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技術 スクロール圧縮機

出願人 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
発明者 上橋佑介太田原優武田啓松村彰士櫻井和夫
出願日 2015年9月11日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-179393
公開日 2017年3月16日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-053302
状態 特許登録済
技術分野 回転型ポンプ(1) 回転型圧縮機の応用細部
主要キーワード 外周流路 リリース弁 副フレーム 断熱指数 炭素鋼材 排油パイプ 湿り状態 過圧縮状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

リリース弁受部の面積を十分に確保しつつ、リリース弁装置内の流路圧力損失を低減する。

解決手段

スクロール圧縮機は、台板固定スクロール18と旋回スクロールが噛み合わされて圧縮室2aを形成する圧縮機構部と、密閉容器と、圧縮機構部で圧縮された作動流体が流入する吐出圧空間20とを備える。また、固定スクロールの台板に形成され、圧縮室に連通するリリース穴22と、このリリース穴と吐出圧空間を連通するリリース弁室27と、このリリース弁室に設けられ、圧縮室から作動流体を吐出圧空間に流すリリース弁装置21を備える。このリリース弁装置は、リリース穴の開閉を行うリリース弁23と、該リリース弁を受けるためのリリース弁受25を備え、リリース弁受は、内周側リリース弁受部及び外周側リリース弁受部を備え、外周側リリース弁受部よりも外周側には、リリース弁室と吐出圧空間を連通する外周流路25eが設けられている。

概要

背景

本技術分野の背景技術として、WO2014/174655号公報(特許文献1)がある。この特許文献1のものには、圧縮室固定スクロールの上部の吐出圧空間とを連通することで圧縮室から作動流体を吐出圧空間に流すリリース弁装置を備え、リリース弁装置は圧縮室と連通するリリース穴流路開閉を行うリリース弁と、リリース弁が開いたときにリリース弁を受けるリリース弁受と、リリース弁受が圧力を逃がす際にリリース弁受を上側から押さえる押さえ部とから構成されることが記載されている。

また、前記リリース弁受は、内周側に設けられた第1のリリース弁受部と、この外周側に配置された第2のリリース弁受部とを有し、前記リリース弁受の外周側には複数の逃がし穴を形成し、前記第2のリリース弁受部は、前記複数の逃がし穴の略同一円上に配置されると共に、前記複数の逃がし穴が形成されていない場所に形成されることが記載されている。
これにより、作動流体の流路を十分に確保し、且つリリース弁受においてリリース弁を受ける面を拡大でき、信頼性を向上できることが記載されている。

概要

リリース弁受部の面積を十分に確保しつつ、リリース弁装置内の流路の圧力損失を低減する。スクロール圧縮機は、台板と固定スクロール18と旋回スクロールが噛み合わされて圧縮室2aを形成する圧縮機構部と、密閉容器と、圧縮機構部で圧縮された作動流体が流入する吐出圧空間20とを備える。また、固定スクロールの台板に形成され、圧縮室に連通するリリース穴22と、このリリース穴と吐出圧空間を連通するリリース弁室27と、このリリース弁室に設けられ、圧縮室から作動流体を吐出圧空間に流すリリース弁装置21を備える。このリリース弁装置は、リリース穴の開閉を行うリリース弁23と、該リリース弁を受けるためのリリース弁受25を備え、リリース弁受は、内周側リリース弁受部及び外周側リリース弁受部を備え、外周側リリース弁受部よりも外周側には、リリース弁室と吐出圧空間を連通する外周流路25eが設けられている。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

台板スクロールラップを有する固定スクロール旋回スクロールが噛み合わされて圧縮室を形成する圧縮機構部と、この圧縮機構部を収容する密閉容器と、この密閉容器内に形成され、前記圧縮機構部で圧縮された作動流体が流入する吐出圧空間とを備えたスクロール圧縮機であって、前記固定スクロールの台板に形成され、前記圧縮室に連通するリリース穴と、このリリース穴と前記吐出圧空間を連通するリリース弁室と、このリリース弁室に設けられ、前記圧縮室と前記吐出圧空間とを連通することで前記圧縮室から作動流体を前記吐出圧空間に流すリリース弁装置を備え、前記リリース弁装置は、前記リリース穴の開閉を行うリリース弁と、該リリース弁が開いたときに該リリース弁を受けるためのリリース弁受を備え、前記リリース弁受は、内周側リリース弁受部及び外周側リリース弁受部を備えると共に、前記外周側リリース弁受部よりも外周側には、前記リリース弁室と前記吐出圧空間を連通する外周流路が設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項2

