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技術 電力総和抑制制御装置および方法

出願人 アズビル株式会社
発明者 田中雅人高木亨
出願日 2015年9月4日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-174390
公開日 2017年3月9日 (2年11ヶ月経過) 公開番号 2017-049908
状態 特許登録済
技術分野 フィードバック制御一般
主要キーワード 温調計 各制御ループ 電力総和 比例帯 ブロック線 伝達関数式 電力余裕 制御ゾーン
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課題

電力総和抑制制御を行ないながら昇温する場合において、繰り返し処理を実施せずに昇温時間を推定する。

解決手段

電力総和抑制制御装置は、昇温時間を推定する昇温時間推定機能部1と、各制御ループの瞬時の電力の総和が割当総電力PW以下になるように各制御ループの操作量出力上限値を算出する電力抑制部2と、操作量出力上限値に基づいて上限処理した操作量を出力する制御部3−iとから構成される。昇温時間推定機能部1は、規定された昇温について予め把握される総投入電力量ETを記憶する基本情報記憶部10と、割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力部11と、総投入電力量ETを割当総電力PWで割った値に基づいて昇温時間の推定値を算出する昇温時間算出部12とを備える。

概要

背景

地球温暖化問題に起因する法改正などに伴い、工場生産ラインエネルギー使用量管理が強く求められている。工場内の加熱装置空調機器は特にエネルギー使用量の大きな設備装置であるため、エネルギー使用量の上限を、本来備える最大量よりも低く抑えるように管理されることが多い。例えば電力を使用する設備装置では、電力デマンド管理システムからの指示により、特定の電力使用量以内に制限する運用が行なわれている。

特に複数のアクチュエータ電気ヒータ)を備える加熱装置では、立ち上げ時(複数の電気ヒータが設置されている領域の一斉昇温時)に同時供給される総電力を抑制するために、電力総和抑制制御(特許文献1、特許文献2参照)などが提案されている。図8は特許文献1、特許文献2に開示された加熱装置の構成を示すブロック図である。加熱装置は、被加熱物を加熱するための加熱処理炉100と、加熱処理炉100の内部に設置された複数のアクチュエータである電気ヒータH1〜H4と、それぞれヒータH1〜H4によって加熱される加熱処理炉100内の制御ゾーンZ1〜Z4の温度PVを測定する複数の温度センサS1〜S4と、ヒータH1〜H4に出力する操作量MV1〜MV4を算出する電力総和抑制制御装置101と、電力総和抑制制御装置101から出力された操作量MV1〜MV4に応じた電力をそれぞれヒータH1〜H4に供給する電力調整器102−1〜102−4とから構成される。この図8に示した加熱装置においては、制御ゾーンZ1〜Z4の温度PVを制御するPID制御ループが、4個形成されていることになる。

電力総和抑制制御装置101は、電力を管理する電力デマンド管理システムのコンピュータである上位PC103から、ヒータH1〜H4の電力を規定する割当総電力PWの情報を受信し、昇温動作使用電力総量TWを算出して、この使用電力総量TWが割当総電力PWを超えないように各制御ループ操作量出力上限値OH1〜OH4を算出する。そして、電力総和抑制制御装置101は、PID制御演算により各制御ループの操作量MV1〜MV4を算出し、操作量MV1〜MV4を操作量出力上限値OH1〜OH4以下に制限する上限リミット処理を実行して、上限処理後の操作量MV1〜MV4を対応する制御ループの電力調整器102−1〜102−4に出力する。こうして、操作量出力上限値OH1〜OH4を操作することで、設定値SP変更による昇温時の総電力を指定された値以下に抑制できる。

概要

電力総和抑制制御を行ないながら昇温する場合において、繰り返し処理を実施せずに昇温時間を推定する。電力総和抑制制御装置は、昇温時間を推定する昇温時間推定機能部1と、各制御ループの瞬時の電力の総和が割当総電力PW以下になるように各制御ループの操作量出力上限値を算出する電力抑制部2と、操作量出力上限値に基づいて上限処理した操作量を出力する制御部3−iとから構成される。昇温時間推定機能部1は、規定された昇温について予め把握される総投入電力量ETを記憶する基本情報記憶部10と、割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力部11と、総投入電力量ETを割当総電力PWで割った値に基づいて昇温時間の推定値を算出する昇温時間算出部12とを備える。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電力総和抑制制御を行ないながら昇温する場合において、繰り返し処理を実施せずに昇温時間を推定することができる電力総和抑制制御装置および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

n個(nは2以上の整数)の制御ループLi(i=1〜n)の規定された昇温に必要な総投入電力量ETを予め記憶する基本情報記憶手段と、全ての制御ループLiのヒータの総電力を規定する割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力手段と、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に基づいて昇温時間の推定値を算出する昇温時間算出手段と、各制御ループLiの瞬時の電力の総和が前記割当総電力PW以下になるように各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出し、この操作量出力上限値OHiに基づいて各制御ループLiのヒータに対する操作量MViの上限処理を行う電力総和抑制制御手段とを備えることを特徴とする電力総和抑制制御装置

