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課題
解決手段
概要
背景
多くの切断、溶射、および溶接作業において、プラズマアークトーチが利用されている。これらのトーチでは、プラズマガスジェットが高温で周辺雰囲気中に噴出される。ジェットはノズルから放出され、ノズルを出る時のジェットは拡張範囲が極めて小さく、焦点が著しく絞られる。しかしながら、イオン化プラズマジェットには高温が伴うため、トーチの構成要素の多くが故障しやすい。この故障は、トーチの動作を大きく阻害し、切断作業の開始時に適正なアーク点火を妨げることがありうる。
従来の、伝統的な、および提案中の方式の他の限界と欠点は、当業者にとって、このような方式を本明細書の以下の部分に図面に関して記載されている本発明の実施形態と比較することにより、明らかとなるであろう。
概要
ねじりや不均一な力をかけずに組み立て可能なプラズマトーチ用の電極構体を提供する。先端305’にハフニウムインサート306が挿入されたプラズマ切断トーチの電極305に於いて、先端305’の上流に、最大外径が先端部分305’の最大外径より大きい肩部分320があり、肩部分320の上流には移行部分321があり、移行部分321の上流に、中央溝部分305’’がある。中央溝部分305’’は2種類のねじ山の特徴を有し、第一の山頂323は第一の山頂幅を有し、第二の山頂324は第一の山頂幅より広い第二の山頂幅を有し、第二の山頂幅は第一の山頂幅の1.5〜3倍の範囲内である。A−B
目的
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この技術が所属する分野
請求項1
プラズマ切断電極において、その中に発光性インサートが挿入された先端であって、前記先端がプラズマ切断トーチのノズルに挿入可能であり、前記先端は第一の外径を有する先端と、前記先端の上流の肩部分であって、前記第一の外径より大きい第二の外径を有する肩部分と、前記肩部分の上流の中央溝部分であって、第一の山頂幅を有する第一のねじ山と、前記第一の山頂幅より1.5〜3倍の範囲で大きい第二の山頂幅を有する第二のねじ山を有し、前記第一および第二のねじ山がそれぞれ溝を有し、前記溝の各々は傾斜側壁を有し、前記中央溝部分が第三の外径を有するような中央溝部分と、前記中央溝部分の上流の上流端部分であって、第四の外径を有するような上流端部分と、を有することを特徴とするプラズマ切断電極。
請求項2
請求項1に記載の電極において、前記第二の外径が前記第一の外径より55〜65%の範囲で大きいことを特徴とする電極。
請求項3
請求項1に記載の電極において、前記第二の山頂幅は前記第一の山頂幅より2〜2.5倍の範囲で大きいことを特徴とする電極。
請求項4
請求項1に記載の電極において、前記第三の外径は前記第二の外径と同じであることを特徴とする電極。
請求項5
請求項6
請求項1に記載の電極において、前記溝の各々の深さは、第三の外径の4〜10%の範囲内であることを特徴とする電極。
請求項7
請求項8
プラズマ切断トーチにおいて、空洞部分を持ち、前記陰極部分の先端に開口部を有する陰極と、前記陰極の前記空洞部分内に部分的に挿入された電極であって、その中に発光性インサートが挿入された先端であって、第一の外径を有する先端と、前記先端の上流の肩部分であって、前記第一の外径より大きい第二の外径を有する肩部分と、前記肩部分の上流の中央溝部分であって、第一の山頂幅を有する第一のねじ山と、前記第一の山頂幅より1.5〜3倍の範囲で大きい第二の山頂幅を有する第二のねじ山を有し、前記第一および第二のねじ山がそれぞれ溝を有し、前記溝の各々は傾斜側壁を有し、前記中央溝部分が第三の外径を有するような中央溝部分と、前記中央溝部分の上流の上流端部分であって、第四の外径を有するような上流端部分と、を有する電極と、前記電極の前記先端が挿入されるノズルと、を含み、前記陰極は前記陰極の外側部分にねじ山を有し、前記ねじ山は、前記電極上の前記第一および第二のねじ山の向きと反対方向に向くことを特徴とするプラズマ切断トーチ。
請求項9
プラズマ切断トーチ用の電極であって、発光性インサートが挿入される空洞を有する先端部分と、前記先端部分の上流の本体部分であって、冷却空洞を有し、前記冷却空洞が前記電極の上流端で開放している本体部分と、前記本体部分の外面上の、前記電極の前記上流端に隣接するねじ山部分であって、山頂幅を持つ山頂と谷底幅を有する谷底を持つ男ねじを含み、前記山頂幅は前記谷底幅より1〜5%の範囲内で大きく、前記男ねじは前記谷底と前記山頂との間に傾斜側壁を有し、前記傾斜側壁の挟角は10〜60度の範囲内であるねじ山部分と、を含み、前記ねじ山の前記山頂の高さは、前記山頂と、係合する女ねじの対応する谷底との間の第一のギャップを形成し、前記谷底の深さは、前記谷底と、前記係合する女ねじの対応する山頂との間に第二のギャップを形成し、前記第一のギャップは前記第二のギャップより大きいことを特徴とする電極。
請求項10
請求項9に記載の電極において、前記山頂幅は前記谷底幅より2〜3.5%の範囲で大きいことを特徴とする電極。
請求項11
請求項9に記載の電極において、前記挟角は10度であることを特徴とする電極。
請求項12
請求項9に記載の電極において、前記ねじ山の1インチあたりの巻き数は10〜14であることを特徴とする電極・
請求項13
請求項9に記載の電極において、前記ねじ山の1インチあたりの巻き数は12であることを特徴とする電極。
請求項14
プラズマ切断トーチ用の電極において、発光性インサートが挿入される空洞を有する先端部分と、前記先端部分の上流の本体部分であって、冷却空洞を有し、前記冷却空洞が前記電極の上流端で開放している本体部分と、前記本体部分の外面上の、前記電極の前記上流端に隣接するねじ山部分であって、山頂幅を持つ山頂と谷底幅を有する谷底を持つ男ねじを含み、前記山頂幅と前記谷底幅との間の比は1.2〜1.6の範囲内であり、前記男ねじは前記男ねじは前記谷底と前記山頂との間に傾斜側壁を有し、前記傾斜側壁の挟角は10〜40度の範囲内であるねじ山部分と、を含み、前記ねじ山の前記山頂の高さは、前記山頂と、係合する女ねじの対応する谷底との間の第一のギャップを形成し、前記谷底の深さは、前記谷底と、前記係合する女ねじの対応する山頂との間に第二のギャップを形成し、前記第一のギャップは前記第二のギャップより大きいことを特徴とする電極。
