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技術 栽培装置及び栽培方法

出願人 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社
発明者 布施順也稲山光男
出願日 2015年8月24日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2015-164892
公開日 2017年3月2日 (3年11ヶ月経過) 公開番号 2017-042055
状態 特許登録済
技術分野 植物の栽培 温室
主要キーワード 箱形構造体 天板パネル 品質価値 多段棚 電気回路部材 建物構造物 セル穴 液化炭酸ガスボンベ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

品質の良い植物を安定して低コストで効率よく生産することができる栽培装置及び栽培方法を提供する。

解決手段

育成装置3〜6と、照明器13と、空調装置7〜10とを備えた閉鎖空間で植物を栽培する栽培装置及び方法において、発から少なくとも72時間の栽培期間を、24時間明期の条件で栽培する。すべての空調装置7〜10の合計の冷房能力(Wb)とすべての照明器13の合計の消費電力(Wa)との比Wb/Waが1以上5以下である。照明器13の照度は、500〜15000lxである。

概要

背景

従来、果菜類葉菜類などの栽培方法として、植物工場による栽培が広く普及している(例えば、特開2014−233231号公報)。この植物工場においては、現在、様々な方法で栽培が行なわれている。国際公開WO2005/000005号公報、特開2014−82979号公報には、人工照明を使用し明期暗期を調整し、その他養液炭酸ガスなどを調整して高品質で均一な生産する方法が開示されている。

これら従来技術のように、植物工場における栽培においては、人工照明を用いた栽培においても、光を照射する期間である明期と、光を照射しない期間である暗期を調整して栽培を行う。これは、光合成をはじめ様々な生理現象を明確な概日リズムで栽培することで、品質の良い植物を安定して栽培するためである。

一方では、栽培期間を短縮し、効率良く栽培するため、光照射する時間、すなわち明期を長くして栽培する方法も行われている。しかし、栽培する植物の暗期が過度に短くなると、葉が黄化したり、草姿に異常が生じるなどの生育障害が発生したりするなど、植物の品質価値が低下するおそれがある。

また、閉鎖された空間において、明期と暗期の切り替えに伴って閉鎖空間内の温度、湿度が変動する。この変動を抑制して閉鎖空間内の環境を一定に制御するための設備が複雑になり、設備費用が高価となる。即ち、明期と暗期、それぞれの時間帯を最適な温度と湿度に制御するためには、それぞれの時間帯の空調負荷に応じた空調設計が必要であり、明期と暗期を設けることにより、一定の制御をするよりも設備が複雑になり設備費用が高価になる。

概要

品質の良い植物を安定して低コストで効率よく生産することができる栽培装置及び栽培方法を提供する。育成装置3〜6と、照明器13と、空調装置7〜10とを備えた閉鎖空間で植物を栽培する栽培装置及び方法において、発から少なくとも72時間の栽培期間を、24時間明期の条件で栽培する。すべての空調装置7〜10の合計の冷房能力(Wb)とすべての照明器13の合計の消費電力(Wa)との比Wb/Waが1以上5以下である。照明器13の照度は、500〜15000lxである。

目的

本発明は、上記の問題を解決し、品質の良い植物を安定して低コストで効率よく生産することができる栽培装置及び栽培方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

育成装置照明装置及び空調装置を備えた閉鎖空間において植物を栽培する栽培装置において、発から少なくとも72時間の栽培期間を、24時間明期の条件とし、前記照明装置の照度を500〜15000lxとして栽培することを特徴とする栽培装置。

請求項2

すべての前記空調装置の合計の冷房能力(Wb)とすべての前記照明装置の合計の消費電力(Wa)との比Wb/Waが1以上5以下であることを特徴とする請求項1に記載の栽培装置。

請求項3

前記閉鎖空間内環境温度は、10〜30℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の栽培装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の栽培装置を使用して植物を栽培する栽培方法

