図面 (/)
※この項目の情報は公開日時点(2017年3月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります
図面 (0)
図面はありません
課題
解決手段
概要
背景
現代社会においては、日常生活のマルチメディア化や、有料道路におけるETC装置やGPSに代表されるITS(高度道路交通システム、Intelligent Transport Systems)の利用が急速に進んでいる。これに伴う情報通信のトラフィックの爆発的な増加に対応するべく、情報を伝送する周波数の高周波化が進んでいる。
このように高周波化された情報通信装置に用いられる材料としては、高周波帯域(特にギガヘルツ帯域)における誘電特性に優れ、生産性や軽量性に優れたエンジニアリングプラスチック材料が有望視されており、各種通信機器、電子デバイスなどの筐体やパッケージや誘電体デバイス等としての適用が期待されている。
上述のエンジニアリングプラスチックの中でも、サーモトロピック液晶ポリエステル樹脂(以下液晶ポリエステル樹脂またはLCPと略称する)は、
(1)誘電率が使用周波数領域帯域で一定かつ低く、誘電正接(tanδ)が低いなど誘電特性に優れる、
(2)低膨張特性(環境寸法安定性)、耐熱性、難燃性、剛性等の機械特性など種々の物性に優れている、
(3)成形時の流動性に優れ、薄肉部、微細部を有する成形品を容易に加工することができる、
などの優れた性質を有することから、高周波用途において特に期待されている材料である。
一方、情報技術(IT)の急成長に伴い、情報・通信分野においては電気電子部品の高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が進んでおり、0.5mm以下の非常に薄い部分が形成されるケースが多く、このような部分(薄肉部)においても樹脂が完全に充填するような良好な流動性が求められている。一般に液晶ポリエステルは他の樹脂に比べて流動性に優れているが、このような薄肉化が要求される場合には、さらなる流動性の向上と共に、より厳しい難燃性が要求されるようになってきている。
液晶ポリマーの難燃性を改良する方法として、ハロゲン系難燃剤(特許文献1)、シリコーン(特許文献2)、リン系化合物(特許文献3)、赤燐(特許文献4)を添加する方法が提案されている。
これらの物質を添加する方法はある程度の難燃性向上効果があるものの、ハロゲン系難燃剤やリン系化合物を添加する方法はガスの発生により金型を腐食するおそれがあった。また赤燐を添加する方法は白色が必要となる用途には使用できず、リン系化合物やシリコーンを添加する方法も金型汚れやガス発生の原因となるという問題があった。
一方、液晶ポリエステルに無機球状中空体を配合した、低熱伝導性の光ピックアップレンズホルダー用液晶ポリエステル樹脂組成物が提案されている(特許文献5)。しかしながら、このような無機球状中空体を含有する液晶ポリエステル組成物は、難燃性向上効果が得られるものではなかった。
概要
本発明の目的は、誘電特性(誘電率、誘電正接)および振動減衰特性(制振性)に優れ、かつ難燃性の向上した液晶ポリマー組成物を提供することにある。液晶ポリマー100重量部、およびガラス状球状中空体1〜40重量部を含み、結晶融解温度が320℃未満である液晶ポリマー組成物。なし
目的
本発明の目的は、誘電特性(誘電率、誘電正接)および振動減衰特性(制振性)に優れ、かつ難燃性の向上した液晶ポリマー組成物を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 0件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
請求項2
液晶ポリマーが、式(I)および式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
請求項3
液晶ポリマーが、式(I)および式(II)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、請求項1または2に記載の液晶ポリマー組成物。
請求項4
液晶ポリマーが、式(I)〜(IV)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。[式中、Ar1およびAr2はそれぞれ2価の芳香族基を表す。]
請求項5
Ar1およびAr2がそれぞれ、下記の芳香族基(1)〜(4)から選択される1種以上である、請求項4に記載の液晶ポリマー組成物。
請求項6
Ar1が式(1)および/または(4)で表される芳香族基であり、Ar2が式(1)および/または(3)で表される芳香族基である、請求項5に記載の液晶ポリマー組成物。
請求項7
液晶ポリマーが、式(I)および式(II)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂と、式(I)〜(IV)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂との混合物である、請求項1に記載の液晶ポリマー組成物。
請求項8
ガラス状球状中空体がガラスバルーンである、請求項1〜7の何れかに記載の液晶ポリマー組成物。
請求項9
液晶ポリマー100重量部に対して、さらに繊維状および/または板状の無機充填材0.5〜50重量部を含む、請求項1〜8の何れかに記載の液晶ポリマー組成物。
請求項10
請求項11
請求項1〜10の何れかに記載の液晶ポリマー組成物から構成される成形品。
請求項12
技術分野
背景技術
0002
現代社会においては、日常生活のマルチメディア化や、有料道路におけるETC装置やGPSに代表されるITS(高度道路交通システム、Intelligent Transport Systems)の利用が急速に進んでいる。これに伴う情報通信のトラフィックの爆発的な増加に対応するべく、情報を伝送する周波数の高周波化が進んでいる。
0003
このように高周波化された情報通信装置に用いられる材料としては、高周波帯域(特にギガヘルツ帯域)における誘電特性に優れ、生産性や軽量性に優れたエンジニアリングプラスチック材料が有望視されており、各種通信機器、電子デバイスなどの筐体やパッケージや誘電体デバイス等としての適用が期待されている。
0004