請求項15
請求項14に記載の電極において、前記比は1.35〜1.45の範囲内であることを特徴とする電極。
請求項16
請求項14に記載の電極において、前記挟角は10度であることを特徴とする電極。
請求項17
請求項14に記載の電極において、前記ねじ山の1インチあたりの巻き数は12〜16であることを特徴とする電極。
請求項18
プラズマ切断トーチにおいて、電極であって、発光性インサートが挿入される空洞を有する先端部分と、前記遠位端部分の上流の本体部分であって、冷却空洞を有し、前記冷却空洞が前記電極の上流端で開放している本体部分と、前記本体部分の外面上の、前記電極の前記上流端に隣接するねじ山部分であって、山頂幅を持つ山頂と谷底幅を有する谷底を持つ男ねじを含み、前記山頂幅と前記谷底幅との間の比は1.2〜1.6の範囲内であり、前記男ねじは前記谷底と前記山頂との間に傾斜側壁を有し、前記傾斜側壁の挟角は10〜40度の範囲内であるねじ山部分と、を含む電極と、前記電極の少なくとも一部が挿入される空洞を有する陰極本体であって、前記空洞は、前記男ねじと係合する女ねじを有し、前記女ねじが山頂幅を持つ山頂と谷底幅を持つ谷底を有し、前記女ねじが、前記女ねじの山頂と前記女ねじの谷底との間に傾斜側壁を有し、前記傾斜側壁の挟角は10〜40度の範囲内であるような陰極本体と、を含み、前記女ねじの前記山頂幅は前記女ねじの谷底幅より小さいことを特徴とするプラズマ切断トーチ。
請求項19
請求項18に記載のプラズマトーチにおいて、前記女ねじの山頂幅と前記女ねじの谷底幅の比は0.5〜0.75の範囲内であることを特徴とするプラズマトーチ。
請求項20
請求項18に記載のプラズマトーチにおいて、前記比は1.35〜1.45の範囲内であることを特徴とするプラズマトーチ。
請求項21
プラズマトーチ用の電極において、発光性インサートがその中に挿入された先端であって、プラズマ切断トーチのノズル内に挿入でき、第一の外径を有する先端と、陰極内に挿入可能な上流端部分であって、前記電極の前記上流端に最も近い第一のねじ山部分と、前記第一のねじ山部分の下流に位置付けられた第二のねじ山部分を有する上流端部分と、を含み、前記第一のねじ山部分は、第一のねじ山ピッチと第一の外径および第一の谷の径を持つ第一のねじ山を有し、前記第二のねじ山部分は、第二のねじ山ピッチと第二の外径および第二の谷の径を持つ第二のねじ山を有し、前記第二の外径は前記第一の外径より大きいことを特徴とする電極。
請求項22
請求項21に記載の電極において、前記第一のねじ山ピッチは1インチあたり20〜28の範囲内であり、前記第二のねじ山ピッチは1インチあたり16〜24の範囲内であり、前記第二のねじ山ピッチは前記第一のねじ山ピッチより小さいことを特徴とする電極。
請求項23
請求項21に記載の電極において、前記第二の谷の径は前記第一の外径より大きいことを特徴とする電極。
請求項24
請求項23に記載の電極において、前記第二の谷の径は前記第一の外径より2〜6%の範囲内で大きいことを特徴とする電極。
請求項25
請求項23に記載の電極において、前記第二の谷の径は前記第一の外径より3〜5%の範囲内で大きいことを特徴とする電極。
技術分野
0001
優先権
本願は、2015年8月28日に出願された米国仮特許出願第62/211,293号明細書および2015年10月13日に出願された米国仮特許出願第62/241,077号明細書の優先権を主張するものであり、その開示の全体を参照によって本明細書に援用する。
背景技術
0003
多くの切断、溶射、および溶接作業において、プラズマアークトーチが利用されている。これらのトーチでは、プラズマガスジェットが高温で周辺雰囲気中に噴出される。ジェットはノズルから放出され、ノズルを出る時のジェットは拡張範囲が極めて小さく、焦点が著しく絞られる。しかしながら、イオン化プラズマジェットには高温が伴うため、トーチの構成要素の多くが故障しやすい。この故障は、トーチの動作を大きく阻害し、切断作業の開始時に適正なアーク点火を妨げることがありうる。
0004
従来の、伝統的な、および提案中の方式の他の限界と欠点は、当業者にとって、このような方式を本明細書の以下の部分に図面に関して記載されている本発明の実施形態と比較することにより、明らかとなるであろう。
先行技術
0005
Machinery’s Handbook;Oberg,Jones,and Horton,Industrial Press,Inc.;1979
0006
本発明の例示的実施形態はプラズマトーチとその構成要素であり、これらはトーチの性能と耐久性を最適化するように設計される。具体的には、本発明の例示的実施形態は、改良された電極と陰極構成を有することができる。
図面の簡単な説明
0007
本発明の上記および/またはその他の態様は、本発明の詳細な例示的説明を以下のような添付の図面を参照しながら説明することによって、より明らかになるであろう。
0008
図1は、本発明の実施形態に使用可能な例示的切断システムの概略図である。
図2は、既知の構成要素を利用するトーチのヘッドの一部の概略図である。
図3Aおよび図3Bは、本発明の空冷トーチの例示的実施形態によるヘッドの一部の概略図である。
図4Aおよび図4Bは、本発明の電極の例示的実施形態の概略図である。
図5Aおよび図5Bは、本発明の陰極の例示的実施形態の概略図である。
図6は、本発明の水冷トーチの例示的実施形態の概略図である。
図7は、図6のトーチの構成要素の拡大概略図である。
図8は、図6に示されるトーチの実施形態に使用可能なねじ接続の概略図である。
図9は、図6に示される電極の概略図である。
図10A−図10Cは、本発明の例示的な陰極と電極との間の代替的な例示的接続方法の概略図である。
図11Aおよび図11Bは、電極と陰極との間のねじ接続の別の例示的実施形態の概略図である。