請求項5

前記植物は、ウリ科の植物であることを特徴とする請求項4に記載の栽培方法。

技術分野

0001

本発明は、植物を栽培するための栽培装置及び栽培方法に関する。

背景技術

0002

従来、果菜類葉菜類などの栽培方法として、植物工場による栽培が広く普及している(例えば、特開2014−233231号公報)。この植物工場においては、現在、様々な方法で栽培が行なわれている。国際公開WO2005/000005号公報、特開2014−82979号公報には、人工照明を使用し明期暗期を調整し、その他養液炭酸ガスなどを調整して高品質で均一な生産する方法が開示されている。

0003

これら従来技術のように、植物工場における栽培においては、人工照明を用いた栽培においても、光を照射する期間である明期と、光を照射しない期間である暗期を調整して栽培を行う。これは、光合成をはじめ様々な生理現象を明確な概日リズムで栽培することで、品質の良い植物を安定して栽培するためである。

0004

一方では、栽培期間を短縮し、効率良く栽培するため、光照射する時間、すなわち明期を長くして栽培する方法も行われている。しかし、栽培する植物の暗期が過度に短くなると、葉が黄化したり、草姿に異常が生じるなどの生育障害が発生したりするなど、植物の品質価値が低下するおそれがある。

0005

また、閉鎖された空間において、明期と暗期の切り替えに伴って閉鎖空間内の温度、湿度が変動する。この変動を抑制して閉鎖空間内の環境を一定に制御するための設備が複雑になり、設備費用が高価となる。即ち、明期と暗期、それぞれの時間帯を最適な温度と湿度に制御するためには、それぞれの時間帯の空調負荷に応じた空調設計が必要であり、明期と暗期を設けることにより、一定の制御をするよりも設備が複雑になり設備費用が高価になる。

先行技術

0006

特開2014−233231号公報
国際公開WO2005/000005号公報
特開2014−82979号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、上記の問題を解決し、品質の良い植物を安定して低コストで効率よく生産することができる栽培装置及び栽培方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の栽培装置は、育成装置照明装置及び空調装置を備えた閉鎖空間で植物を栽培する栽培装置において、発から少なくとも72時間の栽培期間を、24時間明期の条件とし、前記照明装置の照度は、500〜15000lxで栽培することを特徴とするものである。

0009

本発明では、すべての前記空調装置の合計の冷房能力(Wb)とすべての前記照明装置の合計の消費電力(Wa)との比Wb/Waが1以上5以下であることが好ましい。前記閉鎖空間内の環境温度は、10〜30℃であることが好ましい。

0010

本発明の栽培方法は、本発明の栽培装置を使用して植物を栽培するものである。

0011

本発明の栽培方法は、ウリ科の植物を栽培するのに好適である。

発明の効果

0012

本発明の栽培装置及び栽培方法では、発芽から少なくとも72時間の栽培期間を24時間明期とすることにより、栽培する植物を効率よく育成することができる。なお、この明期の照度を500〜15000lxと低くすることにより、24時間連続照明下における植物の成育障害の発生を抑制することができる。

0013

本発明では、発芽から少なくとも72時間の期間、24時間明期栽培とするので、この栽培期間に暗期と明期との切り替えがなく、それに伴う環境変化もより少なくすることができる。また、閉鎖空間内で栽培を行うには、特に暗期の状態における温度や湿度の制御が難しくコストもかかってしまうが、本発明では暗期の状態が必要ないため、閉鎖空間内の温度や湿度の制御を行うための設備費用や、制御するコストを低くすることができる。

図面の簡単な説明

0014

実施の形態に係る栽培装置の平面図である。
図1のII−II線断面図である。
多段棚植物育成装置の正面図である。
図3のIV−IV線断面図である。
実施の形態に係る多段棚式植物育成装置のトレイの平面図である。
図5のトレイの斜視図である。
図5のVII−VII線断面図である。
別の実施の形態に係る多段棚式植物育成装置のトレイの断面図である。

