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図面 (12)

課題

入射角が変化しても、消光比が大きく変化することがない偏光子を提供する。

解決手段

偏光子10は透明基板1と、透明基板1上の複数の細線2とを有する。所望数の細線2毎に単位細線領域2Aが形成され、各単位細線領域2A内において、細線2間の配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5は互いに異なる配置ピッチを含む。また、各単位細線領域2A内において細線2の幅d1、d2、d3、d4、d5は互いに異なる細線幅を含む。

概要

背景

一般に液晶表示装置に用いられる配向膜に対して配向処理を施すため、例えば紫外線偏光子を介して照射する露光処理が行なわれている。

このような露光処理に用いられる偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを選択的に通すように設計された部材である。従来の偏光子としては、樹脂フィルム延伸させた偏光フィルムがあるが、強い紫外線を照射した場合の耐久性に問題があった。

これに対し、耐久性に優れた偏光子として、複数の細線スペースを交互に並べたワイヤグリッド型偏光子が提案されている。ワイヤグリッド型偏光子では、細線に垂直に振動する電気ベクトルを持つような偏光成分(P波という)を透過し、細線に平行に振動する電気ベクトルを持つ偏光成分(S波という)を反射または吸収することにより、直線偏光を得ている。このようなワイヤグリッド型偏光子は、2光束干渉法、ワイヤーグリッドパターンのあるマスター版を用いて感光性レジスト光学的に転写するフォトリソグラフィ法凹凸のあるマスター版を用いるインプリント法等の様々な製法で製造されている。ただ、細線の微細化が求められている現在では、各マスター版は、電子線描画装置によって製造されている。

ところで、従来のワイヤグリッド型偏光子は、透明基板と、この透明基板上に互いに平行に設けられた複数の細線とを備えており、各細線の線幅配置ピッチは同一に定められている。

このような構成からなるワイヤグリッド型偏光子において、光の入射角が0度の場合(透明基板面に対し垂直入射の場合)、適度なP波透過率出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)および消光比(P波透過率/S波透過率)を得ることができるが、光の入射角が徐々に傾斜していくにつれて、透過率および消光比の双方が大きく変化し、透過率および消光比の角度依存性が顕著となる。

このように透過率および消光比が入射角によって大きく変化する場合、配向膜の場所に応じて異なる配向処理が施されることになり、配向膜の品質が低下してしまう。ここで、透過率の角度依存性によって偏光光強度分布の不均一を生じるが、このような不均一は光源の配置の調整等により軽減することが可能である。一方、消光比の角度依存性は、偏光素子が除去しようとしているS波成分の比率が変化している現象であり、透過率の角度依存性のように追加の手段で改善することは難しく、消光比の角度依存性そのものの改善が望まれている。

概要

入射角が変化しても、消光比が大きく変化することがない偏光子を提供する。偏光子10は透明基板1と、透明基板1上の複数の細線2とを有する。所望数の細線2毎に単位細線領域2Aが形成され、各単位細線領域2A内において、細線2間の配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5は互いに異なる配置ピッチを含む。また、各単位細線領域2A内において細線2の幅d1、d2、d3、d4、d5は互いに異なる細線幅を含む。

目的

一方、消光比の角度依存性は、偏光素子が除去しようとしているS波成分の比率が変化している現象であり、透過率の角度依存性のように追加の手段で改善することは難しく、消光比の角度依存性そのものの改善が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

透明基板と、この透明基板上に互いに平行に設けられた複数の細線とを備え、前記複数の細線は、所望数の細線毎に単位細線領域を形成し、各単位細線領域内において各細線間の配置ピッチは互いに異なる配置ピッチを含むことを特徴とする偏光子

請求項2

各単位細線領域は、互いに同一の領域幅を有することを特徴とする請求項1記載の偏光子。

請求項3

各単位細線領域内において、各細線間の配置ピッチは、各細線の幅を変化させることにより異なることを特徴とする請求項1または2記載の偏光子。

請求項4

各単位細線領域内において、各細線間の配置ピッチは各細線間の間隙の幅を変化させることにより異なることを特徴とする請求項1または2記載の偏光子。

技術分野

0001

本発明は、光の入射角が変化しても消光比が大きく変化することがない偏光子に関する。

背景技術

0002

一般に液晶表示装置に用いられる配向膜に対して配向処理を施すため、例えば紫外線を偏光子を介して照射する露光処理が行なわれている。

0003

このような露光処理に用いられる偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを選択的に通すように設計された部材である。従来の偏光子としては、樹脂フィルム延伸させた偏光フィルムがあるが、強い紫外線を照射した場合の耐久性に問題があった。

0004

これに対し、耐久性に優れた偏光子として、複数の細線スペースを交互に並べたワイヤグリッド型偏光子が提案されている。ワイヤグリッド型偏光子では、細線に垂直に振動する電気ベクトルを持つような偏光成分(P波という)を透過し、細線に平行に振動する電気ベクトルを持つ偏光成分(S波という)を反射または吸収することにより、直線偏光を得ている。このようなワイヤグリッド型偏光子は、2光束干渉法、ワイヤーグリッドパターンのあるマスター版を用いて感光性レジスト光学的に転写するフォトリソグラフィ法凹凸のあるマスター版を用いるインプリント法等の様々な製法で製造されている。ただ、細線の微細化が求められている現在では、各マスター版は、電子線描画装置によって製造されている。

