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技術 有機エレクトロルミネッセンス素子及び車両用灯具

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 加藤一樹松村智之
出願日 2015年9月8日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-176240
公開日 2017年3月16日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-054869
状態 特許登録済
技術分野 エレクトロルミネッセンス光源 非携帯用の照明装置またはそのシステム
主要キーワード 発光光強度 プラズモン損失 中間コネクタ 製膜チャンバ フレキシブル基板側 ガスバリアー性フィルム 高ガス 抵抗加熱用
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

本発明の課題は、後方車両から見たときの発光光視認性が高く、明るさが均一に見え有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。

解決手段

本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、フレキシブル基板16と、フレキシブル基板16上に設けられた陽極11と、陽極11上に設けられ、発光層を含む第1及び第2発光ユニット12、14と、第1及び第2発光ユニット12、14上に設けられた陰極15と、を備え、外部に出射する光の配光特性において、正面輝度L1、視野角20度の輝度L2及び視野角60度の輝度L3が、0.85≦L2/L1≦1.20かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることを特徴とする。

概要

背景

従来、一重項励起子三重項励起子の全てをエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELともいう。)に利用し、高発光効率を実現する発光材料を用いた有機EL素子が提案されている。有機EL素子においては、高い発光効率発光寿命の両方で実用域の材料が開発され、ディスプレイ照明に利用されている。

また、近年では、有機EL素子の面発光や可撓性といった特性を活かし、デザイン性の高い車両用灯具(例えば、テールランプ等)に適用することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

面発光源である有機EL素子を湾曲させた状態で車両に搭載する場合、後続車両への視認性及び明るさの均一性を確保するために、湾曲された部分からも強い発光光が必要となる。そのため、正面だけでなく視野角20度程度までの発光光強度が要求される。一方で、後続車両への視認性及び明るさの均一性の観点から、視野角60〜90度付近からの発光光強度は必要とされない。

ここで従来公知の有機EL素子においては、発光光をいずれの方向から見てもある一定の視認性が得られるようになっているが、視野角60〜90度付近の発光光も多く、無駄になっている発光光も多かった。

概要

本発明の課題は、後方車両から見たときの発光光の視認性が高く、明るさが均一に見え有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、フレキシブル基板16と、フレキシブル基板16上に設けられた陽極11と、陽極11上に設けられ、発光層を含む第1及び第2発光ユニット12、14と、第1及び第2発光ユニット12、14上に設けられた陰極15と、を備え、外部に出射する光の配光特性において、正面輝度L1、視野角20度の輝度L2及び視野角60度の輝度L3が、0.85≦L2/L1≦1.20かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることを特徴とする。

目的

本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、後方車両から見たときの発光光の視認性が高く、明るさが均一に見える有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた車両用灯具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられた第1電極層と、前記第1電極層上に設けられ、発光層を含む有機層ユニットと、前記有機層ユニット上に設けられた第2電極層と、を備え、外部に出射する光の配光特性において、正面輝度L1、視野角20度の輝度L2及び視野角60度の輝度L3が、0.85≦L2/L1≦1.20かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子

請求項2

前記正面輝度L1、前記輝度L2及び前記輝度L3が、0.90≦L2/L1≦1.10かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項3

前記正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIExy色度図において0.29≦y≦0.335、y+x≧0.98であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項4

前記正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIE−xy色度図においてy≧0.39、y≧0.79−0.67x、y≧x−0.120であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項5

前記有機層ユニットが、前記第1電極層と前記第2電極層との間に二つ以上積層されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

請求項6

請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする車両用灯具

技術分野

0001

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び車両用灯具に関する。特に、後方車両から見たときの発光光視認性が高く、明るさが均一に見える有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた車両用灯具に関する。

背景技術

0002

従来、一重項励起子三重項励起子の全てをエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELともいう。)に利用し、高発光効率を実現する発光材料を用いた有機EL素子が提案されている。有機EL素子においては、高い発光効率発光寿命の両方で実用域の材料が開発され、ディスプレイ照明に利用されている。

0003

また、近年では、有機EL素子の面発光や可撓性といった特性を活かし、デザイン性の高い車両用灯具(例えば、テールランプ等)に適用することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

0004

面発光源である有機EL素子を湾曲させた状態で車両に搭載する場合、後続車両への視認性及び明るさの均一性を確保するために、湾曲された部分からも強い発光光が必要となる。そのため、正面だけでなく視野角20度程度までの発光光強度が要求される。一方で、後続車両への視認性及び明るさの均一性の観点から、視野角60〜90度付近からの発光光強度は必要とされない。

0005

ここで従来公知の有機EL素子においては、発光光をいずれの方向から見てもある一定の視認性が得られるようになっているが、視野角60〜90度付近の発光光も多く、無駄になっている発光光も多かった。

先行技術

0006

特開2015−5552号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、後方車両から見たときの発光光の視認性が高く、明るさが均一に見える有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた車両用灯具を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、フレキシブル基板有機層ユニット等を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の、外部に出射する光の配光特性において、正面輝度L1、視野角20度の輝度L2及び視野角60度の輝度L3が、特定の関係を満たすように調整されていることで、後方車両から見たときの発光光の視認性が高く、明るさが均一に見える有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できることを見いだした。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。

