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技術 光切断性蛍光標識プローブ

出願人 国立大学法人富山大学
発明者 友廣岳則堀田侑佑
出願日 2015年8月27日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-167367
公開日 2017年3月2日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2017-043562
状態 特許登録済
技術分野 複数複素環系化合物 その他の電気的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 可視光付近 難結晶性 水分子付加 同定解析 ケージド化合物 解析効率 操作過程 ピーク判定
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年3月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

従来法に比べて簡便化、単純化ができる、タンパク質構造解析に有用な光切断蛍光標識プローブの提供。

解決手段

式(1)で表されるクマリンジアジリン化合物。[RはH、D、低級アルコキシ基又は低級アルコキシ基の同位体;AはO、オキシカルボニルチオキシカルボニルオキシスルホニル又はアミノカルボニル;Bはリガンド]

概要

背景

創薬対象の多くは膜受容体である。しかし、分解や変性しやすいことから取り扱いにくく難結晶性であり、種類も多く、発現量も少ないことから、汎用アフィニティー精製法による単離/同定は極めて困難である。光アフィニティーラベル法は、細胞系など自然の環境下で、共有結合クロスリンク標識化できることから、難結晶性膜タンパク質、弱相互作用系にも対応できる数少ない機能/構造解析ツールであり、未特定標的受容体探索ツールとして重要視されている。

一般的に高度精製用のタグ(ビオチンなど)あるいは蛍光タグフルオレセインなど)、RIタグ(放射性同位体)をつけて、高純度に精製して同定解析を行う。しかし、微量発現受容体では標識体が著しく少ないため、精製担体における夾雑物の影響は大きくなり、煩雑化し、高純度精製は難航する。特に機能部位解析は再精製を行うと紛失しやすく、長期間をかけても多くの場合で失敗してきた。

最近、光切断性、蛍光特性質量差特性を加えることで、その解析効率同定確率飛躍的に向上させた光ラベル技術が報告された(特許文献1)。該技術は、解析するための高純度精製を必要としないため、すなわち、再精製を行わないため損失が抑えられる。その特徴は、上記の3つの特殊機能を利用した3段階の連続的な絞り込み操作にある。すなわち、光クロスリンカーにより捕捉した標的タンパク質を、光切断性を利用した選択的精製によりある程度濃縮することで、その消化産物をLC-MS装置内で、蛍光と質量差で順に絞り込み、標的を特定する。これにより、従来法に比べ、解析に必要な試料量や期間が飛躍的に削減された。この技術は2つの光反応を利用しており、ジアジリン基の光分解によりクロスリンクした標的タンパク質を精製担体に捕捉し、E-Z異性化による環化反応切断反応を利用して選択的に溶出する。この操作は光照射のみであり、化学的処理を含まないため極めて簡便であり、汎用性がある。

別途、比較的安定で小型の蛍光基クマリンにジアジリン基を導入した光標識剤が開発された(非特許文献1)。これを導入した基質プローブを用いると、光照射により標的タンパク質は蛍光化される。しかし、基質分子(ligand)はそのまま残るため、その後の解析において基質分解などを考慮することになり、そのデータ解析は煩雑化する。例えば、精製用ビオチンタグを加えても、煮沸して溶出するため多くの夾雑物を含み、標的タンパク質の特定すら難しい。しかし、この研究から、ジアジリン基がクマリン蛍光を消光することが明らかになった。すなわち、上記プローブ非蛍光性だが、標識するとタンパク質を蛍光化する。

一方、有機合成化学では、以前より光切断性保護基として、4位置換基を有するクマリン誘導体が使われてきた(非特許文献2)。最近では、これを光応答性ケージド化合物として利用し、光で保護基切除することで生理活性物質生体機能を発現させ、4次元的にin situ解析する研究が行われている。この切断反応は光励起三重項状態から進行することが証明されている。