0005

ところで、従来のワイヤグリッド型偏光子は、透明基板と、この透明基板上に互いに平行に設けられた複数の細線とを備えており、各細線の線幅配置ピッチは同一に定められている。

0006

このような構成からなるワイヤグリッド型偏光子において、光の入射角が0度の場合(透明基板面に対し垂直入射の場合)、適度なP波透過率出射光中のP波成分/入射光中のP波成分)および消光比(P波透過率/S波透過率)を得ることができるが、光の入射角が徐々に傾斜していくにつれて、透過率および消光比の双方が大きく変化し、透過率および消光比の角度依存性が顕著となる。

0007

このように透過率および消光比が入射角によって大きく変化する場合、配向膜の場所に応じて異なる配向処理が施されることになり、配向膜の品質が低下してしまう。ここで、透過率の角度依存性によって偏光光強度分布の不均一を生じるが、このような不均一は光源の配置の調整等により軽減することが可能である。一方、消光比の角度依存性は、偏光素子が除去しようとしているS波成分の比率が変化している現象であり、透過率の角度依存性のように追加の手段で改善することは難しく、消光比の角度依存性そのものの改善が望まれている。

先行技術

0008

特開2009−265290号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、入射角が変化しても消光比が大きく変化することがない偏光子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、透明基板と、この透明基板上に互いに平行に設けられた複数の細線とを備え、前記複数の細線は、所望数の細線毎に単位細線領域を形成し、各単位細線領域内において各細線間の配置ピッチが互いに異なる細線を含むことを特徴とする偏光子である。

0011

本発明は、各単位細線領域は、互いに同一の領域幅を有することを特徴とする偏光子である。

0012

本発明は、各単位細線領域内において、各細線間の配置ピッチは、各細線の幅を変化させることにより異なることを特徴とする偏光子である。

0013

本発明は、各単位細線領域内において、各細線間の配置ピッチは各、細線間の間隙の幅を変化させることにより異なることを特徴とする偏光子である。

発明の効果

0014

以上のように本発明によれば、入射角が変化しても、消光比が大きく変化することがない偏光子を得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

図1(a)は本発明による偏光子を示す斜視図、図1(b)はその平面図、図1(c)はその断面図である。
図2は本発明による偏光領域遮光膜をもつ偏光子の一部分を示す平面図。
図3は本発明による偏光子を示す側断面図。
図4(a)〜(d)は偏光子の製造方法を示す図。
図5(a)〜(d)は偏光子の製造方法を示す図。
図6は偏光子の細線パターン電子線照射する方法を模式的に示す図。
図7は偏光子の細線パターンを電子線照射する方法を示す全体構成図。
図8は偏光子の細線の形状と消光比の入射角による変化を示す図表
図9は入射角に対するP波透過率の変化を示す図。
図10は入射角に対する消光比の変化を示す図。
図11は偏光子の細線パターンを電子線照射する変形例による描画方法を示す図。

実施例

0016

<偏光子>
以下、本発明の実施の形態に係る偏光子について説明する。

0017

本発明に係る偏光子は、透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線が並列に配置された偏光子であって、前記細線が配置された偏光領域の外側に、前記紫外光遮光する遮光膜が形成されている(遮光帯ともいう)。偏光子は実用上遮光帯を有することが好ましいが、遮光帯を有しなくても偏光子として機能し、本発明の偏光子である。

0018

図1(a)(b)(c)乃至図3は、本発明に係る偏光子の一例を示す図であり、このうち図1(a)は本発明による偏光子を示す斜視図、図1(b)はその平面図、図1(c)はその断面図、図2は本発明による偏光領域と遮光膜をもつ偏光子を示す平面図、図3は本発明による偏光子を示す側断面図である。

0019

図1乃至図3に示すように、偏光子10は、透明基板1と、透明基板1上に互いに平行に設けられた複数本の細線2とを有している。複数の細線2は偏光領域3を構成し、この偏光領域3の外周には、遮光膜4が形成されている。

0020

このような構成を有するため、偏光子10においては、遮光膜4が形成されている領域を挟持することができる。

0021

すなわち、偏光子10においては、細線2が形成されている領域(偏光領域3)を挟持することなく、偏光子10を光配向装置に固定することができ、それゆえ、挟持した部分から細線2の破損を連鎖的に引き起こしてしまうという不具合や、破損した細線部分から異物が発生してしまうという不具合を解消することができる。

0022

また、上記のように、細線2が配置された偏光領域3の外周には、遮光膜4が形成されているため、偏光子10においては、偏光領域3の外側の領域から、入射光、特に入射光のS波成分が透過してしまうことを抑制でき、消光比が大きく低下してしまうという不具合を抑制することができる。

0023

以下、本発明に係る偏光子の各構成について詳細に説明する。

0024

(透明基板)
透明基板1としては、細線2を安定的に支持することができ、紫外光透過性に優れたものであり、露光光による劣化の少ないものとすることができるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、光学研磨された合成石英ガラス蛍石フッ化カルシウムなどを用いることができるが、中でも合成石英ガラスを好ましく用いることができる。品質が安定しており、また、短波長の光、すなわち、高エネルギーの露光光を用いた場合であっても劣化が少ないからである。

