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技術 クリーンルーム用空調システム及びそれに用いられる排気ユニット

出願人 株式会社日立製作所
発明者 末松孝章田中真稲富泰彦
出願日 2015年8月31日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-170467
公開日 2017年3月9日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2017-048941
状態 特許登録済
技術分野 換気4 空調制御装置 空気流制御部材 換気1 換気3
主要キーワード 格稼動 気密ドア 塵埃数 ECモータ クリーンルーム設備 温調能力 塵埃除去フィルタ ダクト間
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

クリーンルーム内の室圧を簡便な構成でかつ高精度に制御可能で、省エネルギかつ設備コストも安く据付作業も容易なクリーンルーム用空調システム及びそれに用いられる排気ユニットを提供する。

解決手段

建屋4に配置されたクリーンルーム1,2に建屋4の外気を導く給気用ダクト10と、給気用ダクト10を通流し、クリーンルーム1,2に外気を給気する空調機11と、クリーンルーム1,2からの排気を、天井裏3に排気する天井排気ユニット40と、を備えるクリーンルーム用空調システム100とする。

概要

背景

再生医療施設実験動物飼育施設等におけるクリーンルームでは、清浄度クラスが異なる部屋が複数配置されていることが多い。これらのクリーンルームのうち、再生医療施設に設置されたものは、細胞調製室等といわれることがある。これらのクリーンルームでは、清浄度の低い部屋から高い部屋への空気の漏洩を抑制するため、隣り合う部屋の室圧の差を設けるようにしている。

クリーンルームの空調に関する技術として、例えば特許文献1及び2に記載された技術が知られている。特許文献1には、クリーンルームにつながる排気用ダクト、空気をクリーンルームから排気する排気ファン旋回羽根旋回によってダクトを通る空気の量を調節するモータダンパ、ダクトを通る空気の圧力を計測する圧力センサダンパ羽根開度を調節するコントローラを有する排気装置が記載されている。

また、特許文献2には、クリーンルーム内の塵埃数を計測する塵埃センサと、クリーンルーム内の温度を計測する温度センサと、クリーンルームにエアを供給するファンと、塵埃センサによって計測されるクリーンルーム内の塵埃数と、温度センサによって計測されるクリーンルーム内の温度と、に基づいて、クリーンルームに供給する風量を決定し、決定された風量になるようにファンを制御する風量制御部と、を備えるクリーンルーム設備が記載されている。

概要

クリーンルーム内の室圧を簡便な構成でかつ高精度に制御可能で、省エネルギかつ設備コストも安く据付作業も容易なクリーンルーム用空調システム及びそれに用いられる排気ユニットを提供する。建屋4に配置されたクリーンルーム1,2に建屋4の外気を導く給気用ダクト10と、給気用ダクト10を通流し、クリーンルーム1,2に外気を給気する空調機11と、クリーンルーム1,2からの排気を、天井裏3に排気する天井排気ユニット40と、を備えるクリーンルーム用空調システム100とする。

目的

本発明はこれらの課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、クリーンルーム内の室圧を簡便な構成でかつ高精度に制御可能で、省エネルギかつ設備コストも安く据付作業も容易なクリーンルーム用空調システム及びそれに用いられる排気ユニットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

建屋内に配置された複数のクリーンルームに前記建屋外外気を導く給気用ダクトと、前記給気用ダクトを通流し、前記複数のクリーンルームに外気を給気する給気装置と、前記複数のクリーンルームからの排気を、前記複数のクリーンルームの外部であって前記建屋の内部に排気する排気装置と、を備えることを特徴とする、クリーンルーム用空調システム

