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技術 微細突起具及びその製造方法

出願人 花王株式会社
発明者 上野智志小林英男新津貴利
出願日 2015年8月19日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-162242
公開日 2017年2月23日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-038781
状態 特許登録済
技術分野 媒体導出入付与装置
主要キーワード 突起具 押し込み具 押し込み部分 押し込み距離 微細突起物 特定配置 中空突起 実質厚み
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月23日)のものです。
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図面 (13)

課題

皮膚に刺入する深さの制御が可能で、皮膚に刺入した際の痛みを低減し得る微細突起を備えた微細突起具を、比較的低コストで安定的に製造し得る、微細突起具の製造方法を提供すること。

解決手段

本発明の微細突起具1Aは、基材シート2の一面2aから突出形成された針状且つ中空の第1突起部2と、該基材シート2の一面2aにおける該第1突起部3の近傍から突出形成され且つ該第1突起部3より突出高さの低い中空の第2突起部4とを有している。第1突起部3の先端部が開口しており、その開口部31を介して該第1突起部3の中空部30と外部とが連通している。

概要

背景

本発明は、薬剤経皮吸収利用可能な微細突起具及びその製造方法に関する。

近年、医療分野美容分野などにおいて、マイクロニードルなどとも呼ばれる微細針状突起を備えた液注入具による薬剤の経皮吸収が注目されている。この液注入具によれば、マイクロニードルを角質層などの皮膚における比較的浅い層に刺入させて体内に薬剤を注入することが可能であり、通常の注射器に比べて被験者感じる痛みが大幅に低減されることから、非侵襲的な薬剤の投与手段として注目されている。

特許文献1には、皮膚を穿刺可能な錐状の立体形状を有し、その表面に薬剤を塗布した状態で皮膚に穿刺することで該薬剤を体内に注入可能ないわゆるソリッドタイプのマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスが開示されている。特許文献1記載のマイクロニードルデバイスは、基材の一面上に同形状同寸法のマイクロニードルが多数形成された構成を有し、各マイクロニードルの高さは均一であり、また、使用時にはマイクロニードル全体が皮膚に穿刺されることから、各マイクロニードルの表面全体に薬剤が塗布される。特許文献1記載のマイクロニードルデバイスは、熱可塑性樹脂等の基材を加熱し、その加熱状態の基材の表面を、マイクロニードルの配置パターンに対応した型でプレスすることによって製造されるもので、斯かる製造方法から明らかなように、マイクロニードル自体は中実構造である。

概要

皮膚に刺入する深さの制御が可能で、皮膚に刺入した際の痛みを低減し得る微細突起を備えた微細突起具を、比較的低コストで安定的に製造し得る、微細突起具の製造方法を提供すること。本発明の微細突起具1Aは、基材シート2の一面2aから突出形成された針状且つ中空の第1突起部2と、該基材シート2の一面2aにおける該第1突起部3の近傍から突出形成され且つ該第1突起部3より突出高さの低い中空の第2突起部4とを有している。第1突起部3の先端部が開口しており、その開口部31を介して該第1突起部3の中空部30と外部とが連通している。

目的

本発明は、皮膚に刺入する深さの制御が可能で、皮膚に刺入した際の痛みを低減し得る微細突起を備えた微細突起具を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

加熱によって軟化可能な基材シートの一面から突出形成された針状且つ中空の第1突起部と、該基材シートの一面における該第1突起部の近傍から突出形成され且つ該第1突起部より突出高さの低い中空の第2突起部とを有する、微細突起具の製造方法であって、前記第1突起部形成用の第1凸型と、該第1凸型に接触する物体を加熱する加熱手段とを用い、該第1凸型の先端を前記基材シートの他面に当接させてその当接部分を該加熱手段で加熱しつつ、該第1凸型を該基材シートの前記一面側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シートの押し込み部分を該第1凸型の形状に変形させる第1の押し込み工程と、前記第2突起部形成用の第2凸型と、該第2凸型に接触する物体を加熱する加熱手段とを用い、該第2凸型の先端を前記基材シートの他面に当接させてその当接部分を該加熱手段で加熱しつつ、該第2凸型を該基材シートの前記一面側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シートの押し込み部分を該第2凸型の形状に変形させる第2の押し込み工程とを有し、前記第2凸型による前記基材シートの押し込み距離を、前記第1凸型によるそれに比して短くする、微細突起具の製造方法。

請求項2

基板の一面上に前記第1凸型と該第1凸型より突出高さの低い前記第2凸型とが形成され、且つ両凸型に接触する物体を加熱する加熱手段を備えた押し込み具を用い、前記両凸型の先端を前記基材シートの他面に向け且つ前記加熱手段を作動させた状態で、前記押し込み具を該基材シートの他面側から前記一面側に向けて押し込むことによって、前記第1の押し込み工程及び前記第2の押し込み工程を同時に実施する請求項1に記載の微細突起具の製造方法。

請求項3

前記加熱手段は前記第1凸型及び第2凸型を超音波振動させる手段であり、該加熱手段の作動によって超音波振動する該両凸型を前記基材シートに当接させることによって、その基材シートの当接部分に摩擦熱を発生させて該当接部分を軟化可能になされている請求項1又は2に記載の微細突起具の製造方法。

請求項4

基材シートの一面から突出形成された針状の第1突起部と、該基材シートの該一面における該第1突起部の近傍から突出形成され且つ該第1突起部より突出高さの低い第2突起部とを有する微細突起具。

請求項5

前記第1突起部は中空で且つ開口部を有しており、その開口部を介して該第1突起部の中空部と外部とが連通している請求項4に記載の微細突起具。

請求項6

前記第2突起部は、前記基材シートの一面側において開口部を有してない請求項4又は5に記載の微細突起具。

請求項7

前記第2突起部の先端は、側面視において、水平方向に延びる直線又は該第2突起部の突出方向に向けて凸の湾曲線である請求項4〜6の何れか一項に記載の微細突起具。

請求項8

前記第1突起部の中空部は、該第1突起部の前記開口部から外部に吐出される液の貯留部として機能する請求項4〜7の何れか一項に記載の微細突起具。

請求項9

1個の前記第1突起部の近傍で且つ該1個の第1突起部を挟んで相対向する位置に一対の前記第2突起部が配されている部分を含む請求項4〜8の何れか一項に記載の微細突起具。

請求項10

1個の前記第1突起部とその近傍に位置する前記第2突起部とは根元部が繋がっている請求項4〜9の何れか一項に記載の微細突起具。

請求項11

上面視において、1個の前記第1突起部を中心としてその周囲に前記第1突起部及び前記第2突起部が放射状に配され、且つその複数の放射方向のうちの少なくとも一部において該第1突起部と該第2突起部とが交互に配されている請求項4〜10の何れか一項に記載の微細突起具。

請求項12

前記第2突起部は、上面視において連続した環状又は不連続な環状をなしている請求項4〜11の何れか一項に記載の微細突起具。

背景技術

0001

本発明は、薬剤経皮吸収利用可能な微細突起具及びその製造方法に関する。

0002

近年、医療分野美容分野などにおいて、マイクロニードルなどとも呼ばれる微細針状突起を備えた液注入具による薬剤の経皮吸収が注目されている。この液注入具によれば、マイクロニードルを角質層などの皮膚における比較的浅い層に刺入させて体内に薬剤を注入することが可能であり、通常の注射器に比べて被験者感じる痛みが大幅に低減されることから、非侵襲的な薬剤の投与手段として注目されている。

