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技術 プロアントシアニジン高含有植物抽出物

出願人 サントリーホールディングス株式会社
発明者 米澤太作吉田直史
出願日 2016年9月29日 (4年2ヶ月経過) 出願番号 2016-191032
公開日 2017年2月23日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2017-038605
状態 特許登録済
技術分野 酒類 非アルコール性飲料 発酵液の蒸留、酒類の加工、食酢及びビール
主要キーワード ひろがり 収穫後乾燥 官能試験結果 添加サンプル 高温保管 重合ポリフェノール 発泡性アルコール飲料 官能評価結果
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月23日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

渋味エグ味を増強させることなく、苦味や香だけでなく、優れたコクや飲みごたえを有する飲料の提供。

解決手段

三量体プロアントシアニジンの含量が単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/5以上であり、かつ三量体プロアントシアニジンの含量が0.2〜7.4mg/Lであり、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和が1.0〜11.0mg/Lである、飲料であり、飲料がビールテイスト飲料炭酸飲料果汁飲料スポーツ飲料、または栄養飲料である飲料。

概要

背景

近年、ビールや、発泡酒ノンアルコールビールテイスト飲料などのビールテイスト飲料の分野において、消費者多様化した嗜好に応じて、香味を向上させる方法が求められている。

ビールやビールテイスト飲料の製造に用いられるホップには苦味フレーバーを与える物質などが含まれていることから、ホップを加工、熟成することで、苦味やフレーバーの質を向上させる加工方法や、フレーバーを豊富にする方法が開示されている。

具体的には、苦味の質を向上させる加工方法として、水溶性渋味成分低分子苦味成分をホップ中から抽出除去することにより、上品なキレのある苦味を有し、渋味が少なく飲み易い発泡性アルコール飲料を製造する方法(特許文献1)や、高温保管したホップを用いることにより、マイルドな苦味が持続する発泡性アルコール飲料を製造する方法(特許文献2)が開示されている。

フレーバーを向上させる方法として、ホップ香気成分を豊富化する後熟ホップの製造方法(特許文献3)や、新鮮なホップフレーバーを付与するために収穫後乾燥することなく凍結した生ホップを用いる方法(特許文献4)が開示されている。

また、低アルコール飲料リンゴワイン及びホップポリフェノール又はリンゴポリフェノールを添加することによる、新しいタイプのアルコール飲料の製造方法(特許文献5)や、6条大麦麦芽原料として用いることにより、ポリフェノールを増強したビールの製造方法(特許文献6)が開示されている。

概要

渋味やエグ味を増強させることなく、苦味や香だけでなく、優れたコクや飲みごたえを有する飲料の提供。三量体プロアントシアニジンの含量が単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/5以上であり、かつ三量体プロアントシアニジンの含量が0.2〜7.4mg/Lであり、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和が1.0〜11.0mg/Lである、飲料であり、飲料がビールテイスト飲料、炭酸飲料果汁飲料スポーツ飲料、または栄養飲料である飲料。なし

目的

本発明の目的は、フレーバーや苦味を付与すると共に、収斂味やキレの悪さを増強させることなく、コクや飲みごたえといった味を付与することのできる抽出物等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

三量体プロアントシアニジンの含量が単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/5以上であり、かつ三量体プロアントシアニジンの含量が0.2〜7.4mg/Lであり、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和が1.0〜11.0mg/Lである、飲料。

請求項2

三量体プロアントシアニジンの含量が単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/4以上である、請求項1記載の飲料。

請求項3

三量体プロアントシアニジンの含量が単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/3以上である、請求項1記載の飲料。

請求項4

三量体プロアントシアニジンの含量が1.0〜6.4mg/Lであり、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和が5.0〜8.0mg/Lである、請求項1〜3のいずれか一項記載の飲料。

請求項5

三量体プロアントシアニジンの含量が4.0〜4.7mg/Lであり、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和が6.0〜6.8mg/Lである、請求項1〜3のいずれか一項記載の飲料。

請求項6

飲料がビールテイスト飲料である、請求項1〜5のいずれか一項記載の飲料。

請求項7

飲料が炭酸飲料果汁飲料スポーツ飲料、または栄養飲料である、請求項1〜5のいずれか一項記載の飲料。

技術分野

0001

本発明は、プロアントシアニジン高含有植物抽出物呈味剤および飲料に関する。詳しくは、三量体プロアントシアニジン高含有植物抽出物、三量体プロアントシアニジンを豊富に含むことによりコクや飲みごたえを付与することのできる呈味剤、およびコクや飲みごたえを有する飲料に関する。

