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課題
解決手段
発電計画作成装置1において、負荷予測部11は、電力系統内の負荷電力を予測し、再生可能利用発電電力予測部12は、再生可能エネルギー利用発電設備3の発電電力を予測する。供給電力シナリオ作成部17は、負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて電力シナリオを複数とおり作成する。発電計画算出部18は、複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して発電計画を作成する。発電計画評価部20は、発電計画算出部18が作成した発電計画に基づき複数台の内燃力発電設備2のそれぞれが複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、複数台の内燃力発電設備2の中から起動させるべき内燃力発電設備2を決定して最適な発電計画を算出する。
概要
背景
近年、環境意識の高まりから、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーを利用した発電設備の電力系統への導入が促進されてきている。再生可能エネルギーを利用した発電設備では、その発電量は天候に支配されるため、出力が不安定(不確定)であるという課題がある。
ここで、電力系統においては、発電電力と負荷電力の需給が釣り合っている必要がある。しかし、発電電力が不安定な再生可能エネルギーを利用した発電機を電力系統と連系すると、発電電力と負荷電力の需給バランスが崩れてしまい、電圧変動や周波数変動により、最悪の場合は電力系統が停止してしまう事態に陥る。
上記の電力系統の停止といった事態を避けるため、従来より、再生可能エネルギーを利用した発電設備が連系されていない電力系統において、過去の気象条件から負荷電力の予測を行ってこれを用いて発電機の出力電力の配分を決定する方法が用いられている。これによれば、負荷電力予測値と発電すべき電力が等しくなるよう発電機の出力電力を割り振っている。その際に、燃料コストや起動コスト等の発電機の運用コストが最も小さくなるように各発電機の発電出力の割り振りが行われる。このように、電力の需給バランスを崩して電力系統が停止してしまうといった事態に陥らないようにするために、発電機の運用計画を作成している。
電力系統に再生可能エネルギーを利用した発電設備が連系されている場合であっても、発電計画を作成することの必要性は変わらない。例えば、特許文献1では、再生可能エネルギーを利用した発電設備の発電量の予測誤差を分析して、再生可能エネルギーを利用した発電設備の発電量に対する不確実性をグラフ表示する技術について開示している。かかる技術によれば、利用者は、再生可能エネルギーを用いた発電設備が連系されている電力系統について、発電計画を適切に評価することができる、とされている。
概要
再生可能エネルギーを利用した発電設備の出力の不確定性を考慮しつつ、利用者によらず一義的に最適な発電計画を提示することのできる技術を提供する。発電計画作成装置1において、負荷予測部11は、電力系統内の負荷電力を予測し、再生可能利用発電電力予測部12は、再生可能エネルギー利用発電設備3の発電電力を予測する。供給電力シナリオ作成部17は、負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて電力シナリオを複数とおり作成する。発電計画算出部18は、複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して発電計画を作成する。発電計画評価部20は、発電計画算出部18が作成した発電計画に基づき複数台の内燃力発電設備2のそれぞれが複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、複数台の内燃力発電設備2の中から起動させるべき内燃力発電設備2を決定して最適な発電計画を算出する。
目的
本発明は、再生可能エネルギーを利用した発電設備を連系する電力系統について発電計画を作成する際に、再生可能エネルギーを利用した発電設備の出力の不確定性を考慮しつつ、利用者によらず一義的に最適な発電計画を提示することのできる技術を提供する
効果
実績
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請求項1
再生可能エネルギー利用発電設備を含む電力系統において、複数台から構成される内燃力発電設備の発電計画を作成する発電計画作成装置であって、前記電力系統内の負荷電力を予測する負荷予測部と、前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力を予測する再生可能利用発電電力予測部と、前記電力系統内の負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて、前記複数台の内燃力発電設備が供給すべき電力を表す電力シナリオを複数とおり作成するシナリオ作成部と、前記複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して前記内燃力発電設備を効率的に起動させるための発電計画を複数作成する発電計画算出部と、前記発電計画算出部が作成した発電計画に基づき前記複数台の内燃力発電設備のそれぞれが前記複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、前記複数台の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して最適な発電計画を算出する評価部と、前記評価部で算出された最適な発電計画を出力する発電計画出力部と、を備えることを特徴とする発電計画作成装置。
