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技術 需要電力予測装置、需要電力予測方法及びコンピュータプログラム

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 横瀬誉実
出願日 2015年8月31日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2015-170637
公開日 2017年3月9日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2017-050919
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電 特定用途計算機 給配電網の遠方監視・制御
主要キーワード 同一傾向 各電力機器 最小粒度 人間活動 最大需要量 活動時間帯 テーブル参照方式 実績電力
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

電力設備需要電力を正確に予測できるようにする。

解決手段

本発明は、電力設備2の需要電力を予測する装置に関する。この装置は、過去の気温と需要電力との間の相関係数a,bを、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶する記憶部12と、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の相関係数a,bを記憶部12から読み出し、読み出した相関係数a,bを予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における電力設備2の需要電力を算出する制御部11と、を備える。

概要

背景

エネルギー管理システム(Energy Management System:以下、「EMS」という。)の機能の1つとして、例えば線形計画法を利用して、電力設備に含まれる電力機器運転計画を算出することが知られている(特許文献1参照)。
運転計画の算出処理は、管理対象である電力機器の時間ステップごと変数モデル化した機器条件などを含む制約条件を設定し、設定した制約条件の下で、コストを最小にするなどの目的関数が満たされるように、時間ステップごとの電力機器の変数の解(運転計画)を求めるものである。

上記の運転計画の算出では、電力設備の需要電力予測値入力情報の1つとなることから、需要電力の予測値を正確に算出する必要がある。
かかる需要電力の予測値を算出する方法の従来技術として、例えば、特許文献2〜4に記載の技術が知られている。

特許文献2では、需要電力の予測対象日とその直近を含む予測気象グループの期間の気象と類似した実績気象グループの期間を抽出し、この予測気象グループと実績気象グループの期間の気象データ需要実績を使って需要予測モデルを作成する。
この需要予測モデルに、気象実績、需要実績あるいは予想気象を入力することにより予測対象日の需要予測して、この予測した需要を表示する。

特許文献3では、各日の最高気温と、その日の電力最大需要量と最小需要量とを抽出する。最高気温が同じであるが、需要量が異なる日が存在する場合は、各日の需要量の平均値を求める。そして、各気温の最大需要量と最小需要量を結び、気温別の電力需要量を示す需要カーブを作成する。
同様に、各日の最低気温と、その日の電力の最大需要量と最小需要量とを抽出して、気温別の電力需要量を示す需要カーブを作成する。この需要カーブに予測気温を当て嵌めることで需要予測を行う。

特許文献4では、3日間の暦区分が予測対象日と同一である過去日の中で、最高気温/最低気温が、予測対象日の最高気温/最低気温予報値に最も近い日を、上記予測対象日と最も類似する過去日(過去の類似日)として求める。そして、この過去の類似日の実績データを取得し、需要予測を行う。

概要

電力設備の需要電力を正確に予測できるようにする。 本発明は、電力設備2の需要電力を予測する装置に関する。この装置は、過去の気温と需要電力との間の相関係数a,bを、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶する記憶部12と、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の相関係数a,bを記憶部12から読み出し、読み出した相関係数a,bを予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における電力設備2の需要電力を算出する制御部11と、を備える。

目的

本発明は、上記従来の問題点に鑑み、電力設備の需要電力を正確に予測できる需要電力予測装置等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

電力設備需要電力予測する装置であって、過去の気温と需要電力との間の相関係数を、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶する記憶部と、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の前記相係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記相関係数を前記予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出する制御部と、を備える需要電力予測装置

請求項2

前記所定の時間帯の時間長は、前記電力設備を使用する事業体就業時間以下に設定されている請求項1に記載の需要電力予測装置。

請求項3

電力設備の需要電力を予測する処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記処理には、過去の気温と需要電力との間の相関係数を、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶する記憶処理と、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の前記相関係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記相関係数を前記予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出する算出処理と、が含まれるコンピュータプログラム。

請求項4

電力設備の需要電力を予測する方法であって、過去の気温と需要電力との間の相関係数を、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶するステップと、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の前記相関係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記相関係数を前記予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出するステップと、を含む需要電力予測方法

