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技術 水平反力調整装置および方法

出願人 清水建設株式会社
発明者 小野秀平利波立秋松永英哲吉浦伸明
出願日 2015年9月11日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2015-180111
公開日 2017年3月16日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2017-053196
状態 特許登録済
技術分野 橋または陸橋
主要キーワード 変位管 張出し先端 管路設備 部材補強 硬質ゴム板 止め線 応力軽減 使用資材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

より簡便な水平反力調整装置および方法を提供する。

解決手段

橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための装置10であって、径間閉合部において、橋軸方向に対向する橋桁のウェブ16内部にそれぞれ埋設固定した一対の定着具20と、一対の定着具20が互いに離れる向きの水平力加力可能な水平加力手段22とを備えるようにする。

概要

背景

従来、多径間ラーメン橋などの橋梁では、図13(1)に示すように、主桁クリープ・乾燥による収縮変形により、橋脚橋軸方向中央に向けて傾く傾向にある。特に、固定支間長に対して橋脚高さが低い場合は、橋軸方向端部の橋脚に発生する曲げモーメントが大きくなり、過大な断面力が橋脚に作用することとなる。

こうした問題に対する解決策として、水平反力調整工を適用した橋梁工事の事例が増えている。この水平反力調整工は、図13(2)に示すように、橋を閉合してつなぐ前に、ジャッキ等を用いて水平方向に加力して橋脚を橋軸方向外側に押し広げ、その状態で橋を閉合することで、端部の橋脚基部の応力軽減を図るものである。

従来の水平反力調整工の加力方法としては、構造部材切り欠いて主桁断面に直接的に加力する方法と、閉合部の前後に鋼製またはコンクリート製の突起を設けて主桁断面に間接的に加力する方法とがある。近年の施工実績では、コンクリート製突起や、切り欠きによるものが多く採用されている。特に、大容量の水平反力調整工では、コンクリート製突起が採用されている。コンクリート製突起が採用される理由としては、閉合部のウェブ厚に対して水平加力設備規模が大きく、加力点安全性能が確保できないためであると考えられる。

図14(1)は、コンクリート製突起の適用例を示した主桁断面図であり、(2)は写真図である。これらの図に示すように、この方式では、主桁1のウェブ2の側面にコンクリート製突起3を設け、この突起3にジャッキ4からの水平加力を作用させる。この方式は、上述したように大容量の加力では標準的な方式であり、閉合部のコンクリート打設を1回で行える利点があるが、突起3の施工や型枠の組払しなどの施工に日数を要するという問題がある。また、部材に対して水平方向の偏心が生じ、それに伴う技術検討(例えばFEM解析)や鉄筋補強の必要が生じることや、突起重量上げ越し計算で考慮しなければならず、主桁1の応力度、上げ越し値への影響を確認しなければならないこと、内側のウェブ2に設ける突起3が設置予定管路設備干渉するといった問題もある。

図15は、鋼製突起の適用例を示した主桁断面図である。この図に示すように、この方式では、断面図心軸に加力できるため鉛直方向の偏心がないという利点がある。しかしながら、鋼製突起5を固定するための施工用孔が多数必要であるため、仕上げ跡により美観を損ねることや、仕上げ作業に日数を要するという問題がある。また、外側のウェブ2の外側に鋼製突起5を設けるため、移動作業車鋼製型枠がそのまま使用できず、型枠および支保工の設置に日数を要するといった問題もある。

図16は、部材切り欠きの適用例を示した主桁断面図である。この図に示すように、この方式では、断面図心軸・部材軸に加力できるため部材に対して水平方向の偏心がないという利点がある。しかしながら、切り欠き部6のコンクリート打設のため、コンクリート打設が2回となることや、水平加力が大きい場合、加力点の耐力(ウェブ厚、補強鉄筋など)が必要であるという問題がある。

概要

より簡便な水平反力調整装置および方法を提供する。橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための装置10であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する橋桁のウェブ16内部にそれぞれ埋設固定した一対の定着具20と、一対の定着具20が互いに離れる向きの水平力を加力可能な水平加力手段22とを備えるようにする。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より簡便な水平反力調整装置および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための装置であって、径間閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ埋設固定した一対の定着具と、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力加力可能な水平加力手段とを備えることを特徴とする水平反力調整装置

請求項2

前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材緊張してコンクリート部材定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したことを特徴とする請求項1に記載の水平反力調整装置。