0015

図1〜8を参照して、本発明の好ましい形態を説明する。図1〜7は第1の好ましい形態に係る栽培装置を示すものであり、図1,2の通り、断熱性壁面で囲まれた完全遮光性とされた閉鎖型建物構造物1の部屋内に、箱形複数個(図示の例では4個)の多段棚式植物育成装置3、4、5、6が設置されている。この実施の形態では、植物育成装置は育苗装置である。

0016

図1では、2個の多段棚式植物育成装置3、4をそれらの開放前面が同方向を向くように配列して1列とし、2個の多段棚式植物育成装置5、6もそれらの開放前面が同方向を向くように配列して1列とし、開放前面が互いに対面するように二つの列を部屋内に配置している。また、これら二つの列の間に、一人または複数の作業者が作業できる程度の作業空間を設けてある。部屋の壁面と各多段棚式植物育成装置3〜6の背面との間に、50〜500mm程度の幅の空間を設けて、多段棚式植物育成装置3〜6を通過した空気の通路を形成する。

0017

部屋に出入りするためのドア2の内側にエアーカーテンを設置すると、作業者が出入りする際に外気が入らないようにできるので好ましい。

0018

部屋の壁面の上部には、部屋内の空気を調温調湿し、設定条件に調温調湿した空気を循
環させる機能を備えた空調装置7〜10が設置されている。

0019

多段棚式植物育成装置3〜6は、図3,4に示すように、それぞれ台座3c、左右の側面パネル3a、背面の背面パネル3b及び天頂部のトップパネル3eを有し、前面は開放した箱形構造体を備えている。この箱形構造体の内部に、複数の育苗棚12が上下方向に一定間隔多段に配置されている。最下段の育苗棚12は、台座3c上に載置されている。最下段以外の各育苗棚12はそれぞれ支持板11(図7)上に設置されている。各支持板11は、左右の側面パネル3a,3a間に水平に架設されている。

0020

各多段棚式植物育成装置3〜6の高さは、作業者が作業できる程度の高さである2000mm程度とし、育苗棚12の左右方向幅は、数十から数百個のセル小鉢)を格子状に配列させた樹脂製のセルトレイ複数枚並べて載置できるとともに、各育苗棚12の上側のスペースSの温度・湿度を一定に調節できる幅、例えば1000mm〜2000mm程度とし、育苗棚12の奥行き長さは500mm〜1000mmとするのが好ましい。各育苗棚12には複数枚のセルトレイ40(図1,7参照)がほぼ水平に載置されている。セルトレイ1枚の寸法は、一般的には左右幅が300mm、奥行き長さが600mm程度である。

0021

台座3cに設けたアジャスター(図示略)によって各育苗棚12の水平度を調整できるよう構成されている。各育苗棚12には、後述する潅水装置30が設けられている。

0022

下から2段目以上の各育苗棚12の下側及びトップパネル3eの下面には、人工照明器13が設置され、各人工照明器13の直下の育苗棚12のセルトレイ40で生育する植物に光を照射するよう構成されている。この実施の形態では、最上部の人工照明器13はトップパネル3eに取り付けられている。人工照明器13は、左右の側面パネル3a、3aにフックを設け、該左右のフックに人工照明器13を載せ設置されている。支持板11と人工照明器13との間に間隙があいている。

0023

人工照明器13の発光体としては蛍光灯LED等が好ましいが、この実施の形態では光源として直管状の蛍光灯13cが用いられている。図7の通り、この実施の形態では、各人工照明器13のボックス13aの下面に直管状蛍光灯13cが2本設けられているが、蛍光灯の本数はこれに限定されない。

0024

ボックス13aは、天板13d及び底板13eを有した箱状体であり、底板13eは蛍光灯13cの光を反射する反射板を兼ねている。安定器インバータ定電流回路定電圧回路電流制限抵抗等の電気回路部材13fを内蔵した電源ユニット13gが天板13dの下面に取付けられている。

