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技術 透明蒸着用アンカーコート剤、及び積層体

出願人 ユニチカ株式会社
発明者 吉野剛正橋爪大輔
出願日 2015年9月11日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-179682
公開日 2017年3月16日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-052909
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2) 塗料、除去剤 被包材 物理蒸着
主要キーワード 乾燥処理条件 昇温曲線 割れ防止層 イソシアネート系シランカップリング剤 酸変性ポリオレフィンワックス 樹脂粒状物 蒸着基材 カルボキシルアニオン
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課題

透明蒸着層上の割れ防止層に対する密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に優れるアンカーコート層を形成し得るアンカーコート剤を提供する。

解決手段

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、エポキシ系シランカップリング剤(B)及び水性媒体を含有する透明蒸着用アンカーコート剤である。(B)の含有量が(A)100質量部に対して0.2〜2質量部である。エポキシ系シランカップリング剤(B)が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランであることが好ましい。

概要

背景

ガスバリアフィルム又は包装材料などとして、バリア層の表面にシーラント層が積層されてなる積層体が知られている。こうした積層体においては、一般に、バリア層とシーラント層との間にアンカーコート層接着層)が含まれる。例えば、特許文献1には、バリア層、アンカーコート層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料が記載されている。

包装材料に用いられるバリア層として、透明蒸着基材が知られている。透明蒸着基材は、熱可塑性樹脂のような基材上にアルミナ又はシリカなどを蒸着して透明蒸着層を形成してなるものであり、透明性に優れ基材の意匠性を損ねないため、広く用いられている。透明蒸着層は割れやすいため、透明蒸着層上に、割れを防止するための保護層(割れ防止層)が設けられる場合がある(特許文献2参照)。

概要

透明蒸着層上の割れ防止層に対する密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に優れるアンカーコート層を形成し得るアンカーコート剤を提供する。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、エポキシ系シランカップリング剤(B)及び水性媒体を含有する透明蒸着用アンカーコート剤である。(B)の含有量が(A)100質量部に対して0.2〜2質量部である。エポキシ系シランカップリング剤(B)が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランであることが好ましい。なし

目的

すなわち、透明蒸着層上に形成された割れ防止層に対する密着性及び接着性に優れ、さらに耐ボイル性に優れるアンカーコート層を形成し得るアンカーコート剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、エポキシ系シランカップリング剤(B)及び水性媒体を含有し、(B)の含有量が(A)100質量部に対して0.2〜2質量部であることを特徴とする、透明蒸着用アンカーコート剤

請求項2

エポキシ系シランカップリング剤(B)が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランであることを特徴とする、請求項1に記載の透明蒸着用アンカーコート剤。

請求項3

基材(a)、透明蒸着層(b)、割れ防止層(c)、アンカーコート層(d)、及びシーラント層(e)がこの順に積層された積層体であって、前記アンカーコート層(d)が酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、エポキシ系シランカップリング剤(B)を含有し、(B)の含有量が(A)100質量部に対して0.2〜2質量部であることを特徴とする、積層体。

請求項4

前記基材(a)が熱可塑性樹脂から構成されることを特徴とする、請求項3に記載の積層体。

請求項5

前記透明蒸着層(b)がアルミナ又はシリカを含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の積層体。

技術分野

0001

本発明は、透明蒸着用アンカーコート剤、及び積層体に関する。

背景技術

0002

ガスバリアフィルム又は包装材料などとして、バリア層の表面にシーラント層が積層されてなる積層体が知られている。こうした積層体においては、一般に、バリア層とシーラント層との間にアンカーコート層接着層)が含まれる。例えば、特許文献1には、バリア層、アンカーコート層及びシーラント層がこの順に積層されてなる包装材料が記載されている。