請求項2

建屋内に配置された複数のクリーンルームに前記建屋外の外気を導く給気用ダクトと、前記給気用ダクトを通流し、前記複数のクリーンルームに外気を給気する給気装置と、前記複数のクリーンルームから、前記複数のクリーンルームの外部であって前記建屋の内部に排出された排気を、前記建屋の外部に排出する第二排気装置と、を備えるクリーンルーム用空調システムに適用され、前記複数のクリーンルームからの排気を、前記複数のクリーンルームの外部であって前記建屋の内部に排気する排気装置としてのクリーンルーム用排気ユニットであって、空気中の塵埃を除去する塵埃除去フィルタと、当該塵埃除去フィルタにより塵埃が除去された後の空気を送風する送風ファンと、前記送風ファンによる空気の流れの上流側の圧力と、下流側の圧力との差圧を測定する差圧測定装置と、当該差圧測定装置により測定される差圧が予め定めた設定範囲になるように、前記送風ファンを制御する送風ファン制御装置と、を備えていることを特徴とする、クリーンルーム用排気ユニット。

請求項3

前記塵埃除去フィルタと前記送風ファンとは、筐体に収容されて配置され、当該筐体は少なくとも二つに分離可能に構成され、前記筐体を少なくとも二つに分離したときに、前記送風ファンが外部に露出するように、前記塵埃除去フィルタと前記送風ファンとが前記筐体の内部に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のクリーンルーム用排気ユニット。

技術分野

0001

本発明は、クリーンルーム用空調システム及びそれに用いられる排気ユニットに関する。

背景技術

0002

再生医療施設実験動物飼育施設等におけるクリーンルームでは、清浄度クラスが異なる部屋が複数配置されていることが多い。これらのクリーンルームのうち、再生医療施設に設置されたものは、細胞調製室等といわれることがある。これらのクリーンルームでは、清浄度の低い部屋から高い部屋への空気の漏洩を抑制するため、隣り合う部屋の室圧の差を設けるようにしている。

0003

クリーンルームの空調に関する技術として、例えば特許文献1及び2に記載された技術が知られている。特許文献1には、クリーンルームにつながる排気用ダクト、空気をクリーンルームから排気する排気ファン旋回羽根旋回によってダクトを通る空気の量を調節するモータダンパ、ダクトを通る空気の圧力を計測する圧力センサダンパ羽根開度を調節するコントローラを有する排気装置が記載されている。

0004

また、特許文献2には、クリーンルーム内の塵埃数を計測する塵埃センサと、クリーンルーム内の温度を計測する温度センサと、クリーンルームにエアを供給するファンと、塵埃センサによって計測されるクリーンルーム内の塵埃数と、温度センサによって計測されるクリーンルーム内の温度と、に基づいて、クリーンルームに供給する風量を決定し、決定された風量になるようにファンを制御する風量制御部と、を備えるクリーンルーム設備が記載されている。

先行技術

0005

特開2011−33310号公報
特開2013−134015号公報

発明が解決しようとする課題

0006

図8を参照しながら後記する従来の技術や、特許文献1に記載の技術では、クリーンルーム内の空気は、排気用ダクトを通じて建屋外に排気されている。そのため、これらの技術では、長く複雑な経路を有する排気用ダクトが備えられることがあり、排気用ダクトの設置スペースの観点から、設計上の制限が存在する。

0007

また、排気用ダクトには、室圧制御用のモータダンパが備えられることがあるが、モータダンパによる開度調整での室圧制御では、高精度な室圧制御が難しい。さらに、長い経路の排気用ダクトのため圧力損失が大きい。加えて、モータダンパによる圧力制御では、通過風量が少ないと室圧の変動が大きくなるため、室圧を安定させる観点から、低風量に設定することができない。そのため、モータダンパを備える排気用ダクトには大風量で空気が通風しているために、導入する外気空調処理送風に多大なエネルギが要されている。さらに、長く複雑な経路の排気用ダクトの設備費や室圧制御機能付きのモータダンパの費用が必要であり、据付作業にも時間が要されている。

