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技術 ブロワ制御装置

出願人 株式会社日立製作所
発明者 山野井一郎西田佳記中村信幸武本剛
出願日 2015年9月9日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-177138
公開日 2017年3月16日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-054272
状態 特許登録済
技術分野 フィードバック制御一般 活性汚泥処理
主要キーワード 長期間一定 台起動 アンモニア計 風量計 増分量 降雨時間 運転台数制御装置 下水処理プラント
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

下水処理水質を適切に制御し、ブロワによる消費電力を抑制することが可能なブロワ制御装置を提供する。

解決手段

被処理水である流入水の通日の流量変動パターンと、前記流入水を酸化処理する好気槽に送られる空気の通日の風量変動パターンを記憶する日間変動パターンデータベースと、ある時刻で前記流入水の流量を計測する流量計により計測された流量とある時刻で、前記好気槽に送られた空気の風量を計測する風量計により計測された風量が通常の範囲内であることを判定し、前記風量変動パターンから予測風量演算する予測風量演算部と、を備え、複数のブロワの風量および台数を制御するブロワ制御部が、前記予測風量で前記ブロワの台数増減閾値判定を行うことを特徴とする。

概要

背景

環境問題コスト削減への対応が必須となった昨今、下水処理場においても、公共水域放流する処理水水質向上、さらなる省エネ化ICT活用した維持管理性の向上が求められている。

下水処理場では、活性汚泥と呼ばれる微生物縣濁液により、下水中の有機物窒素などを除去する。ブロワにより活性汚泥に空気を吹き込む生物反応槽好気槽と呼ぶが、好気槽では有機物は微生物による同化異化反応により摂取・消費され、除去される。また、流入下水中の主たる窒素成分アンモニア性窒素は、好気槽において酸化され、硝酸態窒素となる。硝酸態窒素はその後の無酸素槽で窒素まで還元され、大気中に放出・除去される。

これらの水処理プロセスにおいて、活性汚泥に空気を吹き込むブロワは消費電力が大きい。したがって、ブロワの消費電力を低減させるため、例えば好気槽末端に設置した溶存酸素(DO)の濃度を一定制御にするDO一定制御により、ブロワを適切に制御し、必要な風量を好気槽に送り込む

ここでのブロワから生物反応槽に送り込む風量とブロワによる消費電力には、ある程度の相関関係はあるが、比例関係ではない。例えば複数台のブロワをON/OFFしてブロワの風量を制御する場合、演算された必要風量の、ある値を閾値としてブロワ台数増減し、余った風量は放風弁より大気中に放風する。ブロワの台数と消費電力は比例するため、ブロワから送り込む風量(演算された必要風量)と消費電力はステップ状となる。一般に、頻繁にブロワ台数が増減することを防ぐため、例えばブロワ台数を1台から2台に増やす場合の風量の閾値より、ブロワ台数を2台から1台に減らす場合の風量の閾値が小さくなる。したがって、同じ風量に対してブロワの台数が異なる、すなわち消費電力が異なる場合が発生する。すなわち、風量に対する消費電力のグラフは一部がオーバーラップするステップ状の関係となる。

インバータインレットベーンにより風量を制御するブロワの場合、風量と消費電力にはある程度の相関関係がある(非特許文献1)が、一般にブロワの最大風量点でもっとも効率が良い。複数台のブロワを制御するに当たり、ブロワの台数を増やすと同じ風量でも一台あたりの風量が低下し、効率が低下する。したがって、風量に対する消費電力のグラフは単調増加のステップの一部がオーバーラップする関係となる。

ブロワの台数制御を適切に実施し、消費電力を削減するためには、このオーバーラップの部分、すなわち少ないブロワの台数で実現できる風量を多くのブロワの台数で実施している状態をできるだけ少なくすれば良い。