0003

包装材料に用いられるバリア層として、透明蒸着基材が知られている。透明蒸着基材は、熱可塑性樹脂のような基材上にアルミナ又はシリカなどを蒸着して透明蒸着層を形成してなるものであり、透明性に優れ基材の意匠性を損ねないため、広く用いられている。透明蒸着層は割れやすいため、透明蒸着層上に、割れを防止するための保護層(割れ防止層)が設けられる場合がある(特許文献2参照)。

先行技術

0004

特開2008−229971号公報
特開2011−042725号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載のアンカーコート層は、特許文献2に記載されたような割れ防止層に対する密着性及び接着性に乏しく、さらに耐ボイル性が不十分である。

0006

本発明は、上記のような問題を解決するものである。すなわち、透明蒸着層上に形成された割れ防止層に対する密着性及び接着性に優れ、さらに耐ボイル性に優れるアンカーコート層を形成し得るアンカーコート剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、鋭意検討した結果、酸変性ポリオレフィン樹脂エポキシ系シランカップリング剤とを含有する透明蒸着用アンカーコート剤は、透明蒸着層上に割れ防止層が形成された場合に、割れ防止層に対する密着性及び接着性に優れ、さらに耐ボイル性に優れるアンカーコート層を形成し得ることを見出し、本発明に到達した。

0008

すなわち、本発明は以下の(1)〜(6)を要旨とする。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、エポキシ系シランカップリング剤(B)及び水性媒体を含有し、(B)の含有量が(A)100質量部に対して0.2〜2質量部である、透明蒸着用アンカーコート剤。

0009

(2)エポキシ系シランカップリング剤(B)が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、又は3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランである、(1)の透明蒸着用アンカーコート剤。

0010

(3)基材(a)、透明蒸着層(b)、割れ防止層(c)、アンカーコート層(d)、及びシーラント層(e)がこの順に積層された積層体であって、前記アンカーコート層(d)が酸変性ポリオレフィン樹脂(A)、エポキシ系シランカップリング剤(B)を含有し、(B)の含有量が(A)100質量部に対して0.2〜2質量部であることを特徴とする、積層体。

0011

(4)前記基材(a)が熱可塑性樹脂から構成される、(3)の積層体。

0012

(5)前記透明蒸着層(b)がアルミナ又はシリカを含む、(3)又は(4)の積層体。

発明の効果

0013

本発明の透明蒸着用アンカーコート剤は、割れ防止層に対する密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に優れるアンカーコート層を得ることができるものであり、加えて液安定性に顕著に優れる。また、本発明の透明蒸着用アンカーコート剤から形成されるアンカーコート層は透明性が高く、基材の意匠性を損なうことがないという効果を奏する。

0014

以下、本発明について詳細に説明する。
<透明蒸着用アンカーコート剤>
本発明の透明蒸着用アンカーコート剤(以下、単に「アンカーコート剤」と称する場合がある)は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、エポキシ系シランカップリング剤(B)と、水性媒体とを含有する。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は水性媒体中に分散して存在する。

0015

(酸変性ポリオレフィン樹脂(A))
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、オレフィン成分を主成分とし、不飽和カルボン酸成分により酸変性されてなるものである。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は水性媒体中に安定して十分に分散するため、本発明のアンカーコート剤は均一で塗工が容易なものとなる。酸変性されていないポリオレフィン樹脂を用いた場合は水性媒体中での分散が不十分となり、不均一なアンカーコート剤しか得られない。

0016

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)におけるオレフィン成分の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。オレフィン成分の含有量が50質量%未満では、ポリオレフィン樹脂由来の特性(例えば、密着性)が失われる場合がある。

0017

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の主成分であるオレフィン成分としては、特に限定されないが、例えばエチレンプロピレンイソブチレン、2−ブテン、1−ブテン、1−ペンテン、又は1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。なかでも、本発明のアンカーコート剤から形成されるアンカーコート層が後述する割れ防止層に対する密着性及び接着性に優れるために、エチレン、プロピレン、イソブチレン又は1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、エチレン又はプロピレンがさらに好ましく、エチレンが最も好ましい。

