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技術 表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料

出願人 日本パーカライジング株式会社
発明者 福士英一高見淳迫良輔
出願日 2015年9月4日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-175129
公開日 2017年3月9日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-048449
状態 特許登録済
技術分野 金属の化成処理
主要キーワード 複合サイクル試験機 ハフニウムイオン 対象金属材料 溶剤塗装 鉄皮膜 水系エポキシ樹脂 フルオロ珪酸 リン酸塩化成皮膜
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重要な関連分野

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課題

対象金属材料種を問わず、耐食性及び塗膜密着性に優れた皮膜金属材料の表面に形成できる新規表面処理剤、該表面処理剤を用いて金属材料の表面に皮膜を形成する表面処理方法、及び該方法によって形成された皮膜を表面に有する表面処理金属材料の提供。

解決手段

式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)の少なくとも1種を含有するpH2〜6の表面処理剤。Zr、Ti、Hf、Bi、Al、Mg、Zn、Ce、Y、In、Mn、W、Mo又はVか選ばれる少なくとも一種の金属を含有し、水溶性又は水分散性樹脂を前記表面処理剤の全質量を基準として、1質量%未満を更に含有する表面処理剤。[3<n≦6、0≦m<3、i=[6−(n+m)]/Z、i≧0、Xは鉄に配位可能な配位子、Zは配位子Xの座数]

概要

背景

金属材料上に対して耐食性付与を目的とした化成処理が古くから実施されてきている。この化成処理とは、化成処理液と称される化学薬品に金属材料を接触させ、当該金属材料表面化成皮膜を形成させることである。一般的な化成処理としては、例えば、特許文献1及び2等の、ジルコニウム化成処理チタン化成処理、ハフニウム化成処理、バナジウム化成処理等が知られている。

概要

対象金属材料種を問わず、耐食性及び塗膜密着性に優れた皮膜を金属材料の表面に形成できる新規表面処理剤、該表面処理剤を用いて金属材料の表面に皮膜を形成する表面処理方法、及び該方法によって形成された皮膜を表面に有する表面処理金属材料の提供。式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)の少なくとも1種を含有するpH2〜6の表面処理剤。Zr、Ti、Hf、Bi、Al、Mg、Zn、Ce、Y、In、Mn、W、Mo又はVか選ばれる少なくとも一種の金属を含有し、水溶性又は水分散性樹脂を前記表面処理剤の全質量を基準として、1質量%未満を更に含有する表面処理剤。[3<n≦6、0≦m<3、i=[6−(n+m)]/Z、i≧0、Xは鉄に配位可能な配位子、Zは配位子Xの座数]なし

目的

本発明は、対象金属材料種を問わず、耐食性及び塗膜密着性に優れた皮膜を金属材料の表面に形成することができる新規表面処理剤、該表面処理剤を用いて金属材料の表面に皮膜を形成する表面処理方法、及び該方法によって形成された皮膜を表面に有する表面処理金属材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

下記式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)の少なくとも1種を含有するpH2以上6以下の表面処理剤。ここで、3<n≦6、0≦m<3、i=[6−(n+m)]/Z、i≧0、Xは鉄に配位可能な配位子、Zは配位子Xの座数である。

請求項2

Zr、Ti、Hf、Bi、Al、Mg、Zn、Ce、Y、In、Mn、W、Mo及びVから選ばれる少なくとも1種の金属成分(B)をさらに含有する請求項1に記載の表面処理剤。

請求項3

水溶性又は水分散性樹脂(C)を前記表面処理剤の全質量を基準として1質量%未満でさらに含有する請求項1又は2に記載の表面処理剤。

請求項4

Cu、Sn及びCoから選ばれる少なくとも1種の金属成分を0.01mmol/L未満でさらに含有する請求項1〜3のいずれかに記載の表面処理剤。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理剤を金属表面に接触させる接触工程を含む表面処理方法

請求項6

請求項5に記載の接触工程後に、ジルコニウム化成皮膜を形成させるジルコニウム化成皮膜形成工程、チタン化皮膜を形成させるチタン化成皮膜形成工程、ハフニウム化成皮膜を形成させるハフニウム化成皮膜形成工程、又はバナジウム化成皮膜を形成させるバナジウム化成皮膜形成工程をさらに含む、表面処理方法。

請求項7

請求項5に記載の接触工程後に、リン酸塩化成皮膜を形成させるリン酸塩化成皮膜形成工程をさらに含む、表面処理方法。

請求項8

請求項5〜7のいずれかに記載の表面処理方法により得られた表面処理金属材料

技術分野

0001

本発明は、金属材料の表面に皮膜を形成させる表面処理剤、該表面処理剤を用いて金属材料の表面に皮膜を形成する表面処理方法、及び該方法によって形成された皮膜を表面に有する皮膜付き金属材料(以下、「表面処理金属材料」と称する。)に関する。

背景技術

0002

金属材料上に対して耐食性付与を目的とした化成処理が古くから実施されてきている。この化成処理とは、化成処理液と称される化学薬品に金属材料を接触させ、当該金属材料表面化成皮膜を形成させることである。一般的な化成処理としては、例えば、特許文献1及び2等の、ジルコニウム化成処理チタン化成処理、ハフニウム化成処理、バナジウム化成処理等が知られている。