実施例
0009
ここで、各種の代替的な例示的実施形態と添付の図面を詳しく参照するが、同様の数字は実質的に同じ構造的要素を示す。各例は、限定としてではなく、例として提供されている。事実、当業者にとっては、本開示と特許請求項の範囲または主題から逸脱することなく、改良や変更を加えることができることは明らかであろう。例えば、図または明細書においてある1つの実施形態の一部として示されている特徴を、他の実施形態に使用することにより、また別の実施形態を作ることができる。それゆえ、本開示は付属の特許請求の範囲とそれらの等価物の範囲の中に入る改良と変更を含むことが意図されている。
0010
本開示は一般に、各種の切断、溶接、および溶射作業に有用なプラズマアークトーチに関する。具体的には、本発明の実施形態は、空冷プラズマアークトーチに関し、その他は水冷型の実施形態に関する。勿論、本明細書に記載されている特徴の一部は、例示的実施形態の新規性を損なうことなく、何れのトーチ構成においても使用できる。別の例示的実施形態は、リトラクトアークトーチである空冷プラズマアークトーチに関する。一般に理解されているように、リトラクトアークトーチは、電極がノズルと接触してアークを発生させ、その後、電極がノズルから引き戻され、するとアークがノズルのスロートを通って方向付けられる。他のタイプのリトラクトトーチにおいては、電極は静止したままで、ノズルが移動する。本発明の例示的実施形態は両方のタイプに適用可能である。これらのトーチのほか、水冷トーチの構成と動作は一般に知られており、それゆえ、その詳細な構成と動作は本明細書では説明しない。さらに、本発明の実施形態は、ハンドヘルド式または機械化されたプラズマ切断作業のどちらにおいても使用できる。留意すべき点として、簡素化と明瞭化のために、以下の説明は、主として切断用のハンドホルド型プラズマトーチに関する本発明の例示的実施形態についてのものである。しかしながら、本発明の実施形態は、この点において限定されず、本発明の実施形態は溶接および溶射トーチにも使用でき、これも本発明の主題または範囲から逸脱しない。各種のタイプとサイズのトーチが、希望に応じて様々な電力レベルで使用可能である。例えば、本発明の例示的実施形態は、40〜100アンペアの範囲の切断電流を利用する切断作業に使用でき、厚さ0.075インチまでの被加工物を切断でき、他の実施形態では、厚さ1.5インチまでの被加工物を切断できる。さらに、本明細書に記載のトーチと構成要素は、マーキング、切断、または金属の除去に使用できる。これに加えて、本発明の例示的実施形態は可変電流と可変出力レベルで使用できる。本発明の実施形態に使用可能な種類の空冷システムの構成と利用は知られており、本明細書で詳細に説明する必要はない。
0011
ここで、図1を参照すると、例示的な切断システム100が示されている。システム100は、筐体12を含む電源10を含み、そこにトーチアセンブリ14が接続されている。筐体12には、プラズマアークトーチを制御するための各種の従来の構成要素、例えば電源、プラズマスタート回路、エアレギュレータ、ヒューズ、トランジスタ、入力および出力電気およびガスコネクタ、コントローラおよび回路基板その他が格納される。トーチアセンブリ14は、筐体の前面16に取り付けられる。トーチアセンブリ14は、その中に、トーチ端18内の電極とノズルを筐体12内の電気コネクタに接続するための電気コネクタを含む。パイロットアークと作動アークのために別々の電気経路が提供されてもよく、スイッチ要素が筐体12内に提供される。ガス導管もまたトーチアセンブリ内にあり、プラズマアークとなるガスをトーチ先端へと送り、これについては後述する。各種のユーザ入力装置20、例えばボタン、スイッチ、および/またはダイヤルが筐体12に、各種の電気およびガスコネクタと共に提供されてもよい。
0012
理解すべき点として、図1に示されている筐体12は、本明細書において開示されている発明的概念の態様を利用できるプラズマアークトーチデバイスの一例にすぎない。したがって、上述の一般的開示と説明は、開示されているトーチ要素を利用できるプラズマアーク装置の種類または大きさについて、一切限定しないと考えるべきである。
0013
図1に示されるように、トーチアセンブリ14はコネクタ22を含み、その一端が筐体12の嵌合コネクタ23に取り付けられる。そのように接続されると、トーチアセンブリ14のホース部分24を通る各種の電気およびガス経路は、トーチ200の関係部分が筐体12内の関係部分と接続されるように接続される。図1に示されるトーチ200はコネクタ201を有し、ハンドヘルド型であるが、上述のように、トーチ200は機械化されたタイプとすることもできる。トーチ200の一般的な構成、例えばハンドル、トリガその他は、既知のトーチ構成のそれと同様とすることができ、本明細書中では説明する必要がない。しかしながら、トーチ端18内には、トーチ200の、切断用アークを生成し、保持しやすくするための構成要素があり、これらの構成要素のいくつかについては、以下により詳しく説明する。具体的には、以下で説明する構成要素の一部には、トーチ電極、ノズル、シールド、およびスワールリングが含まれる。
0014
図2は、既知の構成の例示的なトーチヘッド200aの断面を示す。留意すべき点として、トーチヘッド200aの構成要素の一部は、明瞭にするために示されていない。図のように、トーチ200aは陰極本体203を含み、そこに電極205が電気的に連結される。電極205はノズル213の内空洞の中に挿入され、市そこでノズル213はスワールリング211の中にシールされ、スワールリング211は、スワールリング、ノズル、その他を陰極本体203から絶縁するための絶縁構造209に連結される。ノズル213は、保持キャップアセンブリ217a〜cにより所定の位置に保持される。前述のように、この構成は一般に知られている。
0015