0018

ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸成分を導入するための不飽和カルボン酸又はその無水物としては、アクリル酸メタクリル酸マレイン酸無水マレイン酸イタコン酸無水イタコン酸フマル酸、又はクロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸ハーフエステル、又はハーフアミド等が挙げられる。なかでもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、又は無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、又は無水マレイン酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよい。共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合ブロック共重合、又はグラフト共重合グラフト変性)が挙げられる。

0019

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における不飽和カルボン酸成分の含有量は、後述する割れ防止層に対する密着性及び接着性の点から、0.1〜25質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%がより好ましく、1〜8質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。

0020

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、本発明のアンカーコート剤から形成されるアンカーコート層が割れ防止層に対する密着性及び接着性に優れるために、(メタアクリル酸エステル成分を含有することが好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、0.5〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましく、6〜20質量%であることが最も好ましい。含有量が0.5質量%未満では、割れ防止層に対する密着性及び接着性が不十分となる場合がある。また、40質量%を超えるとオレフィン樹脂由来の性質が失われ、密着性及び接着性がかえって低下する場合がある。

0021

(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられる。なかでも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、又は(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。なかでも、割れ防止層に対する密着性及び接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、又はアクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル又はアクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。

0022

また、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、ジエン類マレイン酸ジメチルマレイン酸ジエチル若しくはマレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類メチルビニルエーテル若しくはエチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル酢酸ビニルプロピオン酸ビニルピバリン酸ビニル若しくはバーサチック酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレートグリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルスチレン置換スチレン一酸化炭素、又は二酸化硫黄などが挙げられる。これらの混合物を用いることもできる。これらの成分の含有量としては、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量%に対し10質量%以下であることが好ましい。

0023

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)としては、例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、酸変性ポリエチレン酸変性ポリプロピレン酸変性エチレンプロピレン樹脂、酸変性エチレン−ブテン樹脂酸変性プロピレン−ブテン樹脂、若しくは酸変性エチレン−プロピレン−ブテン樹脂、又はこれらの酸変性樹脂にさらにアクリル酸エステル等でアクリル変性したものが挙げられる。さらに、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、5〜40質量%の範囲で塩素化されていてもよい。

0024

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、分子量の目安となる190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、0.01〜5000g/10分であることが好ましく、0.1〜1000g/10分がより好ましく、1〜500g/10分がさらに好ましく、2〜300g/10分がいっそう好ましく、2〜200g/10分が特に好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、割れ防止層に対する密着性及び接着性が低下する場合がある。一方、5000g/10分を超えると、形成されるアンカーコート層は硬くてもろくなり、割れ防止層に対する密着性及び接着性がかえって低下する場合がある。

0025

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の市販品としては、例えば、アルケマ社製のHX−8290、TX−8030、又はHX−8210などが挙げられる。

0026

本発明のアンカーコート剤における酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量は、アンカーコート層を塗膜として成膜する条件、目的とする塗膜厚み、又は要求される性能に応じて適宜に選択することができる。例えば、アンカーコート剤の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能発現させるために、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の含有量は1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。

0027

(エポキシ系シランカップリング剤(B))
本発明の透明蒸着用アンカーコート剤は、エポキシ系シランカップリング剤(B)を含有することが必要である。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とエポキシ系シランカップリング剤(B)とを併用することにより、変性されていないポリオレフィン樹脂、又はエポキシ系以外のシランカップリング剤(例えば、アミノ系シランカップリング剤、又はイソシアネート系シランカップリング剤)を用いた場合と比較すると、本発明のアンカーコート剤は、割れ防止層に対する密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に顕著に優れるアンカーコート層を形成することができる。