0025

図4の通り、各育苗棚12同士の間、及び最上段の育苗棚12と天板パネル3eとの間のスペース(育苗スペース)Sの後方の背面パネル3bに通気口15aが設けられ、各通気口15aにそれぞれ空気ファン15が取り付けられている。空気ファン15を稼働させることにより、部屋内に図2の矢印で示したような空気の循環流が生じる。すなわち、空調装置7〜10によって調温調湿された空気は、多段棚式植物育成装置3〜6の開放前面側より育苗棚12各段の育苗スペースS内に吸引され、通気口15aから背面パネル3bの後方へ排出され、背面パネル3bと閉鎖型建物構造物1の壁面との間を通って上昇し、空調装置7〜10に吸い込まれ、調温調湿されたのち、再び多段棚式植物育成装置3〜6の上側を通って開放前面側に吹き出される。

0026

図1,2のように、2列の多段棚式植物育成装置3、4と多段棚式植物育成装置5、6をそれらの間に作業空間が形成されるように配列した場合には、この作業空間が空気の循環路としても機能し、効果的な循環流が形成される。

0027

循環流が多段棚式植物育成装置3〜6の各育苗スペースSを通過する際に、潅水装置、培地、植物などから蒸発した水蒸気や人工照明器13から放出される熱が循環流に同伴され、この循環流を空調装置7〜10によって調温調湿して絶えず循環させることによって、部屋内を植物体生育に最適な温度湿度環境に保つことができる。育苗スペースSを流れる空気の流速は、0.1m/sec以上であることが好ましく、0.2m/sec以上であることがより好ましく、0.3m/sec以上が更に好ましい。気流の速度が速すぎると、植物の育成に問題が生じるおそれがあるため、一般的には2.0m/sec以下であることが好ましい。

0028

この実施の形態では、気流を育苗スペースSの前面からファン15を経て多段棚式植物育成装置3〜6の背面側へ流しているが、逆に多段棚式植物育成装置3〜6の背面側から前面側へ流してもよい。ただし、前面側から背面側へ流す方が、育苗スペースSにおける気流が均一になるので好ましい。

0029

この実施の形態では、潅水装置(底面潅水装置)30は、支持板11上に載置された潅水トレイ31を有する。そして、該潅水トレイ31に載置されたセルトレイ40の底面から潅水を行うよう構成されている。この潅水装置30の構成例を図5〜7を参照して説明する。なお、図5は潅水装置の平面図、図6は斜視図、図7図5のVII−VII線断面図である。

0030

この潅水トイレ31は、平面形状が四角形底版31dを有している。底版31dの後辺及び左右両側辺側壁31a、31b、31cが立設されている。潅水トレイ31の前辺には34が設けられている。底版31dの該前辺に沿って、底版31dに連接して排水溝32が設けられており、排水溝32の一端には排水口32a(図5,6)が形成されている。堰34は、排水溝32と底版31dの上面側を仕切るように設けられている。堰34の両端部は側壁31b,31cから離隔しており、両者の間に切欠部34a(図5,6)が形成されている。各切欠部34aから底版31d上の養液が排水溝32に流出するよう構成されている。また、潅水トレイ31の後辺の側壁31aに沿って、養液を潅水トレイ31内に供給する給水管33が設けられており、給水管33に設けた複数の小孔33a(図6)から養液が底版31d上に供給されるようになっている。

0031

底版31dの上面に高さ約7mm程度の複数のリブ35が、側壁31a側から排水溝32に向って互いに平行に延設されており、これらのリブ35の上にセルトレイ40が載置されるようになっている。

0032

この潅水装置30は、図4の通り、潅水トレイ31を支持板11上に載置したときに、排水溝32が多段棚式植物育成装置3〜6の開放前面から突出する寸法とされている。排水溝32を多段棚式植物育成装置3〜6の開放前面から突出させることにより、排水溝32の排水口32aから排出される養液を集めて建物構造物1外部へ排出しやすくなる。