0003

特許文献1には、皮膚を穿刺可能な錐状の立体形状を有し、その表面に薬剤を塗布した状態で皮膚に穿刺することで該薬剤を体内に注入可能ないわゆるソリッドタイプのマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスが開示されている。特許文献1記載のマイクロニードルデバイスは、基材の一面上に同形状同寸法のマイクロニードルが多数形成された構成を有し、各マイクロニードルの高さは均一であり、また、使用時にはマイクロニードル全体が皮膚に穿刺されることから、各マイクロニードルの表面全体に薬剤が塗布される。特許文献1記載のマイクロニードルデバイスは、熱可塑性樹脂等の基材を加熱し、その加熱状態の基材の表面を、マイクロニードルの配置パターンに対応した型でプレスすることによって製造されるもので、斯かる製造方法から明らかなように、マイクロニードル自体は中実構造である。

先行技術

0004

特開2013−248299号公報

発明が解決しようとする課題

0005

マイクロニードルを薬剤の経皮吸収に利用する場合の利点の1つとして、前述した通り、通常の注射器と比べて角質層などの皮膚における比較的浅い層に薬剤を注入することができ且つ被験者が感じる痛みが少ない点が挙げられる。この点、マイクロニードルの突出高さが高すぎると、皮膚に刺入する深さが深くなりすぎるため、このような利点は得られない。一方で、突出高さの低い微細なマイクロニードルには、加工が困難という課題がある。例えば、中空の立体形状をなし、その中空部から薬剤を外部へ吐出するいわゆる中空タイプのマイクロニードルの場合、その製造工程においてマイクロニードルの先端に薬剤吐出用の開口を高精度で形成することは容易ではなく、これを実現するためには、製造工程が複雑化し、製造コストが高騰するおそれがある。皮膚に刺入しても痛みの少ない高品質のマイクロニードル(微細突起)を比較的低コストで安定的に製造し得る技術は未だ提供されていない。

0006

従って本発明は、皮膚に刺入する深さの制御が可能で、皮膚に刺入した際の痛みを低減し得る微細突起を備えた微細突起具を提供することに関する。また本発明は、斯かる微細突起具を比較的低コストで安定的に製造し得る、微細突起具の製造方法を提供することに関する。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、加熱によって軟化可能な基材シートの一面から突出形成された針状且つ中空の第1突起部と、該基材シートの一面における該第1突起部の近傍から突出形成され且つ該第1突起部より突出高さの低い中空の第2突起部とを有する、微細中空突起具の製造方法であって、前記第1突起部形成用の第1凸型と、該第1凸型に接触する物体を加熱する加熱手段とを用い、該第1凸型の先端を前記基材シートの他面に当接させてその当接部分を該加熱手段で加熱しつつ、該第1凸型を該基材シートの前記一面側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シートの押し込み部分を該第1凸型の形状に変形させる第1の押し込み工程と、前記第2突起部形成用の第2凸型と、該第2凸型に接触する物体を加熱する加熱手段とを用い、該第2凸型の先端を前記基材シートの他面に当接させてその当接部分を該加熱手段で加熱しつつ、該第2凸型を該基材シートの前記一面側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シートの押し込み部分を該第2凸型の形状に変形させる第2の押し込み工程とを有し、前記第2凸型による前記基材シートの押し込み距離を、前記第1凸型によるそれに比して短くする、微細突起具の製造方法である。

0008

また本発明は、基材シートの一面から突出形成された針状の第1突起部と、該基材シートの該一面における該第1突起部の近傍から突出形成され且つ該第1突起部より突出高さの低い中空の第2突起部とを有する微細突起具である。

発明の効果

0009

本発明によれば、皮膚に刺入する深さの制御が可能で、皮膚に刺入した際の痛みを低減し得る微細突起を備えた微細突起具が提供される。また本発明によれば、斯かる微細突起具を比較的低コストで安定的に製造し得る、微細突起具の製造方法が提供される。

図面の簡単な説明

0010

図1は、本発明の微細突起具の一実施態様を模式的に示す斜視図である。
図2(a)は、図1に示す微細突起具の模式的な上面図、図2(b)は、図2(a)のI−I線における突起部の配置を示した仮想的な側面図である。
図3は、図1に示す微細突起具の一部の高さ方向(突起部の突出方向)に沿う模式的な断面図である。
図4は、図1に示す微細突起具の使用状態を模式的に示す図であり、該微細突起具の第1突起部が皮膚の角質層に刺入し、第2突起部が皮膚に刺入せずに皮膚表面と接している様子を示す図である。
図5は、微細突起具における突起部の先端径測定方法を示す説明図である。
図6(a)は、本発明の微細突起具の他の実施態様の模式的な上面図(図2(a)相当図)、図6(b)は、図6(a)のII−II線における突起部の配置を示した仮想的な側面図である。
図7(a)は、本発明の微細突起具のさらに他の実施態様の模式的な上面図、図7(b)は、図7(a)のIII−III線における突起部の配置を示した仮想的な側面図である。
図8(a)は、本発明の微細突起具のさらに他の実施態様の模式的な上面図、図8(b)は、図78(a)のIV−IV線における突起部の配置を示した仮想的な側面図である。
図9(a)は、本発明に係る突起部の他の実施態様の斜視図、図9(b)は、図9(a)に示す突起部の任意の位置における高さ方向(突起部の突出方向)に沿う模式的な断面図である。
図10は、本発明の微細突起具の製造方法の実施に使用する製造装置の一実施態様の全体構成を示す図である。
図11(a)〜図11(e)は、それぞれ、図10に示す製造装置を用いた微細突起具の製造方法における主な工程の説明図である。
図12(a)〜図12(e)は、それぞれ、本発明の微細突起具の製造方法の他の実施態様における主な工程の説明図である。

0011

以下本発明を、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。図1図4には、本発明の微細突起具の一実施態様が示されている。本実施態様の微細突起具1Aは、平面視円形状の基材シート2の一面である上面2aから突出形成された針状且つ中空の第1突起部3と、基材シート2の上面2aにおける第1突起部3の近傍から突出形成され且つ第1突起部3より突出高さの低い中空の第2突起部4とを有している。図3に示すように、第1突起部3は中空部30を有する微細突起、いわゆるマイクロニードルとなっている。また、本実施形態では、第2突起部4は中空部40を有するマイクロニードルである。突起部3,4は何れも後述するように、突起部3,4に対応する凸型を基材シート2の他面(下面)2bから一面(上面)2aに向けて押し込んでその押し込み部分を該凸型の形状に変形させることによって形成されており、基材シート2の下面2bにおける突起部3,4に対応する部分は開口し、中空部30,40が露出している。本明細書において、「基材シートの上面」における「上」とは、基材シートにおける突起部が形成される側を指し、「基材シートの下面」における「下」とは、基材シートにおける開口が形成される側を指す。

