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技術 同期リラクタンスモータ

出願人 東芝インフラシステムズ株式会社東芝産業機器システム株式会社
発明者 竹内活徳松下真琴高橋則雄三須大輔堀口輝山本雄司
出願日 2015年8月31日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2015-170603
公開日 2017年3月9日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-050918
状態 特許登録済
技術分野 同期機
主要キーワード 字金具 一次銅損 短絡部材 パーメンジュール 磁気障壁 高調波損失 導電バー 回転効率
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

インバータを用いずに始動でき回転効率を向上させることができる同期リラクタンスモータを提供することを課題とする。

解決手段

実施形態に係る同期リラクタンスモータは、鉄心を貫通した磁気障壁空洞を有する回転子と、この回転子の外側に隙間を介して同軸に配置され、回転子に対向し周方向に離間した複数のスロット、およびこれら複数のスロットに設けた一次コイルを有する固定子と、回転子に設けた二次コイルと、を有する。二次コイルは、回転子の外周から該回転子の半径の5%〜10%内側に離間して配置された導電部材を含む。

概要

背景

近年、インバータを用いずに始動できるリラクタンスモータが開発されている。この種のモータは、例えば、回転子に設けたフラックスバリアスリット磁気障壁空洞)内にアルミニウム充填して、充填したアルミニウムの軸方向両端短絡した二次コイルを備えている。

概要

インバータを用いずに始動でき回転効率を向上させることができる同期リラクタンスモータを提供することを課題とする。実施形態に係る同期リラクタンスモータは、鉄心を貫通した磁気障壁空洞を有する回転子と、この回転子の外側に隙間を介して同軸に配置され、回転子に対向し周方向に離間した複数のスロット、およびこれら複数のスロットに設けた一次コイルを有する固定子と、回転子に設けた二次コイルと、を有する。二次コイルは、回転子の外周から該回転子の半径の5%〜10%内側に離間して配置された導電部材を含む。

目的

よって、インバータを用いずに始動できモータ効率を向上させることができる同期リラクタンスモータの開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

円柱状の鉄心を軸方向に貫通した磁気障壁空洞を有する回転子と、この回転子の外側に隙間を介して同軸に配置され、上記回転子に対向し周方向に離間した複数のスロット、およびこれら複数のスロットに設けた一次コイルを有する固定子と、上記回転子の外周から該回転子の半径の5%〜10%内側に離間して配置された導電部材を含む二次コイルと、を有する同期リラクタンスモータ

請求項2

上記導電部材は、上記回転子の外周に近い上記磁気障壁空洞の端部から離間して該磁気障壁空洞内に配置された非磁性導電バーを含む、請求項1の同期リラクタンスモータ。

請求項3

上記鉄心は、複数枚磁性部材をその軸方向に重ねた構造を有し、上記鉄心の上記軸方向両端にそれぞれ対向して配置され、上記複数枚の磁性部材を軸方向に挟んで固定するとともに、上記導電バーの軸方向両端を固定して短絡する、一対の短絡部材をさらに有する、請求項2の同期リラクタンスモータ。

請求項4

上記導電バーに対して上記鉄心の径方向の外側に配置され、上記導電バーを上記短絡部材に固定する固定具をさらに有する、請求項3の同期リラクタンスモータ。

請求項5

上記磁気障壁空洞とは別に上記鉄心を軸方向に貫通した取付孔をさらに有し、上記導電部材は、上記取付孔内に配置した磁性導電部材を含む、請求項1または請求項2の同期リラクタンスモータ。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、インバータを用いずに商用電源により始動できる同期リラクタンスモータに関する。

背景技術

0002

近年、インバータを用いずに始動できるリラクタンスモータが開発されている。この種のモータは、例えば、回転子に設けたフラックスバリアスリット磁気障壁空洞)内にアルミニウム充填して、充填したアルミニウムの軸方向両端短絡した二次コイルを備えている。

先行技術

0003

特開2003−9484号公報
特開2002−199674号公報

発明が解決しようとする課題

0004

フラックスバリアスリットは、回転子の外周近くでの不所望な漏れ磁束を少なくするため、回転子の外周ギリギリまで伸びている。このため、フラックスバリアスリット内にアルミニウムを充填すると、回転子スロットティース)のピッチに応じて脈動する磁束が、回転子の外周近くまで充填されたアルミニウムの部分を鎖交するため、モータの回転に寄与しない不所望な高調波電流がアルミニウム充填部に流れる。この高調波電流は、ジュール熱に変換され、その分、モータの効率を下げる。

