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技術 モータ制御装置

出願人 株式会社SUBARU
発明者 下條和真森田知洋
出願日 2015年9月3日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2015-173418
公開日 2017年3月9日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2017-051013
状態 特許登録済
技術分野 交流電動機の制御一般
主要キーワード 指令デューティ 山から谷 前半区間 後半区間 オンオフ周波数 通電ライン パルス設定 出現周期
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

電動モータ電磁騒音を低減する。

解決手段

PWM信号Puを用いて電動モータを制御するモータ制御装置であって、電動モータに対する電圧指令信号Vuに基づいて、第1デューティ信号Du1を周期的に設定する第1デューティ設定部と、第1デューティ信号Du1を第1区間信号duaと第2区間信号dubとに変換し、第1区間信号duaおよび第2区間信号dubからなる第2デューティ信号Du2を設定する第2デューティ設定部と、第2デューティ信号Du2と搬送波信号との比較結果に基づいて、PWM信号Puを設定するパルス設定部と、を有し、第1区間信号duaと第2区間信号dubとのいずれか一方は、第1デューティ信号Du1よりも増加側に設定され、第1区間信号duaと第2区間信号dubとのいずれか他方は、第1デューティ信号Du1よりも減少側に設定される。

概要

背景

交流モータ等の電動モータを制御するため、電動モータにはインバータが接続されている。インバータには複数のスイッチング素子が組み込まれており、これらのスイッチング素子はパルス幅変調制御であるPWM制御によって制御されている。ところで、PWM制御を用いて駆動される電動モータにおいては、スイッチング素子のオンオフ周波数であるキャリア周波数に応じて電磁騒音が発生している。例えば、電動モータのモータ巻線には、キャリア周波数に応じた電流リップルが発生することから、これが電動モータを振動させる1つの要因となっていた。そこで、PWM制御のキャリア周波数を周期的もしくはランダムに変化させるようにした電磁騒音の低減技術が提案されている(特許文献1および2参照)。

概要

電動モータの電磁騒音を低減する。PWM信号Puを用いて電動モータを制御するモータ制御装置であって、電動モータに対する電圧指令信号Vuに基づいて、第1デューティ信号Du1を周期的に設定する第1デューティ設定部と、第1デューティ信号Du1を第1区間信号duaと第2区間信号dubとに変換し、第1区間信号duaおよび第2区間信号dubからなる第2デューティ信号Du2を設定する第2デューティ設定部と、第2デューティ信号Du2と搬送波信号との比較結果に基づいて、PWM信号Puを設定するパルス設定部と、を有し、第1区間信号duaと第2区間信号dubとのいずれか一方は、第1デューティ信号Du1よりも増加側に設定され、第1区間信号duaと第2区間信号dubとのいずれか他方は、第1デューティ信号Du1よりも減少側に設定される。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

PWM信号を用いて電動モータを制御するモータ制御装置であって、前記電動モータに対する電圧指令信号に基づいて、第1デューティ信号周期的に設定する第1デューティ設定部と、前記第1デューティ信号を第1区間信号と第2区間信号とに変換し、前記第1区間信号および前記第2区間信号からなる第2デューティ信号を設定する第2デューティ設定部と、前記第2デューティ信号と搬送波信号との比較結果に基づいて、前記PWM信号を設定するパルス設定部と、を有し、前記第1区間信号と前記第2区間信号とのいずれか一方は、前記第1デューティ信号よりも増加側に設定され、前記第1区間信号と前記第2区間信号とのいずれか他方は、前記第1デューティ信号よりも減少側に設定される、モータ制御装置。

請求項2

請求項1記載のモータ制御装置において、前記搬送波信号の周波数は一定である、モータ制御装置。

請求項3

請求項1または2記載のモータ制御装置において、前記搬送波信号の山または谷を境に、一方側には前記第1区間信号が設定され、他方側には前記第2区間信号が設定される、モータ制御装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、前記第1デューティ信号と前記第1区間信号との第1乖離量は、前記第1デューティ信号と前記第2区間信号との第2乖離量に等しい、モータ制御装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、前記第1デューティ信号と前記第1区間信号との第1乖離量は、前記第1デューティ信号が更新される度に増加または減少し、前記第1デューティ信号と前記第2区間信号との第2乖離量は、前記第1デューティ信号が更新される度に増加または減少する、モータ制御装置。