上述のエンジニアリングプラスチックの中でも、サーモトロピック液晶ポリエステル樹脂(以下液晶ポリエステル樹脂またはLCPと略称する)は、
(1)誘電率が使用周波数領域帯域で一定かつ低く、誘電正接(tanδ)が低いなど誘電特性に優れる、
(2)低膨張特性(環境寸法安定性)、耐熱性、難燃性、剛性等の機械特性など種々の物性に優れている、
(3)成形時の流動性に優れ、薄肉部、微細部を有する成形品を容易に加工することができる、
などの優れた性質を有することから、高周波用途において特に期待されている材料である。
0005
一方、情報技術(IT)の急成長に伴い、情報・通信分野においては電気電子部品の高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が進んでおり、0.5mm以下の非常に薄い部分が形成されるケースが多く、このような部分(薄肉部)においても樹脂が完全に充填するような良好な流動性が求められている。一般に液晶ポリエステルは他の樹脂に比べて流動性に優れているが、このような薄肉化が要求される場合には、さらなる流動性の向上と共に、より厳しい難燃性が要求されるようになってきている。
0007
これらの物質を添加する方法はある程度の難燃性向上効果があるものの、ハロゲン系難燃剤やリン系化合物を添加する方法はガスの発生により金型を腐食するおそれがあった。また赤燐を添加する方法は白色が必要となる用途には使用できず、リン系化合物やシリコーンを添加する方法も金型汚れやガス発生の原因となるという問題があった。
0008
一方、液晶ポリエステルに無機球状中空体を配合した、低熱伝導性の光ピックアップレンズホルダー用液晶ポリエステル樹脂組成物が提案されている(特許文献5)。しかしながら、このような無機球状中空体を含有する液晶ポリエステル組成物は、難燃性向上効果が得られるものではなかった。
先行技術
0009
特開平1−118567号公報
特開2000−239503号公報
特開平7−109406号公報
特開2000−154314号公報
特許第4150015号明細書
発明が解決しようとする課題
0010
本発明の目的は、誘電特性(誘電率、誘電正接)および振動減衰特性(制振性)に優れ、かつ難燃性の向上した液晶ポリマー組成物を提供することにある。
課題を解決するための手段
0011
本発明者等は、誘電特性(誘電率、誘電正接)、振動減衰特性(制振性)および難燃性を兼ね備える液晶ポリマー組成物について鋭意検討した結果、ガラス状球状中空体を所定の量比で液晶ポリマーに含有させることにより、得られた液晶ポリマー組成物の難燃性が著しく改善されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、液晶ポリマー100重量部およびガラス状球状中空体1〜40重量部を含み、結晶融解温度が320℃未満である液晶ポリマー組成物を提供する。
発明の効果
0012
本発明の液晶ポリマー組成物は、優れた振動減衰特性(制振性)と誘電特性を有し、難燃性に優れた成形材料として好適に用いられる。
0013
本発明の液晶ポリマー組成物に用いる液晶ポリマーは当業者にサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれる異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル樹脂または液晶ポリエステルアミド樹脂である。
0015
本発明に用いる液晶ポリマーは、一種の液晶ポリエステル樹脂または液晶ポリエステルアミド樹脂であってもよく、二種以上の液晶ポリエステル樹脂および/または液晶ポリエステルアミド樹脂の混合物であってもよい。
0016
本発明に用いる液晶ポリマーは、分子鎖中に脂肪族基を有する半芳香族液晶ポリマー、または分子鎖が全て芳香族基より構成される全芳香族液晶ポリマーの何れを用いてもよい。これらの液晶ポリマーの中では、難燃性や機械特性が良好であることから全芳香族液晶ポリマー、特に全芳香族液晶ポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
0017
本発明に用いる液晶ポリマーを構成する繰返し単位としては、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、および脂肪族ジオキシ繰返し単位などが挙げられる。
0018
芳香族オキシカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、パラヒドロキシ安息香酸、メタヒドロキシ安息香酸、オルトヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中では、得られる液晶ポリマーの特性や結晶融解温度を調整しやすいという点から、パラヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が好ましい。
0019
芳香族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニル等の芳香族ジカルボン酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中では、得られる液晶ポリマーの機械特性、耐熱性、結晶融解温度、成形性を適度なレベルに調整しやすいことから、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
0020
芳香族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエ−テル等の芳香族ジオール、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中では、重合時の反応性や得られる液晶ポリマーの特性などの点から、ハイドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルが好ましい。
0021
芳香族アミノオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル等の芳香族ヒドロキシアミン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
0022
