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図面 (8)

課題

組成自家骨に類似し、高い骨再生効率を有する細胞包埋ビーズを提供する。

解決手段

本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有することを特徴とする細胞包埋ビーズである。また、本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させる工程と、を備えることを特徴とする細胞包埋ビーズの製造方法である。

概要

背景

近年、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位治療するために、再生医療を適用する取り組みが行われている。再生医療における骨の治療においては、自家骨を用いた移植が主な治療法となっていたが、骨の損傷部位が大きいと自家骨を用いることが困難であり、最近では、人工骨代替材料を用いる治療法の開発が進んでいる。

例えば、人工の骨代替材料として、リン酸カルシウム複合体(例えば、特許文献1参照)やハイドロキシアパタイト(例えば、特許文献2参照)等が挙げられ、これらの骨代替材料を生体親和性生体吸着性に優れる基材に組み合わせて移植する治療法が行われている。

概要

組成が自家骨に類似し、高い骨再生効率を有する細胞包埋ビーズを提供する。本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有することを特徴とする細胞包埋ビーズである。また、本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させる工程と、を備えることを特徴とする細胞包埋ビーズの製造方法である。なし

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、組成が自家骨に類似し、高い骨再生効率を有する細胞包埋ビーズを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有することを特徴とする細胞包埋ビーズ

請求項2

さらに、前記骨芽細胞により産生された骨基質及び骨塩を含有する請求項1に記載の細胞包埋ビーズ。

請求項3

前記骨芽細胞に分化し得る細胞が間葉系幹細胞である請求項1又は2に記載の細胞包埋ビーズ。

請求項4

前記生体適合性ハイドロゲルがゲル化する細胞外マトリックス成分である請求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞包埋ビーズ。

請求項5

前記細胞外マトリックス成分がI型コラーゲンである請求項4に記載の細胞包埋ビーズ。

請求項6

前記骨芽細胞又は前記骨芽細胞に分化し得る細胞の細胞密度が1×107cells/cm3以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞包埋ビーズ。

請求項7

骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させる工程と、を備えることを特徴とする細胞包埋ビーズの製造方法。

請求項8

前記細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程において、撥水性表面を有する支持体滴下し、前記液滴を作製する請求項7に記載の細胞包埋ビーズの製造方法。

請求項9

前記凝集工程において、細胞分化誘導剤を添加する請求項7又は8に記載の細胞包埋ビーズの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、細胞包埋ビーズ及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位治療するために、再生医療を適用する取り組みが行われている。再生医療における骨の治療においては、自家骨を用いた移植が主な治療法となっていたが、骨の損傷部位が大きいと自家骨を用いることが困難であり、最近では、人工骨代替材料を用いる治療法の開発が進んでいる。

0003

例えば、人工の骨代替材料として、リン酸カルシウム複合体(例えば、特許文献1参照)やハイドロキシアパタイト(例えば、特許文献2参照)等が挙げられ、これらの骨代替材料を生体親和性生体吸着性に優れる基材に組み合わせて移植する治療法が行われている。

先行技術

0004

特開2003−210570号公報
特表2005−521440号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1、2では、骨代替材料としてリン酸カルシウム複合体又はハイドロキシアパタイト等のセラミックスを用いており、自家骨を用いた移植と比較すると、骨の再生の効率が圧倒的に低く、比較的小さな骨欠損部位しか修復できないことが問題であった。

0006

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、組成が自家骨に類似し、高い骨再生効率を有する細胞包埋ビーズを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、以下の態様を含む。
(1)骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有することを特徴とする細胞包埋ビーズ。
(2)さらに、前記骨芽細胞により産生された骨基質及び骨塩を含有する(1)に記載の細胞包埋ビーズ。
(3)前記骨芽細胞に分化し得る細胞が間葉系幹細胞である(1)又は(2)に記載の細胞包埋ビーズ。
(4)前記生体適合性ハイドロゲルがゲル化する細胞外マトリックス成分である(1)〜(3)のいずれか一つに記載の細胞包埋ビーズ。
(5)前記細胞外マトリックス成分がI型コラーゲンである(4)に記載の細胞包埋ビーズ。
(6)前記骨芽細胞又は前記骨芽細胞に分化し得る細胞の細胞密度が1×107cells/cm3以上である(1)〜(5)のいずれか一つに記載の細胞包埋ビーズ。
(7)骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させる工程と、を備えることを特徴とする細胞包埋ビーズの製造方法。
(8)前記細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程において、撥水性表面を有する支持体滴下し、前記液滴を作製する(7)に記載の細胞包埋ビーズの製造方法。
(9)前記凝集工程において、細胞分化誘導剤を添加する(7)又は(8)に記載の細胞包埋ビーズの製造方法。