技術分野

0001

本発明は、需要電力予測装置及び方法と、コンピュータプログラムに関する。
具体的には、管理対象電力機器として負荷装置を含む電力設備の需要電力を予測する方法の改良に関する。

背景技術

0002

エネルギー管理システム(Energy Management System:以下、「EMS」という。)の機能の1つとして、例えば線形計画法を利用して、電力設備に含まれる電力機器の運転計画を算出することが知られている(特許文献1参照)。
運転計画の算出処理は、管理対象である電力機器の時間ステップごと変数モデル化した機器条件などを含む制約条件を設定し、設定した制約条件の下で、コストを最小にするなどの目的関数が満たされるように、時間ステップごとの電力機器の変数の解(運転計画)を求めるものである。

0003

上記の運転計画の算出では、電力設備の需要電力の予測値入力情報の1つとなることから、需要電力の予測値を正確に算出する必要がある。
かかる需要電力の予測値を算出する方法の従来技術として、例えば、特許文献2〜4に記載の技術が知られている。

0004

特許文献2では、需要電力の予測対象日とその直近を含む予測気象グループの期間の気象と類似した実績気象グループの期間を抽出し、この予測気象グループと実績気象グループの期間の気象データ需要実績を使って需要予測モデルを作成する。
この需要予測モデルに、気象実績、需要実績あるいは予想気象を入力することにより予測対象日の需要を予測して、この予測した需要を表示する。

0005

特許文献3では、各日の最高気温と、その日の電力最大需要量と最小需要量とを抽出する。最高気温が同じであるが、需要量が異なる日が存在する場合は、各日の需要量の平均値を求める。そして、各気温の最大需要量と最小需要量を結び、気温別の電力需要量を示す需要カーブを作成する。
同様に、各日の最低気温と、その日の電力の最大需要量と最小需要量とを抽出して、気温別の電力需要量を示す需要カーブを作成する。この需要カーブに予測気温を当て嵌めることで需要予測を行う。

0006

特許文献4では、3日間の暦区分が予測対象日と同一である過去日の中で、最高気温/最低気温が、予測対象日の最高気温/最低気温予報値に最も近い日を、上記予測対象日と最も類似する過去日(過去の類似日)として求める。そして、この過去の類似日の実績データを取得し、需要予測を行う。

先行技術

0007

特開2015−35941号公報
特許第5492848号公報
特開2014−180187号公報
特開2011−114944号公報

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献2では、気温変化が類似する期間について、需要電力の変化が類似すると見なすとともに、土日や祝日といった特異日の予測に関して、サンプル数が少ないために、平日の需要電力の実績値補正値を考慮して過去実績値として利用している。
しかし、平日と休日需要曲線の形状は異なり、また過去の同一時期の休日といった条件で得られる過去のサンプル数は少ないため、類似した期間をうまく抽出できない可能性も高く、予測に影響を与えることとなる。

0009

特許文献3では、気温の影響による電力需要の変化と、人間活動による電力需要変化の値を混在させたまま、需要電力のピーク値と気温の関係を算出している。
しかし、類似日の需要電力曲線に純粋に気温のみの補正を加えるためには、気温による影響のみを考慮した係数の算出が必要である。例えば、明け方と夜間が同じ気温であったとしても、需要家設備における設備の使用量には差があり、空調による消費電力量は異なる。このため、人間活動が盛んでない時間帯における気温の需要電力に与える影響が、活動時間帯に比べて相対的に大きく現れることが考えられる。

0010

特許文献4では、需要電力が同一傾向である過去日を選択し、最高/最低気温により類似度の判定を行っている。
しかし、一日の中での温度変化様態が無視されている。例えば、気温が急激に変化したような場合の電力需要の変化が無視されているので、予測誤差が大きくなる要因となるおそれがある。

0011

本発明は、上記従来の問題点に鑑み、電力設備の需要電力を正確に予測できる需要電力予測装置等を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

(1) 本発明の一態様に係る装置は、電力設備の需要電力を予測する装置であって、過去の気温と需要電力との間の相関係数を、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶する記憶部と、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の前記相関係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記相関係数を前記予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出する制御部と、を備える。