請求項2

請求項1記載の電力総和抑制制御装置において、前記基本情報記憶手段は、さらに、前記規定された昇温時に各制御ループLiの制御量PViが設定値SPiに到達してから整定するまでの整定移行時間TSを予め記憶し、前記昇温時間算出手段は、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に前記整定移行時間TSを加算して昇温時間の推定値を算出することを特徴とする電力総和抑制制御装置。

請求項3

請求項1または2記載の電力総和抑制制御装置において、前記基本情報記憶手段は、さらに、前記規定された昇温時に全ての制御ループLiを最大電力で昇温させた場合の最短昇温時間TMを予め記憶し、前記昇温時間算出手段は、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に基づく昇温時間の推定値が前記最短昇温時間TM以上の値になるように下限値処理して、昇温時間の推定値を確定することを特徴とする電力総和抑制制御装置。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力総和抑制制御装置において、前記電力総和抑制制御手段は、各制御ループLiの消費電力値CTiを取得する電力値得手段と、各制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する最大出力時電力値取得手段と、前記最大出力時消費電力値CTmiと前記消費電力値CTiとの差から各制御ループLiの電力余裕を算出し、この電力余裕の総和に対する各制御ループLiの電力余裕の比率と前記割当総電力PWとに基づいて、各制御ループLiの電力余裕が公平な状態に近づくように各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する操作量出力上限値操作手段と、制御ループLi毎に設けられ、設定値SPiと制御量PViを入力として制御演算により操作量MViを算出し、操作量MViを前記操作量出力上限値OHi以下の値に制限する上限処理を実行して、上限処理後の操作量MViを対応する制御ループLiのヒータに出力する制御手段とを備えることを特徴とする電力総和抑制制御装置。

請求項5

請求項4記載の電力総和抑制制御装置において、前記操作量出力上限値操作手段は、前記最大出力時消費電力値CTmiと前記消費電力値CTiとの差から各制御ループLiの電力余裕CTriを算出する電力余裕算出手段と、各制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを算出する最大総電力算出手段と、各制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する電力余裕総量算出手段と、削減すべき電力である電力削減総量SWを前記最大総電力BXと前記割当総電力PWとから算出する電力削減総量算出手段と、各制御ループLiで削減すべき電力である電力削減割当量CTsiを前記電力余裕CTriと前記電力余裕総量RWと前記電力削減総量SWとから算出する電力削減割当量算出手段と、前記電力削減割当量CTsiと前記最大出力時消費電力値CTmiとから各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出手段とを備えることを特徴とする電力総和抑制制御装置。

請求項6

n個(nは2以上の整数)の制御ループLi(i=1〜n)のヒータの総電力を規定する割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力ステップと、制御ループLiの規定された昇温に必要な総投入電力量ETを予め記憶する基本情報記憶手段を参照し、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に基づいて昇温時間の推定値を算出する昇温時間算出ステップと、各制御ループLiの瞬時の電力の総和が前記割当総電力PW以下になるように各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出し、この操作量出力上限値OHiに基づいて各制御ループLiのヒータに対する操作量MViの上限処理を行う電力総和抑制制御ステップとを含むことを特徴とする電力総和抑制制御方法

請求項7

請求項6記載の電力総和抑制制御方法において、前記基本情報記憶手段は、さらに、前記規定された昇温時に各制御ループLiの制御量PViが設定値SPiに到達してから整定するまでの整定移行時間TSを予め記憶し、前記昇温時間算出ステップは、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に前記整定移行時間TSを加算して昇温時間の推定値を算出するステップを含むことを特徴とする電力総和抑制制御方法。

請求項8

請求項6または7記載の電力総和抑制制御方法において、前記基本情報記憶手段は、さらに、前記規定された昇温時に全ての制御ループLiを最大電力で昇温させた場合の最短昇温時間TMを予め記憶し、前記昇温時間算出ステップは、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に基づく昇温時間の推定値が前記最短昇温時間TM以上の値になるように下限値処理して、昇温時間の推定値を確定するステップを含むことを特徴とする電力総和抑制制御方法。

請求項9

請求項6乃至8のいずれか1項に記載の電力総和抑制制御方法において、前記電力総和抑制制御ステップは、各制御ループLiの消費電力値CTiを取得する電力値取得ステップと、各制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する最大出力時電力値取得ステップと、前記最大出力時消費電力値CTmiと前記消費電力値CTiとの差から各制御ループLiの電力余裕を算出し、この電力余裕の総和に対する各制御ループLiの電力余裕の比率と前記割当総電力PWとに基づいて、各制御ループLiの電力余裕が公平な状態に近づくように各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する操作量出力上限値操作ステップと、設定値SPiと制御量PViを入力として制御演算により操作量MViを算出し、操作量MViを前記操作量出力上限値OHi以下の値に制限する上限処理を実行して、上限処理後の操作量MViを対応する制御ループLiのヒータに出力する制御ステップとを含むことを特徴とする電力総和抑制制御方法。

