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技術 筐体用部材、電子機器、筐体用部材の製造方法、締結構造体及び締結方法

出願人 レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
発明者 天野将之堀越正太野原良太山内武仁
出願日 2015年8月26日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-167140
公開日 2017年3月2日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2017-045854
状態 特許登録済
技術分野 レーザ加工 計算機・構造 板の接続 電気装置のための箱体
主要キーワード 締結構造体 締結用孔 取付対象部材 実施順 正面カバー ディスプレイ筐体 繊維強化樹脂板 起立形成
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月2日)のものです。
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図面 (10)

課題

製造コスト製造効率を向上させることができる筐体用部材、該筐体用部材を用いた電子機器、該筐体用部材の製造方法、このような部材の取付対象部材に対する締結構造体及び締結方法を提供する。

解決手段

筐体用部材10は、表層36と、表層36の厚み方向内側に設けられる裏層38と、表層36と裏層38との間に設けられる中間層37とを有し、表層36及び裏層38が繊維強化樹脂板で構成され、中間層37が厚み方向に圧縮可能な材質で構成されており、表層36、中間層37及び裏層38を貫通するように形成され、当該筐体用部材10を取付対象部材に対して固定するための締結具28が挿通される締結用孔部30と、締結用孔部30の外周を囲むように該締結用孔部30よりも大径に設けられ、表層36の厚み方向に沿って形成された切れ目32とを備える。

概要

背景

ノートブック型パーソナルコンピュータノート型PC)、タブレット型のパーソナルコンピュータ(タブレット型PC)、スマートフォン及び携帯電話等の各種の電子機器筐体は、軽量、薄型且つ高強度である必要がある。そこで、電子機器の筐体には、炭素繊維等の強化繊維エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂含浸させたプリプレグ板繊維強化樹脂板)で発泡材等からなる中間層を挟み込んだ板状の筐体用部材が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。

概要

製造コスト製造効率を向上させることができる筐体用部材、該筐体用部材を用いた電子機器、該筐体用部材の製造方法、このような部材の取付対象部材に対する締結構造体及び締結方法を提供する。筐体用部材10は、表層36と、表層36の厚み方向内側に設けられる裏層38と、表層36と裏層38との間に設けられる中間層37とを有し、表層36及び裏層38が繊維強化樹脂板で構成され、中間層37が厚み方向に圧縮可能な材質で構成されており、表層36、中間層37及び裏層38を貫通するように形成され、当該筐体用部材10を取付対象部材に対して固定するための締結具28が挿通される締結用孔部30と、締結用孔部30の外周を囲むように該締結用孔部30よりも大径に設けられ、表層36の厚み方向に沿って形成された切れ目32とを備える。

目的

本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、製造コストや製造効率を向上させることができる筐体用部材、該筐体用部材を用いた電子機器、該筐体用部材の製造方法、このような部材と取付対象部材との締結構造体及び締結方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

表層と、該表層の厚み方向内側に設けられる裏層と、前記表層と前記裏層との間に設けられる中間層とを有し、前記表層及び前記裏層が繊維強化樹脂板で構成され、前記中間層が厚み方向に圧縮可能な材質で構成された筐体用部材であって、前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように形成され、当該筐体用部材を取付対象部材に対して固定するための締結具挿通される締結用孔部と、前記締結用孔部の外周を囲むように該締結用孔部よりも大径に設けられ、前記表層の厚み方向に沿って形成された切れ目と、を備えることを特徴とする筐体用部材。

請求項2

請求項1記載の筐体用部材において、前記切れ目は、前記表層を厚み方向全体に亘って切断していることを特徴とする筐体用部材。

請求項3

請求項1又は2記載の筐体用部材において、前記繊維強化樹脂板は、炭素繊維を含むことを特徴とする筐体用部材。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の筐体用部材を用いた電子機器であって、前記筐体用部材を前記表層を外表面に配して背面カバーとして用い、該背面カバーを前記取付対象部材となる正面カバーに対して前記締結具を用いて固定した筐体を備えることを特徴とする電子機器。

