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技術 溶融紡糸装置

出願人 TMTマシナリー株式会社
発明者 鈴木淳平川本和弘
出願日 2015年9月16日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-183344
公開日 2017年3月23日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-057521
状態 特許登録済
技術分野 紡糸方法及び装置
主要キーワード 開口部形成部材 ノッチ機構 各調整部材 調節筒 調整筒 供給箱 外側全周 開口比率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
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図面 (12)

課題

簡単な作業で、紡糸口金冷却装置との間の開口面積を調整することが可能な溶融紡糸装置を提供すること。

解決手段

紡糸溶融装置は、紡糸口金13を有する紡糸パック12が取り付けられる紡糸部2と、紡糸部2の下方に配置され、紡糸口金13から紡出された糸Y(フィラメントf)を冷却する冷却筒21と、を備えている。さらに、紡糸溶融装置は、紡糸部2と冷却筒21との間に配置され、周方向において間隔を空けて並ぶ複数の開口部16aが形成された排気リング16と、排気リング16に相対的に移動可能に取り付けられ、複数の開口部16aの開口面積を調整する調整リング26と、を有する。

概要

背景

従来から、ポリエステルなどの溶融ポリマー紡糸口金から紡出する溶融紡糸装置が知られている。例えば、特許文献1の溶融紡糸装置は、ポリマーを紡出する紡糸口金が装着される加熱体と、加熱体の下に配置された円筒型冷却装置(円筒型冷却風吹付装置)とを有する。冷却装置では、紡糸口金から紡出された糸に対して周囲から冷却風を吹き付けることによって、糸を冷却する。

ところで、上記のような冷却装置において、紡糸口金の直下に、紡糸時に発生した昇華性物質を含む気体滞留する問題がある。特に、紡糸口金の直下の空間が全周にわたって取り囲まれた、円筒型の冷却装置において上記の気体の滞留が生じやすい。この気体の滞留が続くと、気体に含まれる昇華性物質が紡糸口金のポリマー吐出面に付着して固化し、糸切れを生じさせる要因となる。

そこで、従来の溶融紡糸装置の中には、紡糸口金のポリマー吐出面付近に滞留する気体を排出するための工夫が施されているものがある。例えば、上記特許文献1の装置では、まず、加熱体と冷却装置との間に隙間が形成されている。その上で、冷却装置の上部には、紡糸口金に向けて上部に突出した円筒状のが設けられている。この構成により、紡糸口金直下の気体をスムーズに排気できるとされている。尚、特許文献1には、複数の孔が周方向に均一に形成された排気量調節筒が、上記の堰の周囲に取り付けられた構成も開示されている。

概要

簡単な作業で、紡糸口金と冷却装置との間の開口面積を調整することが可能な溶融紡糸装置を提供すること。紡糸溶融装置は、紡糸口金13を有する紡糸パック12が取り付けられる紡糸部2と、紡糸部2の下方に配置され、紡糸口金13から紡出された糸Y(フィラメントf)を冷却する冷却筒21と、を備えている。さらに、紡糸溶融装置は、紡糸部2と冷却筒21との間に配置され、周方向において間隔を空けて並ぶ複数の開口部16aが形成された排気リング16と、排気リング16に相対的に移動可能に取り付けられ、複数の開口部16aの開口面積を調整する調整リング26と、を有する。

目的

本発明の目的は、簡単な作業で、紡糸口金と冷却装置との間の開口面積を調整することが可能な溶融紡糸装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

紡糸口金を有する紡糸パックが取り付けられ、前記紡糸口金から糸を紡出する紡糸部と、前記紡糸部の下方に配置され、前記紡糸口金から紡出された糸を冷却する冷却筒と、を備えた溶融紡糸装置であって、前記紡糸部と前記冷却筒との間に配置され、周方向において間隔を空けて並ぶ複数の第1開口部が形成された開口部形成部材と、前記開口部形成部材の内側又は外側に、前記開口部形成部材に対して相対的に移動可能に取り付けられ、前記複数の第1開口部の開口面積を調整する調整部材と、を有することを特徴とする溶融紡糸装置。

請求項2

前記開口部形成部材には、3個以上の前記第1開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸装置。

請求項3

前記複数の第1開口部は、周方向において等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融紡糸装置。

請求項4

前記調整部材はリング状に形成され、前記調整部材には、前記開口部形成部材の前記複数の第1開口部とそれぞれ連通可能な、複数の第2開口部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の溶融紡糸装置。

