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技術 アクチュエータシステム

出願人 住友重機械工業株式会社
発明者 篠平大輔永井裕士柳川敦志稲田明彦
出願日 2016年6月2日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2016-110927
公開日 2017年3月2日 (4年10ヶ月経過) 公開番号 2017-044333
状態 特許登録済
技術分野 流体圧回路(1)
主要キーワード 進行移動 三流路 制御流路 ノズルフラッパ マニホールドブロック 目標推力 退行移動 性能ばらつき
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制する。

解決手段

流体が供給されることにより推力を発生するシリンダ10を備えたアクチュエータシステム1であって、供給部40からの流体の供給量を制御するサーボ弁20が設けられ、流体をシリンダ10に供給する制御流路31と、制御流路31と並列に接続され、制御流路31からシリンダ10に供給される流体の供給量を補う補填流路32と、を備える。

概要

背景

従来、例えば、特許文献1に示すように、精密位置決め装置等に用いられるアクチュエータシステムとして、流体が供給されることにより推力を発生する流体圧アクチュエータを備えたシステムが知られている。このアクチュエータシステムでは、流体圧アクチュエータに対してサーボ弁を介して流体を供給している。

概要

小型化をりつつ得られる推力の低下を抑制する。流体が供給されることにより推力を発生するシリンダ10を備えたアクチュエータシステム1であって、供給部40からの流体の供給量を制御するサーボ弁20が設けられ、流体をシリンダ10に供給する制御流路31と、制御流路31と並列に接続され、制御流路31からシリンダ10に供給される流体の供給量を補う補填流路32と、を備える。

目的

本発明は、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができるアクチュエータシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

流体が供給されることにより推力を発生する流体圧アクチュエータを備えたアクチュエータシステムであって、供給源からの流体の供給量を制御する切替部が設けられ、前記流体を前記流体圧アクチュエータに供給する第一流路と、前記第一流路と並列に接続され、前記第一流路から前記流体圧アクチュエータに供給される前記流体の供給量を補う第二流路と、を備えたアクチュエータシステム。

請求項2

前記流体圧アクチュエータに前記流体を供給する第三流路を更に備え、前記第二流路は、前記第三流路から分岐しており、前記流体圧アクチュエータは、前記第一流路及び前記第二流路から前記流体が供給される第一被供給部と、前記第三流路から前記流体が供給される第二被供給部と、を有する、請求項1に記載のアクチュエータシステム。

請求項3

前記第二流路は、前記供給量を補う前記流体の補填流量を調整する調整機構を有し、前記調整機構は、前記第一流路における少なくとも前記切替部より上流側における前記供給源からの流体の供給量と、前記補填流量との合計が、システムの系内で消費される流体の消費流量よりも多くなるように、前記補填流量を調整する、請求項1又は2に記載のアクチュエータシステム。

請求項4

前記第一流路における前記切替部の位置又は少なくとも前記切替部より下流側に接続され、前記第一流路内の前記流体を低圧側へ排出する第四流路を更に備え、前記第四流路は、前記流体の排出流量を調整する排出調整機構を有する、請求項1〜3の何れか一項に記載のアクチュエータシステム。

技術分野

0001

本発明は、アクチュエータシステムに関する。

背景技術

0002

従来、例えば、特許文献1に示すように、精密位置決め装置等に用いられるアクチュエータシステムとして、流体が供給されることにより推力を発生する流体圧アクチュエータを備えたシステムが知られている。このアクチュエータシステムでは、流体圧アクチュエータに対してサーボ弁を介して流体を供給している。

先行技術

0003

特開2004−144196号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上記特許文献1に記載のアクチュエータシステムでは、例えばシステムの系内で消費される流体の消費流量(以下、単に「消費流量」ともいう)が生じる結果、得られる推力が低下してしまう可能性がある。そこで、当該消費流量を考慮してより多くの流体を流体圧アクチュエータへ供給しようとすると、より能力が高く大きなサーボ弁が必要となり、システムの小型化が困難となる。よって、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制するという点で、改善の余地がある。

0005

そこで本発明は、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができるアクチュエータシステムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するため、本発明に係るアクチュエータシステムは、流体が供給されることにより推力を発生する流体圧アクチュエータを備えたアクチュエータシステムであって、供給源からの流体の供給量を制御する切替部が設けられ、流体を流体圧アクチュエータに供給する第一流路と、第一流路と並列に接続され、第一流路から流体圧アクチュエータに供給される流体の供給量を補う第二流路と、を備えている。

0007

本発明では、第一流路から流体圧アクチュエータに供給される流体の供給量が、第二流路により補われる。よって、例えばシステムの系内で流体が消費された場合であっても、第一流路からの供給量そのものを増やすことなく、その消費された流体の不足分を補うことができる。その結果、第一流路からの供給量を増やすために切替部を大型化しなくても、得られる推力の低下を抑制することができる。以上より、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができる。