請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前述リリース弁受には、前記リリース弁室と前記吐出圧空間を連通し、中央側に設けられた中央逃がし流路と、外周側に設けられた外周側逃がし流路を備えることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項3

請求項2に記載のスクロール圧縮機において、前記外周側逃がし流路は、周方向に複数設けられ、この複数設けられた外周側逃がし流路の間に前記外周側リリース弁受部と前記外周流路が設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項4

請求項3に記載のスクロール圧縮機において、前記外周側リリース弁受部は周方向に複数設けられ、この複数設けられた外周側リリース弁受部の外周側にそれぞれ前記外周流路が設けられていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項5

請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記固定スクロールの台板には、前記リリース弁受が前記吐出圧空間側に移動するのを押え押え板が備えられていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項6

請求項1に記載のスクロール圧縮機において、前記リリース弁受には、その吐出圧空間側端部に張り出し部を一体に設け、この張り出し部を前記固定スクロールの台板に固定することで、前記リリース弁受が前記吐出圧空間側に移動するのを押える構成としていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項7

請求項6に記載のスクロール圧縮機において、前記外周側リリース弁受部よりも外周側に設けている前記外周流路は、リリース弁受の吐出圧空間側端部まで貫通して設けられ、前記吐出圧空間に開口するように形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項8

請求項7に記載のスクロール圧縮機において、前記外周流路は、リリース弁室の内周面まで形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項9

請求項7に記載のスクロール圧縮機において、前述リリース弁受には、中央側に設けた中央逃がし流路と、外周側に設けた外周側逃がし流路を備え、前記中央逃がし流路及び前記外周側逃がし流路も、前記リリース弁受の吐出圧空間側端部まで貫通して設けられ、前記吐出圧空間に開口するように形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。

請求項10

請求項1に記載のスクロール圧縮機において、冷媒R32を70重量%以上含む作動流体を使用する冷凍サイクル装置の圧縮機として使用されることを特徴とするスクロール圧縮機。

技術分野

0001

本発明はスクロール圧縮機に関し、特に過圧縮防止のためのリリース弁装置を備えているものに関する。

背景技術

0002

本技術分野の背景技術として、WO2014/174655号公報(特許文献1)がある。この特許文献1のものには、圧縮室固定スクロールの上部の吐出圧空間とを連通することで圧縮室から作動流体を吐出圧空間に流すリリース弁装置を備え、リリース弁装置は圧縮室と連通するリリース穴流路開閉を行うリリース弁と、リリース弁が開いたときにリリース弁を受けるリリース弁受と、リリース弁受が圧力を逃がす際にリリース弁受を上側から押さえる押さえ部とから構成されることが記載されている。

0003

また、前記リリース弁受は、内周側に設けられた第1のリリース弁受部と、この外周側に配置された第2のリリース弁受部とを有し、前記リリース弁受の外周側には複数の逃がし穴を形成し、前記第2のリリース弁受部は、前記複数の逃がし穴の略同一円上に配置されると共に、前記複数の逃がし穴が形成されていない場所に形成されることが記載されている。
これにより、作動流体の流路を十分に確保し、且つリリース弁受においてリリース弁を受ける面を拡大でき、信頼性を向上できることが記載されている。

先行技術

0004

WO2014/174655号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記特許文献1に示されているリリース弁装置は、リリース弁受の内周側に設けられた第1のリリース弁受部と、これの外周側に配置された第2のリリース弁受部とを有し、前記リリース弁受の外周側には複数の逃がし穴が形成されている。前記第2のリリース弁受部は、前記複数の逃がし穴の略同一円上に配置されると共に、前記複数の逃がし穴が形成されていない部分に形成されている。この構成により、作動流体の流路を十分に確保し、且つ前記リリース弁受における前記リリース弁を受ける面積を拡大でき、それによって信頼性を確保することが記載されている。