請求項3

前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したことを特徴とする請求項1または2に記載の水平反力調整装置。

請求項4

橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための方法であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ一対の定着具を埋設固定した後、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力を加力することを特徴とする水平反力調整方法

請求項5

前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張してコンクリート部材に定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したことを特徴とする請求項4に記載の水平反力調整方法。

請求項6

前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したことを特徴とする請求項4または5に記載の水平反力調整方法。

技術分野

0001

本発明は、ラーメン橋などの橋桁水平反力を調整するために用いられる水平反力調整装置および方法に関し、特に、プレストレストコンクリート構造においてPC鋼材(PCテンドン)を定着するPC定着具などを用いた水平反力調整装置および方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、多径間ラーメン橋などの橋梁では、図13(1)に示すように、主桁クリープ・乾燥による収縮変形により、橋脚橋軸方向中央に向けて傾く傾向にある。特に、固定支間長に対して橋脚高さが低い場合は、橋軸方向端部の橋脚に発生する曲げモーメントが大きくなり、過大な断面力が橋脚に作用することとなる。

0003

こうした問題に対する解決策として、水平反力調整工を適用した橋梁工事の事例が増えている。この水平反力調整工は、図13(2)に示すように、橋を閉合してつなぐ前に、ジャッキ等を用いて水平方向に加力して橋脚を橋軸方向外側に押し広げ、その状態で橋を閉合することで、端部の橋脚基部の応力軽減を図るものである。

0004

従来の水平反力調整工の加力方法としては、構造部材切り欠いて主桁断面に直接的に加力する方法と、閉合部の前後に鋼製またはコンクリート製の突起を設けて主桁断面に間接的に加力する方法とがある。近年の施工実績では、コンクリート製突起や、切り欠きによるものが多く採用されている。特に、大容量の水平反力調整工では、コンクリート製突起が採用されている。コンクリート製突起が採用される理由としては、閉合部のウェブ厚に対して水平加力設備規模が大きく、加力点安全性能が確保できないためであると考えられる。

0005

図14(1)は、コンクリート製突起の適用例を示した主桁断面図であり、(2)は写真図である。これらの図に示すように、この方式では、主桁1のウェブ2の側面にコンクリート製突起3を設け、この突起3にジャッキ4からの水平加力を作用させる。この方式は、上述したように大容量の加力では標準的な方式であり、閉合部のコンクリート打設を1回で行える利点があるが、突起3の施工や型枠の組払しなどの施工に日数を要するという問題がある。また、部材に対して水平方向の偏心が生じ、それに伴う技術検討(例えばFEM解析)や鉄筋補強の必要が生じることや、突起重量上げ越し計算で考慮しなければならず、主桁1の応力度、上げ越し値への影響を確認しなければならないこと、内側のウェブ2に設ける突起3が設置予定管路設備干渉するといった問題もある。

0006

図15は、鋼製突起の適用例を示した主桁断面図である。この図に示すように、この方式では、断面図心軸に加力できるため鉛直方向の偏心がないという利点がある。しかしながら、鋼製突起5を固定するための施工用孔が多数必要であるため、仕上げ跡により美観を損ねることや、仕上げ作業に日数を要するという問題がある。また、外側のウェブ2の外側に鋼製突起5を設けるため、移動作業車鋼製型枠がそのまま使用できず、型枠および支保工の設置に日数を要するといった問題もある。

0007

図16は、部材切り欠きの適用例を示した主桁断面図である。この図に示すように、この方式では、断面図心軸・部材軸に加力できるため部材に対して水平方向の偏心がないという利点がある。しかしながら、切り欠き部6のコンクリート打設のため、コンクリート打設が2回となることや、水平加力が大きい場合、加力点の耐力(ウェブ厚、補強鉄筋など)が必要であるという問題がある。

発明が解決しようとする課題

0008

上述したように、従来のコンクリート製突起等を設けて加力する方法は、作業手間の増大や工期の長期化を招来するおそれがあった。このため、作業手間や工期のかからないより簡便な技術の開発が求められていた。

0009

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より簡便な水平反力調整装置および方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る水平反力調整装置は、橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための装置であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ埋設固定した一対の定着具と、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力を加力可能な水平加力手段とを備えることを特徴とする。

0011

また、本発明に係る他の水平反力調整装置は、上述した発明において、前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張してコンクリート部材に定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したことを特徴とする。

0012

また、本発明に係る他の水平反力調整装置は、上述した発明において、前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したことを特徴とする。

