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技術 超音波診断装置およびドプラ波形画像生成方法

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 山本勝也
出願日 2015年8月17日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-160356
公開日 2017年2月23日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-038630
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置
主要キーワード Bモード サンプル点数 周波数解析処理 高周波データ 参照周波数 各超音波トランスデューサ 画像取得用 PZT
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

時間分解能を低下することなくドプラ波形画像における黒線の発生を抑制して画質を向上させることができる超音波診断装置を提供する。

解決手段

繰り返し周波数間隔で繰り返し取得される複素データDiqのうち、第1の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S0の複素データを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、それぞれ第1の始点とは異なる第2の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S1〜S4の複素データを用いて周波数解析する第2の周波数解析がそれぞれ行われ、これら第1および第2の周波数解析の結果に基づいて各ピクセルに対応するスペクトル信号が取得され、取得されたスペクトル信号に基づいてドプラ波形画像が生成される。

概要

背景

従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、アレイトランスデューサを内蔵した超音波プローブと、この超音波プローブに接続された装置本体とを有しており、超音波プローブから被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信して、その受信信号を装置本体で電気的に処理することによりB(輝度モード画像が生成される。

さらに、血流情報を取得する目的で、パルスドプラ法等により、ドプラ波形画像を生成してBモード画像と共にディスプレイに表示することが行われている。
このように、Bモード処理とドプラ処理を併せて行う超音波診断装置が、例えば、特許文献1に開示されている。

パルスドプラ法においては、繰り返し周波数PRF:Pulse Repetition Frequency)間隔でアレイトランスデューサを用いた被検体への超音波パルスの送信と被検体からの超音波エコーの受信が繰り返し行われる。超音波送受信毎にアレイトランスデューサから得られる受信信号は、整相加算された後、直交検波によりドプラ成分を含む複素データに変換され、所定の時間幅切り取られたサンプル点における複素データがフーリエ変換されてスペクトル信号が取得される。フーリエ変換は、一定数のサンプル点を空けて連続的に行われ、取得されたスペクトル信号に基づいて、時間軸に対する流速の変化を表すドプラ波形画像が生成される。

概要

時間分解能を低下することなくドプラ波形画像における黒線の発生を抑制して画質を向上させることができる超音波診断装置を提供する。繰り返し周波数間隔で繰り返し取得される複素データDiqのうち、第1の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S0の複素データを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、それぞれ第1の始点とは異なる第2の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S1〜S4の複素データを用いて周波数解析する第2の周波数解析がそれぞれ行われ、これら第1および第2の周波数解析の結果に基づいて各ピクセルに対応するスペクトル信号が取得され、取得されたスペクトル信号に基づいてドプラ波形画像が生成される。

目的

この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、時間分解能を低下することなくドプラ波形画像における黒線の発生を抑制して画質を向上させることができる超音波診断装置およびドプラ波形画像生成方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

アレイトランスデューサと、前記アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームを送信する送信部と、被検体による超音波エコーを受信した前記アレイトランスデューサから出力される受信信号を処理して整相加算された受信高周波データを生成する受信部と、前記受信部で生成された受信高周波データを直交検波して複素データを生成する直交検波部と、第1の始点から予め設定された設定数サンプル点の前記複素データを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、前記第1の始点とは異なる第2の始点から前記設定数のサンプル点の前記複素データを少なくとも1組用いて周波数解析する第2の周波数解析とを行い、前記第1の周波数解析および前記第2の周波数解析の結果を用いてドプラ波形画像の各ピクセルに対応するスペクトル信号を取得する周波数解析部と、前記スペクトル信号を用いて前記ドプラ波形画像を生成するドプラ波形画像生成部とを備える超音波診断装置

請求項2

前記周波数解析部は、前記第1の周波数解析および前記第2の周波数解析の結果を最大値処理することにより前記各ピクセルに対するスペクトル信号を取得する請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項3

前記周波数解析部は、前記第1の周波数解析および前記第2の周波数解析の結果を平均処理することにより前記各ピクセルに対するスペクトル信号を取得する請求項1に記載の超音波診断装置。