0006

しかし、上記特許文献1に記載のものでは、以下の点が考慮されていない。
即ち、リリース穴の流路の開閉を行うリリース弁が開かれ、圧縮室の作動流体が吐出圧空間に排出される状態では、前記圧縮室を潤滑した油もガスと共にリリース弁室へ流入する。そのため、前記リリース弁の解放時(リリース流路開放時)に、ガスと共に油も、前記リリース弁の外周側から前記リリース弁室に流出し、このガスと油の一部は、前記第2のリリース弁受部と前記リリース弁の背面側との間を通過して、前記複数の逃がし穴に流れてから、前記吐出圧空間に排出される。このように、前記第2のリリース弁受部とリリース弁の間には油の噛み込みが発生し、この油の噛み込みにより前記リリース弁の開く動作が悪化し、リリース弁装置の応答性が悪くなる。このため、スクロール圧縮機の性能が低下するという課題がある。

0007

また、特許文献1に記載されているように、リリース弁受の内周側と外周側にリリース弁受部を備えるリリース弁装置においては、前記リリース弁の解放時に、ガスと油が前記リリース弁の外周側から前記リリース弁室に流出し、前記第2のリリース弁受部と前記リリース弁の背面側との間を通過して、前記複数の逃がし穴に流れてから、前記吐出圧空間に排出される構成となっている。このため、前記第2のリリース弁受部と前記リリース弁の背面側との間に噛み込んだ油を吐出圧空間側へ排出するまでの流路が、リリース弁室内で周方向屈曲するため、圧力損失も大きくなり、前記吐出圧空間へ油を排出し難くなるという課題もある。

0008

本発明の目的は、リリース弁装置におけるリリース弁受部の面積を十分に確保しつつ、リリース弁装置内の流路の圧力損失を低減して、性能向上を図ることのできるスクロール圧縮機を得ることにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明は、台板スクロールラップを有する固定スクロールと旋回スクロールが噛み合わされて圧縮室を形成する圧縮機構部と、この圧縮機構部を収容する密閉容器と、この密閉容器内に形成され、前記圧縮機構部で圧縮された作動流体が流入する吐出圧空間とを備えたスクロール圧縮機であって、前記固定スクロールの台板に形成され、前記圧縮室に連通するリリース穴と、このリリース穴と前記吐出圧空間を連通するリリース弁室と、このリリース弁室に設けられ、前記圧縮室と前記吐出圧空間とを連通することで前記圧縮室から作動流体を前記吐出圧空間に流すリリース弁装置を備え、前記リリース弁装置は、前記リリース穴の開閉を行うリリース弁と、該リリース弁が開いたときに該リリース弁を受けるためのリリース弁受を備え、前記リリース弁受は、内周側リリース弁受部及び外周側リリース弁受部を備えると共に、前記外周側リリース弁受部よりも外周側には、前記リリース弁室と前記吐出圧空間を連通する外周流路が設けられていることを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によれば、リリース弁装置におけるリリース弁受部の面積を十分に確保しつつ、リリース弁装置内の流路の圧力損失を低減して、性能向上を図ることのできるスクロール圧縮機を得ることができる効果がある。

図面の簡単な説明

0011

本発明のスクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図。
一般的なリリース弁装置の一例を示す縦断面図。
図2に示すリリース弁装置のリリース弁受を上側から見た平面図。
図2に示すリリース弁装置のリリース弁受を下側から見た底面図。
図2に示すリリース弁装置においてリリース弁が開いた状態を示す図で、作動流体の流れも示した図。
図2に示すリリース弁装置においてリリース弁の開き始めのときの油の流れを説明する図。
本発明のスクロール圧縮機の実施例1におけるリリース弁装置を示す縦断面図。
図7に示すリリース弁装置のリリース弁受を上側から見た平面図。
図7に示すリリース弁装置のリリース弁受を下側から見た底面図。
図7に示すリリース弁装置においてリリース弁の開き始めのときの油の流れを説明する図。
本発明のスクロール圧縮機の実施例2におけるリリース弁装置を示す縦断面図。
図11に示すリリース弁装置を上側から見た平面図。
図11に示すリリース弁装置のリリース弁受の下端部から上方を見た底面図。
図11に示すリリース弁装置においてリリース弁の開き始めのときの油の流れを説明する図。