発明の効果

0008

本発明によれば、セラミックスを用いた人工骨移植よりも高い骨再生効率が実現できる。さらに、骨の損傷部位が大きい場合にも、骨組織を再生することが可能となる。

図面の簡単な説明

0009

本実施形態における細胞包埋ビーズの製造方法の一例を示す概略図である。
実施例1におけるタイムラプス顕微鏡を用いて細胞包埋ビーズを観察した結果を示す画像である。
実施例1における細胞包埋ビーズのHE染色(A)、Alizarin red染色(B)及びHif−1α染色(C)の結果を示す画像である。
実施例2における細胞包埋ビーズのHE染色(A)、Alizarin red染色(B)及びHif−1α染色(C)の結果を示す画像である。
(A)実施例3における細胞包埋ビーズを示す模式図である。(B)実施例3における位相差蛍光顕微鏡を用いて細胞包埋ビーズを観察した結果を示す画像である。
試験例1におけるアルカリホスファターゼ(ALP活性評価試験の結果を示すグラフである。
試験例2における三次元計測X線CT装置を用いてマウス頭蓋骨透過像及びCT像撮影した画像である。
試験例2における三次元計測X線CT装置を用いてマウス頭蓋骨の透過像を撮影した画像及び位相差蛍光顕微鏡を用いて撮影したHE染色の結果を示す画像である。

0010

以下、必要に応じて図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。

0011

<細胞包埋ビーズ>
一実施形態において、本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する細胞包埋ビーズを提供する。

0012

本実施形態の細胞包埋ビーズによれば、セラミックスを用いた人工骨移植よりも高い骨再生効率が実現できる。さらに、骨の損傷部位が大きい場合にも、本実施形態の細胞包埋ビーズは欠損部位を容易に埋め尽くすことができ、骨組織を再生することが可能となる。

0013

本明細書において、「骨芽細胞」とは、骨基質上に存在し、骨基質の産生およびその石灰化を行う細胞を意味する。骨芽細胞の大きさは、20〜30μmで、立方体または円柱状の形状である。また、骨芽細胞は、骨芽細胞の前駆体細胞である「前骨芽細胞」を含んでいてもよい。この骨芽細胞が増殖、分化し、骨基質の産生およびその石灰化を行うことで、骨折部又は骨欠損部を治癒することができる。

0014

本実施形態の細胞包埋ビーズは、さらに、上記の骨芽細胞により産生された骨基質及び骨塩を含んでいてもよい。

0015

本明細書において、「骨基質」とは、骨を形成する成分のうちタンパク質の成分を意味し、コラーゲン(骨基質全体の約90%)と、オステオカルシンオステオネクチンオステオポンチンなどの非コラーゲン性タンパク質(骨基質全体の約10%)からなる。骨基質を形成するコラーゲンは、高純度のI型コラーゲンである。
本明細書において、「骨塩」とは、骨を形成する成分のうち塩の成分を意味し、主にリン酸カルシウム結晶であるハイドロキシアパタイトからなる。
骨芽細胞により産生された、上記の骨基質に、上記の骨塩が沈着することにより、骨が形成される。また、本実施形態の細胞包埋ビーズは、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞、生体適合性ハイドロゲル以外に、骨基質及び骨塩を含有することにより、より自家骨に近しい組成となり、高い骨再生効率を実現できる。

0016

本実施形態において、「骨芽細胞に分化し得る細胞」とは、上記の骨芽細胞に分化することができる未分化細胞を意味する。例えば、胚性ES)細胞、胚性生殖(EG)細胞、人工多能性(iPS)幹細胞等の万能細胞;間葉系幹細胞(MSC)(例えば、骨髄由来間葉系幹細胞等)、造血幹細胞血管幹細胞羊膜細胞臍帯血細胞骨髄由来細胞心筋幹細胞脂肪由来幹細胞肝幹細胞幹細胞、神経幹細胞等の体性幹細胞等が挙げられる。中でも、間葉系幹細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。

0017

本明細書において、「間葉系幹細胞」とは、間葉系の組織に存在する幹細胞を意味する。間葉系の組織としては、例えば、骨髄脂肪血管内皮平滑筋心筋骨格筋軟骨、骨、じん帯等が挙げられるが、これらに限定されない。間葉系幹細胞としては、例えば、骨髄、脂肪組織滑膜組織筋組織末梢血胎盤組織月経血臍帯血等に由来する幹細胞が挙げられる。

0018

本実施形態の細胞包埋ビーズは、上記の骨芽細胞又は上記の骨芽細胞に分化し得る細胞のいずれか、又は、その両方を含有していてもよい。

0019

本実施形態において、上記の骨芽細胞又は上記の骨芽細胞に分化し得る細胞の細胞密度が密であることが必要であり、1×107cells/cm3以上であり、1×107〜4×107cells/cm3であることが好ましく、1.5×107〜3×107cells/cm3であることがより好ましく、2×107〜2.5×107cells/cm3であることがさらに好ましい。細胞密度が上記範囲内にあることにより、自家骨に近しい細胞密度となり、高い骨再生効率を実現できる。

0020

本明細書において、「生体適合性ハイドロゲル」とは、生体への適合性を有するゲルであって、高分子化学結合によって網目構造をとり、その網目に多量の水を保有した物質を意味する。より具体的には、天然物由来の高分子や合成高分子の人工素材架橋を導入してゲル化させたものをいう。

