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図面 (13)

課題

燃料としてCNGを使用する内燃機関において、CNGが有する低位発熱量が減少した場合であっても、燃焼状態が悪化することを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。

解決手段

CNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合、機関負荷所定負荷より高い運転領域では、機関負荷の増加に伴い、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させるとともに燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を上昇させる際の、機関負荷の増加量に対する該CNGの圧力の上昇量の比率を、機関負荷が該所定負荷以下の運転領域に比べて大きくする。

概要

背景

従来、燃料としてCNGを使用する内燃機関において、使用されるCNGの燃料性状の変化に対応するための技術が開発されている。例えば、特許文献1には、排気通路に設けられた空燃比センサ検出値目標値となるように燃料噴射量を補正するフィードバック制御が実行されたときに、該フィードバック制御における補正値の大きさに基づいて、混合気燃焼状態に関わる制御パラメータを補正する技術が開示されている。

また、特許文献2には、ガス燃料を使用するディーゼル機関において、機関負荷が高いときは、該ディーゼル機関に供給されるガス燃料の圧力を高くする技術が開示されている。

また、特許文献3には、発熱量の異なる異種液化ガス燃料を使用する内燃機関において、燃料系に設けられたレギュレータ燃料室内燃圧を、発熱量の小さい燃料を使用する場合は高くし、発熱量の大きい燃料を使用する場合は低くする技術が開示されている。

概要

燃料としてCNGを使用する内燃機関において、CNGが有する低位発熱量が減少した場合であっても、燃焼状態が悪化することを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。CNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合、機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、機関負荷の増加に伴い、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させるとともに燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を上昇させる際の、機関負荷の増加量に対する該CNGの圧力の上昇量の比率を、機関負荷が該所定負荷以下の運転領域に比べて大きくする。

目的

本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、燃料としてCNGを使用する内燃機関において、CNGが有する低位発熱量が減少した場合であっても、燃焼状態が悪化することを抑制することが可能な技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

燃料としてCNGを使用する内燃機関であって、各気筒に接続された各吸気枝管に設けられ、吸気弁閉弁している間に該吸気枝管内にCNGを噴射する燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を調整するレギュレータと、を有する内燃機関の制御装置において、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を変更するときは燃料噴射の完了時期を変更することで一燃焼サイクル中における燃料噴射期間を変更する燃料噴射制御部であって、機関負荷の増加に応じて一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させるとともに、同一機関負荷においては、前記燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が小さいときは該CNGが有する低位発熱量が大きいときに比べて、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させる燃料噴射制御部を備え、前記燃料噴射制御部は、一燃焼サイクル中における燃料噴射量の増量に応じて、前記レギュレータによって、前記燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を上昇させ、さらに、前記燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合、前記燃料噴射制御部は、機関負荷の増加に伴い、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させるとともに前記燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を上昇させる際の、機関負荷の増加量に対する該CNGの圧力の上昇量の比率である圧力上昇率を、機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、機関負荷が該所定負荷以下の運転領域に比べて大きくする内燃機関の制御装置。

請求項2

前記燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が前記所定発熱量より小さい場合、機関負荷が前記所定負荷より高い運転領域では、前記燃料噴射制御部は、同一機関負荷での一燃焼サイクル中における燃料噴射期間が、該CNGが有する低位発熱量が前記所定発熱量以上の場合よりも短くなるように、同一機関負荷において前記燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を、該CNGが有する低位発熱量が前記所定発熱量以上の場合よりも高くする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項3

前記燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が前記所定発熱量より小さい場合において、該CNGが有する低位発熱量が小さいときは、該CNGが有する低位発熱量が大きいときに比べて、前記所定負荷がより低い値に設定される請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。

技術分野

0001

本発明は、燃料としてCNG(Compressed Natural Gas)を使用する内燃機関制御装置に関する。

背景技術

0002

従来、燃料としてCNGを使用する内燃機関において、使用されるCNGの燃料性状の変化に対応するための技術が開発されている。例えば、特許文献1には、排気通路に設けられた空燃比センサ検出値目標値となるように燃料噴射量を補正するフィードバック制御が実行されたときに、該フィードバック制御における補正値の大きさに基づいて、混合気燃焼状態に関わる制御パラメータを補正する技術が開示されている。

0003

また、特許文献2には、ガス燃料を使用するディーゼル機関において、機関負荷が高いときは、該ディーゼル機関に供給されるガス燃料の圧力を高くする技術が開示されている。

0004

また、特許文献3には、発熱量の異なる異種液化ガス燃料を使用する内燃機関において、燃料系に設けられたレギュレータ燃料室内燃圧を、発熱量の小さい燃料を使用する場合は高くし、発熱量の大きい燃料を使用する場合は低くする技術が開示されている。

先行技術

0005

国際公開第2013/076811号
特開2013−209926号公報
特開2005−330867号公報
特開昭59−136552号公報

発明が解決しようとする課題

0006

燃料としてCNGを使用する内燃機関であって、各気筒に接続された各吸気枝管燃料噴射弁が設けられた内燃機関においては、吸気弁閉弁している間に吸気枝管内にCNGが噴射される。そして、吸気枝管内においてCNGと吸気とが混合される。吸気弁が開弁されると、これらの混合気が気筒内に流入する。

0007

ここで、燃料として使用されるCNGの燃料性状にはばらつきが存在する。そのため、外部から新たにCNGが充填されると、燃料噴射弁に供給されるCNGにおける不活性ガス(たとえば、二酸化炭素(CO2)や窒素(N2))の濃度が変化し、その結果、該CNGが有する低位発熱量(すなわち、内燃機関で利用できる発熱量)が変動する場合がある。そのため、内燃機関のトルクとして所望のトルクを得るためには、同一機関負荷における一燃焼サイクル中の燃料噴射量を、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が小さいときは、該CNGが有する低位発熱量が大きいときに比べて増量する必要がある。

0008

ただし、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量すると、一燃焼サイクル中における燃料噴射期間が長くなる。そして、燃料噴射期間が長くなることで燃料噴射の完了時期が遅くなると、燃料噴射が完了してから吸気弁が開弁されるまでの期間が短くなる。そのため、燃料噴射期間が長くなると、吸気枝管内においてCNGと吸気とが混合される期間を十分に確保し難くなる傾向にある。その結果、CNGと吸気との混合が不十分な状態の
混合気が燃焼に供されると、内燃機関における燃焼状態が悪化する虞がある。

0009

本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、燃料としてCNGを使用する内燃機関において、CNGが有する低位発熱量が減少した場合であっても、燃焼状態が悪化することを抑制することが可能な技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃料としてCNGを使用する内燃機関であって、各気筒に接続された各吸気枝管に設けられ、吸気弁が閉弁している間に該吸気枝管内にCNGを噴射する燃料噴射弁と、前記燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を調整するレギュレータと、を有する内燃機関の制御装置において、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を変更するときは燃料噴射の完了時期を変更することで一燃焼サイクル中における燃料噴射期間を変更する燃料噴射制御部であって、機関負荷の増加に応じて一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させるとともに、同一機関負荷においては、前記燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が小さいときは該CNGが有する低位発熱量が大きいときに比べて、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させ、燃料噴射制御部を備え、前記燃料噴射制御部は、一燃焼サイクル中における燃料噴射量の増量に応じて、前記レギュレータによって、前記燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を上昇させ、さらに、前記燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合、前記燃料噴射制御部は、機関負荷の増加に伴い、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させるとともに前記燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を上昇させる際の、機関負荷の増加量に対する該CNGの圧力の上昇量の比率である圧力上昇率を、機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、機関負荷が該所定負荷以下の運転領域に比べて大きくする。