特許文献1は、活性汚泥法を用いた下水処理場のエアレーションタンク内に送風すべき曝気風量を制御する送風機器運転台数制御装置に係わり、特にエアレーションタンクの適切な溶存酸素量(以下、DO値と指称する)を確保するための曝気風量を送風する送風機器の運転台数制御装置に関する発明である。DO値の設置値変更に際して、DO値が減少傾向にない場合、すなわち流入してくる水質負荷が小さくなる傾向にある場合は、ブロワの台数増加を抑制することで無駄なブロワの台数増加を抑制する。

特許文献2は、晴天時と雨天時とでは流入流量汚濁負荷が異なるために、手動操作を行なわざるを得ないという問題に対して、雨天モードでは晴天モードで演算する風量に対して補正を設けることで、すべての状態で自動制御を実現しようとするものであり、得られた風量に対して台数を決定する台数制御部を備える。

概要

下水処理の水質を適切に制御し、ブロワによる消費電力を抑制することが可能なブロワ制御装置を提供する。被処理水である流入水の通日の流量変動パターンと、前記流入水を酸化処理する好気槽に送られる空気の通日の風量変動パターンを記憶する日間変動パターンデータベースと、ある時刻で前記流入水の流量を計測する流量計により計測された流量とある時刻で、前記好気槽に送られた空気の風量を計測する風量計により計測された風量が通常の範囲内であることを判定し、前記風量変動パターンから予測風量を演算する予測風量演算部と、を備え、複数のブロワの風量および台数を制御するブロワ制御部が、前記予測風量で前記ブロワの台数増減の閾値判定を行うことを特徴とする。

目的

本発明の目的は、下水処理の水質を適切に制御し、ブロワによる消費電力を抑制することが可能なブロワ制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

被処理水である流入水と、前記流入水の流量を計測する流量計と、前記流入水を酸化処理する好気槽と、前記好気槽に空気を送る複数のブロワと、前記好気槽に送られた空気の風量を計測する風量計と、前記好気槽に必要な風量を演算する必要風量演算部と、前記複数のブロワの風量および台数を制御するブロワ制御部と、を備えたブロワ制御装置において、前記流入水の通日の流量変動パターンおよび前記好気槽に送られる空気の通日の風量変動パターンを記憶する日間変動パターンデータベースと、ある時刻で前記流量計により計測された流量とある時刻で前記風量計により計測された風量が通常の範囲内であることを判定し、前記風量変動パターンから予測風量を演算する予測風量演算部と、を備え、前記ブロワ制御部が、前記予測風量で前記ブロワの台数増減閾値判定を行うことを特徴とするブロワ制御装置。

請求項2

前記予測風量演算部において、ある時刻で前記流量計により計測された流量が前記流量変動パターンによる流量に基づいて導出された許容流量範囲にあるかの判定と、ある時刻で前記風量計により計測された風量が前記風量変動パターンによる風量に基づいて導出された許容風量範囲にあるかを判定し、前記風量変動パターンから予測風量を演算する予測風量演算部であることを特徴とする請求項1記載のブロワ制御装置。

請求項3

さらに、降雨情報取得部と、降雨時予測風量補正部と、を備え、 前記予測風量演算部で演算された予測風量を、前記降雨時予測風量補正部に基づき補正することを特徴とする請求項1または2記載のブロワ制御装置。

請求項4

前記降雨時予測風量補正部における前記予測風風量演算部で演算された予測風量の補正方法が、降雨時の流量と風量の関係を表す関数として、降雨により下水流量が増加すると、必要となる風量が減少することを表す関数を用いることを特徴とする請求項3記載のブロワ制御装置。

請求項5

前記降雨時の流量と風量の関係を表す関数が、降雨により下水流量が増加すると、必要となる風量が遅れて減少することを表す関数を用いることを特徴とする請求項4記載のブロワ制御装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば、下水処理場処理水水質を制御するブロワ台数制御装置に関する。

背景技術

0002

環境問題コスト削減への対応が必須となった昨今、下水処理場においても、公共水域放流する処理水の水質向上、さらなる省エネ化ICT活用した維持管理性の向上が求められている。