0009

1.フレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に設けられた第1電極層と、
前記第1電極層上に設けられ、発光層を含む有機層ユニットと、
前記有機層ユニット上に設けられた第2電極層と、を備え、
外部に出射する光の配光特性において、正面輝度L1、視野角20度の輝度L2及び視野角60度の輝度L3が、0.85≦L2/L1≦1.20かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

0010

2.前記正面輝度L1、前記輝度L2及び前記輝度L3が、0.90≦L2/L1≦1.10かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

0011

3.前記正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIExy色度図において0.29≦y≦0.335、y+x≧0.98であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

0012

4.前記正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIE−xy色度図においてy≧0.39、y≧0.79−0.67x、y≧x−0.120であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

0013

5.前記有機層ユニットが、前記第1電極層と前記第2電極層との間に二つ以上積層されていることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

0014

6.第1項から第5項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする車両用灯具。

発明の効果

0015

本発明によれば、後方車両から見たときの発光光の視認性が高く、明るさが均一に見える有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた車両用灯具を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、以下のように推察している。
有機EL素子の後方車両から見たときの発光光の視認性及び明るさ均一性を高めるためには、有機EL素子の正面輝度(視野角0度の輝度)から視野角20度程度までの発光光強度を向上させる必要がある。ここで、発明者らが鋭意検討した結果、有機EL素子の正面輝度(視野角0度の輝度)と視野角20度の輝度とはトレードオフの関係にあることが分かった。つまり、正面輝度を向上させると視野角20度の輝度が低下するため、結果として有機EL素子の後方車両から見たときの発光光の視認性及び明るさ均一性が低下する。この傾向は、有機EL素子の発光領域を湾曲させて正面から見た場合に特に顕著となる。そこで、正面輝度に対して視野角20度の輝度を0.85〜1.20倍の配光特性とすることで、正面輝度と視野角20度の輝度を十分な値に維持することができ、後方車両から見たときの発光光の視認性を向上させることができる。更に、視野角60〜90度の輝度が低い配光特性とすることにより、その分の発光光を視野角0〜20度付近に使用することができ、結果として視野角0〜20度付近の輝度が向上し、後方車両から見たときの発光光の視認性がより向上する。
また、上記のような配光特性にすることにより、有機EL素子の発光寿命が向上するという効果も得られる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の概略構成を示す図
本発明の有機エレクトロルミネッセンスを備えた車両用灯具の概略構成を示す図

0017

本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に設けられた第1電極層と、前記第1電極層上に設けられ、発光層を含む有機層ユニットと、前記有機層ユニット上に設けられた第2電極層と、を備え、外部に出射する光の配光特性において、正面輝度L1、視野角20度の輝度L2及び視野角60度の輝度L3が、0.85≦L2/L1≦1.20かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項6までの請求項に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明においては、本発明の効果発現の観点から、前記正面輝度L1、前記輝度L2及び前記輝度L3が、0.90≦L2/L1≦1.10かつL3/L1≦0.45の関係を満たすように調整されていることが好ましい。
また、本発明においては、前記正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIE−xy色度図において0.29≦y≦0.335、y+x≧0.98であることが好ましい。これにより、赤色の発光光を得ることができる。
また、本発明においては、前記正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIE−xy色度図においてy≧0.39、y≧0.79−0.67x、y≧x−0.120であることが好ましい。これにより、アンバー色の発光光を得ることができる。
また、本発明においては、前記有機層ユニットが、前記第1電極層と前記第2電極層との間に二つ以上積層されていることが好ましい。これにより、低電流駆動にて十分な発光量を得ることができるため、有機EL素子の発光寿命を向上させることができる。
また、本発明の車両用灯具は、上記有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする。これにより、後方車両から見たときの発光光の視認性が高く、明るさが均一な車両用灯具とすることができる。

0018

以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。

0019

[有機エレクトロルミネッセンス素子の概要
図1に示す有機EL素子10は、陽極(第1電極層)11、第1発光ユニット(有機層ユニット)12、中間コネクタ層13、第2発光ユニット(有機層ユニット)14、及び、陰極(第2電極層)15を備える。そして、これらの各層が、フレキシブル基板16上に積層形成されている。これら各構成の詳細については後述する。

0020

有機EL素子10では、フレキシブル基板16上に陽極11が形成され、この陽極11上に第1発光ユニット12が形成されている。更に、第1発光ユニット12上に中間コネクタ層13が形成され、中間コネクタ層13上に第2発光ユニット14が形成されている。更に、第2発光ユニット14上に陰極15が形成されている。

0021

上記有機EL素子10は、陽極11が透明電極により構成され、陰極15を反射電極として機能させる構成を有し、フレキシブル基板16側から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション型の構成である。
また、中間コネクタ層13を介して、第1発光ユニット12と第2発光ユニット14とが積層された、いわゆるタンデム型の構成である。

0022

上記有機EL素子10以外の構成として、陽極11が反射電極により構成され、陰極15を透明電極として機能させる構成を有し、陰極15側から光を取り出す、いわゆるトップエミッション型や、陽極11が透明電極により構成され、陰極15を透明電極として機能させる構成を有し、フレキシブル基板16側と陰極15側から光を取り出す透明型の構成でも良い。