背景技術

0002

近年、ビールや、発泡酒ノンアルコールビールテイスト飲料などのビールテイスト飲料の分野において、消費者多様化した嗜好に応じて、香味を向上させる方法が求められている。

0003

ビールやビールテイスト飲料の製造に用いられるホップには苦味フレーバーを与える物質などが含まれていることから、ホップを加工、熟成することで、苦味やフレーバーの質を向上させる加工方法や、フレーバーを豊富にする方法が開示されている。

0004

具体的には、苦味の質を向上させる加工方法として、水溶性渋味成分低分子苦味成分をホップ中から抽出除去することにより、上品なキレのある苦味を有し、渋味が少なく飲み易い発泡性アルコール飲料を製造する方法(特許文献1)や、高温保管したホップを用いることにより、マイルドな苦味が持続する発泡性アルコール飲料を製造する方法(特許文献2)が開示されている。

0005

フレーバーを向上させる方法として、ホップ香気成分を豊富化する後熟ホップの製造方法(特許文献3)や、新鮮なホップフレーバーを付与するために収穫後乾燥することなく凍結した生ホップを用いる方法(特許文献4)が開示されている。

0006

また、低アルコール飲料リンゴワイン及びホップポリフェノール又はリンゴポリフェノールを添加することによる、新しいタイプのアルコール飲料の製造方法(特許文献5)や、6条大麦麦芽原料として用いることにより、ポリフェノールを増強したビールの製造方法(特許文献6)が開示されている。

先行技術

0007

特開2009-77671
特開2008-212041
特開2007-89439
特開2004-81113
特開2005-204585
特開2003-245064

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、フレーバーや苦味を付与すると共に、収斂味やキレの悪さを増強させることなく、コクや飲みごたえといった味を付与することのできる抽出物等を提供すること、および優れたコクや飲みごたえを有する飲料を提供することである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ホップ由来のポリフェノールが、飲料のコクや飲みごたえを増加させることを見出した。さらに本発明者らは、ホップ由来のポリフェノールの中でも、重合ポリフェノール、特に三量体プロアントシアニジンを用いることによって、収斂味やキレの悪さを増強させることなく、飲料にコクや飲みごたえを与えることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0010

すなわち、本発明は、以下に限定されるものではないが、次の発明を包含する。
(1)三量体プロアントシアニジンが、二量体および四量体プロアントシアニジンの重量の和の1.2倍以上の重量比で含まれる、植物抽出物。
(2)植物がホップである、(1)記載の植物抽出物。
(3)三量体プロアントシアニジンを20重量%以上含む、(1)または(2)に記載の植物抽出物。
(4)三量体プロアントシアニジンを含有する、呈味剤。
(5)三量体プロアントシアニジンが、二量体および四量体プロアントシアニジンの重量の和の1.2倍以上の重量比で含まれる、(4)記載の呈味剤。
(6)三量体プロアントシアニジンを20重量%以上含む、(4)または(5)記載の呈味剤。
(7)三量体プロアントシアニジンがホップ由来である、(4)〜(6)のいずれかに記載の呈味剤。
(8)三量体プロアントシアニジンの含量が0.2〜7.4mg/Lであり、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和が1.0〜11.0mg/Lである飲料。
(9)三量体プロアントシアニジンの含量が、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/5以上である飲料。
(10)飲料がビールテイスト飲料である、(8)または(9)記載の飲料。
(11)三量体プロアントシアニジンを含む植物抽出物の製造方法であって:
(i)水を用いて植物からポリフェノールを抽出する工程;
(ii)得られた抽出液ゲル濾過カラム通液する工程;
(iii)0%〜100%の間で濃度を順次上昇させながらアルコール水溶液を前記カラムに通液して、カラムから三量体プロアントシアニジンを溶出させる工程;および
(iv)溶出させた三量体プロアントシアニジン画分回収する工程、
を含む方法。
(12)植物がホップである、(11)記載の方法。
(13)アルコールエタノールである、(11)または(12)記載の方法。