0003

下水処理場では、活性汚泥と呼ばれる微生物縣濁液により、下水中の有機物窒素などを除去する。ブロワにより活性汚泥に空気を吹き込む生物反応槽好気槽と呼ぶが、好気槽では有機物は微生物による同化異化反応により摂取・消費され、除去される。また、流入下水中の主たる窒素成分アンモニア性窒素は、好気槽において酸化され、硝酸態窒素となる。硝酸態窒素はその後の無酸素槽で窒素まで還元され、大気中に放出・除去される。

0004

これらの水処理プロセスにおいて、活性汚泥に空気を吹き込むブロワは消費電力が大きい。したがって、ブロワの消費電力を低減させるため、例えば好気槽末端に設置した溶存酸素(DO)の濃度を一定制御にするDO一定制御により、ブロワを適切に制御し、必要な風量を好気槽に送り込む

0005

ここでのブロワから生物反応槽に送り込む風量とブロワによる消費電力には、ある程度の相関関係はあるが、比例関係ではない。例えば複数台のブロワをON/OFFしてブロワの風量を制御する場合、演算された必要風量の、ある値を閾値としてブロワ台数増減し、余った風量は放風弁より大気中に放風する。ブロワの台数と消費電力は比例するため、ブロワから送り込む風量(演算された必要風量)と消費電力はステップ状となる。一般に、頻繁にブロワ台数が増減することを防ぐため、例えばブロワ台数を1台から2台に増やす場合の風量の閾値より、ブロワ台数を2台から1台に減らす場合の風量の閾値が小さくなる。したがって、同じ風量に対してブロワの台数が異なる、すなわち消費電力が異なる場合が発生する。すなわち、風量に対する消費電力のグラフは一部がオーバーラップするステップ状の関係となる。

0006

インバータインレットベーンにより風量を制御するブロワの場合、風量と消費電力にはある程度の相関関係がある(非特許文献1)が、一般にブロワの最大風量点でもっとも効率が良い。複数台のブロワを制御するに当たり、ブロワの台数を増やすと同じ風量でも一台あたりの風量が低下し、効率が低下する。したがって、風量に対する消費電力のグラフは単調増加のステップの一部がオーバーラップする関係となる。

0007

ブロワの台数制御を適切に実施し、消費電力を削減するためには、このオーバーラップの部分、すなわち少ないブロワの台数で実現できる風量を多くのブロワの台数で実施している状態をできるだけ少なくすれば良い。

0008

特許文献1は、活性汚泥法を用いた下水処理場のエアレーションタンク内に送風すべき曝気風量を制御する送風機器運転台数制御装置に係わり、特にエアレーションタンクの適切な溶存酸素量(以下、DO値と指称する)を確保するための曝気風量を送風する送風機器の運転台数制御装置に関する発明である。DO値の設置値変更に際して、DO値が減少傾向にない場合、すなわち流入してくる水質負荷が小さくなる傾向にある場合は、ブロワの台数増加を抑制することで無駄なブロワの台数増加を抑制する。

0009

特許文献2は、晴天時と雨天時とでは流入流量汚濁負荷が異なるために、手動操作を行なわざるを得ないという問題に対して、雨天モードでは晴天モードで演算する風量に対して補正を設けることで、すべての状態で自動制御を実現しようとするものであり、得られた風量に対して台数を決定する台数制御部を備える。

0010

特開平06−149301号公報
特開平04−071691号公報

先行技術

0011

榎本博、本忠昭、進静一:下水処理場の送風機設備におけるエネルギー評価手法学会誌EICA」、第11巻第2/3号、pp.115-118 (2006)

発明が解決しようとする課題

0012

特許文献1においては、DO制御におけるDO値の設定値変更の際の対処法であるが、一般にDO制御は長期間一定値で運用するもので、PI制御によりDOを目標値に追随させる。その場合、DO値は目標値付近で頻繁に増減する。また、流入してくる水質負荷が増加する場合においても、例えば瞬間的に必要風量がブロワ台数増加の閾値を上回り、ブロワ台数を増加するも、その後はオーバーラップ部分の風量しか必要ない場合がある。