請求項5

繊維強化樹脂板で構成された表層と、厚み方向に圧縮可能な材質で構成された中間層と、繊維強化樹脂板で構成された裏層とをこの順に積層して板状体を形成し、前記板状体の前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように締結用孔部を形成すると共に、前記締結用孔部よりも大径で該締結用孔部の外周を囲む切れ目を前記表層の厚み方向に沿って形成することを特徴とする筐体用部材の製造方法。

請求項6

請求項5記載の筐体用部材の製造方法において、前記切れ目をレーザ加工によって形成することを特徴とする筐体用部材の製造方法。

請求項7

表層と、該表層の厚み方向内側に設けられる裏層と、前記表層と前記裏層との間に設けられる中間層とを有し、前記表層及び前記裏層が繊維強化樹脂板で構成され、前記中間層が厚み方向に圧縮可能な材質で構成された筐体用部材と取付対象部材とを締結した締結構造体であって、前記筐体用部材の前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように形成された締結用孔部に対して締結具を挿通させ、該締結具の頭部と前記取付対象部材との間に前記表層の前記締結用孔部の外周を囲む部分の切れ端と前記裏層とを挟み込み、且つ前記中間層を圧縮した状態で、前記筐体用部材が前記取付対象部材に対して固定されていることを特徴とする締結構造体。

請求項8

請求項7記載の締結構造体において、前記筐体用部材は、前記締結用孔部の外周を囲むように該締結用孔部よりも大径に設けられ、前記表層の厚み方向に沿って形成された切れ目を有し、前記切れ端は、前記切れ目を前記締結具の頭部で前記裏層側へと押し下げた部分であることを特徴とする締結構造体。

請求項9

請求項7又は8記載の締結構造体を用いた電子機器であって、前記筐体用部材を前記表層を外表面に配して背面カバーとして用い、該背面カバーを前記取付対象部材となる正面カバーに対して前記締結具を用いて固定した筐体を備えることを特徴とする電子機器。

請求項10

表層と、該表層の厚み方向内側に設けられる裏層と、前記表層と前記裏層との間に設けられる中間層とを有し、前記表層及び前記裏層が繊維強化樹脂板で構成され、前記中間層が厚み方向に圧縮可能な材質で構成された筐体用部材の取付対象部材に対する締結方法であって、前記筐体用部材は、前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように形成された締結用孔部と、前記締結用孔部の外周を囲むように該締結用孔部よりも大径に設けられ、前記表層の厚み方向に沿って形成された切れ目とを有し、前記締結用孔部に対して締結具を挿通させて前記筐体用部材を前記取付対象部材に対して締結することで、前記締結具の頭部で前記表層の切れ目の内側部分を前記裏層側へと押し下げ、該押し下げた切れ目の内側部分と前記裏層との間で前記中間層を圧縮しながら前記筐体用部材を前記取付対象部材に対して固定することを特徴とする締結方法。

技術分野

0001

本発明は、ノート型PCやタブレット型PC等の電子機器筐体利用可能な筐体用部材、該筐体用部材を用いた電子機器、該筐体用部材の製造方法、このような部材と取付対象部材との締結構造体及び締結方法に関する。

背景技術

0002

ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノート型PC)、タブレット型のパーソナルコンピュータ(タブレット型PC)、スマートフォン及び携帯電話等の各種の電子機器の筐体は、軽量、薄型且つ高強度である必要がある。そこで、電子機器の筐体には、炭素繊維等の強化繊維エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂含浸させたプリプレグ板繊維強化樹脂板)で発泡材等からなる中間層を挟み込んだ板状の筐体用部材が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2013−232052号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、上記のような筐体用部材を取付対象部材に対してねじ止め等によって締結固定する場合は、その厚み方向に貫通孔を形成し、ねじ等の締結具挿通させる必要がある。ところが単に貫通孔を形成しただけでは、その表層となる繊維強化樹脂板の外面から締結具の頭部が飛び出した状態となり、製品外観品質を損なう。また、表層となる繊維強化樹脂板は炭素繊維やガラス繊維強化されているため、ねじの頭部を埋設するための座繰り穴等を形成することは難しい。