先行技術

0003

特開2000−199077号公報
特開2004−218073号公報

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、対象金属材料種を問わず、耐食性及び塗膜密着性に優れた皮膜を金属材料の表面に形成することができる新規表面処理剤、該表面処理剤を用いて金属材料の表面に皮膜を形成する表面処理方法、及び該方法によって形成された皮膜を表面に有する表面処理金属材料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決するために研究を重ねた結果、下記発明に至った。
即ち、本発明は、
(1)下記式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)の少なくとも1種を含有するpH2以上6以下の表面処理剤:

ここで、3<n≦6、0≦m<3、i=[6−(n+m)]/Z、i≧0、Xは鉄に配位可能な配位子、Zは配位子Xの座数である;
(2)Zr、Ti、Hf、Bi、Al、Mg、Zn、Ce、Y、In、Mn、W、Mo及びVから選ばれる少なくとも1種の金属成分(B)をさらに含有する上記(1)に記載の表面処理剤;
(3)水溶性又は水分散性樹脂(C)を前記表面処理剤の全質量を基準として0質量%超1質量%未満でさらに含有する上記(1)又は(2)に記載の表面処理剤;
(4)Cu、Sn及びCoから選ばれる少なくとも1種の金属成分を0mmol/L超0.01mmol/L未満でさらに含有する上記(1)〜(3)のいずれかに記載の表面処理剤;
(5)界面活性剤をさらに含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の表面処理剤;
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の表面処理剤を金属表面に接触させる接触工程を含む表面処理方法;
(7)上記(6)に記載の接触工程後に、リン酸塩化成皮膜を形成させるリン酸塩化成皮膜形成工程をさらに含む、表面処理方法;
(8)上記(6)に記載の接触工程後に、あるいは、上記(7)に記載のリン酸塩化成皮膜形成工程後に、ジルコニウム化成皮膜を形成させるジルコニウム化成皮膜形成工程、チタン化成皮膜を形成させるチタン化成皮膜形成工程、ハフニウム化成皮膜を形成させるハフニウム化成皮膜形成工程、又はバナジウム化成皮膜を形成させるバナジウム化成皮膜形成工程をさらに含む、表面処理方法;
(9)上記(6)〜(8)のいずれかに記載の表面処理方法により得られた表面処理金属材料;
等である。

発明の効果

0006

本発明によれば、対象金属材料種を問わず、耐食性及び塗膜密着性に優れた皮膜を金属材料の表面に形成することができる新規表面処理剤、該表面処理剤を用いて金属材料の表面に皮膜を形成する表面処理方法、及び該方法によって形成された皮膜を表面に有する表面処理金属材料を提供することができる。

0007

以下、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は該形態に限定されるものではない。以下、本発明に係る表面処理剤、本発明に係る表面処理剤の製造方法、該表面処理剤を用いて金属材料の表面に皮膜を形成する表面処理方法、及び該方法によって形成された皮膜を表面に有する表面処理金属材料を順に説明することとする。

0008

≪表面処理剤≫
本発明に係る表面処理剤は、上記式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)の少なくとも1種を含有する。なお、式(I)中の、「n」は3超6以下であり、「m」は0以上3未満であり、「X」は鉄に配位可能な配位子を示し、「i」は0以上であって、かつ、[6−(n+m)]/Zである(Zは、配位子Xの座数である。)。なお、本発明に係る表面処理剤のpHは、2以上6以下である。

0009

本発明に係る表面処理剤は、上記式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)の少なくとも1種を含有すれば特に制限されるものではなく、必要に応じ、他の成分を含ませてもよい。他の成分としては、例えば、金属成分、水溶性又は水分散性の樹脂、界面活性剤等を挙げることができる。以下、他の成分について説明する。

0010

(金属成分(B))
本発明に係る表面処理剤に配合させる金属成分(B)としては、例えば、Zr、Ti、Hf、Bi、Al、Mg、Zn、Ce、Y、In、Mn、W、Mo及びVから選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。これらのうち、2種の金属成分をさらに含有させる場合、2種の金属成分の組み合わせとしては、例えば、ZrとAl、ZrとBi、ZrとW、ZrとCe、TiとV、TiとZr、ZnとAl、BiとCe、又はZnとMnを挙げることができる。これらの金属成分(B)を含有する場合、その濃度(金属量)は0.01g/L以上であることが好ましく、0.05g/L以上であることがより好ましい。なお、金属成分の濃度は、5.0g/L以下であることが好ましく、2.0g/L以下であることがより好ましい。当該範囲にて金属成分(B)が存在する場合、耐食性及び塗膜密着性がより向上する。