0011

本発明では、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を変更するときは燃料噴射の完了時期を変更することで一燃焼サイクル中における燃料噴射期間を変更する。したがって、一燃焼サイクル中における燃料噴射量の増量に伴って燃料噴射期間が長くなると、燃料噴射の完了時期が遅くなる。また、本発明では、機関負荷の増加に応じて燃料噴射量が増量されるときに、その増量に応じて、燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力が高められる。これによれば、機関負荷の増加に応じた燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を小さくすることができる。そのため、燃料噴射完了後に吸気枝管内においてCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保し易くなる。

0012

さらに、本発明においては、同一機関負荷では、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が小さいときは該CNGが有する低位発熱量が大きいときに比べて、一燃焼サイクル中における燃料噴射量が増量される。そして、本発明では、機関負荷の増加に伴って燃料噴射量が増量された場合のみならず、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量の減少に伴って、同一機関負荷における燃料噴射量が増量された場合においても、燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力が高められる。そのため、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が減少することに起因して燃料噴射量が増量される場合においても、燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を小さくすることができる。したがって、CNGが有する低位発熱量が減少した場合であっても、吸気枝管内においてCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保し易くなる。

0013

ここで、機関負荷の増加に伴って一燃焼サイクル中における燃料噴射量を増量させるとともに燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を上昇させる際の、機関負荷の増加量に対する該CNGの圧力の上昇量の比率を、「圧力上昇率」とする。燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が大きければ、機関負荷が高くなっても、一燃焼サイクル中における燃料噴射量はある程度の範囲内に抑えられる。そのため、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が大きければ、仮に、圧力上昇率を機関負荷に関わらず一定とし
た場合であっても、燃料噴射量の増量に伴って増加する燃料噴射期間の長さを、燃料噴射完了後にCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保できる程度に抑制することができる。しかしながら、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量がある程度より小さい場合においては、機関負荷が高い運転領域では、一燃焼サイクル中における燃料噴射量が多くなる。そのため、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量がある程度より小さい場合においては、仮に、圧力上昇率を機関負荷に関わらず一定にして機関負荷の増加に応じて該CNGの圧力を上昇させたとすると、機関負荷が高い運転領域では燃料噴射期間が過剰に長くなる虞がある。つまり、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合は、機関負荷が所定負荷より高い運転領域における圧力上昇率を、機関負荷が所定負荷以下の運転領域における圧力上昇率と同等とすると、燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を十分に小さくすることが困難となる虞がある。

0014

そこで、本発明では、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合、機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、機関負荷が所定負荷以下の運転領域に比べて圧力上昇率が大きくされる。これによれば、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい状態の下で機関負荷が所定負荷より高くなったとしても、燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を十分に小さくすることが可能となる。そのため、燃料噴射完了後に吸気枝管内においてCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保することが可能となる。

0015

以上説明したように、本発明によれば、CNGが有する低位発熱量が減少した場合であっても、一燃焼サイクル中における燃料噴射期間が過剰に長くなることを抑制することができる。そのため、燃焼状態が悪化することを抑制することができる。

0016

また、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合において、機関負荷に関わらず圧力上昇率を一定とし、且つ、その圧力上昇率を十分に大きい値とすることも考えられる。つまり、機関負荷が所定負荷以下の運転領域でも、圧力上昇率を、機関負荷が所定負荷より高い運転領域において燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を十分に小さくすることができる程度に制御することも考えられる。しかしながら、圧力上昇率をこのように制御した場合、機関負荷が所定負荷以下の運転領域では、燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力が不必要に高いことになる。そして、このような場合は、本発明のように、機関負荷が所定負荷以下の運転領域では、圧力上昇率を、機関負荷が所定負荷より高い運転領域よりも小さくする場合に比べて、燃料噴射弁等の燃料系の部品耐圧性能を高める必要がある。そのため、燃料系の部品の重量の増加や製造コストの上昇を招く虞がある。これに対し、本発明によれば、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合に、機関負荷が所定負荷以下の運転領域おいて、燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力が不必要に高くなることが抑制される。そのため、燃料系の部品の重量の増加や製造コストの上昇を抑制することができる。

0017

本発明では、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合、機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、燃料噴射制御部は、同一機関負荷での一燃焼サイクル中における燃料噴射期間が、該CNGが有する低位発熱量が該所定発熱量以上の場合よりも短くなるように、同一機関負荷において燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を、該CNGが有する低位発熱量が所定発熱量以上の場合よりも高くする。これによれば、CNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合、機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、CNGが有する低位発熱量が所定発熱量以上の場合に比べて、燃料噴射完了後に吸気枝管内においてCNGと吸気とが混合される期間を長くすることができる。そのため、燃焼状態の悪化をより抑制することができる。したがって、CNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合であっても、CNGが有する低位発熱量が該
所定発熱量以上の場合と同等のトルクを得ることが可能となる。

0018

また、燃料噴射弁に供給されるCNGの圧力を同一とすると、該CNGが有する低位発熱量が小さいほど、同一機関負荷での一燃焼サイクル中における燃料噴射期間はより長くなる。そこで、本発明では、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合において、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が小さいときは、該CNGが有する低位発熱量が大きいときに比べて、所定負荷がより低い値に設定されてもよい。これによれば、燃料噴射弁に供給されるCNGが有する低位発熱量が所定発熱量より小さい場合において、一燃焼サイクル中における燃料噴射期間が過剰に長くなることをより高い確率で抑制することができる。

