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技術 回路保護素子およびその製造方法

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 鷲崎智幸岩尾敏之星徳聖治武田正治
出願日 2016年7月27日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2016-146977
公開日 2017年3月9日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-050278
状態 特許登録済
技術分野 ヒューズ
主要キーワード 中空ケース 表面温度上昇 ヒューズ抵抗 抵抗値調整用 抵抗値精度 回路保護素子 樹脂銀ペースト 同一厚み
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

本発明は、定格電流を高くすることができる回路保護素子およびその製造方法を提供することを目的とするものである。

解決手段

本発明の回路保護素子は、絶縁基板11の両端部に設けられた複数対の上面電極12と、前記複数対の上面電極12を橋絡するように形成され、かつ前記複数対の上面電極12と電気的にそれぞれ接続された複数のエレメント部13と、前記複数のエレメント部13にそれぞれ形成された少なくとも2つのトリミング溝18と、前記2つのトリミング溝18で囲まれた領域に設けられた溶断部15とを備え、前記複数のエレメント部13を並列になるように接続したものである。

概要

背景

従来のこの種の回路保護素子は、図8に示すように、絶縁基板1と、この絶縁基板1の両端部に設けられた一対の上面電極2と、この一対の上面電極2を橋絡するエレメント部3とを備え、エレメント部3の中央部に切欠部4を形成して他より幅が狭い溶断部5を1箇所設けていた。そして、過電流印加されたときに溶断部5が溶融して断線するようにしていた。

なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。

概要

本発明は、定格電流を高くすることができる回路保護素子およびその製造方法を提供することを目的とするものである。本発明の回路保護素子は、絶縁基板11の両端部に設けられた複数対の上面電極12と、前記複数対の上面電極12を橋絡するように形成され、かつ前記複数対の上面電極12と電気的にそれぞれ接続された複数のエレメント部13と、前記複数のエレメント部13にそれぞれ形成された少なくとも2つのトリミング溝18と、前記2つのトリミング溝18で囲まれた領域に設けられた溶断部15とを備え、前記複数のエレメント部13を並列になるように接続したものである。

目的

本発明は、上記課題を解決するもので、定格電流を高くすることができる回路保護素子およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

絶縁基板と、前記絶縁基板の両端部に設けられた複数対の上面電極と、前記複数対の上面電極を橋絡するように形成され、かつ前記複数対の上面電極と電気的にそれぞれ接続された複数のエレメント部と、前記複数のエレメント部にそれぞれ形成された溶断部とを備え、前記複数のエレメント部を並列になるように接続した回路保護素子

請求項2

前記複数対の上面電極間電流が流れる方向と垂直方向で、前記絶縁基板の中心部を通る線に対して、線対称となる位置に前記複数の溶断部を形成した請求項1に記載の回路保護素子。

請求項3

前記エレメント部を前記絶縁基板のおもて面、裏面の両方に形成した請求項1に記載の回路保護素子。

請求項4

前記複数のエレメント部の溶断特性抵抗値のうち少なくとも一方が異なるようにした請求項3に記載の回路保護素子。

請求項5

前記絶縁基板を矩形状とし、前記複数対の上面電極を前記絶縁基板の長辺側の両端部に形成した請求項1に記載の回路保護素子。

請求項6

請求項1に記載の回路保護素子において、前記複数のエレメント部それぞれを抵抗値修正した後、前記複数のエレメント部を並列に接続した回路保護素子の製造方法。

請求項7

絶縁基板と、前記絶縁基板の両端部に設けられた一対の上面電極と、前記一対の上面電極を橋絡するように形成され、かつ前記一対の上面電極と電気的に接続されたエレメント部と、前記エレメント部に形成された溶断部とを備え、前記溶断部を複数形成し、前記複数の溶断部を直列に配置した回路保護素子。