0025

透明基板1の厚みとしては、偏光子10の用途やサイズ等に応じて適宜選択することができる。

0026

(細線)
細線2は、偏光子10において、例えば波長365nmをもつ短波長の入射光のP波成分を効率良く透過し、入射光のS波成分の透過率を低く抑える作用を奏するものであり、透明基板1の上に直線状に複数形成され、かつ、平行に配置されるものである。

0027

細線2を構成する材料は、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウムチタンモリブデンシリコンクロムタンタルルテニウムニオブハフニウムニッケル、金、銀、白金パラジウムロジウムコバルトマンガン、鉄、インジウム等の金属や合金、および、これらの酸化物、窒化物、または酸窒化物のいずれかを含有する材料を挙げることができる。中でも、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されていることが好ましい。

0028

紫外線領域の短波長においても、消光比およびP波透過率を優れたものとすることができ、耐熱性耐光性にも優れるからである。モリブデンシリサイド系材料に含まれるモリブデン(Mo)、シリコン(Si)および窒素(N)酸素(O)などの元素含有量によって、紫外線領域における屈折率および消衰係数の値を調節することが可能であるからである。また、紫外線領域の光に対する耐光性も良好で、紫外線領域の偏光子の材料として適している。

0029

モリブデンシリサイドを含有する材料としては、例えば、モリブデンシリサイド(MoSi)、モリブデンシリサイド酸化物(MoSiO)、モリブデンシリサイド窒化物(MoSiN)、モリブデンシリサイド酸化窒化物(MoSiON)等を挙げることができる。

0030

なお、細線2は、複数種の材料から構成されていてもよく、また、材料が異なる複数層から構成されていても良い。

0031

図3に示すように、細線2の厚みtとしては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、60nm以上であることが好ましく、なかでも60nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、特に80nm〜140nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲であることにより、消光比およびP波透過率を優れたものとすることができるからである。

0032

なお、上記細線の厚みは、断面視において、細線の長手方向および幅方向に垂直な方向の厚みのうち最大の厚みをいうものであり、細線が複数層から構成される場合には、全ての層を含む厚みをいうものである。

0033

また、上記細線の厚みは一の偏光子内に異なる厚みのものを含むものであっても良いが、通常、同一の厚みで形成される。

0034

細線2の本数および長さとしては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、偏光子10の用途等に応じて適宜設定されるものである。

0035

また図3に示すように、細線2の配置ピッチ(以下、ピッチともいう)P1、P2、P3、P4、P5としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、直線偏光の生成に用いる光の波長等に応じて異なるものであるが、例えば、60nm以上140nm以下の範囲内とすることができ、なかでも80nm以上120nm以下の範囲内であることが好ましく、特に90nm以上110nm以下の範囲内であることが好ましい。上記ピッチであることにより、消光比およびP波透過率に優れたものとすることができるからである。

0036

なお、上記細線のピッチP1、P2、P3、P4、P5は、幅方向に隣接する各細線間の配置ピッチをいうものであり、細線が複数層から構成される場合には、全ての層を含めて求めたピッチをいうものである。

0037

また、上記細線のピッチP1、P2、P3、P4、P5は一の単位細線領域内に異なるピッチのものを含む。また細線2は各々の幅d1、d2、d3、d4、d5をもつ。i番目の細線2のピッチPiと細線2の幅diが決まると細線と隣接する次の細線との間隙の幅siが細線のピッチPiと細線の幅diの差として決まる。ここでピッチPiはi番目の細線とi+1番目の細線の配置のピッチであり、細線の幅diはi番目の細線の幅、間隙の幅siはi番目の細線とi+1番目の細線の間隙の幅である。

0038

上記細線のデューティー比、すなわち、細線のピッチに対する細線の幅の比(幅/ピッチ)としては、所望の消光比およびP波透過率を得ることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、0.2以上0.6以下の範囲内とすることができ、なかでも0.25以上0.45以下の範囲内であることが好ましい。上記デューティー比であることにより、高いP波透過率を有したまま消光比に優れた偏光子とすることができ、さらに細線加工を容易にすることができるからである。

0039

なお、上記細線の幅は、平面視において、細線の長手方向に垂直方向の長さをいうものであり、細線が複数層から構成される場合には、全ての層を含む幅(すなわち最大の幅)をいうものである。

0040

また、上記細線の幅は一の偏光子内に異なる幅のものを含む。

0041

(偏光領域)
偏光領域3は、多数の細線が配置された領域であり、図2および図3に示す偏光子10においては、遮光膜4によって周りを囲まれている。また、遮光膜4によって規定された領域が入射光が透過する領域であり、図2および図3に示す偏光子10においては、入射光が透過する領域と偏光領域3が平面視で一致している。

0042

本発明において、入射光が透過する領域を、偏光領域3よりも大きな領域とすることも可能である。より具体的には、細線2が、その長手方向において遮光膜4に接続していない形態であっても良い。

0043

また、細線2の配列方向(平面視において、細線2の長手方向に垂直な方向)において、末端の細線2と遮光膜4との間隔は、細線2同士の間隔siよりも大きなサイズであってもよい。

0044

しかしながら、高い消光比を得るためには、細線2は、その長手方向において遮光膜4に接続している形態であることが好ましい。偏光領域3の外側の細線2が存在しない領域、すなわち、入射光が透過するが偏光されない領域を、より小さくすることができ、入射光のS波成分が透過してしまうことを、より抑制できるからである。