0012

微細突起具1Aにおいては、図1及び図2に示すように、第1突起部3及び第2突起部4はそれぞれ複数形成されているところ、任意の1個の第1突起部3の近傍、より具体的には、任意の1個の第1突起部3から面方向に5mm以内の領域に、第2突起部4が少なくとも1個形成されている。また、微細突起具1Aにおいては、第1突起部3は円錐状をなし、第2突起部4は円錐台状をなしているところ、複数の第1突起部3は互いに同形状同寸法であり、複数個の第2突起部4も互いに同形状同寸法である。

0013

微細突起具1Aは、薬剤の経皮吸収に利用可能な液注入具である。微細突起具1Aは、斯かる用途のため、第1突起部3に開口部31を有している。より具体的には、図3に示すように、第1突起部3の先端部には開口部31が形成されており、その開口部31を介して第1突起部3の中空部30と外部とが連通している。開口部31は、第1突起部30を形成する基材シート2を厚み方向に貫通する貫通孔であり、円錐状の第1突起部3の先端に位置している。第1突起部30の中空部30は、開口部31から外部に吐出される液の貯留部又は通路として機能する。微細突起具1Aを薬剤の経皮吸収に使用する場合には、例えば図4に示すように、第1突起部3の先端部を皮膚Sに刺入し、該第1突起部3の中空部30に貯留された液状の薬剤Lを、該先端部の開口部31から皮膚Sに注入する。このように第1突起部3の中空部30が薬剤の貯留部として機能するのは、典型的には、外部から薬剤の供給が無い場合であり、外部から薬剤の供給がある場合、例えば、微細突起具1Aと共にアプリケーター等の薬剤供給器(図示せず)を併用する場合には、中空部30は薬剤の通路として機能する。

0014

微細突起具1Aの主たる特徴の1つは、基材シート2の上面2aから突出高さの異なる2種類の突起部3,4が互いに近接配置されている点にある。即ち、微細突起具1Aにおいては、相対的に突出高さの高い第1突起部3の近傍(第1突起部3から面方向に5mm以内)に、相対的に突出高さの低い第2突起部4が1個以上配置されており、斯かる突起部3,4の特徴的な配置により、第1突起部3の皮膚への刺入深さを制御可能になされている。このように、皮膚に刺入させる第1突起部3の近傍にこれよりも突出高さの低い第2突起部4が配置されていると、第1突起部3を先端側から皮膚に刺入させていった場合に、その近傍の第2突起部4の先端が皮膚の表面に接触した時点で第1突起部3の刺入が止まり(図4参照)、皮膚のより深い部位まで第1突起部3が刺入することが防止される。つまり、微細突起具1Aが有する突出高さの異なる2種類の突起部3,4のうち、皮膚に刺入されて薬剤の注入部として機能するのは第1突起部3のみであり、これよりも突出高さの低い第2突起部4は、第1突起部3の刺入深さを制限するストッパーとして機能する。

0015

このように微細突起具1Aは、第1突起部3の皮膚への刺入深さが制御可能になされていることにより、皮膚の任意の深さに薬剤を経皮吸収させることができる。そのため、微細突起具1Aによれば、薬剤の種類等に応じて第1突起部3の刺入深さを調節することで、薬剤の効果を最大限に発揮させることが可能である。また、例えば図4に示すように、皮膚Sの表層部である角質層S1に第1突起部3を刺入させ、皮膚Sのより深い部位である表皮S2、真皮S3には第1突起部3を刺入させないようにすることで、従来の注射器に比して経皮吸収に伴う痛みが大幅に低減され得る。従来の注射針を備えた注射器を用いて薬剤の経皮吸収を行った場合には、注射針が角質層S1を超えて表皮S2や真皮S3、さらには真皮S3より深い部位の皮下組織(図示せず)にまで刺入することが多く、そのため被験者は注射針の刺入による痛みに耐えなければならなかったが、微細突起具1Aによれば、被験者に痛みを感じさせずに薬剤の経皮吸収を実施し得る。第1突起部3の刺入深さは、第1突起部3とその近傍の第2突起部4との突出高さの差に一致するので、この突出高さの差を適宜調整することで、前記効果がより確実に奏されるようになる。

0016

図3を参照して、第1突起部3の基材シート2の一面(上面)2aからの突出高さをh1、その近傍の第2突起部4の該一面2aからの突出高さをh2、基材シート2の実質厚みをtとした場合、前記の「相対的に突出高さの高い第1突起部3の近傍に相対的に突出高さの低い第2突起部4が配置されている」という構成の採用によって、h1−h2<tなる関係が成立するように突起部3,4の突出高さを調整することが可能となる。「h1−h2」は第1突起部3の刺入深さに相当するから、h1−h2<tなる関係が成立するということは、第1突起部3の皮膚への刺入深さを基材シート2の実質厚みtよりも短くすることができるということであり、斯かる刺入深さは、実質厚みtが通常の極端に厚みのあるものではない範囲であれば、皮膚に刺入した際に痛みをほとんど感じないような微細なレベルのものである。

0017

後述するように、突起部3,4は基材シート2に凸型を押し込んでこれを変形させることによって形成され、先端部に開口部31を有する第1突起部3については、その凸型による基材シート2への押し込みの際に、該凸型の先端を基材シート2に突き刺してこれを貫通させて開口部31を穿設する。この点、仮に、基材シート2の一面2aに第2突起部4が存在せずに第1突起部3のみが存在する態様において、刺入時の痛み低減等の観点から第1突起部3の皮膚への刺入深さを短くすべく、第1突起部3の突出高さh1を基材シート2の実質厚みtよりも短くしようとした場合(h1<t)、基材シート2の実質厚みtが通常の極端に厚みのあるものではない範囲であれば、前記の凸型による基材シート2の押し込み距離はかなり短いものとなるため、該凸型の先端が基材シート2を貫通し難く、開口部31の穿設が困難となる。これに対し、微細突起具1Aにおいては、互いに近接する2種類の突起部3,4の突出高さの差が刺入深さとなるため、第1突起部3の突出高さ自体は、基材シート2の実質厚みtの如何によらずに任意に設定することができ、必ずしも実質厚みtよりも短くする必要は無い。つまり、前記の「相対的に突出高さの高い第1突起部3の近傍に相対的に突出高さの低い第2突起部4が配置されている」という構成の採用によって、先端に薬剤注入用の開口部31を有し且つ皮膚に刺入した際に痛みをほとんど感じない、第1突起部3の安定的な形成が可能となるのである。尚、本明細書において、「基材シートの押し込み距離」とは、基材シートの下面(突起部の形成側とは反対側)を基準として凸型を押し込んだ距離のことである。従って、第1凸型による基材シートの押し込み距離は、基材シートの実質厚みtと第1突起部3の高さh1の合計値に等しくなり、第2凸型による基材シートの押し込み距離は、基材シートの実質厚みtと第2突起部の高さh2との合計値となる。