0023

第1発光ユニット12及び第2発光ユニット14は、発光性有機材料を含む発光層等を少なくとも1層以上有している。

0024

本発明の有機EL素子10は、外部に出射する光の配光特性において、正面輝度L1、視野角20度の輝度L2及び視野角60度の輝度L3が、0.85≦L2/L1≦1.20かつL3/L1≦0.45の関係を満たす。

0025

ここで、本発明において正面とは、有機EL素子の発光領域の所定位置に対する直交方向をいい、有機EL素子が湾曲した状態にある場合には、有機EL素子の発光領域の所定位置に対する法線方向をいう。また、視野角20度及び視野角60度とは、目線に対する上記正面方向からなす角度が20度及び60度であることをいう。
上記輝度L1〜L3が上記関係を満たすことにより、後方車両から見たときの発光光の視認性を向上させ、その明るさを均一にすることができる。

0026

また、本発明においては、上記輝度L1〜L3が、0.90≦L2/L1≦1.10かつL3/L1≦0.45の関係を満たすことがより好ましい。これにより、後方車両から見たときの有機EL素子の発光光の視認性を更に向上させ、その明るさを均一にすることができる。

0027

上記輝度L1〜L3の測定方法としては、次の方法を用いることができる。
有機EL素子を自動的に回転させる回転ステージにセットし、分光輝度計(コニカミノルタ社製、CS−2000)を用いて光量分布及びスペクトルを測定することにより輝度L1〜L3を求めることができる。当該測定においては、有機EL素子に一定の電流量(5mA/cm2)を流し発光させながら、有機EL素子の発光領域に対する直交方向を0度とし、±80度の範囲内で複数回測定する。

0028

有機EL素子10の輝度L1〜L3を上記範囲内に調整する方法としては、例えば次の二つの方法を挙げることができる。

0029

一つは、有機EL素子10の発光点から陽極11までの距離及び当該発光点から陰極15までの距離を調整することにより、有機EL素子10の配光特性が上記数値範囲となるように調整する方法である。有機EL素子においては、発光層で生じた光を取り出す際、発光層から陽極を通じて直接取り出される光と、陽極と対極に位置する陰極で反射されてから取り出される光とが、干渉を起こすことが知られている。したがって、第1発光ユニット12及び第2発光ユニット14を構成する各有機層層厚を調整することで、第1発光ユニット12及び第2発光ユニット14の発光層における発光点から陽極11又は陰極15までの距離を種々変更することができ、有機EL素子の配光特性を調整することが可能となる。

0030

また、第1発光ユニット12及び第2発光ユニット14を構成する各有機層の層厚を調整する場合には、電子輸送層の総層厚を数nm〜200nmの間で適宜調整することで行うことが好ましい。
特に層厚が厚い場合においては、電子輸送層の電子移動度は10−5cm2/Vs以上であることが好ましい。

0031

有機EL素子の配光特性を上記数値範囲とするための各層の層厚は、従来公知の光取り出し計算ソフトを用いて導出することができる。そのような光取り出し計算ソフトとしては、例えば、setfos(登録商標)(FluximAG社製)を用いることができる。

0032

有機EL素子の配光特性を上記数値範囲とするための各有機層の具体的な層厚は、各有機層を構成する材料等により種々変動するものであるが、その一例について以下に示す。
例えば、図1に示すような陽極11と陰極15との間に、第1発光ユニット12、中間コネクタ層13及び第2発光ユニット14を備える有機EL素子において、第1発光ユニット12が、第1正孔注入層、第1正孔輸送層、第1発光層、第1電子輸送層及び第1電子注入層からなり、第2発光ユニット14が、第2正孔注入層、第2正孔輸送層、第2発光層、第2電子輸送層及び第2電子注入層からなる場合、各層の層厚は次の数値範囲が例示される。すなわち、第1正孔注入層及び第1正孔輸送層の層厚の合計が85〜105nm、第1電子輸送層、第1電子注入層、中間コネクタ層13、第2正孔注入層及び第2正孔輸送層の層厚の合計が132〜162nm、第2電子輸送層及び第2電子注入層の層厚の合計が23〜30nmとすることができる。

0033

有機EL素子10の輝度L1〜L3を上記範囲内に調整するもう一つの方法としては、有機EL素子10の発光面側光学フィルムを設ける方法である。
そのような光学フィルムとしては、透光性樹脂材料等からなり、例えば、複数の凸部からなるマイクロレンズアレイドットパターン、若しくは、回折格子凹凸構造を有するシート状の光学フィルムや光学シート、又は、屈折率の異なる光学多層膜からなる光学フィルム等を用いることができる。本発明においては、当該光学フィルムの形状を適宜調整することにより上記配光特性を得ることができる。

0034

ただし、光学フィルムは透過率が優れていないものも多い。そのため、光学フィルムを使用した有機EL素子は、光学フィルムを使用しない有機EL素子に比べ、明るさが低下してしまう。そのため、上記した有機EL素子を構成する各有機層の層厚を変更する方法の方が、より望ましい。

0035

また、本発明の有機EL素子においては、正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIE−xy色度図において0.29≦y≦0.335、y+x≧0.98であるであることが好ましい。これにより赤色の発光光を得ることができ、赤色発光するテールランプ等の車両用灯具に適用することができる。
また、本発明の有機EL素子においては、正面輝度L1が1000cd/m2であるときの正面の色度が、CIE−xy色度図においてy≧0.39、y≧0.79−0.67x、y≧x−0.120であることも好ましい。これによりアンバー色の発光光を得ることができ、アンバー発光するターンランプ等の車両用灯具に適用することができる。
なお、上記色度範囲におけるx及びyは、CIE1931表色系における色度x及びyである。