0008

そこで、特許文献2に記載の技術のように、排気用ダクトを設けず、クリーンルームの外であって建屋の中で、空気を循環させることも考えられる。しかし、このような技術では、給気ファン動力によって空気が循環されている。そして、クリーンルームの内部から外への排気経路である床はグレーチングであるため、流動抵抗がほとんどない。そのため、この技術では室圧を上げることができないことから、隣り合う部屋間で室圧の差を設定することは困難である。従って、特許文献2に記載の技術では、各部屋の室圧制御に課題がある。

0009

本発明はこれらの課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、クリーンルーム内の室圧を簡便な構成でかつ高精度に制御可能で、省エネルギかつ設備コストも安く据付作業も容易なクリーンルーム用空調システム及びそれに用いられる排気ユニットを提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、以下の知見を見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明の要旨は、建屋内に配置された複数のクリーンルームに前記建屋外の外気を導く給気用ダクトと、前記給気用ダクトを通流し、前記複数のクリーンルームに外気を給気する給気装置と、前記複数のクリーンルームからの排気を、前記複数のクリーンルームの外部であって前記建屋の内部に排気する第一排気装置と、を備えることを特徴とする、クリーンルーム用空調システムに関する。
また、本発明の別の要旨は、以下の発明を実施するための形態にて明らかにされる。

発明の効果

0011

本発明によれば、クリーンルーム内の室圧を簡便な構成でかつ高精度に制御可能で、省エネルギかつ設備コストも安く据付作業も容易なクリーンルーム用空調システム及びそれに用いられる排気ユニットを提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

第一実施形態のクリーンルーム用空調システムの構成図である。
図1に示すクリーンルーム用空調システムに取り付けられる天井排気ユニットの構成図である。
第二実施形態の天井排気ユニットの構成図である。
第三実施形態の天井排気ユニットの構成図である。
第四実施形態のクリーンルーム用空調システムの構成図である。
第五実施形態のクリーンルーム用空調システムの構成図である。
第六実施形態のクリーンルーム用空調システムの構成図である。
従来のクリーンルーム用空調システムの構成図である。

実施例

0013

本実施形態のクリーンルーム用空調システムの構成を把握し易くするために、はじめに、従来使用されてきたクリーンルーム用空調システムの構成を説明する。

0014

図8は、従来のクリーンルーム用空調システム500の構成図である。以下、「クリーンルーム用空調システム」のことを単に「空調システム」と略記することがある。空調システム500は、建屋4内に設置されたクリーンルーム1及びクリーンルーム2の空調を行うものである。空調システム500は、空調機11と、定風量制御装置12と、HEPAフィルタ13と、吹き出し口14と、を備えて構成される。これらのうち、空調機11は、フィルタ11aと、熱交換コイル11bと、給気ファン11c(給気装置)とを備えて構成される。

0015

空調機11と、定風量制御装置12と、HEPAフィルタ13と、吹き出し口14とは、給気用ダクト10により接続されている。そして、給気用ダクト10は、クリーンルーム1,2に対して並列に接続されている。従って、空調機11によって外部から取り込まれた外気は、定風量制御装置12、HEPAフィルタ13及び吹き出し口14を通じて、クリーンルーム1,2に対してそれぞれ供給される。このとき、クリーンルーム1,2の上流にそれぞれ備えられた定風量制御装置12,12により、クリーンルーム1,2に対してそれぞれ定風量で、空調されたエア(外気)が供給される。

0016

また、空調システム500は、排気ファン21と、風量調整ダンパ22と、室圧制御ダンパ23と、HEPAフィルタ24と、吸い込み口25と、を備えて構成される。これらは、排気用ダクト20により接続されており、排気用ダクト20は、クリーンルーム1,2に対して並列に接続されている。従って、クリーンルーム1,2内の空気は、吸い込み口25,HEPAフィルタ24、室圧制御ダンパ23、風量調整ダンパ22及び排気ファン21を通じて、外部に排出されることになる。このとき、クリーンルーム1,2の下流側に設けられた風量調整ダンパ22,22が調整されることで、それぞれのクリーンルーム1,2から排気される風量が調整される。風量調整ダンパ22による風量調整は、一般に手動で行われる。また、クリーンルーム1,2の下流側に設けられた室圧制御ダンパ23,23が圧力計26,26の測定値を各クリーンルームの所定値にするように制御されることで、それぞれのクリーンルーム1,2内の室圧が制御される。特に、再生医療施設や実験動物飼育施設等に設置されたクリーンルームでは、クリーンルーム1,2の室圧に差が設けられている。