0008

また、本発明に係るアクチュエータシステムにおいて、流体圧アクチュエータに流体を供給する第三流路を更に備え、第二流路は、第三流路から分岐しており、流体圧アクチュエータは、第一流路及び第二流路から流体が供給される第一被供給部と、第三流路から流体が供給される第二被供給部と、を有してもよい。この場合、第一被供給部内の圧力と第二被供給部内の圧力との差に応じて流体圧アクチュエータの推力が発生する。第二被供給部には、第三流路から流体が供給される。一方、第一被供給部には、第一流路及び第二流路から流体が供給される。これにより、例えばシステムの系内で流体が消費された場合であっても、第一流路からの供給量そのものを増やすことなく、第二流路からの流体の供給によって、その消費された流体の不足分を補うことで、第一被供給部内の圧力に寄与する流体の量を確保することができる。その結果、第一流路からの供給量を増やすために切替部を大型化しなくても、得られる推力の低下を抑制することができる。以上より、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制する。

0009

また、本発明に係るアクチュエータシステムでは、第二流路は、供給量を補う流体の補填流量を調整する調整機構を有し、調整機構は、第一流路における少なくとも切替部より上流側における供給源からの流体の供給量と、補填流量との合計が、システムの系内で消費される流体の消費流量よりも多くなるように、補填流量を調整してもよい。この場合、補填流量が調整されることによって、第一流路における少なくとも切替部より上流側における供給源からの流体の供給量と、補填流量との合計が、システムの系内で消費される流体の消費流量よりも多くなっている。その結果、システムの系内で消費される流体によって目標の推力を得るのに不足している分の流体が補填流量によって確実に補われるため、目標の推力を確実に得ることができる。

0010

また、本発明に係るアクチュエータシステムでは、第一流路における切替部の位置又は少なくとも切替部より下流側に接続され、第一流路内の流体を低圧側へ排出する第四流路を更に備え、第四流路は、流体の排出流量を調整する排出調整機構を有してもよい。この場合、第一流路から流体圧アクチュエータに供給される流体の供給量が第二流路により補われる一方で、第四流路の排出調整機構によって第一流路内から低圧側へ排出される流体の排出流量を調整することができる。その結果、アクチュエータシステムにおける出力特性を容易に調整することが可能となる。

発明の効果

0011

本発明によれば、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができるアクチュエータシステムを提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の第1実施形態に係るアクチュエータシステムを示す概略側面図及び概略断面図である。
本発明の第1実施形態に係るアクチュエータシステムの概略構成図である。
種々の絞り機構を示す概念図である。
制御圧室に対する流体の流れを示す図である。
制御圧室内の圧力に対するサーボ弁の流量特性を示すグラフである。
本発明の第2実施形態に係るアクチュエータシステムを示す概略構成図である。
アクチュエータシステムの圧力特性を示すグラフである。

実施例

0013

以下、添付図面を参照しながら本発明に係るアクチュエータシステムの実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。

0014

(第1実施形態)
本実施形態に係るアクチュエータシステムは、流体を用いる流体圧アクチュエータを備え、当該流体圧アクチュエータへ流体を供給することによって推力を生じさせるシステムである。本実施形態に係るアクチュエータシステムは、流体を用いるシリンダを流体圧アクチュエータとして備え、例えば半導体製造の後工程に用いられるダイボンダウェブ搬送装置におけるロール張力制御等に用いられる。なお、流体は、例えば圧縮空気でもよいし、その他の種々の流体でもよい。

0015

図1は、本発明の第1実施形態に係るアクチュエータシステムを示す概略側面図及び概略断面図である。図1の(a)は、アクチュエータシステムの概略側面図を示し、図1の(b)は、図1の(a)のII-II線に沿った概略断面図を示している。図2は、本発明の第1実施形態に係るアクチュエータシステムの概略構成図である。

0016

図1に示すように、アクチュエータシステム1は、シリンダ10(流体圧アクチュエータ)と、サーボ弁20(切替部)と、マニホールドブロック30と、を備えている。シリンダ10は、略円筒状であって、位置決め制御及び荷重制御等を行う駆動機構である。サーボ弁20は、流体(本実施形態では、圧縮空気)の供給源からシリンダ10へ供給される流体の供給量を制御する。

0017

マニホールドブロック30は、例えば一体形成された金属製のブロックである。マニホールドブロック30は、例えばシリンダ10とサーボ弁20との間に配置されている。マニホールドブロック30には、供給源からの流体をシリンダ10へ供給するための流路を構成する管路及び開口部等が複数形成されている。すなわち、アクチュエータシステム1は、供給源からの流体をシリンダ10へ供給するための流路を複数備えている。以下、図2を参照して、シリンダ10、サーボ弁20、及び、供給源からの流体をシリンダ10へ供給するための流路について詳細に説明する。

0018

図2に示すように、シリンダ10は、円筒状のハウジング11と、ハウジング11内に進退自在に収容されたピストン12と、ピストン12と一体的に形成されており、ハウジング11の外部に突出しているロッド13と、を備えている。ハウジング11の内周面11aとピストン12及びロッド13との隙間には、例えば不図示の静圧軸受エアベアリング)が形成されている。供給部40からの流体が静圧軸受に供給されることにより、ハウジング11の内周面11aとピストン12及びロッド13との隙間には流体の層が形成される。これにより、ピストン12は、ハウジング11の内周面11aに対して非接触状態とされている。

0019

ピストン12は、その両端側にそれぞれヘッド部12a,12bを有している。ハウジング11内には、ピストン12のヘッド部12aの端面12fとハウジング11の内周面11aとで区画される定圧室10A(第二被供給部)と、ピストン12のヘッド部12bの端面12eとハウジング11の内周面11aとで区画される制御圧室10B(第一被供給部)とが形成されている。なお、定圧室10A内にはロッド13が導入されている。ピストン12は、ハウジング11の内周面11aに対して非接触とされた状態で、進行移動及び退行移動を繰り返す。ここで、進行移動とは、制御圧室10B側から定圧室10A側へ向かう方向への移動(以下、単に「進行移動」ともいう)である。退行移動とは、定圧室10A側から制御圧室10B側へ向かう方向の移動(以下、単に「退行移動」ともいう)である。