0012

以下、図面を用いて本発明のスクロール圧縮機の具体的実施例を、図面を用いて説明する。なお、各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。

0013

本発明のスクロール圧縮機の実施例1を、図1〜10を用いて説明する。なお、図2図6は本発明に対応する一般的なリリース弁装置を説明するための図である。
まず、最初に図1を用いて、本実施例1のスクロール圧縮機の全体構造を説明する。
スクロール圧縮機1は、圧縮室2aを形成するための圧縮機構部2と電動機3などを密閉容器4内に収納して構成されている。

0014

前記圧縮機構部2は、前記密閉容器4に溶接等で固定されたフレーム11、このフレーム11にボルトで固定され、スクロールラップを有する固定スクロール18、この固定スクロール2と噛み合うスクロールラップを有する旋回スクロール19などにより構成されている。

0015

前記電動機3は、固定子3aと回転子3bなどから構成され、電源端子16を経由してインバータ(図示せず)からの電気入力により駆動される。前記回転子3bにはクランク軸10が固定され、電動機9の回転作用をこのクランク軸10に伝達する。

0016

前記クランク軸10は、前記フレーム11に設けられている主軸受13に回転自在に支持される主軸部10aと、副軸受14に回転自在に支持される副軸部10bと、前記旋回スクロール19の背面側のボス部に挿入して係合される偏心ピン部10cなどにより構成されている。なお、前記副軸受14は、前記密閉容器4下部に固定された副フレーム12に副軸受ハウジング15を介して設けられている。

0017

なお、18aは前記固定スクロール18の外周部側に形成されている吸入ポート、18bは前記固定スクロール18の中心部付近に形成されている吐出ポート、5は前記密閉容器4を貫通して設けられ、前記吸入ポート18aに接続される吸入管、6は前記密閉容器4を貫通して設けられた吐出管である。

0018

また、20は、前記密閉容器4の上部に形成され、前記固定スクロール18の吐出ポート18bから吐出される吐出ガス(作動流体)が流入する吐出圧空間、7は前記電動機3が設けられている電動機室で、前記吐出圧空間20に吐出された吐出ガスは、前記固定スクロール18と前記フレーム11の外周部に形成されている通路を介して前記電動機室7に流入し、その後前記吐出管6を介して外部(冷凍サイクル凝縮器側)に送られる。

0019

17は前記密閉容器4内の下部に形成されている油溜り、8は前記油溜り17内に設けられ、前記クランク軸10内に形成されている給油孔(図示せず)に、前記油溜り17の油を供給するための給油ポンプ、9は前記主軸受13や、前記旋回スクロール19背面の前記ボス部に設けられている旋回軸受に供給された油(潤滑油)を前記油溜り17に戻すための排油パイプである。

0020

更に、21は前記固定スクロール21に設けられているリリース弁装置で、このリリース弁装置21は、前記圧縮室2a内の圧力が過圧縮状態になったときに、圧縮室2a内の作動流体や油を前記吐出圧室20側に逃がすものである。26は前記リリース弁装置21を押え押え板、28はこの押え板26を固定スクロール18に固定するための固定ボルトである。このリリース弁装置21については、詳細に後述する。

0021

前記油溜り17の油は、前記主軸受13、前記副軸受14、前記固定スクロール18と前記旋回スクロール19との摺動部等に供給されて、これらの摺動部の潤滑を行う。また、油を前記圧縮室2a内に流入させることにより、前記圧縮室2a内のシール性を向上させ、作動流体がより低圧側の圧縮室2aへ漏れるのを抑制する。これにより、高圧側の圧縮室の高温の作動流体が低圧側に漏れて、低圧側の圧縮室の作動流体を加熱したり、再圧縮することを抑制でき、熱流体損失を低減することができる。