概要

従来法に比べて簡便化、単純化ができる、タンパク質の構造解析に有用な光切断性蛍光標識プローブの提供。式(1)で表されるクマリン型ジアジリン化合物。[RはH、D、低級アルコキシ基又は低級アルコキシ基の同位体;AはO、オキシカルボニルチオキシカルボニルオキシスルホニル又はアミノカルボニル;Bはリガンド]なし

目的

一方で、光クロスリンクと光切断反応は簡便であり、標的タンパク質同定に極めて有効な機能であることは証明されているから、上記した2つの光反応を制御し、損失を抑えることが課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一般式「式中、Rは、水素原子重水素原子、低級アルコキシ基または低級アルコキシ基の同位体を;Aは、酸素原子オキシカルボニルチオキシカルボニルオキシスルホニルまたはアミノカルボニルを;Bは、リガンドを、それぞれ、意味する。」で表されるクマリンジアジリン化合物

請求項2

トリフルオロメチルジアジリンクマリン環の5位〜7位に結合している請求項1のクマリン型ジアジリン化合物。

請求項3

Rが、低級アルコキシ基または低級アルコキシ基の同位体である請求項1または 2のクマリン型ジアジリン化合物。

請求項4

Aが、オキシカルボニルである請求項1〜3のクマリン型ジアジリン化合物。

技術分野

0001

本発明は、タンパク質構造解析のための光切断蛍光標識化合物および標識プローブとしての使用に関する。

背景技術

0002

創薬対象の多くは膜受容体である。しかし、分解や変性しやすいことから取り扱いにくく難結晶性であり、種類も多く、発現量も少ないことから、汎用アフィニティー精製法による単離/同定は極めて困難である。光アフィニティーラベル法は、細胞系など自然の環境下で、共有結合クロスリンク標識化できることから、難結晶性膜タンパク質、弱相互作用系にも対応できる数少ない機能/構造解析ツールであり、未特定標的受容体探索ツールとして重要視されている。

0003

一般的に高度精製用のタグ(ビオチンなど)あるいは蛍光タグフルオレセインなど)、RIタグ(放射性同位体)をつけて、高純度に精製して同定解析を行う。しかし、微量発現受容体では標識体が著しく少ないため、精製担体における夾雑物の影響は大きくなり、煩雑化し、高純度精製は難航する。特に機能部位の解析は再精製を行うと紛失しやすく、長期間をかけても多くの場合で失敗してきた。

0004

最近、光切断性、蛍光特性質量差特性を加えることで、その解析効率同定確率飛躍的に向上させた光ラベル技術が報告された(特許文献1)。該技術は、解析するための高純度精製を必要としないため、すなわち、再精製を行わないため損失が抑えられる。その特徴は、上記の3つの特殊機能を利用した3段階の連続的な絞り込み操作にある。すなわち、光クロスリンカーにより捕捉した標的タンパク質を、光切断性を利用した選択的精製によりある程度濃縮することで、その消化産物をLC-MS装置内で、蛍光と質量差で順に絞り込み、標的を特定する。これにより、従来法に比べ、解析に必要な試料量や期間が飛躍的に削減された。この技術は2つの光反応を利用しており、ジアジリン基の光分解によりクロスリンクした標的タンパク質を精製担体に捕捉し、E-Z異性化による環化反応切断反応を利用して選択的に溶出する。この操作は光照射のみであり、化学的処理を含まないため極めて簡便であり、汎用性がある。

0005

別途、比較的安定で小型の蛍光基クマリンにジアジリン基を導入した光標識剤が開発された(非特許文献1)。これを導入した基質プローブを用いると、光照射により標的タンパク質は蛍光化される。しかし、基質分子(ligand)はそのまま残るため、その後の解析において基質分解などを考慮することになり、そのデータ解析は煩雑化する。例えば、精製用ビオチンタグを加えても、煮沸して溶出するため多くの夾雑物を含み、標的タンパク質の特定すら難しい。しかし、この研究から、ジアジリン基がクマリン蛍光を消光することが明らかになった。すなわち、上記プローブ非蛍光性だが、標識するとタンパク質を蛍光化する。

0006

一方、有機合成化学では、以前より光切断性保護基として、4位置換基を有するクマリン誘導体が使われてきた(非特許文献2)。最近では、これを光応答性ケージド化合物として利用し、光で保護基切除することで生理活性物質生体機能を発現させ、4次元的にin situ解析する研究が行われている。この切断反応は光励起三重項状態から進行することが証明されている。

0007

特開2014-137307

先行技術

0008

Chem. Commun., 2013, 49, 11551-11553.
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1999, 96, 1193-1200.