請求項6

請求項5記載のモータ制御装置において、前記第1区間信号または前記第2区間信号が上限値または下限値に到達すると、前記第1乖離量および前記第2乖離量は増加方向から減少方向に反転する、モータ制御装置。

技術分野

0001

本発明は、PWM信号を用いて電動モータを制御するモータ制御装置に関する。

背景技術

0002

交流モータ等の電動モータを制御するため、電動モータにはインバータが接続されている。インバータには複数のスイッチング素子が組み込まれており、これらのスイッチング素子はパルス幅変調制御であるPWM制御によって制御されている。ところで、PWM制御を用いて駆動される電動モータにおいては、スイッチング素子のオンオフ周波数であるキャリア周波数に応じて電磁騒音が発生している。例えば、電動モータのモータ巻線には、キャリア周波数に応じた電流リップルが発生することから、これが電動モータを振動させる1つの要因となっていた。そこで、PWM制御のキャリア周波数を周期的もしくはランダムに変化させるようにした電磁騒音の低減技術が提案されている(特許文献1および2参照)。

先行技術

0003

特開2007−20320号公報
特開2008−99475号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、PWM制御のキャリア周波数を変化させることは、デューティ信号更新周期に対してキャリア周波数をずらす要因であることから、モータ巻線に対する印加電圧遅れを生じさせる要因となっていた。このような印加電圧の遅れは、電動モータの制御精度を低下させる要因であることから、キャリア周波数を大きく変化させることなく、電動モータの電磁騒音を低減させることが求められている。

0005

本発明の目的は、電動モータの電磁騒音を低減することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明のモータ制御装置は、PWM信号を用いて電動モータを制御するモータ制御装置であって、前記電動モータに対する電圧指令信号に基づいて、第1デューティ信号を周期的に設定する第1デューティ設定部と、前記第1デューティ信号を第1区間信号と第2区間信号とに変換し、前記第1区間信号および前記第2区間信号からなる第2デューティ信号を設定する第2デューティ設定部と、前記第2デューティ信号と搬送波信号との比較結果に基づいて、前記PWM信号を設定するパルス設定部と、を有し、前記第1区間信号と前記第2区間信号とのいずれか一方は、前記第1デューティ信号よりも増加側に設定され、前記第1区間信号と前記第2区間信号とのいずれか他方は、前記第1デューティ信号よりも減少側に設定される。

発明の効果

0007

本発明によれば、第1区間信号と第2区間信号とのいずれか一方は、第1デューティ信号よりも増加側に設定され、第1区間信号と第2区間信号とのいずれか他方は、第1デューティ信号よりも減少側に設定される。これにより、電動モータの電磁騒音を低減することができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の一実施の形態であるモータ制御装置を示す概略図である。
モータ制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
デューティ出力部の構成の一例を示すブロック図である。
PWM信号の設定手順の一例を示すフローチャートである。
PWM信号の設定手順の一例を示すフローチャートである。
PWM信号の設定状況の一例を示すタイミングチャートである。
シフト量の設定状況の一例を示すタイミングチャートである。
比較例のPWM信号を示す図である。
実施例のPWM信号を示す図である。
比較例のPWM信号と実施例のPWM信号とを比較する図である。
(a)は比較例のPWM信号による電動モータの電磁騒音を示す図であり、(b)は実施例のPWM信号による電動モータの電磁騒音を示す図である。

実施例

0009

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態であるモータ制御装置10を示す概略図である。図1に示すように、電動モータ11には、電力変換回路であるインバータ12を介してバッテリ13が接続されている。なお、図示する電動モータ11は、同期モータ誘導モータ等の三相交流モータであり、電気自動車ハイブリッド車両に搭載される電動モータである。電動モータ11に接続されるインバータ12には、6つのスイッチング素子SW1〜SW6からなる三相ブリッジ回路が設けられている。これらのスイッチング素子SW1〜SW6は、パルス幅変調制御(以下、PWM制御と記載する)を用いて駆動されており、バッテリ13からの直流電力交流電力に変換されてモータ各相(U相、V相、W相)の界磁コイルに供給される。このように、電動モータ11の界磁コイルに交流電力を供給することにより、ステータ回転磁界を発生させてロータを回転させることができる。なお、PWMとは「Pulse Width Modulation」である。