図のように、電極205はねじ山部分205aを有し、これは電極205を陰極本位203の中にねじ接続する。電極205はまた、中央らせん部分205bも有する。らせん部分205bはらせん状の粗いねじ山様パターンを有し、これは区間205bの周囲に空気の流れを提供する。しかしながら、この区間により、電極205を陰極本体203から外すために、専用なツールが必要となる。中央部分205bの下流に円柱部分205cがあり、これは電極205の先端205dに延びる。図のように、円柱部分はノズル213に挿入され、先端205dがノズル213のスロート213b付近に位置付けられる。円柱部分は、中央部分205bにおいて平坦面を含むことができ、それによって、専用のツールが電極205を把持し、これを陰極から外すことができる。典型的には、円柱部分205cから先端205dへの移行は、先端205dの平坦な端面に続く湾曲した縁を含む。リトラクトスタートトーチにおいては、この平坦な端面がノズル213の内面と接触してアークスタートを起動する。アークが点火されると、電極205が引き戻され、電極205とノズル213との間にギャップが作られ(図のとおり)、その時、プラズマジェットがノズル213のスロート213bを通じて被加工物へと方向付けられる。一般に理解されているように、このような構成により、アーク起動中、約300回のアークスタートが行われると、既知の電極205は故障し始める可能性がある。典型的には、電極205にはクロムまたはニッケルメッキを施して、電極205の寿命の延長を支援する。この事象が発生し始めたら、電極205は交換が必要かもしれない。
0016
また、図のように、ハフニウムインサート207が電極205の先端205dに挿入される。一般に知られているように、先端205dの平坦面の中央にあるハフニウムインサート207からプラズマジェット/アークが起動する。
0017
上で簡単に説明したように、トーチ200aはまた、ノズル213も含み、これはスロート213bを有し、切断中、そこを通じてプラズマジェットが方向付けられる。また、図のようにノズル213は円柱突出部分213aを含み、スロート213bがそこを通過して延びる。この突出部分213aは、比較的長いスロート213bのために提供され、同じく円柱形の突出部分215aを有するシールド215の中の円柱開口部の中へと延びる。図のように、突出部分213a/215aの各々間に空気の流れるギャップが作られ、切断中、シールドガスがプラズマジェットをエンリッチするように方向付けられる。空冷トーチにおいては、これらのそれぞれの突出部分213a/215aは、プラズマジェットとシールドガスを取得作業へと方向付ける。しかしながら、ノズル213およびシールドキャップ215の各々の形状により、これらの突出部分はかなり高温となる傾向がありうる。この熱により、ノズル213のヒートバンドがその長さに沿って大きく広がる可能性がある。このように増大したヒートバンドと高熱は、構成要素が劣化し、故障する原因となりえ、交換の必要性を生じさせる。さらに、時間がたつとその性能が劣化する可能性があり、これによって、切断結果が最適とはいえないものとなる。したがって、既知の空冷トーチの構成には改良が必要である。
0018
ここで、図3Aおよび3Bを参照すると、ある例示的実施形態のトーチ300が示されている。トーチ300は、図1に示されるトーチの中で使用でき、図2と同様に、図を単純化するために、構成要素と構造のすべてが示されているわけではない(例えば、ハンドル、外側ケーシングその他)。さらに、多くの点において(後述のものを除く)、トーチ300の構成と動作は既知のトーチと同様であるため、必ずしもその構成の詳細の全部を本明細書で説明する必要はない。しかしながら、以下に詳しく説明するように、トーチ300の構成要素のいくつかは、既知のトーチおよびトーチ構成要素とは異なる構成であり、最適化された切断性能と耐久性を有する切断トーチを提供する。さらに、図2のトーチ200aと同様に、図3のトーチ300は空冷式のリトラクト型トーチである。本発明の例示的な実施形態は、構成要素のいくつかについて述べる以下の説明の中でさらに理解される。
0019
図3Aおよび3Bの各々に示されているように、トーチ300は、トーチ本体301とトーチヘッド300’を有する。これは、既知の構成方法であり、トーチヘッド300’は接続機構を介してトーチ本体301に固定できる。図のように、トーチ本体は部品嵌合状態切替え機構309を有し、これはブラスリング308と接触する。この接続によって電気回路が成立し、すると、システム100に対し、トーチヘッド300’がトーチ本体301に適正に固定されたことが示される。他の例示的実施形態において、部品嵌合状態検出は、プランジャにより作動されるシール型スイッチによって、または構成要素が相互に適正に固定されたことを示すその他同様のスイッチ構成によって行うことができる。図2に示されるトーチと同様に、トーチヘッド300’は電極305、スワールリング311、シールドキャップ315、陽極307、陰極303、ノズル314、および絶縁体312を含む。また、ばね等の付勢部材313も含む。図3Aは、アーク点火/パイロットアークモードにあるトーチを示してリ、この場合、電極305の先端がノズル314と接触している。付勢部材313は、電極305と陰極303(ここに電極が連結されている)をこの位置に保持し、図のように、絶縁体312と陰極303との間にギャップGが作られる。ノズル314と電極305との間のこのような接触により、電流が最初にトーチ300に印加されると、アークが点火する。同時に、ガス圧力がトーチに提供され、これによって電極/陰極がノズル314から引き戻される。この位置は図3Bに示されており、ここには、付勢部材313が圧縮するとギャップGが小さくなり、陰極303と絶縁体312とが接触可能となることが示されている。また、電極先端とノズル314との間にギャップができ、発生したアークが被加工物へと移行されて、切断を開始できる。電極/陰極のこのような移動は、ガス/空気圧の流入によりトリガされ、これが電極/陰極アセンブリを付勢部材313に押し付ける。電極/陰極に圧力をかけることに加えて、ガス/空気流はまた、構成要素の表面を通過する際にこれらの構成要素を冷却するのを助ける。冷却を助けるために、チャネル/溝が電極/陰極の外面に設けられる。しかしながら、冷却ガス/空気がこれらの構成要素の表面を通過する際、溝によって、構成要素に不要な力を加える可能性がある。例えば、流れが、電極/陰極に不要なねじり力をかけるように方向付けられることがある。さらに、流れが、構成要素に不均一な力をかけるように方向付けられることがある。このようなねじり/不均一な力は、トーチの動作効率を損ない、切断作業に不利な影響を与え、および/または構成要素の動作寿命を短くする可能性がある。後述のように、本発明の実施形態はこれらの問題に対応する。