0005

そこで、例えば締結に用いるねじのねじ部よりも十分に大きな貫通孔を筐体用部材に形成し、この大きな貫通孔の内側にガラス繊維樹脂等を射出成形することで、座繰り穴を持ったねじ孔を形成することが従来行われている。しかしながら、この方法は金型や材料のコストが高く、また成形作業の手間も多い。

0006

本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、製造コスト製造効率を向上させることができる筐体用部材、該筐体用部材を用いた電子機器、該筐体用部材の製造方法、このような部材と取付対象部材との締結構造体及び締結方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る筐体用部材は、表層と、該表層の厚み方向内側に設けられる裏層と、前記表層と前記裏層との間に設けられる中間層とを有し、前記表層及び前記裏層が繊維強化樹脂板で構成され、前記中間層が厚み方向に圧縮可能な材質で構成された筐体用部材であって、前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように形成され、当該筐体用部材を取付対象部材に対して固定するための締結具が挿通される締結用孔部と、前記締結用孔部の外周を囲むように該締結用孔部よりも大径に設けられ、前記表層の厚み方向に沿って形成された切れ目とを備えることを特徴とする。

0008

このような構成によれば、当該筐体用部材を取付対象部材に対して固定する際には、締結用孔部の表層側からねじ等の締結具を挿通させて締結することで、締結具の頭部によって切れ目の内側部分を押し下げつつ中間層を圧縮する。これにより、締結具の頭部を表層の内部に埋没させた状態で、この頭部と取付対象部材との間に表層の切れ端と裏層とを挟持した高い強度を持った締結構造を備えた筐体を構築でき、筐体の外表面からねじ等の締結具の頭部が飛び出した状態となって製品の外観品質が損なわれることも防止できる。また、当該筐体用部材では貫通孔である締結用孔部とその周囲の切れ目とを形成するだけでよいため、繊維強化樹脂板に座繰り穴等を形成する必要がなく、締結具の締結部分樹脂材料の射出成形を行う必要もないため、製造コストや製造効率が向上する。

0009

前記切れ目は、前記表層を厚み方向全体に亘って切断した構成であると、締結具で切れ目の内側部分である切れ端を円滑に押し下げることができ、その際のバリ欠けの発生を防止できる。

0010

前記繊維強化樹脂板は、炭素繊維を含む構成であってもよい。

0011

また、本発明に係る電子機器は、上記構成の筐体用部材を用いた電子機器であって、前記筐体用部材を前記表層を外表面に配して背面カバーとして用い、該背面カバーを前記取付対象部材となる正面カバーに対して前記締結具を用いて固定した筐体を備えることを特徴とする。

0012

本発明に係る筐体用部材の製造方法は、繊維強化樹脂板で構成された表層と、厚み方向に圧縮可能な材質で構成された中間層と、繊維強化樹脂板で構成された裏層とをこの順に積層して板状体を形成し、前記板状体の前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように締結用孔部を形成すると共に、前記締結用孔部よりも大径で該締結用孔部の外周を囲む切れ目を前記表層の厚み方向に沿って形成することを特徴とする。

0013

この場合、前記切れ目をレーザ加工によって形成すると、切れ目の切断幅を最小限に構成することができると共に、バリや欠け等の発生も抑制できる。

0014

本発明に係る締結構造体は、表層と、該表層の厚み方向内側に設けられる裏層と、前記表層と前記裏層との間に設けられる中間層とを有し、前記表層及び前記裏層が繊維強化樹脂板で構成され、前記中間層が厚み方向に圧縮可能な材質で構成された筐体用部材と取付対象部材とを締結した締結構造体であって、前記筐体用部材の前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように形成された締結用孔部に対して締結具を挿通させ、該締結具の頭部と前記取付対象部材との間に前記表層の前記締結用孔部の外周を囲む部分の切れ端と前記裏層とを挟み込み、且つ前記中間層を圧縮した状態で、前記筐体用部材が前記取付対象部材に対して固定されていることを特徴とする。