0017

定風量制御や室圧制御は、各機器に内蔵された演算制御装置(図示しない)によって行われる。演算制御装置は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、I/F(インターフェイス)、HDD(Hard Disk Drive)、センサ回路制御回路等を備え、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。

0018

以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。なお、図面に示す構成は模式的なものであり、本発明は図示の構成になんら限定されるものではない。また、以下の図1図7において、前記の図8に示した部材と同じものについては同じ符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。

0019

[1.第一実施形態]
図1は、第一実施形態のクリーンルーム用空調システム100の構成図である。図1に示す空調システム100では、前記の空調システム500と同様にして、複数のクリーンルームであるクリーンルーム1,2に対して給気が行われる。しかし、クリーンルーム1,2からの排気は、前記の空調システム500とは異なる方法で行われる。即ち、図1に示す空調システム100では、クリーンルーム1,2からの排気は、天井パネル6(図2参照、図1では図示しない)に取り付けられた天井排気ユニット40,40を通じて、クリーンルーム1,2の外部であって建屋4の内部である天井裏3に排気される(天井排気ユニット40については後記する)。そして、天井裏3に排気された空気が、建屋4に取り付けられた排気口71を介して、屋外に排気される。排気口71には、虫や大きな塵埃の流入を防止するためのフィルタを設置することもできる。

0020

図2は、図1に示すクリーンルーム用空調システム100に取り付けられる天井排気ユニット40の構成図である。図2には、クリーンルーム1の吸い込み口25に取り付けられる天井排気ユニット40を一つのみ図示している。また、図2では、図示の簡略化のために、一部の部材の図示を省略又は簡略化して示している。さらに、図2において、破線矢印は、クリーンルーム1の内部から天井裏3への空気の流れを示す。

0021

図2に示す天井排気ユニット40(排気装置)は、筒状の形状をしており、排気ファン41と、HEPAフィルタ42(塵埃除去フィルタ)と、粗塵フィルタ45と、カバー46と、吸い込み口25とが筐体51に収容されて構成される。天井排気ユニット40は、クリーンルーム1と天井裏3とを仕切る天井パネル6の開口に取り付けられている。クリーンルーム1から吸い込み口25を通過してきた空気に含まれる塵埃はHEPAフィルタ42で除去される。天井排気ユニット40の上面には、粗塵フィルタ45が備えられている。この粗塵フィルタ45により、排気ファン40を停止させた場合に、天井排気ユニット40への大きな塵埃の侵入が防止される。さらに、粗塵フィルタ45の上方には、粗塵フィルタ45を覆うように、カバー46が備えられている。このカバー46により、ネズミや虫等の天井排気ユニット40への侵入が防止される。なお、カバー46及びHEPAフィルタ42は、図示しない部材により、筐体51に支持固定されている。

0022

天井排気ユニット40には、クリーンルーム1内の圧力と基準圧(ここでは仮に天井裏3の圧力とする)との差圧を計測する差圧計47a(差圧測定装置)と、前記の排気ファン41の回転速度を制御して排気風量を制御することで、当該差圧が所定値になるようにする制御器47b(送風ファン制御装置)とが備えられている。排気ファン41で天井裏3とクリーンルーム1との差圧を所定値に制御することで、クリーンルーム1の室圧が調整されている。