請求項4

前記周波数解析部は、前記第2の周波数解析として、前記第1の始点よりも所定数のサンプル点だけ時間的に早い前記第2の始点から前記設定数のサンプル点の前記複素データを少なくとも1組用いた周波数解析と、前記第1の始点よりも所定数のサンプル点だけ時間的に遅い前記第2の始点から前記設定数のサンプル点の前記複素データを少なくとも1組用いた周波数解析を行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項5

前記直交検波部で生成された複素データを保存するデータメモリと、前記設定数および前記第1の始点と前記第2の始点の間のサンプル点数を指定するための操作部をさらに備え、前記周波数解析部は、前記データメモリに保存された複素データに対して前記操作部により指定された前記設定数および前記第1の始点と前記第2の始点の間のサンプル点数に基づいて周波数解析を行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項6

前記受信部は、前記アレイトランスデューサから出力される受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、デジタル信号に変換された受信信号を整相加算するビームフォーマとを含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項7

前記受信部で生成された受信高周波データに基づいてBモード画像を生成するBモード処理部と、前記ドプラ波形画像生成部で生成された前記ドプラ波形画像および前記Bモード処理部で生成された前記Bモード画像を表示する表示部をさらに備えた請求項1〜6のいずれか一項に記載の超音波診断装置。

請求項8

アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームを送信し、被検体による超音波エコーを受信した前記アレイトランスデューサから出力される受信信号を処理して整相加算された受信高周波データを生成し、生成された受信高周波データを直交検波して複素データを生成し、第1の始点から予め設定された設定数のサンプル点の前記複素データを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、前記第1の始点とは異なる第2の始点から前記設定数のサンプル点の前記複素データを少なくとも1組用いて周波数解析する第2の周波数解析とを行い、前記第1の周波数解析および前記第2の周波数解析の結果を用いてドプラ波形画像の各ピクセルに対応するスペクトル信号を取得し、前記スペクトル信号を用いて前記ドプラ波形画像を生成するドプラ波形画像生成方法

技術分野

0001

この発明は、超音波診断装置およびドプラ波形画像生成方法係り、特に、パルスドプラ法または連続波ドプラ法によりドプラ波形画像の生成を行う超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

従来から、医療分野において、超音波画像を利用した超音波診断装置が実用化されている。一般に、この種の超音波診断装置は、アレイトランスデューサを内蔵した超音波プローブと、この超音波プローブに接続された装置本体とを有しており、超音波プローブから被検体内に向けて超音波ビームを送信し、被検体からの超音波エコーを超音波プローブで受信して、その受信信号を装置本体で電気的に処理することによりB(輝度モード画像が生成される。

0003

さらに、血流情報を取得する目的で、パルスドプラ法等により、ドプラ波形画像を生成してBモード画像と共にディスプレイに表示することが行われている。
このように、Bモード処理とドプラ処理を併せて行う超音波診断装置が、例えば、特許文献1に開示されている。

0004

パルスドプラ法においては、繰り返し周波数PRF:Pulse Repetition Frequency)間隔でアレイトランスデューサを用いた被検体への超音波パルスの送信と被検体からの超音波エコーの受信が繰り返し行われる。超音波送受信毎にアレイトランスデューサから得られる受信信号は、整相加算された後、直交検波によりドプラ成分を含む複素データに変換され、所定の時間幅切り取られたサンプル点における複素データがフーリエ変換されてスペクトル信号が取得される。フーリエ変換は、一定数のサンプル点を空けて連続的に行われ、取得されたスペクトル信号に基づいて、時間軸に対する流速の変化を表すドプラ波形画像が生成される。