請求項5

前記調整部材は、前記開口部形成部材に対して周方向に移動可能であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の溶融紡糸装置。

請求項6

前記第1開口部は、周方向に長い長孔形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の溶融紡糸装置。

請求項7

前記調整部材は、前記開口部形成部材に対して上下方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸装置。

請求項8

前記調整部材は、前記開口部形成部材に対して、周方向と上下方向にそれぞれ移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸装置。

請求項9

前記開口部形成部材と前記調整部材に、前記開口面積を段階的に調整するためのノッチ機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の溶融紡糸装置。

請求項10

前記調整部材は、前記紡糸口金のポリマー吐出面面積に対する、前記複数の第1開口部の総開口面積比率を、0〜14%の範囲で調整可能であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の溶融紡糸装置。

技術分野

0001

本発明は、糸を紡出する溶融紡糸装置に関する。

背景技術

0002

従来から、ポリエステルなどの溶融ポリマー紡糸口金から紡出する溶融紡糸装置が知られている。例えば、特許文献1の溶融紡糸装置は、ポリマーを紡出する紡糸口金が装着される加熱体と、加熱体の下に配置された円筒型冷却装置(円筒型冷却風吹付装置)とを有する。冷却装置では、紡糸口金から紡出された糸に対して周囲から冷却風を吹き付けることによって、糸を冷却する。

0003

ところで、上記のような冷却装置において、紡糸口金の直下に、紡糸時に発生した昇華性物質を含む気体滞留する問題がある。特に、紡糸口金の直下の空間が全周にわたって取り囲まれた、円筒型の冷却装置において上記の気体の滞留が生じやすい。この気体の滞留が続くと、気体に含まれる昇華性物質が紡糸口金のポリマー吐出面に付着して固化し、糸切れを生じさせる要因となる。

0004

そこで、従来の溶融紡糸装置の中には、紡糸口金のポリマー吐出面付近に滞留する気体を排出するための工夫が施されているものがある。例えば、上記特許文献1の装置では、まず、加熱体と冷却装置との間に隙間が形成されている。その上で、冷却装置の上部には、紡糸口金に向けて上部に突出した円筒状のが設けられている。この構成により、紡糸口金直下の気体をスムーズに排気できるとされている。尚、特許文献1には、複数の孔が周方向に均一に形成された排気量調節筒が、上記の堰の周囲に取り付けられた構成も開示されている。

先行技術

0005

実開昭62−60264号公報(第1図、第2図)

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、紡糸口金と冷却装置との間に隙間が存在すると、紡糸口金のポリマー吐出面が冷やされやすくなり、紡糸条件によっては糸切れが頻発する虞がある。例えば、フィラメントの太い糸を生産する場合には、紡糸口金が多少冷えてもそれほど問題にはならないが、フィラメントの細い糸を生産する場合には、ポリマー吐出面が冷えることの影響は大きく、糸切れが発生しやすくなる。この観点からは、糸の生産条件に応じて、紡糸口金と冷却装置との間の開口面積を変更することが好ましい。

0007

この点、特許文献1には、円筒状の堰の周囲に、複数の孔を有する排気量調節筒が取り付けられた構成が開示されている。しかし、この構成では、排気量を調整する度に、排気量調節筒の脱着を行う必要があり、作業者の負担が大きい。また、排気量を複数段階で調整したい場合には、複数種類の排気量調節筒を予め準備し、これら複数の調整筒を紡糸条件に応じて取り替える必要があり、排気量の細かな調整は難しい。

0008

本発明の目的は、簡単な作業で、紡糸口金と冷却装置との間の開口面積を調整することが可能な溶融紡糸装置を提供することである。

課題を解決するための手段及び発明の効果

0009

第1の発明の溶融紡糸装置は、紡糸口金を有する紡糸パックが取り付けられ、前記紡糸口金から糸を紡出する紡糸部と、前記紡糸部の下方に配置され、前記紡糸口金から紡出された糸を冷却する冷却筒と、を備えた溶融紡糸装置であって、
前記紡糸部と前記冷却筒との間に配置され、周方向において間隔を空けて並ぶ複数の第1開口部が形成された開口部形成部材と、前記開口部形成部材の内側又は外側に、前記開口部形成部材に対して相対的に移動可能に取り付けられ、前記複数の第1開口部の開口面積を調整する調整部材と、を有することを特徴とするものである。