0020

定圧室10Aには、供給部40(供給源)からの流体が一定圧で供給される。制御圧室10Bには、供給部40からの流体が制御された制御流量で供給される。定圧室10A及び制御圧室10Bへの流体の供給に応じて、ピストン12の進行移動及び退行移動が行われる。すなわち、定圧室10A内の圧力と制御圧室10B内の圧力との差に応じ、シリンダ10の推力が発生する。

0021

サーボ弁20は、後述する制御流路31に設けられている。サーボ弁20には、供給部40からの流体がレギュレータ41を通って一定圧に調節された状態で流入している。サーボ弁20は、シリンダ10の制御圧室10Bへ供給される流体の供給量を制御する。サーボ弁20は、サーボ弁20に入力された電気信号に応じて、この流体の供給量を高精度及び高応答に制御する。

0022

サーボ弁20は、例えば、シリンダ10の定圧室10A及び制御圧室10Bにそれぞれ設けられた圧力センサ(不図示)によって検出された定圧室10A及び制御圧室10B内の各圧力を示す信号が入力されると、当該信号が示す定圧室10A及び制御圧室10B内の各圧力が適切な状態となるように、供給部40からの流体の供給量を制御する。ここで、適切な状態とは、例えば、定圧室10A内の圧力と制御圧室10B内の圧力の差として出力されるシリンダ10の推力が所望の大きさとなる状態である。サーボ弁20は、例えば、予め設定された流量特性(例えば、所望の大きさの推力を生じさせるために必要な制御圧室10B内の圧力に対応した制御流量)に基づき、流体の供給量を制御してもよい。サーボ弁20は、制御された制御流量で、流体を制御圧室10Bへ供給する。

0023

サーボ弁20は、供給部40からの流体が供給される供給ポートPsと、制御された制御流量で流体を制御圧室10Bへ供給する制御ポートPcと、流体を大気中へ排気(排出)する排気ポートExとを有している。サーボ弁20は、供給ポートPs、制御ポートPc、及び排気ポートExの三方向に流体の出入口を有する三方弁である。

0024

サーボ弁20としては、例えばスプール型又はノズルフラッパ型のサーボ弁を用いてもよい。なお、サーボ弁20として例えばスプール型のサーボ弁を用いた場合には、大容量で流体を流すことができる。また、サーボ弁20として例えばノズルフラッパ型のサーボ弁を用いた場合には、応答性を速くすることができる。

0025

アクチュエータシステム1は、供給部40からの流体をサーボ弁20により制御して制御圧室10Bへ供給する制御流路31(第一流路)と、供給部40からの流体を定圧室10Aへ供給する定圧流路33(第三流路)と、制御流路31により制御圧室10Bへ供給される流体の供給量を補う補填流路32(第二流路)と、を備えている。なお、本実施形態において、各流路における上流側及び下流側とは、流体が供給部40側から定圧室10A側又は制御圧室10B側へ流れる方向での上流側及び下流側を示す。

0026

制御流路31は、その一端が供給部40に接続されており、その他端が制御圧室10Bに接続されている。制御流路31には、レギュレータ41及びサーボ弁20が設けられている。制御流路31は、レギュレータ41により供給部40からの流体を一定圧に調整する。そして、制御流路31は、一定圧に調整された流体をサーボ弁20により制御し、サーボ弁20により制御された制御流量で制御圧室10Bへ供給する。

0027

定圧流路33は、その一端が制御流路31における少なくともサーボ弁20よりも上流側の位置に接続されており、その他端が定圧室10Aに接続されている。例えば、定圧流路33は、レギュレータ41とサーボ弁20との間の位置と、定圧室10Aとに接続されている。すなわち、定圧流路33は、制御流路31のレギュレータ41とサーボ弁20との間の位置から分岐している。定圧流路33は、レギュレータ41により一定圧に調整された流体を、サーボ弁20を介することなく一定圧の状態で定圧室10Aへ供給する。

0028

補填流路32は、例えば、その一端が定圧流路33に接続されていると共に、その他端側が制御流路31における少なくともサーボ弁20よりも下流側の位置(サーボ弁20と制御圧室10Bとの間の位置)に接続されている。すなわち、補填流路32は、定圧流路33を介して制御流路31のレギュレータ41とサーボ弁20との間の位置に接続されていると共に、サーボ弁20と制御圧室10Bとの間の位置で制御流路31に合流している。このように、補填流路32は、制御流路31と並列に接続されている。補填流路32には、絞り機構(調整機構)35が設けられている。

0029

絞り機構35は、制御流路31からの流体の供給量を補う流体の量である補填流量を調整する。補填流路32は、レギュレータ41により一定圧に調整された流体の流量を、絞り機構35により絞って所定の補填流量に調整する。補填流路32は、当該補填流量の流体を、制御流路31におけるサーボ弁20からの流体に合流させる。これにより、補填流路32は、制御流路31からの流体の供給量を補う。

