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課題
固定構造自体の剛性を高めて振動性能や耐久性能を向上できるステアリングシャフト固定構造を提供することを目的とする。
解決手段
ステアリングシャフト固定構造100は、車幅方向に延びていて両端が車体側面に固定されるステアリングサポートメンバ102にステアリングシャフト104を固定するステアリングシャフト固定構造において、ステアリングサポートメンバは、ステアリングサポートメンバの車両前側で、ステアリングシャフトを懸垂する前側懸垂部124を有するブラケット110と、ブラケットとダッシュパネル106とをつなぐ第1ステー112とを備え、ブラケットは、対向する一対の対向壁128、130を含み、第1ステーは、対向する一対の固定壁134、136を含み、ブラケットと第1ステーとは、第1固定箇所118で固定され、第1固定箇所では、前側懸垂部よりも車両前側で、一対の固定壁が、一対の対向壁を挟み込み固定する。
概要
背景
自動車などの車体には、低燃費化を図るために、部品を軽量化することが求められている。しかし部品の軽量化に伴って剛性が低下すると、乗員の運転操作に違和感を与えることになる。
例えばステアリングサポートメンバは、車両前部に配置され車幅方向に延びていて、両端がダッシュサイドパネルなどの車体側面に固定された部品であり、ステアリングシャフトなどの各種部品を支持する。ステアリングシャフトは、乗員がステアリングホイールを操作する際に、ステアリングサポートメンバに捩じれを生じさせる可能性がある部品である。ステアリングサポートメンバに捩じれが生じると、乗員は、路面からの振動をステアリングホイールから必要以上に受けたり、あるいはステアリングホイールの操作に違和感を覚えたりする場合がある。そのため、ステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定する固定構造には、軽量化を図りつつ、乗員の運転操作に違和感を与えないように剛性も確保することが求められている。
特許文献1には、ブラケットを介してステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定し、さらに車体から延びるステーにステアリングシャフトを直接組み付ける固定構造が記載されている。
概要
固定構造自体の剛性を高めて振動性能や耐久性能を向上できるステアリングシャフト固定構造を提供することを目的とする。ステアリングシャフト固定構造100は、車幅方向に延びていて両端が車体側面に固定されるステアリングサポートメンバ102にステアリングシャフト104を固定するステアリングシャフト固定構造において、ステアリングサポートメンバは、ステアリングサポートメンバの車両前側で、ステアリングシャフトを懸垂する前側懸垂部124を有するブラケット110と、ブラケットとダッシュパネル106とをつなぐ第1ステー112とを備え、ブラケットは、対向する一対の対向壁128、130を含み、第1ステーは、対向する一対の固定壁134、136を含み、ブラケットと第1ステーとは、第1固定箇所118で固定され、第1固定箇所では、前側懸垂部よりも車両前側で、一対の固定壁が、一対の対向壁を挟み込み固定する。
目的
本発明は、このような課題に鑑み、固定構造自体の剛性を高めて振動性能や耐久性能を向上できるステアリングシャフト固定構造を提供する
効果
実績
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請求項1
車両前部に配置され、車幅方向に延びていて両端が車体側面に固定されるステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定するステアリングシャフト固定構造において、前記ステアリングサポートメンバは、前記ステアリングサポートメンバの車両前側で、前記ステアリングシャフトを懸垂する前側懸垂部を有するブラケットと、前記ブラケットとダッシュパネルをつなぐ第1ステーとを備え、前記ブラケットは、対向する一対の対向壁を含み、前記第1ステーは、対向する一対の固定壁を含み、前記ブラケットと前記第1ステーとは、第1固定箇所で固定され、前記第1固定箇所では、前記前側懸垂部よりも車両前側で、前記一対の固定壁が、前記一対の対向壁を挟み込み固定することを特徴とするステアリングシャフト固定構造。
請求項2
前記第1ステーは、前記一対の固定壁をつなぐ中間壁をさらに有し、前記第1固定箇所では、前記中間壁が、前記一対の固定壁とともに前記ブラケットを囲い込み、前記ブラケットに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のステアリングシャフト固定構造。