請求項2
前記発電計画算出部は、前記電力シナリオが表す電力を供給する際の発電コストを最小化するように前記内燃力発電設備ごとに起動および停止のいずれかを設定してこれを前記発電計画とし、前記評価部は、前記複数とおりの電力シナリオの全てに対し各内燃力発電設備が起動と設定されている割合を示す起動確率を算出し、算出した前記起動確率が所定のしきい値以上であるか否かに基づき、前記複数の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して、これを最適な発電計画とすることを特徴とする請求項1記載の発電計画作成装置。
請求項3
前記シナリオ作成部は、前記負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測誤差の平均値及び標準偏差を用いて、前記内燃力発電設備が供給すべき電力を複数とおり設定して、前記複数とおりの電力シナリオを作成することを特徴とする請求項2記載の発電計画作成装置。
請求項4
前記シナリオ作成部は、前記負荷電力の予測値から前記再生可能利用発電電力の予測値を減算して得られる値に、前記負荷電力の前記予測誤差の平均値から前記再生可能利用発電電力の前記予測誤差の平均値を減算して得られる値を加算して、これを前記内燃力発電設備の電力予測値の予測誤差を含めた確率分布の平均として、前記電力シナリオを作成することを特徴とする請求項3記載の発電計画作成装置。
請求項5
再生可能エネルギー利用発電設備を含む電力系統において、複数台から構成される内燃力発電設備の発電計画を作成する発電計画作成処理を情報処理装置に実行させるための発電計画作成プログラムであって、前記電力系統内の負荷電力を予測し、前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力を予測し、前記電力系統内の負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて、前記複数台の内燃力発電設備が供給すべき電力を表す電力シナリオを複数とおり作成し、前記複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して前記内燃力発電設備を効率的に起動させるための発電計画を複数作成し、前記作成した発電計画に基づき前記複数台の内燃力発電設備のそれぞれが前記複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、前記複数台の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して最適な発電計画を算出し、前記算出された最適な発電計画を出力する、ことを特徴とする発電計画作成プログラム。
請求項6
再生可能エネルギー利用発電設備を含む電力系統において、複数台から構成される内燃力発電設備の発電計画を作成する発電計画作成方法であって、前記電力系統内の負荷電力を予測し、前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力を予測し、前記電力系統内の負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて、前記複数台の内燃力発電設備が供給すべき電力を表す電力シナリオを複数とおり作成し、前記複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して前記内燃力発電設備を効率的に起動させるための発電計画を複数作成し、前記作成した発電計画に基づき前記複数台の内燃力発電設備のそれぞれが前記複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、前記複数台の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して最適な発電計画を算出し、前記算出された最適な発電計画を出力する、ことを特徴とする発電計画作成方法。
技術分野
背景技術
0002
近年、環境意識の高まりから、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーを利用した発電設備の電力系統への導入が促進されてきている。再生可能エネルギーを利用した発電設備では、その発電量は天候に支配されるため、出力が不安定(不確定)であるという課題がある。
0003
ここで、電力系統においては、発電電力と負荷電力の需給が釣り合っている必要がある。しかし、発電電力が不安定な再生可能エネルギーを利用した発電機を電力系統と連系すると、発電電力と負荷電力の需給バランスが崩れてしまい、電圧変動や周波数変動により、最悪の場合は電力系統が停止してしまう事態に陥る。
0004
上記の電力系統の停止といった事態を避けるため、従来より、再生可能エネルギーを利用した発電設備が連系されていない電力系統において、過去の気象条件から負荷電力の予測を行ってこれを用いて発電機の出力電力の配分を決定する方法が用いられている。これによれば、負荷電力予測値と発電すべき電力が等しくなるよう発電機の出力電力を割り振っている。その際に、燃料コストや起動コスト等の発電機の運用コストが最も小さくなるように各発電機の発電出力の割り振りが行われる。このように、電力の需給バランスを崩して電力系統が停止してしまうといった事態に陥らないようにするために、発電機の運用計画を作成している。