0036

上記色度は、例えば、分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタ社製)を用いて、有機EL素子に対し所定値電流密度を与え、正面輝度L1が1000cd/m2であるときの色度を測定することで得られる。

0037

[有機エレクトロルミネッセンス素子の構成の詳細]
以下、図1に示す有機EL素子10の陽極11、第1発光ユニット12、中間コネクタ層13、第2発光ユニット14、及び、陰極15の各構成、並びに、有機EL素子10が設けられるフレキシブル基板16の構成の詳細について説明する。なお、以下に説明する有機EL素子の各構成は、実施形態を説明するための一例であり、上述の有機EL素子を構成することが可能な範囲で適宜その他構成を適用することも可能である。

0038

[陽極]
有機EL素子10における陽極11としては、仕事関数の大きい(4eV以上、好ましくは4.3V以上)金属、合金電気伝導性化合物、及び、これらの混合物からなる電極物質が用いられる。このような電極物質の具体例としては、AuやAg等の金属及びこれらの合金、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等の非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いても良い。

0039

陽極11は、上記電極物質を蒸着スパッタリング等の方法を用いて、作製することができる。
陽極11側から発光光を取り出す場合(陽極11が第1電極層である場合)には、透過率を10%より大きくすることが望ましい。また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/sq.以下が好ましい。また、陽極の厚さは、材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。

0040

[発光ユニット]
第1発光ユニット12は、陽極11と中間コネクタ層13の間に設けられ、発光性を有する有機材料を含む発光層を少なくとも1層以上備える。また、第2発光ユニット14は、中間コネクタ層13と陰極15の間に設けられ、発光性を有する有機材料を含む発光層を少なくとも1層以上備える。なお、第1発光ユニット12及び第2発光ユニット14においては、発光層と、陽極11、中間コネクタ層13又は陰極15との間に他の層を備えていても良い。

0041

以下、これら第1発光ユニット12及び第2発光ユニット14を、総合して発光ユニットとして記載して説明する。

0042

発光ユニットの代表的な素子構成としては、以下の構成を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(1)正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層
(2)正孔注入輸送層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層
(3)正孔注入輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子注入輸送層
(4)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層

0043

上記構成において、発光層は、単層又は複数層で構成される。発光層が複数層で構成される場合、当該発光層同士の間に上記中間コネクタ層13と同構成の層が設けられていても良い。
電子輸送層は、電子輸送する機能を有する層である。電子輸送層には、広い意味で電子注入層、及び、正孔阻止層も含まれる。また、電子輸送層は、複数層で構成されていても良い。
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層には、広い意味で正孔注入層、及び、電子阻止層も含まれる。また、正孔輸送層は、複数層で構成されていても良い。

0044

これら発光ユニットを構成する各層は、従来公知の材料、形成方法を用いることができる。

0045

有機EL素子に複数の発光ユニットを設ける場合には、同一又は異なる構成の発光ユニットを組み合わせて使用することができるが、発光層を除いて同一の層及び材料を用いた構成の発光ユニットであることが好ましい。更に、各発光ユニットは、発光層数も同一であることが好ましい。これにより、使用材料数を少なくでき、コスト面、品質管理面等の生産面での利点がある。更に、蒸着プロセスであれば、製膜チャンバーを各発光ユニットで共通化しやすいなどの生産効率面での利点がある。

0046

各発光ユニットに包含される個々の層の層厚は、上記したように、発光層の発光点から陽極又は陰極までの距離に基づき配光特性を調整する場合には、従来公知の光取り出し計算ソフトを用いて導出された値に設定する。
一方、各発光ユニットに包含される個々の層の層厚は、有機EL素子10の発光面側に光学フィルムを設けることにより配光特性を調整する場合には、特に制限されない。この場合には、形成する膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧印加するのを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、5〜200nmの範囲内に調整することが好ましく、更に好ましくは10〜100nm以下の範囲に調整される。

0047

以下、発光ユニットの構成層として必須である発光層について説明する。

0048

[発光層]
発光層は、電極又は隣接層から注入される電子と正孔とが再結合し、励起子を経由して発光する場を提供する、発光性有機半導体薄膜を含む層である。発光層は、発光ドーパント発光性ドーパント化合物、ドーパント化合物、単にドーパントともいう。)と、ホスト化合物マトリックス材料発光ホスト化合物、単にホストともいう。)とを含有することが好ましい。
発光層の形成方法は特に制限はなく、従来公知の例えば真空蒸着法湿式法等により形成することができる。有機EL素子の製造コストから湿式法で形成することが好ましい。

0049

(1.発光ドーパント)
発光ドーパントとしては、蛍光発光性ドーパント蛍光ドーパント蛍光性化合物ともいう。)、及び、リン光発光性ドーパントリン光ドーパントリン光性化合物ともいう。)が好ましく用いられる。発光層中の発光ドーパントの濃度については、使用される特定のドーパント及びデバイス必要条件に基づいて、任意に決定することができる。発光ドーパントの濃度は、発光層の層厚方向に対し、均一な濃度で含有されていても良く、また任意の濃度分布を有していても良い。