先行技術

0005

特開2003−79625号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、このようにして生成されたドプラ波形画像においては、超音波の送受信の際に発生するスペックルドプラ信号同士の干渉等に起因して、黒線入り画質の低下を招いていた。
このため、従来は、ドプラ波形画像の画像データに対して時間方向および周波数方向平滑化の処理を施すことで、黒線を目立たなくしている。
しかしながら、平滑化を行うことにより時間方向の分解能劣化してしまい、画質を高めようとすると、時間分解能が低下し、逆に、時間分解能の低下を抑制すると、黒線が目立って画質が低下するという問題があった。

0007

この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、時間分解能を低下することなくドプラ波形画像における黒線の発生を抑制して画質を向上させることができる超音波診断装置およびドプラ波形画像生成方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

この発明に係る超音波診断装置は、アレイトランスデューサと、アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームを送信する送信部と、被検体による超音波エコーを受信したアレイトランスデューサから出力される受信信号を処理して受信高周波データを生成する受信部と、受信部で生成された受信高周波データを直交検波して複素データを生成する直交検波部と、第1の始点から予め設定された設定数のサンプル点の複素データを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、前記第1の始点とは異なる第2の始点から設定数のサンプル点の複素データを少なくとも1組用いて周波数解析する第2の周波数解析とを行い、第1の周波数解析および第2の周波数解析の結果を用いてドプラ波形画像の各ピクセルに対応するスペクトル信号を取得する周波数解析部と、スペクトル信号を用いてドプラ波形画像を生成するドプラ波形画像生成部とを備えるものである。

0009

周波数解析部は、第1の周波数解析および第2の周波数解析の結果を最大値処理することにより各ピクセルに対するスペクトル信号を取得することができる。あるいは、周波数解析部は、第1の周波数解析および第2の周波数解析の結果を平均処理することにより各ピクセルに対するスペクトル信号を取得することができる。
周波数解析部は、第2の周波数解析として、第1の始点よりも所定数のサンプル点だけ時間的に早い第2の始点から設定数のサンプル点の複素データを少なくとも1組用いた周波数解析と、第1の始点よりも所定数のサンプル点だけ時間的に遅い第2の始点から設定数のサンプル点の複素データを少なくとも1組用いた周波数解析を行うことができる。

0010

好ましくは、直交検波部で生成された複素データを保存するデータメモリと、設定数および第1の始点と第2の始点の間のサンプル点数を指定するための操作部をさらに備え、周波数解析部は、データメモリに保存された複素データに対して操作部により指定された設定数および第1の始点と第2の始点の間のサンプル点数に基づいて周波数解析を行う。
受信部は、アレイトランスデューサから出力される受信信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、デジタル信号に変換された受信信号を整相加算するビームフォーマとを含むことが好ましい。
受信部で生成された受信高周波データに基づいてBモード画像を生成するBモード処理部と、ドプラ波形画像生成部で生成されたドプラ波形画像およびBモード処理部で生成されたBモード画像を表示する表示部をさらに備えることができる。

0011

この発明に係るドプラ波形画像生成方法は、アレイトランスデューサから被検体に向けて超音波ビームを送信し、被検体による超音波エコーを受信したアレイトランスデューサから出力される受信信号を処理して受信高周波データを生成し、生成された受信高周波データを直交検波して複素データを生成し、第1の始点から予め設定された設定数のサンプル点の複素データを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、第1の始点とは異なる第2の始点から設定数のサンプル点の複素データを少なくとも1組用いて周波数解析する第2の周波数解析とを行い、第1の周波数解析および第2の周波数解析の結果を用いてドプラ波形画像の各ピクセルに対応するスペクトル信号を取得し、スペクトル信号を用いてドプラ波形画像を生成する方法である。

発明の効果

0012

この発明によれば、第1の始点から予め設定された設定数のサンプル点の複素データを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、第1の始点とは異なる第2の始点から設定数のサンプル点の複素データを少なくとも1組用いて周波数解析する第2の周波数解析とを行い、第1の周波数解析および第2の周波数解析の結果を用いてドプラ波形画像の各ピクセルに対応するスペクトル信号を取得し、スペクトル信号を用いてドプラ波形画像を生成するので、時間分解能を低下することなくドプラ波形画像における黒線の発生を抑制して画質を向上させることが可能となる。