0005
電力系統に再生可能エネルギーを利用した発電設備が連系されている場合であっても、発電計画を作成することの必要性は変わらない。例えば、特許文献1では、再生可能エネルギーを利用した発電設備の発電量の予測誤差を分析して、再生可能エネルギーを利用した発電設備の発電量に対する不確実性をグラフ表示する技術について開示している。かかる技術によれば、利用者は、再生可能エネルギーを用いた発電設備が連系されている電力系統について、発電計画を適切に評価することができる、とされている。
先行技術
0006
特開2012−34444号公報
発明が解決しようとする課題
0007
上記の従来における方法では、作成された発電計画を、利用者が具体的にどのような指標に基づき評価すべきかについては示されていない。すなわち、特許文献1に記載された技術によれば、複数とおりの発電計画に対する評価の指標が提示されないため、利用者によって異なる発電計画が採用される可能性がある。
0008
本発明は、再生可能エネルギーを利用した発電設備を連系する電力系統について発電計画を作成する際に、再生可能エネルギーを利用した発電設備の出力の不確定性を考慮しつつ、利用者によらず一義的に最適な発電計画を提示することのできる技術を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0009
本発明の一態様に係る発電計画作成装置によれば、再生可能エネルギー利用発電設備を含む電力系統において、複数台から構成される内燃力発電設備の発電計画を作成する発電計画作成装置であって、前記電力系統内の負荷電力を予測する負荷予測部と、前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力を予測する再生可能利用発電電力予測部と、前記電力系統内の負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて、前記複数台の内燃力発電設備が供給すべき電力を表す電力シナリオを複数とおり作成するシナリオ作成部と、前記複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して前記内燃力発電設備を効率的に起動させるための発電計画を複数作成する発電計画算出部と、前記発電計画算出部が作成した発電計画に基づき前記複数台の内燃力発電設備のそれぞれが前記複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、前記複数台の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して最適な発電計画を算出する評価部と、前記評価部で算出された最適な発電計画を出力する発電計画出力部と、を備えることを特徴とする。
0010
本発明の一態様に係る発電計画作成プログラムによれば、再生可能エネルギー利用発電設備を含む電力系統において、複数台から構成される内燃力発電設備の発電計画を作成する発電計画作成処理を情報処理装置に実行させるための発電計画作成プログラムであって、前記電力系統内の負荷電力を予測し、前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力を予測し、前記電力系統内の負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて、前記複数台の内燃力発電設備が供給すべき電力を表す電力シナリオを複数とおり作成し、前記複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して前記内燃力発電設備を効率的に起動させるための発電計画を複数作成し、前記作成した発電計画に基づき前記複数台の内燃力発電設備のそれぞれが前記複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、前記複数台の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して最適な発電計画を算出し、前記算出された最適な発電計画を出力する、ことを特徴とする。
0011
本発明の一態様に係る発電計画作成方法によれば、再生可能エネルギー利用発電設備を含む電力系統において、複数台から構成される内燃力発電設備の発電計画を作成する発電計画作成方法であって、前記電力系統内の負荷電力を予測し、前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力を予測し、前記電力系統内の負荷電力及び前記再生可能エネルギー利用発電設備の発電電力の予測値と実績値の予測誤差を用いて、前記複数台の内燃力発電設備が供給すべき電力を表す電力シナリオを複数とおり作成し、前記複数とおりの電力シナリオのそれぞれに対して前記内燃力発電設備を効率的に起動させるための発電計画を作成し、前記作成した発電計画に基づき前記複数台の内燃力発電設備のそれぞれが前記複数とおりの電力シナリオをどの程度充足するかを判定して、前記複数台の内燃力発電設備の中から起動させるべき内燃力発電設備を決定して最適な発電計画を算出し、前記算出された最適な発電計画を出力する、ことを特徴とする。
発明の効果
0012
本発明によれば、再生可能エネルギーを利用した発電設備を連系する電力系統について発電計画を作成する際に、再生可能エネルギーを利用した発電設備の出力の不確定性を考慮しつつ、利用者によらず一義的に最適な発電計画を提示することが可能となる。