0011

上記金属成分(B)の供給源としては、例えば、硫酸ジルコニウムオキシ硫酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナトリウム、硫酸ジルコニウムカリウム硝酸ジルコニウムオキシ硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムアンモニウム、硝酸ジルコニウムナトリウム、硝酸ジルコニウムカリウム、フルオロジルコニウム酸、フルオロジルコニウム錯塩炭酸ジルコニウムアンモニウム炭酸ジルコニウムカリウム酢酸ジルコニル乳酸ジルコニル等のジルコニウム化合物硫酸チタンオキシ硫酸チタン、硫酸チタンアンモニウム、硝酸チタンオキシ硝酸チタン、硝酸チタンアンモニウム、フルオロチタン酸、フルオロチタン錯塩、チタンラクテートチタンアセチルアセトネート等のチタン化合物リン酸ハフニウム、硫酸ハフニウム、ケイ酸ハフニウム炭化ハフニウム塩化ハフニウム、フッ化ハフニウム、酸化ハフニウム等のハフニウム化合物硫酸ビスマス硝酸ビスマス、乳酸ビスマス水酸化ビスマス酸化ビスマス酢酸ビスマス、三フッ化ビスマス、バナジン酸ビスマスメタンスルホン酸ビスマス等のビスマス化合物硫酸アルミニウム硝酸アルミニウム水酸化アルミニウムリン酸アルミニウムフッ化アルミニウム炭酸アルミニウム酸化アルミニウム等のアルミニウム化合物硫酸マグネシウム硝酸マグネシウム水酸化マグネシウム塩化マグネシウム酢酸マグネシウム酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物硫酸亜鉛硝酸亜鉛水酸化亜鉛リン酸亜鉛酢酸亜鉛酸化亜鉛、フッ化亜鉛塩化亜鉛等の亜鉛化合物、硫酸セリウム硝酸セリウム、フッ化セリウム、炭酸セリウム塩化セリウム酢酸セリウム酸化セリウム等のセリウム化合物硫化イットリウム塩化イットリウム、フッ化イットリウム、酸化イットリウム等のイットリウム化合物酸化インジウムリン化インジウムアンチモン化インジウム等のインジウム化合物硫酸マンガン硝酸マンガン炭酸マンガン酸化マンガン二酸化マンガン水酸化マンガン等のマンガン化合物酸化タングステン炭化タングステン、フッ化タングステンタングステン酸ナトリウム等のタングステン化合物三酸化モリブデンモリブデン酸ナトリウム七モリブデン酸六アンモニウム等のモリブデン化合物塩化バナジウム酸化バナジウム炭化バナジウム、フッ化バナジウム、五酸化バナジウムメタバナジン酸ナトリウム等のバナジウム化合物等を挙げることができ、これらのうち、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0012

なお、金属成分として、本発明に係る表面処理剤に、Cu、Sn及びCoから選ばれる少なくとも1種の金属成分を配合させてもよい。これらの金属成分を配合させる場合には、0.01mmol/L未満であることが好ましい。

0013

上記金属成分の供給源としては、例えば、硝酸銅硫酸銅塩化銅酸化銅、フッ化銅、塩化スズ酸化スズ硫酸スズフッ化スズ塩化コバルト硝酸コバルト酸化コバルト水酸化コバルト硫酸コバルト、フッ化コバルト等を挙げることができる。

0014

(水溶性又は水分散性の樹脂(C))
また、本発明に係る表面処理剤に配合させる樹脂(C)としては、水溶性又は水分散性であれば特に制限されるものではなく、例えば、水酸基スルホン酸基アミノ基、カルボニル基アミド基及びポリオキシエチレン基から選ばれる少なくとも1種の基を有する水溶性又は水分散性の樹脂の他、タンニン類アミン変性タンニン類等を用いることができる。これらの樹脂(C)を添加する場合、その濃度は、表面処理剤の全質量を基準として1質量%未満が好ましく、0.0001g/L以上10g/L未満がより好ましく、0.01g/L以上1.0g/L以下が特に好ましい{樹脂(C)が複数存在する場合には合計値}。当該範囲内であると、適量の水溶性又は水分散性の樹脂(C)が鉄皮膜中に取り込まれる結果、より優れた耐食性(例えば塩温水浸漬試験)を発揮し得る。なお、「水溶性又は水分散性の樹脂」とは、20℃100gの水に0.1gの樹脂を攪拌混合した場合に、溶解する樹脂、あるいは、均一に分散する樹脂(エマルジョンを形成する樹脂を含む)を意味する。

0015

前記水溶性又は水分散性の樹脂(C)としては、例えば、ポリビニルアルコールカルボキシ変性PVA、ヒドロキシ変性PVA、シラノール変性PVA等のPVA誘導体ポリエチレングリコールポリアクリル酸ポリウレタン樹脂ポリエステル樹脂エポキシ樹脂ポリアクリルアミド又はポリアクリルアミド重合体ポリエチレンイミン又はポリエチレンイミン重合体、ジアリルアミン又はジアリルアミン重合体カルボキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体ポリビニルピロリドンポリイミド樹脂ビニルスルホン酸樹脂、ポリアリルアミン又はポリアリルアミン重合体等、金属の表面処理常用されている樹脂が挙げられる。その他、公知のフェノール樹脂、より具体的には金属表面処理剤として使用されている一般的なフェノール樹脂、例えば、下記一般式(II)の水溶性重合体等を用いることができる。なお、これらの樹脂は、1種使用してもよいし、2種以上使用してもよい。2種の樹脂の組み合わせとしては、例えば、ジアリルアミンとポリエチレンイミン、エポキシ樹脂とポリウレタン樹脂、又はポリビニルアルコールとポリアリルアミンを挙げることができる。