0005

よって、インバータを用いずに始動できモータ効率を向上させることができる同期リラクタンスモータの開発が望まれている。

課題を解決するための手段

0006

実施形態に係る同期リラクタンスモータは、鉄心を貫通した磁気障壁空洞を有する回転子と、この回転子の外側に隙間を介して同軸に配置され、回転子に対向し周方向に離間した複数のスロット、およびこれら複数のスロットに設けた一次コイルを有する固定子と、回転子に設けた二次コイルと、を有する。二次コイルは、回転子の外周から該回転子の半径の5%〜10%内側に離間して配置された導電部材を含む。

図面の簡単な説明

0007

図1は、第1の実施形態に係る同期リラクタンスモータの要部を示す断面図である。
図2は、図1のモータの側面図である。
図3は、図1のモータの回転子を通る磁束について説明するための図である。
図4は、図1のモータの回転子の端板を軸方向から見た正面図である。
図5は、第2の実施形態に係る同期リラクタンスモータの要部を示す断面図である。
図6は、図5のモータの側面図である。
図7は、図5のモータの回転子の端板を軸方向から見た正面図である。

実施例

0008

以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る同期リラクタンスモータ100(以下、単にモータ100と称する)の要部を示す断面図である。図2は、モータ100を横から見た側面図である。図1は、モータ100を回転軸1と直交する面に沿って切断した断面をq軸の位置で4等分した中心角90°分の構造を示す。つまり、本実施形態のモータ100は、周方向に沿って4つの極(q軸上の極)を有し、図1の構成を4つ組み合わせた断面形状を有する。

0009

モータ100は、略円柱状の回転子10、および略円筒状の固定子20を有する。
回転子10は、回転軸1、回転軸1に沿って複数枚円板状の磁性部材2を重ねた略円柱形の鉄心4、および複数枚の磁性部材2の重ね方向の両側から鉄心4を押える2枚の端板6、8(一対の短絡部材)を有する。複数枚の磁性部材2を重ねた鉄心4および2枚の端板6、8は、その中心に、回転軸1を通す中心孔4a、6a、8aを有する。言い換えると、回転軸1は、複数枚の磁性部材2および2枚の端板6、8の中心孔4a、6a、8aを貫通して固定されている。

0010

複数枚の磁性部材2は、例えば鋼材により形成された同じ大きさの円板である。2枚の端板6、8は、磁性部材2より径の小さい円板である。2枚の端板6、8は、例えば、アルミニウム、ステンレス、銅などの非磁性導電部材により形成されている。2枚の端板6、8は、ここでは図示しない締結部材によって互いに近付く方向に締め付けられており、複数枚の磁性部材2をその重ね方向に押圧して挟んで固定している。

0011

また、複数枚の磁性部材2からなる鉄心4には、回転軸1に沿って鉄心4を貫通した複数のフラックスバリアスリット5(磁気障壁空洞)(以下、単にスリット5と称する)が設けられている。複数のスリット5は、それぞれ、4つの極を通るq軸磁束の流れに沿って湾曲した断面形状を有する。複数のスリット5は、図3に矢印で示すように、鉄心4を通る磁束の流れを形成するために設けられている。つまり、スリット5は、磁束を通過させない磁気障壁として機能する。以下、複数のスリット5の断面形状について説明する。

0012

具体的には、各スリット5は、2つの隣接するq軸の間のd軸を中心に線対称となる円弧状の断面形状を有する。各スリット5の断面の長手方向の両端は、鉄心4の外周(すなわち、回転子10の外周10a)に近い位置に配置されている。鉄心4の中心角90°分の構造には、4つのスリット5a、5b、5c、5dが設けられている。4つのスリット5a、5b、5c、5dのうち円弧状の断面が最も長いスリット5dの両端はq軸近くに配置され、このスリット5dの湾曲した中央部分は回転軸1方向に突出している。つまり、スリット5dは、回転子10の外周10aと逆向きに湾曲している。