0018

突起部3,4の突出高さは特に制限されず、微細突起具1Aの用途等に応じて適宜調整すれば良いが、いわゆるマイクロニードル(微細突起)と呼ぶにふさわしい微細サイズで、ヒトの角質層から真皮までの深さに刺入可能とする観点から、以下のように設定することが好ましい。
第1突起部3の突出高さh1は、好ましくは0.01mm以上、さらに好ましくは0.02mm以上、そして、好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下、より具体的には、好ましくは0.01mm以上10mm以下、さらに0.02mm以上5mm以下である。
第2突起部4の突出高さh2は、好ましくは0.02mm以上、さらに好ましくは0.03mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下、より具体的には、好ましくは0.02mm以上5mm以下、さらに0.03mm以上〜4mm以下である。
両突起部3,4の突出高さの差h1−h2は、好ましくは0.001mm以上、さらに好ましくは0.005mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは4mm以下、より具体的には、好ましくは0.001mm以上5mm以下、さらに0.005mm以上4mm以下である。
基材シート2の実質厚みtは、好ましくは0.005mm以上、さらに好ましくは0.01mm以上、そして、好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下、より具体的には、好ましくは0.005mm以上1.0mm以下、さらに0.01mm以上0.5mm以下である。

0019

第1突起部3の先端径は、好ましくは0.001mm以上、さらに好ましくは0.005mm以上、そして、好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下、より具体的には、好ましくは0.001mm以上0.5mm以下、さらに0.005mm以上0.3mm以下である。
第2突起部4の先端径は、好ましくは0.002mm以上、さらに好ましくは0.01mm以上、そして、好ましくは5mm以下、さらに好ましくは2mm以下、より具体的には、好ましくは0.002mm以上5mm以下、さらに0.01mm以上2mm以下である。
突起部3,4の先端径は下記方法により測定される。

0020

〔微細突起具における突起部の先端径の測定方法〕
測定対象の突起部(第1突起部3又は第2突起部4)の先端部を、走査型電子顕微鏡(SEM)、若しくはマイクロスコープを用いて図5に示すSEM画像のように観察する。次に、図5に示すように、両側辺1a,1bの内の一側辺1aにおける直線部分に沿って仮想直線ILaを延ばし、他側辺1bにおける直線部分に沿って仮想直線ILbを延ばす。そして、先端側にて、一側辺1aが仮想直線ILaから離れる箇所を第1先端点1a1として求め、他側辺1bが仮想直線ILbから離れる箇所を第2先端点1b1として求める。このようにして求めた第1先端点1a1と第2先端点1b1とを結ぶ直線の長さLを、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定し、測定した該直線の長さを、測定対象の突起部の先端径とする。

0021

前述したように、微細突起具1Aにおいては、第2突起部4は第1突起部3の刺入深さを制限するストッパーとして機能するものであり、それ自体を皮膚に刺入させることは想定していない。そのため第2突起部4は、基材シート2の上面2a側において開口しておらず開口部を有していない。

0022

また第2突起部4は、その先端が皮膚表面と当接することでストッパーとしての機能を果たすことから、第2突起部4の先端は皮膚に当接しても痛みの少ない形状が好ましく、斯かる観点から、図2(b)に示す如き側面視において、水平方向に延びる直線又は第2突起部4の突出方向(第1突起部3の刺入方向)に向けて凸の湾曲線であることが好ましい。微細突起具1Aにおける第2突起部4は、図1図4に示すように側面視において直線をなしており、即ち、該第2突起部4の先端は凹凸の無い平坦面である。

0023

第2突起部4による第1突起部3の刺入深さの制限機能をより確実に奏させるようにするためには、突起部3,4の配置についても工夫が必要となる。斯かる観点から、微細突起具1Aは、図2(a)に示すように、「1個の第1突起部3の近傍(該1個の第1突起部3から面方向に5mm以内)で且つ該1個の第1突起部3を挟んで相対向する位置に少なくとも一対の第2突起部4が配されている部分」(以下、突起部特定配置部ともいう)を含んでいる。図2(a)においては、上面視円形状の基材シート2の中心に位置する1個の第1突起部3を通って図2(a)の上下方向に延びる突起部3,4の縦列、及び、該1個の第1突起部3を通って図2(a)の左右方向に延びる突起部3,4の横列それぞれにおいて、前記突起部特定配置部がその列方向に連続して存在している。前記突起部特定配置部においては、1個の第1突起部3を挟んでその両側に、該第1突起部3の刺入深さを制限するストッパーとして機能する第2突起部4が配置されているため、前記突起部特定配置部を含む微細突起具1Aによれば、第1突起部3の刺入深さがより確実に制限され、第1突起部3が意図せずに深く刺入する不都合が生じ難い。

0024

微細突起具1Aにおける突起部3,4の配置についてさらに説明すると、図2(a)に示す如き微細突起具1Aの上面視において、1個の第1突起部3を中心としてその周囲に複数の他の第1突起部3及び第2突起部4が放射状に配され、且つその複数の放射方向のうちの少なくとも一部(前記縦列及び横列)において第1突起部3と第2突起部4とが交互に配されており、複数の突起部3,4が放射状パターンで配置されている。この放射状パターンの中心に位置する1個の第1突起部3は、平面視円形状の基材シート2の中心に位置している。

0025

図6〜9には、本発明の微細突起具の他の実施態様又はその要部が示されている。後述する他の実施態様については、前記実施態様と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、前記実施態様の微細突起具1Aについての説明が適宜適用される。

0026

図6に示す微細突起具1Bにおいては、1個の第1突起部3とその近傍に位置する第2突起部4とは根元部(突起部の突出方向における先端部とは反対側の端部)が繋がっている。より具体的には、図6(a)に示すように、基材シート2の上面2aに複数の突起部3,4が放射状パターンで配置され、それら複数の突起部3,4の全てが前記突起部特定配置部を構成しており、上面2aに9個の前記突起部特定配置部が存在している。そして、この9個の前記突起部特定配置部それぞれにおいて、図6(b)に示すように、1個の第1突起部3とこれを挟んで相対向する2個の第2突起部4,4とは根元部のみが繋がって一体化しており、各突起部3,4の先端部は繋がらずにそれぞれ独立に存在している。尚、ここでいう、「根元部が繋がっている」とは、基材シート2の一面、即ちベース高さをなす面である上面2aよりも各突起部3,4の突出方向先端側の位置において、第1突起部3と第2突起部4とが連続している状態を指す。本実施形態では、前記突起部特定配置部を構成する突起部3,4の「繋がっている根元部」が、両突起部3,4の間の谷部となっている。

0027

図7に示す微細突起具1Cにおいては、第2突起部4は上面視において連続した環状をなしている。より具体的には、図7(a)に示すように、平面視円形状の基材シート2の中心に位置する1個の第1突起部3を包囲するように、平面視円環状の第2突起部4が配され、さらに、この円環状の第2突起部4よりも突起具1Cの外方に該第2突起部4に沿って複数(8個)の第1突起部3が該第2突起部を包囲するように配され、さらに、これら複数の第1突起部3を包囲するように、平面視円環状の別の第2突起部4が配されており、2個の円環状の第2突起部4,4が同心円状に配置されている。

0028

図8に示す微細突起具1Dは、第2突起部4が上面視において不連続な環状をなし、基材シート2の上面2aに複数の突起部3,4が放射状パターンで配置されている点以外は、図7に示す微細突起具1Cと同様に構成されている。即ち、微細突起具1Dにおける第2突起部4は、図8(a)に示す如き上面視において、円弧状をなしている。