0013

(2) 本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、電力設備の需要電力を予測する処理を、コンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記処理には、過去の気温と需要電力との間の相関係数を、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶する記憶処理と、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の前記相関係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記相関係数を前記予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出する算出処理と、が含まれる。

0014

(3) 本発明の一態様に係る方法は、電力設備の需要電力を予測する方法であって、過去の気温と需要電力との間の相関係数を、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶するステップと、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の前記相関係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記相関係数を前記予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出するステップと、を含む。

発明の効果

0015

本発明によれば、電力設備の需要電力を精度よく予測することができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の実施形態に係る電力システムの構成例を示すブロック図である。
EMSサーバ機能的構成の一例を示すブロック図である。
計画期間計画刻み幅ステップ間隔)の説明図である。
電力設備における1年間分の気温と需要電力の関係を示すグラフである。
電力設備における特定の曜日の1時間の気温と需要電力の関係を示すグラフである。
各曜日の1時間ごとの相関係数の一例を示す説明図である。
気温に基づく需要予測の効果を表すグラフである。
平日1日の時間帯と工場内の所内人数との関係を表すグラフである。

実施例

0017

<本発明の実施形態の概要
以下、本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本発明の実施形態に係る装置は、電力設備の需要電力を予測する装置であって、過去の気温と需要電力との間の相関係数を、各曜日の所定の時間帯ごとに記憶する記憶部と、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の前記相関係数を前記記憶部から読み出し、読み出した前記相関係数を前記予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出する制御部と、を備える。

0018

本実施形態の需要電力予測装置によれば、制御部が、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の相関係数を記憶部から読み出し、読み出した相関係数を予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における前記電力設備の需要電力を算出する。
このため、負荷装置として空調設備などを有する電力設備の、人間活動の変化に応じて変動する需要電力を精度良く算出することができる。

0019

(2) 本実施形態の需要電力予測装置において、前記所定の時間帯の時間長は、前記電力設備を使用する事業体就業時間(例えば8時間)以下に設定されていることが好ましい。
その理由は、所定の時間帯が上記の時間を超える場合には、所内人数が大きく異なる状態での需要電力のデータが同じ時間帯に混在することになり、相関係数の精度が悪化する可能性があるからである。

0020

(3) 本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の需要電力予測装置が行う処理をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
このため、本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の需要電力予測装置と同様の作用効果を奏する。

0021

(4) 本実施形態の需要電力予測方法は、上述の需要電力予測装置が実行する需要電力の予測方法に関する。
このため、本実施形態の需要電力予測方法は、上述の需要電力予測装置と同様の作用効果を奏する。

0022

<本発明の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る電力システムの構成例を示すブロック図である。

0023

図1に示すように、本実施形態の電力システムは、EMSサーバ1と、EMSサーバ1の管理対象である電力設備2とを備える。EMSサーバ1は、電力設備2に含まれる各種の電力機器の運転状態を管理する。
本実施形態のEMSサーバ1は、例えばFEMS(Factory Energy Management System)サーバよりなる。従って、電力設備2は、工場内に配線された配電線3よりなる配電網と、配電線3に接続された負荷装置4、発電装置5及び蓄電装置6とを備える。

0024

負荷装置4には、例えば、生産機械などの電力調整が不可能あるいは可能であっても実際上調整が許されない非調整型の負荷装置が含まれる。負荷装置4には、照明エアコンなどの、消費電力の調整が可能な調整型の負荷装置が含まれていてもよい。
負荷装置4は、スマートタップ(図示せず)やスマート分電盤などの、制御と電力情報計測とが可能な機器を介して配電線3に接続されている。

0025

発電装置5には、例えば、ガスディーゼル油などの燃焼エネルギー又は燃料電池などの、化学変化によるエネルギー電気エネルギーに変換する発電装置が含まれる。発電装置5は、片方向のDC/AC変換器(図示せず)を介して配電線3に接続されている。
蓄電装置6には、例えば、レドックスフロー(RF)電池リチウムイオン電池溶融塩電池鉛蓄電池のうちの少なくとも1つが含まれる。蓄電装置6は、双方向のDC/AC変換器(図示せず)を介して配電線3に接続されている。

