものではなく、L字配置でも、T字配置でもよい(例えば、後述する図24A図24Fを参照)。

0179

また、本バリエーションに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置では、実施の形態1で説明した制約条件A−1、A−2、B−1、B−2を満たす配置である。

0180

図11Aに示すアンテナ配置によって構成される、図11Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0181

(1)水平方向
図11Aにおいて水平方向に素子間隔7dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#3と、水平方向に素子間隔2dH、dHによって配置された3つの受信アンテナRx#2, Rx#3, Rx#4との水平位置関係から、図11Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔2dH、dH、4dH、2dH、dHによって直線上に配置されたによって6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図11Bに示す破線で囲まれた、VA#4, VA#7, VA#10, VA#6, VA#9, VA#12)。

0182

VA#4の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#4, VA#7, VA#10, VA#6, VA#9, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 2 dH, 3 dH, 7 dH, 9 dH, 10 dH]となる。

0183

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを用いることによって、水平方向における素子間隔が基本単位dHである11素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0184

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定が可能となる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dH=5λとなるため、ビーム幅BWが約8°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0185

(2)垂直方向
図11Aにおいて、垂直方向に素子間隔7dVによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#2と、垂直方向に素子間隔dV、2dVによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#3, Rx#5との垂直位置関係から、図11Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔dV、2dV、4dV、dV、2dVによって直線上に配置された6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図11Bに示す破線で囲まれた、VA#2, VA#8, VA#14, VA#1, VA#7, VA#13)。

0186

VA#2の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#2, VA#8, VA#14, VA#1, VA#7, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, dV, 3 dV, 7 dV, 8 dV, 10 dV]となる。

0187

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを用いることによって、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである11素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。なお、等間隔直線アレーは、基本単位dV以外の素子間隔は含まない。

0188

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定が可能となる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dV=5λとなるため、ビーム幅BWが約8°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0189

[実施の形態2]
レーダ装置は、アレーアンテナの指向性利得を高めるために、アレーアンテナを構成するアレー素子の各々が更に複数のアンテナ素子(サブアレー化したアンテナ素子)を含むサブアレーアンテナを用いることがある。

0190

例えば、図12は、レーダ装置が垂直方向のレーダ検知範囲を狭くでき、垂直方向の最小素子間隔が2dVである場合、図13Aにサブアレー化したアンテナ素子を適用した一例である。図12では、2つのアレー素子を垂直方向にスタック配置してサブアレー化したサブアレー素子を用いることにより、垂直方向の指向性を狭め、不要な方向への輻射を低減し、アレー素子利得を向上することができる。

0191

アレーアンテナの素子間隔は、アレー素子のサイズよりも狭い間隔には配置困難である。例えば、サブアレーアンテナのアレー素子を垂直方向にスタック配置することで、アレー素子のサイズが1波長程度に増加するため、レーダ装置は、アレーアンテナの配置上の制約を受ける。すなわち、レーダ装置は、サブアレーアンテナ構成では、アレー配置垂直方向の最小素子間隔が所定値以上となる制約を受ける。

0192

このように、レーダ装置は、サブアレーアンテナ構成を用いる場合、アレー素子のサイズが大きくなるので、サブアレーアンテナ間の間隔を広げる必要があり、アレーアンテナによる指向性パターン上に、グレーティングローブが発生する可能性がある。

0193

そこで、本実施の形態では、サブアレーアンテナを用いる場合でも、広範囲に渡りグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定を可能とし、垂直/水平方向の高分解能化を実現するアンテナ配置について説明する。

0194

なお、本実施の形態に係るレーダ装置は、実施の形態1に係るレーダ装置10と基本構成が共通するので、図3を援用して説明する。

0195

また、以下では、一例として、垂直方向にアレー素子がスタック配置されることによって、サブアレー化されたレーダ装置10について説明する。なお、水平方向のアレー素子はサブアレー化されず、実施の形態1と同様の特徴を有するレーダ装置10である。

0196

実施の形態1と同様、Nt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202の各々は、水平方向及び垂直方向において不等間隔に配置される。