0020
図4Aおよび4Bは、ある例示的実施形態による、トーチ300内で使用される電極305を示している。電極305は先端305’を有し、これがノズルに挿入され、その端面においてハフニウムインサート306が挿入され、そこからアークが発生する。勿論、ハフニウム以外の材料も使用できる。例示的実施形態において、電極305は銅もしくは銅合金またはその他の適当な材料から作製できる。先端305’の上流に、肩部分320があり、その最大外径は先端部分305’の最大外径より直径で55から65%大きい。いくつかの例示的実施形態において、肩部分320は、電極305全体の最大外径を有する。肩部分320の上流には移行部分321があり、これは傾斜面321’(これは上流に移行する間に電極305の中心線に向かって傾斜する)と電極305の中心線に平行な非傾斜面321’’を有する。移行部分321の上流に、中央溝部分305’’がある。例示的実施形態において、中央溝部分305’’は2種類のねじ山の特徴を有し、ねじ山は130〜180度の範囲で離間されている。ある例示的実施形態において、ねじ山は150度離間されている。図のように、ねじ山は溝322と山頂323および324を有する。この図の例示的実施形態において、第一の山頂323は第一の山頂幅を有し、第二の山頂324は第一の山頂幅より広い第二の山頂幅を有する。例示的実施形態において、第二の山頂幅は第一の山頂幅の1.5〜3倍の範囲内である。他の例示的実施形態において、第二の山頂幅は第一の山頂幅の2〜2.5倍の範囲内である。さらにその他の例示的実施形態において、溝部分305’’の最大外径は肩部分320の最大外径と同じである。図のように、例示的実施形態において、第一および第二の山頂は相互に交互に配置され、第一または第二の山頂のいずれの2つも互いに隣接しない。さらに、図4Bに示されるように、溝322は、溝面327が傾斜して、隣接する溝327間に角度Aが成されるように構成される。例示的実施形態において、角度Aは20〜40度の範囲内である。他の例示的実施形態において、角度Aは26〜32度の範囲内である。例示的実施形態において、溝322は(山頂から谷底までの)深さXを有し、これは溝部分305’’の最大外径の4〜10%の範囲内である。さらに、例示的実施形態において、溝はこれらが4〜8TPI(1インチあたり巻き数)の範囲内となるように構成される。他の実施形態において、電極溝のTPIは5〜7であるが、また別の実施形態において、溝のTPIは6である。溝は右ねじとしても左ねじとしても構成できる。
0021
溝部分305’’の上流には、傾斜した移行部325があり、それに続いて肩部分326と上流端部分305’’’がある。上流端部分の少なくとも一部は、図3Aおよび3Bに示されているように、陰極303の電極用空洞に挿入される。傾斜部分325は中心線CLに関して傾斜しており、表面角度は中心線に関して40〜50度の範囲内である。他の例示的実施形態において、傾斜面325の表面は中心線CLに関して45度である。例示的実施形態において、上流端部分305’’’の最大外径は、先端部分305’の最大外径より小さい。
0022
例示的実施形態において、この電極/溝構成は、冷却用の最適な空気/ガス流を提供し、トーチ300が確実に適正に動作するための所望の上向きの圧力を提供するように構成される。しかしながら、図のような溝のらせん形状によって、上述のようにねじり力が電極305に加わり、電極305をその中心線CLに関して回転させようとする。このねじり力には、後述の陰極の構成により対抗される。勿論、留意すべき点として、電極の全体的外観、幾何学形状その他は所望のトーチ構成に適合し、所望の概観を有するように変更でき、これも上述の本発明の実施形態の主題または範囲から逸脱せず、本明細書で説明する図面中の図は1つの例示的実施形態を示すものである。
0023
図5Aおよび5Bは、図3Aおよび3Bに示される陰極303の例示的実施形態を示す。陰極303は先端331を有し、そこに空洞が形成され(図3A/3Bに示される)、電極305の上流端305’’’を挿入できる。空洞は、電極305および陰極用空洞との間に接触嵌合がなされるように構成される。先端面331に隣接して、肩部分332と分離部分333がある。分離部分は、肩部分332を溝部分303’から分離する。図のように、溝部分303’はその長さに沿って延びるらせん溝335を有する。例示的実施形態において、らせん溝335は電極上の溝とは異なる。例えば、例示的実施形態において、溝335は1本の溝であり、電極305の二重溝/ねじ山特徴とは異なる。さらに、図のように、例示的実施形態において、溝山頂334の最大外径は陰極303の最大外径である。しかしながら、いくつかの実施形態において、陰極の、山頂334における最大外径は、電極305の最大外径より小さい。これに加えて、例示的実施形態において、溝335は山頂334を形成し、その大きさは交互に変更されず、すなわち、山頂334の幅は溝部分303’全体を通じて同じである。これに加えて、溝335は左ねじまたは右ねじ溝のどちらとすることもできるが、らせんは電極溝のそれとの反対とするべきである。例えば、電極溝が右ねじの場合、陰極の溝335は左ねじとするべきである。これによって、電極に沿った空気/ガス流からのねじり力に、陰極303に沿ったその後の流れが確実に対抗する。ねじ山方向を変えることにより、空気/ガス流が、そうでなければ実現できないような構造的な安定性を提供する。さらに、陰極303の溝335は、電極上で使用される溝のそれとは異なるTPIを有する。例えば、例示的実施形態において、陰極303の溝335のねじ山数は、電極のそれより多い。例示的実施形態において、溝334のねじ山数は7〜12 TPIの範囲内であり、電極のそれより多い。別の例示的実施形態において、ねじ山数は8〜10 TPIの範囲内である。さらに別の例示的実施形態において、陰極のねじ山数は電極305のねじ山数より少なくとも3 TPI多い。例えば、勿論、他の実施形態において、電極溝のねじ山数は6 TPIであり、溝335のねじ山数は少なくとも9 TPIである。