請求項10

請求項9記載の電力総和抑制制御方法において、前記操作量出力上限値操作ステップは、前記最大出力時消費電力値CTmiと前記消費電力値CTiとの差から各制御ループLiの電力余裕CTriを算出する電力余裕算出ステップと、各制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを算出する最大総電力算出ステップと、各制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する電力余裕総量算出ステップと、削減すべき電力である電力削減総量SWを前記最大総電力BXと前記割当総電力PWとから算出する電力削減総量算出ステップと、各制御ループLiで削減すべき電力である電力削減割当量CTsiを前記電力余裕CTriと前記電力余裕総量RWと前記電力削減総量SWとから算出する電力削減割当量算出ステップと、前記電力削減割当量CTsiと前記最大出力時消費電力値CTmiとから各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出ステップとを含むことを特徴とする電力総和抑制制御方法。

技術分野

0001

本発明は、複数の制御ループを備えたマルチループ制御系制御装置および制御方法係り、特に瞬時の電力の総和が指定された値を超えないように操作量出力上限値を操作する電力総和抑制制御を行ないながら昇温する場合において昇温時間を推定する電力総和抑制制御装置および方法に関するものである。

背景技術

0002

地球温暖化問題に起因する法改正などに伴い、工場生産ラインエネルギー使用量管理が強く求められている。工場内の加熱装置空調機器は特にエネルギー使用量の大きな設備装置であるため、エネルギー使用量の上限を、本来備える最大量よりも低く抑えるように管理されることが多い。例えば電力を使用する設備装置では、電力デマンド管理システムからの指示により、特定の電力使用量以内に制限する運用が行なわれている。

0003

特に複数のアクチュエータ電気ヒータ)を備える加熱装置では、立ち上げ時(複数の電気ヒータが設置されている領域の一斉昇温時)に同時供給される総電力を抑制するために、電力総和抑制制御(特許文献1、特許文献2参照)などが提案されている。図8は特許文献1、特許文献2に開示された加熱装置の構成を示すブロック図である。加熱装置は、被加熱物を加熱するための加熱処理炉100と、加熱処理炉100の内部に設置された複数のアクチュエータである電気ヒータH1〜H4と、それぞれヒータH1〜H4によって加熱される加熱処理炉100内の制御ゾーンZ1〜Z4の温度PVを測定する複数の温度センサS1〜S4と、ヒータH1〜H4に出力する操作量MV1〜MV4を算出する電力総和抑制制御装置101と、電力総和抑制制御装置101から出力された操作量MV1〜MV4に応じた電力をそれぞれヒータH1〜H4に供給する電力調整器102−1〜102−4とから構成される。この図8に示した加熱装置においては、制御ゾーンZ1〜Z4の温度PVを制御するPID制御ループが、4個形成されていることになる。

0004

電力総和抑制制御装置101は、電力を管理する電力デマンド管理システムのコンピュータである上位PC103から、ヒータH1〜H4の電力を規定する割当総電力PWの情報を受信し、昇温動作使用電力総量TWを算出して、この使用電力総量TWが割当総電力PWを超えないように各制御ループの操作量出力上限値OH1〜OH4を算出する。そして、電力総和抑制制御装置101は、PID制御演算により各制御ループの操作量MV1〜MV4を算出し、操作量MV1〜MV4を操作量出力上限値OH1〜OH4以下に制限する上限リミット処理を実行して、上限処理後の操作量MV1〜MV4を対応する制御ループの電力調整器102−1〜102−4に出力する。こうして、操作量出力上限値OH1〜OH4を操作することで、設定値SP変更による昇温時の総電力を指定された値以下に抑制できる。

先行技術

0005

特開2012−048370号公報
特開2012−048533号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献2に開示された技術では、電力総和抑制制御のために昇温開始から昇温完了までの所要時間(以下、昇温時間)を推定している。具体的には、各制御ループにおける最大出力時(操作量MV1〜MV4が最大値の時)の昇温時間TLをまず推定し、各制御ループの温度PV1〜PV4を昇温時間TLの間に変更量ΔPVだけ昇温させるのに必要な操作量である必要出力MU1〜MU4を算出して、必要出力MU1〜MU4から各ヒータH1〜H4の使用電力の総和である使用電力総量TWを算出する。そして、使用電力総量TWが割当総電力PW以内になるかどうかを判定し、使用電力総量TWが割当総電力PWを超える場合は、昇温時間TLを延長して、使用電力総量TWが割当総電力PW以内になるようにする。使用電力総量TWが割当総電力PW以内になったときの必要出力MU1〜MU4を操作量出力上限値OH1〜OH4として設定する。

0007

以上のような特許文献2に開示された技術では、1回の制御周期内で、必要出力MU1〜MU4の算出→使用電力総量TWの算出→昇温時間TLの延長という一連の処理を、使用電力総量TWが割当総電力PW以内になるまで繰り返すことになる。
しかし、制御周期が短く、かつ演算機能ハードウェアが低価格なものに抑えられる温調計では、1回の制御周期内での演算量が実質的に未定になる“繰り返し処理”は敬遠される。