請求項8

前記一対の上面電極間に電流が流れる方向と垂直方向で、前記絶縁基板の中心部を通る線に対して、線対称となる位置に前記複数の溶断部を形成した請求項7に記載の回路保護素子。

請求項9

前記複数の溶断部の溶断特性が異なるようにした請求項7に記載の回路保護素子。

請求項10

前記複数の溶断部のそれぞれの間に他の上面電極を形成した請求項7に記載の回路保護素子。

請求項11

前記一対の上面電極間に電流が流れる方向と垂直方向の前記他の上面電極の長さを前記一対の上面電極の長さより短くした請求項10に記載の回路保護素子。

請求項12

前記複数の溶断部を直列に配置した前記エレメント部を複数設け、前記複数のエレメント部を並列になるように接続した請求項7に記載の回路保護素子。

請求項13

請求項7に記載の回路保護素子において、前記複数の溶断部のそれぞれの両端部の抵抗値を個別に測定しながら抵抗値修正するようにした回路保護素子の製造方法。

請求項14

請求項7に記載の回路保護素子において、前記複数のエレメント部それぞれを抵抗値修正した後、前記複数のエレメント部を直列に接続した回路保護素子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、過電流が流れると溶断して各種電子機器を保護する回路保護素子およびその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

従来のこの種の回路保護素子は、図8に示すように、絶縁基板1と、この絶縁基板1の両端部に設けられた一対の上面電極2と、この一対の上面電極2を橋絡するエレメント部3とを備え、エレメント部3の中央部に切欠部4を形成して他より幅が狭い溶断部5を1箇所設けていた。そして、過電流が印加されたときに溶断部5が溶融して断線するようにしていた。

0003

なお、この出願の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。

先行技術

0004

特開2006−164639号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記従来の構成においては、定格電流を高くしようとすると、通常使用時の溶断部5の表面温度上昇が大きくなるため、エレメント部3の長期信頼性が悪化して、溶断特性劣化する等の不具合が発生する可能性があり、また、異常電流発生時に溶断部5に発生するアークが大きくなるため、溶断後の絶縁抵抗が低くなる等の不具合が発生する可能性があるという課題を有していた。

0006

本発明は、上記課題を解決するもので、定格電流を高くすることができる回路保護素子およびその製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するために、本発明は、絶縁基板と、絶縁基板の両端部に設けられた複数対の上面電極と、複数対の上面電極を橋絡するように形成され、かつ複数対の上面電極と電気的にそれぞれ接続された複数のエレメント部と、複数のエレメント部にそれぞれ形成された溶断部とを備え、複数のエレメント部を並列になるように接続した構成とする。

0008

また、エレメント部に形成された溶断部を複数形成し、複数の溶断部を直列に配置して接続した構成とする。

発明の効果

0009

以上のように本発明の回路保護素子は、複数のエレメント部を並列に配置しているため、1つのエレメント部に流れる電流を低減でき、これにより、定格電流を高くしても、通常使用時の溶断部の表面温度上昇が小さくなるため、エレメント部の長期信頼性が悪化して溶断特性が劣化する等の不具合が発生する可能性を低減でき。また、2つの溶断部を直列に配置しているため、1つの溶断部に印加される電圧を低減でき、これにより、定格電圧を高くしても、異常電流発生時の溶断部のアークが小さくなるため、溶断後の絶縁抵抗が低くなる等の不具合を低減できるという効果を奏するものである。

図面の簡単な説明

0010

本発明の実施の形態1における回路保護素子の一部切欠上面図
図1のA−A線断面図
同回路保護素子の他の例の一部切欠上面図
同回路保護素子の他の例の一部切欠上面図
本発明の実施の形態2における回路保護素子の一部切欠上面図
図5のC−C線断面図
同回路保護素子の他の例の一部切欠上面図
従来の回路保護素子の断面図

