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技術 パワーステアリング裝置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 松村達雄
出願日 2015年9月14日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2015-180299
公開日 2017年3月23日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-056745
状態 特許登録済
技術分野 走行状態に応じる操向制御 パワーステアリング機構
主要キーワード 駆動電流指令 内側バルブ ベース流量 流量制御信号 モータ回転数信号 ポンプ用モータ モータ回転加速度 外側バルブ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

トーションバーの影響による位相ずれに伴う操舵違和感を抑制可能なパワーステアリング裝置を提供すること。

解決手段

本発明のパワーステアリング装置では、電動モータ回転数信号に基づいて操舵トルクを検出することで、位相ずれを抑制し、かつ、電動モータをきめ細かく制御することとした。

概要

背景

この種の技術として、特許文献1に記載のパワーステアリング裝置が知られている。この公報には、ステアリングシャフト電動モータアシストトルクを付与する第1のアシスト機構と、ラック軸油圧でアシストトルクを付与する第2のアシスト機構とを有する。そして、ステアリングホイールと電動モータとの間に設けられトーションバーを有する操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて、第1のアシスト機構からステアリングシャフトにアシストトルクを付与する。また、ステアリングシャフトとラック軸との間にトーションバーを有するロータリバルブを有し、ロータリバルブの開度に応じて第2のアシスト機構からラック軸にアシストトルクを付与する。これにより、大きなアシストトルクを付与するものである。

概要

トーションバーの影響による位相ずれに伴う操舵違和感を抑制可能なパワーステアリング裝置を提供すること。 本発明のパワーステアリング装置では、電動モータの回転数信号に基づいて操舵トルクを検出することで、位相ずれを抑制し、かつ、電動モータをきめ細かく制御することとした。

目的

本発明では、トーションバーの影響による位相ずれに伴う操舵違和感を抑制可能なパワーステアリング裝置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ステアリングホイール操舵操作に伴い回転する入力軸と、前記入力軸トーションバーを介して接続された出力軸と、前記出力軸の回転を操舵輪に伝達する伝達機構と、を有する操舵機構と、ピストンによって隔成された一対の油圧室を有し、前記操舵機構に操舵アシスト力を付与するパワーシリンダと、作動油吐出するポンプ装置と、前記入力軸と出力軸の相対回転に応じて前記ポンプ装置から供給される作動液を選択的に前記パワーシリンダの一対の液圧室に供給するロータリバルブと、前記操舵機構に操舵力を付与する電動モータと、前記電動モータを駆動制御するマイクロコンピュータが搭載された制御装置と、前記制御装置に設けられ、前記電動モータの回転数信号を受信するモータ回転数信号受信部と、前記制御装置に設けられ、前記モータ回転数信号に基づき前記電動モータを駆動制御するための指令信号演算するモータ指令信号演算部と、を有することを特徴とするパワーステアリング装置

請求項2

請求項1に記載のパワーステアリング裝置において、前記電動モータは前記トーションバーよりも前記ステアリングホイール側に設けられていることを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項3

請求項2に記載されたパワーステアリング裝置において、前記電動モータは、前記入力軸を包囲するように設けられ、前記入力軸に操舵力を付与する中空モータであることを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項4

請求項2に記載のパワーステアリング裝置において、前記電動モータは、減速機を介して前記入力軸に操舵力を付与することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項5

請求項1に記載のパワーステアリング裝置において、前記制御装置は、車速信号を受信する車速信号受信部を有し、前記モータ指令信号演算部は、前記モータ回転数信号及び前記車速信号に基づき前記モータ指令信号を演算することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項6

請求項5に記載のパワーステアリング裝置において、前記モータ指令信号演算部は、前記車速信号が所定値以上のとき前記ステアリングホイールの操舵方向とは逆方向に操舵力を付与すると共に、前記車速信号が所定車速未満のとき前記ステアリングホイールの操舵方向と同じ方向に操舵力を付与することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項7