0197

また、本実施の形態に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、垂直方向(サブアレーアンテナが構成される方向)において、NTV本の送信アンテナ106の素子間隔と、NRV本の受信アンテナ202の素子間隔との間で、素子間隔の差が垂直方向の素子間隔の基本単位dVとなる組み合わせが1つ以上含まれるように配置される。また、垂直方向の素子間隔の基本単位dVは1λ未満(例えば0.5λ)に設定する。すなわち、送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、以下の式(以下、条件B−3と呼ぶ)を満たす配置が少なくとも一つ含まれるように配置される。

0198

<条件B−3>
|(送信アンテナ106の垂直方向の素子間隔)-(受信アンテナ202の垂直方向の素子間隔)|
=dV≒0.5λ < 1λ

0199

また、本実施の形態に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置を有するレーダ装置10は、実施の形態1で説明した制約条件のうち、B−1以外のA−1、A−2、B−2を満たす。

0200

一例として、図13Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図13Bは、図13Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0201

ここでは、送信アンテナ106の個数Nt=4個とし、受信アンテナ202の個数Na=4個とする。また、4個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#4で表し、4個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#4で表す。

0202

図13Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#4は、垂直方向に配置した3つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを配置したパターンである(L字を+90°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの中央である受信アンテナRx#2を基点に、垂直上方向に更に1つのアンテナを配置したパターンである(T字型を180°回転)。

0203

図13Aに示すアンテナ配置によって構成される、図13Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0204

(1)水平方向
図13Aにおいて水平方向に素子間隔7dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#4と、水平方向に素子間隔2dH、dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、図13Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔2dH、dH、4dH、2dH、dHによって直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図13Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)。

0205

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 2 dH, 3 dH, 7 dH, 9 dH, 10 dH]となる。

0206

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを用いることによって、水平方向における基本単位dHを素子間隔とする11素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0207

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dH=5λとなるため、ビーム幅BWが約8°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0208

(2)垂直方向
図13Aにおいて、垂直方向に素子間隔2dV、4dVによって配置された3つの送信アンテナTx#1,Tx#2,Tx#3と、垂直方向に素子間隔5dVによって配置された2つの受信アンテナRx#2, Rx#4との垂直位置関係から、図13Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔4dV、dV、dV、3dV、2dVによって直線上に配置された6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図13Bに示す破線で囲まれた、VA#7, VA#6, VA#15, VA#5, VA#14, VA#13)。

0209

VA#7の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#7, VA#6, VA#15, VA#5, VA#14, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, 4 dV, 5 dV, 6 dV, 9 dV, 11 dV]となる。

0210

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0211

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における基本単位dVを2倍した素子間隔2dVを含む10素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、10素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0212

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が7dV=3.5λとなるため、ビーム幅Bが約11°となる。また、レーダ装置10は、素子間隔2dVを含む10素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が11dV=5.5λとなるため、ビーム幅BWは約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0213

このように、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、図13Aにおいて、(|(Tx#2及びTx#3の垂直方向の素子間隔4dV)-(Rx#2及びRx#4の垂直方向素子間隔5dV)|=dV≒0.5λ < 1λとなり、条件B−3を満たす。これにより、図13Bでは、仮想受信アレーの垂直方向の配置において、1λ以下の素子間隔(≒0.5λ)が1つ以上含まれる(図13Bに示すVA#6及びVA#15の素子間隔、VA#15及びVA#5の素子間隔、)。図13Aを用いたレーダ装置10は、サブアレーアンテナ構成であっても、垂直方向における基本単位dVを素子間隔とする複数素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすることができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0214

図14は上記構成を用いて得られる方向推定結果(計算機シミュレーション結果)を示す。図14では、シミュレーション条件として、ビームフォーマ法を使用し、ターゲット方向を0°としている。また、図14において実線で示す方向推定結果(8素子DOA)は、垂直方向における基本単位dVを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行った結果であり、点線で示す方向推定結果(10素子DOA)は、垂直方向における基本単位dVの2倍の素子間隔を含む10素子の直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行った結果である。

0215

図14に示すように、8素子の等間隔直線アレーであると仮想的にみなしたレーダ装置10では、ターゲット方向0°のビームのビーム幅BWが約11°であり、13dB以下のサイドローブレベルが得られていることが分かる。また、図14に示すように、10素子の直線アレーであると仮想的にみなしたレーダ装置10では、8素子の等間隔直線アレーであると仮想的にみなした場合(実線)と比較して、サイドローブが上昇しているが、ターゲット方向0°のビームのビーム幅BWが狭まることが分かる。また、図14に示すように、双方においてグレーティングローブが発生していないことが分かる。