0045

また、細線2の配列方向における末端の細線2と遮光膜4との間隔は、細線2同士の間隔と同じ大きさであることが好ましい。

0046

本発明においては、例えば、細線2を形成する工程と遮光膜4を形成する工程を同一工程にすることで、遮光膜4と細線2の位置関係を精度良く作製でき、遮光膜4のエッジの方向と細線2の方向を高精度に平行、または垂直に作製することができる。

0047

なお、上記のように、遮光膜4に細線2が接続している形態であれば、偏光子に照射される光により細線2に蓄積する熱を遮光膜4に分散させることや、帯電防止の効果を奏することもできる。

0048

また、遮光膜4に細線2が接続している形態であれば、偏光子10の製造工程において、細線2を形成するための細いレジストパターン(細線パターン)を、遮光膜4を形成するための大面積のレジストパターン(遮光膜パターン)に接続させることができ、細線2を形成するための細いレジストパターン(細線パターン)が製造工程中で倒壊したり、剥離したりする不具合を、抑制することもできる。

0049

(遮光膜)
遮光膜4は、偏光領域3の外側に形成され、入射光、特に入射光のS波成分が透過してしまうことを抑制するものである。

0050

本発明において、遮光膜4は、240nm以上380nm以下の波長の紫外光に対し、光学濃度が2.8以上の遮光性を有することが好ましい。

0051

光配向膜配向規制力を付与するために照射される紫外光の波長範囲で、遮光膜4が高い遮光性を有することにより、消光比に優れた偏光子を提供することができるからである。

0052

遮光膜4を構成する材料は、所望の光学濃度を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、チタン、モリブデン、シリコン、クロム、タンタル、ルテニウム、ニオブ、ハフニウム、ニッケル、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、コバルト、マンガン、鉄、インジウム等の金属や合金、および、これらの酸化物、窒化物、または酸窒化物のいずれかを含有する材料を挙げることができる。中でも、モリブデンシリサイドを含有する材料を好適に挙げることができる。

0053

遮光膜4を構成する材料が、モリブデンシリサイドを含有する材料から構成されている場合、遮光膜4の厚みが60nm以上であれば、240nm以上380nm以下の波長の紫外光に対し、光学濃度が2.8以上の遮光性を有することができるからである。

0054

なお、遮光膜4は、複数種の材料から構成されていてもよく、また、材料が異なる複数層から構成されていても良い。

0055

また、遮光膜4を構成する材料は、細線2を構成する材料を含有することが好ましい。

0056

遮光膜4を構成する材料が細線2を構成する材料を含有する場合、細線2を形成する工程で使用する装置や材料を、遮光膜4を形成する工程にも使用することができ、製造コストの削減になるからである。さらに、細線2を形成する工程と遮光膜4を形成する工程を同一工程にすることで、細線2と遮光膜4の相対位置精度を向上させることもできる。

0057

さらに、遮光膜4を構成する材料と細線2を構成する材料が、いずれもモリブデンシリサイドを含有する材料から構成されている場合は、遮光膜4において高い遮光性を有し、かつ、消光比およびP波透過率に優れた偏光子とすることができる。

0058

次に図1乃至図3により、偏光子10の細線2の形状について更に述べる。

0059

偏光子10は、上述のように透明基板1と、透明基板1上に設けられた複数の細線2とを備えており、このうち細線2は所望数、例えば5本毎に単位細線領域2A、2Aを形成している。ただし、単位細線領域2A内に含まれる細線2の本数は5本に限られるものではなく、製造上の条件などにより適宜定めることができる。

0060

そして各単位細線領域2A、2Aは、互いに同一の領域幅PL、PLを有している。

0061

また各単位細線領域2A、2A内において、各細線2、2間の配置ピッチ(単にピッチともいう)P1、P2、P3、P4、P5は後述のように互いに相違している。例えば、図3において、細線2、2間の間隙s1、s2、s3、s4、s5の幅を変化させることによって配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5を相違させてもよい。あるいは、図3において、細線2、2の幅d1、d2、d3、d4、d5を変化させることによって配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5を相違させてもよい。さらに細線の間隙s1、s2、s3、s4、s5および細線の幅d1、d2、d3、d4、d5の両者を同時に変化させることにより配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5を相違させてもよい。ここで、特別な例として細線の間隙siの増減と細線の幅diの増減が相殺するように設定すればピッチPiは見かけ上一定で、P1、P2、P3、P4、P5は相違していない設定となるが、本願ではこのような特別な例は、例外としてピッチが相違しているとする。つまり、本願でピッチが一定で相違していないとは、細線の幅diと細線の間隙siがそれぞれ一定で相違していない場合を意味している。

0062

いずれにしても偏光子10の細線2の配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が互いに異なることにより、入射角が変わっても光の消光比が大きく変化することはない。

0063

この理由としては、細線2の配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が同一の場合、入射光に対する光学特性が単一の周期構造によって実現されることで急峻な特性を示す(例えば回折格子分光特性は角度依存性が顕著である)ため、入射光の消光比は角度依存性が大きくなり、入射角の変化に応じて消光比が大きく変わってしまうことが推測される。