請求項1に記載のパワーステアリング裝置において、前記ポンプ装置を駆動するポンプ装置用電動モータを有することを特徴とするパワーステアリング装置。

請求項8

請求項7に記載のパワーステアリング装置において、前記ポンプ装置用電動モータは、前記モータ回転数信号に基づき駆動制御されることを特徴とするパワーステアリング装置。

技術分野

0001

本発明は、運転者操舵トルクアシストするパワーステアリング装置に関する。

背景技術

0002

この種の技術として、特許文献1に記載のパワーステアリング裝置が知られている。この公報には、ステアリングシャフト電動モータアシストトルクを付与する第1のアシスト機構と、ラック軸油圧でアシストトルクを付与する第2のアシスト機構とを有する。そして、ステアリングホイールと電動モータとの間に設けられトーションバーを有する操舵トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて、第1のアシスト機構からステアリングシャフトにアシストトルクを付与する。また、ステアリングシャフトとラック軸との間にトーションバーを有するロータリバルブを有し、ロータリバルブの開度に応じて第2のアシスト機構からラック軸にアシストトルクを付与する。これにより、大きなアシストトルクを付与するものである。

先行技術

0003

特開2008—184049号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、ステアリングホイールとラック軸までの間に、2つのトーションバーを有するため、操舵角に対する転舵角位相ずれが大きくなり、運転者に違和感を与えるという問題があった。また、操舵トルクに電動モータから付与するアシスト力きめ細かく制御するには、操舵トルクセンサのトーションバーの剛性を落として検出精度を高める必要があり、更に位相ずれが大きくなるという課題があった。

0005

そこで、本発明では、トーションバーの影響による位相ずれに伴う操舵違和感を抑制可能なパワーステアリング裝置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明のパワーステアリング装置では、電動モータの回転数信号に基づいて操舵トルクを検出することで、位相ずれを抑制し、かつ、電動モータをきめ細かく制御することとした。

発明の効果

0007

すなわち、トルク値ではなく、モータ回転数に基づいてモータ指令信号演算するため、操舵トルクを検出するトーションバー付きのセンサを設ける必要が無く、トーションバーを1つ排除することで、操舵違和感を抑制できる。

図面の簡単な説明

0008

実施例1のパワーステアリング装置を表す概略図である。
実施例1のパワーステアリング装置のコントローラ内における制御構成を表すブロック図である。
低車速域における操舵角に対する操舵トルクの変化の軌跡を表す図である。
走行中の微小舵角範囲における操舵角に対する操舵トルクの変化の軌跡を表す図である。
走行中の大舵角範囲における操舵角に対する操舵トルクの変化の軌跡を表す図である。
実施例1の変形例1として中空モータを採用したパワーステアリング装置を表す概略図である。
実施例1の変形例2としてウォームギヤセットを採用したパワーステアリング装置を表す概略図である。
実施例2のパワーステアリング装置を表す概略図である。
実施例2の目標流量演算処理を表す制御ブロック図である。
実施例2の変形例として、ポンプ装置エンジンにより駆動される可変容量型ポンプとしたパワーステアリング装置を表す概略図である。

実施例

0009

〔実施例1〕
図1は実施例1のパワーステアリング装置を表す概略図である。ステアリングホイール1には、ステアリングシャフト2が接続されている。ステアリングシャフト2は、第1パワーステアリング装置3を有する。第1パワーステアリング装置3は、電動モータ30と、電動モータ30のトルクをステアリングシャフト2に伝達する減速ギヤセット31と、電動モータ30の回転角信号θmを検出するモータ回転角センサ32とを有する。ステアリングシャフト2には、ロータリバルブ4を介してピニオンシャフト5が接続されている。

0010

ピニオンシャフト5は、ラック軸6に設けられたラック歯60と噛合う。ピニオンシャフト5の回転は、ラック軸6の軸方向移動量に変換される。この伝達機構をラック&ピニオン機構という。ラック軸6には、油圧によってアシストトルクを付与する第2パワーステアリング装置としてのパワーシリンダ7を有する。パワーシリンダ7は、ピストンによって隔成された一対の右側シリンダ室左側シリンダ室とを有し、操舵方向に応じて油圧を供給するシリンダ室を切り換える。ラック軸6の両端にはタイロッドを介して転舵輪10が接続され、ラック軸6の軸方向移動に伴って転舵輪10が転舵する。

0011

ロータリバルブ4は、ステアリングシャフト2とピニオンシャフト5との間に作用するトルクに応じて捩れるトーションバーを有する。ロータリバルブ4は、トーションバーの捩れによって生じる内側バルブ外側バルブとの相対移動に応じ、オイルポンプ8から導入された油を、パワーシリンダ7の右側シリンダ室もしくは左側シリンダ室に油を供給すると共に、余剰油リザーバタンク9に還流する。