発明の効果

0011

本発明の三量体プロアントシアニジン高含有植物抽出物または呈味剤を用いることにより、一般にビールに比べコクや飲みごたえが弱いとされる発泡酒、リキュール類分類されるビールテイスト飲料、さらには低アルコールまたはアルコールを全く含まない飲料に、収斂味やキレの悪さを増強させることなくコクや飲みごたえを付与することができる。さらに、三量体プロアントシアニジンを豊富に含むことによりコクや飲みごたえを有する飲料を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1は、ゲル濾過クロマトグラフィーによって、ホップ抽出物由来総ポリフェノール分画し、目的とする画分をHPLCにより分析した結果を示す図である。
図2は、添加した三量体画分の分析結果を示す。

0013

本発明は、三量体プロアントシアニジン高含有植物抽出物、三量体プロアントシアニジンを豊富に含むことによりコクや飲みごたえを付与することのできる呈味剤、および三量体プロアントシアニジンを豊富に含むことによりコクや飲みごたえを有する飲料を提供するものである。
<三量体プロアントシアニジンを豊富に含む植物抽出物、およびその製造方法>
本発明の植物抽出物は、三量体プロアントシアニジンを、二量体および四量体プロアントシアニジンの重量の和の1.2倍以上の重量比で含む。好ましくは1.5倍以上、さらに好ましくは1.8倍以上の重量比で含む。

0014

また、本発明の植物抽出物は、三量体プロアントシアニジンを20%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは60重量%以上含む。

0015

本発明の三量体プロアントシアニジン高含有植物抽出物は、コクや飲みごたえを付与する添加剤として使用することができる。

0016

ここで、本明細書において、「コク」とは味のひろがり(厚み)及び味の経時変化余韻)が合わさったものであり、「飲みごたえ」とは味の強さである。

0017

プロアントシアニジンは、フラバノール縮合または重合したポリフェノール化合物であり、三量体プロアントシアニジンは、以下の一般式で表される構造を有する。

0018

本発明の植物抽出物は、三量体プロアントシアニジンとして、少なくともプロシアニジンC1を含有する。また、植物抽出物には、二量体、三量体および四量体の他に、単量体や五量体以上のものを含んでいてもよい。

0019

本発明の三量体プロアントシアニジン高含有植物抽出物は、例えばホップからポリフェノールを抽出しゲル濾過クロマトグラフィーによって分画することによって、三量体プロアントシアニジンを豊富に含む画分を回収することによって得ることができる。

0020

用いるホップは、その品種に制限はなく、例えばザーツ、トラディションペルレ、カスケードナゲットなどが挙げられる。また、複数の品種を混合して用いてもよい。

0021

用いるホップの部位は、プロアントシアニジン三量体が含まれる部位であればいずれを用いてもよい。また、本発明で用いるホップの形態としては、新鮮なもの、凍結したもの、乾燥したものなど、いずれを用いてもよく、たとえばホップを圧縮したホップペレットベールホップ、超臨界CO2等によりホップから苦味成分を抽出したホップエキスを製造する際に出る残渣、およびこれらを粉末状にしたものなどを用いることができる。

0022

ホップからのポリフェノール抽出には、公知の方法を適宜用いることができるが、ホップを水性溶媒と混合し、ろ過し、ろ液を回収することによってポリフェノールを抽出することができる。ポリフェノール抽出に用いる水性溶媒としては、たとえば水、エタノール等のアルコール、またはこれらの混合物が挙げられる。抽出条件は適宜調整すればよいが、たとえば95℃以上の温水とホップペレットを混合して、10〜30分間程度攪拌することによって抽出することができる。

0023

得られた抽出液は、そのまま分画に供してもよいし、濃縮したものや、凍結乾燥した粉末をエタノール水溶液等の溶媒に溶解したものを分画に用いることもできる。

0024

三量体プロアントシアニジン高含有抽出物を得るための分画には、公知のクロマト手法などを用いることができる。たとえば実施例2に示したゲルろ過クロマトグラフィーを用いることができる。具体的には、以下のような方法で三量体プロアントシアニジン高含有抽出物を得ることができる。まず、ホップから得られた抽出液の凍結乾燥粉末を10%エタノールに溶解し、ゲルろ過クロマトグラフィー用担体(たとえば、Sephadex(商標LH-20(GEヘルスケアバイオサイエンス社)に負荷する。次いで、充填した担体容量の2〜5倍程度の水で担体を洗浄する。さらに、0%〜100%の間で濃度を順次上昇させながらエタノール水溶液をカラムに通液し、もっとも三量体プロアントシアニジン含有量の多い画分を回収する。溶出に用いるエタノール水溶液の濃度は、適宜調整すればよいが、たとえば、水、35%エタノール水溶液、70%エタノール水溶液、100%エタノール水溶液を順にカラムに通液することで、プロアントシアニジンを重合度ごとに分離することができる。溶出された画分中の三量体プロアントシアニジン含有量は、例えば順相系の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定することができる(特開2006−38763参照)。三量体プロアントシアニジンの含量は、20%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは60重量%以上である。そして、得られた成分が目的の三量体であることは、LS/MSにより分子量測定を行うことで確認することができる。