0008

そこで、このような温調計への実装上の都合などを考慮すると、1回の制御周期内に“繰り返し処理”が含まれない特許文献1の技術を用いて電力総和抑制制御を行なうことが望ましい。ただし、特許文献1に開示された技術では、昇温時間を予め推定する(予測する)手段がないという問題点があった。

0009

電力総和抑制制御を行ないつつの昇温が、昇温時間をどのくらい犠牲にするかは、重要なトレードオフの問題になるので、特許文献1に開示された技術において、昇温時間を推定できるような改善が求められている。

0010

本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、電力総和抑制制御を行ないながら昇温する場合において、繰り返し処理を実施せずに昇温時間を推定することができる電力総和抑制制御装置および方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の電力総和抑制制御装置は、n個(nは2以上の整数)の制御ループLi(i=1〜n)の規定された昇温に必要な総投入電力量ETを予め記憶する基本情報記憶手段と、全ての制御ループLiのヒータの総電力を規定する割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力手段と、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に基づいて昇温時間の推定値を算出する昇温時間算出手段と、各制御ループLiの瞬時の電力の総和が前記割当総電力PW以下になるように各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出し、この操作量出力上限値OHiに基づいて各制御ループLiのヒータに対する操作量MViの上限処理を行う電力総和抑制制御手段とを備えることを特徴とするものである。

0012

また、本発明の電力総和抑制制御装置の1構成例において、前記基本情報記憶手段は、さらに、前記規定された昇温時に各制御ループLiの制御量PViが設定値SPiに到達してから整定するまでの整定移行時間TSを予め記憶し、前記昇温時間算出手段は、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に前記整定移行時間TSを加算して昇温時間の推定値を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の電力総和抑制制御装置の1構成例において、前記基本情報記憶手段は、さらに、前記規定された昇温時に全ての制御ループLiを最大電力で昇温させた場合の最短昇温時間TMを予め記憶し、前記昇温時間算出手段は、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に基づく昇温時間の推定値が前記最短昇温時間TM以上の値になるように下限値処理して、昇温時間の推定値を確定することを特徴とするものである。

0013

また、本発明の電力総和抑制制御装置の1構成例において、前記電力総和抑制制御手段は、各制御ループLiの消費電力値CTiを取得する電力値得手段と、各制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する最大出力時電力値取得手段と、前記最大出力時消費電力値CTmiと前記消費電力値CTiとの差から各制御ループLiの電力余裕を算出し、この電力余裕の総和に対する各制御ループLiの電力余裕の比率と前記割当総電力PWとに基づいて、各制御ループLiの電力余裕が公平な状態に近づくように各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する操作量出力上限値操作手段と、制御ループLi毎に設けられ、設定値SPiと制御量PViを入力として制御演算により操作量MViを算出し、操作量MViを前記操作量出力上限値OHi以下の値に制限する上限処理を実行して、上限処理後の操作量MViを対応する制御ループLiのヒータに出力する制御手段とを備えることを特徴とするものである。

0014

また、本発明の電力総和抑制制御装置の1構成例において、前記操作量出力上限値操作手段は、前記最大出力時消費電力値CTmiと前記消費電力値CTiとの差から各制御ループLiの電力余裕CTriを算出する電力余裕算出手段と、各制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを算出する最大総電力算出手段と、各制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する電力余裕総量算出手段と、削減すべき電力である電力削減総量SWを前記最大総電力BXと前記割当総電力PWとから算出する電力削減総量算出手段と、各制御ループLiで削減すべき電力である電力削減割当量CTsiを前記電力余裕CTriと前記電力余裕総量RWと前記電力削減総量SWとから算出する電力削減割当量算出手段と、前記電力削減割当量CTsiと前記最大出力時消費電力値CTmiとから各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出手段とを備えることを特徴とするものである。

0015

また、本発明の電力総和抑制制御方法は、n個(nは2以上の整数)の制御ループLi(i=1〜n)のヒータの総電力を規定する割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力ステップと、制御ループLiの規定された昇温に必要な総投入電力量ETを予め記憶する基本情報記憶手段を参照し、前記総投入電力量ETを前記割当総電力PWで割った値に基づいて昇温時間の推定値を算出する昇温時間算出ステップと、各制御ループLiの瞬時の電力の総和が前記割当総電力PW以下になるように各制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出し、この操作量出力上限値OHiに基づいて各制御ループLiのヒータに対する操作量MViの上限処理を行う電力総和抑制制御ステップとを含むことを特徴とするものである。

発明の効果

0016

本発明によれば、基本情報記憶手段と割当総電力入力手段と昇温時間算出手段と電力総和抑制制御手段とを設けることにより、電力総和抑制制御を行ないながら昇温する場合において、繰り返し処理を実施せずに昇温時間を推定することができる。したがって、制御周期が短く、かつ演算機能のハードウェアが低価格なものに抑えられる温調計に本発明を適用して、昇温時間を推定することが可能になる。