0015

前記筐体用部材は、前記締結用孔部の外周を囲むように該締結用孔部よりも大径に設けられ、前記表層の厚み方向に沿って形成された切れ目を有し、前記切れ端は、前記切れ目を前記締結具の頭部で前記裏層側へと押し下げた部分で構成されてもよい。

0016

また、本発明に係る電子機器は、上記構成の締結構造体を用いた電子機器であって、前記筐体用部材を前記表層を外表面に配して背面カバーとして用い、該背面カバーを前記取付対象部材となる正面カバーに対して前記締結具を用いて固定した筐体を備えることを特徴とする。

0017

本発明に係る締結方法は、表層と、該表層の厚み方向内側に設けられる裏層と、前記表層と前記裏層との間に設けられる中間層とを有し、前記表層及び前記裏層が繊維強化樹脂板で構成され、前記中間層が厚み方向に圧縮可能な材質で構成された筐体用部材の取付対象部材に対する締結方法であって、前記筐体用部材は、前記表層、前記中間層及び前記裏層を貫通するように形成された締結用孔部と、前記締結用孔部の外周を囲むように該締結用孔部よりも大径に設けられ、前記表層の厚み方向に沿って形成された切れ目とを有し、前記締結用孔部に対して締結具を挿通させて前記筐体用部材を前記取付対象部材に対して締結することで、前記締結具の頭部で前記表層の切れ目の内側部分を前記裏層側へと押し下げ、該押し下げた切れ目の内側部分と前記裏層との間で前記中間層を圧縮しながら前記筐体用部材を前記取付対象部材に対して固定することを特徴とする。

発明の効果

0018

本発明によれば、筐体の外表面からねじ等の締結具の頭部が飛び出した状態となり、製品の外観品質が損なわれることを防止できる。また、貫通孔である締結用孔部とその周囲の切れ目とを形成するだけで筐体用部材を構成できるため、製造コストや製造効率が高い。

図面の簡単な説明

0019

図1は、本発明の一実施形態に係る筐体用部材を用いた筐体を備える電子機器の斜視図である。
図2は、機器本体の背面カバーの構成を模式的に示す平面図である。
図3は、図2中のIII−III線に沿う断面図である。
図4は、図2中のIV−IV線に沿う断面図である。
図5は、板状体に締結用孔部を形成した状態を模式的に示した断面図である。
図6は、図5に示す板状体に切れ目を形成して筐体用部材を製造した状態を模式的に示した断面図である。
図7は、図6に示す筐体用部材の締結用孔部に締結具を挿通させる状態を模式的に示した断面図である。
図8は、図7に示す状態から締結具を締め付けて筐体用部材を取付対象部材に対して固定した状態を模式的に示した断面図である。
図9は、図8に示すように取付対象部材に対して固定した筐体用部材を模式的に示した斜視図である。

実施例

0020

以下、本発明に係る筐体用部材について、この部材の製造方法及びこの部材を利用した電子機器を例示して好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。

0021

図1は、本発明の一実施形態に係る筐体用部材10を用いた筐体12を備える電子機器14の斜視図である。本実施形態では、筐体用部材10で形成された筐体12をノート型PCである電子機器14の機器本体16として利用した構成を例示する。

0022

図1に示すように、電子機器14は、キーボード装置18を有する機器本体(本体筐体)16と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ装置20を有する矩形平板状蓋体ディスプレイ筐体)22とを備える。電子機器14は、蓋体22を左右のヒンジ24により機器本体16に対して開閉可能に連結したクラムシェル型である。

0023

機器本体16は、背面カバー12aと正面カバー12bとを有する筐体12を備え、この筐体12の内部に図示しない基板演算処理装置ハードディスク装置及びメモリ等の各種電子部品収納している。背面カバー12aは、機器本体16の側面及び背面を覆うカバー部材であり、本実施形態に係る筐体用部材10によって構成されている。正面カバー12bは、機器本体16の正面(上面)を覆う樹脂製のカバー部材であり、その中央部分にキーボード装置18が配設されている。