0022

前記電動機3が回転すると、前記クランク軸10を介して前記旋回スクロール19を旋回運動させ、前記固定スクロール18と前記旋回スクロール19により形成される圧縮室2aの容積を減少させる動作が行われる。この動作に伴い、冷凍サイクルの蒸発器側からの作動流体(冷媒ガス)が前記吸入管5から吸入され、前記吸入ポート18aを介して前記圧縮室2aに流入し、作動流体を圧縮する圧縮動作が行なわれる。その後、圧縮された作動流体は油と共に前記吐出ポート18bから密閉容器4内の前記吐出圧空間20に吐出され、その後前記電動機室7側に流れて、油が分離される。分離された油は前記油溜り17に流下し、圧縮された作動流体(冷媒)は、吐出管6を経由して密閉容器4から、冷凍サイクルの凝縮器側に送られる。

0023

次に、前記リリース弁装置21の構成について説明する。前記リリース弁装置21は、前記圧縮室2a内の圧力が吐出圧力以上となる過圧縮時に、前記圧縮室2aから吐出圧空間20に作動流体を逃がすためのものである。作動流体を逃がすことで過圧縮を防止し、消費電力の低減、軸受荷重の低減、及び前記スクロールラップの破損防止などを図ることができる。
前記リリース弁装置21は、前記固定スクロール18と前記旋回スクロール19で形成される複数の圧縮室2aに対応して、前記固定スクロール18の複数箇所に配設されている。

0024

前記固定スクロール18の吸入ポート18aからは、ガス冷媒ミスト状の潤滑油、また運転条件によっては液冷媒等も作動流体として圧縮室2aに吸入される。前記旋回スクロール19の旋回運動により、前記作動流体が圧縮される過程において、前記圧縮室2a内の圧力が吐出圧力以上となる過圧縮になることがある。前記リリース弁装置21は、過圧縮が発生しない運転状態の時には閉路しているが、過圧縮時には前記リリース弁装置21が開路する。これにより前記圧縮室2aと前記吐出圧空間20とが連通し、前記圧縮室2aから前記吐出圧空間20に前記作動流体を逃がすことができる。

0025

本実施例のリリース弁装置21を説明する前に、まず、一般的なリリース弁装置について、図2図6を用いて説明する。図2は一般的なリリース弁装置の一例を示す縦断面図、図3図2に示すリリース弁装置のリリース弁受を上側から見た平面図、図4図2に示すリリース弁装置のリリース弁受を下側から見た底面図、図5図2に示すリリース弁装置においてリリース弁が開いた状態を示す図で、作動流体の流れも示した図、図6図2に示すリリース弁装置においてリリース弁の開き始めのときの油の流れを説明する図である。

0026

図2に示すように、前記固定スクロール18の台板部には、前記圧縮室2aに連通するリリース穴22と、前記リリース穴22と前記吐出圧空間20とを連通し、前記リリース弁装置21を配置するためのリリース弁室27が形成されている。前記リリース穴22は旋回スクロール19のスクロールラップ厚さよりも小径となるように形成され、前記リリース弁室27は前記リリース穴22に対して大径の穴で形成されている。

0027

前記リリース穴22の容積は圧縮室2aの容積の一部となり、圧縮行程で残ったガスの再膨張損失を伴うデッドボリュームとなる。このため、前記リリース穴22の容積については極力抑えると良い。また、前記リリース弁室27については、前記圧縮室2aからリリースされる作動流体の逃がす機能を損なうことのないよう、十分なリリース流路を確保する必要がある。このため、前記リリース弁室27を形成する穴の径は、前記リリース穴22より大径としている。

0028

前記リリース弁装置21は、圧縮室2aに連通する前記リリース穴22を開閉するリリース弁23と、このリリース弁23の閉弁時に、該リリース弁23を前記リリース穴22の流路を閉じる方向に押し付け弾性体(この例ではコイルばね)24と、この弾性体24を保持すると共に、前記リリース弁23の開弁時に、該リリース弁23を受けるためのリリース弁受25と、このリリース弁受25と前記リリース弁23が前記吐出圧空間20側に移動しないように前記リリース弁受25を押える押え板26を備えている。

0029

前記リリース弁受25は、焼結金属炭素鋼材などで成形して製作され、図3図4に示すように、中央に設けた中央逃がし流路25aと、外周側に設けた外周側逃がし流路25bが形成されている。また、前記外周側逃がし流路25bは前記中央逃がし流路25aの周囲に等間隔に3か所形成されている。

