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技術 セレコキシブII型結晶の製造方法

出願人 株式会社トクヤマ
発明者 横尾嘉寛大庭芳樹宮奥隆行
出願日 2015年9月9日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-177434
公開日 2017年3月16日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-052719
状態 特許登録済
技術分野 1,2―ジアゾール系化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 使用形状 III型結晶 攪拌温度 サンプリング幅 II型結晶 医薬品原薬 溶解操作 ステンレス製容器
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月16日)のものです。
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図面 (2)

課題

非ステロイド性消炎鎮痛剤として有用である4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−ピラゾールー1−イルベンゼンスルホンアミド(一般名:セレコキシブ)の、溶媒が残りにくく、工業生産が容易な医薬品の製造に適したII型結晶新規な製造方法を提供する。

解決手段

本発明は、セレコキシブとアルカリ金属水酸化物とを混合して得られるセレコキシブアルカリ金属塩が溶解した水溶液に、酢酸を添加してpH7.0以下でセレコキシブのII型結晶を結晶化させるセレコキシブのII型結晶の製造方法である。

概要

背景

下記式(1)で示される4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−ピラゾールー1−イルベンゼンスルホンアミドは、一般名でセレコキシブとよばれる原薬化合物である。該化合物は、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)を選択的に阻害する非ステロイド性消炎鎮痛剤である(特許文献1参照)。

セレコキシブは、水に不溶性を示し、該不溶性は医薬品として使用する際のバイオアベイラビリティに大きく影響を与える。そのため、過去に結晶形転移塩形成といった方法によって溶解性の改善が検討されてきた。特に結晶形に関しては、通常取得されるIII型結晶と比較して溶解性の高い、I型結晶及びII型結晶といった結晶形態の製造方法が知られている(特許文献2参照)。

概要

非ステロイド性消炎・鎮痛剤として有用である4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−ピラゾールー1−イル]ベンゼンスルホンアミド(一般名:セレコキシブ)の、溶媒が残りにくく、工業生産が容易な医薬品の製造に適したII型結晶の新規な製造方法を提供する。 本発明は、セレコキシブとアルカリ金属水酸化物とを混合して得られるセレコキシブアルカリ金属塩が溶解した水溶液に、酢酸を添加してpH7.0以下でセレコキシブのII型結晶を結晶化させるセレコキシブのII型結晶の製造方法である。 なし

目的

本発明の目的は、溶媒が残りにくく、工業生産が容易な医薬品の製造に適したセレコキシブの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

セレコキシブアルカリ金属水酸化物とを混合して得られるセレコキシブアルカリ金属塩が溶解した水溶液に、酢酸を添加してpH7.0以下でセレコキシブのII型結晶結晶化させることを特徴とするセレコキシブII型結晶の製造方法。

請求項2

請求項1のアルカリ金属の水酸化物が水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化ルビジウム水酸化セシウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。

請求項3

セレコキシブ1当量に対して1〜10当量のアルカリ金属の水酸化物を使用して、セレコキシブアルカリ金属塩が溶解した水溶液を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。

請求項4

前記結晶化がpH3.0〜7.0で行われることを特徴とする請求項1〜3に記載の製造方法。

請求項5

前記結晶化が温度10〜90℃の範囲の温度で行われることを特徴とする請求項1〜4に記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、医薬品原薬として有用なセレコキシブII型結晶新規な製造方法に関する。

背景技術

0002

下記式(1)で示される4−[5−(4−メチルフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−ピラゾールー1−イルベンゼンスルホンアミドは、一般名でセレコキシブとよばれる原薬化合物である。該化合物は、シクロオキシゲナーゼ2(COX−2)を選択的に阻害する非ステロイド性消炎鎮痛剤である(特許文献1参照)。

0003

0004

セレコキシブは、水に不溶性を示し、該不溶性は医薬品として使用する際のバイオアベイラビリティに大きく影響を与える。そのため、過去に結晶形転移塩形成といった方法によって溶解性の改善が検討されてきた。特に結晶形に関しては、通常取得されるIII型結晶と比較して溶解性の高い、I型結晶及びII型結晶といった結晶形態の製造方法が知られている(特許文献2参照)。