図面の簡単な説明

0013

この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
実施の形態1における受信部の内部構成を示すブロック図である。
実施の形態1におけるBモード処理部の内部構成を示すブロック図である。
実施の形態1におけるドプラ処理部の内部構成を示すブロック図である。
実施の形態1におけるドプラ処理部内のFFTで行われる周波数解析処理を説明するための図である。
パルスドプラモード時における表示画像を示す図である。
(A)は、画像データに対して時間方向の平滑化を行うことで生成された従来のドプラ波形画像を示し、(B)は、実施の形態1で生成されたドプラ波形画像を示す図である。
実施の形態2におけるドプラ処理部内のFFTで行われる周波数解析処理を説明するための図である。

実施例

0014

以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波診断装置は、アレイトランスデューサ1を備え、このアレイトランスデューサ1に送信部2および受信部3が接続されている。受信部3には、Bモード処理部4およびドプラ処理部5が並列に接続され、これらBモード処理部4およびドプラ処理部5に表示制御部6を介して表示部7が接続されている。
また、送信部2および受信部3に送受信制御部8が接続され、Bモード処理部4、ドプラ処理部5、表示制御部6および送受信制御部8に装置制御部9が接続されている。さらに、装置制御部9に、操作部10と格納部11がそれぞれ接続されている。

0015

アレイトランスデューサ1は、1次元又は2次元に配列された複数の超音波トランスデューサを有している。これらの超音波トランスデューサは、それぞれ送信部2から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各超音波トランスデューサは、例えば、PZTチタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミックや、PVDFポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子、PMN−PT(マグネシウムニオブ酸チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成した振動子によって構成される。

0016

そのような振動子の電極に、パルス状又は連続波の電圧印加すると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状又は連続波の超音波が発生して、それらの超音波の合成により超音波ビームが形成される。また、それぞれの振動子は、伝搬する超音波を受信することにより伸縮して電気信号を発生し、それらの電気信号は、超音波の受信信号として出力される。

0017

送信部2は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、送受信制御部8からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、アレイトランスデューサ1の複数の超音波トランスデューサから送信される超音波が超音波ビームを形成するようにそれぞれの駆動信号の遅延量を調節して複数の超音波トランスデューサに供給する。

0018

受信部3は、図2に示されるように、増幅部12とA/D変換部13とビームフォーマ14が順次直列に接続された構成を有している。受信部3は、アレイトランスデューサ1の各超音波トランスデューサから送信される受信信号を増幅部12で増幅し、A/D変換部13でA/D変換した後、送受信制御部8からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づいて設定される音速または音速の分布に従い、ビームフォーマ14で各受信信号にそれぞれの遅延を与えて加算することにより、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、整相加算され超音波エコーの焦点絞り込まれた受信高周波データが生成される。

0019

Bモード処理部4は、図3に示されるように、信号処理部15とDSC(Digital Scan Converter)16と画像処理部17が順次直列に接続された構成を有している。
信号処理部15は、受信部3で生成された受信高周波データに対し、超音波の反射位置深度に応じて距離による減衰補正を施した後、包絡線検波処理を施すことにより、被検体内の組織に関する断層画像情報であるBモード画像信号を生成する。
DSC16は、信号処理部15で生成されたBモード画像信号を通常のテレビジョン信号走査方式に従う画像信号に変換(ラスター変換)する。
画像処理部17は、DSC16から入力されるBモード画像信号に階調処理等の各種の必要な画像処理を施した後、Bモード画像信号を表示制御部6に出力する。

0020

ドプラ処理部5は、いわゆるパルスドプラ法によりドプラ波形画像を生成するもので、図4に示されるように、直交検波部18とハイパスフィルタ19とFFT(Fast Fourier Transformer)20とドプラ波形画像生成部21が順次直列に接続されると共に直交検波部18の出力端にデータメモリ22が接続された構成を有している。
直交検波部18は、受信部3で生成された受信高周波データに参照周波数キャリア信号を混合することで、受信高周波データを直交検波して複素データに変換する。
ハイパスフィルタ19は、いわゆるウォールフィルタ(Wall Filter)として機能するもので、直交検波部18で生成された複素データから被検体の体内組織運動由来する周波数成分を除去する。

