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技術 導電性ポリマー用高分子化合物及びその製造方法

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 畠山潤大橋正樹長澤賢幸長谷川幸士
出願日 2016年1月25日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2016-011215
公開日 2017年3月2日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2017-043752
状態 特許登録済
技術分野 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード スルホン酸構造 繰り返し単位部分 有機溶剤可溶型 リビングラジカル 熱フロー ブロック共重合ポリマー RAFT重合 有機EL照明
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課題

有機溶剤に可溶で、燃料電池用導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸スルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物の提供。

解決手段

式(1)の繰り返し単位aを1種以上含む導電性ポリマー用高分子化合物で、重量平均分子量が1,000〜500,000である導電性ポリマー用高分子化合物。(R1はH又はメチル基;R2は単結合エステル基、或いはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよいC1〜12の直鎖状分岐状、環状の炭化水素基

概要

背景

燃料電池導電性高分子ドーパントポリマーとしてスルホ基含有ポリマーが用いられている。燃料電池用としては登録商標ナフィオンに代表されるビニルパーフルオロアルキルエーテルスルホン酸、導電性高分子用のドーパントポリマーとしては、ビニルスルホン酸スチレンスルホン酸重合体が広く用いられている(特許文献1)。

ビニルパーフルオロアルキルエーテルスルホン酸は化学的には安定性が高く耐久性に優れるがガラス転移点が低く、これを用いた燃料電池が高温にさらされるとポリマーが熱フローを起こしてイオン伝導性が低下してしまう問題がある。イオン伝導性を高めるには、α位がフッ素化されたスルホ基を有する超強酸ポリマーが有効であるが、これに伴ってガラス転移点が高く化学的にも安定な材料は見いだされていない。

また、ポリチオフェンポリアニリンポリピロール等の共役二重結合を有する導電性高分子は、これ自体は導電性を示さないがスルホン酸などの強酸ドーピングすることによって導電性が発現する。ドーパントとしてはポリスチレンスルホン酸(PSS)が最も良く用いられている。これは、PSSのドーピングによって導電率が最も高くなるためである。

PSSは水溶性樹脂であり、有機溶剤には殆ど溶解しない。従って、PSSをドーパントとしたポリチオフェンも水溶性である。
PSSをドーパントとしたポリチオフェンは高導電性かつ高透明であるためにITO(インジウムスズ酸化物)に換わる有機EL照明用の導電膜として期待されている。しかしながら有機ELの発光体は、水分によって化学変化発光しなくなる。つまり、水溶性樹脂の導電膜を有機ELに用いると、樹脂が水を含むために有機ELの発光寿命が短くなってしまうという問題がある。

概要

有機溶剤に可溶で、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物の提供。式(1)の繰り返し単位aを1種以上含む導電性ポリマー用高分子化合物で、重量平均分子量が1,000〜500,000である導電性ポリマー用高分子化合物。(R1はH又はメチル基;R2は単結合エステル基、或いはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよいC1〜12の直鎖状分岐状、環状の炭化水素基)なし

目的

本発明は上記事情に鑑みなされたもので、有機溶剤に可溶であり、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物を提供する

効果

実績

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請求項1

下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを1種以上含む導電性ポリマー用高分子化合物であって、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものであることを特徴とする導電性ポリマー用高分子化合物。(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は単結合エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状分岐状、環状の炭化水素基のいずれかである。Zは単結合、フェニレン基ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。aは、0<a≦1.0である。)

請求項2

前記導電性ポリマー用高分子化合物が、さらに下記一般式(2)で示される繰り返し単位bを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の導電性ポリマー用高分子化合物。(式中、bは、0<b<1.0である。)

請求項3

前記一般式(1)で示される繰り返し単位aが、下記一般式(3−1)〜(3−4)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上を含むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性ポリマー用高分子化合物。(式中、R1は前記と同様である。a1、a2、a3、及びa4は、0≦a1≦1.0、0≦a2≦1.0、0≦a3≦1.0、0≦a4≦1.0、かつ0<a1+a2+a3+a4≦1.0である。)