0012

コントローラ100は、車速センサ11からの車速信号VSPを受信する車速信号受信部と、モータ回転角センサ32からのモータ回転角信号θmを受信するモータ回転角信号受信部とを有する。コントローラ100は、受信した各種信号に基づいて目標モータトルクを演算し、電動モータ30に対し、駆動電流指令を出力する。

0013

すなわち、実施例1のパワーステアリング装置は、第1パワーステアリング装置3に加えて、パワーシリンダ7から成る第2パワーステアリング装置を有する。このとき、第1パワーステアリング装置3は、トーションバーの捩れに基づいてトルクを検出するトルクセンサを備えておらず、モータ回転角信号θmに基づいて操舵トルクを検出する。よって、ステアリングホイール1と転舵輪10との間で捩れる要素となるトーションバーがロータリバルブ4のみとなるため、位相ずれを抑制できる。また、電動モータ30は、ロータリバルブ4に供えられたトーションバーによって、転舵輪10が転舵する前に回転可能である。よって、モータ回転角信号θmに基づいて操舵トルクを推定することが可能となり、電動モータ30をきめ細かく制御可能である。

0014

図2は実施例1のパワーステアリング装置のコントローラ内における制御構成を表すブロック図である。コントローラ100内には、モータ指令信号演算部を有する。モータ指令信号演算部は、据切り時アシスト制御部101と、ダンピングトルク付与制御部102と、車速感応アシスト制御部103と、目標モータトルク演算部104とを有する。

0015

据切り時アシスト制御部101は、第1微分部101aと、速度係数乗算部101bと、第2微分部101cと、加速度係数乗算部101dと、加算部101eと、車速係数演算部101fと、係数乗算部101gと、リミッタ101hとを有する。第1微分部101aでは、入力されたモータ回転角信号θmを微分して、モータ回転速度Δθmを演算し、速度係数乗算部101bにおいて係数aを乗算する。係数aは、モータ回転速度Δθmを基準アシストトルクに変換する係数である。第2微分部101cでは、入力されたモータ回転速度Δθmを更に微分し、モータ回転加速度Δ(Δθm)を演算し、加速度係数乗算部101dにおいて係数bを乗算する。係数bは、モータ回転加速度Δ(Δθm)を位相補償トルクに変換する係数である。

0016

加算部101eでは、基準アシストトルクであるa・Δθmと位相補償トルクであるb・Δ(Δθm)とを加算して加算値(a・Δθm+b・Δ(Δθm))を演算する。次に、車速係数演算部101fでは、検出された車速VSPに基づいて係数cを設定する。この係数cは、極低車速(例えば2〜4km/h程度)では1にセットされ、極低車速以外の領域では0にセットされる。すなわち、駐車場等での据切り操作時には、据切り時アシストトルクが付与され、それ以外の走行時では、据切りアシストトルクが付与されないことを意味する。係数乗算部101gでは、加算値に係数cを乗算し、リミッタ101hにより電気的もしくは機械的な制限値を超えない値とした上で、据切り時アシスト制御指令値を出力する。

0017

ダンピングトルク付与制御部102は、速度係数乗算部102bと、加速度係数乗算部102dと、加算部102eと、車速係数演算部102fと、係数乗算部102gと、リミッタ102hとを有する。速度係数乗算部102bでは、入力されたモータ回転速度Δθmに係数a'を乗算する。係数a'は、モータ回転速度Δθmを基準ダンピングトルクに変換する係数である。加速度係数乗算部102dでは、入力されたモータ回転加速度Δ(Δθm)に係数b'を乗算する。係数b'は、モータ回転加速度Δ(Δθm)を位相補償トルクに変換する係数である。

0018

加算部102eでは、基準ダンピングトルクa'・Δθmと位相補償トルクb'・Δ(Δθm)とを加算して加算値(a'・Δθm+b'・Δ(Δθm))を演算する。次に、車速係数演算部102fでは、検出された車速VSPに基づいて係数cを設定する。この係数cは、極低車速(例えば2〜4km/h程度)では0にセットされ、極低車速以外の領域では−1にセットされる。すなわち、走行中では、ダンピングトルクが付与され、駐車場等での据切り操作時には、ダンピングトルクが付与されないことを意味する。係数乗算部102gでは、加算値に係数cを乗算し、リミッタ102hにより電気的もしくは機械的な制限値を超えない値とした上で、ダンピングトルク付与制御指令値を出力する。