発明の効果

0019

本発明によれば、燃料としてCNGを使用する内燃機関において、CNGが有する低位発熱量が減少した場合であっても、燃焼状態が悪化することを抑制することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の実施例に係る内燃機関とその燃料系及び吸排気系との概略構成を示す図である。
機関負荷QeとトルクTqとの相関、機関負荷Qeと燃料噴射期間dtinjとの相関、機関負荷QeとCNG圧力Pfとの相関、および、機関負荷Qeと燃料噴射量Qfとの相関を示す第一の図である。図2(a)は、CNG発熱量が所定発熱量以上のときの機関負荷Qeと各パラメータの値との相関を示しており、図2(b)は、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときの機関負荷Qeと各パラメータの値との相関を示している。
機関負荷QeとトルクTqとの相関、機関負荷Qeと燃料噴射期間dtinjとの相関、機関負荷QeとCNG圧力Pfとの相関、および、機関負荷Qeと燃料噴射量Qfとの相関を示す第二の図である。図3(a),(b)は、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときの機関負荷Qeと各パラメータの値との相関を示している。
CNG発熱量が所定発熱量よりも小さいときにおいて、機関負荷Qeに関わらず圧力上昇率を一定とした場合の、機関負荷QeとCNG圧力Pfとの相関を示す図である。
本実施例に係る、CNG発熱量が所定発熱量よりも小さいときにおける、機関負荷QeとCNG圧力Pfとの相関の他の例を示す図である。
本発明の実施例に係る燃料性状学習のフローを示すフローチャートである。
本発明の実施例に係るCNG圧力の調整および燃料噴射期間の設定のフローを示すフローチャートである。
本発明の実施例に係る、機関負荷QeおよびCNG発熱量Qhと目標燃料噴射量Qftとの相関を示す図である。
本発明の実施例に係る、機関負荷QeおよびCNG発熱量Qhと基準CNG圧力Pfbとの相関を示す図である。
本発明の実施例に係る、機関負荷Qeと圧力補正係数kpとの相関を示す図である。
本発明の実施例の変形例1に係る、CNG発熱量Qhと所定負荷Qe0との相関を示す図である。
本発明の実施例の変形例2に係る、CNG発熱量Qhと圧力補正係数kpとの相関を示す図である。

実施例

0021

以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の
技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。

0022

<実施例>
[概略構成]
図1は、本実施例に係る内燃機関とその燃料系及び吸排気系との概略構成を示す図である。内燃機関1は、燃料としてCNGを使用する車両駆動用火花点火式エンジンである。内燃機関1は4つの気筒2を有している。各気筒2には点火プラグ3が設けられている。

0023

内燃機関1には、インテークマニホールド4およびエキゾーストマニホールド5が接続されている。インテークマニホールド4には吸気通路6が接続されている。エキゾーストマニホールド5には排気通路7が接続されている。インテークマニホールド4の4つ枝管4aは、内燃機関1のシリンダヘッドに形成された吸気ポート60を介して各気筒2にそれぞれ接続されている。エキゾーストマニホールド5の4つの枝管5aは、内燃機関1のシリンダヘッドに形成された排気ポート70を介して各気筒2にそれぞれ接続されている。

0024

吸気通路6には、エアクリーナ8、エアフローメータ27及びスロットル弁9が上流側から順番に設置されている。排気通路7には空燃比センサ24が設置されている。また、排気通路7における空燃比センサ24より下流側には、三元触媒等によって構成される排気浄化触媒15が設置されている。

0025

インテークマニホールド4の各枝管4aには、CNGを噴射する燃料噴射弁10が設けられている。本実施例では、各気筒2において、吸気弁(図示略)が閉弁している間に枝管4a内に燃料噴射弁10からCNGが噴射される。燃料噴射弁10から噴射されたCNGが、枝管4aおよび吸気ポート60内において吸気(空気)と混合される。そして、吸気弁が開弁されると、CNGと吸気との混合気が気筒2内に流入する。なお、燃料噴射弁10は、各気筒2の吸気ポート60に設けられてもよい。つまり、本実施例においては、インテークマニホールド4の枝管4aおよび吸気ポートが、本発明に係る「吸気枝管」に相当する。

0026

各燃料噴射弁10はデリバリーパイプ11に接続されている。デリバリーパイプ11にはCNG供給通路12の一端が接続されている。CNG供給通路12の他端はCNGタンク13に接続されている。CNGタンク13には、外部から充填されたCNGが貯蔵されている。そして、CNGタンク13からCNG供給通路12を介してデリバリーパイプ11にCNGが供給される。さらに、デリバリーパイプ11から各燃料噴射弁10にCNGが供給される。CNG供給通路12には、デリバリーパイプ11内のCNG、すなわち燃料噴射弁10に供給されるCNGの圧力を調整するレギュレータ14が設置されている。このレギュレータ14は、燃料噴射弁10に供給されるCNGの圧力を可変に調整することが可能なレギュレータである。

0027

CNGタンク13には、該CNGタンク13内のCNGの圧力を検出する第1圧力センサ21が設けられている。CNG供給通路12におけるレギュレータ14より上流側にも、該CNG供給通路12内のCNGの圧力を検出する第2圧力センサ22が設けられている。また、デリバリーパイプ11には、該デリバリーパイプ11内のCNGの圧力(すなわち、燃料噴射弁10に供給されるCNGの圧力)を検出する第3圧力センサ23が設けられている。

0028

内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。このECU20は内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU20には、エアフローメータ
27、第1圧力センサ21、第2圧力センサ22、第3圧力センサ23及び空燃比センサ24が電気的に接続されている。さらに、ECU20には、クランク角センサ25およびアクセル開度センサ26が電気的に接続されている。クランク角センサ25は内燃機関1のクランク角に応じた信号を出力するセンサである。アクセル開度センサ26は内燃機関1が搭載された車両のアクセル開度に応じた信号を出力するセンサである。そして、各センサの出力信号がECU20に入力される。ECU20は、クランク角センサ25の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度を算出する。また、ECU20は、アクセル開度センサ26の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷を算出する。

0029

また、ECU20には、点火プラグ3、スロットル弁9、燃料噴射弁10、およびレギュレータ14が電気的に接続されている。そして、ECU20によってこれらの装置が制御される。例えば、ECU20は、第3圧力センサ23の検出値が所定の目標圧力となるようにレギュレータ14を制御する。

0030

燃圧制御]
以下、本実施例に係る、レギュレータ14によるデリバリーパイプ11内のCNGの圧力、すなわち燃料噴射弁10に供給されるCNGの圧力(以下、単に「CNG圧力」と称する場合もある。)の制御について説明する。上述したように、本実施例では、吸気弁が閉弁している間に燃料噴射弁10から枝管4a内にCNGが噴射される。また、本実施例では、ECU20は、一燃焼サイクル中における燃料噴射量を変更するときは燃料噴射の完了時期を変更することで一燃焼サイクル中における燃料噴射期間(以下、単に「燃料噴射期間」と称する場合もある。)を変更する。したがって、一燃焼サイクル中における燃料噴射量の増量に伴って燃料噴射期間が長くなると、燃料噴射の完了時期が遅くなる。そのため、一燃焼サイクル中における燃料噴射期間が長くなると、燃料噴射が完了してから吸気弁が開弁されるまでの期間、すなわち、枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが混合される期間を十分に確保し難くなる傾向にある。その結果、CNGと吸気との混合が不十分な状態の混合気が燃焼に供されると、内燃機関1における燃焼状態が悪化し、所望のトルクを得ることが困難となる虞がある。

0031

そこで、本実施例では、機関負荷の増加に伴い一燃焼サイクル中における燃料噴射量(以下、単に「燃料噴射量」と称する場合もある。)を増量させるときには、その増量に応じて、レギュレータ14によってCNG圧力を上昇させる。これによれば、機関負荷の増加に応じた燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を小さくすることができる。つまり、燃料噴射の完了時期をより早い時期とすることができる。その結果、燃料噴射が完了してから吸気弁が開弁されるまでの期間を長くすることができる。そのため、一燃焼サイクル中において、燃料噴射完了後に枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保し易くなる。