実施例

0011

(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における回路保護素子の一部切欠上面図、図2図1のA−A線断面図を示したもので、この図1図2に示すように、本発明の実施の形態1における回路保護素子は、絶縁基板11と、この絶縁基板11の上面の両端部に設けられた二対の上面電極12と、この二対の上面電極12を橋絡するように形成され、かつ前記二対の上面電極12と電気的にそれぞれ接続されたエレメント部13と、このエレメント部13と前記絶縁基板11との間に設けられた下地層14と、前記下地層14の上面に位置するエレメント部13に形成された溶断部15と、絶縁基板11の両端部に形成されエレメント部13と電気的に接続される銀系の材料からなる端面電極層16とを備えた構成としている。

0012

また、端面電極層16の表面にはめっき膜(図示せず)が形成される。さらに、少なくとも溶断部15を覆うようにエレメント部13上に、シリコン樹脂からなる保護層17が設けられている。なお、図1では、説明を簡単にするために、下地層14、保護層17を省略している。図3も同様である。

0013

上記構成において、前記絶縁基板11は、その形状が上面視で方形状または矩形状であり、そしてAl2O3を55%〜96%含有するアルミナで構成されている。

0014

また、前記二対の上面電極12は、絶縁基板11の上面の両端部に設けられ、かつAg等を印刷することによって形成されている。なお、この二対の上面電極12は、絶縁基板11の上面の一端部に2つ、他端部に2つ設けられており、かつ二対の上面電極12はそれぞれ互いに直接接続されていない。

0015

そしてまた、前記エレメント部13は、絶縁基板11の少なくとも一部を覆うように形成し、下地層14および二対の上面電極12の上面に位置して設けられている。このエレメント部13は、TiやCuをスパッタすることによりスパッタ層を形成し、このスパッタ層をめっき核としてNi、Cu、Agをそれぞれ順番に無電解めっきすることにより形成されている。なお、スパッタのみで構成してもよく、また、他の材料を用いてもよい。

0016

そしてさらに、エレメント部13は、並列に配置された第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bの2つで構成されている。第1のエレメント部13aは一対の上面電極12と電気的に接続され、第2のエレメント部13bは他の一対の上面電極12と電気的に接続されている。

0017

また、第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bは、それぞれの中心部に、レーザによってトリミング溝18が2ヶ所、互いに対向するその側面から中心方向に向かって形成されているもので、そしてこの2つのトリミング溝18で囲まれた領域が、過電流が印加されたときに溶融して断線する溶断部15となっている。溶断部15は最も温
度が上がるホットスポットとなる。第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bは、それぞれ1つの溶断部15を備えている。なお、トリミング溝18は図1に示すような直線状ではなく、L字状などの他の形状としてもよい。また、必要に応じてトリミング溝18の両サイド抵抗値調整用のトリミング溝19を別途形成する。

0018

そしてまた、前記下地層14は絶縁基板11の上面の中央部に設けられており、かつこの下地層14は複数対の上面電極12間に位置する第1、第2のエレメント部13a、13bと絶縁基板11との間に設けられている。また、この下地層14としては、SiO2等からなるガラスを主成分としたものや、シリコン樹脂などの樹脂を使用できる。

0019

さらに、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bは、同一材料同一厚みで構成され、下地層14も同一の材質のものを使用している。したがって、両者の抵抗値は略同一で、溶断特性も略同一になっている。

0020

また、側面から見て、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bに形成されたトリミング溝18(溶断部15)、抵抗値調整用トリミング溝19の位置が重なっている。

0021

そして、前記端面電極層16は、絶縁基板11の両端部に形成され、銀系の材料からなる。この端面電極層16は、エレメント部13と直接または上面電極12を介して電気的に接続される。さらに、端面電極層16を介して第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bとが並列に接続される。

0022

前記保護層17は、少なくとも溶断部15を覆うようにエレメント部13上に設けられ、シリコン樹脂からなる。また、保護層17を第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bとの間にも形成し、隣り合う第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bとの間の接触を防いでいる。本発明の実施の形態1においては、比較的低電力小形面実装タイプに使用されるため、エレメント部13の保護に用いられる保護層17を隣り合う第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bとの間の接触を防ぐことにも用いることができる。保護層17は、樹脂で構成されるため、第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bとの間の隙間に流し込むことができる。