0029

ところで、図6に示す微細突起具1Bにおいては、前記突起部特定配置部を構成する1個の第1突起部3とその近傍に位置する第2突起部4とは根元部のみが繋がっていたが、図9に示す特定突起部5のように、第2突起部4はその近傍の第1突起部3に対し、根元部のみならず先端部が繋がっていても良い。特定突起部5は、第2突起部4がその先端部及び根元部で近傍の第1突起部3と繋がってなる突起部である。特定突起部5は、図9に示すように、基材シート2の上面2aから立ち上がる根元部51と、根元部51の突出方向の先端に連接された先端部52とを有し、先端部52は、上面2aにと平行な平坦部53によって包囲されており、平坦部53の中央部に位置している。根元部51は第2突起部4、先端部52は第1突起部3からなり、また平坦部53は、第2突起部4の突出方向の先端からなり、図9(b)に示す如き断面視において、水平方向に延びる直線状をなしている。図9に示す特定突起部5は、平面視(上面視)において方向性の無い形状をなし、特定突起部5を任意の位置でその高さ方向(突起部5の突出方向)に沿って切断した場合の断面は、図9(b)に示す如き断面となる。尚、図9(b)中の一点破線は、特定突起部5を構成する1個の第1突起部3の仮想的な側面の輪郭線図9(b)中の点線は、特定突起部5を構成する2個の第2突起部4,4それぞれの仮想的な側面の輪郭線であり、何れも実際には存在しない輪郭線である。特定突起部5の中空部50は、仕切の無い連続した1つの空間部を形成し、先端の開口部31を介して外部と連通している。

0030

特定突起部5の先端部52(第1突起部3の先端部)を皮膚に刺入させた場合には、該先端部52の根元に位置する平坦部53(第2突起部4の先端)が、該先端部52の刺入を制限するストッパーとして機能する。また、特定突起部5の中空部50は、図9(b)に示す如き特定突起部5の突出方向(微細突起具の高さ方向)に沿う断面視において、等脚台形上底の中央部に二等辺三角形が連接された形状をなしているため、この二等辺三角形状の部分即ち先端部52を皮膚に刺入させた状態においては、中空部50に貯留された液が該先端部52に集中し、該液の全部を開口部31から吐出することが可能となり、液が中空部50に残存してしまう不都合が生じ難い。

0031

次に、本発明の微細突起具の製造方法について、その好ましい実施態様に基づき図面を参照しながら説明する。図10には、本発明の微細突起具の製造方法の実施に用いる製造装置の一実施態様が示されている。本実施態様の製造装置100は、前述した微細突起具1Aの特徴を全て備えた微細突起具1の製造装置である。微細突起具1は、微細突起具1Aにおいて基材シート2を小型化し且つ突起部3,4の数を少なくして微細突起具1Aをコンパクトにしたものである。尚、図10では理解容易の観点から、微細突起具1Aを実際のものよりも大きく描いている。

0032

製造装置100は、図10に示すように、ロール状に巻回された長尺帯状の基材シート2を巻き出して一方向に走行させ、その走行中の基材シート2に対し、第1凸型111及び第2凸型112を該基材シート2の一面側から他面側に押し込んで変形させて、第1凸型111に対応する第1突起部3及び第2凸型112に対応する第2突起部4をそれぞれ形成するようになされており、基材シート2の走行方向の上流側から下流側に向かって、突起部形成部120、冷却部130、リリース部140を備えている。図中、符号MD(Machine Direction)は基材シート2の走行方向(基材シート2の長手方向)、符号CD(Cross machine Direction)は該走行方向と直交する方向(基材シート2の幅方向)、符号Zは基材シート2の厚み方向である。

0033

基材シート2は加熱によって軟化可能なシートであり、前記の凸型101,102の押し込みによる基材シート2の変形(突起部3,4の形成)は、基材シート2における凸型101,102との当接部分を加熱して軟化溶融させることによってなされる。基材シート2としては、熱可塑性樹脂を含むシートを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ脂肪酸エステルポリカーボネートポリプロピレンポリエチレンポリエステルポリアミドポリアミドイミドポリエーテルエーテルケトンポリエーテルイミドポリスチレンポリエチレンテレフタレート類、ポリ塩化ビニルナイロン樹脂アクリル樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの熱可塑性樹脂の中でも生分解性の観点から、ポリ脂肪酸エステルが好ましく用いられ、具体的には、ポリ乳酸ポリグリコール酸、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。基材シート2は、熱可塑性樹脂以外に、ヒアルロン酸コラーゲンでんぷんセルロース等を含んだ混合物で形成されていても良い。

0034

製造装置100においては、凸型111,112による基材シート2の押し込みによって基材シート2をより確実に変形させる観点から、図10に示すように、走行中の基材シート2のMD方向に沿う両側縁部を一対の支持部材101,101で支持する。一対の支持部材101,101は、それぞれ、突起部形成部120、冷却部130及びリリース部140に亘って連続し、基材シート2の上面2a側、即ち、凸型111,112が押し込まれる側とは反対側に配されている。基材シート2の両側縁部が一対の支持部材101,101で支持された状態で、該基材シート2における両支持部材101,101に挟まれた部分に対し、凸型111,112を該基材シート2の下面2b側から上面2a側に向けて押し込んだ場合、その押し込みに負けて基材シート2がめくれるなどの不都合が生じることがなく、突起部3,4をより安定的に形成することが可能となる。

0035

本実施態様の製造方法においては、第1凸型111及び第2凸型112が一体となった押し込み具110を用いる。押し込み具110は、図10に示すように、基板113の一面(上面)上に、第1突起部3形成用の第1凸型111と、第2突起部4形成用の第2凸型112とが形成されたもので、前述した第1突起部3と第2突起部4との突出高さの違いを反映して、第2凸型112は第1凸型111よりも基板113からの突出高さが低い。押し込み具110は、製造目的物である微細突起物1の形状に対応した形状をなしており、凸型111,112の形状及び配置は微細突起物1のそれとほぼ同じである。第1凸型111の先端は先鋭な形状をなし、基材シート2に容易に突き刺さるようになされているのに対し、第2凸型112の先端はっておらず平坦であり、基材シート2に突き刺さり難くなされている。

0036

押し込み具110は、凸型111,112に接触する物体(基材シート2)を加熱する図示しない加熱手段を備えている。凸型111,112を加熱対象の基材シート2に当接させてその当接部分を前記加熱手段で加熱することで、該当接部分を軟化溶融させることが可能である。前記加熱手段としては、加熱ヒーター装置等の発熱装置の他、凸型111,112を超音波振動させる手段(超音波振動装置)を用いることもできる。この超音波振動装置の作動によって超音波振動する凸型111,112を、基材シート2に当接させることによって、その基材シート2の当接部分に摩擦熱を発生させて該当接部分を軟化溶融させることができる。本実施態様においては、前記加熱手段として超音波振動装置を採用している。前記加熱手段は、その目的を達成可能なように、押し込み具110の内部又は外部の任意の位置に配置することができる。