請求項3
前記ブラケットは、前記ステアリングサポートメンバよりも車両後側で、前記ステアリングシャフトを懸垂する後側懸垂部を有し、前記ダッシュパネルと前記第1ステーとは、第2固定箇所で固定され、前記第1固定箇所は、車両前後方向において、前記第2固定箇所と前記後側懸垂部との中間に位置することを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングシャフト固定構造。
請求項4
前記ステアリングシャフト固定構造は、前記第2固定箇所と前記後側懸垂部とをつなぐ第2ステーをさらに備え、前記第2ステーの中間地点は、前記第1固定箇所につながっていることを特徴とする請求項3に記載のステアリングシャフト固定構造。
技術分野
0001
本発明は、車両前部に配置され、車幅方向に延びていて両端が車体側面に固定されるステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定するステアリングシャフト固定構造に関するものである。
背景技術
0003
例えばステアリングサポートメンバは、車両前部に配置され車幅方向に延びていて、両端がダッシュサイドパネルなどの車体側面に固定された部品であり、ステアリングシャフトなどの各種部品を支持する。ステアリングシャフトは、乗員がステアリングホイールを操作する際に、ステアリングサポートメンバに捩じれを生じさせる可能性がある部品である。ステアリングサポートメンバに捩じれが生じると、乗員は、路面からの振動をステアリングホイールから必要以上に受けたり、あるいはステアリングホイールの操作に違和感を覚えたりする場合がある。そのため、ステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定する固定構造には、軽量化を図りつつ、乗員の運転操作に違和感を与えないように剛性も確保することが求められている。
0004
特許文献1には、ブラケットを介してステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定し、さらに車体から延びるステーにステアリングシャフトを直接組み付ける固定構造が記載されている。
先行技術
0005
特開2014−129070号公報
発明が解決しようとする課題
0006
特許文献1の固定構造では、ステアリングシャフトの荷重や振動(例えば揺動)に起因する捩じれをステーが直接支えるものの、その捩じれを受ける方向が定まっていない。よって、この固定構造では、捩じれを十分に抑制するような強固な固定が実現できず、振動性能や耐久性能を向上させることは困難である。
0007
本発明は、このような課題に鑑み、固定構造自体の剛性を高めて振動性能や耐久性能を向上できるステアリングシャフト固定構造を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段
0008
上記課題を解決するために、本発明にかかるステアリングシャフト固定構造の代表的な構成は、車両前部に配置され、車幅方向に延びていて両端が車体側面に固定されるステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定するステアリングシャフト固定構造において、ステアリングサポートメンバは、ステアリングサポートメンバの車両前側で、ステアリングシャフトを懸垂する前側懸垂部を有するブラケットと、ブラケットとダッシュパネルとをつなぐ第1ステーとを備え、ブラケットは、対向する一対の対向壁を含み、第1ステーは、対向する一対の固定壁を含み、ブラケットと第1ステーとは、第1固定箇所で固定され、第1固定箇所では、前側懸垂部よりも車両前側で、一対の固定壁が、一対の対向壁を挟み込み固定することを特徴とする。
0009
ここでブラケットは、ステアリングシャフトを懸垂しているため、ステアリングシャフトの荷重や振動(例えば揺動)に起因する捩じれを受ける。しかし上記構成によれば、ブラケットとダッシュパネルとが第1ステーでつながれているため、上記の捩じれがダッシュパネルに分散され抑制される。しかもブラケットと第1ステーとが固定される第1固定箇所では、第1ステーの対向する一対の固定壁が、ブラケットの一対の対向壁を両側から固定し支えている。このため、ブラケットに作用する捩じれは第1ステーによってより効果的に抑制されることとなる。これによってステアリングシャフト固定構造自体の剛性が高まり、振動性能や耐久性能を向上できる。
0010