0023

次に、本発明の実施の形態1における回路保護素子の製造方法について説明する。

0024

図1図2において、まず、Al2O3を55%〜96%含有するアルミナで構成された絶縁基板11の上面の両端部に、銀ペーストまたは銀を主成分とする銀パラジウム合金導体ペーストを印刷し、約850℃で焼成することにより二対の上面電極12を形成する。

0025

次に、絶縁基板11の中央部に、SiO2等からなるガラスを主成分とするペースト、または樹脂を印刷して下地層14を形成し、乾燥、硬化、または焼成させる。

0026

次に、下地層14および二対の上面電極12の上面に第1、第2のエレメント部13a、13bを形成する。この場合、第1のエレメント部13aは一対の上面電極12間を橋絡して一対の上面電極12と電気的に接続されるように構成する。第2のエレメント部13bは他の一対の上面電極12間を橋絡して他の一対の上面電極12と電気的に接続されるように構成する。

0027

そして、この第1、第2のエレメント部13a、13bは、それぞれTiやCuをスパッタしてスパッタ層を形成し、このスパッタ層をめっき核としてNi、Cu、Agをそれぞれ順番に無電解めっきすることによって形成する。

0028

このとき、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを、同時に同条件で形成できるため、両者の抵抗値を略同一、溶断特性を略同一にすることができる。

0029

次に、下地層14の上面における第1、第2のエレメント部13a、13bそれぞれについて、その中心部の2ヶ所を、互いに対向するその側面から中心方向に向かってレーザで切削してトリミング溝18を形成する。これにより、この2つのトリミング溝18で囲まれたエレメント部13の領域に、過電流が印加されたときに溶融して断線する溶断部15が設けられる。なお、溶断部15はトリミング溝18によって形成するのではなく、エッチング等でパターニングして形成してもよい。

0030

また、二対の上面電極12間の抵抗値を測定しながら、第1、第2のエレメント部13a、13bに抵抗値調整用トリミング溝19を別途形成して抵抗値を所定の値に修正する。このとき、第1、第2のエレメント部13a、13bは別々に所定の抵抗値になるように抵抗値を調整、修正(トリミング)する。

0031

次に、シリコン等の樹脂を少なくとも溶断部15を覆うように第1、第2のエレメント部13a、13b上に形成し、保護層17を設ける。

0032

次に、絶縁基板11の両端部において第1、第2のエレメント部13a、13bの両方と電気的に接続するように樹脂銀ペーストを塗布して硬化させることにより端面電極層16を形成する。なお、この端面電極層16はスパッタ等の薄膜プロセスによって形成してもよい。そして、この端面電極層16によって、第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bとが並列接続されるようにする。

0033

このように、第1、第2のエレメント部13a、13bを別々に所定の抵抗値になるように抵抗値を調整、修正(トリミング)した後に、第1、第2のエレメント部13a、13b同士を並列に接続しているため、抵抗値精度が高くなる。

0034

最後に、前記端面電極層16に、ニッケルと錫の2層構造からなるめっき膜(図示せず)を形成する。

0035

上記した本発明の実施の形態1においては、複数の第1、第2のエレメント部13a、13bを並列に配置しているため、1つのエレメント部13に流れる電流を低減でき、これにより、定格電流を高くしても、通常使用時の溶断部15の温度上昇が小さくなるため、第1、第2のエレメント部13a、13bの長期信頼性が悪化して溶断特性が劣化する等の不具合を低減できるという効果が得られる。

0036

すなわち、高電流が印加されても電流が第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bの両方に分流されるため、1つのエレメント部13に流れる電流は小さくなり、これにより、1つのエレメント部13当たりの溶断部15の温度上昇は小さくなる。したがって、定格電流を高くすることが可能になる。さらに、過電流が印加されたときに第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bでほぼ同時に溶断部15が溶融して断線する。