図面の簡単な説明

0017

電力総和抑制制御を実施せずに昇温させた場合の加熱装置の動作例を示す図である。
電力総和抑制制御を実施せずに昇温させた場合の加熱装置の動作例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る電力総和抑制制御装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態に係るPID制御系のブロック線図である。
本発明の実施の形態に係る電力総和抑制制御装置の昇温時間推定機能部の動作を説明するフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る電力総和抑制制御装置の電力抑制部および制御部の動作を説明するフローチャートである。
本発明の実施の形態に係る電力総和抑制制御装置の動作例を示す図である。
複数の電気ヒータを備える加熱装置の構成を示すブロック図である。

実施例

0018

[発明の原理
発明者は、複数のPID制御ループについて、例えば電気ヒータで昇温を完了させる場合、最終的に使用する電力量(総投入電力量)は概ね一定であることに着眼した。すなわち、温度がオーバーシュートするような“無駄な昇温”が発生しなければ、昇温の対象の熱容量と一定の放熱特性で、総投入電力量がほぼ決まると言える。

0019

また、特許文献1に開示された技術は瞬時の電力を一定の割当総電力以下に抑制する技術であるので、昇温時という電力要求の大きい時間帯における平均的な瞬時電力は、予め規定された割当総電力に概ね一致することに着眼した。

0020

そして、上記の前提で、典型的な昇温完了パターンでの総投入電力量を予め検出しておき、フィードバック制御としての適切な動作(温度に大きなオーバーシュートが発生しない動作、温度の上下動が少ない動作)であることも加味すれば、(総投入電力量÷割当総電力)の計算をベースに、昇温時間を推定できることに想到した。

0021

[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態では、特許文献1に開示された電力総和抑制制御を利用する。また、制御対象としては、4個のPID制御ループがあり、電気ヒータがアクチュエータとして使用されている構成(図8)とする。

0022

まず、本実施の形態の前提条件について説明する。本実施の形態では、予め調査することにより把握される総投入電力量などを、下記のとおりとする。図1(A)、図1(B)、図2(A)、図2(B)は電力総和抑制制御を実施せずに最大電力で昇温させた場合の図8の加熱装置の動作例を示す図であり、図1(A)はPID制御ループL1,L4の設定値SP1,SP4を100℃から400℃に変化させた昇温時に観測された制御量(温度)PV1,PV4の変化を示す図、図1(B)はこの昇温時に観測された操作量MV1,MV4の変化を示す図である。図2(A)はPID制御ループL2,L3の設定値SP2,SP3を100℃から400℃に変化させた昇温時に観測された制御量(温度)PV2,PV3の変化を示す図、図2(B)はこの昇温時に観測された操作量MV2,MV3の変化を示す図である。

0023

(I)PID制御ループL1のヒータH1の最大電力は200Wであり、PID制御ループL1の100℃から400℃への昇温における最大電力(操作量出力上限値OH1=100%)での昇温完了までの所要時間は調査の結果1900秒であったとする。制御量(温度)PV1が設定値SP1=400℃に到達してから整定(昇温完了)するまでの整定移行時間は100秒である(図1(A)、図1(B))。PID制御ループL1の100℃から400℃への昇温に必要な投入電力量は200W×0.50時間(1800秒)=100Whとなる。

0024

(II)PID制御ループL2のヒータH2の最大電力は400Wであり、PID制御ループL2の100℃から400℃への昇温における最大電力(操作量出力上限値OH2=100%)での昇温完了までの所要時間は調査の結果2800秒であったとする。PID制御ループL2の整定移行時間は100秒である(図2(A)、図2(B))。PID制御ループL2の100℃から400℃への昇温に必要な投入電力量は400W×0.75時間(2700秒)=300Whとなる。

0025

(III)PID制御ループL3のヒータH3の最大電力は400Wであり、PID制御ループL3の100℃から400℃への昇温における最大電力(操作量出力上限値OH3=100%)での昇温完了までの所要時間は調査の結果2800秒であったとする。PID制御ループL3の整定移行時間は100秒である(図2(A)、図2(B))。PID制御ループL3の100℃から400℃への昇温に必要な投入電力量は400W×0.75時間(2700秒)=300Whとなる。

0026

(IV)PID制御ループL4のヒータH4の最大電力は200Wであり、PID制御ループL4の100℃から400℃への昇温における最大電力(操作量出力上限値OH4=100%)での昇温完了までの所要時間は調査の結果1900秒であったとする。PID制御ループL4の整定移行時間は100秒である(図1(A)、図1(B))。PID制御ループL4の100℃から400℃への昇温に必要な投入電力量は200W×0.50時間(1800秒)=100Whとなる。