0064

他方、細線2の配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が異なる場合、入射光に対しそれぞれ異なるピッチに対応した異なる光学特性が加算されて平均化した光学特性となるため、入射光の消光比は、角度依存性が小さくなり、入射光の変化に応じて大きく変わることはないと推測される。

0065

ところで、図1乃至図3に示すように、5本の細線2から構成された単位細線領域2Aは、互いに同一の領域幅PLを有している。このような単位細線領域2Aのパターンを領域幅PLだけ移動と露光を繰り返してパターン形成することで、所定の光学特性を有する必要なサイズのワイヤーグリッド偏光子10をパターン形成することができる。

0066

このため、細線2の幅diと細線2の間隙siの組み合わせ、もしくは細線2の幅diと細線2のピッチPiの組み合わせを単位細線領域2Aの範囲で決定すれば、ワイヤグリッド偏光子10全体の細線2のパターンが決定される。

0067

次に図8乃至図10を用いて、偏光子10の細線2の具体的な形状とその光学特性、特に消光比の角度依存性について説明する。

0068

偏光子として、図8の表に示すような偏光子A〜Gを用意した。次に偏光子A〜Gに対して365nmの波長をもつ入射光を、入射角を0度から60度まで変化させて照射した場合のP波透過率及び消光比の変化を電磁界シミュレーションによって求め、P波透過率および消光比の角度依存性を確認した(図9および図10)。電磁界シミュレーションは厳密結合波理論(RCWA法(Rigorous Coupled Wave Analysys)とも言う)に基づくシミュレーンモデルを作成してP波透過率、S波透過率を求め、消光比を求めた。厳密結合波理論(RCWA法)については、例えば「回折光学素子数値解析とその応用」(丸善出版、小子監修)に記載されている。

0069

図9は、入射光の入射角が0度から60度まで変化したときのP波透過率の変化を示すグラフであり、入射角度が大きくなるにしたがってP波透過率が減少する傾向をしめしている。図10は、入射光の入射角が0度から60度まで変化したときの消光比の変化を示すグラフであり、入射角度が大きくなるにしたがって消光比が大きくなる傾向を示している。曲線AからGは、今回評価したワイヤーグリッド偏光子AからGに対応したP波透過率の変化を示している。

0070

図8の表には、今回評価したワイヤーグリッド偏光子の各部の寸法と電磁界シミュレーションによる消光比の計算結果を記載している。偏光子Aは、細線幅、細線間隙とも一定(従って細線ピッチも一定)の従来例である。偏光子B、C、Dは、細線幅は一定で細線間隙siを変化させた実施例である。偏光子F、Gは、細線間隙は一定で細線幅diを変化させた実施例である。偏光子Eは細線幅di、細線間隙siの両者を変化させた実施例である。

0071

図8の表では、消光比の角度依存性を評価するため、入射角0度(ワイヤーグリッド偏光子に対し垂直入射)の場合の消光比と、入射角60度の場合の消光比の差の絶対値を入射角0度の消光比で割った値をパーセント表示した値を「消光比変化率」と定義して求めた。消光比変化率が小さいほど、消光比の角度依存性が少ない。以下で、ワイヤグリッド偏光子の細線の幅や細線の間隙を変化させた場合の消光比変化率について調べる。

0072

偏光子Aは従来の設計に基づくワイヤーグリッド偏光子であり、細線2の配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が同一の100nmとなっており、細線2の幅も同一の30nmとなっている。従って、細線2間の間隙も70nmと一定である。偏光子A(従来例)の消光比変化率は48.4%であった。

0073

偏光子Bは実施例であり、細線2間の間隙が70〜74nmに変化し、細線2の幅が30nmに固定されて、配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が100〜104nmに変化している。偏光子Bの消光比変化率は40.2%であり、従来例より8.2%消光比変化率が減少し、角度依存性が改善されている(すなわち、角度依存性が少ない)。

0074

偏光子Cは実施例であり、細線2間の間隙が71〜75nmに変化し、細線2の幅が30nmに固定されて、配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が101〜105nmに変化している。偏光子Cの消光比変化率は36.5%であり、従来例より11.5%消光比変化率が減少し、角度依存性がより改善されている。

0075

偏光子Dは実施例であり、細線2間の間隙が70〜78nmに変化し、細線2の幅が30nmに固定されて、配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が100〜108nmに変化している。偏光子Dの消光比変化率は32.4%であり、従来例より16%消光比変化率が減少し、角度依存性がさらに改善されている。

0076

偏光子Eは実施例であり、細線2間の間隙が70〜74nmに変化し、細線2の幅が30〜34nmに変化して、配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が100〜108nmに変化している。偏光子Eの消光比変化率は25.6%であり、従来例より22.8%消光比変化率が減少し、角度依存性が良好に改善されている。

0077

偏光子Fは実施例であり、細線2間の間隙が70nmに固定され、細線2の幅が30〜34nmに変化して、配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が100〜104nmに変化している。偏光子Fの消光比変化率は33.2%であり、従来例より15.4%消光比変化率が減少し、角度依存性が偏光子Dと同程度に改善されている。

0078

偏光子Gは実施例であり、細線2間の間隙が70nmに固定され、細線2の幅が30〜38nmに変化して配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が100〜108nmに変化している。偏光子Gの消光比変化率は20.0%であり、従来例より28.4%消光比変化率が減少し、角度依存性は今回シミュレーションした実施例の中では最も良好に改善されている。