図面の簡単な説明
0013
実施形態に係る発電計画作成装置が適用される電力系統の構成例を示す図である。
実施形態に係る発電計画作成装置の構成図である。
発電計画作成装置による処理フローを示す図である。
負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測値を例示する図である。
算出した予測誤差の平均値及び標準偏差を例示する図である。
供給電力のシナリオ作成処理を示したフローチャートである。
シナリオ数が5の場合に作成するシナリオについて説明する図である。
発電計画を作成する際に使用する情報を例示する図である。
作成される発電計画を例示する図である。
最適な発電計画を算出する方法を説明する図である。
実施例
0014
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る発電計画作成装置が適用される電力系統の構成例を示す図である。
0015
電力系統は、内燃力発電設備2、再生可能エネルギーを利用した発電設備3及び負荷設備4を有する。図1の構成例においては、内燃力発電設備2はna台から構成され、「Ga1、Ga2、…Gana」と記載している。同様に、再生可能エネルギーを利用した発電設備(以下再生可能エネルギー利用発電設備)3は、nb台から構成され、「Gb1、Gb2、…Gbnb」と記載し、負荷設備4は、nc台から構成され、「L1、L2、…Lnc」と記載している。電力系統を構成する各設備の台数na、nb、ncは任意である。
0016
内燃力発電設備2は、本実施形態に係る発電計画作成装置1が作成する発電計画の対象となる発電設備であり、出力電力を調整可能である。再生可能エネルギー利用発電設備3は、太陽光発電設備や風力発電設備等がこれに当たる。再生可能エネルギー利用発電設備3の出力電力は、天候に支配されるため、出力が不安定(不確定)である。負荷設備4は、発電設備2、3から供給される電力を消費する。内燃力発電設備2、再生可能エネルギー利用発電設備3及び負荷設備4は、図1においては実線で示す電力ケーブルを介して電力系統に連系されている。また、これらの設備は、図1においては破線で示す通信ケーブルにより、通信ネットワーク100に接続されている。
0017
通信ネットワーク100には、電力系統のほか、気象サーバ5、発電計画作成装置1及び需給制御システム6が接続されている。
図1の発電計画作成装置1は、気象サーバ5から気象予報を取得し、再生可能エネルギー利用発電設備3で発生する発電電力と、負荷設備4で消費する電力を予測する。また、発電計画作成装置1は、通信ネットワーク100を介して発電設備2、3及び負荷設備4の電力計測値(実績値)を取得する。本実施形態に係る発電計画作成装置1は、こうして得られる負荷設備4や再生可能エネルギー発電設備3についての電力の予測値及び実績値を用いて、電力系統の内燃力発電設備2の発電計画を作成する。そして、この中から最適な発電計画を判断し、最適な発電計画を、通信ネットワーク100を介して需給制御システム6や内燃力発電設備2宛に送信する。
0018
図2は、本実施形態に係る発電計画作成装置1の構成図である。
図2に示すように、本実施形態に係る発電計画作成装置1は、負荷予測部11、再生可能利用発電電力予測部12、負荷データベース13、気象データベース14、再生可能利用発電電力データベース15、予測誤差算出部16、供給電力シナリオ作成部17、発電計画算出部18、発電機データベース19、発電計画評価部20及び発電計画出力部21を有する。
0019
負荷予測部11は、気象予報、負荷設備4の電力の過去の実績値及び過去の気象実績を用いて、負荷電力を予測する。気象予報は、図1の気象サーバ5から通信ネットワーク100を介して取得する。負荷電力の過去の実績値は、負荷データベース13に蓄積されている情報を、過去の気象実績は、気象データベース14に蓄積されている情報をそれぞれ参照する。負荷電力の過去の実績値は、負荷設備4に設置されている図1においては不図示の電力計測装置から通信ネットワーク100を介して取得し、負荷データベース13に蓄積する。過去の気象実績は、気象サーバ5から通信ネットワーク100を介して取得し、気象データベース14に蓄積する。
0020
負荷電力の予測方法としては、公知の各種の方法を用いることができる。例えば、パターンマッチングを用いて現在の気象予報と類似した過去の気象実績日を抽出し、抽出された日の負荷実績を用いる方法を用いることができる。あるいは、気象実績と負荷実績との関係を、ニューラルネットワークを用いてモデル化し、ニューラルネットワークに現在の気象予報を入力して負荷電力を予測する方法を用いてもよい。負荷予測部11は、求めた負荷電力の予測値を負荷データベース13に蓄積する。
0021
再生可能利用発電電力予測部12は、気象予報、再生可能利用発電電力の過去の実績値及び過去の気象実績を用いて、再生可能利用発電電力を予測する。気象予報及び過去の気象実績については、それぞれ気象サーバ5から取得した情報及び気象データベース14の情報を用いる。再生可能利用発電電力の過去の実績値については、再生可能エネルギー利用発電設備3に設置されている図1においては不図示の電力計束装置から通信ネットワーク100を介して取得し、再生可能利用発電電力データベース15に蓄積する。
0022
再生可能利用発電電力の予測方法としては、負荷電力の予測方法と同様に、公知の各種の方法を用いることができ、例えば、パターンマッチングを用いる方法や、ニューラルネットワークを用いる方法を用いることができる。再生可能利用発電電力予測部12は、求めた再生可能利用発電電力の予測値を再生可能利用発電電力データベース15に蓄積する。