0010

続いて、PWM制御を実行するモータ制御装置10の構成について説明する。図2はモータ制御装置10の構成の一例を示すブロック図である。なお、モータ制御装置10を構成する各機能部は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されている。図1および図2に示すように、モータ制御装置10は、キャリア出力部20、デューティ出力部21、パルス設定部22およびゲート駆動部23を有している。図2に示すように、キャリア出力部20は、パルス設定部22に向けて、一定周波数の搬送波信号つまりキャリア信号を出力する。また、デューティ出力部21は、パルス設定部22に向けて、後述する区間信号dua,dubからなるU相の指令デューティDu2を出力する。同様に、デューティ出力部21は、区間信号dva,dvbからなるV相の指令デューティDv2を出力し、区間信号dwa,dwbからなるW相の指令デューティDw2を出力する。また、パルス設定部22は、指令デューティDu2,Dv2,Dw2とキャリア信号との比較結果に基づいて、各相パルス信号であるPWM信号Pu,Pv,Pwを設定する。そして、パルス設定部22は、PWM信号Pu,Pv,Pwをゲート駆動部23に送信する。図1に示すように、ゲート駆動部23はスイッチング素子SW1〜SW6のゲート端子に接続されており、ゲート駆動部23はPWM信号Pu,Pv,Pwに基づき各スイッチング素子SW1〜SW6にゲート信号を出力する。

0011

図3はデューティ出力部21の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、デューティ出力部21は、電流指令部30、座標変換部31、PI制御部32、座標変換部33、基礎デューティ設定部34および指令デューティ設定部35を有している。電流指令部30は、電動モータ11に要求される指令モータトルクTmに基づいて、目標軸電流Idおよび目標q軸電流Iqを設定する。なお、指令モータトルクTmは、車速アクセル操作量等に基づき設定される電動モータ11の目標トルクであり、図示しないコントローラから車載ネットワーク36を介して電流指令部30に送信される。また、座標変換部31には、各相の通電ラインに設けられる電流センサ37〜39から、各相の通電ラインの実電流Iu,Iv,Iwが入力される。座標変換部31は、三相固定座標系電流値である実電流Iu,Iv,Iwを、回転座標系の電流値である実d軸電流Id’および実q軸電流Iq’に変換する。

0012

次いで、PI制御部32は、目標d軸電流Idに実d軸電流Id’を収束させるとともに、目標q軸電流Iqに実q軸電流Iq’を収束させるように、比例積分制御によってd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを算出する。そして、座標変換部33は、回転座標系の電圧指令値Vd,Vqを、三相固定座標系の電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換する。また、基礎デューティ設定部(第1デューティ設定部)34は、各相の電圧指令値(電圧指令信号)Vu,Vv,Vwに基づいて、各相の基礎デューティ(第1デューティ信号)Du1,Dv1,Dw1を周期的に設定する。さらに、指令デューティ設定部(第2デューティ設定部)35は、各相の基礎デューティDu1,Dv1,Dw1に基づいて、各相の指令デューティ(第2デューティ信号)Du2,Dv2,Dw2を周期的に設定する。なお、図1に示すように、電動モータ11にはレゾルバ等の回転センサ40が設けられている。回転センサ40は、ロータの回転角度を検出するとともに、この回転角度をデューティ出力部21内の座標変換部31,33に送信する。

0013

[PWM信号の設定手順:フローチャート]
以下、フローチャートに沿って、基礎デューティDu1、指令デューティDu2およびPWM信号Puの設定手順について説明する。以下の説明では、U相の基礎デューティDu1、指令デューティDu2およびPWM信号Puの設定手順について説明するが、これと同様の設定手順によって、V相やW相の基礎デューティDv1,Dw1、指令デューティDv2,Dw2、およびPWM信号Pv,Pwについても設定することが可能である。また、基礎デューティDu1,Dv1,Dw1や、指令デューティDu2,Dv2,Dw2は、0%以上100%以下の範囲で設定される。なお、デューティが0%とは、これによって得られるPWM信号のデューティ比が0%に設定されることを意味し、デューティが100%とは、これによって得られるPWM信号のデューティ比が100%に設定されることを意味している。