0030

補填流量とは、シリンダ10の目標推力を得るために制御圧室10B内へ供給する必要がある流体の流量(以下、「必要流量」ともいう)に対し、制御流路31からの供給量では足りない不足分を補う量である。例えば、補填流量とは、必要流量から供給量を差し引いた差分を減らすように、供給量を補う量である。制御流路31からの供給量では足りない不足分は、例えばアクチュエータシステム1の系内での流体の消費に起因して生じる。補填流量は、例えばこの流体の消費に起因して生じた不足分によってシリンダ10の推力が低下してしまわないように、制御流路31から制御圧室10Bへ供給される流体の供給量を補う量である。以下、系内での流体の消費を単に「消費」ともいい、系内で消費される流体の流量を単に「消費流量」ともいう。消費流量とは、例えば制御圧室10B内への供給以外に費やされてしまう量、又は、制御圧室10B外へ流出してしまう量等、制御圧室10B内の圧力に寄与しない流体の量である。

0031

また、補填流量は、推力の低下を抑制することができるだけでなく、目標の推力を確実に得ることができる量であってもよい。例えば、補填流量は、必要流量から供給量を差し引いた差分を無くすように、又は、必要流量よりも多くの流量の流体が制御圧室10B内へ供給されるように、供給量を補う量であってもよい。

0032

絞り機構35は、流体の流れに圧力損失を生じさせる抵抗性を有する機構である。絞り機構35は、流体の流量を絞って、その前後(補填流路32における絞り機構35の上流側及び下流側)に圧力差を生じさせる。絞り機構35によって調整される補填流量は、固定量であってもよく、可変量であってもよい。絞り機構35によって調整される補填流量は、予め設定されていてもよく、アクチュエータシステム内の状態(例えば、消費流量、又は圧力等)に応じた所定の設定値となるように不図示の制御装置等によって制御されていてもよい。なお、補填流量の調整範囲の詳細については、後述する。

0033

図3は、種々の絞り機構35を示す概念図である。例えば図3の(a)に示すように、絞り機構35として、補填流路32の途中にオリフィス36を形成してもよい。オリフィス36は、例えば中心に円形の孔を有する仕切り板である。この中心にある孔の径によって、補填流量が調整される。また、例えば図3の(b)に示すように、絞り機構35として、補填流路32の途中に流量調整ノズル37を形成してもよい。また、例えば図3の(c)に示すように、絞り機構35として、補填流路32の途中に絞り弁38を形成してもよい。絞り弁38は、先端がテーパ状のネジ部39と、ネジ部39の先端に沿ったテーパ状の流路部32aとを有している。絞り弁38は、ネジ部39を上下させることによって流路部32aを通る流体の流量を変化させる。これにより、絞り弁38は、補填流量を調整する。なお、ネジ部39のネジ孔の径αは、流路部32aの上流側の流路径βよりも大きい。

0034

また、例えば図3の(d)に示すように、絞り機構35として、補填流路32の途中に絞り弁50を形成してもよい。絞り弁50は、略円柱状のマイクロメータ51と、マイクロメータ51の先端51aに対向する位置に設けられたノズル52とを有している。マイクロメータ51は、矢印X方向に駆動可能となっている。絞り弁50は、マイクロメータ51を矢印X方向に駆動させることにより、マイクロメータ51の先端51aとノズル52との間の距離を変化させ、この間を通る流体の流量を変化させる。これにより、絞り弁50は、補填流量を調整する。なお、マイクロメータ51の駆動は、手動で行われてもよく、不図示の制御装置等によって制御されて自動で行われてもよい。絞り弁50は、補填流路32に対し、予め組み込まれていてもよく、後付けされていてもよい。また、これらに限られず、絞り機構35として、その他の種々の構成を採用してもよい。

0035

次に、図1及び図2を参照し、アクチュエータシステム1全体における流体の流れについて説明する。

0036

まず、制御圧室10Bへ流体が供給される供給時における流体の流れを説明する。なお、図2において、供給時に制御流路31、定圧流路33、及び補填流路32をそれぞれ流体が流れる方向を実線の矢印で示している。供給時において、まず、供給部40からの流体は、制御流路31を流れ、レギュレータ41を通過して一定圧に調整される。レギュレータ41を通過した流体は、サーボ弁20の上流側において、そのまま制御流路31を流れる流れと、制御流路31から定圧流路33へ分岐して流れる流れとに分かれる。

0037

サーボ弁20の上流側で制御流路31を流れる流体は、サーボ弁20の供給ポートPsへ流入する。すなわち、供給ポートPsからサーボ弁20内へ(図1の(b)の紙面下側から紙面上側へ)流体が流れる。当該サーボ弁20内に流入した流体は、サーボ弁20によってその流量が制御される。そして、制御された制御流量の流体がサーボ弁20の制御ポートPcから流出する。すなわち、制御ポートPcからシリンダ10の制御圧室10Bへ(図1の(b)の紙面上側から紙面下側へ)、制御された制御流量の流体が流れる。

0038

サーボ弁20の上流側で、定圧流路33に分岐して流れる流体は、絞り機構35の上流側において、補填流路32に分岐して流れる流れと、そのまま定圧流路33を流れる流れとに分かれる。補填流路32を流れる流体は、絞り機構35によって補填流量に調整され、制御流路31に合流する。これにより、制御流路31から制御圧室10Bへ供給される流体の供給量が補われ、制御流路31からの制御流量と補填流路32からの補填流量とを合計した量の流体が制御圧室10Bへ供給される。これにより、制御圧室10B内の圧力が上昇し、ピストン12が進行移動する。定圧流路33へ分岐して流れる流体は、一定圧に調整された状態のまま、シリンダ10の定圧室10Aに供給される。