請求項4

下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含む導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法であって、スルホン酸残基リチウムナトリウムカリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造を有するモノマーを用いて重合反応を行い、重合後、イオン交換によって、前記スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造をスルホ基に変換することを特徴とする導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法。(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は単結合、エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状の炭化水素基のいずれかである。Zは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。aは、0<a≦1.0である。)

請求項5

前記スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造を有するモノマーを用いて重合反応を行って得られる重合体が、下記一般式(4)で示される繰り返し単位を含むものであることを特徴とする請求項4に記載の導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法。(式中、R1、R2、Z、及びaは前記と同様であり、Xはリチウム、ナトリウム、カリウム、又は下記一般式(5)で示される窒素化合物である。)(式中、R101d、R101e、R101f、R101gは、それぞれ水素原子、もしくは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基アルケニル基オキソアルキル基、又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基によって置換されていてもよい。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)

技術分野

0001

本発明は、導電性ポリマー用高分子化合物及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

燃料電池導電性高分子ドーパントポリマーとしてスルホ基含有ポリマーが用いられている。燃料電池用としては登録商標ナフィオンに代表されるビニルパーフルオロアルキルエーテルスルホン酸、導電性高分子用のドーパントポリマーとしては、ビニルスルホン酸スチレンスルホン酸重合体が広く用いられている(特許文献1)。

0003

ビニルパーフルオロアルキルエーテルスルホン酸は化学的には安定性が高く耐久性に優れるがガラス転移点が低く、これを用いた燃料電池が高温にさらされるとポリマーが熱フローを起こしてイオン伝導性が低下してしまう問題がある。イオン伝導性を高めるには、α位がフッ素化されたスルホ基を有する超強酸ポリマーが有効であるが、これに伴ってガラス転移点が高く化学的にも安定な材料は見いだされていない。

0004

また、ポリチオフェンポリアニリンポリピロール等の共役二重結合を有する導電性高分子は、これ自体は導電性を示さないがスルホン酸などの強酸ドーピングすることによって導電性が発現する。ドーパントとしてはポリスチレンスルホン酸(PSS)が最も良く用いられている。これは、PSSのドーピングによって導電率が最も高くなるためである。

0005

PSSは水溶性樹脂であり、有機溶剤には殆ど溶解しない。従って、PSSをドーパントとしたポリチオフェンも水溶性である。
PSSをドーパントとしたポリチオフェンは高導電性かつ高透明であるためにITO(インジウムスズ酸化物)に換わる有機EL照明用の導電膜として期待されている。しかしながら有機ELの発光体は、水分によって化学変化発光しなくなる。つまり、水溶性樹脂の導電膜を有機ELに用いると、樹脂が水を含むために有機ELの発光寿命が短くなってしまうという問題がある。

先行技術

0006

特開2008−146913号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は上記事情に鑑みなされたもので、有機溶剤に可溶であり、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物を提供することを目的とする。また、このような導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を達成するために、本発明では、下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを1種以上含む導電性ポリマー用高分子化合物であって、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものである導電性ポリマー用高分子化合物を提供する。



(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は単結合エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状分岐状、環状の炭化水素基のいずれかである。Zは単結合、フェニレン基ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。aは、0<a≦1.0である。)

0009

このような導電性ポリマー用高分子化合物であれば、有機溶剤に可溶であり、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物となる。

0010

このとき、前記導電性ポリマー用高分子化合物が、さらに下記一般式(2)で示される繰り返し単位bを有するものであることが好ましい。



(式中、bは、0<b<1.0である。)

0011

前記繰り返し単位aが、ポリスチレンスルホン酸の繰り返し単位bと共重合したものであれば、導電性が高いドーパントポリマーとして用いることができる。

0012

またこのとき、前記一般式(1)で示される繰り返し単位aが、下記一般式(3−1)〜(3−4)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上を含むものであることが好ましい。



(式中、R1は前記と同様である。a1、a2、a3、及びa4は、0≦a1≦1.0、0≦a2≦1.0、0≦a3≦1.0、0≦a4≦1.0、かつ0<a1+a2+a3+a4≦1.0である。)

0013

このような繰り返し単位であれば、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとしてさらに好適なものとなる。