0013

特許文献2においては、雨天モードを設けることで、晴天時だけでなく雨天時も効率よく必要風量を演算しているが、ブロワ台数についても効率化については触れられておらず、演算した必要風量に対してブロワ台数を効率化しにくい。

0014

このような従来の構成が有していた問題を解決するため、本発明の目的は、下水処理の水質を適切に制御し、ブロワによる消費電力を抑制することが可能なブロワ制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

上記目的を達成するため、本発明のブロワ制御装置は、被処理水である流入水と、前記流入水の流量を計測する流量計と、前記流入水を酸化処理する好気槽と、前記好気槽に空気を送る複数のブロワと、前記好気槽に送られた空気の風量を計測する風量計と、前記好気槽に必要な風量を演算する必要風量演算部と、前記複数のブロワの風量および台数を制御するブロワ制御部と、を備えたブロワ制御装置において、前記流入水の通日の流量変動パターンおよび前記好気槽に送られる空気の通日の風量変動パターンを記憶する日間変動パターンデータベースと、ある時刻で前記流量計により計測された流量とある時刻で前記風量計により計測された風量が通常の範囲内であることを判定し、前記風量変動パターンから予測風量を演算する予測風量演算部と、を備え、前記ブロワ制御部が、前記予測風量で前記ブロワの台数増減の閾値判定を行うことを特徴とするものである。

発明の効果

0016

本発明によれば、ブロワの台数を適切に制御することで、下水処理の水質を適切に制御しつつブロワによる消費電力を抑制できる。

図面の簡単な説明

0017

実施例1のブロワ制御装置の構成図。
ブロワ風量とブロワ消費電力の関係。
従来のブロワ台数制御の制御フロー(従来モード)。
ブロワ1台運転の場合のブロワ台数制御の制御フロー(予測モード)。
風量と流量の日間変動パターン。
ブロワ2台運転の場合のブロワ台数制御の制御フロー(予測モード)。
実施例2のブロワ制御装置の構成図。
モード判別フロー
ブロワ1台運転の場合のブロワ台数制御の制御フロー(降雨時予測モード)。
降雨時の流量と風量の関係。
ブロワ2台運転の場合のブロワ台数制御の制御フロー(降雨時予測モード)。

0018

本発明の各実施例を図面により説明する。

0019

(実施例1)
図1は本発明の実施例1の構成図である。

0020

本実施例は活性汚泥を用いた下水処理プラントにブロワ台数制御装置を適用した例である。生物反応槽1には、下水100が流入し、被処理水101として流出する。生物反応槽1には、散気管2が浸漬されており、第一ブロワ11と第二ブロワ12の2台のブロワが連通する。流入する下水100の流量は流量計21で計測される。生物反応槽1において、散気管2を通じて空気を送り込む部分は好気槽で、その末端の溶存酸素濃度溶存酸素濃度計22で計測される。送り込まれる風量は風量計23で計測される。

0021

流量計21と溶存酸素濃度計22と風量計23の情報は必要風量演算部31に送られ、必要風量を演算する。演算された必要風量は予測風量演算部32に送られる。予測風量演算部32では、日間変動パターンデータベース33からの通日の風量変動パターン、流量変動パターンおよび演算された必要風量に基づき予測風量を演算し、ブロワ制御部34では、必要風量および演算された予測風量に基づき、ブロワの風量と台数増減の閾値判定をし、第一ブロワ11と第二ブロワ12を制御する。

0022

従来のブロワ台数制御方法について述べる。

0023

図2はインレットベーンを備えたブロワ2台を使用して、従来のブロワ台数制御を実施した場合の、ブロワ風量とブロワ消費電力の関係を表す。ブロワ風量が増加に伴い消費電力は増加する。ブロワ2台ではブロワ1台よりも多くの風量を生成できるが、一部オーバーラップしている。