0028

本発明のアンカーコート剤におけるエポキシ系シランカップリング剤(B)の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対して0.2〜2質量部であり、0.2〜1.5質量部であることが好ましく、0.5〜1質量部であることが特に好ましい。エポキシ系シランカップリング剤(B)の含有量が0.2質量部未満の場合は、割れ防止層に対する密着性若しくは接着性、又は耐ボイル性が発現しない。一方、2質量部を超える場合にはアンカーコート剤の液安定性に劣り、基材上に均一に塗布できない。または、均一に塗布できたとしても、密着性若しくは接着性、又は耐ボイル性に乏しいアンカーコート層しか得られない。

0029

エポキシ系シランカップリング剤(B)として用いることのできる化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、又は3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。なかでも、割れ防止層に対する密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に優れるアンカーコート層を形成することができるために、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン又は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。

0030

エポキシ系シランカップリング剤の市販品としては、信越化学工業社製のシランカップリング剤シリーズなどが挙げられる。具体的には、水溶性タイプの「KBM−303」、「KBM−402」、「KBM−403」、「KBE−402」又は「KBE−403」などが挙げられる。

0031

(水性媒体)
本発明の透明蒸着用アンカーコート剤は水性媒体を含有する。本発明において水性媒体とは、水、又は水と有機溶媒との混合液をいう。なかでも作業者又は作業環境への安全性の観点から、水を主成分とするものが好ましい。また、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)又はエポキシ系シランカップリング剤(B)の水性分散化又は溶解を容易にし、さらに乾燥負荷を低減するために、水と有機溶媒との混合液が好ましい。

0032

水性媒体中における有機溶媒の含有量は40質量%以下が好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、2〜35質量%がさらに好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。有機溶媒の含有量が40質量%を超える場合には、実質的に水性媒体とはみなせなくなり、使用する有機溶媒によってはアンカーコート剤の安定性が低下する場合がある。

0033

水性分散化の際に添加した有機溶媒は、ストリッピングと呼ばれる脱溶剤操作により系外へ留去させることで適度に減量してもよい。有機溶媒量を低くしても、特に性能面での影響はない。

0034

有機溶媒としては、沸点が30〜250℃のものが好ましく、50〜200℃のものがより好ましい。有機溶媒の沸点が30℃未満の場合は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散化時に揮発する割合が多くなり、水性分散化が不十分となる場合がある。一方、沸点が250℃を超える有機溶媒は乾燥などによって飛散させることが困難であり、耐水性に乏しいアンカーコート層しか得られない場合がある。これらの有機溶媒は2種以上を混合して使用してもよい。

0035

上記の有機溶媒のなかでも、水性分散化を十分に促進させることができ、しかも水性媒体中から有機溶剤を除去し易いという点から、エタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノールメチルエチルケトンシクロヘキサノンテトラヒドロフランジオキサンエチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノプロピルエーテル、又はエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、低温乾燥性の点からエタノール、n−プロパノール、又はイソプロパノールが特に好ましい。

0036

水性媒体には、塩基性化合物が含まれてもよい。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)中のカルボキシル基が塩基性化合物によって中和されると、中和によって生成したカルボキシルアニオン間の電気反発力によって微粒子間凝集が抑制される。これにより、アンカーコート剤の安定性が向上する。こうした塩基性化合物は、カルボキシル基を中和できるものであればよく、水性化助剤といえる。本発明の効果を損なわないためには塩基性化合物は揮発性のものを用いることが好ましい。

0037

塩基性化合物としては、耐水性、及びアンカーコート層の形成時に揮発し易いことから、アンモニア又は有機アミン化合物が好ましい。なかでも沸点が30〜250℃であるものが好ましく、50〜200℃であるものがより好ましい。沸点が30℃未満の塩基性化合物を用いると、水性分散化時に揮発する割合が多くなり、水性分散化が不十分となる場合がある。沸点が250℃を超えるものを用いると、乾燥等により飛散させることが困難になり、耐水性に乏しいアンカーコート層しか得られない場合がある。

0039

塩基性化合物の添加量は酸変性ポリオレフィン樹脂(A)中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量がより好ましく、1.01〜2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が発現しない場合がある。3.0倍当量を超えると、アンカーコート層を形成する際に乾燥時間を長くする必要があったり、アンカーコート剤が着色したりする場合がある。