0014

さらに、本発明では下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含む導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法であって、スルホン酸残基リチウムナトリウムカリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造を有するモノマーを用いて重合反応を行い、重合後、イオン交換によって、前記スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造をスルホ基に変換する導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法を提供する。



(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は単結合、エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状の炭化水素基のいずれかである。Zは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。aは、0<a≦1.0である。)

0015

このような製造方法であれば、上記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含む導電性ポリマー用高分子化合物を容易に製造することができる。

0016

またこのとき、前記スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造を有するモノマーを用いて重合反応を行って得られる重合体が、下記一般式(4)で示される繰り返し単位を含むものであることが好ましい。



(式中、R1、R2、Z、及びaは前記と同様であり、Xはリチウム、ナトリウム、カリウム、又は下記一般式(5)で示される窒素化合物である。)



(式中、R101d、R101e、R101f、R101gは、それぞれ水素原子、もしくは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基アルケニル基オキソアルキル基、又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基によって置換されていてもよい。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)

0017

このような繰り返し単位であれば、イオン交換によって容易に上記一般式(1)で示される繰り返し単位aに変換される。

発明の効果

0018

以上のように、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物であれば、有機溶剤に可溶であり、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物となる。
この導電性ポリマー用高分子化合物を燃料電池に用いることによって、高誘電率な燃料電池用材料を形成することができる。また、共役二重結合ポリマー用のドーパントとして用いることによって、高透明、高導電性で耐久性の高い導電膜を形成することが可能になる。本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、β位にトリフルオロメチル基を有する超強酸のスルホン酸構造を有しているため、強いイオン結合によってドーパントとしての能力が高く、また、イオンとしての安定性の高いものとなる。そのため、これを導電性材料として用いた場合に高い導電性と安定性を示す。さらに、有機溶剤への溶解性に優れるため、有機EL照明用の導電膜に用いることで、有機EL素子劣化を防止することができる。
また、本発明の製造方法であれば、このような本発明の導電性ポリマー用高分子化合物を容易に製造することができる。

0019

上述のように、有機溶剤に可溶であり、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物の開発が求められていた。

0020

本発明者らは、有機ELの素子の劣化を招く水を含有する水溶性の導電性ポリマーを、水分含有率が極めて少ない有機溶剤可溶型にして素子劣化を防止するために、水溶性で有機溶剤への溶解性に乏しいドーパントであるポリスチレンスルホン酸から、有機溶剤への溶解性が高いドーパント用のポリマーの開発を試みた。有機溶剤への溶解性を上げるには長鎖アルキル基フッ素導入が効果的であることからフッ素の導入を検討し、特にβ位にトリフルオロメチル基を有するスルホ基を含む繰り返し単位からなる高分子化合物であれば上述の課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。

0021

即ち、本発明は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを1種以上含む導電性ポリマー用高分子化合物であって、重量平均分子量が1,000〜500,000の範囲のものである導電性ポリマー用高分子化合物である。



(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は単結合、エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状の炭化水素基のいずれかである。Zは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。aは、0<a≦1.0である。)

0022

以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0023

本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを1種以上含むポリマーである。本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、一般式(1)で示される繰り返し単位aを含有することで、特に透明性が高いものとなる。



(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は単結合、エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状の炭化水素基のいずれかである。Zは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。aは、0<a≦1.0である。)

0024

一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基である。
R2は単結合、エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状の炭化水素基のいずれかであり、炭化水素基としては、例えばアルキレン基、アリーレン基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基など)、アルケニレン基等が挙げられる。
Zは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。
aは、0<a≦1.0である。

0025

また、上記一般式(1)で示される繰り返し単位aが、下記一般式(3−1)〜(3−4)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上を含むものであることが好ましい。



(式中、R1は前記と同様である。a1、a2、a3、及びa4は、0≦a1≦1.0、0≦a2≦1.0、0≦a3≦1.0、0≦a4≦1.0、かつ0<a1+a2+a3+a4≦1.0である。)

0026

このような繰り返し単位であれば、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとしてさらに好適なものとなる。