0037

そして、上記した説明では、側面から見て、第1のエレメント部13aに形成された溶断部15と、第2のエレメント部13bに形成された溶断部15の位置が重なっているが、図3に示すように、複数対の上面電極12間に電流が流れる方向と垂直方向で、絶縁基板11の中心部を通るB−B線に対して、片側に1つの溶断部15を、もう片側に1つの溶断部15を位置させれば、電流印加時のホットスポットが分散されるため、温度上昇が
より小さくなり、これにより、定格電流をより高くすることができる。さらに、側面から見てB−B線に対して線対称となる位置に2つの溶断部15を形成すれば、温度分布が均一化してより好ましい。

0038

なお、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを異なる抵抗値としてもよく、また、異なる溶断特性としてもよい。

0039

このとき、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを異なる抵抗値とする場合、2つの第1、第2のエレメント部13a、13bの厚みを変えたり抵抗値調整用トリミング溝19の長さや本数を変えたりする。また、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを異なる溶断特性とする場合、2つの第1、第2のエレメント部13a、13bの溶断部15の面積を変えたり、熱伝導率が異なる下地層14を使用したりする。

0040

そして、上記の説明では、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを絶縁基板11の片面に形成したが、第1のエレメント部13aを絶縁基板11のおもて面、第2のエレメント部13bを絶縁基板11の裏面に形成してもよい。絶縁基板11の片面に形成されるエレメント部13が1つであるため、実装面積が小さくて済む。この場合も、2つの溶断部15を上面視で重ならないようにすれば、電流印加時のホットスポットが分散され、好ましい。

0041

このとき、絶縁基板11の裏面に形成された第2のエレメント部13bは、実装用基板に近いため、第1のエレメント部13aよりも放熱性がよい。したがって、第1のエレメント部13aに比べ、第2のエレメント部13bの抵抗値をより高くしたり、より溶断し易くしたりする必要がある。

0042

さらに、図4に示すように、二対の上面電極12を絶縁基板11の長辺側の両端部に形成してもよい。

0043

第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bの幅方向の長さを長くすることができるため、それぞれの溶断部15同士が各エレメント部の互いに対向する側面から離れ、これにより、溶断部15同士の距離が長くなる。したがって、ホットスポットが分散され、温度上昇がより小さくなり、これにより、定格電流をより高くすることができる。なお、絶縁基板11を矩形状とする。

0044

このとき、さらに、小型化してもエレメント部13a、13bの幅が狭くなるのを防ぐことができるため、溶断部15形成用のトリミング溝18の先端部と、この先端部と対向するエレメント部の側辺との間の距離が、一対のトリミング溝18間の距離より小さくなるという可能性は少なくなる。この結果、一定以上の電流値が流れたときに溶断部15で溶断しないということは発生しにくくなるため、溶断特性を安定化させることができる。

0045

(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2における回路保護素子の一部切欠上面図、図6図5のC−C線断面図である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。

0046

本発明の実施の形態2が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図5図6に示すように、エレメント部13に溶断部15を2つ形成し、2つの溶断部15を直列に配置した点である。

0047

なお、図5では、説明を簡単にするために、下地層14、保護層17を省略している。

0048

このとき、絶縁基板11の上面の両端部に上面電極12(一対の上面電極12a、12b)が設けられ、この一対の上面電極12a、12bは、それぞれ端面電極層16と接続されている。

0049

さらに、絶縁基板11の上面の中央部には、他の上面電極12cがAg等を印刷することによって形成され、この他の上面電極12cは、一対の上面電極12a、12b、端面電極層16とは直接接続されない。

0050

そして、他の上面電極12cの幅(一対の上面電極12a、12b間に電流が流れる方向と垂直方向)の長さを、一対の上面電極12a、12bの幅の長さより短くしている。保護層17と他の上面電極12cとの間の隙間からめっき液等が浸入するのを防ぐためである。