0023
予測誤差算出部16は、負荷電力及び再生可能利用発電電力について、それぞれ過去の予測値と実績値とを用いて、予測誤差の統計指標を算出する。算出する統計指標は、平均値や標準偏差等である。
0024
供給電力シナリオ作成部17は、予測誤差算出部16にて算出した統計指標を利用して、すなわち、負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測値とその実績値との誤差とを用いて、内燃力発電設備2が供給すべき電力を表すシナリオを作成する。内燃力発電設備2が供給すべき電力は、負荷電力から再生可能利用発電電力を減算することにより求める。作成するシナリオ数については、任意の数を設定可能である。
0025
発電計画算出部18は、発電機データベース19を参照して、供給電力シナリオ作成部17が作成した複数のシナリオに対し、内燃力発電設備2が発電すべき発電計画を作成する。発電計画は、シナリオが表す電力の供給を行うには、複数台の内燃力発電設備2のいずれの設備を起動させるかを表す情報が含まれ、発電計画算出部18は、発電の効率性に基づき発電計画を作成する。
0026
発電機データベース19は、発電計画の作成に必要な情報を格納し、具体的には、各内燃力発電設備の定格電力、出力上下限、出力変化率上下限、最小連続停止時間、最小連続運転時間、燃料費特性等を格納する。これらの情報をどのように利用するかについては、後述する。
0027
発電計画評価部20は、発電計画算出部18が作成した所定数のシナリオに対する発電計画を評価して、最適な発電計画を算出する。最適な発電計画を算出する処理においては、複数台の内燃力発電設備2ごとに複数のシナリオをどの程度充足しているかを判定して、判定に基づき、いずれの設備を起動させるのが最適かを決定してこれを最適な発電計画とする。
0028
発電計画出力部21は、発電計画評価部20により最適と判断された発電計画を出力する。具体的には、最適と判断された発電計画を、通信ネットワーク100を介して需給制御システム6や内燃力発電設備2宛に送信する。需給制御システム6は、受信した発電計画を各内燃力発電設備2のリアルタイム制御に利用する。
0029
なお、図2では、予測誤差算出部16を備える構成を示しているが、本実施形態に係る発電計画作成装置1は、かかる構成に限定されるものではない。例えば、他の情報処理装置にて負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測誤差を算出し、図2の発電計画作成装置1は、算出された予測誤差の入力を受け付けてこれをメモリ等の記憶部に保持し、これを用いる構成としてもよい。
0030
本実施形態に係る発電計画作成装置1による発電計画を作成する処理について、具体的に説明する。
図3は、発電計画作成装置1による処理フローを示す図である。発電計画作成装置1は、予め設定された所定のタイミングで、あるいは利用者からの指示にしたがって、図3に示す一連の処理を開始する。
0031
まず、ステップS1で、負荷予測部11が、負荷電力の予測を行う。負荷予測部11は、気象サーバ5から送信された気象予報と、負荷データベース13の負荷電力の過去の実績値と、気象データベース14の過去の気象実績とを用いて、図2の説明において挙げたパターンマッチング等の各種の方法を用いて、負荷電力を予測する。負荷電力の予測値は、所定の時間範囲(期間)を対象に、所定の時間間隔で求める。
0032
図4(a)は、負荷電力の予測値を例示する図である。縦軸には、負荷電力の予測値[kW]をとり、横軸には、時刻をとる。
図4(a)に示すように、設例では、1日(24時間)を範囲として1時間間隔で負荷電力の予測値を求めている。これにより、24個の予測値を得る。
0033
ステップS2で、再生可能利用発電電力予測部12は、再生可能利用発電電力の予測を行う。再生可能利用発電電力予測部12は、気象サーバ5から送信された気象予報と、再生可能利用発電電力データベース15の再生可能利用発電電力の過去の実績値と、気象データベース14の過去の気象実績とを用いて、これについても図2の説明において挙げたパターンマッチング等の各種の方法を用いて、再生可能利用発電電力を予測する。再生可能利用発電電力の予測値は、負荷電力の予測値を求めた期間と同様の期間について、同様の時間間隔で求める。
0034
図4(b)は、再生可能利用発電電力の予測値を例示する図である。縦軸には、再生可能利用発電電力の予測値[kW]をとり、横軸には、時刻をとる。
図4(b)に示すように、設例では、図4(a)の負荷電力の予測値と同様に、再生可能利用発電電力の予測値についても、1日(=24時間)を範囲として1時間間隔で当該予測値を求めている。これにより、再生可能利用発電電力に関しても、24個の予測値を得る。
0035
ステップS3で、予測誤差算出部16は、負荷データベース13及び再生可能利用発電電力データベース15にそれぞれ格納されている負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測値及び実績値の組を用いて、負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測誤差を算出する。ここでは、予測値を求める際に設定した所定の時間範囲(1日)について、所定の時間間隔(1時間)ごとの負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測誤差の平均値及び標準偏差を算出する。予測誤差の平均値及び標準偏差の算出に際しては、時刻t(から1時間の間)における予測値と実績値の組をn組使用することとする。このとき、予測誤差ERt,dを以下のように定義する。