芳香族ジアミノ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン等の芳香族ジアミン、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。
0023
芳香族アミノカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸等の芳香族アミノカルボン酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
0024
芳香族オキシジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、および5−ヒドロキシイソフタル酸等のヒドロキシ芳香族ジカルボン酸、これらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
0025
脂肪族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、ならびにそれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオキシ繰返し単位を含有するポリマーを、前記の芳香族オキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびそれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させることによっても、脂肪族ジオキシ繰返し単位を含む液晶ポリマーを得ることができる。
0026
本発明に用いる液晶ポリマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体の使用量は、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、および脂肪族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の合計量に対して10モル%以下であることが好ましい。
0027
これらの繰返し単位を組み合わせたポリマーは、単量体の構成や組成比、ポリマー中での各繰返し単位のシークエンス分布によっては、異方性溶融相を形成するものとしないものが存在するが、本発明に用いる液晶ポリマーは異方性溶融相を形成するものに限られる。
0028
本発明の液晶ポリマー組成物に使用される液晶ポリマーとしては、流動性、機械特性および誘電特性に優れる点で、式(I)および式(II)で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。
0029
0030
また、本発明の液晶ポリマー組成物に使用される液晶ポリマーとしては、流動性、機械特性および誘電特性に優れる点で、式(I)および式(II)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。
0031
さらに、本発明の液晶ポリマー組成物に使用される液晶ポリマーとしては、流動性、機械特性および誘電特性に優れる点で、式(I)〜(IV)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂が好適に使用される。
0032
[式中、Ar1およびAr2はそれぞれ2価の芳香族基を表す。]
0033
ここで、「芳香族基」は、6員の単環または環数2の縮合環である芳香族基を示す。
0034
流動性、機械特性および誘電特性に優れる点で、Ar1およびAr2はそれぞれ、下記の芳香族基(1)〜(4)から選択される1種以上のものであることがより好ましく、Ar1が式(1)および/または(4)で表される芳香族基であり、Ar2が式(1)および/または(3)で表される芳香族基であることが特に好ましい。
0035
0036
また、本発明の液晶ポリマー組成物に使用される液晶ポリマーは、式(I)および式(II)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂と、式(I)〜(IV)で表される繰返し単位から構成される全芳香族液晶ポリエステル樹脂との混合物であってもよい。この場合、流動性および耐熱性向上の観点から好ましい。
0037
本発明に用いる好ましい液晶ポリマーの具体例としては、例えば下記の単量体構成単位からなるものが挙げられる。
1)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸共重合体
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
6)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
7)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
8)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
9)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
10)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
11)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
12)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
13)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
14)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
15)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体
17)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
18)2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
19)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル /4−アミノフェノール共重合体
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