0079

なお、いずれの偏光子A〜Gも、各々固有の単位細線領域の領域幅PLを有している。この場合、偏光子A〜Gの単位細線領域2Aの領域幅PLは、各々500nm、510nm、515nm、520nm、520nm、510nm、520nmとなっている。

0080

図10に示すように、細線の配置ピッチが異なる偏光子B〜Gは、細線の配置ピッチが同一で細線幅も同一の従来の偏光子Aに比べて、入射光の入射角が変化しても、消光比の変化は小さく、このため偏光子B〜Gは消光比の角度依存性が小さくなり改善されていることが判明した。

0081

とりわけ、細線幅を変化させた偏光子E、偏光子F、偏光子Gは、細線間隙のみを変化させた偏光子B、偏光子C、偏光子Dより消光比の角度依存性が小さいことが判明した。一方、細線幅のみを変化させた偏光子F、偏光子Gは、消光比の角度依存性は減少させるが、同時にP波透過率が低下する傾向が顕著となる。これに対し、偏光子Eは細線幅、細線間隙の両者を変化させており、消光比の角度依存性を偏光子F、Gと同程度に改善するとともに、P波透過率の低下については、偏光子F、Gに比較し軽減でき、ワイヤグリッド偏光子設計上有利である。

0082

<偏光子の製造方法>
次に、本発明に係る偏光子の製造方法について説明する。

0083

本発明に係る偏光子の製造方法は、透過性を有する透明基板の上に、複数本の細線、および、紫外光を遮光する遮光膜を有する偏光子の製造方法であって、前記透明基板の上に細線用材料層を形成した積層体を準備する工程と、前記細線用材料層の上にレジスト層を形成する工程と、細線パターンと遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成する工程と、前記レジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記積層体をエッチング加工する工程と、を備えるものである。

0084

本発明においては、細線パターンと遮光膜パターンを有するレジストパターンを形成し、エッチングする、細線2を形成する工程と遮光膜4を形成する工程を同一工程にすることで、製造工程を短縮することができ、かつ、細線2と遮光膜4の相対位置精度を向上させることができる。

0085

また、細線2と遮光膜4を、同じ材料から構成することで、製造コストを低く抑えることもできる。

0086

図4および図5は、本発明に係る偏光子の製造方法の一例を示す概略工程図である。

0087

例えば、本発明に係る偏光子の製造方法を用いて偏光子10を製造するには、図4(a)に示すように、まず、透明基板1の上に、細線2および遮光膜4を構成する材料からなる偏光材料層(細線用材料層)31、および、偏光材料層31をエッチング加工する際のハードマスクとして作用するハードマスク材料層32を、順次形成した積層体1Aを準備する。

0088

次に、積層体1A上に、レジスト成膜装置においてレジスト層33を形成し(図4(b))、電子線照射装置において電子線40を照射し(図4(c))、現像装置にて現像を施して、細線パターン34aと遮光膜パターン34bを有するレジストパターン34を形成する(図4(d))。

0089

本発明においては、後述のように例えば、半導体リソグラフィフォトマスクの製造に用いられる電子線描画装置を用いて、細線パターン34aと遮光膜パターン34b、さらに上記のアライメントマーク等を同一工程で作製することで、電子線描画装置の高精度な位置精度管理下でそれらの相対位置を制御できる。

0090

次に、エッチング装置において、レジストパターン34をエッチングマスクに用いてハードマスク材料層32をエッチング加工して、ハードマスクパターン32Pを形成する(図5(e))。例えば、ハードマスク材料層32の材料にクロムを用いた場合には、塩素と酸素の混合ガスを用いたドライエッチングにより、ハードマスクパターン32Pを形成することができる。

0091

次に、エッチング装置において、レジストパターン34およびハードマスクパターン32Pをエッチングマスクに用いて、偏光材料層31をエッチング加工して、細線2と遮光膜4を有する偏光材料パターン31Pを形成する(図5(f))。例えば、偏光材料層31の材料にモリブデンシリサイドを用いた場合には、SFガスを用いたドライエッチングにより、偏光材料パターン31Pを形成することができる。

0092

次に、剥離装置において、レジストパターン34を除去し(図5(g))、次いで、ハードマスクパターン32Pを除去して、透明基板1の上に、複数本の細線2と遮光膜4を有する偏光子10を得る(図5(h))。

0093

なお、図4および図5に示す例においては省略しているが、本発明においては、大面積の透明基板1上に複数本の細線2と遮光膜4を形成し、その後、細線2が配置された偏光領域3の外側を切断して、所望のサイズおよび形態に切り出した偏光子10を得ても良い。

0094

また、上記においては、レジストパターン34を残した状態で偏光材料層31をエッチング加工しているが、本発明においては、図5(e)に示すハードマスクパターン32Pを形成する工程の後、レジストパターン34を除去し、ハードマスクパターン32Pのみをエッチングマスクに用いて偏光材料層31をエッチング加工して偏光材料パターン31Pを形成してもよい。

0095

また、上記においては、得られる偏光子10として、ハードマスクパターン32Pを除去した形態について説明したが、本発明においては、必要に応じてハードマスクパターン32Pを全面又は部分的に残しておいても良い。