0030

更に、前記リリース弁受25は、その中央下部側に、前記圧縮室2a側に凸となる凸部が設けられており、この凸部に前記弾性体24の一端側を、圧入などの手段で装着して固定している。前記凸部は、前記圧縮室2a側に向かうにつれて径が小さくなるように形成されている。

0031

前記弾性体24の下端には前記リリース弁23が取り付けられており、このリリース弁23は前記弾性体24により前記圧縮室2a側に付勢されるように構成されている。また、前記リリース弁23の閉弁時に該リリース弁23を受けるための円環状の弁シート部が、前記リリース弁室27の底部における前記リリース穴22の周囲に形成されている。従って、前記リリース弁23の閉弁時には、該リリース弁23が、前記弾性体24に付勢されて前記弁シート部に当接し、前記リリース穴22を塞ぐように構成されている。なお、前記リリース弁23は円板状、或いは楕円形状などの異径円状に構成されている。

0032

また、前記リリース弁23の開弁時に、該リリース弁23を受けるための弁受部が前記リリース弁受25に設けられている。
即ち、前述リリース弁受25には、前述した凸部の部分の先端に、内周側リリース弁受部25cが設けられ、その外周側には外周側リリース弁受部25dが設けられている。前記外周側リリース弁受部25dは、図4に示すように、前記内周側リリース弁受部25cの周囲に等間隔に3か所形成されている。なお、前記外周側逃がし流路25bは、周方向に複数設けられている前記外周側リリース弁受部25dの間に形成されている。

0033

前記圧縮室2aに過圧縮が発生し、前記リリース弁23に作用する圧力が前記弾性体24の付勢力に勝ると、前記リリース弁23は開弁し、上方に持ち上げられて、図5に示すように、前記内周側リリース弁受部25cと前記外周側リリース弁受部25dにより受けられる。

0034

図5は、一般的なリリース弁装置21において、前記リリース弁23が開いた状態を示しており、リリース弁23が開くと、前記圧縮室2aの作動流体は、矢印で示すように、リリース穴22を介してリリース弁室27に流入し、前記リリース弁23の外周側を通過後、前記リリース弁受25に形成されている前記中央逃がし流路25a及び前記外周側逃がし流路25bを通過して、前記吐出圧空間20にリリースされる。このように前記リリース穴22からリリース弁室27、更に中央逃がし流路25a及び内部の逃がし流路25bへとリリース弁装置21による作動流体のリリース流路が形成される。

0035

前記リリース流路が形成される際には、前記リリース弁23は前記弁シート部から離れて、作動流体が圧縮室2a側から吐出圧空間20に流れ、更に前記リリース弁23は、前記リリース弁受25下部の前記内周側リリース弁受部25c及び外周側リリース弁受部25dに接触するように移動する。

0036

前記リリース流路が形成され、前記圧縮室2aの圧力を逃がす状態では、前記圧縮室2aを潤滑した油も同時に前記リリース弁室27へ流入する。そのため、前記リリース弁23が開く際には、前記リリース弁23の背面側と前記リリース弁受部25c,25dとの間には油の噛み込みが発生し、この油の噛み込みにより前記リリース弁23の開く動作が悪化し、前記リリース弁装置21の応答性が悪くなり、スクロール圧縮機の性能が低下する課題があることがわかった。

0037

図6は、上記図2図5で説明した示すリリース弁装置21において、前記リリース弁23の開き始めのときに、前記リリース弁23と前記外周側リリース弁受部25dとの間に噛み込んだ油が、前記吐出圧空間20に排出されるまでの流れを示している。この図6に示すように、前記外周側リリース弁受部25の部分に噛み込んだ油は、この外周側リリース弁受部25の下端面を周方向に流れ、周方向端部から、前記外周側リリース弁受部25の間に形成されている前記外周側逃がし流路25bに入り、前記吐出圧空間20へと排出される。この油が排出されるまでの流路が、圧縮室2から吐出圧空間20までの流路に対して周方向へ屈曲しているため、流路の屈曲による圧力損失が発生し、吐出圧空間20側へ油が排出しづらいという課題もある。