0013

スリット5dの次に円弧状の断面が長いスリット5cの両端はスリット5dの端部に対してq軸とは反対側に隣接している。スリット5cはスリット5dに対して回転軸1とは反対側に配置されており、湾曲した中央部分が回転軸1方向に突出している。つまり、スリット5cはスリット5dと同じ方向に湾曲している。次に長いスリット5bは、同様に、スリット5cに対して回転軸1とは反対側に配置されている。スリット5aも、同様に、スリット5bに対して回転軸1とは反対側に配置されている。特許請求の範囲では、回転子10の外周10aに近いスリット5の両端を“端部”として定義している。

0014

本実施形態では、鉄心4の中心角90°毎に4つ(合計16個)のスリット5a、5b、5c、5d(以下、総称してスリット5とする場合もある)を設けた。スリット5の数はこれに限らない。各スリット5の断面形状は、d軸を中心に線対称な形状にされ、回転軸1に向けて中央が突出する方向に湾曲した円弧状に形成されている。言い換えると、スリット5の断面形状を図3に示す形状にすることで、矢印で示す磁束の流れをq軸に集めることができる。

0015

各スリット5の“端部”と回転子10の外周10aとの間には、ブリッジ50が設けられている。当然のことながら、各スリット5の“端部”は、回転子10の外周10aまで到達していない。各スリット5の“端部”と回転子10の外周10aとの間の距離、すなわち回転子10の径方向に沿ったブリッジ50の幅は、適切な値に設計する必要がある。鉄心4を通る磁束のうちブリッジ50を通る磁束は漏れ磁束となる。この漏れ磁束を少なくするためには、ブリッジ50の幅をできるだけ狭くすることが望ましい。反面、ブリッジ50の幅をあまり狭くし過ぎると、鉄心4の機械強度が低下して回転子10に必要とされる十分な機械強度を保てない。つまり、ブリッジ50の幅には適正範囲が存在する。

0016

中心角90°毎に設けた4つのスリット5a、5b、5c、5dのうち比較的回転子10の外周10aに近い2つのスリット5a、5bの中には、それぞれ、複数本(本実施形態では3本ずつ計6本)の導電バー11(導電部材)が挿入配置されている。導電バー11の本数もこれに限らない。本実施形態の導電バー11は、断面が矩形細長い板状である。各導電バー11の回転軸1に沿った方向(軸方向)の両端は、端板6、8に電気的に接続されて固定されるとともに短絡されている。つまり、複数本の導電バー11および端板6、8は、二次コイルとして機能する。

0017

図4は、回転子10の端板6を軸方向から見た正面図であり、図1に合わせて、中心角90°分の構造のみを示している。つまり、回転子10の実際の形状は、図4の構造を4つ組み合わせた形状である。

0018

図4に示すように、端板6(8)は、複数本の導電バー11の端部を挿通可能な複数の貫通した固定孔6b(8b)を有する。各固定孔6b、8bは、挿通される導電バー11の断面形状と略一致する形状を有し、導電バー11を挿通可能な大きさを有する。各導電バー11の長さは、図2に示すように、端板6、8の鉄心4と反対側の外面6c、8cを超えて軸方向外側に突出する長さに設計されている。

0019

端板6、8に設けた固定孔6b、8bの向きおよび位置は、導電バー11がスリット5a、5bの内壁に非接触となる向きおよび位置に設計されている。また、各導電バー11の厚みおよび幅は、モータ100を駆動して回転子10を回転させた際に、導電バー11が遠心力によって撓んだ場合であっても、導電バー11がスリット5a、5bの内壁に接触しない値に設計されている。これにより、モータ100を駆動して回転子10を回転させた際に、導電バー11が振動したり撓んだりしても、スリット5a、5bの内壁に接触して摩耗することが防止されるとともに、導電バー11および/或いはスリット5a、5bの寸法精度を低くでき、その分、装置の製造コストを低減できる。

0020

各導電バー11の軸方向の両端は、図2および図4に示すように、それぞれ、L字金具12(固定具)によって端板6、8の外面6c、8cに固定される。例えば、端板6、8をアルミニウムにより形成した場合、L字金具12もアルミニウムにより形成する。そして、L字金具12は、端板6、8の外面6c、8cに対して溶接される。さらに、L字金具12と導電バー11は、図示しないネジにより締結固定される。

