図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2017年2月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

酢酸の製造方法に関し、特に乾燥塔に供給する水及びヨウ化水素の濃度を制御するための改良方法を提供する。

解決手段

反応器フラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流蒸気生成物流に分離すること、第1ので該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と5重量%超の水を含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを得ること、該低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること等を含む、2基の塔間の側流中の水濃度を制御することによる酢酸を製造・回収する方法。軽質液相のリサイクル率によって水濃度を制御し、側流中のヨウ化水素濃度を50wppm以下に維持する酢酸の製造・回収方法

概要

背景

[0002]現在採用されている酢酸合成方法の中で最も商業的に有用なものの1つは、触媒を用いてメタノール一酸化炭素カルボニル化する方法である。この方法は米国特許第3,769,329号に教示されているが、この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。カルボニル化触媒は、ロジウム等の金属触媒ヨウ化メチル等のハロゲン含有触媒促進剤を含み、金属触媒は液体反応媒体に溶解または分散されているか、あるいは不活性固体担持されている。この反応は、触媒を溶解させた液体反応媒体中で一酸化炭素ガスを連続的にバブリングして行う。

[0003]原料としてメタノールと一酸化炭素を反応器に供給する。反応媒体の一部を連続的に取り出してフラッシュ容器に供給し、そこで生成物蒸発させて蒸気として精製系に送る。精製系は軽質分留塔を備えており、このでは「軽質」すなわち低沸点成分オーバーヘッドとして除去し、さらなる精製に付される側流が得られる。この精製系はさらに、側流を脱水する、あるいはプロピオン酸等の「重質」すなわち高沸点成分を側流から除去するための塔を備えていてもよい。酢酸を製造するためのカルボニル化工程においては、蒸留操作の数を最小限にしてこの工程で使用されるエネルギーを最小にすることが望ましい。

[0004]米国特許第5,416,237号には、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩安定化剤の存在下でメタノールをカルボニル化することにより酢酸を製造する方法が開示されている。米国特許第5,416,237号に記載されている改良は、液体反応組成物中の水の有限濃度を約10重量%以下、酢酸メチル濃度を少なくとも2重量%に維持しつつ、液体反応組成物フラッシュ域を通過させて蒸気留分を生成し、その蒸気留分を単一の蒸留塔に供給し、そこで酢酸生成物を除去することにより酢酸生成物を回収するというものである。蒸留工程を省くと生成物の純度が損なわれるという欠点がある。特に蒸留塔では、高沸点ヨウ化物アルデヒド汚染物が除去される傾向がある。これら不純物はいずれも、商業的に望ましい最終製品に対して影響を及ぼす。

[0005]米国特許第9,006,483号には、ヨウ化水素濃度の抑制を目的とし、蒸留塔からのオーバーヘッドを液−液分離する酢酸の製造方法が開示されている。第1の蒸留塔(3)でヨウ化水素、水、酢酸、酢酸メチルを含む混合物を蒸留して、オーバーヘッドと酢酸を含む側流または底部流とを形成し、凝縮器でオーバーヘッドを冷却・凝縮してデカンタ(4)で上相下相に分離して酢酸を製造する。この方法によると、水濃度が有効量以上、5重量%以下(例えば0.5〜4.5重量%)で、酢酸メチル濃度が0.5〜9重量%(例えば0.5〜8重量%)である混合物を蒸留塔に供給して蒸留することにより、蒸留塔内の混合物供給位置よりも上方に水濃度が高い領域が形成される。この高水濃度領域でヨウ化水素を酢酸メチルと反応させてヨウ化メチルと酢酸を製造する。

[0006]米国特許第7,884,241号には、ヨウ化水素と水を含み、蒸留系での水の含有量が5重量%以下(特に3重量%以下)である混合物を蒸留して蒸留系でのヨウ化水素の凝縮を防止することが開示されている。この混合物は、ヨウ化水素、水、メタノール、ヨウ化メチル、酢酸、酢酸メチルを含む場合がある。この混合物が重量換算で1〜3000ppmの濃度のヨウ化水素を含んでいても、蒸留塔の塔頂からヨウ化水素を含む留分を取り出し、酢酸を側流または蒸留塔の底部からの流として取り出すことによりヨウ化水素濃度が50ppm以下の酢酸生成物を得ることができる。この蒸留法は、蒸留系でのヨウ化水素の凝縮と、蒸留系での腐食を抑制することができるが、エネルギー損失が大きい。水濃度を低く保つため、この方法は2.35という大きな還流比を必要とし、消費エネルギーが大きい。

[0007]米国特許第6,657,078号には、メタノールのカルボニル化による、低エネルギーで酢酸を製造する方法が開示されている。この方法は、最大2基の蒸留塔を用いて約14重量%未満の水で操作されるロジウム触媒系を含む。

[0008]米国特許第4,008,131号には、水とヨウ化メチルを含む粗酢酸を精製する蒸留系の運転時に純粋な酸の生産率を低化させ、リサイクル流中に増加する傾向にある過剰な水を除去する方法が開示されている。粗酢酸を蒸留域の上半分に導入する。ヨウ化メチル、大部分の水、及び当量の酸をオーバーヘッドとして蒸留域から除去する。少量の酢酸を含む少量の水を蒸留域の頂部付近液体側流として除去する。実質的にヨウ化メチルを含まず本質的に乾燥した酸生成物流を蒸留域の底部から除去する。オーバーヘッド流は、貯蔵又は廃棄してもよいが、好ましくは酸製造工程にリサイクルすることができる。液体側流は廃棄してもよく、酸価回復のために精留してもよい。

[0009]米国特許第3,791,935号には、水とハロゲン汚染物質を含むモノカルボン酸流を蒸留塔の上半部に導入し、主にこの蒸留塔に投入された水とアルキルハロゲン化物からなるオーバーヘッド留分を除去し、蒸留塔内に存在する大部分のハロゲン化水素を含む流を蒸留塔の中部から除去し、蒸留塔に投入されたハロゲン汚染物質を実質的に含まず、本質的に乾燥した酸生成物流を蒸留塔底部あるいはその付近から取り出す方法が開示されている。この方法は特に、酢酸及びプロピオン酸からの水とヨウ素含有化合物の除去に応用できる。これらの例では、酢酸を含む底部生成物は、83〜132wppmの水と0.083wppm〜0.3wppmのヨウ化水素を含むことが報告されている。

[0010]このような観点から、酢酸の回収を制御するための酢酸製造の改良方法が求められている。

概要

酢酸の製造方法に関し、特に乾燥塔に供給する水及びヨウ化水素の濃度を制御するための改良方法を提供する。反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と5重量%超の水を含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを得ること、該低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること等を含む、2基の塔間の側流中の水濃度を制御することによる酢酸を製造・回収する方法。軽質液相のリサイクル率によって水濃度を制御し、側流中のヨウ化水素濃度を50wppm以下に維持する酢酸の製造・回収方法。なし

目的

本発明は、水濃度を制御し、そして間接的に側流のヨウ化水素濃度を制御する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