0027

また、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、さらに下記一般式(2)で示される繰り返し単位bを有するものであることが好ましい。前記繰り返し単位aが、ポリスチレンスルホン酸の繰り返し単位bと共重合したものであれば、導電性が高いドーパントポリマーとして用いることができる。



(式中、bは、0<b<1.0である。)

0028

また、後述のように、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、繰り返し単位a、繰り返し単位b以外の繰り返し単位cを有していてもよい。

0029

また、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、重量平均分子量が1,000〜500,000、好ましくは2,000〜200,000の範囲のものである。重量平均分子量が1,000未満では、耐熱性に劣るものとなる。一方、重量平均分子量が500,000を超えると、粘度が上昇し、作業性が悪化し、有機溶剤や水への溶解性が低下する。

0030

なお、重量平均分子量(Mw)は、溶剤として水、ジメチルホルムアミドDMF)、テトラヒドロフラン(THF)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算測定値である。

0031

上述のような本発明の導電性ポリマー用高分子化合物であれば、有機溶剤に可溶であり、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物となる。

0032

また、本発明ではこのような本発明の導電性ポリマー用高分子化合物を製造する方法を提供する。
即ち、本発明の製造方法は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含む導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法であって、スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造を有するモノマーを用いて重合反応を行い、重合後、イオン交換によって、前記スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造をスルホ基に変換する導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法である。



(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は単結合、エステル基、あるいはエーテル基、エステル基のいずれか又はこれらの両方を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、環状の炭化水素基のいずれかである。Zは単結合、フェニレン基、ナフチレン基、エーテル基、エステル基のいずれかである。aは、0<a≦1.0である。)

0033

ここで、スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造を有するモノマーを用いて重合反応を行って得られる重合体は、下記一般式(4)で示される繰り返し単位を含むものであることが好ましい。



(式中、R1、R2、Z、aは前記と同様であり、Xはリチウム、ナトリウム、カリウム、又は下記一般式(5)で示される窒素化合物である。)



(式中、R101d、R101e、R101f、R101gは、それぞれ水素原子、もしくは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基、又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基によって置換されていてもよい。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)

0034

このような繰り返し単位であれば、イオン交換によって容易に上記一般式(1)で示される繰り返し単位aに変換されるため、好ましい。

0035

本発明の製造方法に用いられるスルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造を有し、繰り返し単位aを得るためのモノマーとしては、具体的には下記のものを例示することができる。

0036

0037

0038

(式中、R1は前記と同様であり、Xはリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物である。)

0039

また、上述のように一般式(1)で示される繰り返し単位aとしては、上述の一般式(3−1)〜(3−4)で示される繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。即ち、上記例示したモノマーのうち、繰り返し単位a1〜a4を得るためのモノマーが特に好ましい。

0040

また、上述のように、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物としては、一般式(2)で示される繰り返し単位bを有するものが好ましく、このような繰り返し単位bを得るためのモノマーとしては、具体的には下記のものを例示することができる。



(式中、X2は水素原子、リチウム、ナトリウム、カリウム、窒素化合物、又はスルホニウム化合物である。)

0041

上記X2が窒素化合物の場合の例としては、下記一般式(5)で示される化合物を挙げることができる。



(式中、R101d、R101e、R101f、R101gは、それぞれ水素原子、もしくは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基、アルケニル基、オキソアルキル基、又はオキソアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基又はアリールオキソアルキル基を示し、これらの基の水素原子の一部又は全部がアルコキシ基によって置換されていてもよい。R101dとR101e、R101dとR101eとR101fとは環を形成してもよく、環を形成する場合には、R101dとR101e及びR101dとR101eとR101fは炭素数3〜10のアルキレン基、又は式中の窒素原子を環の中に有する複素芳香族環を示す。)

0042

また、上述のように、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、繰り返し単位a、繰り返し単位b以外の繰り返し単位cを有していてもよく、この繰り返し単位cとしては、スチレン系、ビニルナフタレン系、ビニルシラン系、アセナフチレンインデンベンゾフランベンゾチオフェン、(メタアクリルビニルカルバゾールなどを挙げることができる。