発明が解決しようとする課題

0009

特許文献1の技術において、2つの光反応は基本的に同時に起こる。最初に光異性化/切断が起こった場合は、標的タンパク質をクロスリンクすることはできない。さらに、異性化した反応基の切断は室温で容易に起こることから、精製をする前の変性条件で切断され、精製用タグ外れることが問題であった。また、このジアジリン基による光標識収率は数%と低いこと、光異性化を起こす波長は広く、可視光付近の波長まで可能であることも、取り扱いにおいて不利である。
一方で、光クロスリンクと光切断反応は簡便であり、標的タンパク質同定に極めて有効な機能であることは証明されているから、上記した2つの光反応を制御し、損失を抑えることが課題である。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、上記課題を解決するために、クロスリンクと切断の2つの光反応機能を有するが、全く異なる反応機構で進むクマリン型ジアジリン化合物を創製した。すなわち、クマリン型ジアジリン化合物は、特許文献1に記載された桂皮酸型ジアジリン化合物を使用した場合において、同時に進行した2つの光反応機能を、順次行うことができる。これによって、ラベル収率の低下、タンパク質処理操作時における損失、光環化効率による損失が抑えられ、さらに、本発明のクマリン型ジアジリン化合物は、桂皮酸型ジアジリン化合物に比べて、化学的に安定であり取り扱い易い。
以下に本発明を詳細に説明する。

0011

本発明の光切断性蛍光標識プローブは、以下の一般式(1)のクマリン型ジアジリン化合物である。

0012

「式中、Rは、水素原子重水素原子、低級アルコキシ基または低級アルコキシ基の同位体を;Aは、酸素原子オキシカルボニルチオキシカルボニルオキシスルホニルまたはアミノカルボニルを;Bは、リガンドを、それぞれ、意味する。」

0013

本発明において、低級アルコキシ基とは、メトキシエトキシプロポキシイソプロポキシブトキシイソブトキシ、ペントキシおよびヘキソキシ基などの直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルコキシ基を意味する。

0014

本発明において、リガンド(ligand)とは、特定の受容体(receptor)に特異的に結合する物質のことを意味し、例えば、酵素の基質、ホルモン神経伝達物質などのシグナル物質が挙げられる。

0015

一般式(1)のクマリン型ジアジリン化合物で、好ましいものは、下記の一般式(1a)、(1b)および(1c)のクマリン型ジアジリン化合物が挙げられる。

0016

0017

0018

「式中、Rは、水素原子、重水素原子、低級アルコキシ基または低級アルコキシ基の同位体を;Aは、酸素原子、オキシカルボニル、チオキシカルボニル、オキシスルホニルまたはアミノカルボニルを;Bは、リガンドを、それぞれ、意味する。」

0019

さらに、一般式(1a)、(1b)および(1c)のクマリン型ジアジリン化合物において、Aがオキシカルボニルである化合物が好ましいものとして挙げられる。

0020

一般式(1)のクマリン型ジアジリン化合物は、例えば、以下の合成ルートで製造することができる。

0021

「式中、Rは、水素原子、重水素原子、低級アルコキシ基または低級アルコキシ基の同位体を;Aは、酸素原子、オキシカルボニル、チオキシカルボニル、オキシスルホニルまたはアミノカルボニルを;Bは、リガンドを;Xは、塩素原子臭素原子ヨウ素原子などのハロゲン原子を、それぞれ、意味する。」