0036
0037
上の(1)式において、ERt,dは、時刻t、データdにおける予測誤差(%)、ft,dは、時刻t、データdにおける予測値(kW)、at,dは、時刻t、データdにおける実績値(kW)である。
0038
(1)式より、実績値at,dに対し予測値ft,dが小さければ、予測誤差ERt,d<0に、実績値at,dに対し予測値ft,dが大きければ、予測誤差ERt,d>0となることがわかる。
0039
時刻tにおける予測誤差ERt,dの平均値及び標準偏差は、以下の(2)式及び(3)式よりそれぞれ求める。
0040
0041
上の(2)式及び(3)式において、Ave(ERt)は、時刻tにおける予測誤差の平均値(%)であり、Std(ERt)は、時刻tにおける予測誤差の標準偏差である。
図5は、算出した予測誤差の平均値及び標準偏差を例示する図である。図5においては、負荷電力または再生可能利用発電電力のいずれかについて算出した予測誤差の平均値及び標準偏差を例示する。
0042
図5に示すように、予測誤差の平均値及び標準偏差は、時間帯により異なる。本実施形態に係る発電計画作成装置1は、各時間帯すなわち時間断面ごとに内燃力発電設備2が供給すべき供給電力のシナリオを、複数とおり作成する。
0043
図3の説明に戻ると、ステップS3で負荷電力及び再生可能利用発電電力のそれぞれについて予測誤差の平均値及び標準偏差を算出すると、処理をステップS4へと移行させる。ステップS4では、供給電力シナリオ作成部17は、ステップS1で求めた負荷電力の予測値、ステップS2で求めた再生可能利用発電電力の予測値、及びステップS3で求めた予測誤差の平均値と標準偏差とを用いて、時間断面ごとに内燃力発電設備2が供給すべき供給電力のシナリオを作成する。
0044
図6は、供給電力シナリオ作成部17による供給電力のシナリオ作成処理を示したフローチャートであり、ステップS4の詳細フローを示す。
まず、ステップS11で、シナリオ数Iを設定する。シナリオ数Iについては、先に図2を参照して述べたように、任意の数を設定可能である。
0045
ステップS12で、作成したシナリオをカウントし、識別する「i」を初期化して1を設定し、ステップS13で、i番目のシナリオである「シナリオi」を作成する。ステップS14で、iの値が上記の設定シナリオ数Iに等しいかを判定し、i<Iである場合は、ステップS15でiに1を加算し、ステップS13に戻る。ステップS14でiの値がシナリオ数Iに等しくなると、I個のシナリオを作成したとして、処理を終了する。
0046
ステップS13で作成する供給電力のシナリオに関して、具体的に説明する。
負荷電力の予測誤差と再生可能利用発電電力の予測誤差とは、互いに独立している。このことから、予測誤差が正規分布にしたがう場合には、内燃力発電設備2が供給すべき電力、すなわち、負荷電力の予測値から再生可能利用発電電力の予測値を減算して得られる電力予測値の誤差についても、正規分布にしたがう。したがって、内燃力発電設備2が供給すべき電力は、ステップS3でそれぞれ求めた負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測誤差の平均値及び標準偏差から算出することが可能である。
0047
具体的には、まず、ステップS1の負荷電力の予測値とステップS2の再生可能利用発電電力の予測値との差分を求める。そして、予測値同士の差分に対して、負荷電力及び再生可能利用発電電力のそれぞれの予測誤差の平均同士でとった差分を加算し、これを内燃力発電設備2の電力予測値の予測誤差を含めた確率分布の平均mとする。
(内燃力発電設備の電力予測値の予測誤差を含めた確率分布の平均m)
=(負荷電力の予測値−再生可能利用発電電力の予測値)+(負荷電力の予測誤差の平均−再生可能利用発電電力の予測誤差の平均)
そして、内燃力発電設備2の電力予測値が確率分布の平均mに一致する場合、m±σ(σは標準偏差)の場合、m±2σの場合、…の各場合の有効電力を、内燃力発電設備2が供給すべき電力のシナリオとして設定する。なお、標準偏差σは、負荷電力及び再生可能利用発電電力の予測誤差の標準偏差をσ1、σ2とすると、σ=(σ12+σ22)1/2より求めることができる。
0048
なお、ここで説明した供給電力のシナリオの算出方法に関しては、一例を示すものであり、これに限定されるものではない。
以下の実施例においては、シナリオ数I=5の場合を例に説明する。
0049
図7は、シナリオ数I=5の場合に作成するシナリオについて説明する図である。図7のグラフの縦軸は有効電力[kW]を、横軸は時間[時]を表わす。
図7においては、所定の時間範囲(24時間)において、内燃力発電設備2が供給すべき供給電力、すなわち、電力予測値が各時間断面でどのように変化するかを表した5本のグラフを示す。これは、先の説明と同様に電力予測値を上記の確率分布の平均m、標準偏差σとすると、上から順にm+2σ、m+σ、m、m−σ、m−2σの場合に対応するグラフである。
0050
発電計画作成装置1の供給電力シナリオ作成部17は、図7の例では、各時間断面における内燃力発電設備2が供給すべき供給電力が、mとなる場合、m+σとなる場合、m−σとなる場合、m+2σとなる場合及びm−2σとなる場合の有効電力を、シナリオに設定する。設例では、内燃力発電設備2の供給電力が小さい場合から、すなわち、内燃力発電設備2の電力予測値が、m−2σの場合、m−σの場合、mに一致する場合、m+σの場合及びm+2σの場合の順に、シナリオ1、2、…、5とする。