上記の第1ステーは、一対の固定壁をつなぐ中間壁をさらに有し、第1固定箇所では、中間壁が、一対の固定壁とともにブラケットを囲い込み、ブラケットに固定されているとよい。これにより、第1ステーは、一対の固定壁および中間壁を含む少なくとも3面で形成されるため、剛性が高まる。また第1ステーは、ブラケットを囲い込んで3方向からの固定が可能となる。よって上記構成によれば、ステアリングシャフトに上下左右方向の荷重が作用した場合には、第1ステーの3面により荷重を受けとめて、回転方向の荷重が作用した場合には、第1ステーの一対の固定壁と中間壁とが成す角部を跨ぐ2面で荷重を受けることができる。したがって、第1ステーは、ステアリングシャフトに作用した荷重をバランスよく受けつつ、ブラケットを固定できるため、ステアリングシャフト固定構造自体の剛性を高めることができる。
0011
上記のブラケットは、ステアリングサポートメンバよりも車両後側で、ステアリングシャフトを懸垂する後側懸垂部を有し、ダッシュパネルと第1ステーとは、第2固定箇所で固定され、第1固定箇所は、車両前後方向において、第2固定箇所と後側懸垂部との中間に位置するとよい。ここで、ステアリングシャフトの振動に関し、第1ステーとダッシュパネルとの第2固定箇所と、ブラケットの後側懸垂部との中間は、本来、振動が最も大きな「腹」となる位置である。上記構成では、第2固定箇所と後側懸垂部との中間に、第1固定箇所を設定してこの位置を振動の「節」としたので、振動をより抑制できる。
0012
上記のステアリングシャフト固定構造は、第2固定箇所と後側懸垂部とをつなぐ第2ステーをさらに備え、第2ステーの中間地点は、第1固定箇所につながっているとよい。ここでステアリングシャフト固定構造において、第1固定箇所、第2固固定箇所および後側懸垂部を結んで成る三角形は、ステアリングシャフトの荷重の伝達経路となる。上記構成によれば、第2ステーの中間地点と第1固定箇所とがつながることで、荷重の伝達経路としての三角形が2つの三角形にさらに分けられ、複数の伝達経路が形成される。よってステアリングシャフトの荷重は、ブラケット、第1ステーおよび第2ステーによる複数の伝達経路を通って分散される。したがって、ステアリングシャフトの振動を十分に抑制し、ステアリングシャフト固定構造自体の剛性を高めることができる。
発明の効果
0013
本発明によれば、固定構造自体の剛性を高めて振動性能や耐久性能を向上できるステアリングシャフト固定構造を提供することができる。
図面の簡単な説明
0014
本発明の第1の実施形態におけるステアリングシャフト固定構造を示す図である。
図1のステアリングシャフト固定構造に含まれる各部材を示す図である。
図1のステアリングシャフト固定構造のA矢視図である。
本発明の第2の実施形態におけるステアリングシャフト固定構造を示す図である。
図3のステアリングシャフト固定構造100の変形例を示す図である。
実施例
0015
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
0016
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるステアリングシャフト固定構造を示す図である。以下、各図に示す矢印Xは車両前方を示している。ステアリングシャフト固定構造100は、ステアリングサポートメンバ102に図中点線で示すステアリングシャフト104を固定する構造である。なお図中ではステアリングシャフト固定構造100を車幅方向から見た状態を示している。
0017
ステアリングサポートメンバ102は、車両前側に配置され車幅方向に延びていて、その両端が車体側面に固定される部材である。ステアリングサポートメンバ102は、エンジンルームと車室内とを区画するダッシュパネル106と、ダッシュパネル106の車室内側に配置される内装部品であるインストルメントパネル(不図示)とで仕切られた空間に設置される。ステアリングシャフト104は、ステアリングホイール108の操作などに伴って上下左右方向あるいは回転方向の荷重を受ける。
0018
ステアリングサポートメンバ102は、ステアリングコラムブラケット(以下ブラケット110)と第1ステー112とを備える。ブラケット110は、例えば挿通孔114を有していて、ステアリングサポートメンバ102が挿通孔114に挿通した状態でステアリングサポートメンバ102に支持される。
0019