式(II)中、nは2〜50の平均重合度を表し、置換基Xは、水素原子ヒドロキシル基、C1〜C5アルキル基ヒドロキシ置換C1〜C5アルキル基、C6〜C12アリール基ベンジル基ベンザル基、式(II)中のベンゼン環縮合してナフタレン環を形成する不飽和ハイドロカーボン基、又は下記式(III)で示される基:



を表し、式(III)中のR1及びR2は、それぞれ相互に独立に、水素原子、ヒドロキシル基、C1〜C5アルキル基、又はヒドロキシ置換C1〜C10アルキル基を表し、式(II)及び式(III)における置換基Y1及びY2は、それぞれ相互に独立に、水素原子、又は下記式(IV)若しくは式(V)で示されるZ基:



を表わし、式(IV)及び式(V)におけるR3、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ相互に独立に、C1〜C10アルキル基又はヒドロキシ置換C1〜C10アルキル基を表し、この水溶性重合体分子中の各ベンゼン環における前記Z基の置換数平均値は0.2〜1.0である。

0016

(界面活性剤(D))
本発明に係る表面処理剤に配合させる界面活性剤(D)は、ノニオン性カチオン性、アニオン性又は両性のいずれであってもよい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレン脂肪酸エステルポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等のポリエチレングリコール型ノニオン性界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール型ノニオン性界面活性剤、脂肪酸アルキロールアミド等のアミド型ノニオン性界面活性剤等を挙げることができる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルキルアミン塩、ポリオキシエチレン高級アルキルアミン等のアミン塩型カチオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤等を挙げることができる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、エチレンオキサイドが付加された高級アルキルエーテル硫酸エステル塩等を挙げることができる。これらのうち、HLB値(グリフィン法により算出)が6以上18以下であるものが好ましく、10以上14以下であるものがより好ましい。なお、これらの界面活性剤は、1種含有させてもよいし、2種以上含有させてもよい。このような界面活性剤を本発明の表面処理剤に配合させることにより、化成処理とともに脱脂処理を1工程で行うことが可能となる。界面活性剤の濃度は、0.1〜10.0g/Lの範囲内であることが好ましく、0.5〜5.0g/Lの範囲内であることがより好ましい。

0017

<液性>
本発明に係る表面処理剤は、pH2.0〜6.0であることが好ましく、pH3.0〜pH4.0であることがより好ましい。当該範囲にあると、優れた耐食性を有する鉄皮膜を得ることができる。なお、本明細書におけるpHは、pHメーターで測定された、25℃の液での値である。

0018

≪表面処理剤の製造方法≫
本発明に係る表面処理剤、すなわち、上記式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)の少なくとも1種を含有する表面処理剤は、例えば、(1)水不溶性鉄源を、表面処理剤中で溶解型3価鉄として安定化させるフッ素含有化合物に溶解させ、必要に応じて、酸化剤、上記配位子X等を順次添加して混合する、(2)水可溶性の鉄源を水(必要に応じ、アルコール等の水性液体媒体を添加してもよい)に添加し混合した後、上記フッ素含有化合物を添加して、必要に応じて、酸化剤、上記配位子X等を順次添加して混合する、ことにより製造し得る。以下、各原料(配位子、酸化剤、鉄源、フッ素含有化合物)について詳述する。

0019

(配位子)
配位子Xは、水溶液中で鉄(鉄化合物を含む。)の沈殿を防ぐための成分である。配位子Xは、溶解型3価鉄に配位し得るものであれば特に制限されるものではなく、例えば、アミノカルボン酸ヒドロキシカルボン酸スルホン酸ホスホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。具体的には、EDTAエチレンジアミン四酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、TTHAトリエチレンテトラミン酢酸)、DHEG(ジヒドロキシエチルグリシン)、EDTMP(エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸)、NTMP(ニトリトリメチレンホスホン酸)、HEDPヒドロキシエチリデンジホスホン酸)、イミノ二酢酸トリシン酒石酸リンゴ酸クエン酸グリコール酸、乳酸、グルコン酸粘液酸キナ酸タウリン等を挙げることができる。これらの配位子Xは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ここで、配位子Xの存在量は、一般的手法、例えば、陰イオン分析用カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー誘導体化溶媒抽出GCMS法等にて測定可能である。

0020

(酸化剤)
酸化剤としては、例えば、過塩素酸次亜塩素酸溶存酸素、オゾン、過マンガン酸過酸化水素等を挙げることができ、これらの酸化剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