0021

天然物由来の高分子としては、ゲル化する細胞外マトリックス成分等が挙げられる。ゲル化する細胞外マトリックス成分としては、例えば、コラーゲン(I型、II型III型V型、XI型など)、マウスEHS腫瘍抽出物IV型コラーゲンラミニンヘパラン硫酸プロテオグリカンなどを含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、フィブリングリコサミノグリカンヒアルロン酸、プロテオグリカンなどを例示することができる。その他天然物由来の高分子として、ゼラチン寒天アガロースなどを使用することもできる。それぞれのゲル化に至適な塩等の成分、その濃度、pHなどを選択しハイドロゲルを作製することが可能である。また、これらの原料を組み合わせてもよい。

0022

また、合成高分子としては、ポリアクリルアミドポリビニルアルコールメチルセルロースポリエチレンオキシド、poly(II−hydroxyethylmethacrylate)/polycaprolactoneなどが挙げられる。また、これらの高分子を2種以上用いてハイドロゲルを作製することも可能である。

0023

中でも、生体適合性ハイドロゲルは、天然物由来の高分子であることが好ましく、ゲル化する細胞外マトリックス成分であることがより好ましく、I型コラーゲンであることがさらに好ましい。I型コラーゲンを含有することにより、より自家骨に近しい組成となり、高い骨再生効率を実現できる。

0024

<細胞包埋ビーズの製造方法>
一実施形態において、本発明は、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する液滴を作製し、前記生体適合性ハイドロゲルを硬化させ、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製する工程と、前記細胞包埋硬化ゲル形成体を浮遊培養し、細胞の牽引力により凝集させる工程と、を備える細胞包埋ビーズの製造方法を提供する。

0025

本実施形態の製造方法によれば、自家骨に類似し、高い骨再生効率を有する細胞包埋ビーズを得ることができる。また、本実施形態の製造方法によれば、骨の欠損部位の大きさに合わせて、ビーズのサイズを調整することができる。

0026

図1は、本実施形態における細胞包埋ビーズの製造方法の一例を示す概略図である。図1を参照しながら、本実施形態における細胞包埋ビーズの製造方法について、以下に詳細を説明する。

0027

[細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程]
まず、骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞1を、生体適合性ハイドロゲル2を含む溶液に懸濁し、目的に合わせた大きさの液滴を作製する。

0028

本実施形態の製造方法において、骨芽細胞は上述のとおりである。また、骨芽細胞に分化し得る細胞は、上述したものと同様のものが挙げられる。中でも、間葉系幹細胞であることが好ましい。
細胞の由来として、好ましくは、動物由来細胞であり、より好ましくは脊椎動物由来細胞であり、特に好ましくはヒト由来細胞である。

0029

また、上記の骨芽細胞又は上記の骨芽細胞に分化し得る細胞のいずれか、又は、その両方を組み合わせて使用していてもよい。

0030

本実施形態の製造方法において、生体適合性ハイドロゲルとは、上述したものと同様のものが挙げられる。中でも、生体適合性ハイドロゲルは、天然物由来の高分子であることが好ましく、ゲル化する細胞外マトリックス成分であることがより好ましく、I型コラーゲンであることがさらに好ましい。I型コラーゲンを使用することにより、より自家骨に近しい組成となり、高い骨再生効率を実現できる。

0031

生体適合性ハイドロゲルを含む溶液は、Ham’s Nutrient Mixtures F−10又はHam’s Nutrient Mixtures F−12等の無血清培地や、生体適合性ハイドロゲル再構成用の緩衝液(例えば、水酸化ナトリウム炭酸水水素ナトリウムHEPES−Bufferからなる緩衝液等)等を含んでいてもよい。

0032

液滴の作製方法は、特別な限定はなく、公知の方法に従って当業者が決定できる。例えば、油性成分からなる溶液中に、上記の骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞と、生体適合性ハイドロゲルとを含有する懸濁液を滴下し、液滴を作製する方法や、図1及び後述の実施例のように、撥水性表面を有する支持体3に上記の懸濁液を滴下し、液滴を作製する方法などが挙げられる。

0033

本明細書において、「撥水性」とは、水をはじく性質を意味し、水接触角が典型的には90°以上、好ましくは100°以上、より好ましくは105°以上である。また、水接触角が150°を超える超撥水状態も含む。
支持体の表面に、撥水処理又は撥水性を有する材質を重ね合せることにより、撥水性表面を有する支持体を得ることができる。
撥水処理としては、特別な限定はなく、例えばアルキル基アルケニル基アルコキシ基又はアルケニルオキシ基等の低極性官能基や、一つ以上の水素原子フッ素原子置換されたアルキル基又はアルコキシ基等の疎水性の官能基を基板表面に導入する方法が挙げられる。また、撥水性を有する材質としては、特別な限定はなく、例えばポリプロピレンポリエチレンポリスフォン等の疎水性高分子ポリ塩化ビニリデンポリフッ化ビニリデンフッ素化カーボンポリテトラフルオロエチレン等の塩素又はフッ素含有高分子等が挙げられる。