0050

また、発光層には、複数種の発光ドーパントが含まれていても良い。例えば、構造の異なるドーパント同士を組み合わせて用いても良いし、蛍光発光性ドーパントとリン光発光性ドーパントとを組み合わせて用いても良い。これにより、任意の発光色を得ることができる。

0051

本発明の有機EL素子は、上記したように赤色発光又はアンバー発光を示すことが好ましい。赤色発光は、発光層に赤色発光ドーパントを含有させることにより達成される。また、アンバー色発光は、発光層にアンバー色に近い発光光を有する赤色若しくは緑色発光ドーパントを単独で含有させるか、又は赤色及び緑色発光ドーパントを2、3種組み合わせて含有させることにより達成される。赤色及び緑色発光ドーパントを組み合わせてアンバー色発光を得る場合には、当該赤色及び緑色発光ドーパントを2種組み合わせる場合が多い。
また、有機EL素子は、発光層中に発光色の異なる複数の発光ドーパントを含有し、白色発光を示すものとしても良い。白色を示す発光ドーパントの組み合わせについては特に限定はないが、例えば青と橙との組み合わせや、青と緑と赤との組み合わせ等が挙げられる。有機EL素子における白色としては、2度視野角正面輝度を前述の方法により測定した際に、1000cd/m2でのCIE1931表色系における色度がx=0.39±0.09、y=0.38±0.08の領域内にあることが好ましい。

0052

(1−1.リン光発光性ドーパント)
リン光発光性ドーパントは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、25℃においてリン光量子収率が0.01以上の化合物である。発光層に用いられるリン光発光性ドーパントにおいて、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。

0053

上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できる。発光層に用いるリン光発光性ドーパントは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されれば良い。

0054

リン光発光性ドーパントは、有機EL素子の発光層に使用される公知の材料から適宜選択して用いることができる。

0055

中でも、好ましいリン光発光性ドーパントとしては、Irを中心金属に有する有機金属錯体が挙げられる。更に好ましくは、金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含む錯体が好ましい。

0056

(1−2.蛍光発光性ドーパント)
蛍光発光性ドーパントは、励起一重項からの発光が可能な化合物であり、励起一重項からの発光が観測される限り特に限定されない。

0058

また、蛍光発光性ドーパントとして、遅延蛍光を利用した発光ドーパント等を用いても良い。遅延蛍光を利用した発光ドーパントの具体例としては、例えば、国際公開第2011/156793号、特開2011−213643号公報、特開2010−93181号公報等に記載の化合物が挙げられる。

0059

(2.ホスト化合物)
ホスト化合物は、発光層において主に電荷の注入及び輸送を担う化合物であり、有機EL素子においてそれ自体の発光は実質的に観測されない。
好ましくは室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物であり、更に好ましくは、リン光量子収率が0.01未満の化合物である。また、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。

0060

また、ホスト化合物の励起状態エネルギーは、同一層内に含有される発光ドーパントの励起状態エネルギーよりも高いことが好ましい。
ホスト化合物は、単独で用いても良く、又は複数種併用して用いても良い。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子の高効率化が可能となる。

0061

発光層に用いられるホスト化合物としては、特に制限はなく、従来有機EL素子に用いられる化合物を挙げることができる。例えば、低分子化合物や、繰り返し単位を有する高分子化合物でも良いし、ビニル基エポキシ基のような反応性基を有する化合物でも良い。

0062

公知のホスト化合物としては、正孔輸送能又は電子輸送能を有しつつ、発光の長波長化を防ぎ、更に、有機EL素子を高温駆動時素子駆動中の発熱に対する安定性の観点から、高いガラス転移温度(Tg)を有することが好ましい。ホスト化合物としては、Tgが90℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上である。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。

0063

[中間コネクタ層]
上記発光ユニットが積層される場合には、各発光ユニットの間に非発光性の中間コネクタ層13を設けることが好ましい。

0064

中間コネクタ層13としては、金属単独層を0.1〜10nm程度形成した構成とすることができる。また、第1発光ユニット12に電子を注入する機能を有し、第2発光ユニット14に正孔を注入する機能を有する電荷発生層の構成とすることができる。
中間コネクタ層13として、金属単独層を用いた場合にはプラズモン損失の発生が懸念される。このため、中間コネクタ層13としては、金属単独層を含まず、正孔を注入する機能を有する層と、電子を注入する機能を有する層とを積層した電荷発生層の構成を用いることが好ましい。

0065

また、中間コネクタ層13としては、陽極及び陰極と同じ材料を用いて形成することが可能である。また、中間コネクタ層13は、陽極及び陰極よりも導電率の低い材料を用いて形成することが可能である。

0066

中間コネクタ層13において、電子を注入する機能を有する層としては、例えば、酸化リチウム、フッ化リチウム炭酸セシウム等の絶縁体半導体を用いることができる。又は、電子輸送性の高い物質に、電子供与性物質を添加した材料を用いることもできる。
電子輸送性の高い物質とは、主に10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、いずれの物質を用いることができる。

0067

また、電子輸送性の高い物質に、電子供与性物質を添加することにより、電子注入性を高くすることができる。このため、発光素子駆動電圧を低減することができる。電子供与性物質としては、例えば、アルカリ金属アルカリ土類金属、若しくは、希土類金属、又は、元素周期表における第13族に属する金属、その酸化物、若しくは、その炭酸塩を用いることができる。