0021

L字金具12は、図示のように、導電バー11に対して、回転子10の径方向の外側に配置することが好ましい。このように、L字金具12を導電バー11の外側に取り付けることにより、回転子10の回転による遠心力が作用した場合における導電バー11の取り付け強度を確保できる。なお、本実施形態では、L字金具12を用いて導電バー11を端板6、8に固定したが、代わりに端板6、8の固定孔6b、8bに導電バー11の端部を焼嵌めしてもよい。

0022

なお、本実施形態において、導電バー11は、磁気障壁空洞であるスリット5内に配置されるため、磁束の通過を妨げる非磁性導電部材によって形成することが望ましい。非磁性導電部材として、例えば、銅、ステンレス、アルミニウムなどがある。また、導電バー11は、回転子10を回転したとき、遠心力によって撓んでスリット5の内壁に接触することのない剛性を持たせる必要があり、その材質や厚みが適当に選択される。さらに、導電バー11は、例えば上述したL字金具12と組み合わせて、端板6、8を鉄心4に締結固定するための固定具として用いることもできる。

0023

一方、固定子20は、図1に示すように、略円筒形固定子鉄心21、およびこの固定子鉄心21に巻き付け電機子巻線22を有する。固定子鉄心21は、回転子10の鉄心4の直径より大きい内径を有し、回転子10の外周10aとの間に円筒状の隙間Sを介して非接触状態で回転子10の外側に同軸に配置される。固定子鉄心21は、回転子10の鉄心4と同様に、複数枚の同じ形の金属板を軸方向に積層した構造を有する。

0024

回転子10の外周10aに離間対向する固定子鉄心21の内壁21aには、周方向に等間隔で離間して軸方向に伸びた複数のスロット23が設けられている。これら複数のスロット23を形成することで、固定子鉄心21の内壁21aには、周方向に等間隔で離間して軸方向に伸びた複数のティース24が形成される。そして、複数のスロット23には、電機子巻線22(一次コイル)が巻き付けられる。

0025

上記構造のモータ100を駆動する場合、固定子20の電機子巻線22に三相交流を流す。これにより、電機子巻線22に120°ずつ位相のずれた交流電流が流れ、各ティース24に対応して生じる磁極が固定子20の周方向に回転移動する。固定子20に対して停止した状態の回転子10が固定子20側の磁極の回転に同期して回転するまでの間の非同期状態で、回転子10のスリット5内に配置した導電バー11に誘導電流が流れる。つまり、この場合、導電バー11は、二次コイルとして機能し、固定子20との間で、回転子10を回転させるための始動トルクを発生する。

0026

本実施形態では、導電バー11を回転子10のスリット5の“端部”から離間させてスリット5内に配置したため、導電バー11を“端部”に配置した場合と比較して、回転子10と固定子20との間の隙間Sで生じるスロットルニップルに起因した高調波磁束が導電バー11と鎖交し難く、高調波二次銅損が発生し難い。このため、本実施形態のモータ100では、固定子20側の磁極の回転に回転子10の回転を同期させる同期回転時の二次銅損は、一次銅損の1/10以下であり、効率の低下はほとんど見られなかった。

0027

以下、導電バー11の好適なレイアウトについて説明する。なお、ここでは、スリット5の中央に配置した導電バー11ではなく、スリット5の“端部”近くに配置した2つの導電バー11のレイアウトについて説明する。

0028

モータ100の始動トルクを高めるためには、固定子20から流れ込む磁束が効率よく導電バー11に鎖交する必要があるため、導電バー11は、固定子20に近い回転子10の外周10a近くに配置することが望ましい。よって、本実施形態では、複数のスリット5a、5b、5c、5dのうち比較的固定子20に近いスリット5a、5b内に導電バー11を挿入配置した。しかし、導電バー11を固定子20に近付け過ぎると、上述した高調波磁束が導電バー11と鎖交し易くなり、回転子10の回転に寄与しない不所望な高調波電流が流れてしまう。このため、導電バー11は、上述した高調波磁束に鎖交しないギリギリの位置まで固定子20に近付けてレイアウトすることが望ましい。

0029

よって、本実施形態では、複数のスリット5a、5b、5c、5dのうち比較的固定子20に近いスリット5a、5b内に導電バー11を挿入配置し、且つスリット5a、5bの“端部”から僅かに離間させて導電バー11を配置した。導電バー11を挿入配置するスリットは5a、5bに限らず、5cや5dであっても良いが、スリット5c、5dの“端部”から僅かに離間させて導電バー11を配置する必要がある。