0037

前記加熱手段によって基材シート2を加熱する際の加熱温度としては、基材シート2のガラス転移温度(Tg)以上の温度で行うことが好ましく、さらには、基材シート2の軟化温度以上の温度で行うことが好ましい。また、当該加熱温度は基材シート2の融点未満であることが好ましい。
尚、前記「基材シートのガラス転移温度(Tg)」は、基材シートの構成樹脂のTgを意味し、該構成樹脂が複数種存在する場合においてそれら複数種のTgが互いに異なる場合、前記加熱手段による基材シートの加熱温度は、少なくともそれら複数のTgのうち最も低いTg以上であることが好ましく、それら複数のTgのうち最も高いTg以上であることがさらに好ましい。
また、前記「基材シートの軟化温度」についてもTgと同様であり、即ち、基材シートの構成樹脂が複数種存在する場合においてそれら複数種の軟化温度が互いに異なる場合、前記加熱手段による基材シートの加熱温度は、少なくともそれら複数の軟化温度のうち最も低い軟化温度以上であることが好ましく、それら複数の軟化温度のうち最も高い軟化温度以上であることがさらに好ましい。
また、基材シートが融点の異なる2種以上の樹脂を含んで構成されている場合、前記加熱手段による基材シートの加熱温度は、それら複数の融点のうち最も低い融点未満であることが好ましい。
前記「基材シートのTg」は以下の方法によって測定され、前記「基材シートの軟化温度」は、JIS K-7196「熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験方法」に従って測定される。

0038

〔基材シートのガラス転移温度(Tg)の測定方法〕
測定器はPerkin Elmer社製の示差走査熱量測定装置(DiamondDSC)を使用する。測定対象の基材シートから試験片10mgを採取し、その試験片を所定条件で加熱する。具体的には試験片について、20℃を5分間等温した後に、20℃から220℃まで、5℃/分の速度で昇温させ、横軸温度、縦軸熱量のDSC曲線を得る。そして、このDSC曲線からガラス転移温度Tgを求める。

0039

凸型111,112は、折れ難い高強度の材質で形成されている。凸型111,112の材質としては、鋼鉄ステンレス鋼アルミニウムアルミニウム合金ニッケルニッケル合金コバルトコバルト合金、銅、銅合金ベリリウム銅ベリリウム銅合金等の金属、又はセラミック等が挙げられる。凸型111,112が形成されている基板113は、該凸型111,112と同様の材質で形成することができる。

0040

押し込み具110は、図10に示すように、走行する基材シート2の下面2b側において、突起部形成部120、冷却部130及びリリース部140に亘って基材シート2と並走可能になされている。また、押し込み具110は、図示しないピストンシリンダーによって厚み方向Zに移動可能になされており、突起部形成部120における押し込み具110による基材シート2の押し込み操作、及びリリース部140における押し込み具110の引き抜き操作は、このピストンシリンダーによって実行される。押し込み具110の一連の動作(ピストンシリンダー及びコンベアの動作)は、図示しない制御手段によって制御される。

0041

本実施態様の製造方法は、第1凸型111及び前記加熱手段(超音波振動装置)を用いる第1の押し込み工程と、第2凸型112及び該加熱手段を用いる第2の押し込み工程とを有している。第1の押し込み工程は第1突起部3を形成するための工程、第2の押し込み工程は第2突起部4を形成するための工程である。本実施態様の製造方法の主たる特徴の1つとして、押し込み具110を利用することによって、両工程を同時に実施する点が挙げられる。

0042

本発明の製造方法には、「第1凸型111を備えるが第2凸型112を備えていない押し込み具(図示せず)を用いて第1の押し込み工程を実施する工程と、第2凸型112を備えるが第1凸型111を備えていない押し込み具(図示せず)を用いて第2の押し込み工程を実施する工程とを有し、両押し込み工程を任意の順番で実施する態様」が含まれる。斯かる態様においては、各押し込み工程の実施後に基材シート2を冷却する。斯かる態様は、製造目的物である微細突起具1が有する複数種(2種)の突起部3,4と同数の押し込み工程を行う必要があり、工程の複雑化、製造コストの高騰、加工精度の低下といった問題が懸念される。これに対し、製造装置100を用いた本実施態様の製造方法は、凸型111,112が一体となった押し込み具110による一回の押し込み操作によって、第1及び第2の押し込み工程を同時に実施することができるため、工程数が比較的少なくて済み、微細突起具を比較的低コストで精度良く安定的に製造することできる。

0043

製造装置100においては、先ず、突起部形成部120において、第1凸型111の先端を基材シート2の下面(他面)2bに当接させてその当接部分を前記加熱手段(超音波振動装置)で加熱しつつ、第1凸型111を基材シート2の上面(一面)2a側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シート2の押し込み部分を第1凸型111の形状に変形させる(第1の押し込み工程)と共に、第2凸型112の先端を基材シート2の下面2bに当接させてその当接部分を前記加熱手段(超音波振動装置)で加熱しつつ、第2凸型112を基材シート2の上面2a側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シート2の押し込み部分を第2凸型112の形状に変形させる(第2の押し込み工程)。また、第1凸型111による押し込みによって形成されるのは第1突起部3、第2凸型112による押し込みによって形成されるのは第2突起部4であるところ、前述したように、第2突起部4は第1突起部3に比して基材シート2の上面2aからの突出高さが低いことから、第2凸型112による基材シート2の押し込み距離は、第1凸型111によるそれに比して短くなる。

0044

突起部形成部120においては、前述したように、押し込み具110を利用することによって、第1及び第2の押し込み工程を同時に実施する。即ち、図11(a)に示すように、第1凸型111及び第2凸型112の先端を基材シート2の下面2bに向け且つ前記加熱手段(超音波振動装置)を作動させた状態で、図11(b)及び図11(c)に示すように、押し込み具110を基材シート2の下面2b側から上面2a側に向けて押し込み、その押し込み具110による一回の押し込み操作によって、第1及び第2の押し込み工程を同時に実施する。

0045

押し込み具110による押し込み操作においては、先ず、相対的に突出高さの高い第1凸型111の先鋭な先端が、超音波振動した状態で基材シート2の下面2bに突き刺さり、さらに押し込み具110を押し込んでいくと、第1凸型111の先端が自身の超音波振動による摩擦熱によって周辺の樹脂を軟化溶融させつつ基材シート2を厚み方向に移動し、その第1凸型111の先端の移動に伴って、基材シート2が該先端の形状に変形し、その結果、基材シート2の上面2a側に第1突起部前駆体3’が突出形成される。第1突起部前駆体3’は、第1突起部3よりも突出高さの低い突起部であり、第1突起部前駆体3’の中空部に存する第1凸型111をさらに所定距離押し込むことで最終的に第1突起部3となる。一方、相対的に突出高さの低い第2凸型112の平坦な先端は、第1凸型111に遅れて、超音波振動した状態で基材シート2の下面2bに当接する(図11(b)参照)。尚、図示の形態では、第2凸型112の先端が基材シート2の下面2bに当接するタイミングが第1突起部前駆体3’の形成後となっているが、凸型111,112の突出高さの差や基材シート2の厚み如何によっては、該タイミングが第1突起部前駆体3’の形成前となることもあり得る。

0046

図11(b)に示す状態から、押し込み具110を基材シート2の上面2a側にさらに押し込んでいくと、第1突起部前駆体3’は、第1凸型111による押し込みによって変形して第1突起部3となる。また、その第1突起部3の形成過程で、第1凸型111の先鋭な先端が基材シート2を厚み方向に貫通し、その貫通部分が開口部31となる。一方、第2凸型112の先端は、図11(b)に示すように基材シート2の下面2bに当接した状態から、それ自身の超音波振動による摩擦熱によって周辺の樹脂を軟化溶融させつつ基材シート2を厚み方向に移動し、その第2凸型112の先端の移動に伴って、基材シート2が該先端の形状に変形し、その結果、基材シート2の上面2a側に第2突起部4が突出形成される(図11(c)参照)。第1突起部3とその近傍の第2突起部4とは、ほぼ同時に形成される。