22)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
23)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
24)4−ヒドロキシ安息香酸/2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
25)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4'−ジヒドロキシビフェニル共重合体。
0038
以上の中でも、10)、11)および15)の単量体構成単位からなる液晶ポリマーが好ましい。
0039
上記の液晶ポリマーは単独で用いてもよく、2種以上の液晶ポリマーの混合物をして用いてもよい。2種以上の混合物である場合、1)の単量体構成単位からなる液晶ポリマーと、10)、11)および15)の単量体構成単位からなる液晶ポリマーのいずれか1種との混合物を用いることが好ましく、特に、1)の単量体構成単位からなる液晶ポリマーと15)の単量体構成単位からなる液晶ポリマーとの混合物を用いることが好ましい。
0040
以下、本発明に用いる液晶ポリマーの製造方法について説明する。
0041
本発明に用いる液晶ポリマーの製造方法に特に制限はなく、前記の単量体の組み合わせからなるエステル結合またはアミド結合を形成させる公知の重縮合方法、例えば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などを用いることができる。
0042
溶融アシドリシス法とは、本発明で用いる液晶ポリマーの製造方法に用いるのに好ましい方法であり、この方法は、最初に単量体を加熱して反応物質の溶融液を形成し、続いて反応を続けて溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(例えば、酢酸、水等)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
0044
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法の何れの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用する重合性単量体成分は、常温において、ヒドロキシル基および/またはアミノ基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。低級アシル基は炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。特に好ましくは前記単量体のアセチル化物を反応に用いる方法が挙げられる。
0046
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法の何れの場合においても反応時、必要に応じて触媒を用いてもよい。
0047
触媒の具体例としては、ジアルキルスズオキシド(例えばジブチルスズオキシド)、ジアリールスズオキシドなどの有機スズ化合物;二酸化チタン、三酸化アンチモン、アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物;カルボン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属塩(例えば酢酸カリウム);無機酸塩類(例えば硫酸カリウム);ルイス酸(例えば三フッ化硼素);ハロゲン化水素(例えば塩化水素)などの気体状酸触媒などが挙げられる。
0051
このようにして得られた、液晶ポリマー100重量部に対して、ガラス状球状中空体1〜40重量部、好ましくは3〜35重量部、より好ましくは4〜30重量部を含有させて、本発明の液晶ポリマー組成物が得られる。本発明の液晶ポリマー組成物におけるガラス状球状中空体の含有量が上記下限値以上であると、優れた誘電特性を得るのと同時に高い難燃性を得ることができる。本発明の液晶ポリマー組成物におけるガラス状球状中空体の含有量が上記上限値以下であると、機械強度に優れる。
0053
ガラス状球状中空体の平均粒子径は、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。ガラス状球状中空体の平均粒子径が上記下限値以上であると、液晶ポリマー組成物の難燃性が向上する。ガラス状球状中空体の平均粒子径が上記上限値以下であると、ガラス状球状中空体の破損が発生し難い。なお、ガラス状球状中空体の粒子径は、例えばレーザー回折式粒度分布計によって測定することができる。
0054
ガラス状球状中空体は必ずしも全てが真球状である必要はなく、楕円球状のものを含んでもよいが、一般には、平均アスペクト比が2を超えるようになると、破損しやすいガラス状球状中空体が増加するため好ましくない。また、ガラス状球状中空体の体積中空率は、比重および比誘電率低下のためには50%以上が好ましく、また、ガラス状球状中空体の破損率抑制のために80%以下が好ましい。体積中空率とは、100×(1−微小中空体の真比重/微小中空体の材料比重)で求めることができる。
0055
本発明に用いるガラス状球状中空体は、公知の方法を用いて製造し、必要に応じて、粒子径の選別工程を加えることで得ることができるが、市場から入手することも可能である。ガラス状球状中空体は、必要に応じて、液晶ポリマー中への均一分散性および界面の相互作用を高める目的で、シランカップリング剤などによる処理を施してもよい。
0056
本発明の液晶ポリマー組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに繊維状および/または板状の無機充填材を含有してもよい。
0057
本発明の液晶ポリマー組成物にさらに含有してもよい無機充填材としては、たとえばガラス繊維、ミルドガラス、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、ウォラストナイト、マイカ、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、ドロマイト、クレイ、ガラスフレーク、硫酸バリウム、および酸化チタンからなる群から選択される1種以上が挙げられる。これらの中では、得られる液晶ポリマー組成物が機械強度に優れ、さらにコスト面で有利である点から、ガラス繊維が好ましく、また、得られる液晶ポリマー組成物が寸法安定性に優れ、さらにコスト面で有利である点から、タルクが好ましい。