反応器フラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流蒸気生成物流に分離すること、第1ので該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と5重量%超の水を含む低沸点オーバーヘッド蒸気流を得ること、該低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること、該軽質液相の該反応系へのリサイクル率を制御して該側流中の水濃度を1〜3重量%に維持し、該側流中のヨウ化水素濃度を50wppm以下に維持すること、及び第2の塔で該側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸を製造する方法。

請求項2

該反応媒体は酢酸メチル、水、金属触媒ヨウ化物塩及びヨウ化メチルを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

該反応媒体は、0.5〜30重量%の酢酸メチル、0.1〜14重量%の水、200〜3000wppmの金属触媒、1〜25重量%のヨウ化物塩、及び1〜25重量%のヨウ化メチルを含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

該側流中の水濃度を1.1〜2.5重量%に維持する、請求項1に記載の方法。

請求項5

該側流のヨウ化水素濃度を0.1〜50wppmに維持する、請求項1に記載の方法。

請求項6

該側流は0.1〜6重量%の1種以上のヨウ化C1−C14アルキルをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項7

該側流は0.1〜6重量%の酢酸メチルをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

該側流中のヨウ化水素濃度を、滴定試薬として酢酸リチウムを用いた電位差滴定により求める、請求項1に記載の方法。

請求項9

ヨウ化水素濃度が所定の閾値を超える場合は該リサイクル率を増加させる、請求項1に記載の方法。

請求項10

該第1の塔は0.05〜0.4の還流比運転される、請求項1に記載の方法。

請求項11

該重質液相、該軽質液相、またはこれらの混合物を該第1の塔に還流させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項12

該軽質液相は40〜80重量%の水を含む、請求項1に記載の方法。

請求項13

該精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度が5wppm以下の場合には、該精製酢酸生成物をガード床に接触させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項14

反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と低沸点オーバーヘッド蒸気流を得ること、該低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること、該側流中のヨウ化水素濃度を測定すること、該測定されたヨウ化水素濃度に応じて該軽質液相の該反応系へのリサイクル率を制御して、該側流中のヨウ化水素濃度を50wppm以下に維持すること、及び第2の塔で該側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸を製造する方法。

請求項15

該側流中のヨウ化水素濃度を、滴定試薬として酢酸リチウムを用いた電位差滴定により測定する、請求項14に記載の方法。

請求項16

該第1の塔は0.05〜0.4の還流比で運転される、請求項14に記載の方法。

請求項17

該側流中のヨウ化水素濃度を0.1〜50wppmに維持する、請求項14に記載の方法。

請求項18

該側流中の水濃度を1〜3重量%に維持する、請求項14に記載の方法。

請求項19

反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して低沸点オーバーヘッド蒸気流と、1〜3重量%の水、0.1〜6重量%の1種以上のヨウ化C1−C14アルキル、及び50wppm以下のヨウ化水素を含む側流とを得ること、第2の塔で該側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ること、及び該精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度が5wppm以下の場合には、該精製酢酸生成物をガード床と接触させることを含む、酢酸を製造する方法。

請求項20

該側流中のヨウ化水素濃度を0.1〜50wppmに維持する、請求項18に記載の方法。

技術分野

0001

[0001]本発明は、酢酸の製造方法に関し、特に乾燥塔に供給する水及びヨウ化水素の濃度を制御するための改良方法に関する。

背景技術

0002

[0002]現在採用されている酢酸の合成方法の中で最も商業的に有用なものの1つは、触媒を用いてメタノール一酸化炭素カルボニル化する方法である。この方法は米国特許第3,769,329号に教示されているが、この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。カルボニル化触媒は、ロジウム等の金属触媒ヨウ化メチル等のハロゲン含有触媒促進剤を含み、金属触媒は液体反応媒体に溶解または分散されているか、あるいは不活性固体担持されている。この反応は、触媒を溶解させた液体反応媒体中で一酸化炭素ガスを連続的にバブリングして行う。

0003

[0003]原料としてメタノールと一酸化炭素を反応器に供給する。反応媒体の一部を連続的に取り出してフラッシュ容器に供給し、そこで生成物蒸発させて蒸気として精製系に送る。精製系は軽質分留塔を備えており、このでは「軽質」すなわち低沸点成分オーバーヘッドとして除去し、さらなる精製に付される側流が得られる。この精製系はさらに、側流を脱水する、あるいはプロピオン酸等の「重質」すなわち高沸点成分を側流から除去するための塔を備えていてもよい。酢酸を製造するためのカルボニル化工程においては、蒸留操作の数を最小限にしてこの工程で使用されるエネルギーを最小にすることが望ましい。

0004

[0004]米国特許第5,416,237号には、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩安定化剤の存在下でメタノールをカルボニル化することにより酢酸を製造する方法が開示されている。米国特許第5,416,237号に記載されている改良は、液体反応組成物中の水の有限濃度を約10重量%以下、酢酸メチル濃度を少なくとも2重量%に維持しつつ、液体反応組成物フラッシュ域を通過させて蒸気留分を生成し、その蒸気留分を単一の蒸留塔に供給し、そこで酢酸生成物を除去することにより酢酸生成物を回収するというものである。蒸留工程を省くと生成物の純度が損なわれるという欠点がある。特に蒸留塔では、高沸点ヨウ化物アルデヒド汚染物が除去される傾向がある。これら不純物はいずれも、商業的に望ましい最終製品に対して影響を及ぼす。

0005

[0005]米国特許第9,006,483号には、ヨウ化水素濃度の抑制を目的とし、蒸留塔からのオーバーヘッドを液−液分離する酢酸の製造方法が開示されている。第1の蒸留塔(3)でヨウ化水素、水、酢酸、酢酸メチルを含む混合物を蒸留して、オーバーヘッドと酢酸を含む側流または底部流とを形成し、凝縮器でオーバーヘッドを冷却・凝縮してデカンタ(4)で上相下相に分離して酢酸を製造する。この方法によると、水濃度が有効量以上、5重量%以下(例えば0.5〜4.5重量%)で、酢酸メチル濃度が0.5〜9重量%(例えば0.5〜8重量%)である混合物を蒸留塔に供給して蒸留することにより、蒸留塔内の混合物供給位置よりも上方に水濃度が高い領域が形成される。この高水濃度領域でヨウ化水素を酢酸メチルと反応させてヨウ化メチルと酢酸を製造する。

0006

[0006]米国特許第7,884,241号には、ヨウ化水素と水を含み、蒸留系での水の含有量が5重量%以下(特に3重量%以下)である混合物を蒸留して蒸留系でのヨウ化水素の凝縮を防止することが開示されている。この混合物は、ヨウ化水素、水、メタノール、ヨウ化メチル、酢酸、酢酸メチルを含む場合がある。この混合物が重量換算で1〜3000ppmの濃度のヨウ化水素を含んでいても、蒸留塔の塔頂からヨウ化水素を含む留分を取り出し、酢酸を側流または蒸留塔の底部からの流として取り出すことによりヨウ化水素濃度が50ppm以下の酢酸生成物を得ることができる。この蒸留法は、蒸留系でのヨウ化水素の凝縮と、蒸留系での腐食を抑制することができるが、エネルギー損失が大きい。水濃度を低く保つため、この方法は2.35という大きな還流比を必要とし、消費エネルギーが大きい。