0010

本発明では、開口部形成部材に対して、調整部材を相対移動させるという簡単な作業で、複数の第1開口部の開口面積をそれぞれ調整することができる。そのため、紡糸条件に応じて、第1開口部の開口面積を容易に変更することができる。

0011

第2の発明の溶融紡糸装置は、前記第1の発明において、前記開口部形成部材には、3個以上の前記第1開口部が形成されていることを特徴とするものである。

0012

3個以上の第1開口部が周方向に配置されているため、冷却筒内の気流乱れにくくなり、糸の均等な冷却が可能となる。

0013

第3の発明の溶融紡糸装置は、前記第1又は第2の発明において、前記複数の第1開口部は、周方向において等間隔に配置されていることを特徴とするものである。

0014

複数の第1開口部が周方向において等間隔に配置されているため、冷却筒内の気流が乱れにくくなる。また、紡糸中に発生する昇華性物質を含む気体が、等間隔に配置された複数の第1開口部からそれぞれ均等に排出されるため、上記気体が局部的に滞留することが防止される。

0015

第4の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記調整部材はリング状に形成され、前記調整部材には、前記開口部形成部材の前記複数の第1開口部とそれぞれ連通可能な、複数の第2開口部が形成されていることを特徴とするものである。

0016

リング状の調整部材には、開口部形成部材の複数の第1開口部にそれぞれ対応した、複数の第2開口部が形成されている。調整部材を開口部形成部材に対して移動させると、複数の第1開口部と複数の第2開口部の重なり度合いが一斉に変化する。つまり、複数の第1開口部のそれぞれの開口面積を、同じ変更量で同時に調整することができるため、複数の第1開口部の間で、開口面積がばらつくことを防止できる。

0017

第5の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記調整部材は、前記開口部形成部材に対して周方向に移動可能であることを特徴とするものである。

0018

本発明では、調整部材を、開口部形成部材に対して周方向に移動させることにより、複数の第1開口部の開口面積をそれぞれ調整することができる。

0019

第6の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第5の何れかの発明において、前記第1開口部は、周方向に長い長孔形状に形成されていることを特徴とするものである。

0020

第1開口部が周方向に長い形状であるため、紡糸中に発生した気体が、周方向における広い範囲から外部へ排出され、上記気体が滞留しにくくなる。また、特に、調整部材を周方向に移動させて開口面積を調整する場合に、第1開口部の周方向の寸法があまり長くないと、調整部材を周方向に少しスライドさせただけで第1開口部の開口面積が大きく変化するため、開口面積の調整が難しい。本発明では、第1開口部が周方向に長い長孔形状であることから、調整部材による開口面積の調整が容易になる。

0021

第7の発明の溶融紡糸装置は、前記第1の発明において、前記調整部材は、前記開口部形成部材に対して上下方向に移動可能であることを特徴とするものである。

0022

本発明では、調整部材を、開口部形成部材に対して上下方向に移動させることにより、複数の第1開口部の開口面積をそれぞれ調整することができる。

0023

第8の発明の溶融紡糸装置は、前記第1の発明において、前記調整部材は、前記開口部形成部材に対して、周方向と上下方向にそれぞれ移動可能であることを特徴とするものである。

0024

本発明では、調整部材を、開口部形成部材に対して周方向と上下方向にそれぞれ移動させることにより、複数の第1開口部の開口面積をそれぞれ調整することができる。

0025

第9の発明の溶融紡糸装置は、前記第1〜第8の何れかの発明において、前記開口部形成部材と前記調整部材に、前記開口面積を段階的に調整するためのノッチ機構が設けられていることを特徴とするものである。

0026

本発明では、ノッチ機構により、複数の第1開口部の開口面積を段階的に調整することができるため、作業者による開口面積の調整が容易になる。

0027

前記第1〜第9の何れかの発明において、前記調整部材は、前記紡糸口金のポリマー吐出面の面積に対する、前記複数の第1開口部の総開口面積比率を、0〜14%の範囲で調整可能であることが好ましい(第10の発明)。