0096

例えば、図5(g)に示す形態のように、ハードマスクパターン32Pを全面に残した形態を、最終的に得られる偏光子の形態としてもよい。この場合、ハードマスクパターン32Pを除去する工程を省くことができ、工程短縮の効果を奏することができる。

0097

また、上記においては、偏光材料層31の上にハードマスク材料層32を設ける形態について説明したが、本発明においては、ハードマスク材料層32を設けずに、偏光材料層31の上にレジスト層33を形成し、レジストパターン34をエッチングマスクに用いて偏光材料層31をエッチング加工して、細線2と遮光膜4を有する偏光材料パターン31Pを形成してもよい。

0098

電子線照射方法
ここで、上記の図4(c)で示したレジストパターン34の形成に用いる方法は、所望の細線パターン34aと遮光膜パターン34bを有するレジストパターン34を形成することができる方法であれば用いることができるが、中でも、電子線を照射する方法が好ましい。

0099

電子線を照射する方法によるレジストパターン形成は、半導体用のフォトマスク製造等で実績があり、例えば、ピッチが60nm以上140nm以下の範囲の細線パターンを、所望の領域に精度良く形成することができるからである。また、細線パターン34aと遮光膜パターン34bの相対位置精度も、半導体用のフォトマスク製造に求められる、ナノメートルレベルの精度とすることができるからである。

0100

また、本発明においては、レジスト層33が、ポジ型電子線レジストから構成されており、細線パターン34aと遮光膜パターン34bを有するレジストパターン34を形成する工程が、所望の細線と所望の遮光膜が形成される位置以外のレジスト層33に電子線を照射する工程であることが好ましい。

0101

より具体的には、細線パターン34aがラインアンドスペースパターンを構成しており、上記のラインアンドスペースパターンのスペースパターン部となる位置のレジスト層33に電子線を照射する工程であることが好ましい。

0102

上記の位置に電子線を照射する方法であれば、電子線を照射する面積を小さくすることができ、電子線照射工程の時問を短くすることができるからである。

0103

上記について、より詳しく説明する。

0104

例えば、図3に示すように、偏光子10の細線2の幅が、細線2のピッチの半分の大きさである場合、ネガ型の電子線レジストを用いて、偏光子10の細線パターンと遮光膜パターンを得ようとする場合、電子線照射する面積は、細線2全てを合わせた面積に遮光膜4の面積を加えた面積となる。

0105

一方、ポジ型の電子線レジストを用いた場合、電子線照射する面積は、細線2のスペース部分(間隙部分)の全てを合わせた面積、すなわち、概ね、細線2全てを合わせた面積で済み、遮光膜4の面積を照射する時問を削減できる。

0106

次に図6および図7により電子線照射方法について更に説明する。図6および図7に示すように、レジスト層33に細線パターン34aと遮光膜パターン34bとを有するレジストパターン34を形成するため、電子線照射装置を用いた電子線照射方法が使用される。

0107

このような電子線照射装置11は、図6および図7に示すように、電子線40を生成する電子銃12と、電子銃12から生成された電子線40を通過させる矩形状開口13aをもつ第1アパーチャ13と、第1アパーチャ13を通過した電子線40を偏向させる第1偏向器14と、第1偏向器14により偏向された電子線40を通過させる複数の線状開口15aをもつ第2アパーチャ15と、第2アパーチャ15を通過した電子線40を偏向させ、偏向した電子線40を、上述した積層体1Aの偏光材料層31上に設けられたレジスト層33に照射する第2偏向器16とを備えている。

0108

このうち第1アパーチャ13は、単一の矩形状の開口13aをもち、第2アパーチャ15は、複数の線状開口15aと、線状開口15a間の線状マスク15bとを有する。

0109

一般に電子銃12から生成された電子線40は、その中心付近エネルギが大きく、周縁付近のエネルギは小さくなっている。

0110

このため電子銃12から生成された電子線40が矩形状の開口13aをもつ第1アパーチャ13を通過することにより、電子線40のうち、エネルギが大きい中心付近の電子線40のみを使用することができる。

0111

次に第1アパーチャ13を通過した電子線40が複数の線状開口15aを有する第2アパーチャ15を通過することにより、第2アパーチャ15により複数の線状電子線40aを得ることができ、このようにして得られた線状電子線40aを積層体1A上に設けられたレジスト層33に照射することができる。

0112

次にこのような構成からなる電子線照射装置11を用いた電子線照射方法について説明する。

0113

図6および図7に示すように、電子銃12から生成された電子線40は第1アパーチャ13の矩形状の開口13aを通過し、電子線40のうちエネルギの大きな中心付近の電子線40のみが選択される。

0114

次に第1アパーチャ13を通過した電子線40は第1偏向器14によって偏向されて第2アパーチャ15に入る。次に電子線40は第2アパーチャ15の線状開口15aを通過し、複数の線状電子線40aを形成する。次に線状電子線40aは第2偏向器16を経て偏向され、積層体1A上に設けられたレジスト層33に対して照射される。

0115

この際、線状電子線40aは、レジスト層33にショット毎に照射され、ショット毎に照射された線状電子線40aは、レジスト層33上において、所定の数の線状電子線40aを含む矩形状の電子線の単位領域40Aを形成する。