0007

[0007]米国特許第6,657,078号には、メタノールのカルボニル化による、低エネルギーで酢酸を製造する方法が開示されている。この方法は、最大2基の蒸留塔を用いて約14重量%未満の水で操作されるロジウム触媒系を含む。

0008

[0008]米国特許第4,008,131号には、水とヨウ化メチルを含む粗酢酸を精製する蒸留系の運転時に純粋な酸の生産率を低化させ、リサイクル流中に増加する傾向にある過剰な水を除去する方法が開示されている。粗酢酸を蒸留域の上半分に導入する。ヨウ化メチル、大部分の水、及び当量の酸をオーバーヘッドとして蒸留域から除去する。少量の酢酸を含む少量の水を蒸留域の頂部付近液体側流として除去する。実質的にヨウ化メチルを含まず本質的に乾燥した酸生成物流を蒸留域の底部から除去する。オーバーヘッド流は、貯蔵又は廃棄してもよいが、好ましくは酸製造工程にリサイクルすることができる。液体側流は廃棄してもよく、酸価回復のために精留してもよい。

0009

[0009]米国特許第3,791,935号には、水とハロゲン汚染物質を含むモノカルボン酸流を蒸留塔の上半部に導入し、主にこの蒸留塔に投入された水とアルキルハロゲン化物からなるオーバーヘッド留分を除去し、蒸留塔内に存在する大部分のハロゲン化水素を含む流を蒸留塔の中部から除去し、蒸留塔に投入されたハロゲン汚染物質を実質的に含まず、本質的に乾燥した酸生成物流を蒸留塔底部あるいはその付近から取り出す方法が開示されている。この方法は特に、酢酸及びプロピオン酸からの水とヨウ素含有化合物の除去に応用できる。これらの例では、酢酸を含む底部生成物は、83〜132wppmの水と0.083wppm〜0.3wppmのヨウ化水素を含むことが報告されている。

0010

[0010]このような観点から、酢酸の回収を制御するための酢酸製造の改良方法が求められている。

0011

[0011]一態様において、本発明は、反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と5重量%超の水を含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを得ること、該低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること、該軽質液相の前記反応系へのリサイクル率を制御して該側流中の水濃度を1〜3重量%、例えば、好ましくは1.1〜2.5重量%に維持し、ヨウ化水素(HI)濃度を50wppm以下、例えば、好ましくは0.1〜50wppmに維持すること、及び第2の塔で該側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸を製造する方法に関する。一態様において、側流はさらに、1種以上のヨウ化C1−C14アルキルを0.1〜6重量%、酢酸メチルを0.1〜6重量%含む。軽質液相は、水を40〜80重量%含んでいてもよい。反応媒体は、酢酸メチルを0.5〜30重量%、水を0.1〜14重量%、金属触媒を200〜3000wppm、ヨウ化物塩を1〜25重量%、ヨウ化メチルを1〜25重量%含んでいてもよい。反応媒体はまた酢酸とメタノールを含んでいてもよい。軽質液相のリサイクルに加えて、軽質液相の一部を第1の塔に還流させることもできる。一態様において、第1の塔は0.05〜0.4の還流比で運転される。ある態様では、軽質液相の別の部分を、アセトアルデヒドおよび/または他の過マンガン酸還元化合物を除去するためのPRC除去系に供給してもよい。他の態様では、重質液相の一部を単体で、あるいは軽質液相の還流液との混合物として第1の塔に還流してもよい。

0012

[0012]側流中のヨウ化水素濃度は、滴定試薬として酢酸リチウムを用いて電位差滴定により求めることができる。測定されたヨウ化水素濃度に応じて、測定されたヨウ化水素濃度が所定の閾値より大きい、例えば、50wppmを超える場合は、軽質液相のリサイクル率を増加させてもよい。一態様において、第2の塔の底部またはその付近から取り出された精製酢酸生成物のヨウ化物濃度をさらに低下させるために追加の工程を行ってもよい。例えば、本発明はさらに、精製酢酸生成物の合計ヨウ化物濃度が5wppm以下、例えば、1wppm以下の場合には、精製酢酸生成物をガード床(guard bed)に接触させて残留ヨウ化物汚染物質を除去することを含んでもよい。

0013

[0013]他の態様では、本発明は、反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と低沸点オーバーヘッド蒸気流を得ること、該低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること、該側流中のヨウ化水素濃度を測定すること、測定されたヨウ化水素濃度に応じて該軽質液相の反応系へのリサイクル率を制御して、該側流中のヨウ化水素濃度を50wppm以下、例えば、好ましくは0.1〜50wppmに維持すること、及び第2の塔で該側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸を製造する方法に関する。

0014

[0014]さらに他の態様では、本発明は、反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、該反応器で反応媒体を形成すること、該フラッシュ容器で該反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で該蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して低沸点オーバーヘッド蒸気流と、1〜3重量%の水、0.1〜6重量%の1種以上のヨウ化C1−C14アルキル、及び50wppm以下、例えば、1〜50wppmのヨウ化水素を含む側流とを得ること、第2の塔で該側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ること、及び該精製酢酸生成物の合計ヨウ化物濃度が5wppm以下である場合には該精製酢酸生成物をガード床に接触させることを含む、酢酸を製造する方法に関する。

図面の簡単な説明

0015

[0015]本発明は、添付の非限定的な図面によって十分に理解されよう。

0016

[0016]
本発明に係る酢酸製造方法を示す概略図である。

0017

導入
[0017]酢酸の回収方法は、通常は第1の塔で粗酢酸生成物を蒸留して側流を形成することと、この側流を第2の塔で蒸留して精製酢酸生成物を形成することを含む。この側流は、酢酸や水を含むと共に、ヨウ化水素等の様々な少量の不純物を含む。第1の塔では、低沸点オーバーヘッド蒸気流も形成される。この低沸点オーバーヘッド蒸気流は、通常は凝縮され、軽質液相と重質液相の二相に分離される。

0018

[0018]本発明は、水濃度を制御し、そして間接的に側流のヨウ化水素濃度を制御する方法を提供する。利点として、側流の水濃度は、第1の塔から反応器とフラッシュ容器を備える反応系に回収される軽質液相のリサイクル率を制御することにより、所望の範囲に維持することができる。一態様では、低沸点オーバーヘッド流から凝縮された軽質液相全体の0〜20%をリサイクルする。残部を第1の塔の還流液として用いてもよく、あるいはPRC除去系に供給してもよい。ある態様では、軽質液相のリサイクル率は、0%であってもよいが、これは反応系へのリサイクルがなく、軽質液相は第1の塔での還流液として用いられるかPRC除去系へ供給されることを示している。軽質液相を第1の塔へ還流させることができるので、還流比の変化もまた反応器へのリサイクル率に影響を及ぼし、最終的には側流の水及びヨウ化水素含有量に影響を及ぼす。側流のヨウ化水素含有量を減少させると、第2の塔中の総ヨウ化物含有量が減少し、最終的には精製酢酸生成物が減少する。精製酢酸生成物中の総ヨウ化物濃度が低い、例えば5wppm以下、例えば1wppm以下であると、ガード床を用いて残留ヨウ化物汚染物質を効果的に除去することができる。これにより、精製酢酸生成物の品質が大きく改善する。