図面の簡単な説明

0028

本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。
図1部分拡大図である。
(a)は円形断面のノズル孔を有する紡糸口金の下面図、(b)は非円形断面のノズル孔を有する紡糸口金の下面図である。
図1のIV-IV線断面図である。
図1のV-V線矢視図である。
排気リング調整リングを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
本発明の実施例と比較例のそれぞれについての、紡糸条件と断糸回数を示す表である。
変更形態の、ノッチ機構が設けられた排気リングと調整リングの一部拡大断面図である。
別の変更形態の排気リングと調整リングの斜視図である。
別の変更形態の排気リングと調整リングの斜視図である。
変更形態の排気リング及び調整部材の断面図である。

実施例

0029

次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。図2は、図1の部分拡大図である。尚、図1における上下方向、及び、前後方向を、本実施形態の溶融紡糸装置の上下方向、及び、前後方向と定義して、以下の説明を進める。

0030

本実施形態の溶融紡糸装置1は、紡糸部2、冷却部3、油剤ガイド4などを備えている。紡糸部2は、紡糸ビーム10と、紡糸ビーム10に設けられた複数のパックハウジング11を備えている。複数のパックハウジング11には複数の紡糸パック12がそれぞれ装着される。尚、複数のパックハウジング11(複数の紡糸パック12)は、図1紙面垂直方向に沿って、千鳥状に2列に配列されている。各パックハウジング11に装着された紡糸パック12には、紡糸ビーム10に設けられた図示しない配管等から溶融ポリマーが供給される。

0031

各紡糸パック12は、その下端部に、複数のノズル孔14が形成された紡糸口金13を有する。図3は、紡糸口金13の下面図である。紡糸口金13としては、図3(a)のような、ノズル孔14の断面形状が円形のものだけでなく、図3(b)のような、ノズル孔14の形状が非円形のものも使用することができる。

0032

紡糸パック12は、供給された溶融ポリマーを紡糸口金13の複数のノズル孔14からそれぞれ紡出する。複数のノズル孔14から紡出されたポリマーは、次述の冷却部3で冷却されて複数のフィラメントfとなる。つまり、1つの紡糸口金13から、複数のフィラメントfで構成された1本のマルチフィラメント糸Yが紡出される。尚、図3(a)のように、ノズル孔14の断面形状が円形である場合には、紡出されるフィラメントfの断面も円形となる。一方、図3(b)のように、ノズル孔14の断面形状が非円形である場合は、紡出されるフィラメントfの断面は、ノズル孔14の断面形状に対応した非円形形状となる。図3(b)の紡糸口金13は、非円形断面のフィラメントfを生産する場合に用いられる。

0033

図1図2に示すように、本実施形態では、紡糸口金13は、紡糸ビーム10の下面に対して、少し下方へ突き出るように配置されており、紡糸口金13の、複数のノズル孔14が開口した下面(ポリマー吐出面13a)が、紡糸ビーム10の下面よりも下に位置している。これは、紡糸口金13のポリマー吐出面13aが冷えやすい構造であるとも言える。そこで、本実施形態では、ポリマー吐出面13aが冷えるのを抑制するために、紡糸ビーム10の下端部には、金属製の板状のヒータ15が固定されている。このヒータ15の、紡糸パック12の直下の位置には貫通孔が形成されており、紡糸口金13から紡出された糸Yは、ヒータ15の貫通孔を通過して冷却部3へ向かう。

0034

ヒータ15の下面には、排気リング16が、取付板17を介して取り付けられている。排気リング16の構造の詳細については、後で改めて説明する。

0035

図4は、図1のIV-IV線断面図である。冷却部3は、紡糸部2の下方に配置されており、複数の紡糸パック12から紡出された溶融ポリマーを冷却して固化させる。また、冷却部3は、図示しないシリンダによって上下に移動可能に構成されている。冷却部3を下方へ移動させて紡糸部2から離すことにより、紡糸パック12の交換や紡糸口金13のポリマー吐出面13aの清掃を行うことが可能となっている。図1図2、及び、図4に示すように、冷却部3は、冷却風供給箱20と、冷却風供給箱20内に収容された複数の冷却筒21、及び、複数の仕切筒22を有する。

0036

冷却風供給箱20の上面にはパッキン24が設けられている。シリンダによって冷却部3を上昇させると、紡糸部2側の排気リング16の下端がパッキン24に押し付けられ、排気リング16の下面と冷却部3の上面との間がシールされる。