0024
溝335の上流には、カラー部分336があり、これは溝部分を肩部分337に連結する。ある例示的実施形態において、カラー部分336の外側最大径は、分離部分333の外径より小さい。肩部分337は最大外径を有し、これはいくつかの実施形態において、肩部分332の外径と同じである。肩部分337の上流には、別のカラー部分338があり、これは肩部分337を別の型部分339に連結する。例示的実施形態において、カラー部分338の最大外径は部分336の外径より大きい。肩部分339の上流には円柱部分340があり、これは最大外径を有する。例示的実施形態において、円柱部分340の外径はカラー部分338、336と分離部分333の各々の外径より小さい。円柱部分の上流に、溝341と延長部分342がある。
0025
図5Bは、これは図4Bのそれと同様の、溝335の断面を示す。図のように、溝面343は傾斜しており、それらの間に角度Bが形成される。例示的実施形態において、角度Bは20〜40度の範囲内である。他の例示的実施形態において、角度Bは26〜32度の範囲内である。別の実施形態において、角度Bは電極上の角度Aと同じである。例示的実施形態において、溝335の(山頂から谷底までの)深さYは、溝部分303’の最大外径の6〜12%の範囲内である。別の例示的実施形態において、溝335の深さYは電極305の溝の深さXより大きい。例えば、例示的実施形態において、溝の深さYは深さXより15〜30%の範囲内だけ大きい。別の例示的実施形態において、深さYは深さXより20〜25%の範囲内だけ大きい。
0026
電極305と陰極303の各々のらせん溝間の上述の関係により、電極305と陰極303に沿った空気の流れの利用が最適化され、それと同時に、構成要素に不必要な力が加わるのが回避される。具体的には、流路は、流れがスムーズな層流を維持しないように変えられるが、これらの構成要素間の流れの方向を変えなければならず、その流れは、寸法の違いによって各構成要素に沿って異なる。さらに、例示的実施形態において、それぞれの構成要素の各々の溝部分のそれぞれの長さが違うことから、異なる寸法の関係により、それぞれの構成要素の各々にかかるねじり力が釣り合うか、または釣り合った状態に近い状態となり、それと同時に、アークストライクからアーク移行/切断への遷移に必要なだけ電極/陰極アセンブリを移動させるための空気/ガス流の圧力パフォーマンスを最適化できる。たとえば、らせん溝335の(陰極の長さに沿った)全長Lは、陰極303の(端から端の)全長の20〜35%の範囲内である。別の例示的実施形態において、長さL’は全長の25〜30%の範囲内である。しかしながら、電極305では、らせん溝の(電極の軸に沿った)長さLは電極305の全長の30〜40%の範囲内である。他の例示的実施形態において、長さLは電極305の全長の35〜40%の範囲内である。いくつかの例示的実施形態において、長さLおよびL’は同じであり、他の例示的実施形態では、長さLはL’より長い。
0028
ここで、図6を参照すると、ある例示的実施形態による水冷式トーチ600が示されている。一般に、トーチ600は同様の既知の水冷トーチと同じように構成される。例えば、トーチはノズル613、シールドキャップ611、ノズル保持キャップ609、電極601、陰極603、外側キャップ605、および外側ケーシング607を含む。勿論、トーチ600は、本明細書で説明する必要のないその他の構成要素を含む。しかしながら、図6に示され、以下にさらに説明されるように、構成要素間のねじ接続は、新規のねじ山構成を有し、以下にこれらをより詳しく説明する。
0029
本明細書の実施形態により利用されるねじ山構成は、変形スタブアクメ(ACME)ねじ設計である。アクメねじ設計は、当業者により知られているため、本明細書で詳細に説明する必要はなく、その説明は、(非特許文献1)にあり、そのアクメスタブ設計の項の全体を参照によって本願に援用する。
0030
例示的なねじ山構成の拡大図が図7および8に示されている。図のように、変形アクメスタブねじ山構成は、電極601を陰極603に結合するために使用される。留意すべき点として、このねじ山構成は電極/陰極構成に関して説明されるが、図6に示されているように、他の箇所にも使用できる。例えば、ノズル保持キャップ609および/または外側キャップ605は、最適な接続を提供するのを助けるために、説明されているねじ山構成を使用できる。この変形アクメスタッドねじ山構成は、本発明の実施形態により、トーチ組立時のトーチ構成要素の同心性を向上させるために使用される。最適なトーチ性能と寿命を確保するために、高いレベルの同心性が必要であるため、この同心性を確実できるような高い精度で構成要素を製造することは極めて難しいことが多い。したがって、製造が容易で、組立時に高レベルの同心性を提供し、導電性および伝熱性のために大きな接触面積を提供するねじ接続が必要である。本発明の実施形態は、後述の構成によってこれを実現する。
0031
ここで、図7および8を参照すると、陰極603は女ねじ603’を有し、電極は男ねじ601’を有する。本発明の例示的実施形態において、男ねじと女ねじの各々で、ねじ山の山頂幅はねじ山の谷底幅より大きい。これは多くの既知のねじ山構成と異なる。さらに、他の例示的実施形態において、男ねじと女ねじの各々の山頂幅は、それぞれの男ねじおよび女ねじの各々における谷底幅より1〜5%大きい。別の例示的実施形態において、山頂幅は谷底幅より2〜3.5%大きく、また別の例示的実施形態において、山頂幅は谷底幅の2.5〜3.5%の範囲内だけ大きい。勿論、これらの比率は傾斜角度が比較的小さい、例えば挟角が10%度のねじ山形成に関するものである。