0021

FFT20は、複数のサンプル点の複素データをフーリエ変換することにより周波数解析してスペクトル信号を生成する。
ドプラ波形画像生成部21は、FFT20で生成されたスペクトル信号を時間軸上に揃えつつ各周波数成分の大きさを輝度で表すことによりドプラ波形画像信号を生成する。ドプラ波形画像は、横軸に時間軸を示し、縦軸ドプラシフト周波数すなわち流速を示し、波形の輝度が各周波数成分におけるパワーを表すものである。
また、データメモリ22は、直交検波部18で受信高周波データから変換された複素データを保存する。

0022

表示制御部6は、Bモード処理部4により生成されたBモード画像信号に基づいて、表示部7にBモード画像を表示させると共に、パルスドプラモード時にドプラ処理部5により生成されたドプラ波形画像信号に基づいて、表示部7にドプラ波形画像を表示させる。
表示部7は、例えば、LCD等のディスプレイ装置を含んでおり、表示制御部6の制御の下で、Bモード画像およびドプラ波形画像を表示する。

0023

送受信制御部8は、装置制御部9から伝送される各種の制御信号に基づき、繰り返し周波数(PRF)間隔で被検体への超音波パルスの送信と被検体からの超音波エコーの受信が繰り返し行われるように、送信部2および受信部3を制御する。
装置制御部9は、操作者により操作部10から入力された指令に基づいて、Bモード処理部4、ドプラ処理部5、表示制御部6および送受信制御部8の制御を行う。ドプラ処理部5のFFT20と装置制御部9により、周波数解析部が構成されている。
操作部10は、操作者が入力操作を行うためのもので、キーボードマウストラックボールタッチパネル等から形成することができる。
格納部11は、動作プログラム等を格納するもので、ハードディスクフレキシブルディスク、MO、MT、RAM、CD−ROM、DVD−ROM、SDカードCFカードUSBメモリ等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。

0024

ここで、ドプラ処理部5のFFT20の動作について図5を参照して説明する。
FFT20は、装置制御部9による制御の下で、繰り返し周波数(PRF)間隔で繰り返し取得される複素データDiqのうち、第1の始点から複数のサンプル点で構成されるサンプル点群S0の複素データDiqをフーリエ変換して周波数解析を行うが、サンプル点群S0だけでなく、それぞれ第1の始点とは異なる第2の始点から複数のサンプル点で構成されるサンプル点群S1〜S4の複素データDiqに対しても、それぞれフーリエ変換して周波数解析を行う。

0025

それぞれのサンプル点群S0〜S4は、予め設定された設定数Nfのサンプル点を含んでいる。サンプル点群S1は、サンプル点群S0よりも個数Nbのサンプル点だけ時間的に早く取得されたもので、サンプル点群S2は、サンプル点群S1よりもさらに個数Nbのサンプル点だけ時間的に早く取得されたものである。また、サンプル点群S3は、サンプル点群S0よりも個数Nbのサンプル点だけ時間的に遅く取得されたもので、サンプル点群S4は、サンプル点群S3よりもさらに個数Nbのサンプル点だけ時間的に遅く取得されたものである。

0026

そして、FFT20は、サンプル点群S0に対する第1の周波数解析とサンプル点群S1〜S4に対する第2の周波数解析の結果に基づいて、ピクセルPXに対応する1つのスペクトル信号を取得する。このとき、FFT20は、サンプル点群S0に対する第1の周波数解析およびサンプル点群S1〜S4に対する第2の周波数解析の結果を最大値処理することにより、すなわち、それぞれの解析結果における各周波数成分のパワーの最大値を抽出することでピクセルPXに対するスペクトル信号を取得することができる。
あるいは、FFT20は、サンプル点群S0に対する第1の周波数解析およびサンプル点群S1〜S4に対する第2の周波数解析の結果を平均処理することにより、ピクセルPXに対するスペクトル信号を取得してもよい。