0043

繰り返し単位cを得るためのモノマーとしては、具体的には下記のものを例示することができる。

0044

0045

0046

0047

0048

0049

0050

0051

本発明の導電性ポリマー用高分子化合物を合成する方法としては、例えば上述のモノマーのうち所望のモノマーを、溶剤中、ラジカル重合開始剤を加えて加熱重合を行うことで、共重合体の高分子化合物を得る方法が挙げられる。

0053

ラジカル重合開始剤としては、ジ−t−ブチルパーオキシドジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジラウリルパーオキシド、クメンハイドロパオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート過硫酸カリウム過硫酸アンモニウム過酸化水素水、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルAIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ラウロイルパーオキシド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン二塩酸塩、又は4,4’−アゾビス(4−シア吉草酸)のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩等を例示できる。

0054

反応温度は、好ましくは50〜80℃であり、反応時間は好ましくは2〜100時間、より好ましくは5〜20時間である。

0055

本発明の導電性ポリマー用高分子化合物において、一般式(1)で示される繰り返し単位aとなるモノマーは1種類でも2種類以上の組み合わせでもよいが、重合性を高めるにはメタクリルタイプとスチレンタイプのモノマーを組み合わせることが好ましい。

0056

また、繰り返し単位aを形成する2種類以上のモノマーがランダムに共重合されていても、それぞれがブロックで共重合されていてもよい。ブロック共重合ポリマーブロックコポリマー)を導電膜とした場合は、2種類以上の繰り返し単位aからなる繰り返し単位部分同士が凝集して海島構造を形成することによって導電性が向上するメリットが期待される。

0057

また、繰り返し単位a〜cを得るためのモノマーがランダムに共重合されていても、それぞれがブロックで共重合されていてもよい。この場合も、上述の繰り返し単位aの場合と同様、ブロックコポリマーとすることで導電率が向上するメリットが期待される。

0058

ラジカル重合ランダム共重合を行う場合は、共重合を行うモノマーやラジカル重合開始剤を混合して加熱によって重合を行う方法が一般的である。第1のモノマーとラジカル重合開始剤存在下で重合を開始し、後に第2のモノマーを添加した場合は、ポリマー分子の片側が第1のモノマーが重合した構造で、もう一方が第2のモノマーが重合した構造となる。しかしながらこの場合、中間部分には第1と第2のモノマーの繰り返し単位が混在しており、ブロックコポリマーとは形態が異なる。ラジカル重合でブロックコポリマーを形成するには、リビングラジカル重合が好ましく用いられる。

0059

RAFT重合(Reversible Addition Fragmentation chain Transfer polymerization)と呼ばれるリビングラジカル重合方法は、ポリマー末端ラジカルが常に生きているので、第1のモノマーで重合を開始し、これらが消費された段階で第2のモノマーを添加することによって第1と第2の繰り返し単位によるブロックコポリマーを形成することが可能である。また、第1のモノマーで重合を開始し、これが消費された時点で第2のモノマーを添加し、次いで第3のモノマーを添加した場合はトリブロックコポリマーを形成することもできる。

0060

RAFT重合を行った場合は分子量分布分散度)が狭い狭分散ポリマーが形成される特徴があり、特にモノマーを一度に添加してRAFT重合を行った場合は、より分子量分布が狭いポリマーを形成することができる。

0061

なお、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物においては、分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜2.0であることが好ましく、特に1.0〜1.5と狭分散であることが好ましい。狭分散であれば、高分子化合物を用いて合成した導電性ポリマーの導電率が不均一になるのを防ぐことができる。

0062

RAFT重合を行うには連鎖移動剤が必要であり、具体的には2−シアノ−2−プロピルベンゾチオエート、4−シアノ−4−フェニルカルボノチオイルチオペンタン酸、2−シアノ−2−プロピルドデシルトリチオカルボネート、4−シアノ−4−[(ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニル]ペンタン酸、2−(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)−2−メチルプロパン酸、シアノメチルドデシルチオカルボネート、シアノメチルメチル(フェニル)カルバモチオエート、ビス(チオベンゾイルジスルフィド、ビス(ドデシルスルファニルチオカルボニル)ジスルフィドを挙げることができる。これらの中では、特に2−シアノ−2−プロピルベンゾチオエートが好ましい。