0026

本実施形態の電力設備2では、配電線3がスマートメーターなどの計測機器を介して電力系統商用電源)7と繋がっている。このため、電力設備2は、電力系統7に対する系統連系が可能となっている。

0027

EMSサーバ1は、通信線8を介して電力設備2の各種の電力機器と接続されており、各種の電力機器と有線LAN(Local Area Network)を構成している。EMSサーバ1と電力機器との通信は、無線LANなどの無線通信であってもよい。
EMSサーバ1は、複数種類制御指令E1〜E3を、電力設備2に含まれる通信可能な電力機器に送信可能である。EMSサーバ1は、電力設備2の運転状況を表す現在情報S1を、電力設備2に含まれる通信可能な電力機器から受信可能である。

0028

制御指令E1は、負荷装置4の制御に関連する制御指令である。例えば、EMSサーバ1は、負荷装置4が接続されたスマートタップを、制御指令E1によってオン又はオフすることができる。
EMSサーバ1は、負荷装置4に制御指令E1を送信することにより、当該負荷装置4に含まれる消費電力を調整可能な負荷の消費電力の調整を行うこともできる。

0029

制御指令E2は、発電装置5の制御に関連する制御指令である。例えば、EMSサーバ1は、発電装置5に接続されたDC/AC変換器を、制御指令E2によってオン又はオフすることができる。
EMSサーバ1は、発電量を調整可能な発電装置5に制御指令E2を送信することにより、当該発電装置5の発電量の調整を行うこともできる。

0030

制御指令E3は、蓄電装置6の制御に関連する制御指令である。例えば、EMSサーバ1は、蓄電装置6に接続されたDC/AC変換器を、制御指令E3によってオン又はオフすることができる。
EMSサーバ1は、配電線3に接続中の蓄電装置6に対する充電電力及び放電電力の少なくとも一方の調整を、制御指令E3によって行うこともできる。この調整は、例えば、DC/AC変換器に含まれるPWM回路に対するデューティ比の調整によって行われる。

0031

EMSサーバ1は、電力設備2の各種の変換器及びスマートタップの接続状況(オン/オフ)や、各装置4〜6の稼働状況電力値などよりなる現在情報S1を、所定時間(例えば1秒)ごとに収集している。
EMSサーバ1が取得する現在情報S1には、現時点における蓄電装置6の充電残量(以下、「SOC(State Of Charge)」ともいう。)の値もしくはSOCの算出に必要な現在情報も含まれる。

0032

現時点のSOC値は、テーブル参照方式電流積分方式、及びこれらの併用のいずれかの方式によって算出することができる。
テーブル参照方式は、電池セル端子電圧から推定される開放電圧に対応するSOC値を、予め記憶された参照デーブルから求める方式である。電流積分方式は、電池セルに流れる電流微小時間ごとに積分することにより、SOC値を算出する方式である。

0033

現時点のSOC値は、蓄電装置6が自律的に算出してEMSサーバ1に通知してもよいし、EMSサーバ1が算出してもよい。
前者の場合、蓄電装置6は、自身が算出したSOC値を現在情報S1としてEMSサーバ1に送信し、送信されたSOC値をEMSサーバ1の通信部13(図1参照)が受信する。従って、この場合には、EMSサーバ1の通信部13が現時点のSOC値の取得部となる。

0034

後者の場合、蓄電装置6は、現時点の電池セルの電圧値及び電流値を現在情報S1としてEMSサーバ1に送信し、EMSサーバ1の制御部11(図1参照)が、受信した電圧値及び電流値に基づいてSOC値を算出すればよい。
従って、この場合には、EMSサーバ1の制御部11自身が、現時点のSOC値の取得部となる。

0035

〔EMSサーバの構成〕
図1に示すように、EMSサーバ1は、制御部11、記憶部12及び通信部13を含むコンピュータ装置によって構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含む情報処理装置よりなる。記憶部12は、RAM(Random Access Memory)を含むメモリと、HDD(Hard Disk Drive)などよりなる大容量記憶部とを有する。