0024

図3は従来のブロワ台数制御の制御フロー(従来モード)である。必要風量演算部31で、例えば、溶存酸素濃度一定となるようにPID制御を用いて時刻tの必要風量QBr(t)[m3/hr]を制御した後、ブロワ1台運転を実施している場合(S1)、時刻tでの必要風量QBr(t)と閾値Th1 [m3/hr]を比較し(S2)、必要ブロワ風量QBr(t)[m3/hr]が閾値Th1以下の場合はブロワ1台運転を継続する(S1)。大きくなると、ブロワを1台起動し、ブロワ2台運転となる(S3)。この際、時刻tでの必要風量QBr(t)と閾値Th2 [m3/hr]を比較し(S4)、閾値Th2(図2より、閾値Th1とTh2の間の風量をブロワ2台で運転しているところをブロワ1台で運転できると、ブロワの消費電力を低減できる可能性があることが分かる。

0025

そのための方法として、本実施例1のブロワ台数制御の制御フロー(予測モード)を図4に示す。ブロワ台数1台運転の場合である(S1)。時刻tでの必要風量QBr(t)と閾値Th1 を比較し(S2)、時刻tでの必要風量QBr(t)が閾値Th1 より大きい場合、過去n時間にわたる下水流量Q(t)[m3/hr]とブロワ風量QB(t)[m3/hr]とそれらの日間変動パターンを比較する(S3)。

0026

図5は風量と流量の日間変動パターンの例である。実線がそれぞれの日間変動パターンである。点線はそれぞれの日間変動パターン±10%の値とした。図4での比較(S3)では、例えば現時刻が12時でn=24時間の場合、昨日の12時までの風量と流量の値がこの点線の範囲外であれば、通常と異なる条件と判断(S4)、必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 を超えたことに基づいてブロワ2台運転とする(S8)。一方、流量・風量とも範囲内であれば、日間変動パターンデータベースから、時間Δt(例えば15分)後の予測風量QBp(t+Δt)を導出する(S5)。予測風量QBp(t+Δt)と閾値Th1 を比較し(S6)、これも閾値Th1を上回った場合、ブロワの風量は現在も将来も増加させる必要があると判断して、ブロワ2台運転とする(S8)。閾値Th1以下の場合はブロワ台数増の要請は瞬間的なものであり、Δt後(例えば15分後)には現在のブロワ台数で必要な風量をまかなえると判断してブロワ1台運転を継続する(S1)。ただし、過去mΔtの間(例えば、m=4で、mΔt=60分)連続して必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 を上回った場合(S7)、日間変動パターンを外れ前兆として、予測風量によらず、ブロワ2台運転とする。

0027

本実施例1における、ブロワ2台の場合(S1)のブロワ台数制御の制御フロー(予測モード)を図6に示す。消費電力削減するためには、閾値Th1より低い場合、できるだけブロワ台数を1台としたい。そのため、前述したように、時刻tでの必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 より小さい場合(S2)、過去n時間にわたる下水流量Q(t)とブロワ風量QB(t)とそれらの日間変動パターンを比較する(S3)。風量と流量の値が範囲外(S4)であれば、通常と異なる条件と判断し、従来モードと同様、必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th2 を下回った場合(S6)、ブロワ1台運転とする。一方、流量・風量とも範囲内(S4)であれば、通常日間変動パターンデータベースから、時間Δt(例えば15分)後の予測風量QBp(t+Δt)を導出する(S5)。これも閾値Th1を下回った場合(S7)、ブロワの風量は現在も将来も低減できると判断して、ブロワ1台運転とする(S9)。閾値Th1以上の場合はブロワ台数減の要請は瞬間的なものであり、Δt後(例えば15分後)には現在のブロワ台数で必要な風量をまかなう必要があると判断してブロワ2台運転を継続する(S1)。ただし、過去mΔtの間(例えば、m=4で、mΔt=60分)連続して必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 を下回った場合(S8)、日間変動パターンを外れる前兆として、予測風量によらず、ブロワ1台運転とする(S9)。

0028

本実施例の方法により、ブロワ台数を過剰にかけて必要風量を算出する期間が短縮され、消費電力を抑制できる。

0029

本実施例ではインレットベーンを備えたブロワを用いたが、インバータを備えたブロワでもよく、ON/OFFのみのブロワを用いても良い。その場合の生物反応槽への風量の制御は例えば、放風弁によって余剰の風量を大気中に放風する、などが考えられる。