0051
I個のシナリオは、予測値を求める際に設定した所定の時間範囲(期間)について、時間断面ごとに求める。設例では、1日すなわち24時間の期間について、1時間ごとにそれぞれ5つのシナリオを作成する。
0052
なお、実施例では、作成するシナリオ数I=5の場合を例示するが、これに限定されるものではなく、シナリオ数Iとしては、任意の値を設定することができる。例えば、I=3とし、内燃力発電設備2の電力予測値が上記の定義より求まるmに一致する場合と、m+σとなる場合及びm−σとなる場合をシナリオに設定する構成としてもよい。あるいは、I=7とし、I=5の場合の5とおりのシナリオに加えて、更に、内燃力発電設備2の電力予測値がm+3σとなる場合及びm−3σとなる場合を含む構成としてもよい。
0053
図3のステップS4で、供給電力のシナリオを作成すると、ステップS5へと処理を移行させる。ステップS5では、発電計画算出部18が、図2の発電機データベース19に格納されている内燃力発電設備2に関する各種の情報を参照して、ステップS4で時間断面ごとに所定数ずつ作成したシナリオのそれぞれに対する発電計画を作成する。
0054
図8は、発電計画を作成する際に使用する情報を例示する図である。図8(a)は、内燃力発電設備2のそれぞれの定格出力を、図8(b)は、ある時間断面についての各シナリオに対する供給電力の予測値を例示する。
0055
図8(a)に示す例では、内燃力発電設備2は、4台から構成され、それぞれの定格出力は、200、300、400、600[kW]である。内燃力発電設備2の定格出力は、図2の発電機データベース19に格納されている。
0056
また、図8(b)に示す例では、5つのシナリオ1〜5それぞれに対する内燃力発電設備2の供給電力の予測値は、360、440、520、600、680[kW]である。供給電力の予測値は、図3のステップS4において先に説明した方法によって算出される。
0057
発電計画作成装置1の発電計画算出部18は、図8(a)の各内燃力発電設備2の定格出力や出力上下限,出力変化率上下限,最小連続停止時間,最小連続運転時間,燃料費特性等,発電機データベース19に格納されている情報と,と図8(b)の供給電力の予測値とを用いて、発電計画を作成する。具体的には、発電機(内燃力発電設備2)の発電コストの最小化問題として、以下のように目的関数及び制約条件を定式化し、これを解くことにより、発電計画を作成する。
0058
まず、目的関数として、内燃力発電設備2の発電コストを表す式を生成し、例えば、以下の式で表される。
0059
0060
上式において、COSTiは、シナリオiの供給電力に対し、内燃力発電設備2で電力供給する際の発電コストを表す。(4)式中のPj,tは、発電機jの時刻tにおける発電出力であり、aj、bj、cjは、いずれも発電機jの燃料費特性の係数である。発電機jの燃料費特性に関しては、発電機データベース19に格納されている。uj,tは、発電機jの時刻tにおける起動停止変数であり、値「0」は停止状態であり、値「1」は運転状態であることを表す。Δujは、発電機jの起動の有無を表し、値「0」は起動なしであり、値「1」は起動ありであることを表す。Kjは、発電機jの起動費を表し、発電機データベース19に格納されている。
0061
次に、制約条件として、<1>需給バランス制約、<2>発電機出力上下限制約、<3>発電機出力変化率上下限制約、<4>発電機の最小連続停止時間制約及び<5>発電機の最小連続運転時間制約による制約条件として、以下の数式群を生成する。
0062
<1>需給バランス制約を表す式は、以下のように表される。
0063
(5)式において、Litは、時刻tにおいてシナリオiで供給すべき電力を表す。Litは、先に説明した図3のステップS4において算出される。
0064
<2>発電機出力上下限制約を表す式は、以下のように表される。
0066
<3>発電機出力変化率上下限制約を表す式は、以下のように表される。
0067
(7)式において、ΔPjdown maxは、発電機jの下降側最大変化率であり、ΔPjup maxは、発電機jの上昇側最大変化率である。発電機の下降側最大変化率及び上昇側最大変化率は、発電機データベース19に格納される。
0068
<4>発電機の最小連続停止時間制約を表す式は、以下のように表される。
0069
(8)式において、mintjは、発電機jの最小連続停止時間であり、発電機データベース19に格納される。
0070
<5>発電機の最小連続運転時間制約を表す式は、以下のように表される。
0071
(9)式において、minrjは、発電機jの最小連続運転時間であり、発電機データベース19に格納される。
なお、<4><5>の発電機の最小連続停止/運転時間の制約は、内燃力発電機の種類によっては不要のこともある。
0072
上記の(4)式〜(9)式を解くことにより、内燃力発電設備2の発電コストを最小とする内燃力発電設備2の供給電力が求まる。
上記の問題の解法としては、メタヒューリスティック手法を用いることができる。より具体的には、遺伝的アルゴリズム(GA)とその改良手法、シミュレーティッドアニーリング(SA、焼きなまし法)とその改良手法、タブサーチ(TS)とその改良手法等を用いることができる。
0073
なお、上記の定式化は、あくまでも一例を示すものであり、目的関数、制約条件ともに上記に縛られるものではない。