0025

回収した画分は、そのまま本発明の三量体プロアントシアニジン高含有植物抽出物として用いてもよいし、濃縮、凍結乾燥、または噴霧乾燥等の処理を施して用いることもできる。
<呈味剤>
本発明の三量体プロアントシアニジン高含有植物抽出物は、飲料にコクや飲みごたえを付与するための呈味剤として用いることができる。

0026

本発明の呈味剤における三量体プロアントシアニジンの重量は、プロアントシアニジン二量体およびプロアントシアニジン四量体の重量の和の1.2倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.8倍以上である。

0027

本発明の呈味剤は、三量体プロアントシアニジンを20%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは60重量%以上含む。

0028

本発明の呈味剤は、三量体プロアントシアニジンを高含量にて含むことにより、飲料に配合した際、渋味やエグ味を増強させることなく、コクや飲みごたえを付与することができる。これは、呈味に最も影響する三量体プロアントシアニジンの濃度をプロアントシアニジン二量体およびプロアントシアニジン四量体に比べて相対的に高めることが可能となり、収斂味やキレの悪さを付与することなく、コクや飲みごたえを付与することができることによる。

0029

本発明の呈味剤を配合する飲料は、特に限定されないが、発泡酒、ビールテイスト飲料(低アルコールおよびアルコールを含まないビールテイスト飲料を含む)の他、アルコールを含まない飲料である炭酸飲料果汁飲料スポーツ飲料、栄養飲料などが挙げられる。

0030

本発明の呈味剤の配合量は、飲料に対して3.6×10-4重量%〜10.5×10-4重量%となるように配合し、5.2×10-4重量%〜8.9×10-4重量%となるように配合するのが好ましく、6.8×10-4重量%〜7.4×10-4重量%となるように配合するのがより好ましい。

0031

ビールや発泡酒などの発酵飲料へ配合するときは、後発酵工程の前であれば、どの段階で添加してもよい。但し、後発酵工程の直前に添加するのが好ましい。

0032

本発明の呈味剤は、その効果を損なわない限り、乳化剤緊張化剤、緩衝剤溶解補助剤防腐剤安定化剤抗酸化剤等の任意の添加剤を含んでいてもよい。

0033

本発明の呈味剤は、使用の目的に応じて、液状、粉末状、顆粒状、タブレット状等の任意の剤形とすることができる。その際には、賦形剤崩壊剤滑沢剤結合剤酸化防止剤凝集防止剤吸収促進剤、溶解補助剤、安定化剤、可溶化剤矯味剤香料着色剤等の任意の製剤素材を添加してもよい。
<飲料>
本発明の飲料は、優れたコクや飲みごたえを有する。

0034

そして、本発明の飲料は、三量体プロアントシアニジンの含量が0.2〜7.4mg/Lであり、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和が1.0〜11.0mg/Lである。

0035

三量体プロアントシアニジンの含量は、上記の通り0.2〜7.4mg/Lであるが、好ましくは1.0〜6.4mg/L、更に好ましくは4.0〜4.7mg/Lである。なお、本発明の飲料がアルコールを含まないビールテイスト飲料の場合は、三量体プロアントシアニジンの含量は上記の通り0.2〜7.4mg/Lであるが、好ましくは1.0〜6.0mg/L、更に好ましくは2.7〜5.0mg/Lである。

0036

単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和は、上記の通り1.0〜11.0mg/Lであるが、好ましくは5.0〜8.0mg/L、さらに好ましくは6.0〜6.8mg/Lである。

0037

また、本発明の飲料は、三量体プロアントシアニジンの含量が、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/5以上の飲料である。そして、好ましくは1/4以上、更に好ましくは1/3以上である。本発明の飲料がアルコールを含まないビールテイスト飲料の場合は、三量体プロアントシアニジンの含量が、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量の和の1/5以上、好ましくは1/4以上、更に好ましくは1/3以上、特に好ましくは1/2以上である。このように、製品中の三量体プロアントシアニジンの含量の相対比が高まることにより、優れたコクや飲みごたえを有する飲料となる。