0032
例示的実施形態において、ねじ山の側壁間挟角Φは10〜60度の範囲内である。しかしながら、他例示的実施形態において、挟角Φは10度である。このような急峻な角度により、ねじ山は実際には角ねじであり、高いレベルの同心性と強度を提供できる。
0033
さらに、ねじ山は、ギャップG1(男ねじ601’の谷の径と女ねじ603’の谷の径の間の間隙)はギャップG2(男ねじ601’の外径と女ねじ603’の外径との間の間隙)より小さい。例示的実施形態において、上述の構成での間隙の関係により、比較的製造しやすく、相互に固定しやすく(相互に潰れるのを防止)、また、構成要素間の高いレベルの同心性と接触を提供するねじ山構成が提供される。
0034
例示的実施形態において、ねじ山はこれらが10〜14TPIの範囲となるようなピッチを有する。他の例示的実施形態において、ねじ山のピッチは12 TPIである。留意すべき点として、幾何学的およびツーリングの制限により、使用されるピッチは山頂と谷底の大きさとの関係に影響を与える可能性がある。
0035
図11Aおよび11Bは、本発明の他の例示的実施形態を示しており、上述のものと同様の変形角ねじパターンが使用されている。しかしながら、この例示的実施形態において、電極と陰極のねじ山の谷底と山頂の関係は、反対の関係である。具体的には、この例示的実施形態において、電極の男ねじの山頂幅Xcは女ねじの谷底幅Yrより大きい。例示的実施形態において、挟角Φは10度であるが、他の実施形態において、挟角はそれ以外、例えば10〜40度の範囲内とすることができる。例示的実施形態において、山頂幅Xcと谷底幅Yrの間の比は1.2〜1.6の範囲内である。他の例示的実施形態において、比は1.35〜1.45の範囲内である。しかしながら、これらの例示的実施形態では、陰極603の女ねじの谷底幅Xc’は谷底幅Yr’より小さい。これは、電極の大きさ関係と反対である。例示的実施形態において、陰極のねじ山について、山頂幅Xc’と谷底幅Yr’の間の比率は0.5〜0.75の範囲内である。他の例示的実施形態において、この比は0.65〜0.7の範囲内である。男ねじと同様に、陰極の女ねじの挟角を10〜40度の範囲内とすることができ、いくつかの実施形態において、挟角Φは10度である。例示的実施形態のねじ山数は12〜16TPIの範囲内とすることができ、他の例示的実施形態において、ねじ山数は12 TPIである。上述の例示的実施形態と同様に、この例示的構成により、構成要素間の整列、物理的、および電気的接続、構成要素間の取り付け安さ、および構成要素の同心性が改善される。
0036
この同心性の改善は、図6および7に示される二重Oリング構成の使用を通じてさらに促進される。図のように、2つのOリング621および622が電極601のねじ山部分の下流に位置付けられる。2つのOリングを上述のねじ山構成で使用することによって、電極601の同心性が改善される。上述のねじ山構成により、Oリング621/622は、既知の構成に対する電極の位置決めにおいて、より大きな役割を果たす。すなわち、既知の構成では、ねじ山が電極601の位置決めの主な役割を担っていた。そのため、ねじ山がうまく製造されず、および/または取り付け中に潰れると、構成要素の同心性は不利な影響を受けた。しかしながら、この例示的実施形態においては、ねじ山によりOリング621/622が電極の中央への位置決めを確実にする中でより大きな役割を果たす。これは、Oリングの圧縮性によるもので、これは電極601の周辺を均等に圧縮する傾向がある。それゆえ、電極の上述の構成およびその連結により、図6に示されるように、電極601をトーチおよび絶縁体の中で中央に位置付けることができる。
0037
図9は、例示的な電極601の例示的な断面を示す。電極601は、冷却空洞637のための開口部を有する上流端631と、ハフニウムインサートまたはその他とするとのできるインサートのための開口部635を有する先端633を有する。電極は、上述のように、ねじ山部分601’を有する。ねじ山部分601’の下流に肩部632があり、これがねじ山部分601’をOリング部分639から分離する。Oリング部分639は、少なくとも2つのOリング用溝621’および622’を有する。これに加えて、例示的実施形態において、Oリング部分639とOリング用溝621’および622’は、上流端631から第一の溝622’の中心まで測定された電極601の長さに沿った距離Dが、電極の(上流端631から先端633までの)全長の20〜25%の範囲内となるように位置付けられる。これに加えて、それぞれの溝621’および622’の各々の中心間の距離D’は、電極601の全長の5〜10%の範囲内である。この形状が、上述のねじ山構成と組み合わされて、電極601は、トーチ600内での高いレベルの同心性を持つように容易に取り付けることができる。
0038
図10A〜10Cは、本発明の他の例示的実施形態を示す。これらの図面に示されているように、また別のねじ接続が示されている。しかしながら、この実施形態において、ねじ接続は、第一のねじ山部分901と第二のねじ山部分を有し、これらの部分は異なるねじ山構成を使用する。この構成は、2種類のねじ接続を利用して、電極601と陰極本体603との間の確実な接続を提供する。上述の接続と同様に、このタイプの構成は、同心性を改善し、その一方で、構成要素間の確実な嵌合が可能となる。これに加えて、このような接続構成は、構成要素間の連結の耐久性と接続性を増大させる。さらに詳細点が図10Bよび10Cに示されている。これらの図面に示されている電極と陰極は、本明細書に記載されている他の実施形態と同様の全体的構成と機能を有することができる。例えば、電極601は、図9に示されるように、発光性インサート(例えば、ハフニウム)を有する先端を有することができる。
0039