0014

図4および図5はPWM信号Puの設定手順の一例を示すフローチャートである。なお、図4および図5のフローチャートにおいては、符号a,bの箇所で互いに接続されている。これらのフローチャートは、三角波信号等からなるキャリア信号の周期(以下、キャリア周期と記載する)毎に繰り返して実行され、基礎デューティDu1、指令デューティDu2およびPWM信号Puが周期的に更新される。図4に示すように、ステップS10では、電圧指令値Vuに基づいて、基礎デューティDu1が設定される。続くステップS11では、指令デューティDu2の設定に用いられるシフト量S1,S2が、以下の式(1)および(2)に基づき設定される。なお、式(1)および(2)において、S1n-1は直近のシフト量S1であり、S2n-1は直近のシフト量S2である。また、k1およびk2は「+1」または「−1」の係数であり、k1が「+1」に設定される場合にはk2が「−1」に設定され、k1が「−1」に設定される場合にはk2が「+1」に設定される。すなわち、シフト量S1,S2の一方が正の値として設定される場合には、シフト量S1,S2の他方が負の値として設定される。このような式(1)および(2)に基づき、ステップS11において、シフト量S1を設定する際には、直近のシフト量S1n-1に10%が加算(または減算)される一方、シフト量S2を設定する際には、直近のシフト量S2n-1から10%が減算(または加算)される。
S1=S1n-1+(10%×k1) ・・(1)
S2=S2n-1+(10%×k2) ・・(2)

0015

ステップS12では、基礎デューティDu1およびシフト量S1,S2に基づいて、第1区間信号duaおよび第2区間信号dubからなる指令デューティDu2が設定される。第1区間信号duaは、以下の式(3)に基づき設定され、基礎デューティDu1にシフト量S1を加算(または減算)することで設定される。同様に、第2区間信号dubは、以下の式(4)に基づき設定され、基礎デューティDu1からシフト量S2を減算(または加算)することで設定される。なお、後述するように、第1区間信号duaは、キャリア周期の前半区間で設定される指令デューティDu2であり、第2区間信号dubは、キャリア周期の後半区間で設定される指令デューティDu2である。すなわち、第1区間信号duaは、キャリア信号の山から谷に至る区間で設定される指令デューティDu2であり、第2区間信号dubは、キャリア信号の谷から山に至る区間で設定される指令デューティDu2である。
dua=Du1+S1 ・・(3)
dub=Du1+S2 ・・(4)

0016

ステップS13では、第1区間信号duaが、0%以上100%以下であるか否かが判定される。ステップS13において、第1区間信号duaが0%以上100%以下であると判定された場合には、ステップS14に進み、第2区間信号dubが、0%以上100%以下であるか否かが判定される。ステップS14において、第2区間信号dubが0%以上100%以下であると判定された場合には、ステップS15に進み、キャリア信号と指令デューティDu2との大小関係が比較され、その比較結果に基づいてPWM信号Puが設定される。すなわち、第1区間信号duaと第2区間信号dubとの双方が、0%以上100%以下の範囲に収まる場合に、ステップS15に進み、指令デューティDu2に基づいてPWM信号Puが設定される。

0017

一方、ステップS13,S14において、第1区間信号duaまたは第2区間信号dubが、0%未満であると判定された場合や、100%を超えると判定された場合には、ステップS16に進み、以下の式(5)および(6)に基づいてシフト量S1,S2の増減方向であるシフト方向反転される。つまり、第1区間信号duaまたは第2区間信号dubが、下限値である0%に到達した場合や、上限値である100%に到達した場合には、ステップS16に進み、シフト量S1,S2のシフト方向が反転される。なお、式(5)および(6)において、k1n-1は直近の係数k1であり、k2n-1は直近の係数k2である。例えば、シフト量S1を設定する際の係数k1が「+1」であった場合には、係数k1が「+1」から「−1」に変換される。一方、シフト量S2を設定する際の係数k2が「−1」であった場合には、係数k2が「−1」から「+1」に変換される。
k1=−k1n-1 ・・(5)
k2=−k2n-1 ・・(6)