0022

一般式3の化合物は、一般式1の化合物に酸触媒存在下、一般式2の化合物を反応させることで製造することができる。
この反応で使用される酸触媒は、主にメタンスルホン酸硫酸であり、それらを溶媒として利用することもできる。
この反応は、室温で、10〜20時間行えば良い。
一般式1の化合物は、例えば、非特許文献1に記載の方法またはそれに準じた方法で製造される。

0023

一般式(1)の化合物は、一般式3の化合物に、フッ化カリウム存在下、溶媒の存在下に、一般式4の化合物を反応させることで製造することができる。
この反応で使用される溶媒は、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
この反応は、45〜55℃、12〜48時間行えばよい。

0024

本発明のクマリン型ジアジリン化合物(A)は、例えば、以下のように、標識プローブとして使用できる。

0025

ここで、B1は、リガンドを意味する。
(a)0℃以下の低温下、ジアジリン基光反応により結合したタンパク質を共有結合により捕捉(クロスリンク)する。続いて、(b)30℃〜40℃で光を再照射すると、切断反応が速やかに起こり、リガンドが切断される。
ここで、光照射は、(a)ジアジリン基光反応において、0℃、350nm〜360nmで、高圧水銀灯(250W)で10秒〜5分、あるいはブラックライトランプ(60W)で2分〜30分、(b)の切断反応において、室温から60℃、300nm〜320nmで、高圧水銀灯(250W)で10秒〜5分、あるいはブラックライトランプ(60W)では10分〜60分である。

0026

本発明化合物において、置換基Rに重水素にしたものや安定同位体を含む臭素、あるいはベンゼン環水素を重水素に変換することで、質量分析において標的シグナル判別が容易となる。具体的には、例えば、Rが臭素原子である場合、その同位体比が1:1であるため、ラベル化されたペプチド質量分析装置に供すれば、質量差(Δm/z)2u(z=1)の二重線で現れる。

0027

例えば、Rがエチル基であるプローブでは、CH2CH3とCD2CD3の同量合物を用いた場合、この置換基はジアジリン光反応性や環化反応には影響しないが、ラベルされたペプチドは質量差(Δm/z)5u(z=1)の二重線で現れる。また、Rにメチル基のものを併用すれば、エチル基と質量差(Δm/z)14 u(z=1)が利用できる。特にペプチド解析では、臭素の2差に比べて後者の化合物は、ラベルピーク判定が明確になる。

発明の効果

0028

創薬において、薬物受容体同定は初期開発研究の重要ステップであり、さらに薬物結合部位の解析は、リード化合物の最適化に重要な指針を与える。しかし、標的薬物受容体の多くはアフィニティー精製など汎用法による標的同定は極めて難しい。本発明はこれら受容体にも適用可能な技術であり、高性能化学プローブとしてその解析精度と効率を一気に高め、著しい高速解析を実現した。

0029

本発明の光切断性蛍光標識プローブの最大の特徴は、高感度の選択的精製に有利な蛍光基であること加え、質量分析においても選択的検出が可能な質量差を有する標識であることである。これにより、従来法では極めて煩雑で困難だった操作過程、つまり極微量ラベルペプチドの精製や質量分析による配列解析において、操作を単純化することで損失を抑え、必ずしも高純度にしなくても極微量ラベルペプチドの高感度特定を可能にすることで大幅な時間短縮ができる。さらに、標的タンパク質ラベルまでの全ての操作は光照射のみで達成され、特別な濃縮操作を必要としないこと、特定のための対照実験を必要としないことなど、従来法に比べて著しい簡便化、単純化が達成できる。