0023

このように、クリーンルーム1内の圧力と基準圧(例えば天井裏3の圧力)との差圧が所定値に制御されることで、差圧の逆転を防止して、クリーンルーム1とクリーンルーム2との間での意図しない空気の流入が防止される。即ち、説明の簡略化のために説明を省略したが、クリーンルーム1と同様に、クリーンルーム2でも同様の差圧制御が行われている。そのため、クリーンルーム1と例えば天井裏3との差圧が一定(例えば30Pa程度)であり、かつ、クリーンルーム2と例えば天井裏3との差圧が一定(例えば15Pa程度)であるような場合、クリーンルーム2からクリーンルーム1に空気が流入することがない。さらには、非清浄空間である天井裏3からクリーンルーム1,2に空気の流入が生じることもない。

0024

天井排気ユニット40では、排気ファン41で差圧を制御することで、特に応答の速い室圧制御が行われる。即ち、従来技術の室圧制御ダンパ23の開度変化による室圧制御調整では、室圧制御ダンパ23に付属したモータの応答の遅れが大きく、室圧の変動があった場合に追従するのが難しかった。これに対して、本実施形態である排気ファン41による室圧調整では、ファンの回転数を変えることで応答の速い精密な室圧制御が可能となる。そして、排気ファン41によって圧力及び排気風量が制御されることで、一つの天井排気ユニット40のみで圧力及び排気風量が制御でき、装置の小型化及び安価化が図られる。また、室圧制御ダンパ23の制御では通過させる風量が少ないと室圧の変動幅が大きくなってしまうのに対し、排気ファン41による室圧制御では少ない風量でも室圧が制御でき、より省エネ化が図られる。なお、排気ファン41の回転数は、電圧パルス周波数等を変化させることで調整される。

0025

排気ファン41としては、軸流ファン斜流ファン横流ファン遠心ファン等が使用可能である。また、排気ファン41を回転駆動させるファンモータとしては、DCモータやACモータ、ECモータ等が使用可能である。

0026

図1に戻って、空調システム100全体の説明を続ける。前記のように、空調システム100では、クリーンルーム1,2内の空気は天井裏3に排気され、この天井裏3の空気が排気口71から屋外に排気される。そのため、空調システム100では排気用ダクト20(図8参照)が不要となり、設計の自由度が増す。

0027

さらには、排気用ダクトが存在しないため、空調システム100の通常運転前の試運転時の調整が容易になる。従来の空調システム500(図8参照)では、排気用ダクト20は各クリーンルームまでの長さが異なるため、圧力損失が異なる。そのため、クリーンルーム1,2に繋がるダクト間の圧力損失を揃えるため、風量調整ダンパ22を手動で調整する作業がクリーンルーム1,2の本格稼動前に行われ、このような試運転時の調整に手間が掛かっていた。

0028

しかし、天井排気ユニット40を用いる本発明では、排気用ダクトがないために前記の圧力損失を揃えるための試運転調整が不要であり、天井排気ユニット40に備えられた差圧計で制御目標の差圧を設定するだけで良い。また、排気用ダクトが存在しないため、圧力損失を低減することができ、省エネルギ効果が見込まれる。そして、排気用ダクトを設置する必要が無いため、空調システム100の据え付け作業が容易になって設計の自由度が増し、さらには、設備コストの低減を図ることができる。

0029

また、空調システム100では、従来の空調システム500(図8参照)とは異なり、クリーンルーム1とクリーンルーム2とは、風量制御ダンパ22及び室圧制御ダンパ23を備える排気用ダクトにより接続されていない。一方で、従来の空調システム500は、クリーンルーム1,2同士は排気用ダクト20で接続されているため、一方の室圧制御ダンパ23による室圧制御の影響がダクトを通じて伝播し、他方の室圧制御ダンパ23が接続されたクリーンルームの室圧に影響を与えることがある。しかし、空調システム100では、図1に示すように、天井排気ユニット40で天井裏に排気している。そして、大空間の天井裏には緩衝作用があり、排気ファン41の回転数を変化させても、他方の室圧制御ダンパ23が接続されたクリーンルームの室圧に与える影響は少なく、独立して各クリーンルーム1,2の室圧を制御することができる。