0063

ここで、繰り返し単位a〜cの割合は、0<a≦1.0、0≦b<1.0、0≦c<1.0であり、好ましくは0.1≦a≦0.9、0.1≦b≦0.9、0≦c≦0.8であり、より好ましくは0.2≦a≦0.8、0.2≦b≦0.8、0≦c≦0.5である。
なお、a+b+c=1であることが好ましい。

0064

また、繰り返し単位aが上述のように繰り返し単位a1〜a4から選ばれる1種以上を含むものである場合、0≦a1≦1.0、0≦a2≦1.0、0≦a3≦1.0、0≦a4≦1.0、かつ0<a1+a2+a3+a4≦1.0であることが好ましく、より好ましくは0≦a1≦0.9、0≦a2≦0.9、0≦a3≦0.9、0≦a4≦0.9、かつ0.1≦a1+a2+a3+a4≦0.9であり、さらに好ましくは0≦a1≦0.8、0≦a2≦0.8、0≦a3≦0.8、0≦a4≦0.8、かつ0.2≦a1+a2+a3+a4≦0.8である。

0065

本発明の導電性ポリマー用高分子化合物の製造方法では、上述のようにしてモノマーを重合させた後、イオン交換によって、スルホン酸残基とリチウム、ナトリウム、カリウム、又は窒素化合物からなる塩の構造をスルホ基に変換する。
このとき、イオン交換は、例えばイオン交換樹脂を用いて行えばよい。

0066

上述のような方法で、上記一般式(1)で示される繰り返し単位aを含む導電性ポリマー用高分子化合物を容易に製造することができる。

0067

以上のように、本発明の導電性ポリマー用高分子化合物であれば、有機溶剤に可溶であり、燃料電池用や導電性材料用のドーパントとして好適に用いられる特定の超強酸のスルホ基を有する導電性ポリマー用高分子化合物となる。
この導電性ポリマー用高分子化合物を燃料電池に用いることによって、高誘電率な燃料電池用材料を形成することができる。また、共役二重結合ポリマー用のドーパントとして用いることによって、高透明、高導電性で耐久性の高い導電膜を形成することが可能になる。本発明の導電性ポリマー用高分子化合物は、β位にトリフルオロメチル基を有する超強酸のスルホン酸構造を有しているため、強いイオン結合によってドーパントとしての能力が高く、また、イオンとしての安定性の高いものとなる。そのため、これを導電性材料として用いた場合に高い導電性と安定性を示す。さらに、有機溶剤への溶解性に優れるため、有機EL照明用の導電膜に用いることで、有機EL素子の劣化を防止することができる。
また、本発明の製造方法であれば、このような本発明の導電性ポリマー用高分子化合物を容易に製造することができる。

0068

以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0069

以下に実施例の合成で用いたモノマーを示す。

0070

モノマー1:
ベンジルトリメチルアンモニウム=3,3,3−トリフルオロ−2−メタクリロイルオキシ−2−トリフルオロメチルプロパン−1−スルホネート
モノマー2:
ベンジルトリメチルアンモニウム=3,3,3−トリフルオロ−2−(3−メタクリロイルオキシ−1−アダマンタンカルボニルオキシ)−2−トリフルオロメチルプロパン−1−スルホネート
モノマー3:
ベンジルトリメチルアンモニウム=3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−(4−ビニルベンゾイルオキシ)プロパン−1−スルホネート
モノマー4:
テトラブチルアンモニウム=3,3,3−トリフルオロ−2−(4−メタクリロイルオキシ−1−ベンゾイルオキシ)−2−トリフルオロメチルプロパン−1−スルホネート

0071

[実施例1]
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノール37.5gに、モノマー1の48.1gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル5.13gをメタノール112.5gに溶かした溶液を4時間かけて滴下した。さらに64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,000gの酢酸エチル激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して、白色重合体26.2gを得た。
得られた白色重合体を純水912gに溶解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩をスルホ基に変換した。得られた重合体を19F−NMR、1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
重量平均分子量(Mw)=42,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.61
この高分子化合物を(ポリマー1)とする。