0034

支持体の材質としては、特別な限定はなく、例えば、樹脂(例えばポリエステル樹脂ポリスチレン樹脂ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ナイロン樹脂アクリル樹脂フッ素樹脂ポリカーボネート樹脂ポリオレフィン樹脂ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン、メチルペンテン樹脂フェノール樹脂メラミン樹脂ピーク樹脂、エポキシ樹脂及び塩化ビニル樹脂等)、金属(例えば金、銀、銅、アルミニウムタングステンモリブデンクロム白金チタンニッケル等)、合金(例えばステンレスハステロイインコネルモネルジュラルミン等)、ガラス(例えばガラス、石英ガラス溶融石英合成石英アルミナサファイアセラミクスフォルステライト及び感光性ガラス等)、半導体材料シリコンゴム(例えば天然及び合成ゴム)等が挙げられる。また、これらの材質のうち、複数の材質を組み合わせてもよい。

0035

続いて、作製した液滴を20分以上60分未満(好ましくは、30分)、25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)で静置し、生体適合性ゲルを硬化させる。ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium:DMEM)等の基本培地により、表面を洗浄し、細胞包埋硬化ゲル形成体を回収する。

0036

[凝集工程]
続いて、回収した細胞包埋硬化ゲル形成体を7日以上20日以下、好ましくは14日以上18日以下、25℃以上40℃未満(好ましくは、37℃)で浮遊培養する。

0037

使用する培地は、特別な限定はなく、細胞の生存増殖に必要な成分(無機塩炭水化物ホルモン必須アミノ酸非必須アミノ酸ビタミン)等を含む基本培地であればよい。例えば、DMEM、Minimum Essential Medium(MEM)、RPMI−1640、Basal Medium Eagle(BME)、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium:Nutrient Mixture F−12(DMEM/F−12)、Glasgow Minimum Essential Medium(Glasgow MEM)等が挙げられる。

0038

使用する細胞が骨芽細胞に分化し得る細胞である場合、培地中に細胞分化誘導剤を添加することが好ましい。

0039

細胞分化誘導剤としては、骨芽細胞への分化を誘導できるものであれば特別な限定はない。例えば、グルココルチコイド、β−グリセロホスフェートアスコルビン酸等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。

0040

本明細書において「グルココルチコイド」とは、副腎皮質ホルモンであり、糖質代謝に関係するステロイドホルモンの総称を意味する。グルココルチコイドは、骨髄細胞が骨芽細胞に分化誘導するための成分として知られている(例えば、参考文献1:「Maniatopoulos,C et al:Bone formation in vitro by stromal cells obtained from bone marrow of young adult rats.Cell Tissue Res,254:317−330,1988.」参照)。グルココルチコイドは、糖質コルチコイドとも称される。より具体的な物質としては、デキサメサゾンベタメタゾンプレドニソロンプレドニソンコルチゾンコルチゾルコルチコステロン等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、デキサメサゾンが使用される。天然のグルココルチコイドと同様な作用を有する化学合成物質も含むことができる。これらの代表的なグルココルチコイドは、β−グリセロホスフェートおよびアスコルビン酸とともに、骨芽細胞に分化し得る細胞に使用すると、骨芽細胞へと分化誘導する活性が有する因子を産生されることから、本実施形態において、いずれも培地中に含ませることができる。グルココルチコイドは、培地中、0.1nM〜10mMの濃度で含ませることができ、好ましくは、10〜100nMの濃度である。

0041

本明細書において「β−グリセロホスフェート」とは、グリセロリン酸(C3H5(OH)2OPO3H2)のうちリン酸基がβ位に結合したものの塩の総称を意味する。塩としては、例えばカルシウム塩ナトリウム塩等を挙げることができる。β−グリセロホスフェートは、骨髄細胞が骨芽細胞に分化誘導するための成分としても知られている(例えば、参考文献1参照)。β−グリセロホスフェートは、グルココルチコイドおよびアスコルビン酸とともに、骨芽細胞に分化し得る細胞に使用すると、骨芽細胞へと分化誘導する活性を有する因子が産生されることから、本実施形態において、いずれも培地中に含ませることができる。β−グリセロホスフェートは、培地中に、0.1mM〜1Mの濃度で含ませることができ、好ましくは、10mMの濃度である。

0042

本明細書において「アスコルビン酸」とは、白色、結晶性水溶性ビタミンを意味し、多くの植物体とくに柑橘類に含まれる物質である。ビタミンCとも称される。アスコルビン酸は、骨髄細胞が骨芽細胞に分化誘導するための成分としても知られている(例えば、参考文献1参照)。アスコルビン酸は、アスコルビン酸およびその誘導体を含むことができる。アスコルビン酸としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシドアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムアスコルビン酸グルコシド等が挙げられるが、これらに限定されない。天然のアスコルビン酸と同様な作用を有する化学合成物質も含むことができる。これらの代表的なアスコルビン酸は、グルココルチコイド、β−グリセロホスフェートとともに、骨芽細胞に分化し得る細胞に使用すると、骨芽細胞へと分化誘導する活性を有する因子が産生されることから、本実施形態において、いずれも培地中に含ませることができる。アスコルビン酸は、培地中に、0.1μg/ml〜5mg/mlの濃度で含ませることができ、好ましくは、10〜50μg/mlの濃度である。