0037

冷却風供給箱20の内部空間は、パンチングメタルなどの整流機能を有する材料で形成された、水平な整流板23によって上下に仕切られている。冷却風供給箱20の上部空間の、複数の紡糸パック12の直下の位置に複数の冷却筒21が配置されている。即ち、図4に示すように、複数の冷却筒21は、複数の紡糸パック12の配列に従って、千鳥状に配列されている。冷却筒21の壁は、整流板23と同様、パンチングメタル等の整流機能を有する材料で形成されている。一方、冷却風供給箱20の下部空間の、複数の冷却筒21の直下の位置には、複数の仕切筒22が配置されている。尚、仕切筒22の壁は、上記の冷却筒21とは異なり、空気を透過させない材料で形成されている。

0038

紡糸パック12から紡出された、複数のフィラメントfからなる糸Yは、紡糸パック12の直下の冷却筒21の内部空間と仕切筒22の内部空間を順に通過する。一方で、図1に示すように、冷却風供給箱20の下部空間はダクト25と接続されており、この下部空間内にダクト25から冷却風が供給される。冷却風供給箱20の下部空間に流入した冷却風は、水平な整流板23を通過しつつ上向きに整流されて、冷却風供給箱20の上部空間へ流れる。尚、仕切筒22の壁は空気を透過させないため、冷却風供給箱20の下部空間から、仕切筒22内へ直接冷却風が流れ込むことはない。冷却風供給箱20の上部空間に流入した冷却風は、冷却筒21の壁を通過する際に整流されて、冷却筒21内へ流れ込む。これにより、冷却筒21内において、複数のフィラメントfからなる糸Yに対して冷却筒21の外側全周から冷却風が吹き付けられ、糸Yが冷却される。

0039

油剤ガイド4は、冷却筒21及び仕切筒22の下方の位置に配置される。この油剤ガイド4には、冷却筒21で冷却された糸Yが接触するが、その際に、油剤ガイド4は糸Yに対して油剤を吐出して糸Yに油剤を付与する。油剤ガイド4によって油剤が付与された糸Yは、油剤ガイド4の下方に配置された引取ローラ(図示省略)によって引き取られる。さらに、巻取装置(図示省略)へ送られ、糸Yは巻取装置においてボビン(図示省略)に巻き取られる。

0040

次に、排気リング16(本発明の開口部形成部材に相当)について説明する。図5は、図1のV-V線矢視図である。図6は、排気リング16と調整リング26を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。まず、図2に示すように、ヒータ15に金属製の取付板17が固定されている。また、図2図5図6に示すように、取付板17には、複数の紡糸パック12にそれぞれ対応した複数の貫通孔17aが形成されている。この取付板17の下面に、複数の貫通孔17aにそれぞれ連なる、金属製の複数の排気リング16が取り付けられている。

0041

図6に示すように、排気リング16には周方向に間隔を空けて並ぶ3つの開口部16a(本発明の第1開口部に相当)が形成されている。3つの開口部16aは、排気リング16の周方向における3等分位置にそれぞれ形成されている。即ち、周方向に隣接する開口部16aの間の角度は120度である。各開口部16aは、周方向に長い長孔形状に形成されている。

0042

排気リング16の外側には、調整リング26(本発明の調整部材に相当)が装着されている。調整リング26は、排気リング16に対して周方向にスライド可能に取り付けられている。また、調整リング26は、セットビスボルトなど、適宜の構成を有する止め具27によって、排気リング16に対してスライド不能に固定することが可能である。

0043

調整リング26には、排気リング16の3つの開口部16aにそれぞれ対応した、3つの開口部26a(本発明の第2開口部に相当)が形成されている。3つの開口部26aは、調整リング26の周方向における3等分位置にそれぞれ形成されている。各開口部26aは、排気リング16の開口部16aとほぼ同一の形状であり、周方向に長い長孔形状である。

0044

調整リング26を排気リング16に対して回転させて、排気リング16の開口部16aと調整リング26の開口部26aの位置を合わせると、3つの開口部16aと3つの開口部26aとがそれぞれ連通し、紡糸口金13の直下の空間が外気と連なる。これにより、紡糸中に発生した、昇華性物質を含む気体が開口部16aから速やかに排出され、紡糸口金13のポリマー吐出面13aへの、昇華性物質の付着が抑制される。従って、糸切れの発生を抑制することができ、また、紡糸口金13のポリマー吐出面13aの清掃頻度も減る。