0038

本発明の飲料としては、限定的でない例としては、発泡酒、ビールテイスト飲料(低アルコールおよびアルコールを含まないビールテイスト飲料を含む)の他、アルコールを含まない飲料である炭酸飲料、果汁飲料、スポーツ飲料、栄養飲料などが挙げられる。

0039

以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの例示に限定されるものではない。

0040

実施例1(ホップからのポリフェノール抽出)
ホップペレット20gを2Lの水で攪拌下、97℃、20分間抽出した。ろ過後、放冷し、抽出液を30℃、減圧下100mlまで濃縮し、凍結乾燥し、粉末を得た。ホップからの収率は28%であった。
実施例2(ポリフェノールの分画)
450ml(50%エタノールで膨潤時のもの)のLH20を充填したカラム(直径5cm)に上記ホップ抽出物1.25gを10%エタノール10mlに溶解した溶液を通液したのち、水500ml、35%エタノール500ml、70%エタノール1,000ml、100%エタノール1,500mlと順に通液することで、ポリフェノールを重合度ごとに順次溶出させる。70%エタノールの最終250mlの溶出液を30℃減圧下約25mlに濃縮し、凍結乾燥後HPLCにより分析し、呈味剤0.022gの粉末として得た。ホップ抽出物からの収率は1.8%であった。この粉末をHPLCにより分析すると、図1のようなクロマトグラムを得ることができ、溶出時間が3.9分のピークが三量体重合ポリフェノールを示している。なお、三量体重合ポリフェノールは面積比で51.4%であった。また同様に、70%エタノールの250〜500mlの溶出画分、500〜750mlの溶出画分、100%エタノールの0〜1500mlの画分を同様の操作を行ったものをそれぞれ、単量体、二量体、四量体以上のポリフェノール画分とした。
HPLC条件)装置:HEWLETT PACKARD SERIES 1100、カラム:Inert Sil(GL Sciences Inc. SIL100A 3μm 4.6×150mm)、流速:1.0ml/min、移動相ヘキサンメタノールテトラヒドロフラン蟻酸=45:40:14:1の溶液を用いてアイクラティック溶出、サンプル注入量:10μl、検出:200〜300nmでの多波長検出
実施例3(官能評価
上記製造方法で得られた単量体画分二量体画分、三量体画分及び四量体以上の画分をそれぞれ、ビールテイスト飲料に0.01g/100mlになるように添加し、官能評価を行った。添加した三量体画分の分析結果を図2に示す。

0041

官能評価結果を表1に示す。評価はパネル4名にて行い、評価項目に対して、0点を感じない、3点を強く感じるとし、0.5点刻みで評価を行った(表の標記点数は4人の平均の点数である)。評価項目はポジティブ要因としてコク(厚み)、飲み応え、また、ネガティブな要因として、キレの悪さ、収斂味とした。

0042

その結果、単量体画分や二量体画分を添加したものは飲み応えやコクが上昇する一方で、キレの悪さや収斂味を感じるようになることが明らかとなった。一方、三量体画分、四量体画分を添加した場合には、コク、飲み応えが大幅に上昇し、さらにはネガティブな要因がほとんど上昇しないことが明らかとなった。さらにその中でも、三量体画分を添加した場合に、キレの悪さというネガティブな要因も上昇せず、ポジティブな要因のみが上昇するという最も良い結果が得られた。
実施例4飲料中の各重合度のプロアントシアニジン分析
ビールや発泡酒などの市販品500mlを超音波処理し、脱気した後、30℃減圧下で250mlまで濃縮し、凍結乾燥した。凍結乾燥後の粉末を20mlの10%エタノールに溶解後、450mlのLH20を充填したカラムに通液し、水1500ml、30%エタノール1500ml、100%エタノール1500ml、80%アセトン1000mlを通液することでポリフェノールとその他樹脂吸着する成分を含む画分を分離した。

0043

それぞれの画分を30℃減圧下で約20ml程度に濃縮後、凍結乾燥を行った。

0044

30%エタノール以降で溶出させた画分を再度10%エタノールに溶解(0.1g/ml)し、LH20を60ml充填したカラムに通液し、水180ml、35%エタノール180ml、70%エタノール240ml、100%エタノール200ml、80%アセトン100mlを通液し各画分を得た。各画分を30℃、減圧下で濃縮後凍結乾燥したものを、同様の条件にてHPLCにより分析を行った。結果を表2に示す(各重合度のプロアントシアニジン量を記載(単位はmg/L))。