0039

続いて、制御圧室10Bから流体が排気される排気時における流体の流れを説明する。なお、図2において、排気時に制御流路31を流体が流れる方向を点線の矢印で示している。排気時に補填流路32及び定圧流路33を流体が流れる方向は、供給時と同様であるため図示を省略している。排気時において、制御流路31では、制御圧室10Bから流出した流体がサーボ弁20の制御ポートPcへ流入する。すなわち、制御ポートPcからサーボ弁20へ(図1の(b)の紙面下側から紙面上側へ)流体が流れる。サーボ弁20へ流入した流体は、排気ポートExから大気中へ排気される。このように、制御圧室10Bからの流体が大気中へ排気されることにより、制御圧室10B内の圧力が減少し、ピストン12が退行移動する。

0040

なお、排気時において、定圧流路33及び補填流路32では、供給時と同様に流体が流れる。ここで、補填流路32を流れる流体は、絞り機構35によって調整された補填流量で制御流路31に合流するが、後述するように補填流量は小流量であるため、制御圧室10Bからの流体の排気に与える補填流量の影響は無視することができる。

0041

次に、アクチュエータシステムの系内で消費が生じることによる従来の問題点と、この問題に対する本実施形態に係るアクチュエータシステム1の作用効果を説明する。まず、図2を参照して、従来の問題点について説明する。アクチュエータシステム1においては、例えば、図2に示すように、サーボ弁20内での消費L1、又は、シリンダ10内での消費L2等が生じる場合がある。

0042

消費L1は、サーボ弁20における供給ポートPsからの流体が制御ポートPcへ流れずに排気ポートExへ流れて大気へ排気されることにより生じる消費である。例えば消費L1が生じると、サーボ弁20における供給ポートPsから制御ポートPcへ流れる流体の流量が減少する。すなわち、制御ポートPcから制御圧室10Bへ供給される制御流量が減少する。また、消費L2は、シリンダ10のハウジング11とピストン12のヘッド部12bとの空隙部分における流体が大気中へ排気されることにより生じる消費である。このような消費L2が生じると、制御圧室10B内の流体が減少する。なお、このような消費L2は、シリンダ10におけるエアベアリングを形成するために供給部40からの流体が利用されている結果生じる消費である。

0043

よって、これらの消費L1,L2等が起因して、制御圧室10B内の圧力を適切に上昇させることができず、流体圧アクチュエータの推力が低下してしまう可能性がある。このため、従来のアクチュエータシステムでは、消費L1,L2等を考慮して、サーボ弁20自体の能力を上げてより多くの流体を供給する必要が生じ、サーボ弁20が大型化するという問題があった。

0044

これに対し、図4を参照して、本実施形態に係るアクチュエータシステム1における制御圧室10Bに対する流体の流れを説明する。図4は、制御圧室10Bに対する流体の流れを示す図である。なお、図4においては、定圧室10Aに対する流体の流れを省略して示している。すなわち、定圧流路33を省略し、制御流路31及び補填流路32のみを示している。また、図4においては図示を省略しているが、実際には、上述した通り、制御流路31のサーボ弁20よりも上流側の位置において定圧流路33が接続されており、定圧流路33から補填流路32が分岐している。図4に示すように、アクチュエータシステム1では、制御流路31からの制御流量Qin2(i)だけでなく、補填流路32の補填流量Qin1(φd)が制御圧室10Bへ供給されている。よって、例えば消費L1,L2等が生じた場合であっても、サーボ弁20自体の能力を上げて制御流路31からの制御流量Qin2そのものを増やすことなく、消費L1,L2等の消費流量を補填流路32により補うことができる。その結果、制御流量Qin2(i)を増やすためにサーボ弁20を大型化しなくても、得られる推力の低下を抑制することができる。これにより、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができる。なお、制御流量Qin2(i)は、例えばサーボ弁20の電流i等に依存する。また、補填流量Qin1(φd)は、例えば絞り機構35をオリフィス36とした場合、オリフィス36の中心の孔径φd等に依存する。

0045

さらに、絞り機構35は、制御圧室10B内の圧力P1を上昇させて目標の推力を確実に得るため、補填流量Qin1(φd)の調整範囲を次のように設定してもよい。以下、図4を参照し、アクチュエータシステム1の系内の消費流量として、消費L1の消費流量Qout(s)及び消費L2の消費流量Qout(h)が生じる場合における補填流量Qin1(φd)の調整範囲の一例を説明する。なお、消費流量Qout(s)は、サーボ弁20の構造上の隙間の容積s等に依存し、消費流量Qout(h)は、シリンダ10のハウジング11とピストン12のヘッド部12bとの空隙の容積h等に依存する。

0046

この場合において、絞り機構35は、例えば、制御流路31における少なくともサーボ弁20の上流側の位置における供給量Qsと、補填流路32からの補填流量Qin1(φd)との合計が、アクチュエータシステム1の系内での消費流量である消費流量Qout(s)及び消費流量Qout(h)よりも多くなるように、補填流量Qin1(φd)を調整する。すなわち、本実施形態において、絞り機構35は、以下の数式(1)の関係が成り立つように、補填流量Qin1(φd)を調整する。なお、供給量Qsは、制御流路31における少なくともサーボ弁20を通過する前の供給部40から供給される流体の量であって、供給部40の出力等に依存する。