0116

この場合、電子線の単位領域40Aに含まれる線状電子線40aは、レジスト層33の電子レジストの型によって、細線2または細線2間のスペースに対応する。

0117

図6において、レジスト層33に形成された電子線の単位領域40に含まれる線状電子線40aは、偏光子10の細線2に対応して示されている。

0118

以上のように、本実施の形態によれば、偏光子10の細線2の配置ピッチP1、P2、P3、P4、P5が互いに異なるため、入射角が変化しても、消光比が大きく変化することはない。一般に、所定位置点光源から発した光を偏光子10を介して配向膜に照射する場合、配向膜の場所によって偏光子への入射光の入射角が変化することになるが、上述のように、入射角が変化しても消光比が大きく変化することはないので、特定の場所によらず配向膜全域に渡って均一性が改善された配向処理を施すことができる。このことにより、配向膜に対して精度良く配向処理を施すことができる。

0119

<本発明の変形例>
次に本発明の変形例について説明する。上記実施の形態において、電子線照射装置11として図6および図7に示すものを示したが、これに限らず電子線照射装置として図11(a)(b)に示す電子線照射装置11を用いてもよい。

0120

このような電子線照射装置11は、図11(a)(b)に示すように、電子線40を生成する電子銃12と、第1集光器17と、電子銃12から生成された電子線40を通過させる矩形状開口13aをもつ第1アパーチャ13と、第1アパーチャ13を通過した電子線40を偏向させる第1偏向器14と、第1偏向器14により偏向された第2集光器18により集光された電子線40を通過させる矩形状開口15cをもつ第2アパーチャ15と、第2アパーチャ15を通過した点状電子線40bを偏向させ、偏向した電子線40を、上述した積層体1Aの偏光材料層31上に設けられたレジスト層33に第3集光器19を介して照射する第2偏向器16とを備えている。

0121

このうち第1アパーチャ13は、矩形状開口13aをもち、第2アパーチャ15は、矩形状開口15cを有する。

0122

一般に電子銃12から生成された電子線40は、その中心付近のエネルギが大きく、周縁付近のエネルギは小さくなっている。

0123

このため電子銃12から生成された電子線40が矩形状の開口13aをもつ第1アパーチャ13を通過することにより、電子線40のうち、エネルギが大きい中心付近の電子線40のみを使用することができる。

0124

次に第1アパーチャ13の矩形状開口13aを通過した電子線40が第2アパーチャ15の矩形状開口15cの隅部を通過することにより、第2アパーチャ15により点状電子線40aを得ることができ、このようにして得られた点状電子線(正確には、微小な矩形状に整形された電子線)40bを積層体1A上に設けられたレジスト層33に照射することができる。すなわち、図11(a)(b)に示すように、第1アパーチャ13の矩形状開口13aと第2アパーチャ15の矩形状開口15cは互いにその隅部で重なる関係をもち、このため矩形状開口13aの隅部と矩形状開口15cの隅部により、点状の電子線40bを得ることができる。

0125

次にこのような構成からなる電子線照射装置11を用いた電子線照射方法について説明する。

0126

図11(a)(b)に示すように、電子銃12から生成された電子線40は第1集光器17を通り、第1アパーチャ13の矩形状の開口13aを通過して、電子線40のうちエネルギの大きな中心付近の電子線40のみが選択される。

0127

次に第1アパーチャ13を通過した電子線40は第1偏向器14によって偏向され、第2集光器18を通り第2アパーチャ15に入る。次に電子線40は第2アパーチャ15の矩形状開口15cの隅部を通過し、点状の電子線40bを形成する。次に点状電子線40bは第2偏向器16および第3集光器19を経て偏向され、積層体1A上に設けられたレジスト層33に対して照射される。

0128

この際、点状電子線40bは第2偏向器16および第3集光器19により積層体1A上を走行し、このことによりレジスト層33上に電子描画方式により所望のパターン、すなわち細線2または細線2間の間隙に対応するパターンを形成することができる。このような点状電子線40bを用いたパターン形成方法を用いれば、製造上、単位細線領域2A としてあらかじめ用意した細線2のピッチを変化させた露光パターンを用い、繰り返し露光により偏光領域3全体を露光する必要が無い。すなわち、点状電子線40bを用いた電子描画方式によるパターン形成方法を用いる場合は、細線2のピッチを一定の値の範囲内でランダムに変化させたパターンを点状電子線40bで描画することで、単位細線領域2Aによるパターンの繰り返し露光による場合と同様に、消光比の角度依存性を低減する効果を有する偏光子を得ることができる。このような実施形態は、単位細線領域2Aのサイズが偏光領域3と一致した場合であるが、細線2のピッチを変化させたパターンで偏光子を形成しており、本願の権利の範囲内である。

0129

更にまた、レジスト層33にレジストパターン34を電子線照射方式により形成した例を示したが、これに限らず、凹凸パターンが形成された柔軟なモールドを用いて、レジスト層33にモールドの凹凸パターンを転写するナイインプリント方式を用いてレジスト層33にレジストパターンを形成してもよい。

0130

1 透明基板
1A積層体
2細線
2A 単位細線領域
3偏光領域
4遮光膜
10偏光子
11電子線照射装置
12電子銃
13 第1アパーチャ
13a矩形状開口
14 第1偏向器
15 第2アパーチャ
15a線状開口
15b線状マスク
15c 矩形状開口
16 第2偏向器
40電子線
40a 線状電子線
40b 点状電子線

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