0051

そしてさらに、エレメント部13は、直列に接続配置された第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bの2つで構成されている。また、第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bの間には、他の上面電極12cが設けられている。第1のエレメント部13aは一方の上面電極12aと電気的に接続され、第2のエレメント部13bは他方の上面電極12bと電気的に接続されている。したがって、一方の上面電極12aと他の上面電極12cとの間に第1のエレメント部13aが、他方の上面電極12bと他の上面電極12cとの間に第2のエレメント部13bがそれぞれ形成される。

0052

第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bは、それぞれ1つの溶断部15を備えており、結果的に、2つの溶断部15が直列に配置される。ここで、2つの溶断部15が直列に配置されるというは、一対の上面電極12a、12b間に電流が流れる方向と平行に2つの溶断部15が並んでいることをいう。

0053

さらに、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bは、同一材料、同一厚みで構成され、下地層14も同一の材質のものを使用している。溶断部15の面積も略同一となっている。したがって、両者の抵抗値は略同一で、溶断特性も略同一になっている。

0054

ここで、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを、同時に同条件で形成することによって、両者の抵抗値を略同一、溶断特性を略同一にすることができる。

0055

さらに、一対の上面電極12a、12b間のエレメント部13の抵抗値を所定の抵抗値になるように抵抗値修正する。このとき、一方の上面電極12aと他の上面電極12cとの間の抵抗値を4端子測定しながら、第1のエレメント部13aにレーザ照射し抵抗値調整用トリミング溝19を形成して抵抗値を所定の値に修正し、かつ他方の上面電極12bと他の上面電極12cとの間の抵抗値を4端子測定しながら、第2のエレメント部13bにレーザ照射し抵抗値調整用トリミング溝19を形成して抵抗値を所定の値に修正する。なお、2つのトリミング溝18が形成された箇所の両サイドに抵抗値調整用トリミング溝19を形成する。このとき、他の上面電極12cを設けているため、エレメント部13全体ではなく、第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bを別個抵抗値測定、抵抗値修正ができる。

0056

このように、第1、第2のエレメント部13a、13bは別々に所定の抵抗値になるように抵抗値を調整、修正(トリミング)しているため、抵抗値精度が高くなる。

0057

そしてまた、下地層14は、一方の上面電極12aと他の上面電極12cとの間および他方の上面電極12bと他の上面電極12cとの間に位置する第1、第2のエレメント部13a、13bと、絶縁基板11との間に設けられている。

0058

また、一対の上面電極12a、12b間に電流が流れる方向と垂直方向で、絶縁基板11の中心部を通る図5のD−D線に対して、紙面左右それぞれの位置に溶断部15が形成されている。

0059

上記した本発明の実施の形態2においては、2つの溶断部15を直列に配置しているため、1つの溶断部15に印加される電圧を低減でき、これにより、定格電圧を高くしても、異常電流発生時の溶断部15のアークが小さくなるため、絶縁抵抗が低くなる等の不具合を低減できるという効果が得られるものである。

0060

すなわち、高電圧が印加されてもその電圧が第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bの両方に分圧されるため、1つのエレメント部13に印加される電圧は小さくなる。したがって、定格電圧を高くすることが可能になる。また、高電圧が印加されてもアークが発生しにくくなるため、その分、定格電圧を低電圧からより高い電圧側まで広い範囲に設定することができる。さらに、過電流が印加されたときに第1のエレメント部13aと第2のエレメント部13bでほぼ同時に溶断部15が溶融して断線する。

0061

そして、2つの溶断部15を直列に配置しているため、1つの溶断部15に印加される電圧を低減でき、これにより、定格電圧を高くしても、通常使用時の溶断部15の温度上昇が小さくなるため、エレメント部の長期信頼性が悪化して溶断特性が劣化する可能性を低減できる。