0036

図1では図示を省略しているが、EMSサーバ1には、電力設備2の管理者が操作入力を行うためのマウス及びキーボードなどを含む入力装置と、制御部11が出力する画像データを管理者に提示する液晶ディスプレイなどよりなる表示装置が接続されている。
通信部13は、有線LAN又は無線LANあるいはその他の通信方式により、電力設備2に含まれる各種の電力機器と通信可能である。

0037

制御部11は、記憶部12に格納されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、通信部13に対する通信制御、入力装置及び表示装置に対する入出力制御、管理対象である電力設備2のエネルギー管理などの各種の制御を行う。
通信部13は、制御部11による通信制御に基づき、電力設備2に含まれる通信可能な各電力機器に制御指令E1〜E3を送信し、電力設備2の運転状況を示す現在情報S1を、各電力機器から受信して制御部11に転送する。

0038

EMSサーバ1の制御部11は、電力設備2に対するエネルギー管理の一環として、「計画制御」と「動的制御」を実行することができる。
計画制御は、比較的長期(例えば24時間)に渡る電力設備2の将来の運転計画を算出し、算出した運転計画に従って電力機器を稼働させる制御である。動的制御は、例えば、運転計画の実行中に発生した需要増などの外乱に対応するために、所定の電力機器を稼働させる制御である。

0039

制御部11は、電力設備2に対するエネルギー管理に際して、電力系統7の受電点Q(図1参照)における電力需給バランスするように、電力設備2に含まれる負荷装置4、発電装置5及び蓄電装置6の稼働状態を制御する。
その理由は、例えば受電電力瞬時値)が大きく変動したために、受電電力の30分平均値が所定の目標電力(≦契約電力)を超えると、電力会社に対するペナルティが発生する可能性が高くなるからである。

0040

このため、制御部11は、収集した各種の現在情報S1に基づいて、電力設備2における現時点の需要電力を算出している。
電力設備2における現時点の電力需要は、現時点における受電電力(例えばスマートメーターの計測値)と、発電装置5による現時点の発電電力と、蓄電装置6による現時点の放電電力を合計して算出することができる。電力設備2における現時点の需要電力は、負荷装置4の現時点の消費電力を合計して算出することもできる。

0041

〔運転計画の算出装置の構成〕
図2は、EMSサーバ1の制御部11の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、EMSサーバ1の制御部11は、コンピュータプログラムの実行により実現される機能部分として、発電予測部31、需要予測部32、計画演算部33、及び計画実行部34を備えている。

0042

発電予測部31は、太陽光発電装置などの自然エネルギー発電装置が電力設備2に含まれる場合に、気象情報などに基づいて、当該発電装置の発電量の予測値を算出する。発電予測部31は、算出した予測値を記憶部12に含まれる発電予測用のデータベースDB1に記録する。
なお、自然エネルギー発電装置が含まれない電力設備2の場合には、発電予測部31を省略してもよいし、発電予測部31を機能させなくしてもよい。

0043

需要予測部32は、電力設備2における過去の需要電力の実績値(スマートメーターの計測値の時系列データ)及び気象情報などに基づいて、例えば統計的手法により電力設備2における将来の需要電力の予測値を算出する。
需要予測部32は、現時点から所定の予測期間(例えば24時間)だけ先までの需要電力の予測値を単位時間(例えば30分)ごとに算出し、算出した予測値を記憶部12に含まれる需要予測用のデータベースDB2に記録する。

0044

記憶部12には、3つのデータベースDB1,DB2,DB3が含まれている。データベースDB1は、発電量の予測値用のデータベースである。発電予測部31は、算出した発電量の予測値を、年月日データと対応づけて時系列にデータベースDB1に蓄積する。
データベースDB2は、需要電力の予測値用のデータベースである。需要予測部32は、算出した需要電力の予測値を、年月日データと対応づけて時系列にデータベースDB2に蓄積する。