0040

本発明のアンカーコート剤には、揮発性の水性化助剤のほか、乳化剤のような不揮発性の水性化助剤を使用してもよい。割れ防止層に対する密着性及び接着性の観点から、不揮発性の水性化助剤の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して5質量部以下であることが好ましく、使用しないことが最も好ましい。不揮発性の水性化助剤としては、乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価酸変性化合物、又は水溶性高分子などが挙げられる。

0041

乳化剤としては、カチオン性乳化剤アニオン性乳化剤ノニオン性乳化剤、又は両性乳化剤が挙げられる。さらに一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。

0044

両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、又はラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。

0045

保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物又は水溶性高分子としては、ポリビニルアルコールカルボキシル基変性ポリビニルアルコールカルボキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロース変性デンプンポリビニルピロリドンポリアクリル酸とその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類とその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーとその塩、ポリイタコン酸とその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体ゼラチンアラビアゴム、又はカゼインのような一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。

0046

本発明のアンカーコート剤には、必要に応じて、架橋剤、ブロッキング防止剤レベリング剤消泡剤ワキ防止剤顔料分散剤、又は紫外線吸収剤等の各種薬剤を添加してもよい。

0047

本発明のアンカーコート剤は、必要に応じて、他の重合体(又は、樹脂)を含有してもいてもよい。他の重合体としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ポリ塩化ビニルポリ塩化ビリニデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂ポリウレタン樹脂アクリル樹脂ポリエステル樹脂変性ナイロン樹脂、又はフェノール樹脂が挙げられる。これらを2種以上使用してもよい。その他の重合体をアンカーコート剤に添加する時期は特に限定されず、例えば、上記重合体の液状物を適宜添加すればよい。

0048

<透明蒸着用アンカーコート剤の製造方法>
本発明の透明蒸着用アンカーコート剤の製造方法としては、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とエポキシ系シランカップリング剤(B)とを、水性媒体中に均一に分散又は溶解することができる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体とエポキシ系シランカップリング剤(B)の液状物とを混合し、さらに必要に応じて、水又は有機溶媒などを添加する方法が挙げられる。

0049

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体を得る方法としては、酸変性ポリオレフィン樹脂を、例えば水性媒体及び塩基性化合物とともに加熱攪拌する方法が挙げられる。この際、必要に応じて乳化剤等の水性化助剤を添加してもよい。

0050

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体は、市販品を使用してもよい。その具体例として、三井化学社製のケミパールSA−100若しくはケミパールS−75N、又は日本製紙社製のスーパークロンE−723などが挙げられる。

0051

また、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)及びエポキシ系シランカップリング剤(B)を混合した後、水又は有機溶媒と混合し、水性分散化又は溶解させる方法も挙げられる。この際も、必要に応じて塩基性化合物又は乳化剤を使用すればよい。

0052

何れの製造方法においても、工程後又は工程中に、水又は有機溶剤を留去したり、水又は有機溶媒により希釈したりすることによって、任意に濃度を調整できる。

0053

<積層体>
本発明の積層体は、基材(a)、透明蒸着層(b)、割れ防止層(c)、アンカーコート層(d)、及びシーラント層(e)がこの順に積層された構成を有する。そして、アンカーコート層(d)は、本発明の透明蒸着用アンカーコート剤を割れ防止層(c)上に塗布した後に、乾燥などにより水性媒体を除去して形成されてなるものである。つまり、アンカーコート層(d)は、上記の酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とエポキシ系シランカップリング剤(B)とを含有する塗膜である。

0054

基材(a)としては、例えば、ポリエチレン、若しくはポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂ポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリアリレート、若しくはポリカーボネートのようなポリエステル系樹脂ポリメチルメタクリレートのようなアクリル系樹脂ポリスチレン、若しくはABSのようなスチレン系樹脂ポリ塩化ビニル樹脂、金属、紙、又は糸等を用いることができる。成形性と耐熱性の点から、熱可塑性樹脂を用いて形成されたものであることが好ましく、特に、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンを用いて形成されたものであることが好ましい。基材(a)の形態は、フィルム状のものであることが好ましい。