0032

また、CNGタンク13に外部から充填されるCNGの燃料性状にはばらつきが存在する。そのため、外部から新たにCNGが充填されると、CNGタンク13内のCNGの燃料性状が変化し、その結果、燃料噴射弁10に供給されるCNGの燃料性状が変化する場合がある。具体的には、CNGタンク13内に残留しているCNGよりも不活性ガス濃度が高いCNGが新たに充填されると、該CNGの充填後は、該CNGの充填前に比べてCNGタンク13内のCNGの不活性ガス濃度が高くなる。したがって、燃料噴射弁10に供給されるCNGが有する低位発熱量(以下、「CNG発熱量」と称する場合もある。)が減少することになる。このような場合、CNG発熱量が減少する前、すなわちCNGタンク13にCNGが新たに充填される前と燃料噴射量を同一とすると、内燃機関1のトルクが所望のトルクよりも小さくなる。そこで、本実施例では、内燃機関のトルクとして所望のトルクを得るために、CNG発熱量に応じて燃料噴射量を変更する。つまり、本実施例では、機関負荷の増加に応じて燃料噴射量を増量するだけでなく、同一機関負荷におけ
る燃料噴射量を、CNG発熱量が小さいときは、CNG発熱量が大きいときに比べて増量する。

0033

さらに、本実施例では、機関負荷の増加に応じた燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を小さくするのみならず、CNG発熱量の減少に応じた燃料噴射量の増加に伴う燃料噴射期間の増加量を小さくするために、CNG発熱量に応じたCNG圧力の制御が行われる。ここで、本実施例に係る、CNG発熱量に応じたCNG圧力の制御について図2,3に基づいて説明する。図2(a),(b)、および図3(a),(b)において、最上段は内燃機関における機関負荷QeとトルクTqとの相関を示しており、上から二段目は機関負荷Qeと燃料噴射期間dtinjとの相関を示しており、上から三段目は機関負荷QeとCNG圧力Pfとの相関を示しており、最下段は機関負荷Qeと燃料噴射量Qfとの相関を示している。また、図2(a)は、CNG発熱量が所定発熱量以上のときの機関負荷Qeと各パラメータの値との相関を示しており、図2(b)、および図3(a),(b)は、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときの機関負荷Qeと各パラメータの値との相関を示している。ただし、図2(b)、および図3(a),(b)において、破線L10,L20,L30,L40は、図2(a)における実線L10,L20,L30,L40と同一である。

0034

内燃機関1においては、機関負荷Qeの増加に伴って燃料噴射量Qfが増量されると、その増量に応じて燃料噴射期間dtinjが長くなる。ただし、上述したように、本実施例では、燃料噴射量Qfの増量に応じてCNG圧力Pfが高められる。そのため、燃料噴射量Qfに関わらずCNG圧力Pfが一定である場合に比べて、燃料噴射量Qfの増量に伴う燃料噴射期間dtinjの増加量が抑制される。また、本実施例では、図2,3に示すように、同一機関負荷における燃料噴射量が、CNG発熱量が大きいときは、CNG発熱量が小さいときに比べて少なくなる(すなわち、線L40<線L41,L42,L43)。そのため、CNG発熱量が所定発熱量以上の場合は、機関負荷が高い運転領域においても燃料噴射量はある程度の範囲内に抑えられる。したがって、図2(a)に示すように、CNG発熱量が所定発熱量以上のときは、図2(a)の線L30に示すように、機関負荷Qeの増加に伴って燃料噴射量Qfを増量させるとともにCNG圧力Pfを上昇させる際の、機関負荷Qeの増加量に対するCNG圧力Pfの上昇量の比率(以下、「圧力上昇率」と称する場合もある。)を機関負荷Qeに関わらず一定とした場合であっても、機関負荷Qeが高くなり燃料噴射量Qfが多くなったときに燃料噴射期間dtinjが過剰に長くなることを抑制することができる。そのため、CNG発熱量が所定発熱量以上の場合は、機関負荷Qeに関わらず、所望のトルクを得ることができる。

0035

また、上述したように、本実施例では、同一機関負荷における燃料噴射量が、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときは、CNG発熱量が所定発熱量以上のときに比べて増量される。ここで、図2(b)は、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときであって、同一機関負荷におけるCNG圧力Pfを、CNG発熱量が所定発熱量以上のとき(図2(a)のとき)と同等としたまま(すなわち、線L31=線L30)、同一機関負荷における燃料噴射量Qfを、CNG発熱量が所定発熱量以上のときよりも増量した場合(すなわち、線L41>線L40)の、機関負荷Qeと各パラメータの値との相関を示している。

0036

この図2(b)のように、CNG圧力Pfを図2(a)のときと同等としたまま、燃料噴射量Qfを図2(a)のときよりも増量すると、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjが、図2(a)のときよりも長くなる(すなわち、線L21>線L20)。このような場合であっても、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域では、燃料噴射量Qfが比較的少ないため、一燃焼サイクル中において、燃料噴射完了後に枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保することができる。そのため、図2(a)のときと同等のトルクTqを得ることができる(す
なわち、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域では、線L11=線L10)。つまり、CNG発熱量が所定発熱量より小さい場合であっても、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域では、所望のトルクを得ることができる。しかしながら、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、CNG発熱量の減少に応じた燃料噴射量の増量分に加わる機関負荷Qeの増加に伴う燃料噴射量の増量分が多くなる。そして、その増量分に応じて燃料噴射期間dtinjが長くなると、該燃料噴射期間dtinjが過剰に長くなる。そのため、燃料噴射完了後に枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保し難くなる。その結果、燃焼状態が悪化するために、図2(b)の線L11に示すように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、内燃機関1のトルクTqが、図2(a)のときに比べて低下する(すなわち、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、線L11<線L10)。したがって、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、所望のトルクを達成することが困難となる。

0037

この問題を解決するために、機関負荷の増加に伴う燃料噴射量の増量分のみならず、CNG発熱量の減少に伴う燃料噴射量の増量分にも対応するように、レギュレータ14によってCNG圧力を上昇させる。ここで、図3(a)は、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときであって、同一機関負荷におけるCNG圧力Pfを、CNG発熱量が所定発熱量以上のとき(図2(a)のとき)より上昇させつつ(すなわち、線L32>線L30)、同一機関負荷における燃料噴射量Qfを、図2(b)と同様にCNG発熱量が所定発熱量以上のときよりも増量した場合(すなわち、線L42=線L41>線L40)の、機関負荷Qeと各パラメータの値との相関を示している。なお、図3(a)では、機関負荷に関わらず、同一機関負荷におけるCNG圧力Pfを図2(a)のときより上昇させる。また、図3(a)では、機関負荷に関わらず圧力上昇率は一定となっている。また、図3(a)における一点鎖線L11は、図2(b)における実線L11と同一である。