0047

なお、上記数式(1)における各流量は、制御圧室10B内の圧力P1に応じて異なる。絞り機構35は、制御圧室10B内の圧力P1が目標の圧力であるときに上記数式(1)の関係が成り立つように、補填流量Qin1(φd)を調整してもよい。また、絞り機構35は、制御圧室10B内の圧力P1が初期状態のときの圧力から目標の圧力となるまでの全範囲の圧力で上記数式(1)の関係が成り立つように、補填流量Qin1(φd)を調整してもよい。

0048

ここで、供給量Qsに対し、制御ポートPcから流出して制御圧室10Bへ供給される制御流量Qin2(i)は、消費L1の消費流量Qout(s)の分、減少する。これにより、以下の数式(2)の関係が成り立つ。

0049

よって、数式(1)及び数式(2)に基づき、以下の数式(3)の関係、すなわち以下の数式(4)の関係が成り立つ。すなわち、以下の数式(3)に示すように、制御圧室10Bから流出してしまう消費流量Qout(h)よりも、制御圧室10B内へ流入してくる制御流量Qin2(i)と補填流量Qin1(φd)との合計の方が大きければ、制御圧室10B内の圧力P1を上昇させることができ、目標の推力を得ることができる。

0050

図5に、上記の数式(4)を満たす関係の一例を示す。図5は、制御圧室10B内の圧力P1に対するサーボ弁20の流量特性を示すグラフである。図5は、レギュレータ41によって流体の供給圧がPs[MPa]に調整されている場合のグラフを示している。図5横軸は、制御圧室10B内の圧力[MPa]を示し、図5縦軸は、流体の流量[L/min]を示す。

0051

図5のグラフ5aは、制御流量Qin2(i)を示す。図5のグラフ5bは、消費L2の消費流量Qout(h)を示す。図5のグラフ5cは、消費L2の消費流量Qout(h)から補填流量Qin1(φd)を差し引いた差分を示す。

0052

図5のグラフ5aに示すように、サーボ弁20による制御流量Qin2(i)は、制御圧室10B内の圧力の上昇に対応して減少する。その一方で、図5のグラフ5bに示すように、消費流量Qout(h)は、制御圧室10B内の圧力の上昇に対応して増加する。これにより、例えば図示するように、目標の推力を発生させるために必要な制御圧室10B内の圧力Pmに対応する制御流量Qin2(i)よりも、当該圧力Pmに対応する消費流量Qout(h)が多くなってしまっている。この場合、制御圧室10Bへ流入していく流量の方が、制御圧室10Bから流出していく流量よりも少なくなってしまい、制御流量Qin2(i)だけでは圧力Pmにするのに適切な流量の流体を制御圧室10B内へ供給することができず、目標の推力を発生することができない。

0053

これに対し、グラフ5cは、グラフ5bに示す消費流量Qout(h)から補填流量Qin1(φd)を差し引いた分、グラフ5bよりも下方にシフトしている。これにより、グラフ5cは、グラフ5aよりも下方側の領域に位置している。例えば、目標の圧力Pmのとき、消費流量Qout(h)は、制御流量Qin2(i)より多い。これに対し、目標の圧力Pmのとき、消費流量Qout(h)から補填流量Qin1(φd)を差し引いた結果は、制御流量Qin2(i)よりも少なくなっている。これにより、制御圧室10Bへ流入していく流量の方が、制御圧室10Bから流出していく流量よりも多くすることができ、圧力Pmにするのに適切な流量の流体を制御圧室10B内へ供給することができる。その結果、目標の推力を発生することができる。

0054

また、補填流量Qin1(φd)が多すぎると、制御圧室10B内の力が定圧室10A内の力よりも大きくなり過ぎて、ピストン12が進行移動したままとなりその後の退行移動ができなくなる場合がある。このため、補填流量Qin1(φd)は、目標の圧力において、制御圧室10Bへ流入していく流量の方が、制御圧室10Bから流出していく流量よりも多くできれば足り(すなわち消費流量Qout(h)から補填流量Qin1(φd)を差し引いた値が制御流量Qin2(i)よりも少しでも多い関係を満たせば足り)、例えば2〜10L/minの小流量である。また、補填流量Qin1(φd)は、例えば定圧室10A内の圧力と制御圧室10B内の圧力との差が0.1MPa以下となるように調整してもよい。

0055

以上、本実施形態に係るアクチュエータシステム1によれば、制御流路31から制御圧室10Bに供給される流体の供給量が、補填流路32により補われる。よって、例えばアクチュエータシステム1の系内で流体が消費された場合であっても、制御流路31からの供給量そのものを増やすことなく、その消費された流体の不足分を補填流路32により補うことができる。その結果、制御流路31からの供給量を増やすためにサーボ弁20を大型化しなくても、得られる推力の低下を抑制することができる。以上より、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができる。