0024

蓋体22は、ヒンジ24を通過した図示しないケーブルにより機器本体16と電気的に接続されている。ディスプレイ装置20は、例えば液晶ディスプレイである。

0025

次に、機器本体16の背面カバー12a及びこの背面カバー12aを形成する筐体用部材10の構成について具体的に説明する。

0026

先ず、背面カバー12aの全体的な構成を説明する。図2は、機器本体16の背面カバー12aの構成を模式的に示す平面図であり、筐体12の底面となる背面カバー12aを外面側から見た図である。

0027

上記の通り、背面カバー12aは筐体用部材10によって形成されている。背面カバー12aは、図2に示すように、その周縁部の内面側に筐体12の4辺の側面となる壁部26が起立形成されたパネル状のカバー部材である。本実施形態の場合、壁部26は、筐体用部材10の外周縁部に対して熱可塑性樹脂を射出成形することで構成されている。

0028

背面カバー12aの周縁部の適宜箇所には、該背面カバー12aを正面カバー12bに締結固定する際にねじやボルトリベット等の締結具28(図7及び図8参照)を挿通するための締結用孔部30が厚み方向に貫通形成されている。各締結用孔部30の周囲には、各締結用孔部30と同心円で大径の切れ目32が設けられている。また、背面カバー12aの後端縁部には、左右一対のヒンジ24,24が配置される左右一対の凹状部34,34が形成されている。

0029

本実施形態では、締結用孔部30及び切れ目32を背面カバー12aの各辺に沿って合計8か所に設けた構成を例示したが、締結用孔部30及び切れ目32の設置数や設置位置は筐体12の仕様等によって適宜変更される。

0030

次に、背面カバー12aを構成する筐体用部材10の具体的な構成を説明する。図3及び図4は、筐体用部材10を厚み方向に切断して模式的に示した断面図であり、図3は、図2中のIII−III線に沿う断面図であり、図4は、図2中のIV−IV線に沿う断面図である。

0031

図2図4に示すように、筐体用部材10は、表層36と、中間層37と、裏層38とをこの順に積層した板状体40の適宜箇所に締結用孔部30及び切れ目32を設けた構造である。

0032

表層36は、筐体12の外表面に現れる外層部分であり、その表面36aが筐体12(電子機器14)の下面となる。裏層38は、中間層37を挟んで表層36の厚み方向内側に設けられ、筐体12の内表面(内面)に現れる内層部分である。表層36及び裏層38は、強化繊維にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた硬質の繊維強化樹脂板(プリプレグ板)で形成され、例えばそれぞれ0.25mm程度の板厚を有する。本実施形態では、強化繊維として炭素繊維を用いた炭素繊維強化樹脂(CFRP)を用いている。強化繊維は炭素繊維以外であってもよく、ステンレス繊維等の金属繊維やガラス繊維等の無機繊維等、各種材料を用いてもよい。

0033

中間層37は、表層36と裏層38との間に設けられ、厚み方向に圧縮可能な材質で構成された軟質スペーサ部材であり、例えば0.5mm程度の板厚を有する。中間層37を設けたことにより、板状体40の板厚方向の断面係数が増大し、軽量且つ高強度な構造となる。中間層37は、例えばポリプロピレン等の発泡シートで構成された発泡層や、圧縮可能な隙間を有して集合された炭素繊維等の繊維層によって構成される。

0034

締結用孔部30は、表層36、中間層37及び裏層38を貫通する貫通孔である(図4参照)。切れ目32は、締結用孔部30の外周を囲むように該締結用孔部30よりも大径に設けられ、表層36の厚み方向に沿って形成された環状の切断面である。本実施形態の場合、切れ目32は、表層36をその表面36a側から厚み方向に切断することで、表層36の厚み方向全体に亘って形成した構造としている。切れ目32は、中間層37まで到達しない深さや中間層37の表層36側の一部まで到達した深さ等に設定されてもよい。但し、後述する締結具28による締結時に裏層38での強度を確保するため、切れ目32は裏層38には到達しない深さであることが好ましい。