0038

図3(a)のようにCNG圧力Pfを図2(a)のときより上昇させることで、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjを、図2(a)のときと同等としつつ(ずなわち、L22=L20)、同一機関負荷における燃料噴射量Qfを図2(a)のときより増量することができる。つまり、CNG発熱量の減少に伴い燃料噴射量Qfが増量された場合であっても、燃料噴射完了後に枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが混合される期間を、燃料噴射量QfをCNG発熱量が所定発熱量以上のときと同等とすることができる。そのため、図3(a)において線L12に示すように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において、図2(b)のようにCNG圧力Pfを図2(a)のときと同等とした場合に比べて、内燃機関1のトルクTqを高くすることができる(すなわち、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において、線L12>線L11)。

0039

ただし、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときは、CNG発熱量が所定発熱量以上のときに比べて、枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とを十分に混合させるのに必要な期間が長くなる傾向にある。ここで、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域では、燃料噴射量が比較的少ない。そのため、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域では、枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが混合される期間の長さが、CNG発熱量が所定発熱量以上のときと同等となれば、CNG発熱量が所定発熱量より低くても、燃料噴射完了後にCNGと吸気とを十分に混合させるのに必要な期間を確保することが可能となる。しかしながら、上述したように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、CNG発熱量の減少に応じた燃料噴射量の増量分に加わる機関負荷Qeの増加に伴う燃料噴射量の増量分が多くなる。そのため、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが混合される期間の長さが、CNG発熱量が所定発熱量以上のときと同
等となったとしても、CNG発熱量が所定発熱量より小さいCNGと吸気とが混合される期間としては不十分である。そのため、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjを、図2(a)のときと同等とした場合であっても、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域における燃焼状態の悪化を十分に抑制することは困難である。したがって、図3(a)の線L12に示すように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域においては、内燃機関1のトルクTqが、CNG発熱量が所定発熱量より高い場合と同等のトルクには達しないことになる(すなわち、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において、線L12<線L10)。

0040

そこで、本実施例では、図3(b)に示すように、機関負荷の増加に伴う燃料噴射量の増量分のみならず、CNG発熱量の減少に伴う燃料噴射量の増量分にも対応するように、レギュレータ14によってCNG圧力を上昇させるとともに、CNG発熱量が所定発熱量より小さい場合においては、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域に比べてその圧力上昇率を大きくする(すなわち、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域でのL33の傾き>機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域でのL33の傾き)。なお、図3(b)における一点鎖線L11は、図2(b)における実線L11と同一である。また、図3(b)における二点鎖線L12,L32は、図3(a)における実線L12,L32と同一である。

0041

機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域に比べて圧力上昇率を大きくすることによって、機関負荷Qeの増加に伴って燃料噴射量Qfが増量された場合の燃料噴射期間dtinjの増加量がより抑制されることになる。そのため、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において、同一機関負荷における燃料噴射量Qfを図2(a)のときより増量した場合であっても、図3(b)における線L23に示すように、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjを、機関負荷Qeに関わらず圧力上昇率を一定とした図3(a)のときよりも短くすることができる(すなわち、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、線L23<線L22=線L20)。これにより、CNG発熱量の減少に伴い燃料噴射量Qfが増量された場合であっても、燃料噴射完了後に枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが混合される期間を、CNG発熱量が所定発熱量以上のときよりも長くすることができる。したがって、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域においても、燃料噴射完了後にCNG発熱量が所定発熱量より小さいCNGと吸気とが十分に混合されるのに必要な期間を確保することが可能となる。そのため、CNG発熱量が所定発熱量より小さい場合であっても、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域における燃焼状態の悪化を十分に抑制することができる。したがって、図3(b)に示すように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域においても、図2(a)のときと同等のトルクを達成することできる(すなわち、機関負荷Qeに関わらず線L13=線L10)。つまり、CNG発熱量が所定発熱量より小さい場合であっても、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において所望のトルクを得ることが可能となる。

0042

なお、上述したように、図3(b)では、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域おいて、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjが、図2(a)のときと同等となる(すなわち、線L23=線L20)程度まで、CNG圧力Pfを高くした(線L33>線L30)。しかしながら、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときに、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域おいて、必ずしも、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjが、CNG発熱量が所定発熱量以上のときと同等となる程度まで、CNG圧力Pfを高くする必要はない。つまり、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときは、同一機関負荷におけるCNG圧力を、CNG発熱量が所定発熱量以上のときに比べて高くすればよい。これにより、同一機関負荷における燃料噴射期間を、CNG圧力をCNG発熱量が所定発熱量以上のときと同等とした場合に比べて短くできる。その結果、燃料噴射が
完了してから吸気弁が開弁されるまでの期間を、CNG圧力をCNG発熱量が所定発熱量以上のときと同等とした場合に比べて長くすることが可能となる。つまり、同一機関負荷において、燃料噴射完了後にCNGと吸気とが混合される期間を、CNG圧力をCNG発熱量が所定発熱量以上のときと同等とした場合に比べて長くすることができる。したがって、燃焼状態が悪化することを抑制することができる。

0043

また、上述したように、図3(b)では、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域おいて、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjが、図2(a)のときより短くなる(すなわち、線L23<線L20)程度まで、CNG圧力Pfを高くした(すなわち、線L33>線L32>線L30)。しかしながら、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときに、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域おいて、必ずしも、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjが、CNG発熱量が所定発熱量以上のときよりも短くなる程度まで、CNG圧力Pfを高くする必要もない。つまり、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときにおいて、機関負荷が所定負荷より高い運転領域では、機関負荷が所定負荷以下の運転領域に比べて圧力上昇率を大きくすればよい。これによって、機関負荷が所定負荷より高い運転領域においても圧力上昇率を機関負荷が所定負荷以下の運転領域と同等とした場合に比べて、同一機関負荷における燃料噴射期間を短くできる。その結果、機関負荷が所定負荷より高い運転領域においても圧力上昇率を機関負荷が所定負荷以下の運転領域と同等とした場合に比べて、燃料噴射が完了してから吸気弁が開弁されるまでの期間を長くすることが可能となる。つまり、同一機関負荷において、CNGと吸気とが混合される期間を、機関負荷が所定負荷より高い運転領域においても圧力上昇率を機関負荷が所定負荷以下の運転領域と同等とした場合に比べて長くすることができる。そのため、CNG発熱量が所定発熱量より小さい場合であっても、燃焼状態が悪化することを抑制することができ、その結果、トルクの低下を抑制することができる。ただし、上述したように、図3(b)に示すように、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときに、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域おいて、同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjが、CNG発熱量が所定発熱量以上のときよりも短くなるほど、同一機関負荷におけるCNG圧力PfをCNG発熱量が所定発熱量以上の場合よりも高くすれば、燃料噴射完了後に枝管4aおよび吸気ポート60内においてCNGと吸気とが混合される期間を、CNG発熱量が所定発熱量以上のときよりも長くすることができる。このようにすることで、燃焼状態の悪化をより抑制することができるため、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域においても、CNG発熱量が所定発熱量以上のときと同等のトルクTqを得ることが可能となる。

0044

また、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときには、図4の一点鎖線L34に示すように、機関負荷Qeに関わらず圧力上昇率を一定としつつ、圧力上昇率の値を十分に大きくすることも考えられる。つまり、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域でも、圧力上昇率を、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において燃料噴射量の増量に伴う燃料噴射期間の増加量を十分に小さくすることができる程度に制御することも考えられる。なお、図4における破線L30、二点鎖線L32、および実線L33は、図3(b)における破線L30、二点鎖線L32、および実線L33と同一である。