0019

[0019]一態様において、本発明は、反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、前記反応器で反応媒体を形成すること、前記フラッシュ容器で前記反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で前記蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と5重量%超の水を含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを得ること、前記低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること、前記軽質液相の前記反応系へのリサイクル率を制御して前記側流中の水濃度を1〜3重量%に維持し、前記側流のヨウ化水素濃度を50wppm以下に維持すること、及び第2の塔で前記側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸を製造する方法に関する。

0020

[0020]他の態様では、本発明は、反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、前記反応器で反応媒体を形成すること、前記フラッシュ容器で前記反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で前記蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して側流と低沸点オーバーヘッド蒸気流を得ること、前記低沸点オーバーヘッド流の少なくとも一部を凝縮し、かつ二相に分離して重質液相と軽質液相を形成すること、前記側流中のヨウ化水素濃度を測定すること、前記測定されたヨウ化水素濃度に応じて反応系への前記軽質液相のリサイクル率を制御して、前記側流中のヨウ化水素濃度を50wppm以下、例えば、好ましくは0.1〜50wppmに維持すること、及び第2の塔で前記側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ることを含む、酢酸を製造する方法に関する。

0021

[0021]さらに他の態様では、本発明は、反応器とフラッシュ容器を備える反応系を用意すること、前記反応器で反応媒体を形成すること、前記フラッシュ容器で前記反応媒体を液体リサイクル流と蒸気生成物流に分離すること、第1の塔で前記蒸気生成物流の少なくとも一部を蒸留して低沸点オーバーヘッド蒸気流と、1〜3重量%の水と、0.1〜6重量%の1種以上のヨウ化C1−C14アルキルと、50wppm以下、例えば1〜50wppmのヨウ化水素を含む側流を得ること、第2の塔で前記側流の少なくとも一部を蒸留して精製酢酸生成物を得ること、及び前記精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度が5wppm以下である場合には前記精製酢酸生成物をガード床に接触させることを含む、酢酸を製造する方法に関する。

0022

[0022]軽質液相のリサイクルを制御することにより、2基の塔の間の側流中の水濃度を所定の濃度限界以内に維持してもよい。側流は1〜3重量%、例えば1〜2.5重量%、より好ましくは1.1〜2.1重量%の水を含んでいてもよい。この範囲内の水濃度であれば、側流中のヨウ化水素濃度は50wppm以下、例えば0.1〜50wppm、あるいは5〜30wppmに維持されることがわかった。ヨウ化水素は3〜8重量%の水を含有する酢酸−水混合物に可溶であり、水濃度が低下するに従ってヨウ化水素の溶解性も低下する。この相関関係により、ヨウ化水素の揮発が促進され、その結果、塔のオーバーヘッドに回収されるヨウ化水素は減少する。ヨウ化水素はある状況下では腐食性を有することもあるが、所定量のヨウ化水素がある条件下では触媒として有益に作用する場合がある。そのような触媒としては、米国特許第7,223,883号(所定の酢酸分離方法ジメチルエーテルを形成する利点が記載されている)に記載のジメチルエーテルを形成するための触媒が挙げられるが、この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0023

[0023]軽質液相の反応系へのリサイクル率を制御することは、例えば米国特許第9,006,483号に記載の方法等、ヨウ化水素の含有量を制御するための他の方法に比べて改良されている。その理由として、本発明はヨウ化水素を、第1の塔に追加の成分を導入することなく、および/または第1の塔に送られる蒸気生成物供給における所定の濃度を維持することなく制御することができるという利点を有するからである。また、米国特許第9,006,483号に記載の方法は、反応系への軽質液相のリサイクルの制御を含んでおらず、よって側流の水及びヨウ化水素濃度を独立して制御することができない。

0024

[0024]側流の主要成分は酢酸であり、側流は好ましくは90重量%超、例えば94重量%超、あるいは96重量%超の酢酸を含む。範囲に関していえば、側流は90〜99重量%、例えば91〜98重量%の酢酸を含んでいてもよい。このような濃度であれば、第1の塔に供給した大部分の酢酸を側流に引き出して第2の塔でさらに精製することができる。酢酸は第1の塔の低沸点蒸気流高沸点残渣流には回収されないことが好ましい。

0025

[0025]酢酸と水に加えて、側流はまた、0.1〜6重量%の1種以上のヨウ化C1−C14アルキル、特にヨウ化メチルを含んでいてもよい。ヨウ化ヘキシル等他のヨウ化アルキルは、アセトアルデヒド等のカルボニル不純物から形成されてもよい。より好ましくは、側流は1種以上のヨウ化C1−C14アルキルを0.5〜3重量%含む。水の存在により、側流はまた、0.1〜6重量%、例えば0.5〜3重量%の酢酸メチルを含んでいる場合がある。

0026

[0026]側流中のヨウ化水素濃度は、滴定試薬として酢酸リチウムを用いて電位差滴定により求められる。他の方法としては、ヨウ化水素の含有量を間接的に計算によって求める方法がある。例えば、米国特許公開第2013/0310603号では、ヨウ化物イオン濃度は、ヨウ化物塩の形態(共触媒及びヨウ化金属から派生したヨウ化物を含む)に由来するヨウ化物イオン濃度をヨウ化物イオン(I−)の総濃度から減じることにより算出してもよいことが示されている。このような間接計算技術は、通常は不正確であり、元になるイオン測定方法が不正確であるために実際のヨウ化水素濃度が十分に示されない。また、この間接計算技術では他のヨウ化物形態を勘定にいれていない。その理由として、金属陽イオンを測定して、この陽イオンがすべてヨウ化物陰イオンとのみ結合することを前提としているが、これは誤りであって、実際にはこれら金属陽イオンは酢酸陰イオンや触媒陰イオン等の他の陰イオンと結合する場合があるからである。これに対して、本発明によるヨウ化水素濃度の直接測定は、系内の実際のヨウ化水素濃度を反映することができ、0.01%の精度が得られるという利点がある。

0027

[0027]側流のヨウ化水素濃度を検出することにより軽質液相のリサイクル率を制御してもよい。例えばヨウ化水素濃度が50wppm等、所定の閾値を超えている場合、軽質液相のリサイクル率を増加させてもよい。一旦ヨウ化水素濃度が10wppm等、所定の閾値より低くなれば、軽質液相のリサイクル率を低下させてもよい。本明細書を通じて、軽質液相のリサイクル率は、第1の塔のオーバーヘッドから凝縮された軽質液相の総量に対する、リサイクルされた軽質液相の割合である。軽質液相は反応系にリサイクルさせてもよい。
反応工程
[0028]一例としての反応及び酢酸回収系100を図1に示す。図に示すように、メタノール含有供給流101と一酸化炭素含有供給流102を液相カルボニル化反応器105に投入し、カルボニル化反応を行って酢酸を形成する。