0035

次に、筐体用部材10の製造方法の一例を説明する。図5及び図6は、本実施形態に係る筐体用部材10の製造方法の一例を模式的に示した断面図である。

0036

筐体用部材10を製造する際には、先ず表層36及び裏層38となる平面形状の繊維強化樹脂板を一対準備し、その間に平面形状の中間層37を挟んで全体を積層方向プレスすることで板状体40を形成する(図3参照)。

0037

続いて図5に示すように、板状体40の必要箇所に板厚方向の貫通孔である締結用孔部30を形成する。締結用孔部30は、例えばレーザ加工或いは機械加工によって形成すればよい。

0038

次に図6に示すように、各締結用孔部30の周囲に一定の隙間を介して締結用孔部30よりも大径の切れ目32を形成する。切れ目32は、締結用孔部30に挿通させる締結具28の頭部28aを埋没可能な内径で構成される必要がある(図8参照)。切れ目32は、例えばレーザ加工機42を用い、1〜複数回の円方向のレーザ照射による切断工程によって形成すればよい。これにより、図2図4に示すように、板状体40の適宜箇所に締結用孔部30及び切れ目32が形成された筐体用部材10の製造が完了する。レーザ加工機42を用いて切れ目32を形成することで、切れ目32の切断幅を最小限に構成することができると共に、バリや欠け等の発生も抑制できる。

0039

なお、図5に示す締結用孔部30の形成工程と、図6に示す切れ目32の形成工程とは、その実施順が逆であってもよい。但し、切れ目32を形成した後に締結用孔部30を形成する場合は、締結用孔部30の形成もレーザ加工によって行うことが好ましい。切れ目32を形成した後、その内側に旋盤等による機械加工で締結用孔部30を形成しようとした場合、表層36の切れ目32の内側部分が工具一緒に共回りし、円滑な貫通孔の形成が難しくなるからである。

0040

次に、上記のように製造した筐体用部材10を取付対象部材に対して固定する締結方法を説明する。図7及び図8は、図6に示すように製造した筐体用部材10を取付対象部材である正面カバー12bに対して固定する締結方法の一例を模式的に示した断面図である。

0041

筐体用部材10(背面カバー12a)を取付対象部材(正面カバー12b)に固定する際には、先ず図7に示すように、筐体用部材10を取付対象部材である正面カバー12bと合わせて締結用孔部30を正面カバー12bの図示しないねじ穴に一致させ、表層36の表面36a側から締結用孔部30に対して締結具28のねじ部28bを挿通させる。

0042

続いて図8に示すように、図示しないドライバ等の工具を用いて締結具28のねじ部28bを正面カバー12bの図示しないねじ穴に対して螺合させる。そうすると、裏層38側に向かって筐体用部材10の厚み方向に進動する締結具28の頭部28aによって切れ目32の内側部分、つまり切れ目32と締結用孔部30との間に形成された環状の切れ端32aが押し下げられると共に該切れ端32aが座金として機能し、切れ端32aと裏層38との間で中間層37が圧縮される。この際、切れ目32が表層36を厚み方向全体に亘って切断するように形成されていると、切れ端32aを締結具28で円滑に押し下げることができ、バリや欠けの発生を確実に防止できる。

0043

その結果、図8及び図9に示すように、締結具28の頭部28aが切れ目32の内側で表層36の表面36aから埋没した状態となり、頭部28aの下面と正面カバー12bとの間に、表層36の切れ端32a、圧縮された中間層37及び裏層38を挟み込んだ状態で筐体用部材10と正面カバー12bとの間を固定した締結構造体が構築される。これにより、筐体用部材10(背面カバー12a)と取付対象部材(正面カバー12b)とが確実に固定される。