0019

車速感応反力制御部103は、操舵角に対する電動モータ30による反力トルクを演算する反力トルク演算部103aと、車速VSPに応じた係数dを演算する車速係数演算ン部103bと、反力トルクに係数dを乗算する乗算部103cとを有する。反力トルク演算部103a内には、モータ回転角信号θmに基づいて操舵角を演算する操舵角演算部を有する。具体的には、直進走行時におけるモータ回転角信号θmを記憶し、これを中立位置とする。そして、中立位置からのモータ回転角変位に基づいて操舵角を演算する。次に、操舵角に対し反力トルクを演算する。基本的に操舵角が中立位置から変位しようとするときに変位を抑制するよう、中立位置に向けて反力トルクを付与する。また、係数dは、車速が高いほど大きな値となる係数であり、車速VSPが高くなるほど大きな反力トルクが付与されることで、高車速走行時におけるステアリングホイール1の安定性を確保する。乗算部103cでは、反力トルクに係数dを乗算し、車速感応反力トルク制御指令値を出力する。

0020

目標モータトルク演算部104では、据切り時アシスト制御指令値と、ダンピングトルク付与制御指令値と、車速感応反力トルク制御指令値とを加算し、最終的な目標モータトルク指令値を出力する。

0021

すなわち、実施例1のように、第1パワーステアリング装置3と第2パワーステアリング装置であるパワーシリンダ7とによって、運転者の操舵負担を軽減するにあたり、両方のパワーステアリング装置を、常時アシストトルクを付与する装置として使用すると、以下のような問題がある。すなわち、走行中において、セルフアライニングトルクの影響で操舵負荷が軽減されている場面では、簡単にステアリングホイール1が操舵可能となることで、操舵の剛性感が得にくく、直進時の運転者の負担を軽減することが困難となる。そこで、極低車速領域であって、駐車場等での切り返しを繰り返すような場面であって、かつ、転舵輪10の転舵負荷が大きい場合には、2つのパワーステアリング装置によってアシストトルクを発生させる。一方、走行中と判断される車速領域では、第1パワーステアリング装置3によって反力トルク及びダンピングトルクを付与することで、操舵の剛性感を確保しつつ、直進時の安定性の向上を図り、また、保舵時の操舵トルクを軽減することとした。

0022

図3は、極低車速域における操舵角に対する操舵トルクの変化の軌跡を表す図である。図3に示す実線及び点線は、中立位置から右側に操舵し、その後、左側に切り戻し、再度中立位置に戻すときの操舵トルクの軌跡である。実線が実施例1の据切り時アシスト制御を行った場合の軌跡であり、点線が比較例として据切り時アシスト制御を行わなかった場合の軌跡である。この軌跡に示すように、据切り時アシスト制御を行った場合、操舵方向にアシストトルクが付与されるため、操舵トルクを軽減することができた。よって、極低車速域においては、運転者の操舵負荷を軽減することができる。

0023

図4は、走行中の微小舵角範囲における操舵角に対する操舵トルクの変化の軌跡を表す図である。図4に示す実線及び点線は、中立位置から右側に操舵し、その後、左側に切り戻し、再度中立位置に戻す時の操舵トルクの軌跡である。実線が実施例1のダンピングトルク付与制御及び車速感応反力制御を行った場合の軌跡であり、点線が比較例としてダンピングトルク付与制御及び車速感応反力制御を行わなかった場合の軌跡である。まず、ステアリングホイール1を切り始めたときには、反力トルクが付与されるため、操舵トルクの立ち上がりにおいて、比較例よりも実施例1のほうが素早く立ち上がっている。また、操舵時に生じるヒステリシス特性のうち、左右でのヒステリシス特性の幅(以下、ヒス幅と記載する。)を小さくすることができる。これにより、剛性感や、外乱抑制を達成し、中立付近での操舵の安定感を得ることができる。

0024

図5は、走行中の大舵角範囲における操舵角に対する操舵トルクの変化の軌跡を表す図である。図5に示す実線及び点線は、中立位置から右側に操舵し、その後、左側に切り戻し、再度中立位置に戻す時の操舵トルクの軌跡である。実線が実施例1のダンピングトルク付与制御及び車速感応反力制御を行った場合の軌跡であり、点線が比較例としてダンピングトルク付与制御及び車速感応反力制御を行わなかった場合の軌跡である。微小舵角範囲では、ヒス幅の抑制によって中立付近での操舵の安定感を得た。これに対し、大舵角範囲では、操舵トルク軸方向におけるヒス幅が大きくなっている。これは、操舵角速度を抑制するダンピングトルク付与制御によって得られているものである。よって、運転者がある程度操舵した状態で、操舵角を保持するような場合、比較的小さな操舵トルクで操舵角を保持できる。よって、運転者への負担を軽減できる。