図10Bは、例示的な陰極本体603(先端部分だけが示されている)を示し、図10Cは電極601の例示的な上流端を示している。第一および第二のねじ山区間901/903は、1つのらせんねじ山を有する。しかしながら、それぞれの区間の各々にけるねじ山は異なる。例えば、それぞれの区間にけるねじ山数/インチは、異なる。一例として、いくつかの実施形態において、第一の区間901のねじ山は20〜28TPIの範囲内であり、第二の区間903のねじ山は16〜24 TPIの範囲内であり、第二の区間903のねじ山のTPIは、第一の区間901より小さい。ある例示的実施形態において、第一の区間901のTPIは24であり、第二の区間のTPIは20である。それぞれのねじ山のピッチとTPIは、それぞれの区間の各々においてそれぞれのねじ山がスムーズに係合するように選択するべきである。これが実現すれば、その結果、電極601を陰極本体の中に取り付ける際に結合する。
0040
さらに、いくつかの例示的実施形態において、ねじ山の断面形状は同じとすることができるが、他の実施形態では、それぞれのねじ山がことなる断面形状を有していてもよい。例えば、例示的実施形態において、第一の区間901のねじ山の(山頂から谷底までの)深さは、第二の区間903のねじ山より大きくすることができる。さらに、また別の例示的実施形態において、それぞれのねじ山の谷底の幅は異なっていてもよい。図の実施形態において、各部分のねじ山は円錐台形の断面形状を有し、それによってそれぞれの山頂と谷底は、応力が集中する鋭利な先端を持たない。
0041
さらに、図のように、第一の区間901の直径は第二の区間より小さい。陰極本体603では、図10Bおよび10Cに示されているように、それぞれの構成要素の各々について、それぞれの区間の各々が外形と谷の径を有する。本発明の例示的実施形態において、陰極603では、第一の区間の外径DM1の径(陰極の断面で測定)は、第二の区間の谷の径Dm2より小さい。いくつかの実施形態において、第一の区間の外径(DM1)の径は第二の部分の谷の径Dm2と同じである。同様に、電極601に関して、例示的実施形態において、第一の区間の外径DM1’の径は第二の区間の谷の径Dm2’より小さい。いくつかの例示的実施形態において、第二の区間の谷の径は、電極と陰極の各々において、そのそれぞれの区間の各々における外径より2〜6%の範囲内で大きい。他の例示的実施形態において、第二の区間の谷の径は、電極と陰極の各々において、それぞれの第一の区間の各々における外径より3〜5%の範囲内で大きい。参照のために、Dm1は陰極の第一の区間の外径であり、DM2は陰極の第二の区間の外径であり、Dm1’は電極の第一の区間の谷の径であり、DM2’は電極の第二の区間の外径である。これらは、それぞれの区間の各々で使用されるねじ山の選択された深さによって決まる。
0042
他の例示的実施形態において、上述の変形角ねじと真性角ねじのプロファイルの組合せは、隣接する男ねじ/女ねじ構成要素において利用される。真性角ねじ構成において、ねじ山の挟角Φ(上述のとおりであり、例えば図8参照)は0〜1°の範囲内である。すなわち、ねじ山の、山頂から壁または谷底からねじの壁への移行部におけるねじ山の断面は、直角または略直角である。他の例示的実施形態において、挟角は0度であり、谷底から壁および/または山頂から壁の移行部は直角である。すなわち、例示的実施形態において、本明細書に記載されるねじ接続のいくつかは、前述の挟角と形状を有する女ねじを有することができ、これに対応する男ねじは四角形を有する。他の例示的実施形態において、反対も真なりであり、ねじが上述の幾何学的特徴を有する場合、対応する女ねじは四角形である。これらの実施形態の何れにおいても、上述の利益を実験するために、上述の山頂と谷底の関係を保持できる。略角ねじ構成を利用する他の例示的実施形態において、挟角は0〜4度の範囲内であり、さらに別の実施形態において、略角ねじの挟角は0〜10度の範囲内である。また別の実施形態において、略角ねじの挟角は1〜8度の範囲内である。
0043
この代替的な関係は、本明細書に記載されている改良されたねじ接続を使って、上述の接続の多くについて利用できる。特定の例示的実施形態において、角ねじと変形角ねじの組合せの使用により、全体的な接触表面積が小さくなるため、接続容易さを改善できる。しかしながら、留意すべき点として、いくつかの実施形態において、このタイプの嵌合ねじの構成は、高電流の用途には望ましくないかもしれない。すなわち、ねじ部に高い電流が流れると(例えば、電極/電極ホルダ接続)このねじ山構成は、ねじ接触点における高い熱/電流集中の原因となりうる。それゆえ、いくつかの例示的実施形態において、これらの複合的なねじ山構成は、最大電流が150アンペア以下の用途に使用される。他の例示的実施形態において、この構成は、最大電流が65アンペア以下の実施形態において使用される。他の例示的実施形態において、このねじ接続方法は、電流が流れない、純粋に機械的接続にのみ使用される。少なくとも図6を参照すると、上述の接続は、例えば、キャップ605、ノズル保持キャップ609、および電極601の接続に使用できる。
0044
本願の主題を特定の実施形態に関して説明したが、当業者であれば、主題の範囲から逸脱することなく、各種の変更を加えてもよく、また等価物を代替させてもよいことがかるであろう。これに加えて、特定の状況または材料を主題の教示にあてはめるように多くの改変を加えてもよく、これもその範囲から逸脱しない。したがって、主題は開示されている特定の実施形態に限定されず、主題は本明細書に記載されている範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。
0045
300トーチ
301 トーチ本体
303陰極
305電極
305’ 先端
305’’ 溝部分
305’’’上流端部分
307陽極
314ノズル
320肩部分
322 溝
323,324山頂
325 傾斜面
327溝面
331 陰極の先端
332 肩部分
334溝山頂
335らせん溝
600 トーチ
601 電極
601’男ねじ
603 陰極
603’女ねじ
613 ノズル
631上流端
633 先端
635 開口部
637冷却空洞
DM1 第一の区間の外径
DM2 第二の区間の外径