先行技術

0005

特許第3025017号公報
国際公開第01/42222号パンフレット

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献2では、セレコキシブをN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAともいう)或いはN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFともいう)溶媒中に溶解させ、水を添加し、結晶化させることでセレコキシブのDMA或いはDMF溶媒和物を取得し、該溶媒和物を100℃で乾燥させることでI型結晶、130℃で乾燥させることでII型結晶を取得している。しかしながら、本発明者らが当該製造方法を実施したところ、残留溶媒にDMA或いはDMFが残り易いことが判明し、当該製造方法で取得されたセレコキシブは、医薬品として使用することは好ましくなく、製造方法に改善の余地があることが分かった。

0007

また特許文献2には融点までセレコキシブを160〜165℃に加熱し、融解を確認後冷却し、結晶化させることでI型結晶、II型結晶を取得する方法も記載されている。上記方法は、残留溶媒の問題はないが、160℃と高温まで加熱するため危険であり、さらには、結晶化したセレコキシブが反応釜に付着し、全量回収することが困難であるため、工業生産には適していない方法である。

0008

したがって本発明の目的は、溶媒が残りにくく、工業生産が容易な医薬品の製造に適したセレコキシブの製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた。特許文献2に記載の方法において、I型結晶、及びII型結晶はセレコキシブが比較的不安定な状態に置かれているときに生成されると推測し、不安定な状態からセレコキシブを結晶化させる方法を検討した。その結果、セレコキシブをアルカリ金属塩とし、水に溶解させた後、水中で遊離のセレコキシブとすることにより、セレコキシブを一度に結晶化させることでII型結晶が取得できることを見出した。

0010

即ち、本発明は、セレコキシブとアルカリ金属水酸化物とを混合して得られるセレコキシブアルカリ金属塩が溶解した水溶液に、酢酸を添加してpH7.0以下でセレコキシブのII型結晶を結晶化させることを特徴とするセレコキシブII型結晶の製造方法である。

0011

具体的には、まず、セレコキシブとアルカリ金属の水酸化物とを水中で混合してセレコキシブをアルカリ金属塩とし、水中に溶解させる。当該水溶液に酢酸を加えてpH7.0以下とし、セレコキシブアルカリ金属塩と酢酸を反応させ遊離のセレコキシブとして、セレコキシブII型結晶を一度に析出させる。最後に、析出した結晶をろ過、洗浄、乾燥という工程を経ることで精製されたII型結晶のセレコキシブを取得できる。

0012

本発明において、より純度の高いII型結晶を取得するためには、アルカリ金属の水酸化物の当量を1〜10当量として、セレコキシブを一旦全てアルカリ金属塩化することが好ましい。

0013

また、本発明において、より純度の高いII型結晶を取得するためには、前記結晶化がpH3.0〜7.0で行われることが好ましい。

0014

さらに、本発明において、より純度の高いII型結晶を取得するためには、結晶化工程の温度を10〜90℃にすることが好ましい。

発明の効果

0015

本発明によれば、公知の方法よりも残留溶媒を低減したII型結晶のセレコキシブが取得されるため、医薬品として好適に使用することができる。本発明の製造方法は、使用する溶媒が水と酢酸であるため、DMAやDMFと比較すると残留溶媒が残り難く、さらにはろ過後の洗浄を有機溶媒でなく水で行うことにより、残留溶媒の種類を増加させることなく、水洗浄の段階で酢酸の残留量を低減することができる。

0016

さらにはスケールアップも容易であるため、本発明の製造方法は医薬品の製造に適している。

図面の簡単な説明

0017

本図は、実施例1で得られた本発明のセレコキシブII型結晶の粉末X線回折チャートである。
本図は、比較例2で得られたセレコキシブIII型結晶の粉末X線回折チャートである。