0055

基材(a)の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.5〜1000μm、好ましくは1〜500μm、より好ましくは1〜100μm、特に好ましくは1〜50μmである。

0056

透明蒸着層(b)は例えばアルミナ、シリカ、又は錫のような無機物からなり、透明性又は強度などに優れるために、アルミナ又はシリカからなるものが好ましく、本発明の積層体を包装材料などとして用いた場合に、内容物からの腐食などを抑制する性能に優れるために、シリカからなるものが特に好ましい。透明蒸着層(b)は基材(a)上に蒸着されて形成されており、蒸着方法は特に限定されず、公知のものを用いることができる。

0057

透明蒸着層(b)の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.02〜0.1μm、好ましくは0.02〜0.09μm、より好ましくは0.03〜0.08μm、特に好ましくは0.03〜0.07μmである。

0058

割れ防止層(c)は、透明蒸着層(b)の割れを防止し保護する。割れ防止層(c)は樹脂からなるものであり、こうした樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、ポリビニルアルコール、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、又はフェノール樹脂が挙げられる。これらを2種以上併用してもよい。

0059

割れ防止層(c)には必要に応じて、別の架橋剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、又は紫外線吸収剤のような各種添加剤が含有されていてもよい。

0060

割れ防止層(c)の厚みは特に限定されるものではないが、1〜3μmであることが好ましい。また、割れ防止層(c)を形成する方法は特に限定されず、例えば、上述した樹脂のエマルションなどを公知のコーティング方法で透明蒸着層(b)上に塗布し、乾燥させて塗膜化する方法などが挙げられる。

0061

本発明のアンカーコート剤を、割れ防止層(c)の上に塗工し、例えば乾燥処理等を施して水性媒体を除去することにより、アンカーコート層(d)が形成される。本発明のアンカーコート剤から形成されたアンカーコート層(d)は、割れ防止層(c)に対する密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に優れる。

0062

アンカーコート層(d)におけるエポキシ系シランカップリング剤(B)の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対して0.2〜2質量部であり、0.2〜1.5質量部であることが好ましく、0.5〜1質量部であることが特に好ましい。エポキシ系シランカップリング剤(B)の含有量が0.2質量部未満の場合は、割れ防止層に対する密着性若しくは接着性、又は耐ボイル性が発現しない。一方、2質量部を超える場合には、均一性に劣るものとなる。

0063

アンカーコート剤を塗工する方法は特に限定されず、グラビアロールコーティングリバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティングカーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、又は、はけ塗り法等が採用できる。アンカーコート剤の塗布量については、使用する基材(a)の種類などによって適宜に調整することができる。

0064

アンカーコート剤を塗工した後の乾燥処理条件は特に限定されず、基材の耐熱性などを考慮して適宜調節することができ、例えば、温度100〜180℃、処理時間10秒〜10分である。

0065

アンカーコート層(d)の塗膜厚みは特に限定されず、例えば基材(a)として熱可塑性樹脂フィルムを用いる場合であれば、ヒートシール性を十分高めるために0.1μm以上であることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましく、0.2〜8μmがさらに好ましく、0.3〜7μmが特に好ましい。

0066

シーラント層(e)としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)若しくは高密度ポリエチレン(HDPE)のようなポリエチレン、酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、又はアイオノマー等のポリオレフィン樹脂のようなシーラント樹脂からなるものが挙げられる。なかでも、低温でのシール性に優れるためにポリエチレン系樹脂からなるものが好ましく、安価であることからポリエチレンからなるものが特に好ましい。