0043

細胞包埋硬化ゲル形成体4を上記条件において浮遊培養することにより、細胞の牽引力により凝集させ、上記の細胞密度の細胞包埋ビーズ6を得ることができる。また、上記条件において浮遊培養により、骨芽細胞が骨基質及び骨塩を産生することができ、より自家骨に近しい組成となる。

0044

<細胞包埋ビーズの投与量>
本実施形態の細胞包埋ビーズの投与量は、被検動物(ヒト又は非ヒト動物を含む各種哺乳動物、好ましくはヒト)の年齢性別、体重、症状、治療方法投与方法、処理時間等を案して適宜調節される。
投与回数としては、1か月平均当たり、1回〜数回投与することが好ましい。
投与形態としては、例えば、皮下注射鼻腔内的、または外科的に当業者に公知の方法が挙げられ、外科的方法が好ましい。
注射剤は、非水性の希釈剤(例えば、ポレングリコールオリーブ油等の植物油エタノール等のアルコール類など)、懸濁剤、又は乳濁剤として調製することもできる。このような注射剤の無菌化は、フィルターによる濾過滅菌殺菌剤等の配合により行うことができる。注射剤は、用事調製の形態として製造することができる。即ち、使用前に注射用蒸留水又は他の溶媒に懸濁して使用することができる。

0045

医薬組成物
本発明の医薬組成物は、治療的に有効量の細胞包埋ビーズ、及び薬学的に許容されうる担体又は希釈剤を含む。薬学的に許容されうる担体又は希釈剤は、賦形剤稀釈剤増量剤崩壊剤、安定剤、保存剤緩衝剤乳化剤着色剤粘稠剤、溶解補助剤添加剤等が挙げられる。これら担体の1種以上を用いることにより、注射剤、液剤、懸濁剤又は乳剤等の形態の医薬組成物を調製することができる。
また、担体としてコロイド分散系を用いることもできる。コロイド分散系は、細胞包埋ビーズの生体内定性を高める効果や、特定の骨組織、又は細胞へ、細胞包埋ビーズの移行性を高める効果が期待される。コロイド分散系としては、ポリエチレングリコール高分子複合体、高分子凝集体ナノカプセルミクロスフェア、ビーズ、水中油系の乳化剤、ミセル混合ミセルリポソーム包含する脂質を挙げることができ、特定の骨組織、又は細胞へ、細胞包埋ビーズを効率的に輸送する効果のある、リポソームや人工膜小胞が好ましい。

0046

本発明の医薬組成物における製剤化の例としては、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用されるものが挙げられる。更には、薬理学上許容される担体又は希釈剤、具体的には、滅菌水生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、賦形剤、ベヒクル防腐剤結合剤等と適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態混和することによって製剤化されたものが挙げられる。

0047

注射用水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD−ソルビトール、D−マンノース、D−マンニトール塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO−50と併用してもよい。

0048

溶解補助剤として安息香酸ベンジルベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプル充填させる。

0049

<骨再生方法>
また、本発明の一側面は、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療のための細胞包埋ビーズを提供する。
また、本発明の一側面は、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療のための細胞包埋ビーズの製造方法を提供する。
また、本発明の一側面は、治療的に有効量の細胞包埋ビーズを含む医薬組成物を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、骨再生治療剤を提供する。
また、本発明の一側面は、前記医薬組成物を含む、骨再生治療剤を製造するための上記細胞包埋ビーズの使用を提供する。
また、本発明の一側面は、上記細胞包埋ビーズの有効量を、治療を必要とする患者に投与することを含む、骨に関する疾患や事故等による骨折、骨の欠損等の骨の損傷部位の治療方法を提供する。

0050

本明細書において、再生可能な骨組織としては、特別な限定はなく、例えば、頭頂骨歯槽骨側頭骨蝶形骨上顎骨下顎骨上腕骨、りょう骨、尺骨、手骨、鎖骨胸骨肋骨寛骨仙骨尾骨大腿骨膝蓋骨腓骨脛骨足骨等が挙げられる。
また、適用可能な骨組織の疾患としては、骨の変性壊死、損傷などを伴う任意の疾患であって、例えば変形性関節症、骨軟骨損傷難治性骨折、骨壊死、軟骨損傷、半月損傷、靭帯損傷、損傷、軟骨変性、半月変性、椎間板変性、靭帯変性、腱変性、骨腫瘍先天性骨系統疾患等が挙げられ、これらに限定されない。

0051

治療対象としては、特別な限定はなく、ヒト又は非ヒト動物を含む哺乳動物が挙げられ、ヒトが好ましい。

0052

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0053

[実施例1]ヒト間葉系幹細胞包埋ビーズの作製
(1)細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程
培養ディッシュ上のヒト間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells:MSC)(LONZA製)をトリプシン処理して剥がし、15mLチューブに移した後、1,000rpm、180秒間遠心分離した。上澄みを吸い上げ、新たに培地を10mL加えてペレットを懸濁し、細胞数カウントを行ったところ、2×105cells/10mLであった。