0018

本発明は、セレコキシブをアルカリ金属塩化させることにより溶解させ酢酸を添加して、セレコキシブを結晶化させる、セレコキシブII型結晶の製造方法に関する。以下、順を追って説明する。

0019

<溶解工程>
本発明においては、先ず、セレコキシブとアルカリ金属の水酸化物とを混合して、セレコキシブをアルカリ金属塩として水に溶解させる溶解工程を実施する。セレコキシブとアルカリ金属の水酸化物とを混合する方法は、水中にセレコキシブを分散させ、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ金属の水酸化物の水溶液を加えて溶解させる方法、セレコキシブにアルカリ金属の水酸化物の水溶液を加えて溶解させる方法、アルカリ金属の水酸化物の水溶液にセレコキシブを添加して溶解させる方法のいずれであってもよい。

0020

(セレコキシブ)
本発明において、原料として使用するセレコキシブの結晶構造は、特に制限されるものではなく、I型結晶、II型結晶、III型結晶、IV型結晶、N型結晶、又は溶媒和物であってもよい。また、これら結晶構造を複数含んだものであってもよい。

0021

さらには、これらは、残留溶媒を有したものでも良い。残留溶媒を有するセレコキシブを本発明の方法でセレコキシブII型結晶とすることにより、元々有していた残留溶媒を除去することができる。

0022

(水)
本発明における溶媒は、水のみから構成される。上記の水は、特に制限なく、水道水イオン交換水、純水又は超純水等が使用できるが、セレコキシブを医薬品用途として使用する場合、イオン交換水、純水、及び、超純水を使用することが好ましい。また、その使用量は、セレコキシブ1質量部に対し、5〜30質量部が好ましい。これらの範囲において、アルカリ金属塩となったセレコキシブを十分に溶解させることができるが、中でも、操作性や回収率を考慮すると10〜20質量部が好ましい。

0023

(アルカリ金属の水酸化物)
本発明におけるアルカリ金属の水酸化物は具体的には、水酸化リチウム水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化ルビジウム水酸化セシウムが挙げられる。これらのアルカリ金属の水酸化物は単独で使用してもよく、二つ以上組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、セレコキシブのアルカリ金属塩の水に対する溶解度が高い点、安価である点から、水酸化カリウム或いは水酸化ナトリウムを好適に使用できる。また、これらの使用形状固形物単体として使用してもよく、水に溶解させた水溶液としても使用してよい。これらの使用形状によって、反応に大きく関与することはないが、多くのアルカリ金属の水酸化物は吸湿性を示すため、操作性の観点から水溶液の形状で使用することが好ましい。また、その水溶液の濃度は、アルカリ金属の水酸化物が水に溶解するのであれば、特に制限されるものでない。

0024

また、本発明におけるアルカリ金属の水酸化物の使用量は、セレコキシブ1当量に対して、1〜10当量が好ましい。アルカリ金属の水酸化物の量が1当量未満の場合には、全てのセレコキシブをアルカリ塩化できないため、好ましくない。一方、アルカリ金属の水酸化物の量が10当量を超える場合には、不必要にアルカリ金属の水酸化物を加えることとなり、さらに後の結晶化工程においてpHを7.0以下にするために、酢酸を多量に使用しなければならなくなり、コスト面や操作性の面で好ましくない。アルカリ金属の水酸化物の量が1当量以上であれば、セレコキシブの全量を溶解させることができ、その結果、後の結晶化工程でより純度の高いII型結晶を取得することができる。一方、10当量以下であれば、不必要に試薬を使用することなくII型結晶のセレコキシブを取得することができる。これらの範囲の中でも、安定してセレコキシブをアルカリ金属塩化させることを考慮すると、アルカリ金属の水酸化物の使用量は2〜5当量が好ましい。

0025

(溶解条件)
本発明において、上記の対象セレコキシブを、水中、アルカリ金属の水酸化物と混合してアルカリ金属塩化することにより溶解させる。当該溶解操作は、ガラス製容器ステンレス製容器テフロン登録商標)製容器グラスライニング容器等の容器にて実施し、さらに、メカニカルスターラーマグネティックスターラー等を用いて撹拌下で実施することが、溶解に要する時間が短縮されることから好ましい。また、水が揮発することを抑制する目的から、還流冷却管等を取り付けることも好ましい。