0027

ピクセルPXに対するスペクトル信号を取得した後、FFT20は、同様にして、ピクセルPXに隣接するピクセルPX+1に対応するスペクトル信号を取得する。すなわち、FFT20は、ピクセルPX+1に対して第1の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S0の複素データDiqに対する第1の周波数解析だけでなく、それぞれ第1の始点とは異なる第2の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S1〜S4の複素データDiqに対して第2の周波数解析を行い、これら第1の周波数解析および第2の周波数解析の結果に基づいて、ピクセルPX+1に対応する1つのスペクトル信号を取得する。
なお、ピクセルPXに対する第1の始点とピクセルPX+1に対する第1の始点は、互いに隣接するピクセルの間隔に対応するサンプル点数Npだけ離れている。
このようにして、ドプラ波形画像の各ピクセルに対応するそれぞれのスペクトル信号が取得される。図5には、5つのピクセルPX−2〜PX+2に対応するそれぞれのスペクトル信号が例示されている。

0028

例えば、繰り返し周波数PRFを5000Hz、表示部7に表示されるドプラ波形画像のスイープ時間Tsを4秒、ドプラ波形画像の時間軸に沿ったピクセル数PNを640、周波数解析を行うサンプル点の設定数Nfを128としたとき、互いに隣接するピクセルの間隔に対応するサンプル点数Npは、
Np=5000×4/640=31
となる。
また、互いに隣接するサンプル点群S0〜S4の間のサンプル点数Nbは、最小値NbMIN=1から最大値NbMAXまでの任意の値とすることができる。最大値NbMAXは、次式により表される。
NbMAX=NpMAX/2<(PRFMAX×TsMAX/PN)/2
ここで、NpMAXはサンプル点数Npの最大値、PRFMAXは繰り返し周波数PRFの最大値、TsMAXはドプラ波形画像のスイープ時間Tsの最大値、PNはドプラ波形画像の時間軸に沿ったピクセル数である。
例えば、スイープ時間Tsの最大値TsMAX=10秒、繰り返し周波数PRFの最大値PRFMAX=15.6kHzとして、サンプル点数Npの最大値NpMAX=244の場合には、サンプル点数Nbの最大値NbMAX=NpMAX/2=122となる。
ただし、周辺のサンプル点群S1〜S4のうち、サンプル点群S0から最も離れたサンプル点群S2またはS4との間隔2×Nbの値が、互いに隣接するピクセルの間隔に対応するサンプル点数Npの1/2より小さく設定されることが好ましい。

0029

図5では、第2の周波数解析を行うサンプル点群として、サンプル点群S0よりも時間的に早く取得された2つのサンプル点群S1およびS2と、サンプル点群S0よりも時間的に遅く取得された2つのサンプル点群S3およびS4を用いたが、第2の周波数解析を行うサンプル点群の数Ngは、適宜選択することができる。また、サンプル点群S0よりも時間的に早く取得されたサンプル点群の数と、サンプル点群S0よりも時間的に遅く取得されたサンプル点群の数は、同一である必要はなく、互いに異なる数でもよい。
なお、繰り返し周波数PRF、ドプラ波形画像のスイープ時間、周波数解析を行うサンプル点の設定数Nf、互いに隣接するサンプル点群の間のサンプル点数Nb、周波数解析を行う周辺のサンプル点群の数Ng、並びに、第1および第2の周波数解析の結果に基づく各ピクセルに対する1つのスペクトル信号の取得方法(最大値処理または平均処理)は、操作部10を介して装置制御部9に入力することができるものとする。