0045

尚、図3(b)の非円形のノズル孔14を有する紡糸口金13を使用した場合では、ノズル孔14から紡出された直後では、フィラメントfは、ノズル孔14の形状に対応した非円形の断面形状を有する。しかし、この時点でのポリマーの流動性はまだ高いため、冷却固化されるまでの表面張力によって、フィラメントfの断面形状がノズル孔14の断面形状から離れて円形断面に近づく。つまり、ノズル孔14の断面形状に近い、所望の形状のフィラメントfを得ることが難しくなる。フィラメントfの断面形状を、ノズル孔形状にできるだけ近づけるためには、紡出直後にフィラメントfを冷却固化させることが好ましい。この点、本実施形態では、紡糸部2と冷却筒21との間に配置された排気リング16に3つの開口部16aが形成されているため、紡糸口金13のすぐ下でのフィラメントfの冷却効果が高まる。これにより、フィラメントfの断面形状を、所望の形状に近づけることができる。

0046

一方で、開口部16aが開放されている状態では、紡糸口金13のポリマー吐出面13aが冷えやすくなる。そのため、紡糸条件によっては、ポリマー吐出面13aの冷却を抑えるため、開口部16aの開口面積を小さくして排気量を減らした方が好ましい場合もある。例えば、ノズル孔14の口径が小さく、紡出されるフィラメントfが細い場合には、紡糸口金13が冷えることによる影響が大きく、糸切れが生じやすくなる。この点、本実施形態では、紡糸条件に応じて調整リング26を周方向にスライドさせ、開口部16aの一部分又は全部を調整リング26で塞ぐことにより、開口部16aの開口面積を調整することが可能である。

0047

ここで、紡糸口金13のポリマー吐出面13aの面積に対する、排気リング16の3つの開口部16aの、調整リング26で塞がれずに開口している部分の合計面積(有効開口面積)の比率R(%)を以下のように定義する。
R(%)=(3つの開口部16aの有効開口面積の総和)/(ポリマー吐出面13aの面積))×100
開口比率Rが最大になるのは、排気リング16の開口部16aと調整リング26の開口部26aが重なったときである。本実施形態では、開口比率Rの最大値Rmax=14%である。また、開口比率Rが最小になるのは、排気リング16の3つの開口部16aが調整リング26で完全に塞がれる場合であり、開口比率の最小値Rmin=0%である。つまり、本実施形態では、調整リング26によって、0≦R≦14の範囲で開口比率Rを調整することができる。

0048

尚、上記の排気リング16の開口面積調整は、複数の紡糸パック12に対して設けられた複数の排気リング16の全てについて行う。その際、複数の紡糸パック12の紡糸条件(糸銘柄など)が等しい場合には、複数の排気リング16の間で開口部16aの開口面積も同一となるように、それぞれの調整リング26の角度を調整する。

0049

以上説明したように、本実施形態の構成によれば、排気リング16に対して、調整リング26を周方向に移動させるという簡単な作業で、3つの開口部16aの開口面積をそれぞれ調整することができる。そのため、紡糸条件に応じて、開口部16aの開口面積を容易に変更することができる。

0050

排気リング16には、3つの開口部16aが周方向において等間隔の位置に配置されているため、冷却筒21内を流れる気流が乱れにくくなり、糸Yの均等な冷却が可能となる。また、紡糸口金13のすぐ下の昇華性物質を含む気体が、等間隔に配置された3つの開口部16aからそれぞれ均等に排出されるため、上記気体が局部的に滞留することが防止される。

0051

排気リング16の開口部16aが周方向に長い形状であるため、紡糸中に発生した気体が、周方向における広い範囲から外部へ排出されることになり、上記気体が滞留しにくくなる。また、開口部16aの周方向の寸法があまり長くない場合、調整リング26を周方向に少しスライドさせただけで開口面積が大きく変わってしまうため、開口面積の微調整が難しい。その点、本実施形態では、開口部16aが周方向に長い長孔形状であることから、調整リング26による開口面積の調整が容易になる。