0026

当該溶解操作を実施する温度は、10〜90℃が好ましい。これらの温度範囲であれば、容易にセレコキシブをアルカリ塩化させ溶解させることができる。温度が10℃未満の場合、水の使用量、及びアルカリ金属の水酸化物の使用量によっては、セレコキシブが溶解しきれない場合があるため、好ましくない。なお、セレコキシブを溶解させる時間は、水の使用量、アルカリ金属の水酸化物の使用量により異なるため、一概に規定することはできないが、通常、0.01〜2時間で十分である。

0027

<結晶化工程>
本発明においては、セレコキシブのアルカリ金属塩が溶解した水溶液に酢酸を添加してpH7.0以下にして、セレコキシブII型結晶を結晶化させる結晶化工程を実施する。

0028

(酢酸)
本発明においては、セレコキシブのアルカリ金属塩が溶解した水溶液をpH7.0以下にするために酢酸を使用する。

0029

本発明における酢酸の使用量は、セレコキシブのアルカリ金属塩が溶解した水溶液をpH7.0以下にすることができれば特に制限はなく、セレコキシブのアルカリ金属塩が溶解した水溶液を得る際に使用したアルカリ金属の水酸化物の当量より多ければ良い。そうすることで、酸性側でセレコキシブのアルカリ塩が遊離してセレコキシブが析出し、純度の高いII型結晶が取得できる。これらの範囲の中でも、操作性、回収率、取得されるII型結晶の純度を考慮すると、酢酸の使用量はアルカリ金属の水酸化物の当量より多く且つ5倍当量以下が好ましい。酢酸の使用量がアルカリ金属の水酸化物の当量以下の場合には、pHが7.0以下にならない。一方、酢酸の量がアルカリ金属の水酸化物の5倍当量を超える場合には、酢酸を不必要に多量に使用することとなり、コスト面や操作性の面で好ましくない。

0030

結晶化条件
本発明において、上記の溶解工程で得られた水溶液から酢酸を添加してpH7.0以下とし、セレコキシブのアルカリ金属塩と酢酸を反応させてセレコキシブII型結晶を結晶化させる。

0031

当該結晶化を行う際、最も重要になるのが、結晶化時の水溶液のpHである。セレコキシブは水に対して著しく不溶性を示ため、酢酸を滴下することで、セレコキシブが過飽和状態となり、すぐに結晶化が起こりセレコキシブが析出する。酢酸を添加する前の水溶液のpHは、添加したアルカリ金属の水酸化物の量にもよるが、11〜14程度である。該水溶液に酢酸を添加することで、水溶液のpHは下がり、セレコキシブが析出するが、この結晶析出時のpHによってセレコキシブの結晶形態が変化する。pH7.0以下の時はII型結晶、pH7.0より大きい時はIII型結晶が析出する。このため、結晶化時の水溶液のpHを速やかに7.0以下とすることが好ましい。酢酸の添加方法は、1度に使用量の全量加えても、小分けしても構わないが、小分けする場合でも、少なくとも一度に加える酢酸の量は水溶液がpH7.0以下となる量とする。

0032

当該結晶化操作は撹拌下にて実施することが好ましい。析出したセレコキシブが、溶媒中に分散したスラリーを形成することができることから、続く固液分離における操作性が良好となる。

0033

また、当該結晶化操作を実施する温度は、10〜90℃である。この範囲で実施することでII型結晶は取得されるが、II型結晶は高温条件では不安定であるため、高温で結晶化させた場合、II型結晶の純度が低下する。そのため、結晶化操作を実施する温度は10〜40℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。この温度範囲で実施することにより、II型結晶の純度が高いセレコキシブが取得される。