0027

以上の調査の結果、PID制御ループL1〜L4の100℃から400℃への昇温に必要な総投入電力量ETは100Wh+300Wh+300Wh+100Wh=800Wh(0.8kWh)として把握される。PID制御ループL1〜L4の整定移行時間TSとしては、各PID制御ループL1〜L4の整定移行時間の目安となる代表値平均値,最大値など)を採用すればよく、100秒として把握される。

0028

また、PID制御ループL1〜L4の昇温時間を、最大電力での昇温時間よりも短く設定することはできないので、PID制御ループL1〜L4の最短昇温時間TMは2800秒として把握される。なお、総投入電力量ETと比較して、整定移行時間中に消費される電力量は誤差範囲数値なので、最大電力の時間帯のみで総投入電力量ETを算出している。

0029

図3は本実施の形態に係る電力総和抑制制御装置の構成を示すブロック図である。電力総和抑制制御装置は、電力総和抑制制御を行いながらPID制御ループLi(i=1〜n、nは2以上の整数で、本実施の形態ではn=4)の規定された昇温をする場合の昇温時間を推定する昇温時間推定機能部1と、各PID制御ループLiの瞬時電力の総和が指定された割当総電力PWを超えないように各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する電力抑制部2と、PID制御ループLi毎に設けられた制御部3−iとから構成される。

0030

なお、本実施の形態における「規定された昇温」とは、変更前の設定値SPiと変更後の設定値SPiとが予め定められている昇温のことを言う。上記の例では、変更前の設定値SPiが100℃、変更後の設定値SPiが400℃である。

0031

昇温時間推定機能部1は、PID制御ループLiの規定された昇温について、予め把握される総投入電力量ET、整定移行時間TSおよび最短昇温時間TMを記憶する基本情報記憶部10と、全ての制御ループLiのヒータの総電力を規定する割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力部11と、総投入電力量ETを割当総電力PWで割った値に基づいて昇温時間の推定値を算出する昇温時間算出部12と、昇温時間算出部12の算出結果を出力する昇温時間情報出力部13とから構成される。

0032

電力抑制部2は、割当総電力PWの情報を受信する割当総電力入力部20と、各制御ループLiの消費電力値CTiを取得する電力値取得部21と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する最大出力時電力値取得部22と、最大出力時消費電力値CTmiと消費電力値CTiとから各PID制御ループLiの電力余裕CTriを算出する電力余裕算出部23と、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを算出する最大総電力算出部24と、各PID制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを算出する電力余裕総量算出部25と、削減すべき電力である電力削減総量SWを最大総電力BXと割当総電力PWとから算出する電力削減総量算出部26と、各PID制御ループLiで削減すべき電力である電力削減割当量CTsiを算出する電力削減割当量算出部27と、電力削減割当量CTsiと最大出力時消費電力値CTmiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを算出する出力上限値算出部28とから構成される。電力余裕算出部23と最大総電力算出部24と電力余裕総量算出部25と電力削減総量算出部26と電力削減割当量算出部27と出力上限値算出部28とは、操作量出力上限値操作手段を構成している。

0033

制御部3−iは、設定値SPiを外部から入力する設定値SPi入力部30−iと、制御量PViを計測器から入力する制御量PVi入力部31−iと、設定値SPiと制御量PViに基づき操作量MViを算出するPID制御演算部32−iと、操作量MViを操作量出力上限値OHi以下に制限する出力上限処理部33−iと、操作量MViを外部に出力する操作量MVi出力部34−iとから構成される。

0034

図4は本実施の形態のPID制御系のブロック線図である。各PID制御ループLiは、それぞれ制御部3−iと、制御対象Piとから構成される。制御部3−iは、PID制御演算部32−iが算出した操作量MViを制御対象Piに出力する。図8の例では、制御対象PiはヒータHiが加熱する加熱処理炉100であるが、操作量MViの実際の出力先は電力調整器102−iであり、操作量MViに応じた電力が電力調整器102−iからヒータHiに供給される。

0035

以下、本実施の形態の電力総和抑制制御装置の動作を説明する。図5は昇温時間推定機能部1の動作を説明するフローチャート、図6は電力抑制部2と制御部3−iの動作を説明するフローチャートである。また、図7(A)、図7(B)は電力総和抑制制御装置の動作例を示す図であり、図7(A)は設定値SP1〜SP4、制御量PV1〜PV4の変化を示す図、図7(B)は操作量MV1〜MV4の変化を示す図である。

0036

まず、昇温時間推定機能部1の動作について説明する。昇温時間推定機能部1は、例えば加熱装置のオペレータの指示に応じて起動するか、あるいは設定値SP1〜SP4の変更による昇温開始に応じて起動する。

0037

起動した昇温時間推定機能部1の割当総電力入力部11は、電力を管理する電力デマンド管理システムのコンピュータ(図8の例では上位PC103)から、ヒータHiの電力を規定する割当総電力PWの情報を受信する(図5ステップS100)。ここでは、割当総電力PW=800W(ヒータH1〜H4の総電力1200Wの67%)とする。