0054

再度、1,000rpm、180秒間遠心分離をした。上澄みを吸い上げ、残ったペレットに、コラーゲン溶液(コラーゲンType1(新田ゼラチン社製):ハム培地:コラーゲン再構成緩衝液=8:1:1)を200μL加え、懸濁した。

0055

培養ディッシュの蓋の裏面に、懸濁液を2μLずつ滴下した。37℃で30分間インキュベートし、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製した。

0056

(2)凝集工程
オリゴデンドロサイト用培地(Oligodendrocyte Medium:OM)を2mL加え、細胞包埋硬化ゲル形成体を培養ディッシュの蓋の裏面から剥がした。培地ごと細胞包埋硬化ゲル形成体を培養ディッシュに入れ、骨芽細胞分化培地(DMEM(Sigma社製)、デキサメタゾン(Sigma社製)、β−グリセロホスフェート(Sigma社製)、アスコルビン酸(WAKO社製))を添加し、14日間浮遊培養した。なお、2日おきに培地を交換した。

0057

(3)観察結果
タイムラプス顕微鏡(BZ−X700KEYENCE社製)を用いて、培養開始から18時間の細胞包埋ビーズの観察した結果を図2に示す。細胞包埋ビーズは、細胞の牽引力により、平均直径2mmから0.5mmまで凝集することが確かめられた。

0058

(4)細胞包埋ビーズの染色
(細胞包埋ビーズの凍結切片の作製)
細胞包埋ビーズをリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline:PBS)で洗浄し、パラホルムアルデヒドで固定した。続いて、固定液を回収し、10%、20%、30%スクロース溶液にそれぞれ2時間ずつ浸し、液を置換した。続いて、細胞包埋ビーズを30%スクロース溶液ごと切片作製容器流し込み、スクロース溶液のみ回収した。続いて、凍結組織切片作製用包埋剤(Optimal Cutting Temperature Compound:O.C.T Compound)を静かに流し込み、細胞包埋ビーズを封入した。続いて、液体窒素の中に、切片作製用容器を入れ、細胞包埋ビーズを凍結させた。予め−22℃に冷却したミクロトームを用いて、細胞包埋ビーズを微小の厚さにカットした。カットされた切片スライドガラスに垂直に押し当て、転写した。

0059

ヘマトキシリンエオジン(Hematoxylin−Eosin:HE)染色)
得られたスライドガラスにキシレンを1mL滴下し60分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し、同じ操作をもう一度繰り返した。続いて、90%エタノール溶液を1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、70%エタノール溶液を1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、マイヤー・ヘマトキシリン染色液を1mL滴下し3分間静置した後、溶液を除去した。続いて、流水に13分間浸し、洗い流した。続いて、エマシンYを1mL滴下し4分間静置した後、溶液を除去した。続いて、90%エタノール溶液を1mL滴下し30秒間静置した後、溶液を除去した。続いて、90%エタノール溶液を1mL滴下し1分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し1分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。続いて、100%エタノールを1mL滴下し、同じ操作をもう一度繰り返した。続いて、キシレンを1mL滴下し5分間静置した後、溶液を除去した。最後に、キシレンを1mL滴下し、同じ操作をもう一度繰り返した。スライドガラスが乾いたら、マウントクイック封入剤)を少量垂らし、気泡が入らないようにマイクロカバーガラスをゆっくりかぶせ、封入した。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図3に示す。

0060

(Alizarin red染色)
得られたスライドガラスにPBSを1mL滴下し、洗浄した。続いて、Alizarin red S(Sigma社製)をスライドガラスに1mL滴下し、5分間静置した。続いて、PBSで3回洗浄した。スライドガラスが乾いたら、マウントクイック(封入剤)を少量垂らし、気泡が入らないようにマイクロカバーガラスをゆっくりかぶせ、封入した。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図3に示す。

0061

低酸素誘導因子−1α(Hypoxia Inducible Factor−1α:Hif−1α)染色)
得られたスライドガラスにPBSを1mL滴下し5分静置した後、溶液を除去した(洗浄)。続いて、PBSを1mL滴下し、同じ操作をもう一度行い、洗浄した。続いて、1%BS含有溶液を200μL滴下し、30分間静置し、ブロッキングを行った。続いて、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(Dulbecco’s Phosphate−Buffered Saline:D−PBS)で100倍に希釈したウサギHif−1α抗体(Sigma社製)を一次抗体としてスライドガラスに1mL滴下し、4℃で一晩インキュベートした。続いて、0.1%Tween−20含有PBS(PBS−T)を1mL滴下し10分間静置した後、溶液を除去した(洗浄)。同じ操作を2回繰り返して、洗浄を行った。D−PBSで20μg/mLに希釈したAleza Fluor 488ヤギ抗ウサギIgG抗体ライフテクノロジー社製)を二次抗体として、スライドガラスに200μL滴下し、アルミホイルで覆い、2時間常温でインキュベートした。続いて、PBS−Tを1mL滴下し10分間静置した後、溶液を除去した(洗浄)。同じ操作を2回繰り返し、洗浄を行った。続いて、PBSで100倍希釈したDAPI(4’,6−Diamidino−2−phenylindole)溶液をスライドガラスに200μL滴下し、9分間インキュベーションすることで、核染色を行った。続いて、PBSを1mL滴下し5分静置した後、溶液を除去した(洗浄)。続いて、PBSを1mL滴下し、同じ操作をもう一度行い、洗浄した。スライドガラスが乾いたら、マウントクイック(封入剤)を少量垂らし、気泡が入らないようにマイクロカバーガラスをゆっくりかぶせ、封入した。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図3に示す。