0034

また、結晶析出後も攪拌を続けることでセレコキシブがさらに結晶化し収率の向上が期待できる。セレコキシブは水に対して不溶性を示すため、結晶析出後の攪拌時間を長くする必要はなく、通常0.1〜1時間で十分である。当該攪拌温度は10〜90℃の範囲が好ましい。この範囲の中でも、収率やII型結晶の安定性を考慮すると10〜40℃が好ましく、10〜30℃がより好ましい。

0035

なお、当該結晶化操作を実施する時間は、使用する水の使用量、アルカリ金属の水酸化物の使用量、酢酸の使用量、結晶化操作実施時の温度、結晶析出後の攪拌時間などにより変わるため、一概に規定することはできないが、通常、0.1〜2時間である。

0036

以上のようにして析出させたセレコキシブII型結晶は、減圧濾過加圧濾過遠心分離などにより固液分離し、水により結晶を洗浄し母液を十分に取り除くことにより、その湿体が単離される。なお、セレコキシブII型結晶に付着している酢酸は、水洗浄により容易に残留量を低減できる。また、洗浄に使用する溶媒の量は、セレコキシブ1質量部に対して、1〜5質量部であることが、洗浄効果が十分に得られること、セレコキシブII型結晶の回収率が高いことから好ましい。

0037

当該セレコキシブII型結晶の湿体は、常圧下、減圧下、或いは、窒素アルゴンなどの不活性ガス通気下において乾燥させることにより、セレコキシブII型結晶を取得することができる。乾燥を実施する温度は、−80℃以上100℃未満であり、その時間は水などの溶媒の残留量を確認しながら適宜決定すれば良いが、通常、0.1〜50時間である。

0038

このようにして得られたセレコキシブII型結晶は、残留溶媒が少なく、医薬品として好適に使用することができる。

0039

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等制限されることはない。なお、実施例および比較例における結晶の粉末X線回折測定は、以下に示す方法で行なった。

0040

(セレコキシブII型結晶の粉末X線回折測定)
1.541858オングストローム波長を有するCuKα放射線を使用し、以下に示す装置を用い、以下に示す条件で行なった。

0041

装置:Rigaku社製RINT1200X線粉末回折計
電圧:40kV
電流:30mA
サンプリング幅:0.050°
スキャンスピード:2.0°/min
スキャン範囲:始角は5°、終了角は35°。

0042

実施例1
溶解工程
攪拌翼温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ2.0g(5.2mmol)、水20mL(セレコキシブ1質量部に対して10質量部)を加え攪拌した。得られた混合液に50%水酸化ナトリウム水溶液0.6mL(11.3mmol)を添加し、25℃で30分撹拌し、セレコキシブが溶解したのを目視により確認した。このときpH12.2であった。

0043

結晶化工程
溶解工程で得られた水溶液に、撹拌下、酢酸1.3mL(22.5mmol)を一度に添加し、酢酸添加直後結晶が析出するのを目視により確認した。また、酢酸を添加直後液温が30℃まで上昇したことを確認した。なお、混合液のpHは5.1であった。得られた混合液を25℃まで冷却して更に30分撹拌し、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、水5mL(セレコキシブ1質量部に対して2質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を50℃で1時間減圧乾燥し、白色結晶としてセレコキシブ1.77g(4.6mmol)を得た(収率:89%、残留溶媒(酢酸):108ppm)。なお、濾別によって得られたろ液のpHは5.1であった。また、上記結晶を試料として、粉末X線回折測定を行うと、2θが少なくとも10.8±0.2°、14.0±0.2°、17.9±0.2°の範囲に特有ピークを有する図1に示すX線回折チャートが得られ、セレコキシブのII型結晶であった。図1に示されるX線回折チャートで観測された各ピークの位置(2θ)と相対強度を、表1にまとめる。

0044

0045

実施例2
溶解工程
攪拌翼、温度計を取り付けた500mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ17.0g(44.6mmol)、水170mL(セレコキシブ1質量部に対して10質量部)を加え攪拌した。得られた混合液に50%水酸化ナトリウム水溶液4.67mL(89.2mmol)を添加し、25℃で30分撹拌し、セレコキシブが溶解したのを目視により確認した。このときpH12.1であった。