0013

また、本発明に係る水平反力調整方法は、橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための方法であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ一対の定着具を埋設固定した後、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力を加力することを特徴とする。

0014

また、本発明に係る他の水平反力調整方法は、上述した発明において、前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張してコンクリート部材に定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したことを特徴とする。

0015

また、本発明に係る他の水平反力調整方法は、上述した発明において、前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したことを特徴とする。

発明の効果

0016

本発明に係る水平反力調整装置によれば、橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための装置であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ埋設固定した一対の定着具と、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力を加力可能な水平加力手段とを備えるので、定着具を加力点に埋設することで、ウェブ側面に設ける従来の突起などの増し厚が不要となり、作業手間や工期のかからないより簡便な水平反力調整装置を提供することができるという効果を奏する。

0017

また、本発明に係る他の水平反力調整装置によれば、前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張してコンクリート部材に定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したので、加力点付近部材補強を、実績のあるPC定着具の指針等によって容易に決定することができるという効果を奏する。

0018

また、本発明に係る他の水平反力調整装置によれば、前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したので、水平加力を主桁断面に直接的に加力することができるという効果を奏する。

0019

また、本発明に係る水平反力調整方法によれば、橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための方法であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ一対の定着具を埋設固定した後、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力を加力するので、定着具を加力点に埋設することで、ウェブ側面に設ける従来の突起などの増し厚が不要となり、作業手間や工期のかからないより簡便な水平反力調整方法を提供することができるという効果を奏する。

0020

また、本発明に係る他の水平反力調整方法によれば、前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張してコンクリート部材に定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したので、加力点付近の部材補強を、実績のあるPC定着具の指針等によって容易に決定することができるという効果を奏する。

0021

また、本発明に係る他の水平反力調整方法によれば、前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したので、水平加力を主桁断面に直接的に加力することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0022

図1は、本発明に係る水平反力調整装置および方法が適用される閉合前の橋梁の概略側面図である。
図2は、本発明に係る水平反力調整装置および方法の実施の形態を示す主桁断面図である。
図3は、本発明に係る水平反力調整装置および方法の実施の形態を示す側断面図である。
図4は、本発明に係る水平反力調整装置および方法の実施の形態を示す写真図である。
図5は、本発明に係る水平反力調整装置および方法の実施の形態を示す部分拡大図である。
図6は、本発明に係る水平反力調整装置および方法の実施の形態を示す作用説明図である。
図7は、本発明に係る水平反力調整装置および方法の実施の形態を示す施工手順図である。
図8は、本発明に係る水平反力調整装置および方法の他の実施の形態を示す主桁断面図である。
図9は、押し止め線シミュレーションを示す図である。
図10は、押し止め線のシミュレーションを示す図である。
図11は、加力管理の一例を示す図である。
図12は、加力結果の一例を示す図である。
図13は、従来の多径間ラーメン橋の課題および対策の説明図であり、(1)は課題、(2)は対策を示したものである。
図14は、従来の水平加力方式(コンクリート製突起)の適用例を示した図であり、(1)は主桁断面図、(2)は写真図である。
図15は、従来の水平加力方式(鋼製突起)の適用例を示した主桁断面図である。
図16は、従来の水平加力方式(部材切り欠き)の適用例を示した主桁断面図である。

実施例

0023

以下に、本発明に係る水平反力調整装置および方法の実施の形態を、PC(プレストレスト・コンクリート)からなる連続エクストラドーズド橋に適用する場合を例にとり図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0024

図1は、本発明に係る水平反力調整装置および方法が適用される閉合前の橋梁を示したものである。この図に示すように、本発明に係る水平反力調整装置10は、橋脚12間に渡って張出架設工法により構築される主桁14(橋桁)に作用する水平反力を調整するための装置であって、径間の閉合部Aに設けられるものである。

0025

図2は、閉合部Aの主桁断面図である。この図に示すように、本発明が適用される主桁断面は2室箱桁であり、構造中心線C上の内ウェブ16と、その外側に配置される外ウェブ18とを有する。外ウェブ18は斜ウェブとなっている。ウェブ厚は比較的厚い(例えば540mm程度)。本発明に係る水平反力調整装置10は、定着具・切り欠き併用方式を採用し、その加力点は、ウェブ16、18を切り欠いた切り欠き部32の断面図心軸Z1および部材軸Z2上に配置される。