0030

次に、この実施の形態1に係る超音波診断装置の動作を説明する。
まず、送信部2からの駆動信号に従ってアレイトランスデューサ1の複数の超音波トランスデューサから超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを受信した各超音波トランスデューサから受信信号が受信部3に出力され、増幅部12で増幅され、A/D変換部13でA/D変換された後、ビームフォーマ14で整相加算されて、受信高周波データが生成される。この受信高周波データは、Bモード処理部4において、信号処理部15で包絡線検波処理が施されることでBモード画像信号となり、DSC16および画像処理部17を経て表示制御部6に出力され、表示制御部6によりBモード画像が表示部7に表示される。

0031

ここで、操作者が操作部10を操作することにより、パルスドプラモードを選択すると、図6に示されるように、表示部7の画面31が、Bモード画像32とドプラ波形画像33の領域に二分され、Bモード画像32上にゲート34が重畳表示される。ゲート34は、操作部10の操作により、Bモード画像32上を自由に移動させることができ、例えば、Bモード画像32に表示されている頸動脈の血管35内における血液の流速を計測するために、ゲート34が血管35の上に位置するように操作される。
なお、繰り返し周波数PRF、ドプラ波形画像のスイープ時間、サンプル点の設定数Nf、互いに隣接するサンプル点群の間のサンプル点数Nb、第2の周波数解析を行うサンプル点群の数Ng、並びに、第1および第2の周波数解析の結果に基づく各ピクセルに対応する1つのスペクトル信号の取得方法(最大値処理または平均処理)は、操作部10を介して予め装置制御部9に設定されているものとする。

0032

ゲート34の位置は、装置制御部9から送受信制御部8に伝送され、送受信制御部8により送信部2および受信部3が制御されて、ゲート34を通る特定の方位に向けた超音波パルスの送信と超音波エコーの受信が繰り返し周波数(PRF)間隔で繰り返し行われる。
受信部3で生成された受信高周波データは、ドプラ処理部5の直交検波部18で複素データに変換され、データメモリ22に保存されると共に、ハイパスフィルタ19で被検体の体内組織の運動に由来する周波数成分が除去された後、FFT20に出力される。

0033

FFT20においては、予め設定されているサンプル点の設定数Nf、互いに隣接するサンプル点群の間のサンプル点数Nb、第2の周波数解析を行うサンプル点群の数Ng、並びに、スペクトル信号の取得方法に基づいて、第1の始点から設定数Nfのサンプル点を有する1個のサンプル点群における複素データDiqを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、それぞれ第2の始点から設定数Nfのサンプル点を有するNg個のサンプル点群における複素データDiqを用いて周波数解析する第2の周波数解析とを行い、これら第1および第2の周波数解析の結果に基づいて各ピクセルに対応するスペクトル信号を取得する。

0034

そして、FFT20で取得されたスペクトル信号に基づきドプラ波形画像生成部21でドプラ波形画像信号が生成され、図6に示されるように、表示制御部6により表示部7の画面31にドプラ波形画像33が表示される。ドプラ波形画像33の横軸に時間軸が示され、縦軸に血管35内の血液の流速が示される。このとき、各ピクセルに対するスペクトル信号から生成されたドプラ波形画像信号は、時間方向にも周波数方向にも平滑化されることなく、ドプラ波形画像生成部21で生成されたドプラ波形画像信号に基づいてドプラ波形画像33の表示が行われる。
なお、Bモード画像取得用の超音波ビームの送受信とドプラ波形画像取得用の超音波ビームの送受信を時分割で行うことにより、表示部7の画面31にBモード画像32とドプラ波形画像33を同時に表示することができる。

0035

上述したように、装置制御部9に制御されたFFT20が、各ピクセルに対して、第1の始点から設定数Nfのサンプル点を有する1個のサンプル点群における複素データDiqを周波数解析する第1の周波数解析だけでなく、それぞれ第1の始点とは異なる第2の始点から設定数Nfのサンプル点を有するNg個のサンプル点群における複素データDiqを周波数解析する第2の周波数解析を行い、これら第1および第2の周波数解析の結果に基づいて各ピクセルに対応するスペクトル信号を取得するので、従来のように、ドプラ波形画像の画像データに対して平滑化処理を施す必要がなく、このため、時間分解能を低下させずにドプラ波形画像における黒線の発生を抑制することができる。