0067

本発明の積層体に含まれるアンカーコート層は、上述したような本発明のアンカーコート剤から形成されるものであり、割れ防止層に対する密着性及び接着性、耐ボイル性、並びに透明性に優れる。そのため、こうしたアンカーコート層が設けられた本発明の積層体は、バリアフィルム又は包装材料などとして好適に使用することができる。

0068

以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、各種の特性については以下の方法によって測定または評価した。

0069

1.酸変性ポリオレフィン樹脂の特性
(1)構成
1H−NMR分析バリアン社製、300MHz)より求めた。オルトジクロロベンゼン(d4)を溶媒とし、120℃で測定した。

0070

(2)メルトフローレート
JIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した。

0071

(3)融点
DSC示差走査熱量測定)装置(Perkin Elmer社製、DSC−7)を用いて、昇温速度10℃/分の条件にて測定し、得られた昇温曲線から融点を求めた。

0072

2.酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体の特性
(1)固形分濃度
水性分散体を適量秤量し、これを残存物固形分)の質量が恒量に達するまで150℃で加熱し、固形分濃度を求めた。

0073

(2)酸変性ポリオレフィン樹脂粒子平均粒子径
マイクロトラック粒度分布計UPA150(日機装社製、MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径(mn)、重量平均粒子径(mw)を求めた。

0074

3.アンカーコート剤の特性
(1)アンカーコート剤の液安定性
アンカーコート剤を目視にて確認し、以下の基準で評価した。
○:ゲル化、又はブツの発生なし。
△:ゲル化、又はブツの発生が若干あり。
×:ゲル化、又はブツの発生が大量にあり。

0075

4.アンカーコート層の特性
以下の評価においては、アルミナがポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに蒸着されてなる透明蒸着PETフィルム(三井化学東セロ社製、「TL−HP」、厚み12μm)を用いた。PETフィルムが基材(a)に相当し、アルミナの蒸着層が透明蒸着層(b)に相当する。
この透明蒸着PETフィルムのアルミナ蒸着層上に、ポリエステル樹脂エマルション(ユニチカ社製、「エリーテルKT−8803」、固形分濃度30質量%)を、乾燥後の膜厚みが2μmとなるようにマイヤーバーを用いて塗布した後、120℃で90分間乾燥させて割れ防止層(c)を形成した。この割れ防止層に、実施例及び比較例で得られたアンカーコート剤を、乾燥後の膜厚が0.5μmになるようにマイヤーバーを用いて塗布した。次いで、100℃で2分間乾燥させて水性媒体を除去してアンカーコート層(膜厚み1μm)を形成し、積層フィルムを得た。これらの積層フィルムを用いて、下記の特性評価を行った。

0076

(1)密着性(テープ剥離試験
積層フィルムを室温で1日放置後、アンカーコート層面にセロハンテープ(ニチバン社製、「TF−12」)を貼り付け、テープ一気に剥がした場合の剥がれの程度を目視で確認し、以下の基準で評価した。
○:全く剥がれなし。
×:一部又は全てが剥がれた。

0077

(2)耐ボイル性
積層フィルムを98℃の熱水に2時間浸漬した後、アンカーコート層の状態を目視で確認し、以下の基準で評価した。
○:変化なし。
×:白化がみられた。

0078

(3)接着性
積層フィルムのアンカーコート層上に、膜厚みが35μmになるようにポリエチレン樹脂押出しラミネートしてシーラント層を形成し、積層体を得た。この積層体から幅15mmの試験片採取し、引張り試験機インスコ社製、精密万能材料試験機2020型)を用い、Tピール法により試験片の端部からシーラント層の界面を剥離して、ラミネート強度を測定した。測定は20℃、65%RHの雰囲気中、引張速度200mm/分で行った。なお、3.0N/15mm以上のラミネート強度であれば、接着性に顕著に優れるものであると判定した。
なお、ラミネート強度が高い場合には、測定時にシーラント層に切れが発生することがあるが、このような現象は接着性により優れることの指標となる。