0038

そこで、本発明のスクロール圧縮機の実施例1では、図7〜10に示すように構成している。図7図10は、本実施例1のリリース弁装置21を説明するための図で、図7は本発明のスクロール圧縮機の実施例1におけるリリース弁装置を示す縦断面図、図8図7に示すリリース弁装置のリリース弁受を上側から見た平面図、図9図7に示すリリース弁装置のリリース弁受を下側から見た底面図、図10図7に示すリリース弁装置においてリリース弁の開き始めのときの油の流れを説明する図である。

0039

図7図10において、前述した図2図4に示すリリース弁装置21と基本的な部分は同様であるので、図2図4と異なる部分を中心に説明し、同様の構成となっている部分については、基本的に説明を省略する。
本実施例1におけるリリース弁装置21は、図2図4で説明したリリース弁装置21に対して、主にリリース弁受25の構成が異なっている。

0040

図7図9に示すように、本実施例におけるリリース弁受25は、図2図4で説明したものと同様に、中央逃がし流路25a、外周側逃がし流路25b、内周側リリース弁受部25c、外周側リリース弁受部25dを設けている。更に、本実施例では、前記外周側リリース弁受部25dより外周側に、外周流路25eを設けている点が特徴的な構成となっている。

0041

前記外周流路25eは、図10に示すように、リリース弁23の外周側から流出した作動流体や油が、吐出圧空間20まで、屈曲部を有さずに、ほぼ真っ直ぐに流れるように、前記リリース弁受25における前記外周側リリース弁受部25dより外周側に形成されている。

0042

前記リリース弁受25に前記外周流路25eを設けることにより、前記リリース弁23の外周側からリリース弁室27に流入した作動流体や油は、図10に矢印で示すように、前記外周側リリース弁受部25dの外周側から、真っ直ぐ上昇して前記外周流路25eに流入し、ここから前記吐出圧空間20へ流出させることができる。

0043

従って、前記圧縮室2a内の作動流体や油が前記リリース弁室27に流入後、周方向に屈曲するのを抑制でき、また前記リリース弁23の背面側と前記リリース弁受部25c,25dとの間への油の噛み込みも抑制できる。この結果、前記リリース弁装置21を通過して吐出圧空間20に流れるリリース流路の圧力損失を低減することができ、油を効率よく吐出圧空間20へ排出することが可能となる。また、前記リリース弁23が油の噛み込みにより、その作動が悪化するのも防止できるから、前記リリース弁装置21の応答性も向上する。従って、本実施例によれば、スクロール圧縮機の性能向上を図ることができる。

0044

また、本実施例によれば、内周側リリース弁受部25cだけでなく、外周側リリース弁受部25dも備えているから、リリース弁装置21におけるリリース弁受部の面積を十分に確保できる効果もある。
他の構成は上述した図2図4と同様であるので、説明を省略する。

0045

本発明のスクロール圧縮機の実施例2を図11図14を用いて説明する。図11は本発明のスクロール圧縮機の実施例2におけるリリース弁装置を示す縦断面図、図12図11に示すリリース弁装置を上側から見た平面図、図13図11に示すリリース弁装置のリリース弁受の下端部から上方を見た底面図、図14図11に示すリリース弁装置においてリリース弁の開き始めのときの油の流れを説明する図である。

0046

本実施例2は、リリース弁装置21のリリース弁受25の形状と、リリース弁受25を固定スクロール18に固定する構成が上述した実施例1とは異なっている。他の構成は基本的に上記実施例1と同様であるので、同様の部分については説明を省略する。

0047

上記実施例1では、固定スクロール18及びリリース弁受25の加工精度制約上、リリース弁受25と押え板26の間に、リリース弁受25が上下方向に移動することが可能な隙間が生じてしまい、リリース弁23が開く際に、該リリース弁23と同時に前記リリース弁受25も上方へ押上げられ、リリース弁受25と押え板26が衝突する。このため、リリース弁受25と押え板26の衝突面に磨耗が発生し、リリース弁受25と押え板26の信頼性低下を招く課題があることがわかった。