0021

(鉄源)
鉄の供給源としては、例えば、鉄粉酸化鉄等の水不溶性の鉄源、硝酸鉄硫酸鉄塩化鉄等の可溶性鉄塩を使用してもよい。本発明の表面処理剤における鉄(3価の溶解型鉄)濃度は、0.1g/L以上10.0g/L以下であることが好ましく、0.5g/L以上5.0g/L以下であることがより好ましく、0.7g/L以上2.0g/L以下であることが特に好ましい。当該範囲内であると、より優れた耐食性及び塗膜密着性を発現する鉄皮膜が得られ易い。ここで、本発明の表面処理剤における鉄の存在量は、一般的な方法で測定可能であり、例えば、滴定法及びICP発光分光分析法を行うことにより測定可能である。

0022

(フッ素含有化合物)
フッ素含有化合物におけるフッ素成分は、金属材料のエッチング成分ならびに鉄を水溶液中で安定化させる成分である。フッ素成分は、水に溶解可能なフッ素(溶解型フッ素)である。フッ素含有化合物、すなわちフッ素の供給源としては、例えば、フッ化水素酸、フルオロチタン酸、フルオロジルコニウム酸、フルオロ珪酸、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム、二フッ化水素ナトリウム、フッ化カリウム、二フッ化水素カリウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、本発明の表面処理剤におけるフッ素の存在量は、一般的な方法で測定可能であり、例えば、鉄とキレート錯体を形成しやすいキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等)を表面処理剤に添加し、遊離したフッ素イオンイオンクロマトグラフィーによって測定可能である。

0023

ここで、鉄は最大で六配位(正八面体構造)を取ることが可能であり、1の鉄に対して3超のフッ素を配位させることが必要である。この場合、残りは、水(水酸化物イオン)が配位し得る。前記フッ素の配位数にも拠るが、水は鉄に対して3倍モル濃度よりも少なく配位することが好ましい。例えば、フッ素が鉄に対して4倍モル配位している場合は、鉄の残る配位数が最大2となり、水ならびに配位子Xで残基を配位することとなる。したがって、上記式(I)で示されるアニオン性フルオロ鉄(III)錯化合物イオン(A)を形成させるため、すなわち、1の鉄に3超のフッ素を配位させるためには、フッ素(溶解型フッ素)は鉄(3価の溶解型鉄)に対して3倍モル濃度より大きく、6倍モル濃度以下であることが好ましい。より好ましくは4倍モル濃度以上又は超である。鉄に対してフッ素が前記濃度にて存在すると、より優れた耐食性及び塗膜密着性を発現する鉄皮膜が得られ易い。他方、これらの配位において、フッ素が鉄に対し3倍モル濃度以下である場合は、3価の鉄イオンの安定性を損ねてしまい不溶性の鉄塩を生じてしまう。以上より、剤中においては、フッ素(溶解型フッ素)は、鉄(3価の溶解型鉄)に対し、モル比で3超15以下存在する(より好適には4以上又は超10以下存在する)ことが、本発明の効果を奏する上で好適である。

0024

一方、配位子Xはそれぞれ固有の座数を持つ。例えば、EDTAは6座配位が可能であり、上記式(I)記載のZの値は6となる。よって、配位子Xの配位数は0以上であることが好ましい。また、配位子Xは鉄とのキレート力がフッ素や水よりも強いため、鉄に優先的に配位する。

0025

≪表面処理方法≫
本発明に係る表面処理剤は、金属材料の表面処理に用いる。ここで、該表面処理方法は、金属材料を前述した表面処理剤と接触させることにより、該金属材料上に鉄皮膜を形成させる化成皮膜形成工程を必須的に有している。

0026

以下、該表面処理方法について詳細に説明する。該表面処理方法に使用する金属材料は特に限定されず、例えば、鉄材亜鉛めっき材アルミニウム材等である。より具体的な例として、冷延鋼板熱延鋼板黒皮鋼板溶融亜鉛系めっき鋼板電気亜鉛系めっき鋼板合金化溶融亜鉛系めっき鋼板アルミニウムめっき鋼板アルミ亜鉛合金化めっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金化めっき鋼板、アルミニウム板アルミニウム合金板等、又はこれら材料に対して熱処理(例えば、高熱処理溶接処理等)を施した熱履歴材料が挙げられる。

0027

上記金属材料と表面処理剤との接触方法は特に限定されず、通常の化成処理方法において適用される方法であればよい。例えば、浸漬処理法、スプレー処理法、電解処理法、流しかけ処理法等が挙げられる。これらの中では浸漬処理法が好ましい。

0028

上記金属材料と表面処理剤との接触温度は25〜55℃が好ましく、35〜45℃がより好ましいが、これらの温度に制限されるものではない。また、上記金属材料と表面処理剤との接触時間は30〜300秒が好ましく、60〜180秒がより好ましいが、これらの処理時間に制限されるものではない。

0029

なお、本発明に係る表面処理方法は、上記化成皮膜形成工程後に、リン酸亜鉛等を用いたリン酸塩化成処理、ジルコニウム化成処理、チタン化成処理、ハフニウム化成処理、バナジウム化成処理等の別の化成処理を行ってもよい。また、本形態に係る表面処理方法は、上記化成皮膜形成工程後に、第2の化成処理としてリン酸塩化成処理を行い、続いて、ジルコニウム化成処理、チタン化成処理、ハフニウム化成処理、バナジウム化成処理等の第3の化成処理を行ってもよい。このように、化成皮膜形成工程後に、別の化成処理、あるいは、第2及び第3の化成処理を行うことにより、金属材料の耐食性及び塗膜密着性をさらに向上させることができる。