0045

しかしながら、圧力上昇率をこのように制御した場合、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域では、CNG圧力Pfが不必要に高いことになる。そして、このような場合、本実施例のように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域では、圧力上昇率を、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域よりも小さくする場合(すなわち、図3(b)における線L33の場合)に比べて、燃料噴射弁10等の燃料系の部品の耐圧性能を高める必要がある。そのため、燃料系の部品の重量の増加や製造コストの上昇を招く虞がある。しかしながら、図3(b)における線L33に示すように機関負荷に応じて圧力上昇率を制御することで、CNG圧力Pfが不必要に高くなることを抑制することが
できる。したがって、燃料系の部品に要求される耐圧性能を下げることができる。そのため、燃料系の部品の重量の増加や製造コストの上昇を抑制することができる。

0046

また、本実施例においては、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域における圧力上昇率が、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域における圧力上昇率よりも大きければ、それぞれの運転領域において、必ずしも圧力上昇率が一定である必要はない。例えば、図5に示すように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域および機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域のそれぞれにおいて、機関負荷Qeの増加に応じて圧力上昇率が徐々に高くなるように制御してもよい。

0047

[燃料性状学習]
上述したように、本実施例では、CNG発熱量に応じたCNG圧力の制御が行われる。ここで、CNG発熱量は、燃料性状学習が行われることによって取得される。以下、本実施例に係る燃料性状学習について説明する。

0048

本実施例では、空燃比センサ24の検出値が目標空燃比となるように、燃料噴射弁10からの燃料噴射量がフィードバック制御される。空燃比センサ24は、排気空燃比を検出するセンサである。ただし、ここでの排気の空燃比とは、単なる、内燃機関1の吸入空気量に対する、燃料噴射弁10から噴射されたCNG量の重量比に対応する値ではない。つまり、ここでの排気の空燃比とは、内燃機関1の吸入空気量に対する、燃料噴射弁10から噴射されたCNG中において燃焼に供されるガスの量(すなわち、CNGの噴射量から不活性ガス量分を差し引いた分のガス量)の重量比に対応する値である。したがって、内燃機関1の吸入空気量および燃料噴射弁10からの燃料噴射量が同一であっても、燃料噴射弁10に供給されたCNGの燃料性状が異なれば、空燃比センサ24の検出値が異なることになる。つまり、内燃機関1の吸入空気量および燃料噴射弁10からの燃料噴射量が同一であっても、燃料噴射弁10に供給されたCNGの不活性ガス濃度が高い場合(即ち、該CNGの低位発熱量が小さい場合)は、該CNGの不活性ガス濃度が低い場合(即ち、該CNGの低位圧熱量が大きい場合)に比べて、空燃比センサ24の検出値は小さくなる。

0049

燃料噴射弁10からの燃料噴射量のフィードバック制御では、該燃料噴射量が下記式(1)にしたがってECU20によって決定される。
Qf=Qfb× (1+kf) ・・・式(1)
Qf:燃料噴射量
Qfb:基準燃料噴射量
kf:噴射量補正係数

0050

ここで、基準燃料噴射量Qfbは、内燃機関1の運転状態に応じて予め定められている燃料噴射量の基準値である。この基準燃料噴射量Qfbは、燃料噴射弁10に供給されるCNGの燃料性状が所定の基準性状であると仮定して定められた値である。内燃機関1の運転状態と基準燃料噴射量Qfbとの関係はマップとしてECU20に記憶されている。そして、ECU20は、このマップを用いて基準燃料噴射量Qfbを導出する。

0051

また、噴射量補正係数kfは、空燃比センサ24の検出値が目標空燃比となるように燃料噴射量を調整するための補正係数である。この噴射量補正係数kfは、下記式(2)にしたがってECU20によって算出される。
kf=kaf+kfc ・・・式(2)
kaf:フィードバック補正値
kfc:燃料性状学習値

0052

ここで、フィードバック補正値kafは、空燃比センサ24の検出値と目標空燃比との差に基づいて決定される補正係数である。また、燃料性状学習値kfcは、燃料噴射弁10に供給されるCNGの燃料性状の変動に起因して生じ得る空燃比センサ24の検出値と目標空燃比との乖離を解消するための補正係数である。上述したように、燃料噴射弁10に供給されるCNGの燃料性状が変動すると排気の空燃比が変化する。そのため、実際のCNGの燃料性状と基準性状との乖離が大きくなると、噴射量補正係数kfの絶対値を大きくする必要がある。ただし、CNGの燃料性状の変動は、燃焼サイクル毎に生じるものではなく、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填されることによって生じるものである。そのため、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填された際に、その充填後のCNGの燃料性状に応じた燃料性状学習値kfcをフィードバック補正値kafとは別に定めておけば、例えば燃焼サイクル毎に燃料噴射量を調整するために用いるフィードバック補正値kafの変化幅を小さくすることができる。そのため、上記式(2)に示すように、フィードバック補正値kafと燃料性状学習値kfcとを別々に定めた上で、それらの和として噴射量補正係数kfを設定する。これによって、燃料噴射弁10からの燃料噴射量のフィードバック制御の安定性を向上させることができる。

0053

そして、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填された際には、燃料性状学習値kfcを更新するための燃料性状学習が実行される。図6は、本実施例に係る燃料性状学習のフローを示すフローチャートである。本フローは、ECU20に記憶されており、ECU20によって、内燃機関1の運転中、所定の間隔で繰り返し実行される。

0054

本フローでは、先ずS101において、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填されたか否かが判別される。この判別は、第1圧力センサ21の検出値に基づいて行うことができる。具体的には、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填されると、CNGタンク13内のCNGの圧力が上昇することになる。そこで、第1圧力センサ21の検出値が所定上昇量以上上昇した場合に、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填されたと判定してもよい。ここで、所定上昇量は、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填さたと判断できるCNGタンク13内のCNGの圧力上昇量閾値である。このような所定上昇量は、実験等に基づいて予め定めることができる。

0055

S101において肯定判定された場合、次にS102において、新たなCNGの充填後に、上述した燃料噴射弁10からの燃料噴射量のフィードバック制御が行われた時に、空燃比センサ24の検出値と目標空燃比との差に応じて算出されたフィードバック補正値kafの絶対値が所定の閾値A1より大きいか否かが判別される。ここで、閾値A1は、CNGタンク13内のCNGの燃料性状が変動したか否かを判別するための閾値である。この閾値A1は、CNGの燃料性状が一定のときにフィードバック補正値kafの絶対値が取り得る最大値であってもよい。このような閾値A1は、実験等に基づいて予め定めることができる。