0062

(結果と考察)
HE染色では、細胞質ピンク色に染色するが、ピンク色に染色していない部分が数か所存在した。染色されていない部分には、骨基質又は骨塩が産生していると推察できる。また、Alizarin red染色では、濃い赤色に染まっている部分にカルシウム蓄積されていることが確認された。また、Hif−1α染色では、染色されている箇所が少ないため、低酸素状態に陥っていないことが確認された。
以上のことから、細胞包埋ビーズ内のMSCは骨基質又は骨塩を産生しており、骨芽細胞に分化していることが示唆された。

0063

[実施例2]ヒト骨芽細胞包埋ビーズの作製
(1)細胞包埋硬化ゲル形成体作製工程
ヒト間葉系幹細胞の代わりにヒト骨芽細胞を使用した以外は、実施例1の(1)と同様の方法により、細胞包埋硬化ゲル形成体を作製した。

0064

(2)凝集工程
骨芽細胞分化培地の代わりに骨芽細胞増殖培地(OSM登録商標) Osteoblast Growth BulletKit(登録商標))(LONZA社製)を使用した以外は、実施例1の(2)と同様の方法により、14日間浮遊培養した。

0065

(3)細胞包埋ビーズの染色
Hif−1α染色にて一次抗体が3μg/mLとなるようにD−PBSで希釈し、200μL滴下したこと、またDAPI溶液での核染色後、PBSで3回洗浄したこと以外は、実施例1の(4)と同様の方法により、細胞包埋ビーズの凍結切片を作製し、HE染色、Alizarin red染色及びHif−1α染色を行った。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図4に示す。

0066

図4から、骨芽細胞包埋ビーズは、骨基質又は骨塩を産生しており、低酸素状態に陥っていないことが確認された。

0067

[実施例3]
ヒト間葉系幹細胞を用いて、実施例1と同様の方法により、2,000cells/2μL/個の細胞包埋ビーズを作製した。細胞非接着U底96ウェルプレート内に、骨芽細胞分化培地を添加し、14日間培養した。培養開始から3日後、7日後及び14日後の細胞包埋ビーズの模式図及び位相差蛍光顕微鏡像図5(A)及び(B)に示す。図5から、細胞包埋ビーズが凝集していることが確かめられた。

0068

[比較例1]
ヒト間葉系幹細胞を用いて、2,000cells/個のスフェロイドを調製した。細胞非接着U底96ウェルプレート内に、骨芽細胞分化培地を添加し、14日間培養した。

0069

[試験例1]アルカリホスファターゼ(Alkaline Phosphatase:ALP)活性評価試験
(1)試薬の調製
基質溶解液の調製)
0.2M炭酸ナトリウム溶液(WAKO社製)22mL、0.2M炭酸水素ナトリウム溶液(WAKO社製)28mL、水50mLを混合し、0.1M炭酸重炭酸バッファー(pH9.8)を100mL調製した。続いて、塩化マグネシウム六水和物(WAKO社製)40.66mgを0.1M炭酸・重炭酸バッファー(pH9.8)に溶解し、基質溶解液を調製した。

0070

標準液の調製)
p−ニトロフェノール(WAKO社製)0.0139gを、1mLの水に溶解し、100mM p−ニトロフェノール溶液を調製した。この溶液を遮光して、室温で保存し、実験ごとに2mMに希釈して使用した。

0071

基質緩衝液の調製)
p−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム六水和物(WAKO社製)0.02gを8mLの水に溶解し、10mM p−ニトロフェニルリン酸二ナトリウム溶液を調製した。

0072

コラゲナーゼ溶液の調製)
灌流緩衝液(NaCl 8g、KCl 0.4g、NaH2PO4・2H2O 0.078g、Na2HPO4・12H2O 0.151g、HEPES2.38g、Phenol Red 0.006g、EGTA 0.19g、NaHCO3 0.35g、Glucose 0.9gを蒸留水900mLに添加し、溶けるまで撹拌したものに1N NaOH溶液を用いてpH7.2に調整した溶液)1mLに、コラゲナーゼ(WAKO社製)50mg、大豆由来トリプシンインヒビター(WAKO社製)10mgを溶解し、50mg/mLコラゲナーゼ溶液を調製した。

0073

(2)細胞の破砕及び細胞抽出液の調製
培養開始から3日後、7日後、14日後の実施例3の細胞包埋ビーズ及び比較例1のスフェロイドをそれぞれ培養液ごと吸い上げ、チューブに移した。1,000rpm、3分間遠心分離し、上澄みを除去した。続いて、0.1%トライトンX−100を含む50mM Tris−HCl溶液(pH7.6)を400μL加え、10分間静置した。続いて、37℃に温めた50mg/mLコラゲナーゼ溶液を100μL加えた。ビーズが溶け切ったら、−80℃で凍結し、室温で溶解するという操作を2セット繰り返した。続いて、ジルコニアビーズ入りバイオマッシャーに、試料を移し、ボルテックスミキサーで3分間撹拌した。続いて、1,300rpmで5分間遠心分離した。