0018

図4に示すように、ステップS16において、シフト量S1,S2のシフト方向が反転されると、図5に示すように、ステップS17に進み、前述した式(1)および(2)に基づいて、シフト量S1,S2が再設定される。続いて、ステップS18では、前述した式(3)および(4)に基づいて、第1区間信号duaおよび第2区間信号dubからなる指令デューティDu2が再設定される。そして、ステップS19では、第1区間信号duaが0%以上100%以下であるか否かが判定され、ステップS20では、第2区間信号dubが0%以上100%以下であるか否かが判定される。ステップS19,20において、第1区間信号duaまたは第2区間信号dubが、0%未満であると判定された場合や、100%を超えると判定された場合には、ステップS17に進み、シフト量S1,S2が再設定され、ステップS18に進み、指令デューティDu2が再設定される。一方、ステップS19,S20において、第1区間信号duaと第2区間信号dubとの双方が、0%以上100%以下の範囲に収まると判定された場合には、図4に示すように、ステップS15に進み、指令デューティDu2に基づいてPWM信号Puが設定される。

0019

[PWM信号の設定状況:タイミングチャート]
以下、タイミングチャートに沿って、基礎デューティDu1、指令デューティDu2およびPWM信号Puの設定状況について説明する。図6はPWM信号Puの設定状況の一例を示すタイミングチャートである。

0020

図6に符号α1,α2で示すように、キャリア周期の起点毎、つまりキャリア信号の山C1が入力されるタイミングにて、基礎デューティDu1が電圧指令値Vuに基づき設定される。符号α1で示すように、基礎デューティDu1が設定されると、初めのキャリア周期Pc1では、キャリア周期の前半区間において、基礎デューティDu1にシフト量S1(例えば10%)が加算されて第1区間信号duaが設定される。また、キャリア周期Pc1では、キャリア周期の後半区間において、基礎デューティDu1からシフト量S2(例えば−10%)が減算されて第2区間信号dubが設定される。このように、第1区間信号duaは基礎デューティDu1よりも増加側に設定され、第2区間信号dubは基礎デューティDu1よりも減少側に設定される。また、キャリア信号の谷C2を境に、一方側には第1区間信号duaが設定され、他方側には第2区間信号dubが設定される。そして、キャリア信号が第1区間信号duaおよび第2区間信号dubを下回る領域では、PWM信号Puがハイレベルに設定され、キャリア信号が第1区間信号duaおよび第2区間信号dubを上回る領域では、PWM信号Puがローレベルに設定される。

0021

続いて、符号α2で示すように、基礎デューティDu1が更新されると、次のキャリア周期Pc2では、キャリア周期の前半区間において、基礎デューティDu1にシフト量S1(例えば20%)が加算されて第1区間信号duaが設定される。また、キャリア周期Pc2では、キャリア周期の後半区間において、基礎デューティDu1からシフト量S2(例えば−20%)が減算されて第2区間信号dubが設定される。このように、第1区間信号duaは基礎デューティDu1よりも増加側に設定され、第2区間信号dubは基礎デューティDu1よりも減少側に設定される。また、キャリア信号の谷C2を境に、一方側には第1区間信号duaが設定され、他方側には第2区間信号dubが設定される。そして、キャリア信号が第1区間信号duaおよび第2区間信号dubを下回る領域では、PWM信号Puがハイレベルに設定され、キャリア信号が第1区間信号duaおよび第2区間信号dubを上回る領域では、PWM信号Puがローレベルに設定される。

0022

このように、図6に示す例では、基礎デューティDu1が更新されると、基礎デューティDu1と第1区間信号duaとの第1乖離量であるシフト量S1は直近の値よりも増加し、基礎デューティDu1と第2区間信号dubとの第2乖離量であるシフト量S2は直近の値よりも増加している。ところで、前述のフローチャートで説明したように、第1または第2区間信号dua,dubが上限値や下限値に到達した場合には、シフト量S1,S2のシフト方向つまり区間信号dua,dubの増減方向が反転するため、シフト量S1,S2が直近の値に対して減少する状況も発生する。

0023

続いて、シフト量S1,S2におけるシフト方向の反転について説明する。図7は区間信号dua,dubの設定状況、つまりシフト量S1,S2の設定状況の一例を示すタイミングチャートである。なお、図7に示される状況とは、電圧指令値Vuおよび基礎デューティDu1が一定に保たれた状況である。また、図7においては、シフト量S1に基づき設定される第1区間信号duaが実線で示され、シフト量S2に基づき設定される第2区間信号dubが破線で示される。