0033

潅水装置30の給水管33に設けた小孔33aから養液を連続的に供給すると、養液は堰34によって堰き止められて所定水位まで溜まりプール状態となる。給水管33から養液を供給している間、切欠部34aから養液が少しずつ排水溝32へ流出する。養液供給量と切欠部34aからの流出量を調節することによって、潅水トレイ31内に例えば10〜12mm程度の水位のプール状態が維持されるようにするのが好ましい。リブ35の上に載置されているセルトレイ40の各セル41底面に形成されたセル穴42(図7)からセル41内の培地へ毛管作用により水が吸い上げられ、短時間ですべてのセル41内の培地が水分飽和状態になる。

0034

なお、この潅水装置30では、図7の通り、潅水トレイ31の底版31dの上面を排水溝32の方向へ傾斜させている。これにより、潅水停止時に養液を排水溝32へ短時間で排出させることができる。また、底版31dの上面に傾斜をもたせた場合には、リブ35の高さを変化させてリブの頂部35aが水平となるようにすることにより、リブ35の上に載置したセルトレイ40を水平に保持できる。

0035

図8は、本発明で用いる潅水装置の別例を示すものであり、図5図7における部材と同じ部材には、同じ符号を付してある。この潅水装置30’においては、潅水トレイ底版31dにセルトレイ40を載置する際に、潅水トレイ底版31dとセルトレイ40との間にアンダートレイ50を介在させる。このアンダートレイ50は各セル41内に培地を入れたセルトレイ40を支持し得る程度の剛性を備えており、その底壁面には複数の小孔51が形成されているとともに、その裏面には複数の突起52が形成されている。これらの突起52は、セルトレイ40をアンダートレイ50とともに潅水トレイ内に収容するときに、潅水トレイ底版31dとセルトレイ40底面との間に間隙を保持する間隙保持手段として機能する。

0036

図8の潅水装置30’においても、給水管33から養液を供給して所定水位のプール状態となった場合には、アンダートレイ50の小孔51からアンダートレイ50内に養液が導かれ、セルトレイ40の各セル41底面に形成されたセル穴42からセル内の培地へ毛管作用により水が吸い上げられる。

0037

なお、図8においても、左右の側面パネル3a、3aにフックを設け、該左右のフックに人工照明器13を載せることにより人工照明器13が設置されており、支持板11と人工照明器13との間に間隙があいている。

0038

潅水トレイ31に載置されるセルトレイ40は、前述したように、数十から数百のセル41を格子状に配列させてトレイ形状一体化したものであり、セルトレイ1枚の寸法は幅が300mm、長さが600mm前後とされているが、これに限定されない。

0039

苗が光合成で消費する炭酸ガスを人為的に供給するために、図1に示すように、閉鎖型建物構造物1の外部に液化炭酸ガスボンベ16を設置し、炭酸ガス濃度計測装置(図示略)により計測した部屋内の炭酸ガス濃度が一定濃度となるように、炭酸ガスボンベ16から炭酸ガスを供給する。

0040

上記の栽培装置は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、部屋の大きさや、多段棚式植物育成装置の設置数は前記以外であってもよい。また、空調装置は天井に設置されてもよい。

0041

本発明では、このように構成された栽培装置で、発芽から少なくとも72時間の栽培期間、24時間明期の条件で植物を栽培する。明期栽培期間は、72時間以上、特に96時間以上とすることが好ましく、また216時間以下、特に168時間以下、とりわけ144時間以下とすることが好ましい。

0042

播種から発芽までの期間は、栽培する植物の品種や、生育温度などの環境により異なるが、多くの植物はおおよそ48時間から72時間程度で発芽する。本発明は、少なくとも発芽から24時間明期とすることが重要であり、播種から発芽までの期間は、明期また暗期の条件を特に限定することはない。