0030

本実施例では、必要風量演算部31における必要風量の演算に溶存酸素濃度一定制御を用いたが、必要風量を与えるものであれば手法によらず、例えば空気倍率制御、アンモニア計を用いた硝化制御、実績値基づいたデータベース由来の制御などでも良い。

0031

本実施例では日間変動パターンを流量と風量でひとつずつとしたが、時期(例えば月、雨季季節)やイベント(例えば、夏季休暇年末年始)により変更してよい。また、流量と風量の実測値に基づき現在の日間変動パターンを、例えば通常時の平均値から作成しても良い。さらに、降雨量降雨時間に応じた降雨時の流量、風量変動パターンを備え、降雨量、降雨時間に応じて日間変動パターンを変更しても良い。また、以下に記述するように風量の代わりに空気倍率を用いても良い。

0032

本実施例では日間変動パターンとして流量と風量を用いて、現時刻の流量および風量が範囲内であるかを判定しているが、風量については、流量で無次元化した空気倍率を用いて、現時刻の流量および空気倍率が範囲内であるかを判定しても良い。

0033

本実施例では下水処理におけるブロワ制御装置として説明したが、ブロワの必要風量を演算し、複数のブロワを制御する装置であれば、下水処理に限らず適用できる。

0034

(実施例2)
図7は本発明の実施例2の構成図である。実施例1の構成に降雨情報取得部41、降雨時予測風量補正部42が追加されており、降雨情報取得部41、降雨時予測風量補正部42、予測風量演算部32と信号が送られる。実施例1と同様にブロワ2台用いる場合について述べる。

0035

降雨情報取得部41では、対象とする地域に関連する地域の降雨情報(例えば地域、降雨量、時刻など)が取得される。ブロワ台数制御には3つのモードがある。一つ目図2で示した従来モードである。二つ目は実施例1の図4図6で示した予測モードである。三つ目は以下に示す降雨時に予測風量を補正する、降雨時予測モードである。実施例1でも説明したが、降雨時に降雨時の日間変動パターンデータベースを用いる方法は、予測モードに属する。

0036

図8にモード判別フローを示す。降雨情報取得部41で降雨が検知されない場合(S1)は予測モードとなる(S2)。降雨が検知された場合、実施例1と同様に、降雨前n時間にわたる下水流量Q(t)とブロワ風量QB(t)とそれらの日間変動パターンを比較する(S3)。例えばn=24の場合、過去24時間にわたり、風量と流量の値が範囲内であれば、降雨予測モードに移行する(S5)。範囲外であれば通常時と異なる状態での降雨のため、本発明における予測方法は用いず、従来モードで従来通りの方法にしたがってブロワ台数を決定する(S6)。

0037

ブロワ1台運転時の降雨予測モードの制御フロー例を図9に示す。時刻tでの必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 より大きい場合(S2)、通常日間変動パターンデータベースから、時間Δt(例えば15分)後の予測風量QBp(t+Δt)を導出(S3)した後、降雨時の流量と風量の関係に基づいて降雨時予測風量補正演算(S4)を実施する。

0038

図10は降雨時の流量と風量の関係の例である。降雨により下水流量が増加すると、必要となる風量が遅れて減少することを表す関数である。これは降雨により希釈された流入下水が生物反応槽に上流側から流下していく結果生じる現象である。流量増分ΔQ(t) [m3/hr]は通常時の下水流量Q(t)に対する増分で、予測風量増分ΔQBp(t+Δtx)は、Δtx時間後に必要となる風量の、通常日間変動パターンからの予測増分量である。過去の風量および流量と降雨情報から導出することができ、例えばΔtxは5時間となる。