0216

以上のように、本実施の形態によれば、レーダ装置10は、サブアレーアンテナ構成において、MIMOレーダを用いて垂直方向及び水平方向の2次元でのビーム走査を行う場合に、垂直方向及び水平方向の仮想受信アレーの開口長を最大限拡大することができる。すなわち、本実施の形態によれば、レーダ装置10は、仮想受信アレーを用いることで、少ないアンテナ数による角度分解能の向上を可能とし、小型化、低コスト化を図ることができる。

0217

(実施の形態2のバリエーション1)
上述した図13AのMIMOレーダにおけるアンテナ配置は、垂直方向にスタック配置してサブアレー化されたアレー素子の垂直方向におけるサイズが2dVよりも小さければ適用可能である。

0218

図13Aの配置において、垂直方向の素子間隔が最小となるのは、Tx#1とTx#2の素子間隔で、2dVである。一方、図15Aの配置において、垂直方向の素子間隔が最小となるのは、Rx#2とRx#4の素子間隔で、3dVである。そのため、図15Aの配置は、より垂直方向のサイズが大きいサブアレー化したアンテナ素子を適用できることになる。垂直方向のサイズが大きいサブアレー化したアンテナ素子を用いることで、垂直方向の利得を高め、また、垂直方向の指向性を絞ることができる。

0219

一方で、垂直方向にスタック配置してサブアレー化されたアレー素子の垂直方向のサイズが2dVより大きく、例えば、図15Cに示すように垂直方向に3つのアンテナ素子をスタック配置してサブアレー化したアンテナ素子を用いる場合、以下に説明するアンテナ配置を用いればよい。以下では、垂直方向にスタック配置してサブアレー化されたアレー素子の垂直方向のサイズが3dV以下であれば適用可能であるアンテナ配置例について説明する。

0220

図15Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図15Bは、図15Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0221

ここでは、送信アンテナ106の個数Nt=4個とし、受信アンテナ202の個数Na=4個とする。また、4個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#4で表し、4個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#4で表す。

0222

図15Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#4は、垂直方向に配置した3つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを配置し(L字を+90°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの中央である受信アンテナRx#2を基点に、垂直上方向に更に1つのアンテナを配置する(T字を180°回転)。

0223

図15Aに示すアンテナ配置によって構成される、図15Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0224

(1)水平方向
図15Aにおいて水平方向に素子間隔7dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#4と、水平方向に素子間隔2dH、dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、図15Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔2dH、dH、4dH、2dH、dHによって直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図15Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)。

0225

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#5, VA#9, VA#4, VA#8, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 2 dH, 3 dH, 7 dH, 9 dH, 10 dH]となる。

0226

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを用いることによって、水平方向における素子間隔が基本単位dHである11素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能を有する到来方向推定ができる。

0227

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、アレー開口長が10dH=5λとなるため、ビーム幅BWが約8°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0228

(2)垂直方向
図15Aにおいて、垂直方向に素子間隔4dV、5dVによって配置された3つの送信アンテナTx#1,Tx#2,Tx#3と、垂直方向に素子間隔3dVによって配置された2つの受信アンテナRx#2, Rx#4との垂直位置関係から、図15Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔3dV、2dV、3dV、1dV、3dVによって直線上に配置された6個の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図15Bに示す破線で囲まれた、VA#7, VA#15, VA#6, VA#14, VA#5, VA#13)。

0229

VA#7の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#7, VA#15, VA#6, VA#14, VA#5, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, 3 dV, 5 dV, 8 dV, 9 dV, 12 dV]となる。

0230

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 12}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである10素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0231

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 12}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向の基本単位dVの3倍の素子間隔3dVを含む11素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、10素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする10素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0232

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする10素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行う場合、アレー開口長が9dV=4.5λとなるため、ビーム幅BWが約9°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。また、素子間隔3dVを含む11素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行う場合、アレー開口長が12dV=6λとなるため、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0233