0026

また、必要な水平加力は、2室箱桁の3ウェブに均等に載荷するものと仮定すると、設計水平力が10800kNの場合には、加力点3箇所であることから1箇所あたりの水平力は3600kNとなり、加力設備要求能力は1加力点あたり4000kN程度となる。なお、上記の設計水平力は、施工条件による誤差構造物剛性外気温の影響)を見込んでいる。

0027

ところで、コンクリート構造物をプレストレストコンクリート構造あるいはプレストレスト鉄筋コンクリート構造にする場合や、コンクリートブロック同士を緊結する場合には、PC鋼材を緊張し、PC鋼材端部をコンクリートに定着してこのPC鋼材の復元力によりコンクリートにプレストレスを与えるが、この場合、PC鋼材を緊張して定着するPC定着部付近のコンクリートには、大きな圧縮応力と、この圧縮応力と直交する方向に割裂応力が発生する。このため、このPC定着部には、圧縮応力をコンクリートに均等に配分するためのPC鋼材に対して直角に定着板(PC定着具)を配設するとともに、PC定着部付近のコンクリート内には、割裂応力に対応するためのスパイラル筋グリッド筋などの定着具筋(補強筋)を配設して、PC定着部およびその近傍における割裂の発生を防止するようにしている。

0028

一方、本実施の形態のウェブは比較的厚いものを想定しているが、1加力点当たり大きな水平力(例えば4000kN)を作用させるには部材の厚さが不十分の場合がある。そこで、薄い部材であっても大きな力を作用させることができる上記のPCの技術に着目し、加力点に、補強方法確立している上記のPC定着具を補強材として用いることで、ウェブに直接加力できる方式とする。

0029

図3は、閉合部Aの部分拡大図である。この図に示すように、本発明に係る水平反力調整装置10は、橋軸方向(図の左右方向)に対向する主桁14のウェブ16、18内部にそれぞれ埋設固定した一対の定着具20と、一対の定着具20が互いに離れる向きの水平力を加力可能な水平加力手段としての油圧ジャッキ22と、軸力部材24と、調整材26と、設置用ブラケット28と、仮受用架台30と、図示しない油圧ポンプユニットとを備える。油圧ジャッキ22〜仮受け用架台30は、一対の定着具20間においてウェブ16、18に形成された切り欠き部32に直線状に配置される。

0030

定着具20は、橋軸方向の軸心を有し、切り欠き部32側に近づくに従いテーパー状に拡径した略筒状のガイド20Aと、ガイド20Aの周囲に同軸上に配置された螺旋状のスパイラル筋20B(定着具筋)と、その外周側に配置された補強筋20C、20D(定着具筋)と、定着ブロック20Eとからなる。定着具20は、規格荷重(例えば4000kN程度)に対して十分な耐力を有するものを使用する。

0031

ガイド20Aは、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張して端部をコンクリート部材に定着するための定着具を使用している。スパイラル筋20B、補強筋20C、20Dはこの定着部近傍を補強するためのものである。また、定着ブロック20Eは、ガイド20Aの拡径側端面に固定された円盤状のものである。なお、定着ブロック20Eには、PC定着具としての名残として、PC鋼材を挿通および保持するための円錐台形状をなす貫通穴が複数設けられている。

0032

なお、本実施の形態では、定着具筋がスパイラル筋20B等で構成される場合について説明するが、これに限るものではなく、定着具筋をガイド20Aの軸方向視井桁状に組み立てられたグリッド筋で構成することもできる。

0033

油圧ジャッキ22は、必要な最大加力量および最大ストローク(例えば4000kN程度、300mm程度)の加力性能を有するものであり、図示しない油圧ポンプによって稼働する。油圧ジャッキ22のシリンダーは軸力部材24の左端に固定される。

0034

軸力部材24は、油圧ジャッキ22の最大加力量の軸力に耐えうる部材により構成することができる。本実施の形態では、例えば山留め4000kN程度の軸力を導入できる山留材を使用する。

0035

調整材26は、2つの山留材26A、26Bと、硬質ゴム板26Cと、支圧ずれ止め板26Dと、内部に砂が充填された板状の解体用サンドジャッキ26Eとを有する。

0036

図3の左側に示すように、山留材26Aの右端には油圧ジャッキ22のピストンロッドが接続され、左端には硬質ゴム板26Cを介して支圧部ずれ止め板26Dが固定される。支圧部ずれ止め板26Dと山留材26Aとの間に硬質ゴム板26Cを設置することで、加圧面不陸緩和している。