第1ステー112は、車両前後方向に延びていて、その後端部116が第1固定箇所118に固定されていて、前端部120が第2固定箇所122に固定されている。つまり、ブラケット110と第1ステー112とは第1固定箇所118で固定され、ダッシュパネル106と第1ステー112とは第2固定箇所122で固定されている。ブラケット110は、ボルトなどの前側懸垂部124および後側懸垂部126を有する。前側懸垂部124は、ステアリングサポートメンバ102の車両前側で、ステアリングシャフト104を懸垂する。後側懸垂部126は、ステアリングサポートメンバ102の車両後側で、ステアリングシャフト104を懸垂する。また第1固定箇所118は、図示のように、ブラケット110の前側懸垂部124よりも車両前側に位置している。
0020
ここでブラケット110は、ステアリングシャフト104を懸垂しているため、ステアリングシャフト104の各方向からの荷重や振動に起因する捩じれを受ける。そこで本実施形態では、ブラケット110に作用する捩じれを分散し抑制する固定構造を採用した。
0021
図2は、図1のステアリングシャフト固定構造100に含まれる各部材を示す図である。図2(a)、図2(b)は、それぞれブラケット110、第1ステー112の形状を示している。図3は、図1のステアリングシャフト固定構造100のA矢視図であり、第1固定箇所118の状態を示している。
0022
ブラケット110は、図2(a)に示すように、対向する一対の対向壁128、130と、一対の対向壁128、130をつなぐ連結壁132とを含んでいる。図1に示す第1ステー112は、第1固定箇所118と第2固定箇所122とをつなぐように延びていて、さらに図2(b)に示すようにその後端部116には一対の固定壁134、136と中間壁138とを有する。中間壁138は、一対の固定壁134、136をつないでいる。
0023
図3に示すように第1固定箇所118では、第1ステー112の一対の固定壁134、136が、ブラケット110の一対の対向壁128、130を挟み込み固定して、一対の対向壁128、130を両側から支えている。第1固定箇所118では、さらに第1ステー112の中間壁138が、一対の固定壁134、136とともにブラケット110の連結壁132に接しながら、ブラケット110を囲い込み、ブラケット110に固定されている。
0024
本実施形態によれば、ブラケット110とダッシュパネル106とが第1ステー112でつながれているため、ステアリングシャフト104から受けた捩じれをダッシュパネル106に分散し振動などを抑制できる。しかもブラケット110と第1ステー112とが固定される第1固定箇所118では、第1ステー112の一対の固定壁134、136が、ブラケット110の一対の対向壁128、130を両側から固定し支えている。よって、ブラケット110に作用する捩じれは、第1ステー112によってより効果的に抑制される。
0025
第1ステー112は、一対の固定壁134、136および中間壁138を含む少なくとも3面で形成されるため、剛性を高めることができる。さらに第1ステー112は、ブラケット110を囲い込んで3方向からの固定が可能となる。よってステアリングシャフト104に上下左右方向の荷重が作用した場合には、第1ステー112の3面により荷重を受けることができる。またステアリングシャフト104に回転方向の荷重が作用した場合には、第1ステー112の一対の固定壁134、136と中間壁138とが成す角部140、142を跨ぐ2面で荷重を受けることができる。
0026
本実施形態によれば、第1ステー112は、ステアリングシャフト104に作用した荷重をバランスよく受けつつ、ブラケット110を固定できるため、ステアリングシャフト固定構造100自体の剛性を高めて、振動性能や耐久性能を向上できる。
0027
ステアリングシャフト104の振動に関し、ダッシュパネル106の第2固定箇所122と、ブラケット110の後側懸垂部126との中間は、本来であれば、振動の最も大きな「腹」となる位置である。これに対して本実施形態では、第2固定箇所122と後側懸垂部126との中間にブラケット110の第1固定箇所118を設定し、この位置を振動の「節」としているため、振動をより抑制できる。
0028
なお上記実施形態では、ブラケット130は、ステアリングサポートメンバ102が挿通孔114に挿通した状態でステアリングサポートメンバ102に支持されるようにしたがこれに限られない。一例として、ブラケット130は、挿通孔114を形成せずに、ステアリングサポートメンバ102を上下から挟み込む構成を採用してもよい。
0029
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態におけるステアリングシャフト固定構造100Aを示す図である。ステアリングシャフト固定構造100Aは、第2固定箇所122と後側懸垂部126とをつなぐ第2ステー144をさらに備える点で、第1の実施形態のステアリングシャフト固定構造100と異なる。