0052

本実施形態では、調整リング26には、排気リング16の3つの開口部16aにそれぞれ対応した、3つの開口部26aが形成されている。そのため、調整リング26を周方向にスライドさせると、3つの開口部16aと3つの開口部26aの重なり度合いが一斉に変化する。つまり、3つの開口部16aのそれぞれの開口面積を、同じ変更量で同時に調整することができるため、3つの開口部16aの間で、開口面積がばらつくことを防止できる。

0053

(実施例)
次に、排気リング16の開口部16aによる効果を示す実施例を、開口部16aのない比較例と比較して具体的に説明する。図7は、実施例と比較例のそれぞれについての、紡糸に関する条件、及び、断糸回数を示す表である。

0054

開口部16aがない比較例では、図7に示すように、排気リングの開口面積が0mm2(開口比率Rの値が0%)であるが、この場合、ポリマー吐出量トン当たりの断糸回数が2回であった。これに対して、開口部16aを有する実施例において、排気リング16の有効開口面積が283.9mm2、開口比率Rの値が5.0%としたときに、1トン当たりの断糸回数が0.6回と、糸切れの頻度が大幅に減少していることが分かる。

0055

次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。

0056

1]排気リング16に形成される開口部16aの数は3つに限られない。例えば、排気リング16に、4つ以上の開口部16aが形成されてもよい。あるいは、排気リング16の開口部16aの数が2つであってもよい。また、排気リング16に、多数(例えば10個以上)の小さな開口部16aが周方向に並べて形成された構成でもよい。

0057

2]前記実施形態では、排気リング16の外側に調整リング26が配置されているが、排気リング16の内側に調整リング26が配置されてもよい。

0058

3]前記実施形態の図1では、紡糸部2の下にヒータ15が設置されているが、図1の構成と比べて紡糸口金13のポリマー吐出面13aが上に位置するなど、ポリマー吐出面13aが冷却されにくい構造である場合には、ヒータ15を省略することも可能である。

0059

4]前記実施形態でも少し述べたが、複数の紡糸パック12の紡糸条件(糸種など)が同じである場合、排気リング16の開口面積も等しくする必要がある。しかし、作業者による手動の調整では、全ての排気リング16について、調整リング26の位置(回転角度)を一致させることが容易でない場合もある。そこで、調整リング26による開口面積の調整を手助けする構成が設けられていることが好ましい。

0060

例えば、排気リング16と調整リング26に、開口面積を段階的に調整するためのノッチ機構30が設けられてもよい。図8は、ノッチ機構が設けられた排気リング16と調整リング26の一部拡大断面図である。図8では、排気リング16の外周面に、複数の凹状のノッチ31(刻み目)が形成されている。一方、調整リング26には、球体32と、この球体32を半径方向内側へ付勢するバネ33が設けられている。バネ33によって付勢された球体32は、凹状のノッチ31に係合し、排気リング16と調整リング26とが位置決めされる。少し力を掛けて調整リング26を回すと、球体32がバネ33の付勢力に抗して押し上げられてノッチ31から外れ、さらに調整リング26を回すと隣接する次のノッチ31と係合する。この構成では、ノッチ機構30により、調整リング26を段階的に回転させて排気リング16の開口面積を調整することができるため、所定の開口面積となるように各調整リング26の位置(角度)を正しくセットする作業が容易になる。従って、全ての排気リング16について、開口面積を一致させることが簡単になる。

0061

また、作業者が調整リング26の回転角度を目視で確認できるように、排気リング16又は調整リング26に目盛りが付されていてもよい。あるいは、調整リング26に、排気リング16の1つの開口部16aに対して、周方向長さが異なる複数種類の開口部26aが形成され、これら複数種類の開口部26aから1つを選んで、排気リング16の開口部16aに合わせる構成でもよい。

0062

5]前記実施形態では、調整リング26が、排気リング16に対して周方向に移動可能であったが、調整リングが上下方向に移動可能な構成であってもよい。例えば、図9では、排気リング40の上半部に複数の開口部40aが形成されている。この排気リング40の外側には、調整リング41が取り付けられている。図9では図示が省略されているが、排気リング40の外周面と調整リング41の内周面には、それぞれネジ溝が切られ、調整リング41を回転させると、調整リング41は排気リング40に対して上下に移動する。調整リング41が排気リング40に対して上下に移動することにより、排気リング40の開口部40aの、調整リング41によって覆われる面積が変化し、排気リング40の開口面積が調整される。調整後の調整リング41の位置は、セットビス42によって固定可能である。