0030

ここで、ジルコニウム化成処理には、一般的なジルコニウム化成処理剤を用いることができる。また、チタン化成処理には、一般的なチタン化成処理剤を用いることができる。ハフニウム化成処理には、一般的なハフニウム化成処理剤を用いることができ、バナジウム化成処理には、一般的なバナジウム化成処理剤を用いることができる。これらの化成処理は、例えば、ジルコニウムイオンチタンイオンハフニウムイオン及び/又はバナジウムイオンを0.005〜5.0g/Lで含むpH3.0〜6.0の処理液を用いて、25〜55℃で10〜300秒間、浸漬あるいはスプレーすることにより行われる。

0031

さらに、リン酸塩化成処理についても同様に、一般的なリン酸塩化成処理を用いることが出来る。リン酸塩化成処理は、例えば、リン酸イオンを0.1〜50g/L、亜鉛イオンを0.01〜3.0g/Lでそれぞれ含むpH3.0〜6.0の処理液を用いて、25〜55℃で10〜300秒間、浸漬あるいはスプレーすることにより行われる。

0032

本発明に係る表面処理方法は、上記化成皮膜形成工程前に、前記金属材料を脱脂処理により予め清浄化する脱脂工程を行うことが好ましい。脱脂処理の方法は特に限定されず、従来公知の方法を適用することができる。なお、脱脂工程及び化成皮膜形成工程を行った後は、上記別の化成処理を行ってもよい。また、脱脂工程及び化成皮膜形成工程を行った後、第2の化成処理と第3の化成処理とを行ってもよい。

0033

また、本発明に係る表面処理方法は、上記化成皮膜形成工程後に、上記別の化成処理後に、あるいは、上記第3の化成処理後に、塗料を用いた塗装工程を行ってもよい。塗装方法は特に限定されず、従来公知の方法、例えば、電着塗装(例えば、カチオン電着塗装)、溶剤塗装粉体塗装等の方法を適用することができる。なお、電着塗料を用いた電着塗装方法を適用する場合には、その前工程である、上記化成皮膜形成工程、上記別の化成処理、あるいは、上記第3の化成処理で用いる化成処理剤中のナトリウムイオン濃度質量基準で500ppm未満に制御することが好ましい。

0034

なお、本発明に係る表面処理方法は、上記化成皮膜形成工程に加えて、上記脱脂工程;上記別の化成処理;上記第2の化成処理及び上記第3の化成処理;上記塗装工程;上記脱脂工程及び上記別の化成処理;上記脱脂工程、上記第2の化成処理及び上記第3の化成処理;上記脱脂工程及び上記塗装工程;上記別の化成処理及び上記塗装工程;上記第2の化成処理、上記第3の化成処理及び上記塗装工程;上記脱脂工程、上記別の化成処理及び上記塗装工程;あるいは、上記脱脂工程、上記第2の化成処理、上記第3の化成処理及び上記塗装工程、を含む場合には、各工程後にそれぞれ水洗工程を含んでいてもよい。このように各工程後に水洗工程を含む場合には、表面処理方法は、一部の水洗工程を省略してもよいし、全部の水洗工程を省略してもよい。

0035

≪表面処理によって得られる表面処理金属材料≫
次に、本発明に係る表面処理剤で化成処理することにより得られた化成皮膜を有する金属材料、すなわち、表面処理金属材料を詳細に説明する。本形態に係る表面処理金属材料の表面に形成された化成皮膜は、鉄皮膜である。本皮膜は金属材料種を問わず形成させることができる。ここで、該鉄皮膜の厚さは、0.001〜1.0μmであることが好ましい。

0036

さらに、本発明に係る表面処理金属材料は、該鉄皮膜上に、ジルコニウム化成皮膜、チタン化成処理皮膜、ハフニウム化成処理皮膜又はバナジウム化成処理皮膜を有してもよい。この場合、該化成皮膜の厚さは、0.005〜0.2μmであることが好ましく、0.01〜0.1μmであることがより好ましい。

0037

また、本発明に係る表面処理金属材料は、該鉄皮膜上に、リン酸塩化成皮膜を有してもよい。この場合、該リン酸塩化成皮膜の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、1.0〜3.0μmであることがより好ましい。なお、本発明に係る表面処理金属材料が、該鉄皮膜上に、リン酸塩化成皮膜と、ジルコニウム化成皮膜、チタン化成処理皮膜、ハフニウム化成処理皮膜又はバナジウム化成処理皮膜とを有する場合には、リン酸塩化成皮膜上に、ジルコニウム化成皮膜、チタン化成処理皮膜、ハフニウム化成処理皮膜又はバナジウム化成処理皮膜が形成されている。