0043

照明装置(この実施の形態では蛍光灯13c)の照度は、500lx以上であることが重要であり、1500lx以上であることが好ましく、3000lx以上であることがより好ましく、4000lx以上であることが更に好ましい。また、照明装置の照度は15000lx以下であることが重要であり、14000lx以下であることが好ましく、12000lx以下であることがより好ましく、9500lx以下であることが更に好ましい。なお、本発明において、照度とは、栽培している植物の栽培面上で、栽培するの中心部、端部付近、中心部と端部の中間地点の5箇所を測定した平均値のことをいう。照明装置の照度を上記とすることで、24時間明期で栽培した場合においても、葉の黄化などの生育障害の発生を抑制することができ、栽培する植物の生育条件をより好ましいものとすることができる。前述の通り、照明装置は、蛍光灯に限定されるものではなく、LEDなどの照明装置も利用することができる。

0044

本発明では、閉鎖空間内の炭酸ガス濃度を300〜3000ppmとすることが好ましく、500〜2000ppmとすることがより好ましく、700〜2000ppmとすることが更に好ましく、800〜1500ppmとすることが特に好ましい。炭酸ガス濃度を上記範囲とすることにより、光合成による炭酸ガス固定能の低下を抑制することができ、エネルギー源(糖類)の合成が減少することなく、生育に必要なエネルギーを生成することができる。

0045

閉鎖空間の環境温度は10〜30℃であることが好ましく、15〜30℃であることがより好ましく、18〜30℃であることが更に好ましい。

0046

発芽から少なくとも72時間の栽培期間を24時間明期とし、上記条件で栽培することにより、植物を効率よく育成することができ、また、この栽培期間の後、圃場に移して栽培する場合にも、葉の黄化や草姿の形態異常などの生育障害などの問題が発生することを抑制することができる。

0047

本発明では、すべての空調装置15の合計の冷房能力(Wb)とすべての照明装置(上記実施の形態では蛍光灯13c)の合計の消費電力(Wa)との比Wb/Waが1以上5以下であることが好ましく、1以上4以下であることがより好ましく、1以上3以下であることが更に好ましく、1以上2以下であることが特に好ましい。Wb/Waを上記の範囲とすることで、閉鎖空間内の環境を適正かつ一定に保つことが可能となり、さらに、空調のオンオフによる環境変化もより少なくすることが可能となる。蛍光灯などの照明装置1本当りの消費電力をWsとし、照明装置の本数をnとし、1基の空調装置の冷房能力をWkとし、空調装置の設置台数をmとした場合、Wb/Waは下記式のAで表わされる。
A=Wb/Wa
=(Wk×m)/(Ws×n)
m:空調装置の台数(基)
n:照明装置の本数(本)

0048

上記実施の形態では、潅水装置が設けられているが、省略されてもよい。本発明において、発芽から少なくとも72時間の栽培期間は、養液または真水を与えず栽培しても良く、一定の割合で養液または真水を与えても良い。栽培する植物の種類や時期により、本発明で栽培した幼苗を圃場に移して栽培する栽培条件に応じて、養液や真水の供給を適宜設定することができる。

0049

本発明の栽培装置で栽培する植物は、特に限定されることはないが、本発明はウリ科の植物を栽培するのにより好ましく適する。さらに、接ぎ木苗穂木台木用として栽培する方法として好ましく使用することができる。

0050

本発明において、明期とは、照明装置を実質的に24時間(/日)点灯させて栽培することを意味するが、照明装置は24時間にわたって連続して点灯している必要はなく、照明装置を一時的に消灯してもよい。すなわち、本発明の効果を奏する範囲内で照明を一時的に消すことは24時間明期であることに含まれる。

0051

植物工場においては、設備費用や維持費用を安価にすることは非常に重要であり、本発明は、植物の栽培に悪影響を与えることなく、かつ完全閉鎖型の栽培設備でありながら費用を安価とすることを可能とするものである。