0063

この構成では、取付板17と調整リング41の上端との距離が決まれば、その距離と、排気リング40及び調整リング41の寸法等の固定値によって、開口部40aの有効開口面積が定まる。そこで、例えば、取付板17と調整リング41との間に隙間調整用の治具を挟んで調整リング41の上下位置を調整することで、排気リング40の開口面積を所望の面積に調整することが容易である。これにより、全ての排気リング40について、開口面積を一致させる作業が簡単になる。

0064

尚、排気リング40と調整リング41の間のネジ機構抵抗が大きければ、調整リング41の位置を固定するためのセットビス42は省略可能である。また、排気リング40と調整リング41の間のネジ機構は必須ではなく、調整リング41が、排気リング40に摩擦接触した状態で上下にスライドさせることも可能である。但し、この場合は、調整リング41が排気リング40に対して上下に移動しないように、セットビス42等で調整リング41を確実に固定しておくことが好ましい。

0065

6]調整リング51が、排気リング50に対して、周方向と上下方向の双方に移動可能な構成であってもよい。例えば、図10では、まず、排気リング50には、周方向に間隔を空けて並ぶ複数の開口部50aが形成されている。また、排気リング50の、隣接する開口部50aの間の部分には、上下方向に長い長孔50bが形成されている。一方、調整リング51の上半部には、排気リング50の複数の開口部50aにそれぞれ対応する複数の開口部51aが形成されている。各開口部51aは、上端側から切り欠かれた切欠状である。また、調整リング51の、隣接する開口部51aの間の部分には、周方向に長い長孔51bが形成されている。尚、排気リング50の長孔50bは、調整リング51の長孔51bと部分的に重なっており、その重なった部分にボルト52が通されている。

0066

調整リング51に周方向に延びる長孔51bが形成されているため、ボルト52を緩めた状態では、調整リング51は、排気リング50に対して周方向に移動可能である。また、排気リング50に上下方向に延びる長孔50bが形成されているため、調整リング51は、排気リング50に対して上下方向にも移動可能である。調整リング51を周方向と上下方向に移動させることにより、排気リング50の開口部50aと調整リング51の開口部51aとが重なる面積が変化し、排気リング50の開口面積が調整される。

0067

図10のような、調整リング51を周方向と上下方向の2方向に移動させて開口面積を調整可能な構成では、調整リング51の2つの移動方向を、異なる紡糸条件にそれぞれ対応させて調整リング51の位置を調整する、という調整方法が可能となる。例えば、糸Yの繊度に対して調整リング51を上下方向に移動させて開口面積を調整し、また、フィラメントfの繊度に対しては、調整リング51を周方向に移動させて開口面積を調整する、という使い方が可能となる。

0068

7]排気リングの開口面積を調整するための部材がリング状である必要はない。例えば、図11では、排気リング16の外側に、3つの開口部16aにそれぞれ対応した円弧状の3つの調整部材60が取り付けられている。3つの調整部材60の外側には、調整部材60の脱落を防止するリング部材61が設けられている。3つの調整部材60は、排気リング16とリング部材61の間において、周方向に移動可能である。各調整部材60を周方向に移動させることにより、排気リング16の開口部16aの面積を調整できる。尚、各調整部材60は、リング部材61に設けられたボルト等の止め具62によって、位置が固定される。

0069

尚、図11では、3つの調整部材60が互いに分離しており、調整時には1つずつ個別に移動させる構成となっている。これに対して、3つの調整部材60が適宜の連結部材で連結されて、3つの調整部材60が一体に移動するように構成されてもよい。

0070

8]上記の形態では、排気リング(開口部形成部材)に対して、調整リング(調整部材)が移動可能な構成であるが、これとは逆に、調整部材が固定され、開口部形成部材が調整部材に対して移動可能な構成であってもよい。

0071

1溶融紡糸装置
2紡糸部
12紡糸パック
13紡糸口金
16排気リング
16a 開口部
21冷却筒
26調整リング
26a 開口部
30ノッチ機構
40 排気リング
40a 開口部
41 調整リング
50 排気リング
50a 開口部
51 調整リング
51a 開口部
60 調整部材

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