0030

[2.第二実施形態]
図3は、第二実施形態の天井排気ユニット61の構成図である。図3に示す天井排気ユニット61は、図2の天井排気ユニット40の構成に加えて、気密ダンパ43を備えている。気密ダンパ43は、通常運転時には開いている。ただし、クリーンルーム1内の除染のためにクリーンルーム1内に除染剤充満させるときには、この気密ダンパ43が閉じられることで、クリーンルーム1内の気密性が確保される。従って、天井排気ユニット61が備えられることで、天井排気ユニット61が取り付けられたまま、クリーンルーム1内の除染が可能となる。

0031

[3.第三実施形態]
図4は、第三実施形態の天井排気ユニット62の構成図である。天井排気ユニット62は、下側筐体48(筐体)と、筒状の上側筐体49(筐体)とが嵌合してなる。具体的には、下側筐体48の内部に上側筐体49が挿入嵌合されることで、これらが一体となって天井排気ユニット62の筐体を構成している。従って、メンテナンス等の際には、下側筐体48と上側筐体49とを分離することができ、これらが分離されることで、その内部に収容された排気ファン41やHEPAフィルタ42を交換し易くなる。

0032

下側筐体48の内部にHEPAフィルタ42が配置され、上側筐体49の内部に排気ファン41が配置されている。そして、下側筐体48と上側筐体49とを分離したときに、排気ファン41とHEPAフィルタ42とが外部に露出するようになっている。これにより、排気ファン41やHEPAフィルタ42が交換し易くなっている。また、排気ファン41を交換する際には、排気ファン41を収容する上側筐体49は下側筐体48から分離されるものの、HEPAフィルタ42を収容する下側筐体48は天井パネル6に取り付けられたままである。そのため、HEPAフィルタ42が取り付けられた状態で排気ファン41のみを交換することができる。即ち、クリーンルーム1内の清浄度を維持した状態で、排気ファン41のみを交換することができる。

0033

[4.第四実施形態]
前記の空調システム100(図1参照)では、天井裏3に排気された空気は、排気口71(適宜フィルタ等が備えられる)を通じて屋外に排気されていた。しかし、第四実施形態の空調システム200では、この排気口71に代えて、屋外への排気を促すための排気ファン21が建屋4に備えられている。

0034

図5は、第四実施形態のクリーンルーム用空調システム200の構成図である。空調システム200では、クリーンルーム1,2内の空気は天井裏3に排気され、この天井裏3の空気が排気ファン21によって屋外に排気される。このようにすることで、天井裏3に排気された空気が、迅速に天井裏3から屋外に排気される。

0035

[5.第五実施形態]
図6は、第五実施形態のクリーンルーム用空調システム300の構成図である。前記の空調システム100(図1参照)では、クリーンルーム1,2同士は給気用ダクト10によってのみ接続されていた。即ち、空調システム100では、クリーンルーム1とクリーンルーム2とは、給気用ダクト10によって連通していた。しかし、第五実施形態の空調システム300では、給気用ダクト10によって連通するクリーンルーム1,2に加えて、リリーフダンパ52によってクリーンルーム2と連通するクリーンルーム5が設置されている。そして、このクリーンルーム5には、給気用ダクト10は接続されていない。

0036

図6に示すように、空調システム300では、前記の空調システム100のように空調機11からクリーンルーム1,2に給気するのではなく、一つのクリーンルーム2からリリーフダンパ52を通じて、他のクリーンルーム5に給気が行われている。このようにすることで、給気用ダクト10と、定風量制御装置12と、HEPAフィルタ13と、吹き出し口14とを削減することができる。さらに、空調機11で温調処理をする外気取り入れ量を削減できるため、空調機11の温調能力や給気ファン11cの送風能力を抑えることができる。これらにより、低コスト化、省エネ化が図れる。