0037

支圧部ずれ止め板26Dは、平鋼板の中央に円筒状のフランジを有する開口を設けたものであり、開口で定着ブロック20Eに外嵌係合している。さらに、支圧部ずれ止め板26D、硬質ゴム板26C、山留材26Aは、仮固定用アンカー26Fを介してウェブ16、18に固定され、一体化している。こうすることで、軸力直角方向へのずれ発生を防止している。

0038

また、図3の右側に示すように、山留材26Bの左端は解体用サンドジャッキ26Eを介して軸力部材24の右端に連結している。ここで、軸力部材24と山留材26Bとの間に解体用サンドジャッキ26Eを設置したのは、ジャッキ解放用ストローク解放(戻し量)のためである。一方、山留材26Bの右端は、上記と同様にして硬質ゴム板26C、支圧部ずれ止め板26を介して定着ブロック20Eに係合されており、さらに仮固定用アンカー26Fによりウェブ16,18に一体的に固定されている。

0039

設置用ブラケット28は、左右の定着具20の下方のウェブ16、18に橋軸直交方向に取り付けられたものであり、例えば溝形鋼により構成することができる。

0040

仮受け用架台30は、油圧ジャッキ22、軸力部材24、調整材26を仮受けするためのものであり、例えば橋軸方向に延在するH形鋼により構成することができる。仮受け用架台30の両端部は左右の設置用ブラケット28の上面に固定される。

0041

図4は、本発明に係る水平反力調整装置10の実施例を示す写真図である。この図に示すように、ウェブ16、18の側部にはみ出さすことなく、図心軸およびウェブの部材軸に水平反力調整装置10を設置することができる。このため、本実施の形態によれば、景観性に配慮し、主桁外面の仕上げ作業を、上記の従来の技術に比べて比較的少なくすることができる。

0042

上記の構成の動作および作用について説明する。
図5および図6に示すように、油圧ジャッキ22を作動し、調整材26を介してウェブ16、18に埋設されている定着具20に水平方向に加力する。これにより、水平加力を主桁断面に直接的に加力することができ、図示しない橋脚が橋軸方向外側に押し広げられる。この状態で橋を閉合することにより、端部の橋脚基部の応力軽減を図ることができる。

0043

本実施の形態によれば、断面図心軸、部材図心軸に加力できる。また、定着具20を加力点に埋め込むことで、ウェブ側面に設ける上記の従来のコンクリート製突起などの増し厚が不要である。さらに、加力点付近の部材補強仕様は、実績のあるPC定着具の指針等によって容易に決定できる。また、内ウェブ16を切り欠き方式とすることで、設置予定の管路設備との干渉がなくなる。また、使用資材が少なくてすみ、工程遅延リスクを低減することができる。このため、本実施の形態によれば、上記の従来の技術に比べて作業手間や工期がかからない。したがって、工期の短縮を図ることができる簡便な水平反力調整装置および方法を提供することができる。

0044

図7は、PC多径間連続エクストラドーズド橋に本発明を適用する場合の水平反力調整の概略手順を示したものである。まず、図7(1)に示すように、P1−P2間を閉合する前に、閉合部に本発明を適用して水平力F1を加力して変位d1だけ変位させた後、閉合する。次に、図7(2)に示すように、P3−P4間を閉合する前に、閉合部に本発明を適用して水平力F2を加力して変位d2だけ変位させた後、閉合する。最後に、図7(3)に示すように、P2−P3間を閉合する前に、閉合部に本発明を適用して水平力F3を加力して変位d3だけ変位させた後、閉合する。このようにして、本発明を適用して橋梁を施工することができる。

0045

上記の実施の形態において、本発明に係る水平反力調整装置10を同一ウェブの上下に複数配置してもよい。例えば、図8に示すように水平反力調整装置10を上下に2つ配置し、2加力点として水平加力を作用させてもよい。

0046

また、上記の実施の形態においては、本発明に係る水平反力調整装置10を2室箱桁のウェブ16、18に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば1室箱桁や3室箱桁に備わるウェブに適用してもよく、いずれにしても上記と同様な作用効果を奏することができる。

0047

次に、本発明を実施する場合の水平加力作業の管理について図9図12を参照しながら説明する。

0048

まず、管理方法の検討について説明する。管理のためには、どこまで加力すればよいかという押し止め線を事前に設定する必要がある。そこで、端部橋脚の応力状態を改善するのに必要な水平加力量を、パラメータースタディで算出した。