0036

具体的に、従来の方法、すなわち、第1の始点から設定数Nfのサンプル点の複素データDiqを周波数解析するだけで、第1の始点とは異なる第2の始点から設定数Nfのサンプル点については周波数解析を行わない方法で生成したドプラ波形画像を図7(A)に示す。ここで、繰り返し周波数PRFを5000Hz、ドプラ波形画像のスイープ時間を4秒、ドプラ波形画像の時間軸に沿ったピクセル数を640、周波数解析に用いたサンプル点の設定数Nfを128とした。
ドプラ波形画像に、黒線BLが明確に現れていることがわかる。

0037

これに対して、繰り返し周波数PRF、ドプラ波形画像のスイープ時間、ドプラ波形画像の時間軸に沿ったピクセル数、周波数解析に用いたサンプル点の設定数Nfを図7(A)の場合と同一にしたまま、実施の形態1の方法で、第1の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S0における複素データDiqを用いて周波数解析する第1の周波数解析と、それぞれ第1の始点とは異なる第2の始点から設定数Nfのサンプル点を有するサンプル点群S1〜S4における複素データDiqを用いて周波数解析する第2の周波数解析を行って生成したドプラ波形画像を図7(B)に示す。
図7(A)の画像に現れていた黒線BLが目立たなくなっていることがわかる。
このように、この発明によれば、時間分解能を低下することなく黒線の発生を抑制して画質を向上させることが可能となる。

0038

なお、ドプラ処理部5の直交検波部18で変換された複素データがデータメモリ22に保存されているので、周波数解析に用いるサンプル点の設定数Nf、互いに隣接するサンプル点群の間のサンプル点数Nb、および、第2の周波数解析を行うサンプル点群の数Ngのうちの少なくとも1つを変更して操作部10から入力することにより、変更した条件で新たにドプラ波形画像を生成し直すこともできる。

0039

実施の形態2
上記の実施の形態1では、第2の周波数解析を行うサンプル点群として、第1の周波数解析を行うサンプル点群S0よりも時間的に早く取得された2つのサンプル点群S1およびS2と、サンプル点群S0よりも時間的に遅く取得された2つのサンプル点群S3およびS4を用いたが、図8に示されるように、サンプル点群S0よりも時間的に早く取得された2つのサンプル点群S1およびS2のみを用いて第2の周波数解析を行い、第1の周波数解析と第2の周波数解析の結果に基づいて各ピクセルに対応する1つのスペクトル信号を取得してもよい。このようにしても、時間分解能を低下することなく黒線の発生を抑制して画質を向上させることができる。

0040

また、第1の周波数解析を行うサンプル点群S0よりも時間的に早く取得された1つ、あるいは、3つ以上のサンプル点群を第2の周波数解析を行うサンプル点群として使用することもできる。
同様に、第1の周波数解析を行うサンプル点群S0よりも時間的に遅く取得された1つ以上のサンプル点群を第2の周波数解析を行うサンプル点群として使用してもよい。

0041

1アレイトランスデューサ、2 送信部、3 受信部、4Bモード処理部、5ドプラ処理部、6表示制御部、7 表示部、8送受信制御部、9装置制御部、10 操作部、11 格納部、12増幅部、13 A/D変換部、14ビームフォーマ、15信号処理部、16DSC、17画像処理部、18直交検波部、19ハイパスフィルタ、20FFT、21ドプラ波形画像生成部、22データメモリ、31画面、32 Bモード画像、33 ドプラ波形画像、34ゲート、35 血管、PRF繰り返し周波数、Diq複素データ、S0〜S4サンプル点群、Ng サンプル点群の数、PX−2〜PX+2ピクセル、Nf 各ピクセルに対応するサンプル点の設定数、Nb 互いに隣接するサンプル点群の間のサンプル点数、Np 互いに隣接するピクセルの間隔に対応するサンプル点数。

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