0044

以上のように、本実施形態に係る筐体用部材10は、表層36と、表層36の厚み方向内側に設けられる裏層38と、表層36と裏層38との間に設けられる中間層37とを有し、表層36及び裏層38が繊維強化樹脂板で構成され、中間層37が厚み方向に圧縮可能な材質で構成されており、表層36、中間層37及び裏層38を貫通するように形成され、当該筐体用部材10を取付対象部材に対して固定するための締結具28が挿通される締結用孔部30と、締結用孔部30の外周を囲むように該締結用孔部30よりも大径に設けられ、表層36の厚み方向に沿って形成された切れ目32とを備える。

0045

また、本実施形態に係る筐体用部材10の製造方法は、繊維強化樹脂板で構成された表層36と、厚み方向に圧縮可能な材質で構成された中間層37と、繊維強化樹脂板で構成された裏層38とをこの順に積層して板状体40を形成し、この板状体40の表層36、中間層37及び裏層38を貫通するように締結用孔部30を形成すると共に、締結用孔部30よりも大径で該締結用孔部30の外周を囲む切れ目32を表層36の厚み方向に沿って形成することで筐体用部材10を製造する。

0046

従って、このような筐体用部材10を取付対象部材に対して固定する際には、締結用孔部30の表層36側からねじ等の締結具28を挿通させて締結することで、締結具28の頭部28aによって切れ目32の内側部分を押し下げつつ中間層37を圧縮する。これにより、締結具28の頭部28aを表層36の内部に埋没させた状態で、この頭部28aと取付対象部材との間に表層36の切れ端32aと裏層38とを挟持した高い強度を持った締結構造を備えた筐体12を構築でき、筐体12の外表面からねじ等の締結具28の頭部28aが飛び出した状態となって製品である電子機器14の外観品質が損なわれることも防止できる。また、当該筐体用部材10では貫通孔である締結用孔部30とその周囲の切れ目32とを形成するだけでよいため、表層36を構成する繊維強化樹脂板に締結具28の頭部28aを埋設するための座繰り穴等を形成する必要がなく、上記した従来構造のように締結具28の締結部分に樹脂材料の射出成形を行う必要もないため、製造コストや製造効率が向上する。

0047

本実施形態に係る締結構造体では、筐体用部材10の表層36、中間層37及び裏層38を貫通するように形成された締結用孔部30に対して締結具28を挿通させ、該締結具28の頭部28aと取付対象部材との間に表層36の締結用孔部30の外周を囲む部分の切れ端32aと裏層38とを挟み込み、且つ中間層37を圧縮した状態で、筐体用部材10が取付対象部材に対して固定されている。すなわち、締結具28の頭部28aと取付対象部材との間に繊維強化樹脂板で構成された表層36(切れ端32a)及び裏層38を挟み込んで締結しているため、高い締結強度が得られる。この際、切れ目32は少なくとも裏層38までは到達しない深さで形成されているため、締結具28での締結強度が損なわれることもない。

0048

なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。

0049

例えば上記実施形態では、筐体用部材10を電子機器14を構成する機器本体16の筐体12の背面カバー12aとして用いた構成を例示したが、筐体用部材10は正面カバー12bや蓋体22に用いてもよい。また、筐体用部材10はデスクトップ型PC、タブレット型PC、スマートフォン又は携帯電話等、各種の電子機器の筐体用部材として利用可能である。

0050

上記実施形態では、表層36、中間層37及び裏層38を有する3層構造の筐体用部材10を例示したが、例えば3枚以上の繊維強化樹脂板の各層間にそれぞれ中間層37を挟み込んだ5層以上の積層構造であってもよい。例えば5層構造の場合には、表層36の表面36a側から1層目又は3層目の繊維強化樹脂板まで切れ目32を形成すればよい。

0051

10筐体用部材
12筐体
12a背面カバー
12b正面カバー
14電子機器
16機器本体
18キーボード装置
20ディスプレイ装置
22蓋体
28締結具
28a 頭部
28bねじ部
30締結用孔部
32切れ目
32a切れ端
36表層
36a 表面
37 中間層
38裏層
40板状体
42 レーザ加工機

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