(実施の形態2のバリエーション2)
上記実施の形態では、垂直方向においてアレー素子をサブアレー化する場合について説明したが、水平方向においてアレー素子をサブアレー化してもよい。すなわち、図16は、レーダ装置10が水平方向のレーダ検知範囲を狭くでき、水平方向の最小素子間隔が2dHである場合、サブアレー化したアンテナ素子を図17Aに適用した一例である。図16では、2つのアレー素子を水平方向にスタック配置してサブアレー化することにより、水平方向の指向性を狭め、不要な方向への輻射を低減し、アレー素子利得を向上することができる。

0234

ただし、上述した垂直方向と同様に、サブアレーアンテナのアレー素子を水平方向にスタック配置することで、アレー素子のサイズが1波長程度に増加するため、アレーアンテナの配置上の制約が生じる。すなわち、レーダ装置10は、サブアレーアンテナ構成では、アレー配置水平方向の最小素子間隔が所定値以上となる制約を受ける。

0235

そこで、本バリエーションでは、水平方向においてサブアレーアンテナを用いる場合でも、広範囲に渡りグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定が可能であり、垂直/水平方向の高分解能化を実現するためのアンテナ配置について説明する。

0236

実施の形態1と同様、Nt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202の各々は、水平方向及び垂直方向において不等間隔に配置される。

0237

また、本実施の形態に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、水平方向(サブアレーアンテナが構成される方向)において、NTV本の送信アンテナ106の素子間隔と、NRV本の受信アンテナ202の素子間隔との間で、素子間隔の差が水平方向の素子間隔の基本単位dHとなる組み合わせが1つ以上含まれるように配置される。また、水平方向の素子間隔の基本単位dHは1λ未満(例えば0.5λ)に設定する。すなわち、送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、以下の式(以下、条件A−3と呼ぶ)を満たす配置が少なくとも一つ含まれるように配置される。

0238

<条件A−3>
|(送信アンテナ106の水平方向の素子間隔)-(受信アンテナ202の水平方向の素子間隔)|
= dH ≒0.5λ < 1λ

0239

また、本バリエーションに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置では、実施の形態1で説明した制約条件のうち、A−1以外のA−2、B−1、B−2を満たすものとする。

0240

こうすることで、レーダ装置10は、水平方向のサブアレーアンテナ構成においても、垂直方向及び水平方向の仮想受信アレーの開口長を最大限拡大することができ、仮想受信アレーを用いることで、少ないアンテナ数による角度分解能の向上を可能とし、小型化、低コスト化を図ることができる。

0241

(実施の形態2のバリエーション3)
本バリエーションでは、垂直方向及び水平方向の双方においてアレー素子をサブアレー化する場合について説明する。図18は、垂直方向及び水平方向の双方のレーダ検知範囲を狭くでき、垂直方向/水平方向の最小素子間隔が2dV、2dHである場合、2素子×2素子のサブアレー化したアンテナ素子を図17Aに適用した一例である。図18では、アレー素子を垂直方向及び水平方向にスタック配置してサブアレー化することにより、垂直方向及び水平方向の指向性を狭め、不要な方向への輻射を低減し、アレー素子利得を向上することができる。

0242

ただし、レーダ装置10は、アレー素子を垂直方向及び水平方向にスタック配置することで、アレー素子のサイズが1波長以上に増加するため、アレーアンテナの配置上の制約が生じる。すなわち、レーダ装置10は、アレー配置の垂直方向及び水平方向の最小素子間隔が所定値以上となる制約を受ける。

0243

そこで、本バリエーションでは、垂直方向及び水平方向の双方においてサブアレーアンテナを用いる場合でも、広範囲に渡りグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定が可能であり、垂直/水平方向の高分解能化を実現するためのアンテナ配置について説明する。

0244

実施の形態1と同様、Nt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202の各々は、水平方向及び垂直方向において不等間隔に配置される。

0245

本実施の形態に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、垂直方向において、NTV本の送信アンテナ106の素子間隔と、NRV本の受信アンテナ202の素子間隔との間で、素子間隔の差が垂直方向の素子間隔の基本単位dVとなる組み合わせが1つ以上含まれるように配置される。また、垂直方向の素子間隔の基本単位dVは1λ未満(例えば0.5λ)に設定する。すなわち、送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、垂直方向において、以下の式(条件B−3)を満たす配置が少なくとも一つ含まれるように配置される。