0030

一方、導電バー11を挿入配置するスリット5は、鉄心4を通る磁束の経路コントロールするための磁気障壁空洞であるため、回転子10の外周10aにできるだけ近い位置までスリット5の両端が伸びていることが望ましい。ここで言うできるだけ近い位置とは、スリット5の“端部”と回転子10の外周10aとの間のブリッジ50の幅が、鉄心4の機械強度を十分確保できる幅より少なくとも大きくなる位置である。

0031

このため、導電バー11を固定子20にできるだけ近付けるように導電バー11をスリット5の“端部”に配置してしまうと、上述した高調波磁束が導電バー11と鎖交し、モータ100の回転に寄与しない高調波電流が流れてしまう。よって、本実施形態では、比較的固定子20に近いスリット5a、5bの“端部”から離間して導電バー11をスリット5a、5b内に配置するようにした。このように、導電バー11をスリット5の“端部”から少なくとも離間させて配置することで、“端部”に配置した場合と比較して、高調波磁束が導電バー11と鎖交する不具合を抑制でき、回転効率の低下を抑制できる。

0032

反面、上述したように、導電バー11を回転子10の外周10aから離し過ぎると、モータ100の始動時における駆動力が小さくなってしまう。よって、導電バー11のスリット5内における配置位置には適正範囲が存在する。

0033

本実施形態において、モータ100の効率が最も良くなる導電バー11の位置を調べたところ、導電バー11と回転子10の外周10aとの間の距離を鉄心4の半径の5%〜10%にした場合に効率が良好になることがわかった。回転子10の外周10aと導電バー11との間の距離を鉄心4の半径の5%より短くすると、上述した高調波電流が流れ易くなり、10%より長くすると、停止状態の回転子10を回転させるための始動トルクが不十分となる。

0034

以上のように、本実施形態によると、回転子10のフラックスバリアスリット5内に導電バー11を位置決め配置して両端を短絡させるだけの簡単な構成の追加により、インバータを用いずに始動でき且つ効率を高めることができる同期リラクタンスモータを提供できる。

0035

導電バー11を設ける代わりに、スリット5の“端部”にスペーサを挿入してスリット5の残りの部分にアルミニウムを充填して、スペーサを取り除くことでも、本実施形態と同様の効果を奏することができる。しかし、本実施形態のように、導電バー11を用いることで、モータ100の組立を容易にでき、製造コストを低減できる。

0036

また、本実施形態によると、導電バー11と端板6、8を鉄心4に締め付けるための治具として使うこともでき、その分、部品点数を少なくでき、装置の製造コストを低減できる。また、端板6、8を導電バー11の短絡部材として使用でき、その分、部品点数を少なくできる。

0037

また、本実施形態によると、導電バー11をスリット5の内壁に対して非接触状態で配置するようにしたため、モータ100の回転によって導電バー11が振動したり撓んだりした場合であっても、導電バー11がスリット5の内壁に接触して摩耗することを防止でき、モータ100の使用寿命延長できる。

0038

ところで、各スリット5a、5bの中央に配置した導電バー11は、回転子10の外周10aから回転子10の半径の10%を超える位置に配置されている。つまり、この導電バー11は、少なくとも、回転子10の外周10aから回転子10の半径の5%離れた位置より回転軸1寄りに配置されている。このため、この導電バー11には、少なくとも上述した高調波磁束が作用することがなく、この導電バー11を設けることでモータ100の効率が低下することはない。一方で、この中央の導電バー11は、モータ100の上述した始動トルクに全く寄与しない訳ではなく、この導電バー11を設けることで、始動トルクを僅かに大きくすることができる。従って、この中央の導電バー11は、発明に必須の構成ではないが、スリット5a、5b内に配置しても良い。

0039

次に、第2の実施形態について、図5乃至図7を参照して説明する。図5は、第2の実施形態に係る同期リラクタンスモータ200(以下、単に、モータ200と称する)の要部断面図であり、図6は、モータ200の側面図であり、図7は、モータ200の回転子10の端板6を軸方向から見た正面図である。