0028

[0029]メタノール含有供給流101は、メタノール、ジメチエテル、酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。メタノール含有供給流101は、一部は新たな供給に由来するものであってもよく、あるいは前記系からリサイクルされたものであってもよい。メタノールおよび/またはその反応性誘導体の少なくとも数種は、酢酸とのエステル化反応により液体溶媒で酢酸メチルに変換される。

0029

[0030]カルボニル化の通常の反応温度は150〜250℃である。好ましい温度範囲は180〜225℃である。反応器内の一酸化炭素分圧は大きく変動することがあるが、通常は2〜30atm、例えば3〜10atmである。反応器内の水素分圧は、通常は0.05〜2atm、例えば0.25〜1.9atmである。副生成物分圧と含有される液体の蒸気圧のため、反応器の全圧は15〜40atmの範囲である。酢酸の製造率は5〜50モル/L・hであってもよく、例えば10〜40モル/L・h、好ましくは約15〜35モル/L・hである。

0030

[0031]カルボニル化反応器105は、撹拌器付きまたは撹拌器なしの、撹拌容器または気泡塔式容器であることが好ましい。この中で反応液またはスラリーの含有量を、好ましくは自動的に、好ましくは通常運転中は実質的に一定であるように所定の値に維持する。必要に応じて、新たなメタノール、一酸化炭素、及び十分量の水をカルボニル化反応器105に連続的に導入して反応媒体中の好適な濃度を維持する。

0031

[0032]金属触媒はVIII族金属を含んでいてもよい。好適なVIII族触媒としては、ロジウムおよび/またはイリジウム触媒が挙げられる。ロジウム触媒を用いる場合、当該分野で周知であるように、[Rh(CO)2I2]−陰イオンを含む平衡混合物としてロジウムが触媒液中に存在するようにロジウム触媒を任意の好適な形態で添加してもよい。本明細書に記載した方法の反応混合物中に維持されてもよいヨウ化物塩は、アルカリ金属アルカリ土類金属四級アンモニウムホスホニウム塩可溶性塩、またはこれらの混合物の形態であってもよい。ある態様では、触媒共促進剤ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、またはこれらの混合物である。塩共促進剤は、ヨウ化物塩を生成する非ヨウ化物塩として添加してもよい。ヨウ化物触媒安定化剤は反応系に直接導入してもよい。あるいは、ヨウ化物塩は反応系で生成してもよい。その理由として、反応系の運転条件下では、反応媒体中で広範囲の非ヨウ化物塩前駆体がヨウ化メチルまたはヨウ化水素酸と反応して対応する共促進ヨウ化物塩安定化剤を生成するからである。ロジウム触媒及びヨウ化物塩の生成についての詳細は、米国特許第5,001,259号、5,026,908号、5,144,068号、及び7,005,541号を参照のこと。これらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。イリジウム触媒を用いたメタノールのカルボニル化はよく知られており、一般に米国特許第5,942,460号、5,932,764号、5,883,295号、5,877,348号、5,877,347号、及び5,696,284号に記載されている。これらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。

0032

[0033]触媒系のハロゲン含有触媒促進剤は、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物からなる。従って、ハロゲン化アルキルハロゲン化アリール、及びハロゲン化置換アルキルまたはハロゲン化置換アリールを用いることができる。ハロゲン含有触媒促進剤はハロゲン化アルキルの形態で存在することが好ましい。ハロゲン含有触媒促進剤は、カルボニル化されている供給アルコールアルキルラジカルと対応するアルキルラジカルを有するハロゲン化アルキルの形態で存在することが更に好ましい。従って、メタノールの酢酸へのカルボニル化においてハロゲン化物促進剤はハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルを含む。

0033

[0034]反応媒体の成分を規定限界範囲内に維持して十分量の酢酸を確実に製造する。反応媒体は所定濃度の金属触媒を含有する。例えばロジウム触媒を200〜3000wppm、例えば800〜3000wppm、または900〜1500wppm含有する。反応媒体中の水の濃度は、14重量%未満、例えば0.1重量%〜14重量%、0.2重量%〜10重量%、あるいは0.25重量%〜5重量%に維持される。反応は水の少ない条件下で行うことが好ましい。反応媒体は0.1〜4.1重量%、例えば0.1〜3.1重量%、または0.5〜2.8重量%の水を含有する。反応媒体中のヨウ化メチル濃度は、1〜25重量%、例えば5〜20重量%、4〜13.9重量%、または4〜7重量%に維持される。反応媒体中の、ヨウ化リチウム等のヨウ化物塩の濃度は、1〜25重量%、例えば2〜20重量%、または3〜20重量%に維持される。反応媒体中の酢酸メチル濃度は、0.5〜30重量%、例えば0.3〜20重量%、または0.6〜4.1重量%に維持される。以下の量は、反応媒体の総重量に基づく。反応媒体中の酢酸濃度は、一般に30重量%超、例えば40重量%超、または50重量%超である。

0034

[0035]ある態様では、所望のカルボン酸と、望ましくはカルボニル化に用いるアルコールと、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンに加えて別のヨウ化物イオンからなる反応媒体中のエステル濃度を維持することにより水濃度が低くても所望の反応速度が得られる。所望のエステルは酢酸メチルである。別のヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウム(LiI)が好ましい。水濃度が低いと、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、これら成分がそれぞれ比較的高濃度で存在するときのみ反応速度促進剤として作用すること、またこれら成分の両方が同時に存在するときに促進がより高まることがわかった。

0035

[0036]メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化反応は、カルボニル化生成物を形成するのに好適な温度及び圧力条件で、ロジウム触媒、ヨウ化メチル(MeI)促進剤、酢酸メチル(MeAc)、及び別の可溶性ヨウ化物塩を含有する酢酸反応溶媒にバブリングにより供給される一酸化炭素ガスとメタノールとを接触させることにより行ってもよい。一般に、重要なのは触媒系中のヨウ化物イオン濃度であって、ヨウ化物と結合する陽イオンの濃度ではないこと、及びヨウ化物が所定モル濃度の場合、陽イオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほど重要ではないことが認識されている。塩が反応媒体に十分に可溶であって所望の量のヨウ化物を提供することができれば、金属ヨウ化物塩、または有機陽イオン、例えば、アミンまたはホスフィン化合物に基づく陽イオン(第3級または第4級陽イオンであってもよい)等の他の陽イオンのヨウ化物塩のいずれをも反応媒体中で維持させてもよい。ヨウ化物が金属塩である場合、オハイオ州クリーブランドCRCプレスから出版された「化学物理便覧」2002−03(第83版)に記載されているように、周期表IA族及びIIA族金属からなる群から選択される金属のヨウ化物塩であることが好ましい。特にアルカリ金属のヨウ化物は有用であり、ヨウ化リチウムは特に好適である。低水カルボニル化法では、一般に、ヨウ化物イオンの総濃度が1〜25重量%であるような量でヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンに加えて別のヨウ化物イオンが触媒溶液に存在する。また、酢酸メチルは一般に0.5〜30重量%の量で存在し、ヨウ化メチルは一般に1〜25重量%の量で存在する。ロジウム触媒は一般に200〜3000ppmの量で存在する。