0038

本発明に係る鉄皮膜中の鉄元素含有量は、X線光電子分光分析装置ESCA)のイオンエッチング法により、深さ方向の組成分布スペクトルから求めることができる。

0039

上記皮膜の耐食性を評価するために、前記処理方法によって得られた表面処理金属材料の表面に対して塗装を行ってもよい。塗装方法は特に限定されず、従来公知の方法、例えば、電着塗装(例えば、カチオン電着塗装)、溶剤塗装、粉体塗装等の方法を適用することができる。カチオン電着塗装としては、従来公知の方法を適用できる。例えば、塗料として、アミン付加エポキシ樹脂と、硬化成分としてブロック化ポリイソシアネート硬化剤とを含有するカチオン電着塗料組成物を用い、この塗料中に本発明の表面処理剤で得られた表面処理金属材料を浸漬する。なお、浸漬前に該表面処理金属材料は、水洗してもよいし、水洗せずに浸漬を行ってもよい。また、浸漬前に水洗後の、あるいは、未水洗の、金属材料の表面を乾燥してもよいし、乾燥せずに上記塗料に浸漬してもよい。

0040

なお、上記カチオン電着塗装は、例えば、塗料の温度を26〜30℃程度に保持し、塗料を攪拌した状態で、整流器を用いて上記表面処理金属材料に30秒かけて0Vから200Vまで直線的に電圧陰極方向に印加し、その後200Vで150秒間保持して行う。このようにして表面を塗装した金属材料に対して、水洗及び焼き付けを実施して塗膜を形成させる。なお、焼き付けは、例えば、170℃で20分間行う。

0041

塗装された金属材料の塗膜は、平均厚さで1〜50μmが好ましく、7〜25μmであることがより好ましい。

0042

なお、塗膜の厚さは、電磁式膜厚計又は渦電流式膜厚計を用いて測定することにより求めることができる。より具体的には、塗膜が磁性体の金属材料(鉄、鉄系合金等)の表面上に形成される場合は、電磁式膜厚計を用いて測定する。また、塗膜が非磁性体の金属材料(アルミニウム、アルミニウム合金等)の表面上に形成される場合は、渦電流式膜厚計を用いて測定する。測定後、塗膜の任意の箇所を数箇所測定して、平均厚さを求める。

0043

以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。

0044

<金属材料>
次の金属材料を用意した(全て株式会社パルテック製)
・冷延鋼板:SPC(SPCC−SD)70×150×0.8mm
高張力熱延鋼板:SPH(SPH−590)70×150×1.2mm
・熱履歴鋼板:焼SPH(SPHをマッフル炉にて400℃で20分間焼成させた鋼板;サイズはSPHと同じ)
・黒皮鋼板:SPHC 70×150×2.3mm
電気亜鉛めっき鋼板:EG(亜鉛目付量20g/m2;両面とも)70×150×0.8mm
溶融亜鉛めっき鋼板GI(亜鉛目付量90g/m2;両面とも)70×150×0.8mm
合金化亜鉛めっき鋼板:GA(亜鉛目付量45g/m2;両面とも)70×150×0.8mm
・アルミニウム合金板:AL(A6061P)70×150×1.0mm

0045

<表面処理>
各金属材料の表面に、40℃に加温した脱脂剤(日本パーカライジング株式会社製;FC−E2001)を120秒間スプレーすることにより脱脂処理した。脱脂処理後、表面を30秒間スプレー水洗した。続いて、後述の実施例1〜44及び比較例1〜3の表面処理剤に40℃で120秒間浸漬し、その後、水洗し、常温乾燥することにより、表面に鉄皮膜が形成された金属材料を作製した。また、上記脱脂処理及びスプレー水洗処理した金属材料を、比較例4のジルコニウム化成処理液[50g/Lのジルコニウム化成処理液(日本パーカライジング株式会社製の化成処理剤;PLM−1000を使用)]に35℃で120秒間浸漬してジルコニウム化成処理を行い、ジルコニウム化成皮膜が形成された金属材料を作製した。さらに、上記脱脂処理及びスプレー水洗処理した金属材料を、比較例5のリン酸亜鉛化成処理液[50g/Lのリン酸亜鉛化成処理液(日本パーカライジング株式会社製のリン酸亜鉛化成処理剤;PB−SX35を使用)]に35℃で120秒間浸漬してリン酸亜鉛化成処理を行い、リン酸亜鉛化成皮膜が形成された金属材料を作製した。

0046

加えて、実施例1の表面処理剤に40℃で120秒間浸漬し、その後水洗することにより、鉄皮膜を形成した後、比較例4のジルコニウム化成処理液を用いてジルコニウム化成処理を行い、鉄皮膜とジルコニウム化成皮膜とを含む複合皮膜が形成された金属材料を作製した。また、実施例1の表面処理剤に40℃で120秒間浸漬し、その後水洗することにより、鉄皮膜を形成した後、3.0g/Lの表面調整液(日本パーカライジング株式会社製の表面調整剤;PL−Xを使用)に常温で30秒間浸漬して表面処理を行い、続いて比較例5のリン酸亜鉛化成処理液を用いてリン酸亜鉛化成処理を行い、鉄皮膜とリン酸亜鉛化成皮膜とを含む複合皮膜が形成された金属材料を作製した。