0046

結晶化工程
溶解工程で得られた水溶液に、撹拌下、酢酸15.0mL(262.0mmol)を一度に添加し、酢酸添加直後結晶が析出するのを目視により確認した。また、酢酸を添加直後液温が30℃まで上昇したことを確認した。なお、混合液のpHは5.1であった。得られた混合液を25℃まで冷却して更に30分撹拌し、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、水34mL(セレコキシブ1質量部に対して2質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を50℃で24時間減圧乾燥し、白色結晶としてセレコキシブ13.66g(35.8mmol)を得た(収率:80%、残留溶媒(酢酸):69ppm)。なお、濾別によって得られたろ液のpHは5.1であった。また、上記結晶を試料として、粉末X線回折測定を行うと、2θが少なくとも10.8±0.2°、14.0±0.2°、17.9±0.2°の範囲に特有のピークを有するX線回折チャートが得られ、セレコキシブのII型結晶であった。

0047

実施例3
溶解工程
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ2.5g(6.6mmol)、水5mL(セレコキシブ1質量部に対して2質量部)を加え攪拌した。得られた混合液に10%水酸化カリウム水溶液15mL(26.8mmol)を添加し、25℃で30分撹拌し、セレコキシブが溶解したのを目視により確認した。このときpH13.5であった。

0048

結晶化工程
溶解工程で得られた水溶液に、撹拌下、酢酸1.63mL(28.5mmol)を一度に添加し、酢酸添加直後結晶が析出するのを目視により確認した。また、酢酸を添加直後液温が30℃まで上昇したことを確認した。なお、混合液のpHは5.5であった。得られた混合液を25℃まで冷却して更に30分撹拌し、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、水5mL(セレコキシブ1質量部に対して2質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を50℃で1時間減圧乾燥し、白色結晶としてセレコキシブ2.00g(5.2mmol)を得た(収率:80%、残留溶媒(酢酸):50ppm)。なお、濾別によって得られたろ液のpHは5.5であった。また、上記結晶を試料として、粉末X線回折測定を行うと、2θが少なくとも10.8±0.2°、14.0±0.2°、17.9±0.2°の範囲に特有のピークを有するX線回折チャートが得られ、セレコキシブのII型結晶であった。

0049

実施例4
溶解工程
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ2.0g(5.2mmol)、水20mL(セレコキシブ1質量部に対して10質量部)を加え攪拌した。得られた混合液に50%水酸化カリウム水溶液0.6mL(5.4mmol)を添加し、25℃で30分撹拌し、セレコキシブが溶解したのを目視により確認した。このときpH12.6であった。

0050

結晶化工程
溶解工程で得られた水溶液に、撹拌下、酢酸1.3mL(22.5mmol)を一度に添加し、酢酸添加直後結晶が析出するのを目視により確認した。また、酢酸を添加直後液温が30℃まで上昇したことを確認した。なお、混合液のpHは6.0であった。得られた混合液を25℃まで冷却して更に30分撹拌し、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、水5mL(セレコキシブ1質量部に対して2質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を50℃で1時間減圧乾燥し、白色結晶としてセレコキシブ1.68g(4.4mmol)を得た(収率:84%、残留溶媒(酢酸):218ppm)。なお、濾別によって得られたろ液のpHは5.0であった。また、上記結晶を試料として、粉末X線回折測定を行うと、2θが少なくとも10.8±0.2°、14.0±0.2°、17.9±0.2°の範囲に特有のピークを有するX線回折チャートが得られ、セレコキシブのII型結晶であった。

0051

比較例1
溶解工程
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ2.0g(5.2mmol)、水20mL(セレコキシブ1質量部に対して10質量部)を加え攪拌した。得られた混合液に28%アンモニア水0.37mL(6.0mmol)を添加したが、結晶の溶解は確認できなかった。さらに、28%アンモニア水0.37mL(6.0mmol)を9回添加したが結晶の溶解は確認できなかった。