0058
繊維状および/または板状の無機充填材の含有量は、流動性および機械強度の観点から、液晶ポリマー100重量部に対して、0.5〜50重量部が好ましく、1〜40重量部がより好ましく、5〜30重量部が特に好ましい。
0059
本発明の液晶ポリマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは炭素原子数10〜25のものをいう)、ポリシロキサン、フッ素樹脂などの離型改良剤;染料、顔料などの着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤などから選ばれる1種または2種以上を組み合わせて含有してもよい。本発明の液晶ポリマー組成物は難燃性に優れるため、難燃剤を含有する必要はないが、本発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じて適宜難燃剤を含有してもよい。本発明の液晶ポリマー組成物に含有させてもよい難燃剤としては、ハロゲン系化合物およびリン系化合物などが挙げられる。
0060
これらの他の添加剤の含有量は、液晶ポリマー100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。これら他の添加剤の含有量が10重量部を超える場合には、成形加工性が低下するとともに熱安定性が悪くなる傾向がある。
0061
高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤などの外部滑剤効果を有するものについては、液晶ポリマー組成物を成形するに際して、予め、液晶ポリマー組成物のペレットの表面に付着せしめてもよい。
0062
また、本発明の液晶ポリマー組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに、他の樹脂成分を含有してもよい。他の樹脂成分としては、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、およびその変性物、ならびにポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。他の樹脂成分は、単独で、あるいは2種以上を組み合わせて含有させることができる。他の樹脂成分の含有量は特に限定的ではなく、液晶ポリマー組成物の用途や目的に応じて適宜定めればよい。典型的には液晶ポリマー100重量部に対する他の樹脂の合計含有量が0.1〜100重量部、特に0.1〜80重量部となる範囲で添加される。
0063
上述したガラス状球状中空体、ガラス状球状中空体以外の無機充填材、その他の添加剤、並びに他の樹脂成分などは、液晶ポリマー中に添加され、バンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍ないし結晶融解温度+20℃で溶融混練して液晶ポリマー組成物とすることができる。
0064
このようにして得られた本発明の液晶ポリマー組成物は、結晶融解温度が320℃未満、好ましくは200〜319℃、より好ましくは210〜318℃という特性を有する。結晶融解温度が320℃以上の場合、難燃性向上効果が不十分であるとともに誘電特性が劣化する。
0065
本明細書において、難燃性に優れる液晶ポリマー組成物とは、170.0mm×12.5mm×0.8mmのバーフロー形状試験片を成形し、23℃、相対湿度50%の条件で48時間静置した後、UL−94規格に準拠した評価がV−0相当であるものを意味する。
0066
このようにして得られた、本発明の液晶ポリマー組成物は、射出成形機、押出機などを用いる公知の成形方法によって、射出成形品、フィルム、シート、および不織布などの成形品に加工される。これら成形品は、本発明の液晶ポリマーから構成され、つまり、本発明の液晶ポリマー組成物を成形して得られる。
0068
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
0069
〈液晶ポリマー〉
まず、実施例および比較例において使用する液晶ポリマーの合成例を記す。以下、合成例における略号は以下の化合物を表す。
〔液晶ポリマーの合成に用いた単量体〕
POB:パラヒドロキシ安息香酸
BON6:6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
HQ:ハイドロキノン
BP:4,4’−ジヒドロキシビフェニル
TPA:テレフタル酸
NDA:2,6−ナフタレンジカルボン酸
0070
[合成例1(LCP−1)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:628.4g(70モル%)、BON6:24.5g(2モル%)、HQ:100.2g(14モル%)およびNDA196.7g(14モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
0071
窒素ガス雰囲気下に室温〜145℃まで1時間かけて昇温し、同温度で30分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ345℃まで7時間かけて昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル樹脂(LCP−1)のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。
0072
[合成例2(LCP−2)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:655.4g(73モル%)、BON6:330.2g(27モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
0073
窒素ガス雰囲気下に室温〜145℃まで1時間かけて昇温し、同温度で30分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ345℃まで7時間かけて昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル樹脂(LCP−2)のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。