0024

図7に示すように、シフト量S1,S2はキャリア周期毎に更新されることから、基礎デューティDu1が一定に保たれる場合であっても、区間信号dua,dubの一方が増加方向に更新され、区間信号dua,dubの他方が減少方向に更新される。そして、増加方向に更新される第1区間信号duaが、上限値である100%に到達した場合(符号Xa)には、シフト量S1,S2のシフト方向つまり区間信号dua,dubの増減方向が反転するため、第1区間信号duaが減少方向に更新され、第2区間信号dubが増加方向に更新される。その後、増加方向に更新される第2区間信号dubが、上限値である100%に到達した場合(符号Xb)には、シフト量S1,S2のシフト方向つまり区間信号dua,dubの増減方向が反転するため、第1区間信号duaが増加方向に更新され、第2区間信号dubが減少方向に更新される。

0025

このように、指令デューティDu2を構成する第1および第2区間信号dua,dubは、基礎デューティDu1を中心に周期的に増減するように設定される。また、第1区間信号duaが増加する際には第2区間信号dubが減少する一方、第1区間信号duaが減少する際には第2区間信号dubが増加する。このような指令デューティDu2に基づいてPWM信号Puを設定し、このPWM信号Puを用いて電動モータ11を駆動制御することにより、PWM制御に伴う電動モータ11の電磁騒音を低減することができる。

0026

[電動モータの電磁騒音低減]
以下、指令デューティDu2による電動モータ11の電磁騒音低減について説明する。図8は比較例のPWM信号Pu’を示す図であり、図9は実施例のPWM信号Puを示す図である。また、図10は比較例のPWM信号Pu’と実施例のPWM信号Puとを比較する図である。図8に比較例として示したPWM信号Pu’とは、キャリア信号と基礎デューティDu1とを比較することで設定されたPWM信号である。一方、図9に実施例として示したPWM信号Puとは、キャリア信号と指令デューティDu2とを比較することで設定されたPWM信号である。なお、図8および図9に示される状況とは、電圧指令値Vuおよび基礎デューティDu1が一定に保たれた状況である。

0027

図8に示すように、キャリア信号が基礎デューティDu1を下回る領域では、PWM信号Pu’がハイレベルに設定され、キャリア信号が基礎デューティDu1を上回る領域では、PWM信号Pu’がローレベルに設定される。このように設定される比較例のPWM信号Pu’は、図10(a)に示すように、キャリア周期P1に相当する一定の周期Txでオン時間toが出現するPWM信号である。一方、図9に示すように、キャリア信号が指令デューティDu2(区間信号dua,dub)を下回る領域では、PWM信号Puがハイレベルに設定され、キャリア信号が指令デューティDu2(区間信号dua,dub)を上回る領域では、PWM信号Puがローレベルに設定される。このように設定される実施例のPWM信号Puは、図10(b)に示すように、互いに異なる周期Ta〜Teでオン時間toが出現するPWM信号である。

0028

ここで、図9に示すように、指令デューティDu2を構成する第1区間信号duaは、基礎デューティDu1よりも増加側に設定されており、指令デューティDu2を構成する第2区間信号dubは、基礎デューティDu1よりも減少側に設定されている。このため、図9に符号t1で示すように、PWM信号Puがハイレベルに切り替えられるタイミングを早めることができ、符号t2で示すように、PWM信号Puがローレベルに切り替えられるタイミングを早めることができる。すなわち、指令デューティDu2を用いてPWM信号Puを設定することにより、PWM信号Puのオン時間toを矢印a方向に進めることができる。このように、オン時間toの位相をずらす一対の区間信号dua,dubは、基礎デューティDu1を中心に周期的に増減している。このため、図10(b)に示すように、実施例のPWM信号Puにおいては、互いに異なる周期Ta〜Teでオン時間toを出現させることができる。なお、前述したように、指令デューティDu2(区間信号dua,dub)が上限値や下限値に達した場合には、シフト量S1,S2のシフト方向つまり区間信号dua,dubの増減方向が反転する。このため、図10(a)に矢印a,bで示すように、PWM信号Puのオン時間toは、キャリア周期P1内で周期的に往復する。