0062

さらにまた、過電流が印加されて、第1、第2のエレメント部13a、13bのうちいずれか一方の溶断部15が先に溶断する場合、この一方の溶断部15にアークが発生するが、一方の溶断部15と直列接続された他方の溶断部15には電流が流れたままになるため、この他方の溶断部15にさらに高い電流が印加され、これにより、他方の溶断部15がすばやく溶断するため、一方の溶断部15に発生したアークもすばやく遮断される。アークの発生が長時間続くと、回路保護素子が大きく損傷したり、保護する各種電子機器に過電流が流れ続けたりしてしまう。

0063

そして、図5において、一対の上面電極12a、12b間に電流が流れる方向と垂直方向で、絶縁基板11の中心部を通るD−D線に対して一方の溶断部15が紙面左側に、他方の溶断部15が紙面右側に位置しているため、電流印加時のホットスポットが分散され、これにより、温度上昇がより小さくなり、定格電流をより高くすることができる。さらに、D−D線に対して線対称となる位置に2つの溶断部15を形成すれば、温度分布が均一化するためより好ましい。

0064

また、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bに形成されたトリミング溝18、抵抗値調整用トリミング溝19の位置もD−D線に対して線対称としてもよい。

0065

なお、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを異なる抵抗値としてもよく、また、異なる溶断特性としてもよい。

0066

ここで、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13b(2つの溶断部15)を異なる溶断特性とすると、いずれか一方の溶断部15が確実に先に溶断するため、上記したように発生したアークをすばやく遮断できる。

0067

このとき、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを異なる溶断特性とする場合、2つのエレメント部13a、13bの溶断部15の面積を変えたり、熱伝導率が異なる下地層14を使用したりする。また、第1のエレメント部13a、第2のエレメント部13bを異なる抵抗値とする場合、2つのエレメント部13a、13bの厚みを変えたり抵抗値調整用トリミング溝19の長さや本数を変えたりする。

0068

そして、上記の説明では、エレメント部13において第1のエレメント部13aの溶断部15と、第2のエレメント部13bの溶断部15を直列に配置したが、図7に示すように、2つの溶断部15が直列に配置されたエレメント部13を複数設け、これらを並列に接続してエレメント部13a〜13dを構成してもよい。

0069

この構成により、上記した実施の形態1、2の両方の効果を得ることができる。また、ホットスポットをより多く分散させることができるため、温度上昇がより小さくなり、これにより、定格電流をより高くすることができる。

0070

さらに、2つの溶断部15が直列に配置されたエレメント部13を別途絶縁基板11の裏面に形成してもよい。この構成により、電流印加時のホットスポットがより多くの場所に分散されるため、好ましい。

0071

また、本発明の実施の形態1、2では、中空ケース等を必要とせず、一般的によく使用されるアルミナからなる絶縁基板11を使用し、この1つの絶縁基板11に、2つの素子(第1、第2のエレメント部13a、13b)をチップ抵抗器における1つの素子と同じような方法で形成しているため、現行のチップ抵抗器で用いられる材料、設備をそのまま使用でき、これにより、容易かつ安価に生産できる。さらに、例えば3216サイズに1チップ化でき、また、比較的低電力で小形の面実装タイプの回路保護素子が得られる。

0072

なお、上記した本発明の実施の形態1、2においては、エレメント部13を2つとしたが、3つ以上としてもよい。

0073

また、回路保護素子について説明したが、定格電流が高いヒューズ抵抗等の他の電子部品にも本発明は適用できる。

0074

本発明に係る回路保護素子およびその製造方法は、定格電流を高くすることができるという効果を有するものであり、特に過電流が流れると溶断して各種電子機器を保護する回路保護素子等において有用となるものである。

0075

11絶縁基板
12 上面電極
13エレメント部
13a 第1のエレメント部
13b 第2のエレメント部
15溶断部
18 トリミング溝

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