0079

使用した酸変性ポリオレフィン樹脂(ア)〜(ウ)の組成を表1に示す。

0080

0081

酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体(E−1)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、125.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(ア)(アルケマ社製「ボンダインHX−8290」)、75.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、7.0gのトリエチルアミン(以下、TEA)及び293gの蒸留水ガラス容器内仕込み撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。容器底部には樹脂粒状物沈澱は認められず、浮遊状態となっていることを確認した。

0082

この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ちつつ、さらに30分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ、空冷にて室温(約25℃)まで冷却した。その後、300メッシュステンレス製フィルター線径0.035mm、平織)で加圧濾過空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体(E−1)を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。

0083

0084

酸変性ポリオレフィン樹脂(イ)の水性分散体(E−2)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、100.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂(イ)(アルケマ社製「ボンダインTX−8030」)、150.0gのIPA、6.0gのTEA、及び244.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌した。容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることを確認した。

0085

この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ちつつ、さらに30分間撹拌した。その後、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ、空冷にて室温(約25℃)まで冷却した。その後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体(E−2)を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。

0086

酸変性ポリオレフィン樹脂(ウ)の水性分散体(E−3)の製造
酸変性ポリオレフィン樹脂(ア)に代えて酸変性ポリオレフィン樹脂(ウ)(アルケマ社製「ボンダインHX−8210」)を用いた以外は、(E−1)と同様の操作で酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体(E−3)を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。

0087

エポキシ系シランカップリング剤溶液(S−1)
エポキシ系シランカップリング剤としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−403」、有効成分100%)を水に溶解し、有効成分が1%である溶液(S−1)を得た。

0088

アミノ系シランカップリング剤溶液(S−2)
アミノ系シランカップリング剤としてのN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製「KBM−603」、有効成分100%)を水に溶解し、有効成分が1%である溶液(S−2)を得た。

0089

イソシアネート系シランカップリング剤(S−3)
イソシアネート系シランカップリング剤としての3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製「KBE−9007」、有効成分100%)をイソプロパノールに溶解し、有効成分が1%である溶液(S−3)を得た。

0090

実施例1
(E−1)の固形分100質量部に対して(S−1)が1質量部となるように、(E−1)と(S−1)とを、室温にてメカニカルスターラー攪拌混合し(攪拌速度100rpm)、アンカーコート剤(J−1)を調製した。

0091

実施例2〜9、比較例1〜15
表3〜5に示すように、酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体又はシランカップリング剤の、種類又は含有量を変更した以外は、実施例1と同様の操作を行って、実施例2〜9のアンカーコート剤(J−2)〜(J−9)、及び比較例1〜15の(H−1)〜(H−15)を得た。これらの評価結果を表3〜5に示した。

0092

なお、表3中「PE切れ」とは、シーラント層の切れが発生したことを示す。

0093

0094

0095

表3から明らかなように、実施例1〜9で得られた本発明の透明蒸着用アンカーコート剤は、液安定性に優れていた。さらに、このアンカーコート剤を用いて形成されたアンカーコート層は、割れ防止層に対する密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に優れ、加えて透明性にも優れていた。

0096

表4から明らかなように、比較例1〜3で得られたアンカーコート剤は、シランカップリング剤(B)を含有していなかったため、また、比較例4、6、又は8で得られたアンカーコート剤は、エポキシ系シランカップリング剤(B)の含有量が過少であったため、液安定性は良好であったものの、密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に劣るアンカーコート層しか得られなかった。

0097

比較例5、7、又は9で得られたアンカーコート剤は、エポキシ系シランカップリング剤(B)の含有量が過多であったため液安定性に劣り、基材に塗布することができなかった。

実施例

0098

表5から明らかなように、比較例10〜15で得られたアンカーコート剤は、エポキシ系シランカップリング剤以外のシランカップリング剤が用いられていたため、液安定性は良好であったものの、密着性及び接着性、並びに耐ボイル性に劣るアンカーコート層しか得られなかった。

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