0037

図6のクリーンルーム2の室圧は、リリーフダンパ52での圧力損失を調整することで、設定することができる。クリーンルーム2の室圧は、クリーンルーム5の室圧から、リリーフダンパ52の圧力損失を差し引いた室圧となる。リリーフダンパ52での圧損調整は金属板等の重りを用いて行うことができる。

0038

[6.第六実施形態]
前記の図6を参照しながら説明した空調システム300では、クリーンルーム5への給気は、リリーフダンパ52を通じてクリーンルーム2から行われていた。しかし、第六実施形態の空調システム400では、このリリーフダンパ52に代えて、クリーンルーム2,5を連通する下部切り欠ドア53が備えられている。

0039

図7は、第六実施形態のクリーンルーム用空調システム400の構成図である。図7に示すように、空調システム400でも、前記の空調システム300と同様に、空調機11からクリーンルーム1,2に給気するのではなく、一つのクリーンルーム2から下部切り欠きドア53を通じて、他のクリーンルーム5に給気が行われている。このようにすることで、給気用ダクト10と、定風量制御装置12と、HEPAフィルタ13と、吹き出し口14とを削減することができる。さらに、空調機11で温調処理をする外気取り入れ量を削減できるため、空調機11の温調能力や給気ファン11cの送風能力を抑えることができる。これらにより、低コスト化、省エネ化が図れる。

0040

図7のクリーンルーム2の室圧は、下部切り欠きドア53での圧損を調整することで、設定することができる。クリーンルーム2の室圧は、下部切り欠きドア53を通過する風量で圧損が決まるため、所定の風量に対する下部の切り欠き面積を予め計算し、通過風量を調整することで、設定可能である。

0041

[6.変形例]
以上、本実施形態を六つの具体的な実施形態を挙げて説明したが、本実施形態は前記の例になんら制限されるものではなく、適宜変更を加えて実施可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施することもできる。例えば、前記の空調システム200〜400(図5図7参照)に備えられる天井排気ユニットは、図2図4を参照しながら説明した天井排気ユニット40,61,62のいずれであってもよい。

0042

また、例えば、前記の各クリーンルームへの給気風量や各クリーンルームの差圧等の所定値は、適宜決定すればよい。

0043

さらに、図示の例では、複数のクリーンルームとして二つと、三つのクリーンルームを設けたが、四つ以上のクリーンルームが設けられてもよい。また、図示しないが、各クリーンルームに閉止時に気密を保持できる気密ドアが設けられてもよい。

0044

また、前記のように、各空調システム100〜400では、給気用ダクト10に、図示しない風量調整用ダンパを適宜備えてもよい。風量調整用ダンパは、手動で調整するダンパやダンパ開度手元で設定できるモータダンパが使用できる。

0045

さらに、給気用ダンパ10は、途中で分岐しており、それぞれにクリーンルーム1,2が接続されているが、クリーンルーム1,2への給気はそれぞれから独立させて行ってもよい。即ち、クリーンルーム1,2のそれぞれに独立した二系統の給気用ダンパが接続されるようにしてもよい。

0046

また、図2に示す例では、差圧計47aにより測定される差圧が所定値になるように制御器47bが排気ファン41を制御したが、当該差圧が所定値でなくても、例えば計測される差圧が予め定められた設定範囲になるように(即ち計測される差圧がある程度幅を持つように)、制御器47bが排気ファン41を制御するようにしてもよい。

0047

1クリーンルーム
2 クリーンルーム
3天井裏
4建屋
5 クリーンルーム
10給気用ダクト
11空調機
21排気ファン
40天井排気ユニット
41 排気ファン
43気密ダンパ
46カバー
47a差圧計
47b制御器
48 下側筐体
49 上側筐体
51筐体
52リリーフダンパ
53 下部切り欠きドア
61 天井排気ユニット
62 天井排気ユニット
71排気口
100 クリーンルーム用空調システム
200 クリーンルーム用空調システム
300 クリーンルーム用空調システム
400 クリーンルーム用空調システム
500 クリーンルーム用空調システム

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