0045

市販のビールや発泡酒には、三量体プロアントシアニジン含量は少なく、単量体および二量体プロアントシアニジンの含量は比較的多いことが確認された。
実施例5 プロアントシアニジン含量の少ない試料への三量体画分の添加試験
麦芽使用比率33%で試醸した発泡酒(プロアントシアニジン含量の少ない試料)に実施例2で得られた三量体画分を、濃度を変えて添加し、官能評価を行った。麦芽使用比率33%の発泡酒を試醸する際にホップエキスを使用(ホップポリフェノールを含まない)して試醸し、プロアントシアニジン量を分析した。結果を表3に示す(単位はmg/L)。

0046

その試醸試料に三量体画分を添加し、官能評価を行った。

0047

添加サンプルを添加した後のプロアントシアニジン量の計算結果を表4に示す(単位はmg/L)。

0048

サンプル1は、三量体プロアントシアニジン量が2.25mg/L含まれており、官能試験の結果では無添加の上記試醸発泡酒に比べてコクの増強が感じられた。

0049

サンプル2は、三量体プロアントシアニジン量が4.35mg/L含まれており、官能試験の結果では無添加の上記試醸発泡酒に比べて明らかにコクが増強され、飲み応えが感じられた。

0050

サンプル3は、三量体プロアントシアニジン量が6.45mg/L含まれており、官能試験の結果では無添加の上記試醸発泡酒に比べてコクと飲み応えが感じられた。

0051

このように、三量体プロアントシアニジン量が高まることにより、または三量体プロアントシアニジン量の相対比が高まることにより、コクや飲み応えが増強されることが明らかとなった。
実施例6アルコールを含まないビールテイスト飲料への三量体画分の添加試験
実施例1及び実施例2と同様の操作により、ホップペレットより三量体画分を調製した。表5に得られた三量体画分の分析結果を示しており、重量割合で三量体が61.0%含まれていた。

0052

得られた三量体画分を、アルコールを含まない市販のビールテイスト飲料に添加量として三量体濃度換算で2.1ppm(T1)、4.2ppm(T2)、または6.3ppm(T3)となるように添加した。なお、前記アルコールを含まない市販のビールテイスト飲料に含まれる三量体のプロアントシアニジン量は、実施例4に記載する方法で分析を行った。三量体を添加した、アルコールを含まない市販のビールテイスト飲料について、官能評価を行った。官能評価はパネル4名にて行い、評価項目に対して、0点を感じない、3点を強く感じるとし、0.5点刻みで評価を行った(表の標記の点数は4人の平均の点数である)。評価項目はポジティブな要因としてコク(厚み)、飲み応え、また、ネガティブな要因として、キレの悪さ、収斂味とした。

0053

表6は三量体画分添加前のアルコールを含まないビールテイスト飲料中の単〜三量体プロアントシアニジン量の分析結果、表7は三量体画分添加後のアルコールを含まないビールテイスト飲料中の単〜五量体プロアントシアニジン量の分析結果、表8は官能試験結果である。

0054

0055

0056

2.1ppm(T1)、4.2ppm(T2)、および6.3ppm(T3)添加のいずれにおいても、無添加と比較し収斂味やキレの悪さをさほど増強させることなくコクや飲みごたえといった味が付与されていることが確認された。

実施例

0057

このように、アルコールを含まないビールテイスト飲料についてもコクや飲み応えを付与することができるが、本実施例に用いたビールテイスト飲料は、アルコールを含むビールテイスト飲料などに比べより少ない添加量で同様の効果が得られた。アルコールを含まないビールテイスト飲料において、少ない添加量で同様の効果が得られたメカニズムは不明であるが、アルコール分を含まないことが一因と推測される。ただし、この推測は本発明を限定するものではない。

0058

本発明によれば、一般にビールに比べコクや飲みごたえが弱いとされる発泡酒、リキュール類に分類されるビールテイスト飲料、さらには低アルコールまたはアルコールを全く含まない飲料に、収斂味やキレの悪さを増強させることなくコクや飲みごたえを付与することができる。そして、三量体プロアントシアニジンを豊富に含むことによりコクや飲みごたえを有する飲料を提供することができる。

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