0052

以下、実施例及び比較例について説明する。以下の実施例及び比較例では、図1〜7に示す構造を有した栽培装置を用いて作物を栽培し、作物の生育状態を以下の基準で評価し、結果を表1に示した。
○:良
×:生育異常あり(葉の黄変展葉異常、形態異常等)

0053

<実施例1>
閉鎖型建物構造物1内の完全閉鎖された空間内に5段3棚の多段棚式植物育成装置3を2基設置した。蛍光灯は出力45Wのものを各棚に2本ずつ、合計60本設置した。空調装置としては、冷房能力5.0kWのものを1台設置した。A値(Wb/Waの値)は1.8である。

0054

各育苗棚12にセルトレイ40(200孔)を設置し、キュウリを播種した。播種した後72時間は、29℃の暗黒湿潤条件で発芽させた。発芽から120時間の間潅水を1日1回行い、照度8500lx、24時間明期、炭酸ガス濃度1000ppm、環境温度28℃、湿度60〜80%の条件で、キュウリを栽培した。

0055

<実施例2>
カボチャを実施例1と同様の条件で栽培した。

0056

<実施例3>
各棚に蛍光灯(45W)を1本ずつ設置することにより照度を4500lxとし、A値を2.6としたこと以外は、実施例1と同様の条件でキュウリを栽培した。

0057

<実施例4>
各棚に蛍光灯(45W)を1本ずつ設置することにより照度を4500lxとし、A値を2.6としたこと以外は、実施例1と同様の条件でカボチャを栽培した。

0058

<比較例1>
各棚に蛍光灯(45W)を4本ずつ設置することにより照度を17000lxとしたこと以外は、実施例1と同様の条件でキュウリを栽培した。

0059

<比較例2>
各棚に蛍光灯(45W)を4本ずつ設置することにより照度を17000lxとしたこと以外は、実施例1と同様の条件でカボチャを栽培した。

0060

<比較例3>
各棚に蛍光灯(45W)を6本ずつ設置することにより照度を26000lxとし、A値を1.7としたこと以外は、実施例1と同様の条件でキュウリを栽培した。

0061

<比較例4>
各棚に蛍光灯(45W)を6本ずつ設置することにより照度を26000lxとし、A値を1.7としたこと以外は、実施例2と同様の条件でカボチャを栽培した。

0062

<比較例5>
各棚に蛍光灯(45W)を6本ずつ設置することにより照度を26000lxとし、A値を1.7としたこと以外は、実施例1と同様の条件でトマトを栽培した。

0063

<比較例6>
各棚に蛍光灯(45W)を6本ずつ設置することにより照度を26000lxとし、A値を1.7とし、播種した後72時間は、29℃の暗黒湿潤条件で発芽させた。発芽から168時間24時間明期にて栽培したこと以外は、実施例1と同様の条件でチンゲンサイを栽培した。

0064

実施例

0065

表1の通り、実施例1〜4によると、十分に生育した作物(キュウリ、カボチャ)を栽培することができる。なお、比較例1,3では、子葉が丸まるという展葉異常が発生した。比較例2,4,6では、葉の黄変が生じた。比較例5では、胚軸が曲がってしまい、真直ぐに伸びないという形態異常が発生した。

0066

1閉鎖型建物構造物
3,4,5,6多段棚式植物育成装置
3a側面パネル
3b背面パネル
3c台座
3eトップパネル
7〜10空調装置
11 支持板
12育苗棚
13人工照明器
13aボックス
13bソケット
13c蛍光灯
13d天板
13e底板
13f電気回路部材
13g電源ユニット
15空気ファン
16炭酸ガスボンベ
30,30’潅水装置
31潅水トレイ
31d底版
32排水溝
32a 排水口
33給水管
33a小孔
34堰
34a切欠部
35リブ
40セルトレイ
41セル
42セル穴
50アンダートレイ
51 小孔
52 突起

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