0052

比較例2
溶解工程
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ1.0g(2.6mmol)、水20mL(セレコキシブ1質量部に対して20質量部)を加え攪拌した。得られた混合液に50%水酸化ナトリウム水溶液0.412mL(7.76mmol)を添加し、25℃で30分撹拌し、セレコキシブが溶解したのを目視により確認した。このときpH12.5であった。

0053

結晶化工程
溶解工程で得られた水溶液に、撹拌下、酢酸0.297mL(5.2mmol)を一度に添加し、酢酸添加直後結晶が析出するのを目視により確認した。また、酢酸を添加直後液温が30℃まで上昇したことを確認した。なお、混合液のpHは11.3であった。得られた混合液を25℃まで冷却して更に30分撹拌し、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、水2mL(セレコキシブ1質量部に対して2質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を50℃で15時間減圧乾燥し、白色結晶としてセレコキシブ0.93g(2.4mmol)を得た(収率:93%、残留溶媒(酢酸):276ppm)。なお、濾別によって得られたろ液のpHは11.3であった。また、上記結晶を試料として、粉末X線回折測定を行うと、図2に示すIII型結晶のX線回折チャートが得られた。図2に示されるX線回折チャートで観測された各ピークの位置(2θ)と相対強度を表2にまとめる。

0054

0055

比較例3
溶解工程
攪拌翼、温度計を取り付けた200mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ10.0g(26.2mmol)、水100mL(セレコキシブ1質量部に対して10質量部)を加え攪拌した。得られた混合液に50%水酸化ナトリウム水溶液3.00mL(56.3mmol)を添加し、25℃で30分撹拌し、セレコキシブが溶解したのを目視により確認した。

0056

結晶化工程
溶解工程で得られた水溶液に、撹拌下、酢酸6.5mL(112.5mmol)を十度に分けて1分置きに添加した。1度目の添加で結晶が析出し、その時の混合液はpH12.2であった。続けて酢酸を添加することでpHは下がり、2度目の添加ではpH12.2、3度目の添加ではpH11.8、4度目の添加ではpH11.6、5度目の添加ではpH11.6となり、この時点でほとんどのセレコキシブが析出した。なお、酢酸添加の際混合液の温度に変化はなかった。得られた混合液を25℃で更に30分撹拌し、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、水20mL(セレコキシブ1質量部に対して2質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を50℃で18時間減圧乾燥し、白色結晶としてセレコキシブ8.83g(30.0mmol)を得た(収率:88%、残留溶媒(酢酸):190ppm)。なお、濾別によって得られたろ液のpHは5.3であった。また、上記結晶を試料として、粉末X線回折測定を行うと、比較例2同様、セレコキシブのIII型結晶であった。

実施例

0057

比較例4(特許文献2の製法
攪拌翼、温度計を取り付けた100mLの三つ口フラスコに、III型結晶のセレコキシブ4.0g(10.5mmol)、DMA18.0mL(セレコキシブ1質量部に対して4.5質量部)を加え攪拌し、セレコキシブが溶解したのを目視により確認した。攪拌を続けながら得られた溶液を45℃まで加温し、30分攪拌した。得られた溶液に水75.0mL(セレコキシブ1質量部に対して18.8質量部)を加え、結晶が析出したことを目視により攪拌した。得られた混合液を45℃のまま30分攪拌し、減圧濾過により析出した結晶を濾別し、水4mL(セレコキシブ1質量部に対して1質量部)により、濾別した結晶を2回洗浄した。得られた白色結晶を130℃のオーブンに入れ、48時間乾燥し、白色結晶としてセレコキシブ3.56g(9.3mmol)を得た(収率:89%、残留溶媒:91000ppm)。また、上記結晶を試料として、粉末X線回折測定を行うと、2θが少なくとも10.8±0.2°、14.0±0.2°、17.9±0.2°の範囲に特有のピークを有するX線回折チャートが得られ、セレコキシブのII型結晶であった。

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