0056

また、アクチュエータシステム1によれば、シリンダ10の定圧室10Aには、定圧流路33から流体が供給される。一方、シリンダ10の制御圧室10Bには、制御流路31及び補填流路32から流体が供給される。これにより、例えばアクチュエータシステム1の系内で流体が消費された場合であっても、制御流路31からの供給量そのものを増やすことなく、補填流路32からの流体の供給によって、その消費された流体の不足分を補うことで、制御圧室10B内の圧力に寄与する流体の量を確保することができる。その結果、制御流路31からの供給量を増やすためにサーボ弁20を大型化しなくても、得られる推力の低下を抑制することができる。以上より、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができる。

0057

また、アクチュエータシステム1によれば、補填流量Qin1(φd)が調整されることによって、供給量Qsと補填流量Qin1(φd)との合計が、消費流量Qout(s)と、消費流量Qout(h)との合計よりも多くなっている。その結果、アクチュエータシステム1の系内で消費される流体によって目標の推力を得るのに不足している分の流体が補填流量Qin1(φd)によって確実に補われるため、目標の推力を確実に得ることができる。

0058

また、アクチュエータシステム1によれば、絞り機構35によって、補填流量Qin1(φd)を可変量として調整することができる。これにより、消費流量Qout(s)にばらつきがあったとしても、消費流量Qout(s)に応じて任意に補填流量Qin1(φd)を調整することができる。したがって、アクチュエータシステム1の消費流量Qout(s)の個体差による性能ばらつきが抑制される。複数のアクチュエータシステム1を併用して同時に制御する必要がある場合には、各アクチュエータシステム1における性能差異を小さくする事ができ、システムとしてより良い性能を期待することができる。

0059

(第2実施形態)
次に、図6を参照して、第2実施形態に係るアクチュエータシステム1Aについて説明する。なお、アクチュエータシステム1Aは、第1実施形態に係るアクチュエータシステム1と同様の要素や構造を備えている。そのため、第1実施形態に係るアクチュエータシステム1と同様の要素や構造には同一の符号を付して詳細な説明は省略し、第1実施形態と異なる部分について説明する。

0060

図6は、第2実施形態に係るアクチュエータシステム1Aを示す概略構成図であって、図2に対応する図である。図6に示すように、本実施形態に係るアクチュエータシステム1Aは、制御流路31、定圧流路33及び補填流路32に加えて、排気流路34(第四流路)を備えている点で、第1実施形態に係るアクチュエータシステム1と異なっている。なお、本実施形態において、各流路における上流側及び下流側とは、流体が供給部40側から定圧室10A側、制御圧室10B側、又は大気側へ流れる方向での上流側及び下流側を示す。

0061

排気流路34は、その一端が制御流路31に接続されており、その他端が低圧側に連通されている。低圧側とは、排気流路34内の流体の圧よりも低い圧側を示し、本実施形態では、例えば大気側である。排気流路34は、制御流路31における少なくともサーボ弁20より下流側に接続されている。排気流路34は、例えば、制御流路31におけるサーボ弁20と、制御流路31における定圧流路33との合流点との間に接続されている。なお、排気流路34は、例えば制御流路31における定圧流路33との合流点に接続されていてもよく、制御流路31における定圧流路33との合流点と制御圧室10Bとの間に接続されていてもよい。

0062

排気流路34は、制御流路31を流れる流体の一部を低圧側(本実施形態では、大気側)へ排気(排出)する。排気流路34は、例えば制御圧室10Bへ流体が供給される供給時において、サーボ弁20によって流量を制御された後の流体の一部を大気側へ排気する。また、排気流路34は、例えば制御圧室10Bから流体が排気される排気時において、制御圧室10Bからサーボ弁20へ流入する前の流体の一部を大気側へ排気する。

0063

排気流路34には、絞り機構35A(排出調整機構)が設けられている。絞り機構35Aは、大気側へ排気する流体の排気流量(排出流量)を所定の排気流量に調整する。絞り機構35Aは、上述した絞り機構35と同様、流体の流れに圧力損失を生じさせる抵抗性を有する機構である。絞り機構35Aは、流体の流量を絞って、その前後(排気流路34における絞り機構35Aの上流側及び下流側)に圧力差を生じさせる。

0064

絞り機構35Aによって調整される排気流量は、固定量であってもよく、可変量であってもよい。絞り機構35Aによって調整される排気流量は、予め設定されていてもよく、アクチュエータシステム内の状態(例えば、消費流量、又は圧力等)に応じた所定の設定値となるように不図示の制御装置等によって制御されていてもよい。絞り機構35Aとしては、絞り機構35と同様、例えば図3の(a)〜(d)に示す構成、又はその他の種々の構成を採用することができる。

0065

排気流路34は、流体の排気流量を絞り機構35Aによって絞って所定の排気流量に調整する。これにより、排気流路34は、制御圧室10B内の流体の流量、すなわち制御圧室10B内の圧力が適切な値になるように調整する。

0066

次に、図7を参照して、アクチュエータシステム1Aが補填流路32に加えて排気流路34を備えることによる作用及び効果について、より詳細に説明する。図7は、アクチュエータシステム1Aの圧力特性を示すグラフである。アクチュエータシステム1Aの圧力特性とは、サーボ弁20への入力信号に応じたシリンダ10の制御圧室10B内の圧力の変化を示す。なお、制御圧室10B内の圧力は、シリンダ10において生じる推力に対応している。図7の横軸は、入力信号として電流値[mA]を示し、図7の縦軸は、圧力[MPa]を示している。