0068

また、中間コネクタ層13のうち正孔を注入する機能を有する層として、例えば、酸化モリブデン酸化バナジウム酸化レニウム酸化ルテニウム等の半導体や絶縁体を用いることができる。又は、正孔輸送性の高い物質に、電子受容性物質を添加した材料を用いることができる。また、電子受容性物質からなる層を用いても良い。
正孔輸送性の高い物質とは、主に10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、いずれの物質を用いることができる。また、上述のホスト材料を用いても良い。

0069

また、正孔輸送性の高い物質に、電子受容性物質を添加することにより、正孔注入性を高くすることができる。このため、発光素子の駆動電圧を低減することができる。電子受容性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン略称:F4−TCNQ)、クロラニルや、遷移金属酸化物等を用いることができる。

0070

また、正孔輸送性の高い物質に電子受容性物質を添加した構成、及び、電子輸送性の高い物質に電子供与性物質を添加した構成のうち、いずれか一方又は両方の構成を用いることにより、中間コネクタ層13を厚膜化した場合にも駆動電圧の上昇を抑制することができる。よって、中間コネクタ層13を厚膜化することにより、微小異物や衝撃等によるショートを防止することができ、駆動電圧を上昇させずに信頼性の高い発光素子を得ることができる。

0071

なお、中間コネクタ層13において、正孔を注入する機能を有する層と電子を注入する機能を有する層との間に、必要に応じて他の層を導入しても良い。例えば、ITOのような導電層電子リレー層を設けても良い。電子リレー層は、正孔を注入する機能を有する層と電子を注入する機能を有する層との間で生じる電圧のロスを低減する機能を有する。具体的には、LUMO準位がおよそ−5.0eV以上である材料を用いることが好ましく、−5.0〜−3.0eVである材料を用いることがより好ましい。

0072

[陰極]
陰極15としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する。)、合金、電気伝導性化合物、及び、これらの混合物からなる電極物質が用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウムナトリウム−カリウム合金マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム、銀、銀を主成分とする合金、アルミニウム/銀混合物、希土類金属等が挙げられる。

0073

陰極15は、上記電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法を用いて、作製することができる。
陰極15側から発光光を取り出す場合(陰極15が第1電極層である場合)には、透過率を10%より大きくすることが望ましい。また、陰極15のシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましい。また、陰極15の厚さは、通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。

0074

[フレキシブル基板]
有機EL素子10に用いられるフレキシブル基板16は、フレキシブル性を有するプラスチック又はガラス等の材料であれば特に限定はなく、好ましくは、透明樹脂フィルム等を挙げることができる。

0076

樹脂フィルムの表面には、無機物有機物被膜又はその両者のハイブリッド被膜等によるガスバリアー膜が形成されていても良い。ガスバリアー膜は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m2・24h)以下のガスバリアー性フィルムであることが好ましい。更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、10−3mL/(m2・24h・atm)以下、水蒸気透過度が、10−5g/(m2・24h)以下の高ガスバリアー性フィルムであることが好ましい。

0077

ガスバリアー膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であれば良い。例えば、酸化ケイ素二酸化ケイ素窒化ケイ素等を用いることができる。更に、ガスバリアー膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層との積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。ガスバリアー膜の形成方法については特に限定はなく、従来公知の方法を用いることができる。

0078

[その他の構成]
有機EL素子10の封止に用いられる封止手段としては、有機EL素子10の可撓性を損なわない範囲内で公知の材料、形成方法を採用することができる。
また、素子の機械的強度を高めるために、有機EL素子10の可撓性を損なわない範囲内で封止手段の外側に公知の保護膜又は保護板を設けても良い。

0079

なお、上記実施形態では、フレキシブル基板側から、透明電極となる陽極、第1発光ユニット、中間コネクタ層、第2発光ユニット、及び、反射電極となる陰極がこの順に積層された、ボトムエミッション型の有機EL素子を例示したが、この構成に限定されない。例えば、各層の積層順は逆でも良いし、陽極と陰極とが逆の構成、すなわち、第1電極層が陰極であって第2電極層が陽極であっても良い。この場合には、陰極が透明電極、陽極が反射電極となる。
更に、発光ユニットの構成や積層数、発光層の積層数についても特に限定されず、所望の有機EL素子を実現することが可能な構成とすることができる。例えば、有機EL素子を構成する発光ユニットを一つとしても良いし、発光ユニットが三つ以上積層された構成としても良い。

0080

[車両用灯具]
本発明の車両用灯具は、上記した本発明の有機EL素子を備えて構成されている。本発明の車両用灯具は、例えば、ヘッドランプ、テールランプ、ストップランプバックランプ、ターンランプ等のいずれにも適用することができる。

0081

本発明の車両用灯具の適用例について図2を参照して以下説明する。
図2に示すように、車両20の前部にはヘッドランプ21が設けられ、車両20の後部コーナー部には本発明の車両用灯具22が設けられている。車両用灯具22は、発光光を車両20の後方配光するように構成されている。なお、図2においては、車両20の運転者から見た方向を前方、後方、左方及び右方として説明する。