0045

データベースDB3には、複数の相関係数a,bあるいは規定時間帯毎に独立であるその他のパラメータが記録されている。相関係数a,bは、気温と需要電力の関係を線形近似した場合に時間帯毎に規定する相関係数であり、例えば日曜日から土曜日までの各曜日の1時間ごとに、当該時間帯において適用すべき係数値として予め定められている。相関係数を規定する時間帯の区切りは曜日ではなく、平日、休日といった区切りでもよい。また、規定する時間帯の1期間の時間長も1時間ではなく、その他の時間長を設定してもよい。
需要予測部32は、予測時間tpに該当する時間帯の相関係数a,bをデータベースDB3から読み出し、この相関係数a,bを予測時間tpにおける予測気温T(tp)に適用して、当該予測時間tpにおける電力設備の需要電力P(tp)を算出する。

0046

なお、予測時間tpにおける予測気温T(tp)は、例えば所定の発表時刻気象庁から発表される気象情報に含まれる予想気温から求めた値を使用することができるほか、直近時刻の計測気温を代替的に使用してもよい。また、各曜日の1時間ごとの相関係数a,bの具体例については、後述する。

0047

計画演算部33は、データベースDB1,DB2に記録された発電量及び需要電力の予測値と、現在情報S1に含まれる電力機器のステータス情報状態変数)を用いて、電力設備2に含まれる電力機器4〜6の少なくとも1つの対象装置について、所定の計画期間Tpにおける運転計画の算出を、所定の再計画周期ごとに繰り返して実行する。

0048

図3は、計画期間Tpと計画の刻み幅(ステップ間隔)Tcの説明図である。
図3に示すように、計画演算部33は、現在から未来所定時間長(例えば24時間)の計画期間Tpを所定時間長の計画の刻み幅(以下、「ステップ間隔」ともいう。)Tcごとの時間ステップt(t=1〜N:N=Tp/Tc)に区切る。
そして、計画演算部33は、電力設備2に含まれる電力機器の状態変数(当該装置のオンオフや接続、接続解除、電力量などを表す変数)を、N次元の時間ステップt(時間変数)の関係式展開する。

0049

その後、計画演算部33は、所定の目的関数が最小(または最大)となる各時間ステップtの変数値を求めることにより、電力設備2の各装置4〜6のうちの少なくとも1つについての、時間ステップtごとの運転計画を演算する。
すなわち、運転計画は、所定の計画期間Tpに含まれる時間ステップtごとの、対象装置の運転状態を表す。計画演算部33による計画演算を行う場合のアルゴリズムは、例えば、線形計画法に代表される数理計画法を用いることができる。

0050

本実施形態の計画演算部33は、計画期間Tpよりも大幅に短い所定の「再計画周期」(例えば30分)ごとに運転計画を繰り返し算出する処理能力を有する。この場合、計画演算部33は、算出した運転計画を再計画周期ごとに計画実行部34に出力する。

0051

計画実行部34は、計画演算部33から運転計画が入力されると、その運転計画に基づいて制御指令E1〜E3を生成し、通信部13を介して制御指令E1〜E3を電力設備2の各電力機器に送信する。
具体的には、計画実行部34は、負荷装置4の接続又は接続解除や消費電力の調整のための制御指令E1を取得すると、その制御指令E2を、電力設備2内のスマートタップや消費電力の調整対象である負荷装置4に送信する。

0052

計画実行部34は、発電装置5の接続又は接続解除や発電量の調整のための制御指令E2を取得すると、その制御指令E2を、発電装置5用のDC/AC変換器や発電量を調整可能な発電装置5に送信する。
計画実行部34は、蓄電装置6の接続又は接続解除や充放電電力の調整のための制御指令E3を取得すると、その制御指令E3を、蓄電装置6のDC/AC変換器や当該蓄電装置6に送信する。

0053

〔需要電力の予測方法の原理
工場内の電力設備2の負荷装置4には、生産機械などの需要電力がほぼ一定のものの他に、エアコンや暖房設備など、気温によって需要電力が変動すると考えられる負荷装置も含まれる。
そこで、本願発明者は、自社工場における気温と需要電力との間に相関があるか否かを調査した。