0049

図9は、橋脚剛性、構造物温度のパラメータースタディの結果である。縦軸に必要水平加力量、横軸にそのときの張出し先端水平変位量を示す。この図に示すように、橋脚剛性は−10%から10%刻みで+30%まで、構造物温度は10℃から5℃刻みで30℃まで変化させている。プロットの点は、その条件で必要な水平加力量と水平変位量を示している。

0050

その結果、図10に示すように、橋脚剛性に関しては、橋脚剛性が30%高くなっても必要変位は1mmしか変わらないことがわかる。また、構造物温度に関しては、温度変化1℃あたりの変位補正量がわかる。そこで、管理方法としては、閉合部間隔の変化量を管理する「変位管理法」を採用することとした。

0051

図11は、管理に用いた管理図である。横軸は閉合部間隔変化量、縦軸は油圧ジャッキの圧力である。まず、事前の計算から標準温度10℃のときの押し止め線を48.7mmに設定した。次に、当日の桁温度が22℃であることを確認し、温度補正を加えた押し止め線64.6mmを設定した。水平加力は、この64.6mmの変位を確保できれば完了となる。また、加力部の許容耐荷力から、絶対上限線を加えた。

0052

図12は、加力の実施結果を示したものである。前日に行ったプレ加力の結果、本加力の結果を示している。加力量を5MPaごとに刻み、異常がないことを確認しながら加力した。押し止め線の変位64.6mmを確保できたことを確認し、水平加力を完了した。この図より、下部工の剛性が6%程度低いことが確認できた。また、2回の加力とも弾性的な挙動をすることが確認できた。

0053

以上説明したように、本発明に係る水平反力調整装置によれば、橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための装置であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ埋設固定した一対の定着具と、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力を加力可能な水平加力手段とを備えるので、定着具を加力点に埋設することで、ウェブ側面に設ける従来の突起などの増し厚が不要となり、作業手間や工期のかからないより簡便な水平反力調整装置を提供することができる。

0054

また、本発明に係る他の水平反力調整装置によれば、前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張してコンクリート部材に定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したので、加力点付近の部材補強を、実績のあるPC定着具の指針等によって容易に決定することができる。

0055

また、本発明に係る他の水平反力調整装置によれば、前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したので、水平加力を主桁断面に直接的に加力することができる。

0056

また、本発明に係る水平反力調整方法によれば、橋脚間に渡って張出架設工法により構築される橋桁に作用する水平反力を調整するための方法であって、径間の閉合部において、橋軸方向に対向する前記橋桁のウェブ内部にそれぞれ一対の定着具を埋設固定した後、前記一対の定着具が互いに離れる向きの水平力を加力するので、定着具を加力点に埋設することで、ウェブ側面に設ける従来の突起などの増し厚が不要となり、作業手間や工期のかからないより簡便な水平反力調整方法を提供することができる。

0057

また、本発明に係る他の水平反力調整方法によれば、前記定着具を、プレストレストコンクリート構造物におけるPC鋼材を緊張してコンクリート部材に定着するPC定着部近傍を補強するための定着具筋と、前記PC鋼材の端部を定着するための筒状のガイドとを用いて構成したので、加力点付近の部材補強を、実績のあるPC定着具の指針等によって容易に決定することができる。

0058

また、本発明に係る他の水平反力調整方法によれば、前記定着具を、前記ウェブの断面図心に埋設固定したので、水平加力を主桁断面に直接的に加力することができる。

0059

以上のように、本発明に係る水平反力調整装置および方法は、ラーメン橋などの橋桁の水平反力を調整するのに有用であり、特に、作業手間や工期をかけずにより簡便に水平反力を調整するのに適している。

0060

10水平反力調整装置
12橋脚
14主桁(橋桁)
16 内ウェブ
18 外ウェブ
20定着具
20Aガイド
20Bスパイラル筋(定着具筋)
20C,20D補強筋(定着具筋)
20E定着ブロック
22油圧ジャッキ(水平加力手段)
24軸力部材
26調整材
26A,26B山留材
26C硬質ゴム板
26D支圧部ずれ止め板
26E解体用サンドジャッキ
26F仮固定用アンカー
28設置用ブラケット
30仮受け用架台
32切り欠き部
A閉合部
C 構造中心線
Z1断面図心軸
Z2 部材軸

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