0082

車両用灯具22は、車両20後部のコーナー部に形成された凹部に取り付けられるハウジング23、車両20の車体の形状に合わせて形成されハウジング23を覆う透光カバー24、当該ハウジング23と当該透光カバー24との間に形成される灯室25内に設けられる光源としての上記有機EL素子10等を備えて構成されている。

0083

有機EL素子10は、車両20の左右方向に延在する帯状に形成され、車両20の車体の形状に合わせて一部湾曲された状態でハウジング23に保持されている。
また、有機EL素子10の発光層の材料が適宜選択されていることで、バックランプ用の白色光テール/ストップランプ用の赤色光、ターンランプ用の黄色光等を発生するように構成されている。なお、有機EL素子10として白色光を示すものを用い、カラーフィルターを設けることで、上記各色の発光光を発生するものとしても良い。

0084

以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。

0085

《有機EL素子101の作製》
下記の方法に従って、図1に記載の構成の有機EL素子101を作製した。

0086

ガスバリアー層フレキシブル基材の準備)
フレキシブル基板として、ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポン社製フィルム、以下、PENと略記する。)を用い、第1電極層(透明電極、陽極)を形成する側の全面に、特開2004−68143号公報に記載の構成よりなる大気圧プラズマ放電処理装置を用いて、連続してフレキシブル基板(PEN)上に、SiOxより構成される無機ガスバリアー層を、厚さ500nmとなるように形成し、ガスバリアー層付フレキシブル基板を作製した。

0087

高屈折率層及び下地層の形成)
ガスバリアー層を形成したフレキシブル基板を市販の電子ビーム蒸着装置基材ホルダーに固定し、酸化ニオブ(Nb2O5)を加熱ボートに入れ、これら基板ホルダー及び加熱ボートを電子ビーム蒸着装置の真空槽に取り付けた。
次に、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、酸化ニオブ(Nb2O5)の入った加熱ボートに電子ビーム照射して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒でフレキシブル基板上に厚さ30nmのNb2O5からなる高屈折率層を設けた。そして、フレキシブル基板を大気曝露することなく、プラズマ処理用チャンバーから、真空蒸着装置の真空槽に移送した。

0088

次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、窒素含有化合物である下記化合物1の入った加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で層厚が15nmの下地層を形成した。

0089

0090

(陽極の形成)
ガスバリアー層を形成したフレキシブル基板を真空槽に装着し、4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で膜厚13nmの銀からなる陽極を形成した。

0091

(第1発光ユニットの形成)
上記作製したフレキシブル基板の陽極上に、下記に示す手順に従って、第1発光ユニットを形成した。なお、フレキシブル基板は、露点−80℃以下、酸素濃度1ppm以下のグローブボックスにおいて乾燥させた後、グローブボックスから大気に晒すことなく第1発光ユニットを形成する真空蒸着装置内に移送した。

0092

真空蒸着装置内の蒸着用るつぼの各々に、各層の構成材料を、各々素子作製に最適の量を充填した。蒸着用るつぼはモリブデン製又はタングステン製抵抗加熱用材料で作製されたものを用いた。

0093

続いて、真空蒸着装置のチャンバーを真空度1×10−4Paにまで減圧し、下記化学式で表される化合物M−1(MTDATA)を、蒸着速度0.1nm/秒で陽極上に蒸着し、層厚15nmの正孔注入層を形成した。

0094

0095

次いで、下記化学式で表される化合物M−2(α−NPD)を、正孔注入層上に蒸着し、層厚80nmの正孔輸送層を形成した。

0096

0097

次いで、下記化学式で表される化合物GD−1、化合物RD−1及び化合物H−2を、化合物GD−1が体積比で10%、化合物RD−1が体積比で10%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、層厚30nmの赤色を呈するリン光発光層を形成した。

0098

0099

その後、上記化合物1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、層厚20nmの電子輸送層を形成した。

0100

更に、LiFを蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、層厚1.2nmの電子注入層を形成した。

0101

(中間コネクタ層の形成)
次に、電子注入層上にアルミニウムを蒸着して層厚1nmの金属単独層からなる中間コネクタ層を形成した。

0102

(第2発光ユニットの形成)
続いて、上記した化合物M−1を、蒸着速度0.1nm/秒で中間コネクタ層上に蒸着し、層厚15nmの正孔注入層を形成した。

0103

次いで、上記した化合物M−2を、正孔注入層上に蒸着し、層厚110nmの正孔輸送層を形成した。

0104

次いで、上記した化合物GD−1、化合物RD−1及び化合物H−2を、化合物GD−1が体積比で10%、化合物RD−1が体積比で10%の濃度になるように蒸着速度0.1nm/秒で共蒸着し、厚さ20nmの赤色を呈するリン光発光層を形成した。

0105

その後、上記化合物1を蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ25nmの電子輸送層を形成した。

0106

更に、LiFを蒸着速度0.1nm/秒で蒸着し、厚さ1.5nmの電子注入層を形成した。

0107

(陰極の形成)
次に、アルミニウムを厚さ100nmで蒸着して陰極(反射電極、光不透過性)を形成した。

0108

封止構造の作製)
次のようにして、形成した陽極から陰極までを被覆するように封止フィルムを貼り合わせて封止した。

0109

厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板接着剤を塗布して、120℃で2分間乾燥し、厚さ20μmの接着層を形成した。この接着層に、厚さ100μmのアルミニウム箔を貼り合わせた、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートを貼り合わせて、封止フィルムとした。この封止フィルムを、窒素雰囲気下に24時間以上放置した後、剥離シートを除去し、80℃に加熱した真空ラミネーターにより、上記陰極を被覆するように貼り合わせた。更に、120℃で30分間加熱して封止した。このようにして、200mm×40mmの発光領域を有する有機EL素子101を作製した。