図面の簡単な説明

0030

本発明の実施例の図である。

実施例

0031

以下、本発明を製造例・実施例などで説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例1

0032

(1) 3-ethoxy-5-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)phenol[化合物1a]
5-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)benzene-1,3-diol[化合物5]764mg(3.5mmol)をアセトン20mL中に溶解し、18-crown-6-ether 92.5mg(0.35mmol)、炭酸カリウム2.90g (21mmol)を加えた。この時溶液はオレンジ色に変化した。ヨードエタン140μL(1.75mmol)をゆっくり滴下し、室温で17時間撹拌した。反応溶液酢酸エチルと1 M塩酸で1回、飽和食塩水で2回処理し、有機層硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去して溶媒を取り除いた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜1:1)で精製し、黄土色油状の化合物1a 168.8mg(0.6857mmol)を得た。また化合物5を収率71%で回収した。

0033

1H NMR(300MHz, CDCl3,標準物質TMS) δ 6.41(1H, s), 6.23(2H, s), 5.04 (1H, br s), 3.98(2H, q, J=6.6 Hz), 1.40(3H, t, J=6.9 Hz)

0034

(2)4-(chloromethyl)-5-ethoxy-7-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)-2H- chromen-2-one[化合物3a]
化合物1a 169mg(0.688mmol)をメタンスルホン酸6.8mL中に溶解した。この時、溶液は黄色に変化した。その後、ethyl 4-chloroacetoacetate 187μL(1.37mmol)をゆっくりと滴下し、室温で15時間撹拌した。反応溶液を氷水中に注ぎ、白色沈殿の生成を確認した。沈殿物を濾取し、デシケーター内でシリカゲル顆粒と共に真空乾燥させ、白色固体の化合物3a 215mg(0.619mmol)を得た。

0035

1H NMR(300MHz, CDCl3,標準物質TMS) δ 6.80(1H, s), 6.64(1H, s), 6.42(1H, s), 4.93(2H, s), 4.17(2H, q, J=7.0 Hz), 1.55(3H, t, J=7.0 Hz)
HRMS(ESI+) m/z 347.0410 (M-H+) C14H11ClF3N2O3 required 347.0417

0036

(3)5-tert-butyl 1-(5-ethoxy-2-oxo-7-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)- 2H-chromen-4-yl)methyl 2-(tert-butoxycarbonylamino)pentanedioate[化合物1aa]
化合物3a 52.0mg(0.150mmol)とBoc-L-グルタミン酸1-tert-ブチルエステル68.3mg(0.225mmol)とフッ化カリウム26.1mg(0.45mmol)をそれぞれ量りとり、乾燥N,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解させ、アルゴン雰囲気下、50℃で18時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルと水で2回、酢酸エチルと飽和食塩水で1回洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去して溶媒を取り除いた。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜2:1)で精製し、色油状の化合物1aa 87.9 mg(0.143mmol)を得た。

0037

1H NMR(300MHz, CDCl3,標準物質TMS) δ 6.78(1H, s), 6.50(1H, s), 6.39(1H, s), 5.50(2H, s), 5.13(1H, d, J=9.0 Hz), 4.43(1H, m), 4.14(2H, q, J=6.9 Hz), 2.40(2H, m), 2.22(1H, m),2.04(1H, m),1.54(3H, t, J=6.9 Hz),1.46(9H, s),1.45(9H, s)
HRMS(ESI+) m/z 636.2139 (M-Na+) C28H34F3N3NaO9 required 636.2145

0038

(4)4-amino-5-((5-ethoxy-2-oxo-7-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)-2H- chromen-4-yl)methoxy)-5-oxopentanoic acid [化合物1ab]
化合物1aa 33.6mg(0.055mmol)にトリフルオロ酢酸5 mLを加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を四塩化炭素で2回、クロロホルムで1回共沸し、薄茶色油状物質を得た。これを高速液体クロマトグラフィーで精製し、白色個体の化合物1ab 15.2mg(0.033mmol)を得た。

0039

1H NMR(400MHz, CD3OD,標準物質TMS) δ 6.88(1H, s), 6.59(1H, s), 6.53(1H, t, J=2.0 Hz), 5.74(1H, d, J=18, 2.0 Hz ), 5.63(1H, d, J=18, 2.0 Hz), 4.33(1H, t, J=8.0 Hz), 4.22(2H, q, J=7.2 Hz), 2.59(2H, t, J=5.2), 2.25(2H, m), 1.53(3H, t, J=7.2 Hz)
HRMS(ESI+) m/z 458.1170 (M-H+) C19H19F3N3O7 required 458.1174