0038

昇温時間推定機能部1の昇温時間算出部12は、規定された昇温(100℃→400℃)について、基本情報記憶部10に予め記憶されている総投入電力量ET=800Wh、整定移行時間TS=100秒、最短昇温時間TM=2800秒を取得する(図5ステップS101)。

0039

総投入電力量ETは必須であるが、整定移行時間TSおよび最短昇温時間TMは推定の信頼度を確保するために利用するのが好ましい。整定移行時間TSが無視できるくらい小さい場合には、基本情報記憶部10に記憶させておく整定移行時間TSを0にしてもよいし、整定移行時間TSの設定を止めてもよい。

0040

続いて、昇温時間算出部12は、次式により、昇温時間の推定暫定値TRoを算出する(図5ステップS102)。
TRo=ET/PW=800Wh/800W=1時間=3600秒 ・・・(1)

0041

さらに、昇温時間算出部12は、次式により、昇温時間の推定暫定値TRrを更新する(図5ステップS103)。
TRr=Tro+TS=3600秒+100秒=3700秒 ・・・(2)
基本情報記憶部10に整定移行時間TSが記憶されていない場合、式(2)の実行は不要である。

0042

最後に、昇温時間算出部12は、最短昇温時間TMにより昇温時間の推定暫定値TRrを下限値処理し、昇温時間の推定値TRを確定する(図5ステップS104)。
IF TRr<TM THEN TR=TM ELSE TR=TRr ・・(3)

0043

すなわち、昇温時間算出部12は、昇温時間の推定暫定値TRrが最短昇温時間TMより短い場合は、最短昇温時間TMを昇温時間の推定値TRとし、推定暫定値TRrが最短昇温時間TM以上の場合は、推定暫定値TRrを昇温時間の推定値TRとする。ステップS104の処理により、本実施の形態では、TR=3700秒に確定する。なお、式(2)を実行しない場合には、推定暫定値TRrの代わりにTRoを、式(3)のように下限値処理することは言うまでもない。

0044

昇温時間情報出力部13は、昇温時間算出部12の算出結果を出力する(図5ステップS105)。このときの出力方法としては、例えば昇温時間の推定値TRの表示などがあり、また推定値TRの情報を外部に出力するようにしてもよい。

0045

本実施の形態では、予め1種類の昇温パターン(100℃→400℃)について総投入電力量ETと整定移行時間TSと最短昇温時間TMとを基本情報記憶部10に記憶させているが、これに限るものではなく、複数種類の昇温パターンについて総投入電力量ETと整定移行時間TSと最短昇温時間TMとを昇温パターン毎に基本情報記憶部10に記憶させておくようにしてもよい。

0046

この場合、昇温時間算出部12は、オペレータが指定した昇温パターンに対応する総投入電力量ETと整定移行時間TSと最短昇温時間TMとを基本情報記憶部10から取得してもよいし、変更前の設定値SPi(例えば100℃)と変更後の設定値SPi(例えば400℃)とで特定される昇温パターンに対応する総投入電力量ETと整定移行時間TSと最短昇温時間TMとを基本情報記憶部10から取得してもよい。

0047

次に、電力抑制部2と制御部3−iの動作について説明する。まず、割当総電力入力部20は、電力デマンド管理システムのコンピュータから割当総電力PWの情報を受信する(図6ステップS200)。上記のとおり、割当総電力PWは800Wである。

0048

電力値取得部21は、各PID制御ループLi(i=1〜4)の現在の消費電力値CTi(具体的にはヒータHiの消費電力値)を取得する(図6ステップS201)。電力値取得部21は、消費電力値CTiを測定してもよいし、推定してもよい。消費電力値CTiを推定するには、ヒータHiに流れる電流値と制御量PViとを入力変数として、予め設定された電力推定関数式により消費電力値CTiを求めるようにすればよい。また、操作量MViと制御量PViとを入力変数としてよいし、ヒータHiに流れる電流値と制御量PViと操作量MViとを入力変数としてもよい。消費電力値CTiの具体的な推定方法は、特開2009−229382号公報などに開示されているので、詳細な説明は省略する。

0049

次に、最大出力時電力値取得部22は、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiを取得する(図6ステップS202)。ここで、最大出力時とは、操作量MViが最大値100%のときのことを言う。最大出力時電力値取得部22は、予め記憶している最大出力時消費電力値CTmiを取り出してもよいし、推定してもよい。最大出力時消費電力値CTmiを推定するには、消費電力値CTiと制御部3−iから出力される操作量MViに基づき、次式により近似的に推定すればよい。
CTmi=CTi(100.0/MVi) ・・・(4)

0050

電力余裕算出部23は、各PID制御ループLiの電力余裕CTriを次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図6ステップS203)。
CTri=CTmi−CTi ・・・(5)
最大総電力算出部24は、各PID制御ループLiの最大出力時消費電力値CTmiの総和である最大総電力BXを次式により算出する(図6ステップS204)。
BX=ΣCTmi=CTm1+CTm2+・・・+CTmn ・・・(6)