0047

こうして突起部3,4が形成された基材シート2は、図10に示すように、それら突起部3,4の内部に対応する凸型111,112が挿入された状態(図11(c)の状態)のまま、冷却部130に移送され、そこで凸型111,112ごと冷却される。斯かる冷却工程によって、加熱され軟化状態にあった突起部3,4が固化する。冷却部130は、冷風送風装置131を備えている。冷風送風装置131は、走行する基材シート2の全体を覆うケース体を有し、該ケース体内を通過する基材シート2に対し、図11(d)に示すように、その上面2a側から送風口132によって冷風を吹き付け、その突起部3,4に挿入されている第1凸型111及び第2凸型112ごと冷却する。冷風送風装置131による冷却温度、冷却時間等は、図示しない制御手段によって制御される。尚、基材シート2の冷却固化が完了してない状態で、突起部3,4内に挿入されている凸型111,112が超音波振動していると、突起部3,4の形状や寸法に狂いが生じるおそれがあることから、凸型111,112を超音波振動させるのは突起部形成部120に留め、冷却工程では超音波振動を止めておくことが好ましい。

0048

冷却部130による冷却工程後は、図10に示すように、リリース部140において、基材シート2に対する押し込み具110による押し込み状態解除する。具体的には、基材シート2に押し込まれた状態の押し込み具110を前記ピストンシリンダーによって下降させることによって、該基材シート2の第1突起部3の内部から第1凸型111を引き抜くと共に、第2突起部4の内部から第2凸型112を引き抜く(図11(e)参照)。その後、図示しない切断手段によって帯状の基材シート2を単位長さに切断することで、目的とする微細突起物1が得られる。

0049

押し込み具110が備える前記加熱手段としては、前述したように加熱ヒーター装置等の発熱装置を用いることもできる。図12には、前記加熱手段として発熱装置を用いた場合の突起部3,4の形成の様子が示されている。前記加熱手段として発熱装置を用いた場合の突起部3,4の形成工程は、前述した超音波振動装置を用いた場合と基本的に同じである。即ち、図12(a)に示すように、第1凸型111及び第2凸型112の先端を基材シート2の下面2bに向け且つ前記加熱手段(発熱装置)を作動させた状態で、図12(b)及び図12(c)に示すように、押し込み具110を基材シート2の下面2b側から上面2a側に向けて押し込み、その押し込み具110による一回の押し込み操作によって、第1及び第2の押し込み工程を同時に実施する。その後、冷却部130における冷却工程、リリース部140における押し込み状態の解除が順次実施される。前記加熱手段として発熱装置を用いた場合において特に説明しない点は、超音波振動装置を用いた場合の説明が適宜適用される。

0050

第1凸型111及び第2凸型112は、それら自体が前記発熱装置によって加熱されており、その加熱状態のままで基材シート2に押し込まれる。凸型111,112による基材シート2の加熱温度は、突起部3,4の形成を容易にする観点から、基材シート2を構成する熱可塑性樹脂の軟化点以上が好ましく、さらには該熱可塑性樹脂の溶融温度未満が好ましい。

0051

前述した微細突起具1の製造方法は、微細突起具1と実質的に同形状の微細突起具1Aは勿論のこと、微細突起具1B,1C,1Dにも適用可能である。斯かる製造方法によれば、押し込み具による1回の押し込み操作だけで、先端に開口を有する微細な突起部を高精度で形成することが可能であり、シンプルな工程にもかかわらず、微細突起具を安定的に大量生産することができる。前記押し込み具としては、製造目的物である微細突起具の形状に対応した形状のものを用いれば良く、前記押し込み具の各部の寸法、凸型の配置等は、製造目的物である微細突起具のそれと同じに設定することができる。

0052

以上、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されない。例えば、突起部3,4の形状、配置は特に制限されず、それぞれ任意に設定可能である。また、本発明の製造方法の前記実施態様においては、押し込み工程後の基材シート(第1突起部及び第2突起部)の冷却を、冷却装置を用いた強制冷却によって行っていたが、冷却装置を用いずに自然冷却によって行っても良い。

0053

また、前述した実施態様では、マイクロニードル即ち微細突起部は全て中空構造であり、且つ、第1突起部がその突出方向先端に開口部を有するものであったが、本発明の微細突起具はこれに限られない。例えば、中空のマイクロニードル形状の第1突起部の中空部分に、該突起部の形成樹脂又はそれ以外の他の樹脂を充填して、中実構造の第1突起部とすることができる。即ち本発明には、「基材シート2の一面2aから突出形成された針状且つ中実の第1突起部3と、該基材シート2の該一面2aにおける該第1突起部3の近傍から突出形成され且つ該第1突起部3より突出高さの低い中空の第2突起部4とを有する微細突起具」が含まれる。また、第1凸型の押し込み速度や加熱温度を調整することによって、第1突起部の先端が開口していないものとすることができる。しかしながら、微細突起具は、前述した実施態様のように、中空構造で且つ先端に開口部を有する第1突起部を具備していることが、薬剤の保持量が多く、且つ、体内へ薬剤を供給しやすいので好ましい。
前述した本発明の実施態様に関し、更に以下の付記を開示する。

0054

<1>
加熱によって軟化可能な基材シートの一面から突出形成された針状且つ中空の第1突起部と、該基材シートの一面における該第1突起部の近傍から突出形成され且つ該第1突起部より突出高さの低い中空の第2突起部とを有する、微細突起具の製造方法であって、
前記第1突起部形成用の第1凸型と、該第1凸型に接触する物体を加熱する加熱手段とを用い、該第1凸型の先端を前記基材シートの他面に当接させてその当接部分を該加熱手段で加熱しつつ、該第1凸型を該基材シートの前記一面側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シートの押し込み部分を該第1凸型の形状に変形させる第1の押し込み工程と、
前記第2突起部形成用の第2凸型と、該第2凸型に接触する物体を加熱する加熱手段とを用い、該第2凸型の先端を前記基材シートの他面に当接させてその当接部分を該加熱手段で加熱しつつ、該第2凸型を該基材シートの前記一面側に向けて所定距離押し込むことによって、その基材シートの押し込み部分を該第2凸型の形状に変形させる第2の押し込み工程とを有し、
前記第2凸型による前記基材シートの押し込み距離を、前記第1凸型によるそれに比して短くする、微細突起具の製造方法。