0047

<カチオン電着塗装>
各皮膜を有する金属材料を陰極とし、電着塗料(関西ペイント社製GT−100)を用いて、180秒間定電圧陰極電解して金属板の全表面に塗膜を形成させた。その後、水洗し、170℃で20分間焼き付けて各試験板を作製し、以下の塩温水浸漬試験、複合サイクル試験、及び塗膜密着性試験を実施した。なお、塗膜厚は20μmとなるように調整した。

0048

<塩温水浸漬試験>
カッターで各試験板にクロスカットを施し、5質量%NaCl水溶液に、55℃で240時間(10日間)浸漬を行い、続いて水洗及び風乾を行った。次に、試験板のクロスカット部に対してセロテープ登録商標剥離試験を行い、クロスカットからの両側最大剥離幅を測定し、以下に示す評価基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:両側最大剥離幅が3.0mm未満
○:両側最大剥離幅が3.0mm以上5.0mm未満
△:両側最大剥離幅が5.0mm以上10.0mm未満
×:両側最大剥離幅が10.0mm以上
<複合サイクル試験>
カッターで各試験板にクロスカットを施し、複合サイクル試験機に入れ、JASO−M609−91に則り複合サイクル試験を100サイクル実施した。100サイクル実施後のクロスカットからの両側最大膨れ幅を測定し、以下に示す評価基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:両側最大膨れ幅が5.0mm未満
○:両側最大膨れ幅が5.0mm以上10.0mm未満
△:両側最大膨れ幅が10.0mm以上15.0mm未満
×:両側最大膨れ幅が15.0mm以上

0049

<塗膜密着性試験>
カッターで各試験板に1mm間隔で碁盤目状(10×10=100個)にカット傷を施した後、沸騰水に1時間浸漬した。続いて、表面上の水分を拭き取り、碁盤目状のカット傷に対してセロテープ(登録商標)を用いたテープ剥離試験を行い、剥離しなかった碁盤目の数を計測し、以下に示す評価基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:100個
○:80〜99個
△:1〜79個
×:0個

0050

<実施例1〜44及び比較例1〜3の表面処理剤の調製>
鉄粉又は硫酸鉄(II)をフッ化水素酸水溶液に溶解し、鉄の濃度、及び鉄のモル濃度に対するフッ化水素酸のモル濃度の比(倍)が表1に示す各種溶解液を調製した。また、鉄粉又は硫酸鉄(II)をフッ化水素酸水溶液に溶解した後、過酸化水素(実施例1〜43及び比較例1〜3の表面処理剤の調製で使用)と、各種配位子X、各種金属化合物、各種樹脂等とを順次添加して攪拌混合し、鉄、各種金属化合物、各種樹脂等の濃度;鉄のモル濃度に対するフッ化水素酸のモル濃度の比(倍);ならびに、鉄のモル濃度に対する配位子Xのモル濃度の比(倍);が、表1に示す各種混合液を調製した。その後、各種溶解液又は各種混合液のpHを表1に示す値に調整し、実施例1〜44及び比較例1〜3の各種表面処理剤を得た。

0051

なお、実施例32〜44では、水溶性又は水分散性の樹脂(C)として以下の樹脂を用いた。
(C1)水系ウレタン樹脂スーパーフレックスE−2000;第一工業製薬株式会社製)
(C2)フェノール樹脂(式(II)において、n=5、X=水素、Y1=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=1.0)
(C3)ノボラック樹脂(F/P(フェノール類アルデヒド類)の比が0.84のメチロール基を有するノボラックフェノール樹脂
(C4)アミン変性タンニン(タンニン酸アルミニウム(100質量部;富士化学工業株式会社製)とモノエタノールアミン(15質量部)のホルムアルデヒド縮合物
(C5)タンニン酸アルミニウム
(C6)ポリジアリルアミン塩酸塩重量平均分子量:約110000)
(C7)ポリエチレンイミン(重量平均分子量:約1300)
(C8)ポリ酢酸ビニルの99%鹸化物(重量平均分子量:約50000)
(C9)水系エポキシ樹脂(アデカレジンEP−4100;株式会社ADEKA製)

0052

0053

表2〜4に、各試験板に対して実施した塩温水浸漬試験、複合サイクル試験、及び塗膜密着性試験の結果を示す。表2〜4に示すように、実施例1〜44の本発明に係る表面処理剤は、対象金属材料種を問わず、難化成材(黒皮鋼板及び熱履歴鋼板)に対しても、優れた耐食性及び塗膜密着性を有する鉄皮膜を形成させることができた。

0054

これに対して比較例1の表面処理剤を用いて表面処理した試験板は、耐食性及び塗膜密着性が不十分であった。

0055

また、比較例2の表面処理剤を用いて表面処理した試験板も耐食性及び塗膜密着性が不十分であった。

0056

さらに、比較例3の表面処理剤を用いて表面処理した試験板も耐食性及び塗膜密着性が不十分であった。

0057

0058

実施例

0059

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