0246

<条件B−3>
|(送信アンテナ106の垂直方向の素子間隔)-(受信アンテナ202の垂直方向の素子間隔)|
= dV ≒0.5λ < 1λ

0247

また、本実施の形態に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、水平方向において、NTV本の送信アンテナ106の素子間隔と、NRV本の受信アンテナ202の素子間隔との間で、素子間隔の差が水平方向の素子間隔の基本単位dHとなる組み合わせが1つ以上含まれるように配置される。また、水平方向の素子間隔の基本単位dHは1λ未満(例えば0.5λ)に設定する。すなわち、送信アンテナ106及び受信アンテナ202は、水平方向において、以下の式(条件A−3)を満たす配置が少なくとも一つ含まれるように配置される。

0248

<条件A−3>
|(送信アンテナ106の水平方向の素子間隔)-(受信アンテナ202の水平方向の素子間隔)|
=dH≒0.5λ < 1λ

0249

また、本バリエーションに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置では、実施の形態1で説明した制約条件のうち、A−1、B−1以外のA−2、B−2を満たすものとする。

0250

一例として、図17Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図17Bは、図17Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0251

ここでは、送信アンテナ106の個数Nt=4個とし、受信アンテナ202の個数Na=4個とする。また、4個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#4で表し、4個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#4で表す。

0252

図17Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#4は、垂直方向に配置した3つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを配置し(L字を+90°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの中央である受信アンテナRx#2を基点に、垂直上方向に更に1つのアンテナを配置する。

0253

図17Bは、図17Aに示すアンテナ配置によって構成される仮想受信アレーの配置を示す。図17Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0254

(1)水平方向
図17Aにおいて水平方向に素子間隔5dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#4と、水平方向に素子間隔4dH、2dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、図17Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔4dH、dH、dH、3dH、2dHによって直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図17Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#5, VA#4, VA#9, VA#8, VA#12)。

0255

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#5, VA#4, VA#9, VA#8, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 4 dH, 5 dH, 6 dH, 9 dH, 11 dH]となる。

0256

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における素子間隔が基本単位dHである8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0257

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における基本単位dHを2倍した素子間隔2dHを含む10素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、10素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0258

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が7dH=3.5λとなるため、ビーム幅BWが約11°となる。また、レーダ装置10は、素子間隔2dHを含む10素子の直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が11dV=5.5λとなるため、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0259

このように、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、図17Aにおいて、|(Tx#1及びTx#4の水平方向の素子間隔5dV)-(Rx#1及びRx#2の水平方向素子間隔4dV)|=dH≒0.5λ < 1λの条件A−3を満たす。これにより、図17Bでは、仮想受信アレーの水平方向の配置において、1λ以下の素子間隔(≒0.5λ)が1つ以上含まれる(図17Bに示すVA#5及びVA#4の素子間隔、VA#4及びVA#9の素子間隔、)。図17Aを用いたレーダ装置10は、水平方向における基本単位dVを素子間隔とする複数素子の直線アレーと仮想的にみなして、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0260

(2)垂直方向
図17Aにおいて、垂直方向に素子間隔2dV、4dVによって配置された3つの送信アンテナTx#1,Tx#2,Tx#3と、垂直方向に素子間隔5dVによって配置された2つの受信アンテナRx#2, Rx#4との垂直位置関係から、図17Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔4dV、dV、dV、3dV、2dVによって直線上に配置された6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図17Bに示す破線で囲まれた、VA#7, VA#6, VA#15, VA#5, VA#14, VA#13)。

0261

VA#7の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#7, VA#6, VA#15, VA#5, VA#14, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, 4 dV, 5 dV, 6 dV, 9 dV, 11 dV]となる。

0262

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能を有する到来方向推定ができる。

0263

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における基本単位dVを2倍した素子間隔2dVを含む10素子の直線アレーと仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、10素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0264

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が7dV=3.5λとなるため、ビーム幅BWが約11°となる。また、レーダ装置は、素子間隔2dVを含む10素子の直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が11dV=5.5λとなるため、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0265

このように、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、図17Aにおいて、|(Tx#2及びTx#3の垂直方向の素子間隔4dV)-(Rx#2及びRx#4の垂直方向素子間隔5dV)|= dV≒0.5λ < 1λの条件B−3を満たす。これにより、図17Bでは、仮想受信アレーの垂直方向の配置において、1λ以下の素子間隔(≒0.5λ)が1つ以上含まれる(図17Bに示すVA#6及びVA#15の素子間隔、VA#15及びVA#5の素子間隔、)。図17Aを用いたレーダ装置10は、垂直方向における基本単位dVを素子間隔とする複数素子の直線アレーを有すると仮想的にみなすことができるため、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0266