0036

[0037]通常のカルボニル化工程では、一酸化炭素をカルボニル化反応器、望ましくは撹拌器の下に連続的に導入し、撹拌器を用いて内容物を撹拌してもよい。供給ガスを、この撹拌手段により反応液中に十分に分散することが好ましい。排気流106を反応器105から放出して、ガス状副生成物蓄積を防止し、反応器の所定の全圧で設定された一酸化炭素分圧を維持することが望ましい。反応器の温度を制御してもよく、反応器の所望の全圧を維持するのに十分な速度で一酸化炭素を供給する。液体反応媒体を含む流113は、反応器105から送り出される。

0037

[0038]この酢酸製造系は、酢酸を回収し、カルボニル化工程内で金属触媒、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び他の系の成分をリサイクルさせるのに用いる分離系108を備えることが好ましい。1種以上のリサイクル流を反応器に導入する前に混合してもよい。また分離系は、カルボニル化反応器、そして系全体の水及び酢酸含有量を制御し、過マンガン酸還元化合物(PRC)の除去を容易にすることが好ましい。PRCとしては、アセトアルデヒド、アセトンメチルエチルケトンブチルアルデヒドクロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、及びこれらのアルドール縮合物が挙げられる。

0038

[0039]反応媒体を、カルボニル化反応器105から一定のレベルに維持するのに十分な速度で取り出し、流113を経由させてフラッシュ容器110に供給する。反応器105とフラッシュ容器110は、関連するポンプ排気口、パイプバルブとともに反応系を構成する。フラッシュ分離は、80℃〜280℃の温度で絶対圧力0.25〜10atm、より好ましくは100℃〜260℃の温度で0.3〜10atmで行ってもよい。フラッシュ容器110では、反応媒体をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む蒸気生成物流112と触媒含有液を含む液体リサイクル流111とを得る。

0039

[0040]液体リサイクル流111は、酢酸、金属触媒、腐食性金属、その他の各種化合物を含む。一態様では、液体リサイクル流は60〜90重量%の酢酸、0.01〜0.5重量%の金属触媒、10〜2500wppmの腐食性金属(例えばニッケル、鉄、クロム等)、5〜20重量%のヨウ化リチウム、0.5〜5重量%のヨウ化メチル、0.1〜5重量%の酢酸メチル、0.1〜8重量%の水、1重量%以下のアセトアルデヒド(例えば0.0001〜1重量%のアセトアルデヒド)、及び0.5重量%以下のヨウ化水素(例えば0.0001〜0.5重量%のヨウ化水素)を含む。

0040

[0041]蒸気生成物流112及び液体リサイクル流111の各流速は、変動し得るが、例示的な一態様では、フラッシュ容器110への流の15%〜55%を蒸気生成物流112として除去し、流の45%〜85%を液体リサイクル流111として除去する。触媒含有液は大部分がロジウムとヨウ化物塩を含有する酢酸であって、それより少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水を含んでいてもよく、上述のように反応器にリサイクルされる。米国特許第5,731,252号(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、液体リサイクル流を反応器に戻す前に、スリップ流(slip stream)をイオン交換床等の腐食性金属除去床に通過させてニッケル、鉄、クロム等の同伴腐食性金属を除去してもよい。米国特許第8,697,908号(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、腐食性金属除去床を用いてアミンのような窒素化合物を除去してもよい。

0041

[0042]酢酸に加えて、蒸気生成物流112はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、ヨウ化水素、及び例えばアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド等のPRCを含む。反応器105から送り出されてフラッシュ容器110に供給される溶解ガスは、一酸化炭素の一部を含んでいるが、メタン水素二酸化炭素等のガス副生成物を含んでいてもよい。このような溶解ガスは、蒸気生成物流112の一部としてフラッシュ容器110から送り出される。一態様では、排気流106中の一酸化炭素をフラッシュ容器110の底部に供給してロジウムの安定性を高めてもよい。
酢酸の回収
[0043]酢酸の蒸留及び回収は、特に本発明の目的に限定されない。図1に示すように、蒸気生成物流112は第1の塔120(軽質分留塔とも言う)に供給される。一態様では、蒸気生成物流112は酢酸、酢酸メチル、水、ヨウ化メチル、アセトアルデヒドに加えて、ヨウ化水素、クロトンアルデヒド等の他の不純物やプロピオン酸等の副生物を含んでいてもよい。蒸留により低沸点オーバーヘッド蒸気流122と、精製酢酸生成物(好ましくは側流123を経て除去される)と、高沸点残渣流121とが得られる。酢酸の大部分は側流123内に除去されるが、高沸点残渣流121からは酢酸が殆ど回収されないか、あるいは全く回収されないことが好ましい。

0042

[0044]一態様では、低沸点オーバーヘッド蒸気流122は5重量%超、例えば10重量%超、または25重量%超の水を含む。水の量は80重量%以下であってもよい。範囲に関していえば、水の量は5重量%〜80重量%、例えば10重量%〜70重量%、または25重量%〜60重量%であってもよい。水濃度を5重量%より低くすると、反応系にリサイクルされる酢酸が増加し、精製系全体のリサイクル量が増加するので好ましくない。また低沸点オーバーヘッド蒸気流122は水に加えて酢酸メチルやヨウ化メチル、PRC等のカルボニル不純物を含んでいてもよい。これらをオーバーヘッドに濃縮させて側流123の酢酸から除去することが好ましい。

0043

[0045]図示するように、低沸点オーバーヘッド蒸気流122を凝縮し、オーバーヘッドデカンタ124として示されているオーバーヘッド相分離ユニットに投入することが好ましい。一旦デカンタ124で凝縮された低沸点オーバーヘッド蒸気流122が軽質液相133(水相とも言う)と重質液相134(有機相とも言う)の二相に分離されるように条件を維持することが望ましい。オフガス成分をデカンタ124からライン132を経由して排気してもよい。軽質液相133の特定の組成は大きく変動し得るが、いくつかの好ましい組成を以下の表1に示す。

0044

0045

[0046]側流123中の水及びヨウ化水素の濃度は、ライン136を経由する軽質液相133の反応系へのリサイクル率により制御される。ライン136を経由する軽質液相133の第1の塔への還流比(重質液相134(すべてリサイクルされるかどうかは問わない)と軽質液相133の両方を含む塔120の塔頂から送り出される総質量流量で除した、還流液の質量流量)は0.05〜0.4であることが好ましく、例えば0.1〜0.35、または0.15〜0.3である。一態様では、還流比を低下させるため、側流と第1の塔の塔頂との間の理論段数は、5より多く、例えば、10より多いことが好ましい。