0029

前述したように、オン時間toの出現周期が変化するPWM信号Puを用いることにより、PWM制御におけるキャリア周波数を一定に維持しながら、インバータ12に組み込まれるスイッチング素子SW1,SW2の駆動周期をキャリア周波数からずらすことができる。これにより、電動モータ11のモータ巻線に生じる電流リップル等の発生周期をずらすことができるため、電動モータ11の電磁騒音を抑制することができる。しかも、キャリア周波数を一定に維持することができるため、基礎デューティDu1および指令デューティDu2の更新周期をキャリア周波数に合わせることができ、電動モータ11の制御精度を向上させることができる。

0030

ここで、図11(a)は、比較例のPWM信号Pu’による電動モータ11の電磁騒音を示す図であり、図11(b)は、実施例のPWM信号Puによる電動モータ11の電磁騒音を示す図である。図11においては、縦軸に電磁騒音の振幅スペクトルが示され、横軸に電磁騒音の周波数が示されている。図10(a)に示すように、一定の周期Txでオン時間toが出現するPWM信号Pu’を用いて電動モータ11を制御した場合には、図11(a)に示すように、電磁騒音の周波数成分が特定の周波数に集中することから、周波数成分の振幅スペクトルが高い強度で現れることになる。これに対し、図10(b)に示すように、互いに異なる周期Ta〜Teでオン時間toが出現するPWM信号Puを用いて電動モータ11を制御した場合には、図11(b)に示すように、電磁騒音の周波数成分が幅広い周波数に分散することから、周波数成分の振幅スペクトル強度を抑制することができる。これにより、電動モータ11の電磁騒音を抑制することができる。

0031

しかも、図9に示すように、基礎デューティDu1と第1区間信号duaとの第1乖離量に相当するシフト量S1の絶対値と、基礎デューティDu1と第2区間信号dubとの第2乖離量に相当するシフト量S2の絶対値とは、互いに等しい値に設定されている。このため、図9に示した時間t1,t2を互いに一致させることができるため、PWM信号Puにおけるオン時間toの長さを維持したまま、オン時間toの出現周期をずらすことができる。これにより、PWM信号Pu’に代えてPWM信号Puを用いた場合であっても、電動モータ11に対する供給電力を増減させることなく、電動モータ11の電磁騒音を抑制することができる。なお、図示する例では、キャリア信号の三角波形状二等辺三角形に設定されている。

0032

本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、モータ制御装置10によって制御される電動モータとしては、電気自動車やハイブリッド車両に搭載される電動モータ11に限られることはなく、PWM信号を用いて制御される電動モータであれば如何なる電動モータであっても良い。また、前述の説明では、シフト量S1,S2の増減量を一定(10%)に設定しているが、これに限られることはなく、シフト量S1,S2の増減量を変化させても良い。また、前述の説明では、シフト量S1,S2のシフト方向を反転する際の下限値の例として0%を挙げ、上限値の例として100%を挙げているが、これに限られることはない。例えば、下限値として例えば10%を採用しても良く、上限値として例えば90%を採用しても良い。

0033

前述の説明では、キャリア信号として三角波信号を採用しているが、これに限られることはなく、他の形式のキャリア信号を採用しても良い。また、前述の説明では、シフト量S1の絶対値とシフト量S2の絶対値とを互いに一致させているが、これに限られることはなく、シフト量S1の絶対値とシフト量S2の絶対値とを変化させても良い。また、前述の説明では、指令デューティDu2を設定する際に、キャリア信号の谷C2を境に、一方側に第1区間信号duaを設定し、他方側に第2区間信号dubを設定しているが、これに限られることはなく、キャリア信号の山C1を境に、一方側に第1区間信号duaを設定し、他方側に第2区間信号dubを設定しても良い。

0034

10モータ制御装置
11電動モータ
22パルス設定部
34基礎デューティ設定部(第1デューティ設定部)
35指令デューティ設定部(第2デューティ設定部)
Vu,Vv,Vw電圧指令値(電圧指令信号)
Du1,Dv1,Dw1 基礎デューティ(第1デューティ信号)
Du2,Dv2,Dw2 指令デューティ(第2デューティ信号)
dua 第1区間信号
dub 第2区間信号
Pu,Pv,PwPWM信号
S1シフト量(第1乖離量)
S2 シフト量(第2乖離量)

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