0074
[合成例3(LCP−3)]
合成例1で得られたLCP−1のペレット17質量%と、合成例2で得られたLCP−2のペレット83質量%とを、二軸押出機(JSW製、TEX−30)にて溶融混練した後ペレット化し、LCP−1とLCP−2との混合物(LCP−3)のペレットを得た。
0075
[合成例4(LCP−4)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:349.3g(40モル%)、BON6:476.0g(40モル%)、HQ:69.7g(10モル%)およびTPA:105.0g(10モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
0076
窒素ガス雰囲気下に室温〜145℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ350℃まで7時間かけ昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル樹脂のペレット(LCP−4)を得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。
0077
[合成例5(LCP−5)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、POB:386.0g(43モル%)、BON6:183.5g(15モル%)、HQ:150.3g(21モル%)およびTPA:226.7g(21モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.025倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
0078
窒素ガス雰囲気下に室温〜145℃まで1時間で昇温し、同温度にて30分間保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ350℃まで7時間かけ昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル樹脂(LCP−5)のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。
0081
〈ガラス繊維〉
日東紡株式会社製PF20E(平均繊維長24μm)
0082
〈タルク〉
富士タルク株式会社製NK−64(平均粒子径19.0μm、含水量0.50重量%)
0083
[実施例1]
液晶ポリマーとしてLCP−1を用い、液晶ポリマー100重量部に対して、ガラス状球状中空体14重量部を配合し、二軸押出機(JSW製TEX−30)にて溶融混練したものをペレット化し、液晶ポリマー組成物を調製した。
0084
得られた液晶ポリマー組成物のペレットについて、結晶融解温度、難燃性(UL−94)、誘電率、誘電正接および振動減衰特性を以下に示す方法にて測定した。結果を表3に示す。
0085
(1)結晶融解温度
示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ株式会社製Exstar6000)を用いて、試料を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)を測定した後、Tm1より20〜50℃高い温度で10分間保持した。次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却し、さらに再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を結晶融解温度(Tm)とした。
0086
(2)難燃性
試料を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製PS40)を用いて表1に記載の条件で、長さ170mm、幅12.7mm、厚さ0.8mmのバーフロー形状試験片に成形し、23℃、相対湿度50%の条件で48時間静置した後、UL−94規格に準拠して評価した。
0087
0088
(3)誘電率および誘電正接(tanδ)
試料を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製PS40)を用いて表2に記載の条件で、長さ85mm、幅1.75mm、厚さ1.75mmのスティック状試験片に成形し、その試験片を用いて、ベクトルネットワークアナライザー(アジレントテクノロジー社製)にて10GHzにおける誘電率および誘電正接を空洞共振器摂動法により測定した。
0089
0090
(4)振動減衰特性
試料を、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製PS40)を用いて表2に記載の条件で、長さ170mm、幅12.7mm、厚さ0.8mmのバーフロー形状試験片に成形し、JIS G 0602片端固定打撃加振法の曲げ振動の減衰自由振動波形から、損失係数を算出し評価を行った。損失係数の逆数は、振動時の振動回数に比例するため、損失係数の逆数が小さいほど振動が早くおさまり(制振性に優れる)、損失係数が大きいほど制振性に優れることになる。
0091
[実施例2〜7および比較例1〜9]
液晶ポリマー、ガラス状球状中空体、ガラス繊維、タルクおよびセラミック中空体を表3に示す割合で配合した以外は、実施例1と同様にして、液晶ポリマー組成物をそれぞれ調製した。
得られた液晶ポリマー組成物のペレットについて、結晶融解温度、難燃性(UL−94)、誘電率、誘電正接および振動減衰特性を測定した。結果を表3に示す。
0092
実施例
0093
表3に示される通り、実施例1〜7の液晶ポリマー組成物は、難燃性評価(EL−94)がV−0であり、高い難燃性を有することが分かる。また同時に、誘電率および誘電正接(tanδ)が低く、損失係数が大きいため、誘電特性および制振性に優れることも明らかである。
一方、比較例1〜9の液晶ポリマー組成物では、高い誘電特性および制振性を有するものもあるが、全ての液晶ポリマー組成物は難燃性が低い結果となった。