0110

《有機EL素子102の作製》
上記有機EL素子101の作製において、第2発光ユニットの電子輸送層の層厚を30nmに変更した以外は同様にして、有機EL素子102を作製した。

0111

《有機EL素子103の作製》
上記有機EL素子101の作製において、第2発光ユニットの電子輸送層の層厚を40nmに変更した以外は同様にして、有機EL素子103を作製した。

0112

《有機EL素子104の作製》
上記有機EL素子101の作製において、第1発光ユニットの正孔輸送層の層厚を50nm、電子輸送層の層厚を35nmにそれぞれ変更し、中間コネクタ層及び第2発光ユニットを形成しなかった以外は同様にして素子を作製した。
次に、作製した素子のフレキシブル基板の第1発光ユニットが形成されていない面に、特開2007−188065号公報に記載のプリズムシートを設け、従来公知のランバーシアン配光特性を有する有機EL素子104を作製した。

0113

《有機EL素子105の作製》
上記有機EL素子101の作製において、第2発光ユニットの電子輸送層の層厚を10nmに変更した以外は同様にして、有機EL素子105を作製した。

0114

《有機EL素子106の作製》
上記有機EL素子105を作製した後に、フレキシブル基板の第1発光ユニットが形成されていない面に、特開2007−188065号公報を参考に、有機EL素子101と同様の配光形状が得られるよう凸部の形状を調整したプリズムシートを設けた。このようにして、有機EL素子106を作製した。

0115

《有機EL素子107の作製》
上記有機EL素子101の作製において、第2発光ユニットの電子輸送層の層厚を50nmに変更した以外は同様にして、有機EL素子107を作製した。

0116

《有機EL素子101〜107の評価》
上記のようにして作製した有機EL素子101〜107について下記の評価を行った。評価結果を表1に示す。

0117

(1)配光特性の測定
上記作製した有機EL素子101〜107を自動的に回転させる回転ステージにセットし、分光輝度計(コニカミノルタ社製、CS−2000)を用いて光量分布及びスペクトルを測定した。測定においては、有機EL素子に一定の電流量(5mA/cm2)を流し、発光させながら、有機EL素子の発光領域に対する直交方向を0度とし、±80度の範囲で複数回測定した。なお、回転ステージは手製のものを用いた。
上記したようにして得られた各有機EL素子の配光特性から、各有機EL素子のL2/L1及びL3/L1の値を求めた。

0118

(2)明るさ均一性評価
上記作製した有機EL素子101〜107を発光領域が曲率50mmとなるように湾曲させた状態で固定し、当該素子に一定の電流量(5mA/cm2)を流して発光させ、1m離れた観測位置から当該素子の発光領域の中心位置を正面から目視により観察した。有機EL素子の発光領域全体の明るさの均一性を一般モニター10人により以下の基準に従って評価した。なお、○又は△であれば、明るさの均一性としては実用上可と判断した。
○:9人以上のモニターが、発光領域の明るさは均一であると判定した
△:5〜8人のモニターが、発光領域の明るさは均一であると判定した
×:4人以下のモニターが、発光領域の明るさは均一であると判定した

0119

(3)明るさ評価
上記作製した有機EL素子101〜107を発光領域が曲率50mmとなるように湾曲させた状態で固定し、当該素子に一定の電流量(5mA/cm2)を流して発光させ、1m離れた観測位置から当該素子の発光領域の中心位置を正面から目視により観察した。有機EL素子の明るさを一般モニター10人により以下の基準に従って評価した。なお、○又は△であれば、明るさとしては実用上可と判断した。また、本評価では、有機EL素子104の発光と比較したときの明るさを評価した。
○:9人以上のモニターが、有機EL素子104と同程度の明るさと判定した
△:5〜8人のモニターが、有機EL素子104と同程度の明るさと判定した
×:4人以下のモニターが、有機EL素子104と同程度の明るさと判定した

0120

実施例

0121

表1に示すように、0.85≦L2/L1≦1.20かつL3/L1≦0.45の関係を満たす有機EL素子101〜103、106は、当該関係を満たさない有機EL素子104、105、107と比較して、発光領域の明るさの均一性に優れている。これにより、L2/L1及びL3/L1が上記関係を満たす有機EL素子は、後方車両から見たときの発光光の視認性及び明るさの均一性が高いということができる。
また、プリズムシートが設けられて構成される有機EL素子106は、発光領域の明るさ均一性は確保されているが、明るさ自体は低下していることが分かる。したがって、輝度L1〜L3を上記範囲内に調整する方法としては、光学フィルムを設ける方法よりも、有機EL素子を構成する各有機層の層厚を変更する方法の方が、より望ましい。

0122

10有機EL素子
11陽極(第1電極層)
12 第1発光ユニット(有機層ユニット)
14 第2発光ユニット(有機層ユニット)
15陰極(第2電極層)
16フレキシブル基板
22 車両用灯具

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