0025

以上説明したように、実施例1にあっては下記の作用効果が得られる。
(1)ステアリングホイール1の操舵操作に伴い回転するステアリングシャフト2(入力軸)と、ステアリングシャフト2とトーションバーを介して接続されたピニオンシャフト5(出力軸)と、ピニオンシャフト5の回転を操舵輪に伝達するラック&ピニオン機構(伝達機構)と、を有する操舵機構と、ピストンによって隔成された一対の油圧室を有し、ラック軸6に操舵アシスト力を付与するパワーシリンダ7と、作動油吐出するオイルポンプ8(ポンプ装置)と、ステアリングシャフト2とピニオンシャフト5の相対回転に応じてオイルポンプ8から供給される作動液を選択的にパワーシリンダ7の一対の液圧室に供給するロータリバルブ4と、ステアリングシャフト2に操舵力を付与する電動モータ30と、電動モータ30を駆動制御するマイクロコンピュータが搭載されたコントローラ100(制御装置)と、コントローラ100に設けられ、電動モータ30の回転数信号θmを受信するモータ回転数信号受信部と、コントローラ100に設けられ、モータ回転数信号θmに基づき電動モータ30を駆動制御するための指令信号を演算するモータ指令信号演算部と、を有する。
すなわち、トルク値に基づいてモータ指令信号を演算する場合、ロータリバルブ用のトーションバーとは別に更にもう一つのトルク検出用のトーションバーを設ける必要があり、操舵感が悪化するおそれがある。これに対し、トルク値ではなく、モータ回転角信号θmに基づいてモータ指令信号を演算するため、トーションバーを二つ設ける必要が無く、操舵感の悪化を抑制できる。

0026

(2)上記(1)に記載されたパワーステアリング装置において、
電動モータ30はトーションバーよりもステアリングホイール1側に設けられている。
すなわち、ロータリバルブ4に供えられたトーションバーの捩れによって電動モータ30が回転するため、モータ回転角情報を得ることができる。
(3)上記(1)に記載のパワーステアリング裝置において、
コントローラ100は、車速信号VSPを受信する車速信号受信部を有し、
モータ指令信号演算部は、モータ回転角信号θm及び車速信号VSPに基づきモータ指令信号を演算する。
すなわち、車速に応じて操舵負荷が変化するため、より精度の高い電動モータ30の制御を達成できる。
(4)上記(3)に記載のパワーステアリング裝置において、
モータ指令信号演算部は、車速信号VSPが所定値以上のときステアリングホイール1の操舵方向とは逆方向に操舵力を付与すると共に、車速信号VSPが所定車速未満のときステアリングホイール1の操舵方向と同じ方向に操舵力を付与する。
すなわち、所定車速未満のときは大きな操舵力を必要とするため、電動モータ30とパワーシリンダ7で操舵アシストを行い、所定車速以上のときは電動モータ30がパワーシリンダ7の操舵方向とは逆方向に操舵力を付与する、すなわち反力トルクを付与することにより、操舵安定性を向上できる。

0027

(変形例)
次に、実施例1の変形例1について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点について説明する。図6は実施例1の変形例1として、第1パワーステアリング装置3に、ステアリングシャフト2を包囲するように設けられ、ステアリングシャフト2に直接モータトルクを付与する中空モータ30aを採用したものである。この場合、モータ回転角信号θmがそのまま操舵角として認識されるため、ギヤ等を介在することが無い。よって、バックラッシによる誤差を生じることがなく、制御精度を更に高めることができる。

0028

次に、実施例1の変形例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点について説明する。図7は実施例1の変形例2として、第1パワーステアリング装置3に、ウォームギヤセットを採用したものである。電動モータ30にはウォームギヤが設けられ、ステアリングシャフト2にはウォームホイールが接続され、これによりウォームギヤセット30bを構成する。これにより、電動モータ30とステアリングシャフト2との間のギヤ比を大きく設定することが可能となり、操舵角を推定する際のモータ回転角信号θm分解能を向上できる。