0040

HPLC精製条件
使用カラム:SHISEIDOC18 UG120 5μm 10mmI.D.×250 mm
A液:10% acetonitrile 89.9% H2O 0.1% TFA、B液:10%H2O 89.9% acetonitrile 0.1% TFA
流速:4 mL/min、
グラジエント:0 min(A:B=85%:15%)→30 min(A:B=20%:80%)
検出波長:215 nm, 295 nm, 360 nm, 295 nm(ex)→460 nm(em)

0041

製造例2

0042

・5-ethoxy-4-(hydroxymethyl)-7-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)-2H-chromen- 2-one [化合物3b]
化合物1aa 17.4mg(0.028mmol)をメタノール3mL中に溶かした。この時、反応溶液は黄色になった。その後、1M塩酸3 mL(3.00mmol)を滴下し、室温で30分間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチル、1M塩酸、水、飽和食塩水で各1回順次洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧留去して溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で分離精製し、白色個体の化合物3b 3.4mg(収率36%)を得た。

0043

1H NMR(300MHz, CDCl3,標準物質TMS) δ 6.79(1H, s), 6.67(1H, s), 6.40(1H, s), 5.50(2H, d, J=4.9 Hz), 4.15(2H, q, J=7.1 Hz), 2.30(1H, t, J=5.7 Hz), 1.54(3H, t, J=6.9 Hz),
HRMS(ESI+) m/z 329.0744 (M-H+) C14H12F3N2O4 required 329.0749

0044

製造例3

0045

・4-(aminomethyl)-5-ethoxy-7-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)-2H-chromen- 2-one [化合物3c]
化合物3a 52.0mg(0.15mmol)に28%アンモニア水溶液を15mL加え、アルゴン雰囲気下、50℃で4時間撹拌した。反応溶液を、酢酸エチルと1 M塩酸で2回、飽和食塩水で1回順次洗浄、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム100%→クロロホルム:メタノール=10:1)で分離精製し、黄色個体の化合物3c 36.9mg(収率73%)を得た。

0046

HRMS(ESI+) m/z 328.0904 (M-H+) C14H13F3N3O3 required 328.0921

0047

実施例1

0048

水中、0℃で365nmの光照射により基質プローブのジアジリン基は光分解し、近傍に存在する水分子と反応する。これらの生成物はHPLCで追跡し、定量した(図1)。この光照射条件では水分子が付加した生成物はほとんど切断反応を起こさない。この基質プローブの蛍光はほとんど観測されず極めて弱いことからジアジリン基によるクマリン蛍光の消光が起こっていることが示され、光照射によりジアジリン基が分解し生成した水分子付加物は蛍光発光を示した。ほぼ原料の基質プローブが反応した後、照射波長を313nm光に変更し、水中、37℃で行うと、切断反応が速やかに起こることが確認された。切断反応は、照射光の波長および照射温度に依存することが明らかになった。

0049

現在、膜タンパク質を含めて薬物受容体の同定、およびその結合構造解析は、分子創薬における最も重要なポイントである。本発明化合物を用いる方法は、従来法ではしばしば数年を要する解析を、数週間で終了することが可能である。しかも、複数ラベル部位の特定も可能であり、情報量は多い。操作も簡単であるため汎用性は高く、必要備品光源とHPLC、MS分析器のみである。さらに、異なる生理活性物質に同一反応基を装着するだけで、多様な解析プローブを作製することができるため、開発期間の大幅な短縮とともに、より正確な情報取得も迅速かつ簡便にできコストダウンが期待できる。さらに、質量差を有する蛍光タグ化技術によるタンパク質ラベル化法は、創薬以外に、基礎生物学から医療分野に至る広範囲の学術領域に有用である。

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