0054

図4は、電力設備2における1年間分の気温と需要電力の関係を示すグラフである。すなわち、図4は、本出願人の自社工場における気温と需要電力の実績値の1年間分のデータを、1つのグラフにプロットして作成したものである。
図4に示すように、データの総体を1年間分のすべての気温と需要電力の実績値とした場合には、気温と需要電力との間に有意な相関は認められなかった。

0055

従って、需要電力は、気温の他にも人間の活動実態に影響を受け、気温の影響だけを独立に考えて需要電力との相関を取ることは困難であることが判明した。
そこで、本願発明者は、人間の活動実態に影響を与えるパラメータとして、曜日ごとの時間帯を想定した。すなわち、1年間分の気温と需要電力の実績値のデータを、各曜日の1時間ごとのデータに区分し、各曜日の1時間ごとの気温と需要電力の間に相関があるか否かを調査した。

0056

図5は、電力設備2における特定の曜日の1時間の気温と需要電力の関係を示すグラフである。すなわち、図5は、本出願人の自社工場における気温と需要電力の実績値の1年間分のデータのうち、月曜日の1:00〜2:00までの1時間分のデータを、1つのグラフにプロットしたものである。
図5に示すように、データを月曜日の1時間分の気温と需要電力の実績値に絞った場合には、気温と需要電力との間に有意な相関が認められた。

0057

具体的には、月曜日の1:00〜2:00までの1時間では、需要電力P(t)は、約20°C以下の温度範囲で適用可能な第1直線L1と、約20°C以上の温度範囲で適用可能な第2直線L2との2つ直線によってほぼ表せることが判明した。
また、他の曜日の1時間ごとのデータの場合にも、需要電力P(t)は、2つの直線L1,L2の線形関係で表すことができることが判明した。すなわち、特に季節に影響されず、気温と需要電力と関係にそれぞれ異なる線形性が見られた。

0058

上記例に従うと、過去の気温と需要電力の実績値を各曜日の1時間ごとのデータに分類し、各曜日の1時間ごとの気温と需要電力との間に成立する相関係数を、予め記憶部12に記憶しておけば、同じ曜日の同じ時間の予測気温に当該相関係数を適用して、現時点以後の需要電力の予測値を精度良く算出できるようになる。

0059

〔需要電力の予測方法の具体例〕
図6は、各曜日の1時間ごとの相関係数の一例を示す説明図である。
この場合、図6に示すように、記憶部12のデータベースDB3には、日曜日から土曜日までの各曜日を1時間ごと計168個に区分した時間テーブルTbが含まれる。時間テーブルTbの各項目には、それぞれの曜日の時間帯で使用する相関係数a,bの値が予め格納されている。

0060

例えば、月曜日の0:00の項目には、20°C以下の温度範囲に適用する2つの相関係数a1,b1と、20°C以上の温度範囲に適用する2つの相関係数a2,b2が格納されている。
また、同様に、金曜日の22:00の項目には、20°C以下の温度範囲に適用する2つの相関係数a3,b3と、20°C以上の温度範囲に適用する2つの相関係数a4,b4が格納されている。

0061

制御部11の需要予測部32(図2参照)は、電力設備2の需要電力の予測値を算出する場合には、現時点以後の同じ曜日でかつ同じ時間帯の相関係数a,bを記憶部12から読み出す。
また、需要予測部32は、読み出した相関係数a,bを予測時間における予測気温に適用して、当該予測時間における電力設備2の需要電力を算出する。

0062

例えば、予測日の時間帯が月曜日の0:00の場合には、制御部11は、次のいずれかの線形式を予測時間における予測気温T(t)に適用して、需要電力を算出する。
P1(t)=a1×T(t)+b1 ……予測温度T(t)が20°以下の場合
P2(t)=a2×T(t)+b2 ……予測温度T(t)が20°以上の場合

0063

また、予測日の時間帯が金曜日の22:00の場合には、制御部11は、次のいずれかの線形式を予測時間における予測気温T(t)に適用して、需要電力を算出する。
P3(t)=a3×T(t)+b3 ……予測温度T(t)が20°以下の場合
P4(t)=a4×T(t)+b4 ……予測温度T(t)が20°以上の場合