0040

なお、図5および図7は、それぞれ、図1および図4に対応するものであり、実際のモータ200を4等分した中心角90°分の構成を示すものである。以下の説明では、上述した第1の実施形態のモータ100と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。

0041

本実施形態のモータ200は、スリット5内に導電バー11を配置する代わりに、スリット5から外れた位置で鉄心4を軸方向に貫通する複数本の導電バー31を設けた構造を有する。

0042

鉄心4には、複数本の導電バー31を挿通するため、スリット5とは別に、複数の挿通孔32(取付孔)が軸方向に延設されている。導電バー31は、鉄やパーメンジュールなどの高透磁率材料により形成されることが望ましい。本実施形態の導電バー31は、磁束が通る経路上に配置されるため、磁束の流れを妨げることのない磁性導電部材により形成する必要がある。各導電バー31は、対応する挿通孔32に対して隙間無く挿通配置される。

0043

挿通孔32は、導電バー31を受け入れない状態では、スリット5と同様にフラックスバリアとして機能する。しかし、磁性導電部材により形成した導電バー31を挿通孔32内に隙間無く挿通配置することで、導電バー31が鉄心4と一体になり、導電バー31が磁気障壁となることはない。

0044

複数本の導電バー31の軸方向の両端部は、端板6、8に接続されて短絡されている。つまり、これら複数本の導電バー31は、端板6、8とともに二次コイルとして機能する。導電バー31の端部の固定構造は上述した第1の実施形態と同様である。なお、図7では、図示明瞭化のため、この固定構造の図示を省略してある。

0045

導電バー31は、図示のように、スリット5から外れたあらゆる位置にレイアウトすることができるが、第1の実施形態と同様に、回転子10の外周10aに近い位置にレイアウトすることが望ましい。しかし、本実施形態の導電バー31も、不所望な高調波電流が流れない好適な距離で、回転子10の外周10aから内側に離間させることが望ましい。よって、本実施形態でも、回転子10の外周10aと導電バー31との間の距離を、回転子10の半径の5%〜10%の距離に設定した。

0046

以上のように、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。つまり、本実施形態においても、インバータを用いずに始動でき且つモータ効率を高めることができる同期リラクタンスモータを提供できる。

0047

また、本実施形態においても、回転子10の回転が固定子20側の磁極の回転に同期していない非同期状態において、導電バー31に誘導電流が流れる。この誘導電流は、導電バー31の周辺短絡磁束(導電バー31のみに鎖交する磁束)を発生させ、導電バー31の周辺部を磁気飽和させる。この磁気飽和により、q軸磁路磁気抵抗が高くなり、突極比が小さくなる。

0048

一方、モータの始動時(固定子の回転磁界の速度に対して回転子の回転速度が遅い場合)には、回転子の突極性に起因した逆相電流が流れて、回転子の回転数同期速度の1/2以上となる回転数では、始動トルクを妨げる方向にトルクを発生させる。これに対し、本実施形態のように鉄心4に導電バー31を埋め込むと、始動時の突極比が小さくなるため、逆相電流が緩和され、始動トルクの低下が抑えられる。なお、同期運転時には、導電バー31には電流がほとんど流れないため、突極比が低下することはなく、特性(トルクや力率)は低下しない。また、回転子10の外周10aと導電バー31との間の距離が鉄心4の半径の5%以上あれば、高調波損失もほとんど発生せず、モータ効率が低下することはない。

0049

つまり、本実施形態によると、始動時の突極比に起因した逆相電流を低減することができ、モータ200の始動トルクの低下を抑制できる。

0050

いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

0051

例えば、上述した第1および第2の実施形態を組み合わせて、スリット5内に導電バー11を配置するとともに鉄心4を貫通する導電バー31を設けてもよい。いずれにしても、導電バー11、31は、回転子10の外周10aから所定距離(回転子10の半径の5%〜10%)内側に離れた位置に配置する必要がある。

0052

1…回転軸、2…磁性部材、4…鉄心、5、5a、5b、5c、5d…フラックスバリアスリット、6、8…端板、6b、8b…固定孔、10…回転子、11、31…導電バー、12…L字金具、20…固定子、21…固定子鉄心、22…電機子巻線、23…スロット、24…ティース、32…挿通孔、50…ブリッジ、100、200…同期リラクタンスモータ。

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