0048

そこで、本実施例2では、上記実施例1における押え板26とリリース弁受25を一体化したものである。即ち、図11図13に示すように、前記リリース弁受25の上端部(吐出圧空間20側端部)に水平方向に張り出す張り出し部を一体に設け、この張り出し部を前記固定スクロール18の台板に固定ボルト28で固定したものである。これにより、前記リリース弁受25が前記吐出圧空間20側に移動するのを押えて、リリース弁装置21が、固定スクロールの台板に形成したリリース弁室27に設置される構成としたものである。

0049

また、このリリース弁受25に形成されている中央逃がし流路25a、外周側逃がし流路25b、外周側リリース弁受部25cの外周側に設けられている外周流路25eは、リリース弁受25の上端部(吐出圧空間20側端部)まで貫通して設けられ、吐出圧空間20に開口するように形成されている。

0050

このように構成することにより、上記実施例1と同様の効果が得られる上に、実施例1の場合のように、リリース弁受25と押え板26の衝突は発生しないので、摩耗の虞のないリリース弁装置21を実現でき、高い信頼性を得ることができる。

0051

また、押え板26をリリース弁受25と一体化したことにより、上記実施例1のように、リリース弁受25と押え板26の接触面を確保する必要がなくなるので、前記外周流路25eを、図11に示すように、リリース弁室27の内周面まで拡大して形成することができる。この結果、前記外周流路25eの流路断面積を拡大することが可能となり、油を効率よく吐出圧空間20へ排出することができる。従って、本実施例2によれば、リリース弁装置21の応答性を更に向上することができ、スクロール圧縮機の性能向上を図ることができる。
他の構成は上記実施例1と同様である。

0052

以上説明した本発明の各実施例スクロール圧縮機は、特に、作動流体(冷媒)として、R32を70重量%以上含む冷媒を用いた冷凍サイクル装置に好適である。空気調和機などの冷凍サイクル装置の作動流体としてR32を70重量%以上含んだ冷媒を用いた場合、R32が70%重量未満の冷媒を用いた場合に対して、断熱指数が大きく、吐出ガス温度が高くなる。このため、スクロール圧縮機の温度を抑える必要があるため、例えば、圧縮機に吸入される冷媒が液戻り条件(湿り状態)で運転されることが多くなる。この結果、圧縮室内では液圧縮の状態が発生し易くなり、過圧縮が発生し易い。

0053

このような冷凍サイクル装置に、上述した本実施例1または2に示すようなスクロール圧縮機を用いることにより、圧縮機に吸入される作動流体に液冷媒が多く含まれ、液圧縮となり過圧縮が発生しても、リリース弁装置21が応答性良く作動するので、スクロールラップへの負荷を抑えることができ、スクロール圧縮機の信頼性を高めることができる。即ち、前記リリース弁装置21内を通過する油を含む作動流体が、吐出圧空間20に排出され易い構造となっているため、液圧縮による過圧縮が発生しても、リリース弁23背面とリリース弁受部25c,25dとの間への油の噛み込みを抑制できるから、リリース弁装置21が速やかに作動し、油及び作動流体を速やかに吐出圧空間20に流出させることができる。

実施例

0054

なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。

0055

1…スクロール圧縮機、2…圧縮機構部、2a…圧縮室、
3…電動機、3a…ロータ、3b…ステータ
4…密閉容器、5…吸入管、6…吐出管、
7…電動機室、8…給油ポンプ、9…排油パイプ、
10…クランク軸、10a…主軸部、10b…副軸部、10c…偏心ピン部、
11…フレーム、12…副フレーム、
13…主軸受、14…副軸受、15…副軸受ハウジング、
16…電源端子、17…油溜り、
18…固定スクロール、18a…吸入ポート、18b…吐出ポート、
19…旋回スクロール、
20…吐出圧空間、21…リリース弁装置、
22…リリース穴、23…リリース弁、
24…弾性体(コイルばね)、25…リリース弁受、
25a…中央逃がし流路、25b…外周側逃がし流路、
25c…内周側リリース弁受部、25d…外周側リリース弁受部、
25e…外周流路、26…押え板、
27…リリース弁室、28…固定用ボルト

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