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図面 (19)

課題

解決手段

金属回収方法は、金属及び水分子を含有する液体に、末端アミノ基とアクリルアミド基メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマーメタクリルアミドモノマーアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマー重合して得られた親水性高分子ゲルを介在させ、高分子ゲルのネットワーク空間内にて金属の水酸化物を生成させ、液体から高分子ゲルを分離して金属を回収する。

概要

背景

希少金属資源不足が問題となっており、廃水等からこれらを回収、再利用する技術が求められている。例えば、自動車電子機器類生産にはこれらの貴金属が大量に使用されており、いわゆる都市鉱山とよばれ、これらを破砕した廃棄物等からの貴金属の回収は重要な課題である。

また、機械、金属関係等の工場から排出される廃液にも、重金属などの陽イオンが含まれており、これらの回収は資源リサイクルのみならず、環境浄化の観点からも欠かせない技術である。

また、自然由来、人為由来を問わず、カドミウムヒ素、鉛などの重金属(比重4以上の金属元素)で土壌汚染され、土壌中の重金属の含有量土壌環境基準以上である場合、汚染された土壌に直接触れたり、口から直接摂取したり、また、汚染土壌から有害物質溶出した地下水飲用することなど、人の健康に害を及ぼす恐れがある。このため、土壌中の重金属の含有量を低下させることが必要である。

このため、これらの廃液等に含まれる金属を分離、回収するべく、一般的に凝集沈殿法が利用されてきた。また、汚染土壌に関しても、土壌から重金属を溶出させて凝集沈殿法により重金属を分離し得る。凝集沈殿法では、多量のアルカリを添加して廃水をアルカリ性にし、水に難溶な金属水酸化物を生成させ、これを高分子凝集剤等で凝集させて沈降分離する(例えば、非特許文献1)。

概要

多量のアルカリや高分子凝集剤が不要な金属回収方法土壌浄化剤及び土壌浄化方法を提供する。金属回収方法は、金属及び水分子を含有する液体に、末端アミノ基とアクリルアミド基メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマーメタクリルアミドモノマーアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマー重合して得られた親水性高分子ゲルを介在させ、高分子ゲルのネットワーク空間内にて金属の水酸化物を生成させ、液体から高分子ゲルを分離して金属を回収する。なし

目的

例えば、自動車や電子機器類の生産にはこれらの貴金属が大量に使用されており、いわゆる都市鉱山とよばれ、これらを破砕した廃棄物等からの貴金属の回収は重要な課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金属及び水分子を含有する液体に、末端アミノ基とアクリルアミド基メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマーメタクリルアミドモノマーアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマー重合して得られた親水性高分子ゲルを介在させ、前記高分子ゲルのネットワーク空間内にて前記金属の水酸化物を生成させ、前記液体から前記高分子ゲルを分離して金属を回収する、ことを特徴とする金属回収方法

請求項2

炭素数が3以上の前記アルキレン鎖を有する前記アクリルアミドモノマー、前記メタクリルアミドモノマー、前記アクリレートモノマー又は前記メタクリレートモノマーが重合して得られた前記高分子ゲルを用いる、ことを特徴とする請求項1に記載の金属回収方法。

請求項3

乾燥状態の前記高分子ゲルを用いる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金属回収方法。

請求項4

前記高分子ゲルを入れた網体を前記液体に入れ、前記液体から前記網体を取り出すことで前記液体から前記高分子ゲルを分離する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属回収方法。

請求項5

pHによって溶解度が異なる複数種の金属を含有する前記液体を用い、複数種の金属のうち低いpHで溶解度が小さい金属の水酸化物を前記高分子ゲルのネットワーク空間内に選択的に生成させる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属回収方法。

請求項6

更に、より内部pHの低い前記高分子ゲルを前記液体に介在させ、残存している複数種の金属のうち低いpHで溶解度が小さい金属の水酸化物を前記高分子ゲルのネットワーク空間内に選択的に生成させる、ことを特徴とする請求項5に記載の金属回収方法。

請求項7

金属を回収した前記高分子ゲルをアルカリ水溶液に介在させた後、前記高分子ゲルを前記液体に再度介在させる、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の金属回収方法。