0046

[0047]一態様では、ライン136中の軽質液相の反応系へのリサイクル率は、第1の塔のオーバーヘッドから凝縮された軽質液相133の総量の約20%以下、例えば、約10%以下である。範囲に関していえば、ライン136中の軽質液相のリサイクル率は、第1の塔のオーバーヘッドから凝縮された軽質液相133の総量の0〜20%、例えば0.5〜20%、または1〜10%であってもよい。残りの部分は軽質分留塔で還流液として用いてもよく、あるいはPRC除去系に供給してもよい。図1に示すように、ライン136中のリサイクル流を液体リサイクル流111と混合して反応器105に戻してもよい。一態様では、ライン136中のリサイクル流を、例えば反応器105やフラッシュ容器110等の反応系にリサイクルされている他の流と混合してもよい。乾燥塔125からの凝縮オーバーヘッド流138が水相と有機相に分離される場合、ライン136中のリサイクル流を水相と混合することが好ましい場合がある。あるいは、ライン136中のリサイクル流の全部または少なくとも一部を重質液相134および/またはオーバーヘッド流138からの有機相と混合してもよい。

0047

[0048]本発明の目的のため、流量バルブ(図示されていない)および/または流量モニター(図示されていない)を用いてライン135中の還流液及びライン136中のリサイクル流を制御してもよい。一態様では、ライン135中の還流液及びライン136中のリサイクル流の制御装置はそれぞれ、オンライン分析計142と通信しており、オンライン分析計142によって、還流比と反応器へのリサイクルを制御するためのフィードバック情報を得ることができる。還流比を変化させると、反応器にリサイクルされる水の量に影響を及ぼすことがある。ある態様では、その量を、軽質液相133の反応器へのリサイクルがなくなるように変化させてもよい。還流液を減少させる(かつ反応器へのリサイクルを増加させる)と、側流の水含有量が減少する。還流液を増加させると側流の水濃度が増加し、かつ反応器へリサイクルされる水が減少する。還流比が0.4を超えると、側流の水濃度が3重量%を超え、第2の塔での分離、即ち、酢酸から水、酢酸メチル、及びヨウ化メチルを除去することが困難になる。その結果、第2の塔の底部流の酢酸中の総ヨウ化物濃度が過度に高くなり、ガード床による処理が効果的にできない場合がある。

0048

[0049]図示されていないが、軽質液相133の一部(好ましくは一定分量)を分離して、PRC除去系に投入してヨウ化メチルと酢酸メチルを回収してもよい。表1に示すように、軽質液相133はPRCを含有し、前記方法は酢酸生成物の品質を損なうアセトアルデヒド等のカルボニル不純物を除去することを含んでいてもよい。これらのカルボニル不純物は、米国特許第6,143,930号、6,339,171号、7,223,883号、7,223,886号、7,855,306号、7,884,237号、8,889,904号、及び米国特許公開第2006/0011462号に記載された好適な不純物除去塔不純物吸収装置により除去してもよい。これら特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。アセトアルデヒド等のカルボニル不純物をヨウ化物触媒促進剤と反応させて、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル等のヨウ化アルキルを形成してもよい。また、不純物の多くはアセトアルデヒドに由来するので、軽質液相からカルボニル不純物を除去することが望ましい。

0049

[0050]従って、図1に図示されていないが、上述のように軽質液相133および/または重質液相134の全部または一部をPRC除去系に投入してもよい。好ましくは、PRC除去系に投入される部分と、軽質液相133の還流比を制御して、側流123中の水及びヨウ化水素と反応器にリサイクルする水が所望のバランスになるようにしてもよい。

0050

[0051]ある態様では、軽質液相133よりも酢酸メチルとヨウ化メチルを多く含有する重質液相134の全部または一部を反応器105へリサイクルしてもよく、および/または第1の塔120に還流させてもよい。軽質液相133について記載したのと同様の方法で、重質液相134からさらにカルボニル不純物を除去してもよい。

0051

[0052]一態様では、試料流141をオンライン分析計142に供給することにより側流123中のヨウ化水素濃度を求めてもよい。オンライン分析計142によって、リアルタイム測定値あるいは近リアルタイム測定値が得られる。一態様では、クロマトグラフィー質量分析装置、選択イオンモニター、質量分析装置赤外線分光装置共鳴周波数分析装置、超音波濃度分析装置等の任意の好適な分析計を用いてもよいが、これらに限定されない。

0052

[0053]側流123を経由して除去される酢酸をさらに第2の塔125(乾燥塔とも言う)等で精製して、側流123を主に水からなるオーバーヘッド流126と、主に酢酸からなる底部流127(酢酸生成物流とも言う)に分離することが好ましい。酢酸はまた、側流として第2の塔125の底部付近から回収してもよい。オーバーヘッド流126は50〜75重量%の水を含んでいてもよい。また酢酸メチルとヨウ化メチルを側流から除去してオーバーヘッド流で濃縮する。乾燥塔底部流127は、酢酸を含む、あるいは本質的に酢酸からなることが好ましい。好ましい態様では、乾燥塔底部流127は90重量%超、例えば95重量%超、または98重量%超の酢酸を含む。乾燥塔底部流127はさらに、商業利用のために貯蔵または輸送される前に、例えばイオン交換樹脂を通過させる等の処理をしてもよい。

0053

[0054]同様に、第2の塔125からのオーバーヘッド流126はヨウ化メチル、酢酸メチル、水等の反応成分を含むが、これら反応成分を工程内で保持することが好ましい。図示のように、オーバーヘッド流126を熱交換器により凝縮して流138を生成し、この流138を反応器105にリサイクルさせる、および/または第2の塔125に還流させる。オフガス成分を凝縮低沸点オーバーヘッド蒸気流126からライン137を経由して放出してもよい。第1の塔120からの凝縮低沸点オーバーヘッド蒸気流と同様に、凝縮オーバーヘッド流138もまた水相と有機相に分離してもよく、必要に応じてこれらの相をリサイクルする、あるいは還流させて反応媒体中で所望の濃度を維持してもよい。

0054

[0055]特にライン106、132、137の排気流から残渣液体を回収するために、これらラインをスクラバに供給してもよい。スクラバは、冷却メタノールおよび/または酢酸によって作動し、酢酸メチルとヨウ化メチルを除去する。好適なスクラバは米国特許第8,318,977号に記載されているが、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0055

[0056]本発明の蒸留塔は、例えば棚段塔充填塔、その他の塔等の従来の蒸留塔であってもよい。蒸留塔の材質としては、ガラス、金属、セラミックス、その他の好適な材料が挙げられるが、これらに限定されない。棚段塔の場合、理論段数は分離する成分に依存しており、50段以下、例えば5〜50段、あるいは7〜35段とすることができる。
ガード床
[0057]ハロゲン化物および/または腐食性金属で汚染されたカルボン酸流(例えば、酢酸流)を様々な運転条件下で本発明のイオン交換樹脂組成物と接触させてもよい。このイオン交換樹脂組成物はガード床中に設けられていることが好ましい。ガード床を用いて汚染カルボン酸流を精製することは、例えば米国特許第4,615,806号、5,653,853号、5,731,252号、及び6,225,498号に記載されており、これらの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。一般に、汚染された液体カルボン酸流を本発明のイオン交換樹脂組成物と接触させるが、このイオン交換樹脂組成物はガード床中に設けられていることが好ましい。例えばヨウ化物汚染物質等のハロゲン化物汚染物質は、金属と反応してヨウ化金属を形成する。ある態様では、例えばメチル基等、ヨウ化物と結合することがある炭化水素部位は、カルボン酸をエステル化することがある。例えばヨウ化メチルで汚染された酢酸の場合であれば、ヨウ化物除去の副生物として酢酸メチルが生成する。このエステル化物の形成は、通常、処理されたカルボン酸流に有害な影響を及ぼすことはない。