0056

S102において肯定判定された場合、新たなCNGの充填によってCNGタンク13内のCNGの燃料性状が変動したとみなされる。この場合、次に、S103において、燃料性状学習値kfcが更新される。具体的には、フィードバック補正値kafの絶対値と閾値A1との差に応じた変更値dkfcが、ECU20に記憶されていた燃料性状学習値kfcに加算される。なお、フィードバック補正値kafの絶対値と閾値A1との差と、変更値dkfcとの関係は、マップとしてECU20に予め記憶されている。ECU20は、このマップを用いて変更値dkfcを導出する。ここで、フィードバック補正値kafが正の値であれば変更値dkfcは正の値として導出される。一方、フィードバック補正値kafが負の値であれば変更値dkfcは負の値として導出される。S103において燃料性状学習値kfcが更新されると、その後は、更新後の燃料性状学習値kfcを用いて、上述したような燃料噴射量のフィードバック制御が行われる。なお、S103にお
いては、変更値dkfcに代えて、絶対値が所定の固定値である変更値を用いて燃料性状学習値kfcを更新してもよい。この場合、変更値は、フィードバック補正値kafが正の値であれば正の値に設定され、フィードバック補正値kafが負の値であれば負の値に設定される。そして、この変更値を、フィードバック補正値kafの絶対値が閾値A1以下となるまで、燃料性状学習値kfcに繰り返し加算することで、燃料性状学習値kfcを更新する。

0057

そして、本実施例では、S103おいて燃料性状学習値kfcが更新されると、次にS104において、ECU20に記憶されているCNG発熱量Qhが更新される。ここで、燃料性状学習値kfcの値が大きいほど、所定の基準性状におけるCNG発熱量よりも、現在のCNG発熱量が小さいと判断できる。そのため、S104では、燃料性状学習値kfcの値が大きいほどCNG発熱量Qhの値が小さくなるように、CNG発熱量Qhが更新される。

0058

なお、S101において否定判定された場合、つまり、CNGタンク13に外部から新たにCNGが充填されていない場合、または、S102において否定判定された場合(空燃比センサ24の検出値と目標空燃比との差に応じて算出されたフィードバック補正値kafの絶対値が所定の閾値A1以下の場合)、つまり、新たなCNGが充填されてもCNGタンク13内のCNGの燃料性状は変動していないとみなされる場合、本フローの実行は一旦終了される。この場合、ECU20に記憶されている燃料性状学習値kfcおよびCNG発熱量Qhは更新されずに維持される。

0059

次に、本実施例に係るCNG圧力の調整および燃料噴射期間の設定のフローについて図7に基づいて説明する。図7は、本実施例にCNG圧力の調整および燃料噴射期間の設定のフローを示すフローチャートである。本フローは、ECU20に記憶されており、ECU20によって、内燃機関1の運転中、所定の間隔で繰り返し実行される。

0060

本フローでは、先ずS201において、アクセル開度センサ26の出力信号に基づいて算出された内燃機関1の機関負荷Qeが読み込まれる。次に、S202において、上述した燃料性状学習が行われることによって取得され、ECU20に記憶されているCNG発熱量Qh(すなわち、現在、燃料噴射弁10に供給されているCNGが有する低位発熱量)が読み込まれる。

0061

次に、S203において、S201で読み込まれた機関負荷QeおよびS202で読み込まれたCNG発熱量Qhに基づいて目標燃料噴射量Qftが算出される。図8は、機関負荷QeおよびCNG発熱量Qhと目標燃料噴射量Qftとの相関を示す図である。この図8に示すように、機関負荷Qeが高いほど目標燃料噴射量Qftの値は大きくなる。また、同一機関負荷においては、CNG発熱量Qhが小さいほど目標燃料噴射量Qftの値は大きくなる。この図8に示すような機関負荷QeおよびCNG発熱量Qhと目標燃料噴射量Qftとの相関がECU20に予めマップとして記憶されている。そして、S203では、該マップを用いて目標燃料噴射量Qftが算出される。

0062

次に、S204において、S201で読み込まれた機関負荷QeおよびS202で読み込まれたCNG発熱量Qhに基づいて基準CNG圧力Pfbが算出される。図9は、機関負荷QeおよびCNG発熱量Qhと基準CNG圧力Pfbとの相関を示す図である。この図9に示すように、機関負荷Qeが高いほど基準CNG圧力Pfbの値は大きくなる。また、同一機関負荷においては、CNG発熱量Qhが小さいほど基準CNG圧力Pfbの値は大きくなる。また、基準CNG圧力Pfbの圧力上昇率は、機関負荷Qeに関わらず略一定となっている。この図9に示すような機関負荷QeおよびCNG発熱量Qhと基準CNG圧力Pfbとの相関がECU20に予めマップとして記憶されている。そして、S2
04では、該マップを用いて基準CNG圧力Pfbが算出される。

0063

次に、S205において、S202で読み込まれたCNG発熱量Qhが所定発熱量Qh0以上であるか否かが判別される。ここで、所定発熱量Qh0は、実験等に基づいて予め定められた一定値である。なお、上述した図2(a)は、本実施例における、CNG発熱量Qhがこの所定発熱量Qh0以上のときの機関負荷Qeと各パラメータの値との相関の一例を示している。また、上述した図3(b)は、本実施例における、CNG発熱量Qhがこの所定発熱量Qh0より小さいときの機関負荷Qeと各パラメータの値との相関の一例を示している。S205において肯定判定された場合、次にS206において、S203で算出された目標燃料噴射量QftおよびS204で算出された基準CNG圧力Pfbに基づいて燃料噴射期間dtinjbが算出される。ここで、燃料噴射期間dtinjbは、CNG圧力Pfが基準CNG圧力Pfbである場合において、目標燃料噴射量Qft分のCNGを燃料噴射弁10から噴射するために必要となる燃料噴射期間として算出される。

0064

次に、S207において、レギュレータ14によって、CNG圧力Pf(デリバリーパイプ11内のCNGの圧力)が、S204で算出された基準CNG圧力Pfbに調整される。次に、S208において、燃料噴射期間dtinjが、S206で算出された燃料噴射期間dtinjbに設定される。その後、本フローの実行が一旦終了される。

0065

一方、S205において否定判定された場合、すなわち、S202で読み込まれたCNG発熱量Qhが所定発熱量Qh0より小さい場合、次にS209の処理が実行される。S209においては、S201で読み込まれた機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下であるか否かが判別される。ここで、所定負荷Qe0は、実験等に基づいて予め定められた一定値である。S209において肯定判定された場合、次にS206からS208の処理が実行される。

0066

一方、S209において否定判定された場合、すなわち、S201で読み込まれた機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い場合、次に、S210の処理が実行される。S210においては、後述するS211において補正CNG圧力Pfaを算出するために用いられる圧力補正係数kpが算出される。ここで、圧力補正係数kpは、S201で読み込まれた機関負荷Qeに基づいて算出される。図10は、機関負荷Qeと圧力補正係数kpとの相関を示す図である。この図10に示すように、圧力補正係数kpの最小値は「1」であり、機関負荷Qeが高いほど圧力補正係数kpの値は大きくなる。この図10に示すような機関負荷Qeと圧力補正係数kpとの相関がECU20に予めマップとして記憶されている。そして、S211では、該マップを用いて圧力補正係数kpが算出される。