0067

図7のグラフ7aは、補填流路32による流体の補填及び排気流路34による流体の排気を行わない場合(以下、「通常状態」ともいう)の圧力特性を示す。図7のグラフ7bは、補填流路32による流体の補填を行う場合(以下、「補填状態」ともいう)の圧力特性を示す。図7のグラフ7cは、排気流路34による流体の排気を行う場合(以下、「排気状態」)の圧力特性を示す。

0068

図7のグラフ7a〜7cに示すように、アクチュエータシステム1Aは、サーボ弁20に入力された電流(以下、「入力電流」ともいう)に応じて、制御圧室10B内の圧力(以下、「推力」ともいう)が変化する。図7のグラフ7bに示すように、補填状態では、通常状態に比べて、低い圧力が持ち上げられるような特性になる。図7のグラフ7cに示すように、排気状態では、通常状態に比べて、最大圧力が小さくなるような圧力特性を示している。

0069

一般に、アクチュエータシステムにおける圧力特性の誤差要因として、各流路のコンダクタンス誤差と、サーボ弁そのものの性能誤差とがある。これらの要因により、アクチュエータシステムにおける流量特性や圧力特性等の出力特性に差異や性能ばらつきが生じる。

0070

特に複数のアクチュエータシステムを併用する場合には、各アクチュエータ間の性能差異が、システム全体としての性能を劣化させる場合がある。このため、一般に各アクチュエータ間の性能差異ができるだけ小さい状態で各アクチュエータを組み合わせることが望ましい。

0071

ここで、上述したように、排気流路34による流体の排気を行うことなく、補填流路32による流体の補填のみを行う場合には、図7のグラフ7bに示すように、通常状態に比べて、低圧側の推力が底上げされる。すなわち、補填流量を大きくすることによって、圧力特性を調整することができる。しかしながら、補填流路32による流体の補填のみでは、入力電流に対して、圧力特性の調整は限定的である。

0072

これに対し、補填流路32による流体の補填だけでなく、排気流路34による流体の排気を行う場合には、その調整によって、高圧側の特性を押し下げることができる。つまり、圧力特性のグラフを、図7のグラフ7bに示すように低圧側で底上げすることも、図7のグラフ7cに示すように高圧側で押し下げることも可能になる。その結果、流量特性や圧力特性等の出力特性を一定の範囲内で任意に調整することができる。

0073

以上、本実施形態においても、制御流路31からの供給量そのものを増やすことなく、消費流量による不足分を補填流路32により補うことができる。その結果、制御流路31からの供給量を増やすためにサーボ弁20を大型化しなくても、得られる推力の低下を抑制することができる。以上より、小型化を図りつつ得られる推力の低下を抑制することができる。

0074

さらに、本実施形態に係るアクチュエータシステム1Aによれば、制御流路31から制御圧室10Bに供給される流体の供給量が補填流路32により補われる一方で、排気流路34の絞り機構35Aによって制御流路31内から低圧側へ排気される流体の排気流量を調整することができる。その結果、アクチュエータシステム1Aにおける流量特性や圧力特性等の出力特性を容易に調整することが可能となる。

0075

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。

0076

例えば、上記実施形態では、アクチュエータシステム1がマニホールドブロック30を備えているとしたが、マニホールドブロック30を備えていなくてもよく、例えば、シリンダ10とサーボ弁20とが直接固定されて一体化されていてもよい。また、制御流路31、補填流路32、及び定圧流路33は、マニホールドブロック30とは別の部材等で構成されていてもよく、例えばパイプ等によって構成されていてもよい。また、制御流路31、補填流路32、及び定圧流路33は、シリンダ10又はサーボ弁20内に形成されていてもよい。

0077

また、上記実施形態では、制御流路31が供給部40と接続され、制御流路31から定圧流路33が分岐し、定圧流路33から更に補填流路32が分岐しているとしたが、これに限られない。例えば、制御流路31及び定圧流路33がそれぞれ供給部40と直接接続されていてもよく、制御流路31及び定圧流路33の少なくとも一つと供給部40とが導入流路等の別の流路を介して接続されていてもよい。また、制御流路31に代えて定圧流路33が供給部40と接続され、定圧流路33から制御流路31が分岐していてもよい。また、レギュレータ41が、定圧流路33に設けられていてもよい。

0078

また、補填流路32は、制御流路31に合流しているとしたが、これに限られない。補填流路32は、制御流路31からの供給量を補填できる位置で流体を供給できればよく、例えば、制御圧室10Bに直接接続されていてもよい。

0079

上記実施形態では、排気流路34は、制御流路31における少なくともサーボ弁20より下流側に接続されているとしたが、これに限られない。例えば、排気流路34は、サーボ弁20の位置に接続されていてもよい。具体的に、排気流路34は、サーボ弁20と一体化されていてもよい。

0080

排気流路34によって流体が排気される先は、排気流路34内の流体の圧よりも低圧側であればよく、大気側に限定されず、例えば真空状態であってもよい。

0081

1,1A…アクチュエータシステム、10…シリンダ(流体圧アクチュエータ)、10A…定圧室、10B…制御圧室、31…制御流路(第一流路)、32…補填流路(第二流路)、33…定圧流路(第三流路)、34…排気流路(第四流路)、35…絞り機構(調整機構)、35A…絞り機構(排出調整機構)、40…供給部(供給源)、Qs…供給量、Qin1(φd)…補填流量、Qout(s),Qout(h)…消費流量。

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