0030
第2ステー144の中間地点146は、第1固定箇所118につながっている。すなわち第2ステー144は、中間地点146と第1固定箇所118とをつなぐ延長部148を有する。また中間地点146は、図示のように車両前後方向において、第2固定箇所122と後側懸垂部126とを結んだ線Bのほぼ中間に位置していて、図中では寸法Laと寸法Lbとがほぼ同じ長さとなっている。
0031
さらに図中に示す第1固定箇所118、第2固定箇所122および後側懸垂部126を結んで成る三角形150(図中点線)は、ステアリングシャフト104の荷重の伝達経路となる。ステアリングシャフト固定構造100Aでは、第2ステー144の中間地点146と第1固定箇所118とがつながることで、荷重の伝達経路としての三角形150が2つの三角形152、154にさらに分けられ、複数の伝達経路が形成される。
0032
したがって本実施形態によれば、ステアリングシャフト104の荷重が、ブラケット110、第1ステー112および第2ステー144による複数の伝達経路を通って分散され、その結果、ステアリングシャフト104の振動を十分に抑制し、ステアリングシャフト固定構造100A自体の剛性を高めることができる。
0033
なお上記実施形態では、第2ステー144の中間地点146と第1固定箇所118とをつなぐ延長部148は、第2ステー144の一部として示したがこれに限定されない。例えば延長部は、第1ステー112の一部として、第1ステー112の一対の固定壁134、136から第2ステー144の中間地点146に向かって延長された部位であってもよい。
0034
(変形例)
図5は、図3のステアリングシャフト固定構造100の変形例を示す図である。既に説明した第1および第2の実施形態では、1本の第1ステー112の一対の固定壁134、136を用いて、ブラケット110の一対の対向壁128、130をそれぞれ固定した。一方、図5に示す変形例であるステアリングシャフト固定構造100B、100Cでは、一対の対向壁128、130を両側から固定し支えるのであれば、第1ステー112の数は1本に限られない。
0035
一例として図5(a)に示すステアリングシャフト固定構造100Bでは、2本のステー156、158を用いてそれぞれのステー156、158の後端部160、162を、ブラケット110の一対の対向壁128、130に固定している。これにより、一対の対向壁128、130は、2本のステー156、158の後端部160、162により両側から支えられている。なお2本のステー156、158の前端部164、166は、ダッシュパネル106にそれぞれ固定されている。このようにして、ステアリングシャフト固定構造100Bでは、2本のステー156、158を用いることで、1本の第1ステー112に一対の固定壁134、136を設ける必要がなく加工が容易となる。
0036
図5(b)に示すステアリングシャフト固定構造100Cでは、上記の2本のステー156、158の後端部160、162によりブラケット110の一対の対向壁128、130をそれぞれ両側から固定し支えた上で、1本のステー168を追加しその後端部170をブラケット110の連結壁132に固定している。なお3本のステー156、158、168の前端部164、166、172は、ダッシュパネル106にそれぞれ固定されている。このようにして、ステアリングシャフト固定構造100Cでは、3本のステー156、158、168を用いて、ブラケット110を囲い込むことで剛性を高めることができる。
0037
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
0038
本発明は、車両前部に配置され、車幅方向に延びていて両端が車体側面に固定されるステアリングサポートメンバにステアリングシャフトを固定するステアリングシャフト固定構造に利用することができる。
0039
100、100A、100B、100C…ステアリングシャフト固定構造、102…ステアリングサポートメンバ、104…ステアリングシャフト、106…ダッシュパネル、108…ステアリングホイール、110…ブラケット、112…第1ステー、114…挿通孔、116、160、162、170…後端部、118…第1固定箇所、120、164、166、172…前端部、122…第2固定箇所、124…前側懸垂部、126…後側懸垂部、128、130…対向壁、132…連結壁、134、136…固定壁、138…中間壁、140、142…角部、144…第2ステー、146…中間地点、148…延長部、150、152、154…三角形、156、158、168…ステー