0074

(3)ALP反応
(2)の遠心分離で得られた上澄みを20μLずつ取って、96ウェルプレートに添加した。スタンダード列として、列の一番端のウェルに標準液を40μL加え、同じ列のその他のウェルに水を20μLずつ加え、端から順にピペッティングしながら20μLずつ移し替えてゆき、1倍、2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍の希釈系列を作製した。続いて、全てのウェルに基質緩衝液を100μLずつ加えた。37℃で60分間インキュベートした。

0075

(4)解析
プレートリーダーを用いて1分間撹拌した後、405nmにおける吸光度を測定した。結果を図6に示す。

0076

(5)結果と考察
培養開始から14日後において、比較例1では、培養開始から7日後と値がほとんど変わらないのに対し、実施例3では、ALP活性が向上していた。また全体を通して、実施例1のほうが、比較例1よりも、ALP活性が高かった。
以上から、細胞包埋ビーズの形態で培養したほうが、スフェロイド状で培養するよりも、骨芽細胞への分化誘導効率が高いことが示唆された。

0077

[試験例2]移植により再生した骨の欠損部の評価試験
(1)頭蓋骨欠損モデルマウスへの移植
頭蓋骨欠損モデルマウスに、欠損部を覆い隠すように実施例1で作製した細胞包埋ビーズを移植した。コントロールとして、何も移植しないマウスを用意した。また、比較例2として、β−リン酸三カルシウム(β−TCP)パウダーを移植したマウスを用意した。移植から1か月後に、μCTでの観察及びHE染色による組織学的評価を行った。

0078

(2)μCTでの撮影
イソフルランを用いて、移植から1か月後のマウスに吸引麻酔を行った。マウス固定具を用いて、マウスの頭蓋骨の固定を行った。三次元計測X線CT装置(ヤマト科学(株)社製、TDM1000H−II(2K))を用いて、透過像及びCT像を撮影した。ImageJにより解析し、三次元画像を作製した。透過像及びCT像を図7に示す。

0079

(3)切片の作製
移植から1か月後のマウスの頭蓋骨を切り出した。続いて、20%ホルマリンに1日間浸漬し、組織を固定した。続いて、20%EDTA溶液に5日間浸漬し、脱灰(骨の石灰化部を溶かす処理)した。70%エタノール溶液で一晩浸漬し、90%エタノール溶液で30分間浸漬し、100%エタノールで1時間の浸漬を2回行い、エタノールへの置換を行った。続いて、エタノール:2−ブタノール体積比が1:1の溶液に30分間浸漬し、100%2−ブタノールに1時間の浸漬を2回行い、ブタノールへの置換を行った。続いて、2−ブタノール:パラフィンの体積比が1:1の溶液に30分間浸漬し、100%パラフィンに1時間の浸漬を2回行い、さらに、一晩浸漬しパラフィンに置換した。ミクロトームを用いて、切片を作製した。乾燥機を用いて、乾燥した。

0080

(4)HE染色
実施例1の(4)と同様の方法により、HE染色を行った。位相差蛍光顕微鏡(オリンパス社製、IX−71)で観察した結果を図8に示す。図8のHE染色の画像において、黒三角の矢印は骨欠損部を示している。

0081

図7から、比較例2のβ−TCPパウダーを移植したマウスでは、コントロールと同様に骨の欠損部が埋まっておらず、新生骨の形成が見られなかった。これに対し、実施例1の細胞包埋ビーズを移植したマウスでは、半分以上の骨の欠損部が新生骨により埋まっており、骨再生能を確認することができた。

実施例

0082

図8から、コントロールの何も移植していないマウスでは、骨の欠損部が修復せず、肉芽組織も形成されていなかった。これに対し、比較例2のβ−TCPパウダーを移植したマウス及び実施例1の細胞包埋ビーズを移植したマウスでは、骨の欠損部の修復が見られた。また、比較例2のβ−TCPパウダーを移植したマウスでは、β−TCPパウダーが吸収又は分解されて、骨修復初期過程にみられる肉芽組織が形成されていた。さらに、実施例1の細胞包埋ビーズを移植したマウスでは、肉芽組織に加えて、新生骨が形成されており、再生骨は生体と同等の厚みを有していた。
以上のことから、本発明の細胞包埋ビーズは、組織学的な観点から骨再生に有用であることが示唆された。

0083

本発明によれば、セラミックスを用いた人工骨移植よりも高い骨再生効率が実現できる。さらに、骨の損傷部位が大きい場合にも、骨組織を再生することが可能となる。

0084

1…骨芽細胞又は骨芽細胞に分化し得る細胞、2…生体適合性ハイドロゲル、3…撥水性表面を有する支持体、4…細胞包埋硬化ゲル形成体、5…培地、6…細胞包埋ビーズ。

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