このため、レーダ装置10は、垂直方向及び水平方向の双方がサブアレーアンテナ構成の場合でも、垂直方向及び水平方向の仮想受信アレーの開口長を最大限拡大することができ、仮想受信アレーを用いることで、少ないアンテナ数による角度分解能の向上を可能とし、レーダ装置10の小型化、低コスト化を図ることができる。

0267

(実施の形態2のバリエーション4)
バリエーション3で説明したMIMOレーダにおけるアンテナ配置は、垂直方向及び水平方向にスタック配置してサブアレー化されたアレー素子の垂直方向のサイズが2dVより小さく、かつ、水平方向のサイズが2dHより小さければ適用可能である。

0268

一方で、レーダ装置10は、垂直方向/水平方向にスタック配置してサブアレー化されたアレー素子の垂直方向/水平方向のサイズが2dV、2dHより大きく、例えば、図19に示すように垂直方向及び水平方向に3つのアンテナ素子をスタック配置してサブアレー化したアンテナ素子を用いる場合、以下に説明するアンテナ配置を用いればよい。以下では、垂直方向にスタック配置してサブアレー化されたアレー素子の垂直方向のサイズが3dVより小さく、水平方向にスタック配置してサブアレー化されたアレー素子の水平方向のサイズが3dHより小さければ適用可能であるアンテナ配置例について説明する。

0269

図20Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図20Bは、図20Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0270

ここでは、送信アンテナ106の個数Nt=4個とし、受信アンテナ202の個数Na=4個とする。また、4個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#4で表し、4個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#4で表す。

0271

図20Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#4は、垂直方向に配置した3つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを、垂直方向の素子間隔よりも狭い間隔によって、配置したパターンであり(L字を−180°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの右端である受信アンテナRx#3を基点に垂直上方向に更に1つのアンテナを、水平方向の素子間隔よりも狭い間隔によって、配置する(L字を−90°回転)。

0272

図20Aに示すアンテナ配置によって構成される、図20Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0273

(1)水平方向
図20Aにおいて水平方向に素子間隔3dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#4と、水平方向に素子間隔4dH、5dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、条件A−3を満たし、図20Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔3dH、dH、3dH、2dH、3dHによって直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図20Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#4, VA#5, VA#8, VA#9, VA#12)。

0274

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#4, VA#5, VA#8, VA#9, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 3 dH, 4 dH, 7 dH, 9 dH, 12 dH]となる。

0275

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 12}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における素子間隔が基本単位dHである10素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能を有する到来方向推定ができる。

0276

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 12}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における基本単位dHを3倍した素子間隔3dHを含む11素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、11素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする10素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0277

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする10素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が9dH=4.5λとなるため、ビーム幅BWが約9°となり、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。また、レーダ装置10は、素子間隔3dHを含む11素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が12dV=6λとなるため、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0278

(2)垂直方向
図20Aにおいて、垂直方向に素子間隔4dV、5dVによって配置された3つの送信アンテナTx#1,Tx#2,Tx#3と、垂直方向に素子間隔3dVによって配置された2つの受信アンテナRx#3, Rx#4との垂直位置関係から、条件B−3を満たし、図20Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔3dV、2dV、3dV、dV、3dVによって直線上に配置された6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図20Bに示す破線で囲まれた、VA#11, VA#15, VA#10, VA#14, VA#9, VA#13)。

0279

VA#11の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#11, VA#15, VA#10, VA#14, VA#9, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, 3 dV, 5 dV, 8 dV, 9 dV, 12 dV]となる。

0280

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 12}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである10素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0281

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 12}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における基本単位dVを3倍した素子間隔3dVを含む11素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、11素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする10素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0282

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする10素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が9dV=4.5λとなるため、ビーム幅BWが約9°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。また、レーダ装置10は、素子間隔3dVを含む11素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が12dV=6λとなるため、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0283

(実施の形態2のバリエーション5)
実施の形態2において、水平方向又は垂直方向の何れか一方の角度分解能として10°程度の高い分解能が必要でない場合、送信アンテナ106の素子数又は受信アンテナ202の素子数を3素子としてもよい。