0029

以上説明したように、変形例にあっては、下記の作用効果が得られる。
(5)上記(2)に記載されたパワーステアリング裝置において、
電動モータは、ステアリングシャフト2を包囲するように設けられ、ステアリングシャフト2に操舵力を付与する中空モータ30aである。
よって、ステアリングシャフト2と中空モータ30aとの間に減速機を介していないため、減速機のバックラッシに起因するモータ回転角信号θmへの影響を抑制できる。
(6)上記(2)に記載のパワーステアリング裝置において、
電動モータ30は、ウォームギヤセット30b(減速機)を介してステアリングシャフト2にモータトルクを付与する。

0030

〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点について説明する。図8は実施例2のパワーステアリング装置を表す概略図である。実施例2では、パワーシリンダ7への油圧源として、ポンプ用モータ81により駆動される電動オイルポンプ80と、ポンプ用モータ81の回転数を制御するポンプ用コントローラ200とを有する。ポンプ用コントローラ200は、コントローラ100において演算された目標流量に基づく流量制御信号を受信する流量制御信号受信部を有し、流量制御信号に基づいてポンプ用モータ81の回転状態を制御し、電動オイルポンプ80からの吐出流量を制御する。

0031

図9は実施例2の目標流量演算処理を表す制御ブロック図である。トルク絶対値演算部301では、演算された目標モータトルクを絶対値化する。これは、左右方向でトルク値が正負の値を取ったとしても、必要な流量は常に正の値に基づいて演算するからである。トルクベース流量演算部302では、絶対値化された目標モータトルクに基づいてトルクベース流量を演算する。具体的には、絶対値化された目標モータトルクが大きいほど、トルクベース流量が大きくなるように演算される。

0032

操舵角加速度絶対値演算部303では、モータ回転加速度Δ(Δθ)を絶対値化する。モータ回転加速度Δ(Δθ)は、操舵角加速度に比例する値であり、運転者の操舵操作意図が素早い操舵を要求しているか否かを表す。このモータ回転加速度Δ(Δθ)を絶対値化し、左右方向に依存しない値とする。ゲイン乗算部304では、モータ回転加速度Δ(Δθ)を流量に変換するためのゲインKを乗算する。リミッタ処理部305では、モータ回転加速度Δ(Δθ)にゲインKを乗じた値の急変を抑制するリミッタ処理を行い、操舵角加速度ベース流量を出力する。加算部306では、トルクベース流量と、操舵角加速度ベース流量とを加算する。リミッタ処理部307では、加算された流量の急変を抑制するリミッタ処理を行い、目標流量を出力する。これにより、運転者のステアリングホイール1の操作状態に応じて目標流量を演算し、目標流量に応じて電動オイルポンプ80を駆動することで、無駄なポンプ吐出流量を排除できる。

0033

以上説明したように、実施例2にあっては下記の作用効果が得られる。
(7)上記(1)に記載のパワーステアリング裝置において、
ポンプ装置を駆動するポンプ用モータ81(ポンプ装置用電動モータ)を有する。よって、ポンプ装置をエンジン駆動する必要が無く、必要に応じたポンプ駆動を行うことで燃費性能を向上できる。

0034

(8)上記(7)に記載のパワーステアリング装置において、
ポンプ用モータ81は、モータ回転加速度Δ(Δθm)(モータ回転数信号)に基づき駆動制御される。よって、操舵情報に応じてより適切なポンプ駆動を行うことが可能となり、より燃費性能を向上できる。

0035

(変形例)
次に、実施例2の変形例について説明する。基本的な構成は実施例2と同じであるため、異なる点について説明する。図10は実施例2の変形例として、ポンプ装置をエンジンにより駆動される可変容量型ポンプ82としたパワーステアリング装置を表す概略図である。実施例2と同様、目標流量が設定されると、可変容量型ポンプ82を目標流量に応じた容量に制御する。これにより、ポンプ負荷を軽減しつつ、操舵情報に応じてより適切なポンプ駆動を行うことができる。可変容量型ポンプとしては、例えば可変容量型ベーンポンプを採用することで、カムリング偏心位置を制御する例が挙げられる。

0036

〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、操舵機構としてラック&ピニオン機構を採用した例を示したが、ラック&ピニオン機構に限らず、インテグラル型のステアリング機構を採用してもよい。

0037

1ステアリングホイール
2ステアリングシャフト
3パワーステアリング装置
4ロータリバルブ
5ピニオンシャフト
6ラック軸
7パワーシリンダ
8オイルポンプ
9リザーバタンク
10転舵輪
11車速センサ
30電動モータ
30a中空モータ
30bウォームギヤセット
31減速ギヤセット
32モータ回転角センサ
100 コントローラ

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