0067

次に、S211において、補正CNG圧力Pfaが下記式(3)にしたがって算出される。
Pfa=Pfb × kp ・・・式(3)
Pfa:補正CNG圧力
Pfb:S204で算出された基準CNG圧力
kp:S210で算出された圧力補正係数
上記式(3)によれば、S201で読み込まれた機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い場合は、補正CNG圧力Pfaは基準CNG圧力Pfbよりも高くなる。また、機関負荷Qeが高いほど補正CNG圧力Pfaの値は大きくなる。

0068

次にS213において、S203で算出された目標燃料噴射量QftおよびS211で算出された補正CNG圧力Pfaに基づいて燃料噴射期間dtinjaが算出される。ここで、燃料噴射期間dtinjaは、CNG圧力Pfが補正CNG圧力Pfaである場合
において目標燃料噴射量Qft分のCNGを燃料噴射弁10から噴射するために必要となる燃料噴射期間として算出される。

0069

次に、S213において、レギュレータ14によって、CNG圧力Pf(デリバリーパイプ11内のCNGの圧力)が、S211で算出された補正CNG圧力Pfaに調整される。次に、S214において、燃料噴射期間dtinjが、S212で算出された燃料噴射期間dtinjaに設定される。その後、本フローの実行が一旦終了される。なお、上述したように、本実施例では、燃料噴射期間dtinjの変更は、燃料噴射の完了時期を変更することによって行われる。

0070

上記フローによれば、CNG発熱量Qhが所定発熱量Qh0より小さい場合、図3(b)に示すように、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域では、機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域に比べて圧力上昇率が大きくなる。したがって、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において、圧力上昇率を機関負荷Qeが所定負荷Qe0以下の運転領域と同等とした場合に比べて、燃料噴射期間dtinjをより短くすることができる。

0071

また、図10に示すようなマップにおいて、機関負荷Qeに対応する圧力補正係数kpを、S212で算出される燃料噴射期間dtinjaが、S206で算出される同一機関負荷に対応する燃料噴射期間dtinjbよりも短くなるように予め設定しておくことができる。これによれば、図3(b)に示すように、CNG発熱量が所定発熱量より小さいときに、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域おいて、CNG発熱量が所定発熱量以上のときよりも同一機関負荷における燃料噴射期間dtinjが短くなるほど、同一機関負荷におけるCNG圧力Pfを高くすることができる。

0072

なお、本実施例においては、上述したとおり、燃料性状学習において燃料性状学習値kfcに基づいてCNG発熱量Qhを算出し、算出されたCNG発熱量Qhを用いて目標燃料噴射量Qftおよび基準CNG圧力Pfbを算出した。しかしながら、必ずしもCNG発熱量Qhを算出する必要はなく、その代わりに燃料性状学習値kfcを用いて目標燃料噴射量Qftおよび基準CNG圧力Pfbを算出してもよい。また、燃料性状学習値kfcと所定の閾値とを比較することで、CNG発熱量Qhが所定発熱量Qh0以上であるか否かを判別することもできる。また、CNG発熱量Qhを、上述した燃料性状学習以外の周知の手法で取得してもよい。

0073

<変形例1>
上記実施例においては、所定負荷Qe0を一定値とした。しかしながら、CNG発熱量が小さいほど、同一機関負荷における燃料噴射量は多くなる。つまり、同一のCNG圧力では、CNG発熱量が小さいほど、同一機関負荷における燃料噴射期間が長くなる。そこで、上記実施例においては、CNG発熱量に応じて所定負荷Qe0を変更してもよい。図11は、CNG発熱量Qhと所定負荷Qe0との相関を示す図である。この図11に示すように、図7に示すフローのS205において否定判定された場合は、S202で読み込まれたCNG発熱量Qhが小さいときは、該CNG発熱量Qhが大きいときに比べて、所定負荷Qe0をより低い値に設定してもよい。なお、このように所定負荷Qe0を設定する場合、図11に示すようなCNG発熱量Qhと所定負荷Qe0との相関がECU20に予めマップとして記憶されている。そして、ECU20は、このマップを用いて所定負荷Qe0を算出する。ただし、所定負荷Qe0は、必ずしも、図11に示すようにCNG発熱量Qhに応じて連続的に変化する必要はなく、CNG発熱量Qhに応じて段階的に変化してもよい。

0074

このようにCNG発熱量Qhに応じて所定負荷Qe0を変更することで、CNG発熱量
が所定発熱量Qh0より小さい場合において、CNG発熱量Qhが小さいときは、該CNG発熱量Qhが大きいときに比べて、機関負荷がより低い運転領域においても、CNG圧力Pfが補正CNG圧力Pfaに高められることになる。そのため、CNG発熱量が所定発熱量Qh0より小さい場合において、燃料噴射期間が過剰に長くなることをより高い確率で抑制することができる。そのため、CNG発熱量Qhが減少した場合であっても、燃焼状態が悪化することをより高い確率で抑制することができる。

0075

<変形例2>
上記実施例においては、補正CNG圧力Pfaを算出するための圧力補正係数kpを機関負荷Qeに基づいて算出した。しかしながら、上述したように、上記実施例では、同一のCNG圧力では、CNG発熱量が小さいほど、同一機関負荷における燃料噴射期間が長くなる。そこで、圧力補正係数kpを、機関負荷Qeに加えて、CNG発熱量Qhに基づいて算出してもよい。図12は、CNG発熱量Qhと圧力補正係数kpとの相関を示す図である。この図12に示すように、圧力補正係数kpの最小値は「1」である。そして、この図12に示すように、図7に示すフローのS210においては、CNG発熱量Qhが小さいほど圧力補正係数kpの値をより大きい値として算出してもよい。なお、圧力補正係数kpの算出に、機関負荷Qeに加えて、CNG発熱量Qhを用いる場合、図10,12に示すような所定負荷Qe0およびCNG発熱量Qhと圧力補正係数kpとの相関がECU20に予めマップとして記憶されている。そして、S211では、このマップを用いて圧力補正係数kpが算出される。ただし、圧力補正係数kpは、必ずしも、図12に示すようにCNG発熱量Qhに応じて連続的に変化する必要はなく、CNG発熱量Qhに応じて段階的に変化してもよい。

0076

このようにCNG発熱量Qhに応じて圧力補正係数kpが変更されることで、CNG発熱量Qhが所定発熱量Qh0より小さい場合における、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域での圧力上昇率が、CNG発熱量が小さいときは、CNG発熱量が大きいときに比べて大きくなる。そのため、機関負荷Qeが所定負荷Qe0より高い運転領域において、燃料噴射期間が過剰に長くなることをより高い確率で抑制することができる。そのため、CNG発熱量Qhが減少した場合であっても、燃焼状態が悪化することをより高い確率で抑制することができる。

0077

1・・・内燃機関
2・・・気筒
10・・燃料噴射弁
11・・デリバリーパイプ
12・・CNG供給通路
16・・CNGタンク
20・・ECU
21・・第1圧力センサ
22・・第2圧力センサ
23・・第3圧力センサ
24・・空燃比センサ
25・・クランク角センサ
26・・アクセル開度センサ

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