0056

[0058]接触工程での圧力は、樹脂物理強度によってのみ制限される。一態様では、接触は0.1MPa〜1MPa、例えば0.1MPa〜0.8MPa、または0.1MPa〜0.5MPaの範囲の圧力で行われる。しかし、便宜上、圧力と温度の両方を規定して、汚染カルボン酸流を液体として処理することが好ましい。従って、例えば、一般に経済的観点から好ましいとされる大気圧での運転では、温度は17℃(酢酸の凝固点)から118℃(酢酸の沸点)の範囲であってもよい。他のカルボン酸化合物を含む生成物流に対して同等の範囲を決定することは当業者の理解の範囲内である。この接触工程の温度を比較的低く保って樹脂の劣化を最少にすることが好ましい。一態様では、この接触工程は25℃〜120℃、例えば25℃〜100℃、または50℃〜100℃の範囲の温度で行う。数種のカチオン性マクロ網状樹脂は、通常150℃の温度で劣化し始める(酸で触媒した芳香族脱スルホン化反応機構による)。炭素数が5以下、例えば3以下のカルボン酸は、この範囲の温度で液体のままである。従って、接触時の温度は用いる樹脂の劣化温度より低く維持しなければならない。ある態様では、運転温度を樹脂の温度限界より低く保ち、液相操作とハロゲン化物除去のための所望の反応速度との整合性をとる。

0057

[0059]酢酸精製系内のガード床の構成は大きく異なっていてもよい。例えば、酢酸生成物を処理するための乾燥塔の後にガード床を設けてもよい。それに加えて、あるいはそれに代えて、重質除去塔または仕上げ塔の後にガード床を設けてもよい。酢酸生成物流の温度が低い、例えば120℃未満、または100℃未満である位置にガード床を設けることが好ましい。上述した利点の他に、運転温度が低いと、運転温度が高い場合に比べて腐食が少ない。運転温度が低いと、上述のように樹脂の総寿命を低下させる虞がある腐食性金属汚染物質の形成が抑制される。また、運転温度が低いと腐食が抑制されるため、容器を高価な耐腐食性金属で作製する必要がないという利点があり、例えば一般的なステンレス鋼等の下級金属を用いてもよい。

0058

[0060]一態様では、ガード床での流量は0.1床体積/時間(bed volumes per hour、BV/hr)〜50BV/hrの範囲、例えば1BV/hr〜20BV/hr、または6BV/hr〜10BV/hrであってもよい。有機媒体の床体積は、樹脂床が占める体積に等しい媒体の体積である。流量が1BV/hrであるとは、樹脂床が占める体積に等しい量の有機液体が1時間で樹脂床を通過することを意味する。

0059

[0061]総ヨウ化物濃度が高い精製酢酸生成物で樹脂が消耗されるのを回避するため、一態様では、精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度が5wppm以下、例えば、好ましくは1wppm以下の場合、底部流127中の精製酢酸生成物をガード床と接触させる。例示的な一態様では、精製酢酸生成物の総ヨウ化物濃度は0.01wppm〜5wppm、例えば0.01wppm〜1wppmであってもよい。ヨウ化物濃度が5wppmを超えると、規格外酢酸の再処理が必要になる場合がある。総ヨウ化物濃度には、ヨウ化C1〜C14アルキル等の有機源及びヨウ化水素等の無機源の両方に由来するヨウ化物が含まれる。ガード床で処理した結果、精製酢酸組成物が得られる。一態様では、精製酢酸組成物は100wppb未満、例えば90wppb未満、50wppb未満、または25wppb未満のヨウ化物を含む。一態様では、精製酢酸組成物は、1000wppb未満、例えば750wppb未満、500wppb未満、または250wppb未満の腐食性金属を含む。範囲に関していえば、精製酢酸組成物は、0〜100wppb、例えば1〜50wppbのヨウ化物および/または0〜1000wppb、例えば1〜500wppbの腐食性金属を含んでいてもよい。他の態様では、ガード床によって、粗酢酸生成物から少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%のヨウ化物が除去される。一態様では、ガード床によって、粗酢酸生成物から少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、または少なくとも75重量%の腐食性金属が除去される。

0060

[0062]本発明を詳細に説明したが、当業者であれば本発明の精神及び範囲内での変更が容易に自明であろう。上述の説明を考慮して、当該分野での関連する知見、[背景技術]及び[発明を実施するための形態]に関連して示した参考文献、開示内容はすべて参照により本明細書に組み込まれる。また、当然のことながら、本発明の側面及び様々な態様の部分、以下の記述および/または添付の特許請求の範囲で列挙した様々な特徴は、その全体または一部を組み合わせたり、入れ替えたりしてもよい。当業者であれば、様々な態様に関する上述の説明において、他の態様に言及する態様は別の態様と適切に組み合わせてもよいことが理解されよう。さらに、当業者であれば、上述の説明は単なる例示であって本発明を限定するものではないことが理解されよう。

0061

[0063]本発明は以下の非限定的な実施例によって十分に理解されよう。
比較例1−軽質液相をリサイクルしない場合
[0064]典型的な例として、0.01Mの酢酸リチウムのアセトン(50ml)溶液で側流試料(0.2g)を滴定して側流のHI濃度を求めた。pH電極滴定装置Metrohm 716DMS Titrinoと共に用いてダイナミック当量点滴定モードで終点を求めた。酢酸リチウム滴定試薬の消費量に基づき、次の式からHI濃度を重量%で算出した。

0062

実施例

0063

[0065]このHI滴定方法を用いて約1.9重量%の水を含む側流組成物試料試験した。HI濃度は50wppmから300wppmまで様々であった。オーバーヘッド軽質留分由来の軽質液相は、反応器に全くリサイクルしていない。軽質液相をリサイクルしない場合、HI濃度は高くなる傾向がある。
実施例1−軽質液相をリサイクルする場合
[0066]オーバーヘッド軽質留分由来の軽質液相の一部を反応器にリサイクルして側流の水含有量を低下させる。側流は1.5重量%の水と、25wppm未満のHIを含み、残部は酢酸、酢酸メチル及びヨウ化メチルである。HI濃度が低すぎて、直接滴定で測定することができなかった。HI濃度を直接測定することを困難にする他の陽イオンが存在する。無機ヨウ化物の総量、すなわち可能な限り最大のHI総量を直接測定する。これらの他の無機ヨウ化物は、ヨウ化リチウムに加えて腐食性金属ヨウ化物を含んでいることがある。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