0284

以下では、一例として、垂直方向の角度分解能として高い分解能が要求されない場合に、送信アンテナ106の素子数を3素子とし、受信アンテナ202の素子数を4素子とする場合について説明する。

0285

また、アレー素子を垂直及び水平方向にスタック配置することで、アレー素子のサイズが縦横1波長(1λ)以上になる場合のMIMOアレー配置を用いる。

0286

図21Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図21Bは、図21Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0287

図21Aにおいて、3個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#3で表し、4個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#4で表す。図21Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#3は、垂直方向に配置した2つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを、垂直方向の素子間隔よりも広い間隔によって、配置したパターンであり(L字を+90°回転)、受信アンテナRx#1〜Rx#4は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの中央である受信アンテナRx#2を基点に、垂直上方向に更に1つのアンテナを、水平方向の素子間隔よりも狭い間隔によって配置する(T字を180°回転)。

0288

また、本バリエーションに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置では、実施の形態1で説明した制約条件のうち、A−1、B−1以外の、A−2、B−2を満たすものとする。

0289

図21Aに示すアンテナ配置によって構成される、図21Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0290

(1)水平方向
図21Aにおいて水平方向に素子間隔5dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#3と、水平方向に素子間隔4dH、2dHによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#2, Rx#3との水平位置関係から、条件A−3を満たし、図21Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔4dH、dH、dH、3dH、2dHによって直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図21Bに示す破線で囲まれた、VA#1, VA#4, VA#3, VA#7, VA#6, VA#9)。

0291

VA#1の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#1, VA#4, VA#3, VA#7, VA#6, VA#9)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 4 dH, 5 dH, 6 dH, 9 dH, 11 dH]となる。

0292

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における素子間隔が基本単位dHである8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0293

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における基本単位dHを2倍した素子間隔2dHを含む10素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、10素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0294

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が7dH=3.5λとなるため、ビーム幅BWが約11°となる。また、素子間隔2dHを含む10素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が11dV=5.5λとなるため、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0295

(2)垂直方向
図21Aにおいて、垂直方向に素子間隔2dVによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#2と、垂直方向に素子間隔3dVによって配置された2つの受信アンテナRx#2, Rx#4との垂直位置関係から、条件B−3を満たし、図21Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔2dV、dV、2dVによって直線上に配置された4素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図21Bに示す破線で囲まれた、VA#5, VA#4, VA#11, VA#10)。

0296

VA#5の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する4素子(VA#5, VA#4, VA#11, VA#10)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4)は、(y1,y2, y3, y4)= [0, 2 dV, 3 dV, 5 dV]となる。

0297

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から4の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 5}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、4素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAのうち、{1, 2, 3}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における基本単位dVを素子間隔とする4素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0298

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 5}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における基本単位dVを2倍した素子間隔2dVを含む5素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、5素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dVを素子間隔とする4素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0299

例えば、レーダ装置10は、dV=0.5λでは、垂直方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、素子間隔2dVを含む5素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が5dV=2.5λとなるため、ビーム幅BWが約16°となる。

0300

(実施の形態2のバリエーション6)
実施の形態2において、受信アンテナ202の素子数として5素子以上用いるレーダ装置10では、送信アンテナ106の素子数を3素子としてもよい。又は、送信アンテナ106の素子数として5素子以上用いるレーダ装置10では、受信アンテナ202の素子数を3素子としてもよい。

0301

以下では、一例として、送信アンテナ106の素子数を3素子とし、受信アンテナ202の素子数を5素子とするレーダ装置10について説明する。

0302

また、アレー素子を垂直及び水平方向にスタック配置することで、アレー素子のサイズが縦横1波長(1λ)程度になるMIMOアレー配置を用いて説明する。

0303

図22Aは、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示す。また、図22Bは、図22Aに示すアンテナ配置によって得られる仮想受信アレーの配置を示す。

0304

図22Aにおいて、3個の送信アンテナ106をTx#1〜Tx#3で表し、5個の受信アンテナ202をRx#1〜Rx#5で表す。図22Aにおいて、送信アンテナTx#1〜Tx#3は、垂直方向に配置した3つのアンテナのうちの上端である送信アンテナTx#1を基点に、水平右方向に更に1つのアンテナを配置したパターンである(L字を+90°回転)、
受信アンテナRx#1〜Rx#5は、水平方向に配置した3つのアンテナのうちの中央である受信アンテナRx#3を基点に垂直上下方向にそれぞれ1つのアンテナを配置する(十字型)。なお、受信アンテナRx#1〜Rx#5の配置は十字配置に限定されるものではなく、L字配置でも、T字配置でもよい(例えば、後述する図24A図24Fを参照)。