図9は、作成される発電計画を例示する図である。図9の発電計画は、図8(b)の5とおりのシナリオにそれぞれ対応している。シナリオ1〜5のそれぞれにおいて起動する発電機は丸印で、停止させる発電機は符合「−」で表している。
0074
このように、発電計画算出部18は、各時間断面につき、複数のシナリオのそれぞれに対して発電計画を作成する。設例では、各シナリオ1〜5に対し、発電計画を作成する時間範囲、すなわち1日=24時間の時間断面のそれぞれにつき4台の発電機(内燃力発電設備2)ごとに起動/停止の状態を設定して、発電計画を作成する。
0075
図3のステップS5において発電計画を作成すると、処理をステップS6へと移行させる。ステップS6では、発電計画評価部20が、各シナリオにつき作成した発電計画を評価して、最適な発電計画を作成する。
0076
図10は、複数の発電計画を評価して最適な発電計画を算出する方法を説明する図である。
発電計画評価部20は、複数とおりの(設例では5とおりの)シナリオの全てについて作成した発電計画より、複数台の(設例では4台の)発電機(内燃力発電設備2)それぞれの起動確率を評価する。そして、起動確率が所定のしきい値以上の発電設備を起動させ、起動確率が当該しきい値未満の発電設備は停止させる起動停止計画を、最適な発電計画とする。
0077
ここで、発電機の起動確率とは、1台の発電機についての全てのシナリオに対する起動確率をいい、以下の式で定義する。
0078
0079
上の(10)式において、P(j)は、発電機jの起動確率(%)であり、nkidou(j)は、全てのシナリオに対する発電機jの起動数であり、Nは、全シナリオ数(=I)である。
0080
図10に示す例では、発電機G1〜G4それぞれの起動確率は、以下のように計算される。発電機G1に関しては、5つのシナリオ(N=5)に対し、シナリオ1、2の場合には発電機G1を起動し、シナリオ3、4、5の場合は発電機G1を停止する計画となっている。したがって、nkidou(G1)=2であるから、発電機G1の起動確率P(G1)は、
P(G1)=nkidou(G1)/N×100(%)=2/5×100(%)=40(%)
となる。発電機G2、G3、G4についても同様に、以下の計算式によりそれぞれの起動確率を得る。
P(G2)=nkidou(G2)/N×100(%)=4/5×100(%)=80(%)
P(G3)=nkidou(G3)/N×100(%)=3/5×100(%)=60(%)
P(G4)=nkidou(G4)/N×100(%)=1/5×100(%)=20(%)
このように、発電機G1〜G4それぞれの起動確率を算出し、起動確率が50%以上の場合は、その発電機は起動とし、起動確率が50%未満の場合は、その発電機は停止とする。こうして、最適な発電計画を作成する。
0081
設例では、起動確率が50%以上の発電機は、発電機G2とG3、起動確率が50%未満の発電機は、発電機G1とG4である。このことから、発電計画作成装置1の発電計画評価部20は、発電機G2、G3を起動、発電機G1、G4を停止とする発電計画を、最適な発電計画とする。
0082
発電計画評価部20は、各時間断面につき最適な発電計画を算出する。設例では、24時間の時間範囲の時間断面ごとに、すなわち、24の最適な発電計画を算出する。
図3のステップS6で、上記のように最適な発電計画を算出すると、処理をステップS7へと移行させる。ステップS7では、発電計画出力部21が、算出された最適な発電計画を、通信ネットワーク100を介して内燃力発電設備2のそれぞれの制御部に送信するとともに、需給制御システム6にも送信する。需給制御システム6は、受信した発電計画にしたがって、各内燃力発電設備2のリアルタイム制御を行う。
0083
以上説明したように、本実施形態に係る発電計画作成装置1によれば、発電電力が不確定な再生可能エネルギーを利用した発電機を電力系統に連系した場合であっても、発電電力の不確定性を考慮しつつ、再生可能エネルギーを利用した発電機以外の発電機(内燃力発電設備2)の運用コストを考慮した最適な発電計画を利用者に提示することが可能となる。発電計画作成装置1において所定の指標に基づき最適な発電計画を判断してこれを利用者に提示することにより、利用者によらずに一義的に最適な発電計画が得られる。
0084
本実施形態に係る発電計画作成装置1は、太陽光発電設備や風力発電設備等の再生可能エネルギー利用発電設備3、内燃力発電設備2及び負荷設備4で構成される電力系統において、太陽光発電設備における日射量変動や風力発電設備における風速変動等による再生可能エネルギー変動や、需要家の負荷変動に対してその変動を安定化するために利用することができる。このことから、特定の狭い地域にて電力の発生及び消費を行うマイクログリッドに適用することも可能であるし、大規模系統に適用することも可能である。
0085
なお、上記においては、発電計画作成装置1について説明しているが、本発明は、これには限定されず、上記の処理を実施する発電計画作成プログラムや発電計画作成方法についても、本発明に含まれる。これは、例えば汎用の情報処理装置において、図2の負荷予測部11、再生可能利用発電電力予測部12、予測誤差算出部16、供給電力シナリオ作成部17、発電計画算出部18、発電計画評価部20及び発電計画出力部21の機能に対応するプログラムをメモリ等の記憶部に記憶し、CPUがメモリを利用してこのプログラムを実行することにより実現される。
0086
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは言うまでもない。
0087
1発電計画作成装置
2内燃力発電設備
3再生可能エネルギー利用発電設備
4 負荷設備