0051

電力余裕総量算出部25は、各PID制御ループLiの電力余裕CTriの総和である電力余裕総量RWを次式により算出する(図6ステップS205)。
RW=ΣCTri=CTr1+CTr2+・・・+CTrn ・・・(7)
電力削減総量算出部26は、削減すべき電力である電力削減総量SWを、最大総電力BXと割当総電力PWとから次式により算出する(図6ステップS206)。
SW=BX−PW ・・・(8)

0052

電力削減割当量算出部27は、各PID制御ループLiで削減すべき電力である電力削減割当量CTsiを次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図6ステップS207)。
CTsi=SW(CTri/RW) ・・・(9)

0053

出力上限値算出部28は、電力削減割当量CTsiと最大出力時消費電力値CTmiとから各PID制御ループLiの操作量出力上限値OHiを次式によりPID制御ループLi毎に算出する(図6ステップS208)。
OHi={1.0−(CTsi/CTmi)}100.0[%] ・・・(10)
なお、BX<PWになる場合、すなわちSW<0になる場合は、OHiが100%を超えるが、その場合はOHiを100%で上限カットすればよい。

0054

次に、制御部3−iは、PID制御ループLiの操作量MViを以下のとおりに算出する。設定値SPiは、設定値SPi入力部30−iを介してPID制御演算部32−iに入力される(図6ステップS209)。
制御量PVi(温度)は、計測器(図8の例では温度センサSi)によって測定され、制御量PVi入力部31−iを介してPID制御演算部32−iに入力される(図6ステップS210)。

0055

PID制御演算部32−iは、設定値SPiと制御量PViに基づいて、以下の伝達関数式のようなPID制御演算を行って操作量MViを算出する(図6ステップS211)。
MVi=(100/PBi){1+(1/TIis)+TDis}(SPi−PVi)
・・・(11)
PBiは比例帯、TIiは積分時間、TDiは微分時間、sはラプラス演算子である。

0056

出力上限処理部33−iは、PID制御演算部32−iが算出した操作量MViに対して、以下の式のような上限処理を行う(図6ステップS212)。
IF MVi>OHi THEN MVi=OHi ・・・(12)
すなわち、出力上限処理部33−iは、操作量MViが操作量出力上限値OHiより大きい場合、操作量MVi=OHiとする上限処理を行う。

0057

操作量MVi出力部34−iは、出力上限処理部33−iによって上限処理された操作量MViを制御対象(実際の出力先は例えば電力調整器102−i)に出力する(図6ステップS213)。制御部3−iはPID制御ループLi毎に設けられているので、ステップS209〜S213の処理はPID制御ループLi毎に実施されることになる。

0058

電力総和抑制制御装置は、以上のようなステップS201〜S213の処理を例えばユーザの指示によって制御が終了するまで(図6ステップS214においてYES)、一定時間毎に行う。

0059

ステップS201〜S213の処理を繰り返し継続することにより、図7(A)、図7(B)に示すようにPID制御ループL1〜L4の操作量MV1〜MV4が上昇し、制御量PV1〜PV4が上昇する。昇温時間が短い方のPID制御ループL1,L4の制御量PV1,PV4が設定値SP1,SP4に接近して昇温の完了が近づくに伴い、図7(B)に示すように操作量MV1,MV4が下降し、操作量出力上限値OH1,OH4(不図示)も下降する。

0060

一方、操作量出力上限値OH1,OH4の下降とは反対に、昇温時間が長い方のPID制御ループL2,L3の操作量出力上限値OH2,OH3(不図示)は上昇し、図7(B)に示すように操作量MV2,MV3がさらに上昇して、制御量PV2,PV3の昇温が進展する。PID制御ループL1〜L4が昇温完了するまでの昇温時間は、昇温時間推定機能部1での推定どおり3700秒である。

0061

以上のように、本実施の形態では、特許文献1に開示された技術のみによって電力総和抑制制御を行ないながら昇温する場合において、特許文献2に開示された技術のような繰り返し処理を実施せずに昇温時間を推定することができる。したがって、制御周期が短く、かつ演算機能のハードウェアが低価格なものに抑えられる温調計に本実施の形態を適用して、昇温時間を推定することが可能になる。

0062

本実施の形態で説明した電力総和抑制制御装置は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って本実施の形態で説明した処理を実行する。

0063

本発明は、複数の制御ループを備えたマルチループ制御系の制御装置および制御方法に適用することができる。

0064

1…昇温時間推定機能部、2…電力抑制部、3−i…制御部、10…基本情報記憶部、11…割当総電力入力部、12…昇温時間算出部、13…昇温時間情報出力部、20…割当総電力入力部、21…電力値取得部、22…最大出力時電力値取得部、23…電力余裕算出部、24…最大総電力算出部、25…電力余裕総量算出部、26…電力削減総量算出部、27…電力削減割当量算出部、28…出力上限値算出部、30−i…設定値SPi入力部、31−i…制御量PVi入力部、32−i…PID制御演算部、33−i…出力上限処理部、34−i…操作量MVi出力部。

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