0305

また、本バリエーションに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置では、実施の形態1で説明した制約条件のうち、A−1、B−1以外のA−2、B−2を満たすものとする。

0306

図22Aに示すアンテナ配置によって構成される、図22Bに示す仮想受信アレーの配置は以下のような特徴を有する。

0307

(1)水平方向
図22Aにおいて水平方向に素子間隔5dHによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#3と、水平方向に素子間隔4dH、2dHによって配置された3つの受信アンテナRx#2, Rx#3, Rx#4との水平位置関係から、条件A−3を満たし、図22Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に素子間隔4dH、dH、dH、3dH、2dHによって直線上に配置された6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを含む(図22Bに示す破線で囲まれた、VA#4, VA#7, VA#6, VA#10, VA#9, VA#12)。

0308

VA#4の水平位置を基準とする場合、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAを構成する6素子(VA#4, VA#7, VA#6, VA#10, VA#9, VA#12)の各々の水平座標(x1,x2, x3, x4, x5, x6)は、(x1,x2, x3, x4, x5, x6)= [0, 4 dH, 5 dH, 6 dH, 9 dH, 11 dH]となる。

0309

ここで、水平方向仮想直線アレーアンテナHLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|xA - xB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dHとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の水平方向仮想直線アレーアンテナHLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における基本単位dHを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

0310

なお、レーダ装置10は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dHとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、水平方向における基本単位dHを2倍した素子間隔2dHを含む10素子の直線アレーを有すると仮想的にみなして、到来方向推定を行ってもよい。この場合、10素子の直線アレーを有するとみなしたレーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする8素子の等間隔直線アレーと比較して、空間的なサイドローブが若干上昇するが、開口長が更に拡大するため、角度分解能を向上させることができる。

0311

例えば、レーダ装置10は、dH=0.5λでは、水平方向±90°の範囲の広範囲に渡ってグレーティングローブの発生を抑えた到来方向推定ができる。また、レーダ装置10は、基本単位dHを素子間隔とする8素子を含む等間隔直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が7dH=3.5λとなるため、ビーム幅BWが約11°となる。またレーダ装置10は、素子間隔2dHを含む10素子の直線アレーと仮想的にみなして到来方向推定を行う場合、アレー開口長が11dV=5.5λとなるため、ビーム幅BWが約7°となり、BW=10°以下の高い角度分解能を実現できる。

0312

(2)垂直方向
図22Aにおいて、垂直方向に素子間隔5dVによって配置された2つの送信アンテナTx#1,Tx#2と、垂直方向に素子間隔2dV、4dVによって配置された3つの受信アンテナRx#1, Rx#3, Rx#5との垂直位置関係から、条件B−3を満たし、図22Bに示す仮想受信アレーは、垂直方向に素子間隔2dV、3dV、dV、dV、4dVによって直線上に配置された6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを含む(図22Bに示す破線で囲まれた、VA#2, VA#8, VA#1, VA#14, VA#7, VA#13)。

0313

VA#2の垂直位置を基準とする場合、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAを構成する6素子(VA#2, VA#8, VA#1, VA#14, VA#7, VA#13)の各々の垂直座標(y1,y2, y3, y4, y5, y6)は、(y1,y2, y3, y4, y5, y6)= [0, 2 dV, 5 dV, 6 dV, 7 dV, 11 dV]となる。

0314

ここで、垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAに含まれる任意の異なる2つの素子の素子間隔|yA - yB|(ただし、A,Bは各々1から6の整数値をとり、A≠Bである)は、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 9, 11}×dVとなる。すなわち、レーダ装置10は、6素子の垂直方向仮想直線アレーアンテナVLAのうち、{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}×dVとなる素子間隔の組み合わせを用いることによって、垂直方向における素子間隔が基本単位dVである8素子の等間隔直線アレーを有すると仮想的にみなすことができ、高い角度分解能による到来方向推定ができる。

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