0072

[実施例2]
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノール37.5gに、モノマー1の24.0gとスチレンスルホン酸リチウム9.5gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル5.13gをメタノール112.5gに溶かした溶液を4時間かけて滴下した。さらに64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,000gの酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して白色重合体41.5gを得た。
得られた白色重合体を純水912gに溶解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩とリチウム塩をスルホ基に変換した。得られた重合体を19F−NMR、1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比モル比) モノマー1:スチレンスルホン酸=1:1
重量平均分子量(Mw)=46,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.76
この高分子化合物を(ポリマー2)とする。

0073

[実施例3]
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノール37.5gに、モノマー2の32.8gとスチレンスルホン酸リチウム9.5gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル5.13gをメタノール112.5gに溶かした溶液を4時間かけて滴下した。さらに64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,000gの酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して白色重合体46.2gを得た。
得られた白色重合体を純水912gに溶解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩とリチウム塩をスルホ基に変換した。得られた重合体を19F−NMR、1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比) モノマー2:スチレンスルホン酸=1:1
重量平均分子量(Mw)=46,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.52
この高分子化合物を(ポリマー3)とする。

0074

[実施例4]
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノール37.5gに、モノマー3の27.0gとスチレンスルホン酸リチウム9.5gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.82gをメタノール112.5gに溶かした溶液を4時間かけて滴下した。さらに64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,000gの酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して白色重合体47.3gを得た。
得られた白色重合体をメタノール421gに溶解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩とリチウム塩をスルホ基に変換した。得られた重合体を19F−NMR、1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比) モノマー3:スチレンスルホン酸=1:1
重量平均分子量(Mw)=55,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.81
この高分子化合物を(ポリマー4)とする。

0075

[実施例5]
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノール37.5gに、モノマー4の34.6gとスチレンスルホン酸リチウム9.5gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル2.82gをメタノール112.5gに溶かした溶液を4時間かけて滴下した。さらに64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,000gの酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して白色重合体50.2gを得た。
得られた白色重合体をメタノール421gに溶解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩とリチウム塩をスルホ基に変換した。得られた重合体を19F−NMR、1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比) モノマー4:スチレンスルホン酸=1:1
重量平均分子量(Mw)=56,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.68
この高分子化合物を(ポリマー5)とする。

0076

[実施例6]
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノール37.5gに、モノマー2の52.5gと4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロパノール)スチレン7.0gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル5.13gをメタノール112.5gに溶かした溶液を4時間かけて滴下した。さらに64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,000gの酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して白色重合体43.2gを得た。
得られた白色重合体を純水912gに溶解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩をスルホ基に変換した。得られた重合体を19F−NMR、1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比) モノマー2:4−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール)スチレン=4:1
重量平均分子量(Mw)=41,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.64
この高分子化合物を(ポリマー6)とする。

0077

[実施例7]
窒素雰囲気下、64℃で撹拌したメタノール37.5gに、モノマー2の52.5gとメタクリル酸−ビス3,5−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル13.1gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル5.13gをメタノール112.5gに溶かした溶液を4時間かけて滴下した。さらに64℃で4時間撹拌した。室温まで冷却した後、1,000gの酢酸エチルに激しく撹拌しながら滴下した。生じた固形物を濾過して取り、50℃で15時間真空乾燥して白色重合体61.2gを得た。
得られた白色重合体を純水912gに溶解し、イオン交換樹脂を用いてアンモニウム塩をスルホ基に変換した。得られた重合体を19F−NMR、1H−NMR、及びGPC測定したところ、以下の分析結果となった。
共重合組成比(モル比) モノマー2:メタクリル酸−ビス3,5−(2−ヒドロキシ−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)シクロヘキシル=4:1
重量平均分子量(Mw)=23,000
分子量分布(Mw/Mn)=1.61
この高分子化合物を(ポリマー7)とする。

0078

上述のようにして合成したポリマー1〜7は、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドに可溶であった。

0079

このように本発明の製造方法であれば、有機溶剤に可溶であり、特定の超強酸のスルホ基を有する本発明の導電性ポリマー用高分子化合物を容易に製造することができる。

実施例

0080

なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

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