0039

この降雨時風量関係を用いて、時間Δt後の予測風量QBp(t+Δt)を導出する。まず、時間Δtx -Δt前の流量増分であるΔQ(t-(Δtx -Δt ))を導出し(図9(S5))、降雨時の流量と風量の関係(図10)から、流量増分ΔQ(t-(Δtx -Δt ))に対する風量増分ΔQ(t+Δt )を導出する(S6)。次に、日間変動パターンデータベースでの時刻t+Δtの風量Q(t+Δt )に風量増分ΔQ(t+Δt )を加えて時間Δt後の予測風量QBp(t+Δt)を導出する(S7)。閾値Th1以上の場合はブロワ台数減の要請は瞬間的なものであり、Δt後(例えば15分後)には現在のブロワ台数で必要な風量をまかなう必要があると判断してブロワ2台運転を継続する(S10)。閾値Th1を下回った場合、ブロワの風量は現在も将来も低減できると判断して、ブロワ1台運転とする(S1)。ただし、過去mΔtの間(例えば、m=4で、mΔt=60分)連続して必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 を上回った場合、日間変動パターンに留まっていると判定して、ブロワ2台運転とする(S10)。

0040

ブロワ2台運転時の降雨予測モードの制御フロー例を図11に示す。時刻tでの必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 より大きい場合(S2)、通常日間変動パターンデータベースから、時間Δt(例えば15分)後の予測風量QBp(t+Δt)を導出(S3)した後、降雨時の流量と風量の関係に基づいて降雨時予測風量補正演算(S4)を実施する。実施内容は上述のブロワ1台運転時と同様である。

0041

補正された予測風量予測風量QBp(t+Δt)これも閾値Th1を下回った場合(S8)、ブロワの風量は現在も将来も低減できると判断して、ブロワ1台運転とする(S10)。閾値Th1以上の場合はブロワ台数減の要請は瞬間的なものであり、Δt後(例えば15分後)には現在のブロワ台数で必要な風量をまかなう必要があると判断してブロワ2台運転を継続する(S1)。ただし、過去mΔtの間(例えば、m=4で、mΔt=60分)連続して必要ブロワ風量QBr(t)が閾値Th1 を下回った場合(S9)、日間変動パターンを外れる前兆として、予測風量によらず、ブロワ1台運転とする(S10)。

0042

本実施例の方法により、ブロワ台数を過剰にかけて必要風量を算出する期間が短縮され、消費電力を抑制できる。

0043

本実施例ではインレットベーンを備えたブロワを用いたが、インバータを備えたブロワでもよく、ON/OFFのみのブロワを用いても良い。その場合の生物反応槽への風量の制御は例えば、放風弁によって余剰の風量を大気中に放風する、などが考えられる。

0044

本実施例では、必要風量演算部31における必要風量の演算に溶存酸素濃度一定制御を用いたが、必要風量を与えるものであれば手法によらず、例えば空気倍率制御、アンモニア計を用いた硝化制御、実績値基づいたデータベース由来の制御などでも良い。

0045

本実施例では日間変動パターンを流量と風量でひとつずつとしたが、時期(例えば月、雨季、季節)やイベント(例えば、夏季休暇、年末年始)により変更してよい。また、流量と風量の実測値に基づき現在の日間変動パターンを、例えば通常時の平均値から作成しても良い。また、以下に記述するように風量の代わりに空気倍率を用いても良い。

0046

本実施例では日間変動パターンとして流量と風量を用いて、現時刻の流量および風量が範囲内であるかを判定しているが、風量については、流量で無次元化した空気倍率を用いて、現時刻の流量および空気倍率が範囲内であるかを判定しても良い。

実施例

0047

本実施例では下水処理におけるブロワ制御装置として説明したが、ブロワの必要風量を演算し、複数のブロワを制御する装置であれば、下水処理に限らず適用できる。

0048

1生物反応槽
2散気管
11 第一ブロワ
12 第二ブロワ
21流量計
22溶存酸素濃度計
23風量計
31 必要風量演算部
32予測風量演算部
33 日間変動パターンデータベース
34ブロワ制御部
41降雨情報取得部
42降雨時予測風量補正部
100下水
101 被処理水

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