0055

<2>
基板の一面上に前記第1凸型と該第1凸型より突出高さの低い前記第2凸型とが形成され、且つ両凸型に接触する物体を加熱する加熱手段を備えた押し込み具を用い、
前記両凸型の先端を前記基材シートの他面に向け且つ前記加熱手段を作動させた状態で、前記押し込み具を該基材シートの他面側から前記一面側に向けて押し込むことによって、前記第1の押し込み工程及び前記第2の押し込み工程を同時に実施する請求項1に記載の微細突起具の製造方法。
<3>
前記押し込み具による1回の押し込み操作によって、前記第1の押し込み工程及び前記第2の押し込み工程を同時に実施する<2>記載の微細突起具の製造方法。
<4>
前記第1凸型の前記基板の一面からの突出高さと前記第2凸型の前記基板の一面からの突出高さとの差が、前記基材シートの実質厚みに比して小さい<2>又は<3>記載の微細突起具の製造方法。
<5>
前記第1凸型を備えるが前記第2凸型を備えていない押し込み具を用いて前記第1の押し込み工程を実施する工程と、
前記第2凸型を備えるが前記第1凸型を備えていない押し込み具を用いて前記第2の押し込み工程を実施する工程とを有し、
これら両押し込み工程を任意の順番で実施し、且つ各押し込み工程の実施後に前記基材シートを冷却する<1>記載の微細突起具の製造方法。
<6>
前記第2の凸型が円錐台状である、<1>〜<5>の何れか1つに記載の微細突起具の製造方法。

0056

<7>
前記加熱手段は前記第1凸型及び第2凸型を超音波振動させる手段であり、該加熱手段の作動によって超音波振動する該両凸型を前記基材シートに当接させることによって、その基材シートの当接部分に摩擦熱を発生させて該当接部分を軟化可能になされている<1>〜<6>の何れか1つに記載の微細突起具の製造方法。
<8>
前記加熱手段による前記基材シートの加熱温度が、該基材シートのガラス転移温度以上融点未満である<1>〜<7>の何れか1つに記載の微細突起具の製造方法。
<9>
前記加熱手段による前記基材シートの加熱温度が、該基材シートの軟化温度以上融点未満である<1>〜<8>の何れか1つに記載の微細突起具の製造方法。

0057

<10>
前記微細突起具がマイクロニードルである<1>〜<9>の何れか1つに記載の微細突起具の製造方法。
<11>
前記第1突起部及び前記第2突起部が、それぞれ、前記基材シート上に配置されたマイクロニードルアレイである<10>に記載の微細突起具の製造方法。

0058

<12>
基材シートの一面から突出形成された針状の第1突起部と、該基材シートの該一面における該第1突起部の近傍から突出形成され且つ該第1突起部より突出高さの低い中空の第2突起部とを有する微細突起具。
<13>
前記第1突起部は中空で且つ開口部を有しており、その開口部を介して該第1突起部の中空部と外部とが連通している<12>に記載の微細突起具。
<14>
前記開口部は、前記第1突起部の先端に設けられている<13>に記載の微細突起具。
<15>
前記第1突起部の中空部は、該第1突起部の前記開口から外部に吐出される液の貯留部として機能する<13>又は<14>に記載の微細突起具。
<16>
前記第2突起部は、前記基材シートの一面側において開口部を有してない<12>〜<15>の何れか1つに記載の微細突起具。
<17>
前記第2突起部の先端は、側面視において、水平方向に延びる直線又は該第2突起部の突出方向に向けて凸の湾曲線である<12>〜<16>の何れか1つに記載の微細突起具。

0059

<18>
1個の前記第1突起部の近傍で且つ該1個の第1突起部を挟んで相対向する位置に一対の前記第2突起部が配されている部分を含む前記<12>〜<17>の何れか1つに記載の微細突起具。
<19>
1個の前記第1突起部とその近傍に位置する前記第2突起部とは根元部が繋がっている<12>〜<18>の何れか1つに記載の微細突起具。
<20>
上面視において、1個の前記第1突起部を中心としてその周囲に前記第1突起部及び前記第2突起部が放射状に配され、且つその複数の放射方向のうちの少なくとも一部において該第1突起部と該第2突起部とが交互に配されている前記<12>〜<19>の何れか1つに記載の微細突起具。
<21>
前記第2突起部は、上面視において連続した環状又は不連続な環状をなしている<12>〜<20>の何れか1つに記載の微細突起具。

0060

<22>
前記第1突起部の前記基材シートの一面からの突出高さと前記第2突起部の前記基材シートの一面からの突出高さとの差が、該基材シートの実質厚みに比して小さい<12>〜<21>の何れか1つに記載の微細突起具。
<23>
前記第1突起部がマイクロニードルである<12>〜<22>の何れか1つに記載の微細突起具。
<24>
前記第1突起部及び前記第2突起部が、それぞれ、前記基材シート上に配置されたマイクロニードルアレイである<23>に記載の微細突起具。

0061

以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。

0062

〔実施製造例1〕
図10に示す製造装置100を用いて微細突起具1を製造した。基材シートとして、厚み0.3mmのポリグリコール酸からなるシートを用いた。微細突起具1の製造に用いた押し込み具110は、基板113の上面に形成された円錐状の第1凸型111及び円錐台状の第2凸型112と、両凸型111,112を超音波振動させる超音波振動装置とを備えたものであった。第1凸型111は、基板113の上面からの突出高さ3mm、先端径0.015mmであり、第2凸型112は、基板113の上面からの突出高さ2.78mm、先端径0.5mmであった。第1凸型による基材シートの押し込み距離は0.85mm〔=0.55mm(第1突起部の高さ)+0.3(基材シートの実質厚み)〕、第2凸型による基材シートの押し込み距離は0.63mm〔=0.33mm(第2突起部の高さ)+0.3mm(基材シートの実質厚み)〕mmであった。そして、第1突起部と第2突起部の高さの差は0.22mmであった。

0063

〔参考製造例1〕
突出高さの異なる2種類の凸型111,112を有する押し込み具110に代えて、1種類の円錐状の凸型のみを有する押し込み具を用いた以外は、実施製造例1と同様にして微細突起具を製造した。参考製造例1で用いた押し込み具は、第1凸型111を備えるが第2凸型112を備えていない点以外は、実施製造例1で用いたものと同じとした。斯かる押し込み具による基材シートの押し込み距離は0.5mm〔=0.2mm(第1突起部の高さ)+0.3(基材シートの実質厚み)〕であった。

実施例

0064

〔評価〕
実施製造例1によって得られた微細突起具1を目視観察したところ、円錐状の第1凸型111による押し込みによって形成された第1突起部3の先端に、開口部31(図11(e)参照)が形成されていることが確認できた。これに対し、参考製造例1は、実施製造例1の(第1凸型の移動量−第2凸型の移動量)と参考製造例1のそれとがほぼ同じであるのにもかかわらず、得られた微細突起具の突起部の先端に開口は形成されていなかった。このことから、突出高さの異なる複数種の凸型を有する押し込み型を用いることによって、皮膚への刺入深さを浅く制御でき、従来困難であった、先端に開口を有する微細なマイクロニードルの形成が容易になることがわかる。即ち、皮膚への刺入深さを浅く制御しながら、所望の形状の突起部を容易に形成することができる。

0065

1,1A,1B,1C,1D微細突起具
2基材シート
2a 基材シートの一面(上面)
2b 基材シートの他面(下面)
3 第1突起部
30 第1突起部の中空部
31 第1突起部の開口部
4 第2突起部
40 第2突起部の中空部
5 特定突起部
50 特定突起部の中空部
51 特定突起部の根元部
52 特定突起部の先端部
53 特定突起部の平坦部
100製造装置
110押し込み具
111 第1凸型
112 第2凸型
113基板
120 突起部形成部
130 冷却部
140リリース部
L薬剤
S 皮膚
S1角質層
S2表皮
S3 真皮

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