0064

図7は、本実施形態の需要予測の効果を表すグラフである。
図7において、横軸は1日の時間帯であり、縦軸実績電力との差分量である。細い線のグラフは、気温を考慮しない場合の差分量(絶対平均誤差)であり、太い線のグラフは、気温を考慮した場合の差分量(絶対平均誤差)である。図7に示すように、1年分の気温と需要電力の実績値のデータを各曜日の所定の時間帯(例えば1時間)に分け、気温の影響を当該時間帯ごとに考慮すれば、予測値の誤差を小さくすることができる。

0065

〔EMSサーバの効果〕
以上の通り、本実施形態のEMSサーバ1によれば、制御部11が、現時点以後の予測時間と同じ曜日の同じ時間帯の相関係数a,bを記憶部12から読み出し、読み出した相関係数a,bを予測時間の予測気温に適用して、当該予測時間における電力設備2の需要電力を算出する。このため、例えば、負荷装置4として空調設備を有する電力設備2などの、人間活動に応じて変動する需要電力を正確に算出することができる。

0066

また、本実施形態のEMSサーバ1によれば、各曜日の所定の時間帯ごとに分類して記憶された相関係数a,bを用いるので、気温の変化や一日の特性に着目して類似日を設定する手法に比べて、データとなるサンプル数を確保し易くなるという効果や、季節による影響を避けて、気温と需用電力相関性が得られるなどの効果もある。

0067

〔所定の時間帯の決定方法
図8は、平日1日の時間帯と工場内の所内人数との関係を表すグラフである。
図8に示すように、通常、電力設備2を含む工場などの建物の所内人数は、夜間操業などの特殊な場合を除いて定時の就業時間の前後で急変し、空調設備の使用量は所内人数の変化に対して同期的に変動するため、電力需要もまた定時の就業時間の前後で急変すると考えられる。例えば、図8の例では、午前の7:00〜9:00の時間帯に電力需要が急増し、夕方の17:00〜19:00の時間帯に電力需要が急減している。

0068

1年分の気温と需要電力の実績値のデータを、各曜日の所定の時間帯ごとに区分する場合に、区分する時間粒度が就業時間に比べて過度に大きい場合(例えば1日の場合)は、所内人数が大きく異なる状態の需要電力のデータが同じ時間帯に混在し、相関係数の精度が悪化すると考えられる。
これを考慮すると、データを区分する時間帯の最大粒度Tmaxは、 所内人数の急激な増加の完了時点から急激な減少の開始時点までの時間(例えば、電力設備2を使用する事業体の就業時間=約8時間)が適当であると考えられる。

0069

これに対して、データを区分する時間帯の最小粒度Tminは、特に制限を設ける必要がない。もっとも、データを区分する時間帯を必要以上に小さくすると、同じ時間帯に含まれるデータ数が少なくなり過ぎて、予測モデルの精度が悪化する可能性がある。
このため、母数となる1年分のデータ数にも関係するが、データを区分する時間帯の最小粒度は、少なくとも同じ時間帯に有意な相関係数a,bが発現する程度のデータ数を含み得る時間長に設定する必要がある。

0070

〔その他の変形例〕
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。

0071

上述の実施形態では、EMSサーバ1の管理対象である電力設備2に、負荷装置4、発電装置5及び蓄電装置6が含まれる場合を例示したが、EMSサーバ1が電力需給を管理する電力設備2の最小構成としては、電力系統7に連系されていることを前提として、少なくとも負荷装置4と蓄電装置6を含むものであればよく、発電装置5を含まない電力設備2であってもよい。

0072

上述の実施形態では、EMSサーバ1と電力設備2とを有するFEMSを例示したが、HEMS(Home Energy Management System)、BEMS(Building Energy Management System)、及びMEMS(Mansion Energy Management System)などにも、本実施形態の需要電力の予測を実行するEMSサーバ1を採用し得る。

0073

1EMSサーバ
2電力設備
3配電線
4負荷装置
5発電装置(補助電源装置
6蓄電装置(補助電源装置)
7電力系統(商用電源)
8通信線
11 制御部
12 記憶部
13通信部
31発電予測部
32需要予測部
33計画演算部
34 計画実行部

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