請求項8

末端のアミノ基とアクリルアミド基、メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマー、アクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーが重合した親水性の高分子ゲルから構成される土壌浄化剤であって、前記高分子ゲルのネットワーク空間内にて、水の流入によって土壌から溶出した金属の水酸化物が生成する、ことを特徴とする土壌浄化剤。

請求項9

前記高分子ゲルは式7〜式10のいずれかの骨格を有する、(式7〜式10中、mは正の実数、nは正の整数を表す。)ことを特徴とする請求項8に記載の土壌浄化剤。

請求項10

土壌に、末端のアミノ基とアクリルアミド基、メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマー、アクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーが重合して得られた親水性の高分子ゲルを介在させ、前記高分子ゲルのネットワーク空間内にて、水の流入によって土壌から溶出した金属の水酸化物を生成させることによって土壌を浄化する、ことを特徴とする土壌浄化方法

請求項11

炭素数が3以上の前記アルキレン鎖を有する前記アクリルアミドモノマー、前記メタクリルアミドモノマー、前記アクリレートモノマー又は前記メタクリレートモノマーが重合して得られた前記高分子ゲルを用いる、ことを特徴とする請求項10に記載の土壌浄化方法。

技術分野

0001

本発明は、廃水等からの金属回収方法土壌浄化剤及び土壌浄化方法に関する。

背景技術

0002

希少金属資源不足が問題となっており、廃水等からこれらを回収、再利用する技術が求められている。例えば、自動車電子機器類生産にはこれらの貴金属が大量に使用されており、いわゆる都市鉱山とよばれ、これらを破砕した廃棄物等からの貴金属の回収は重要な課題である。

0003

また、機械、金属関係等の工場から排出される廃液にも、重金属などの陽イオンが含まれており、これらの回収は資源リサイクルのみならず、環境浄化の観点からも欠かせない技術である。

0004

また、自然由来、人為由来を問わず、カドミウムヒ素、鉛などの重金属(比重4以上の金属元素)で土壌汚染され、土壌中の重金属の含有量土壌環境基準以上である場合、汚染された土壌に直接触れたり、口から直接摂取したり、また、汚染土壌から有害物質溶出した地下水飲用することなど、人の健康に害を及ぼす恐れがある。このため、土壌中の重金属の含有量を低下させることが必要である。

0005

このため、これらの廃液等に含まれる金属を分離、回収するべく、一般的に凝集沈殿法が利用されてきた。また、汚染土壌に関しても、土壌から重金属を溶出させて凝集沈殿法により重金属を分離し得る。凝集沈殿法では、多量のアルカリを添加して廃水をアルカリ性にし、水に難溶な金属水酸化物を生成させ、これを高分子凝集剤等で凝集させて沈降分離する(例えば、非特許文献1)。

先行技術

0006

D. FENG, C. ALDRICH and H. TAN; "TREATMENTOF ACIDMINE WATERBY USE OFHEAVY METAL PRECIPITATION AND ION EXCHANGE"; Minerals Engineering, Vol. 13, No. 6, pp. 623-642,2000, accepted 7 March 2000

発明が解決しようとする課題

0007

凝集沈殿法では、高濃度金属含有廃液を多量に簡便に処理するのに適している一方、低濃度の金属含有廃液の処理には適しておらず、多量のアルカリ、高分子凝集剤が必要である。

0008

本発明は上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多量のアルカリや高分子凝集剤が不要な金属回収方法、土壌浄化剤及び土壌浄化方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

本発明の第1の観点に係る金属回収方法は、
金属及び水分子を含有する液体に、末端アミノ基とアクリルアミド基メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマーメタクリルアミドモノマーアクリレートモノマー又はメタクリレートモノマー重合して得られた親水性高分子ゲルを介在させ、
前記高分子ゲルのネットワーク空間内にて前記金属の水酸化物を生成させ、
前記液体から前記高分子ゲルを分離して金属を回収する、
ことを特徴とする。

0010

また、炭素数が3以上の前記アルキレン鎖を有する前記アクリルアミドモノマー、前記メタクリルアミドモノマー、前記アクリレートモノマー又は前記メタクリレートモノマーが重合して得られた前記高分子ゲルを用いることが好ましい。

0011

また、乾燥状態の前記高分子ゲルを用いることが好ましい。

0012

また、前記高分子ゲルを入れた網体を前記液体に入れ、
前記液体から前記網体を取り出すことで前記液体から前記高分子ゲルを分離してもよい。

0013

また、pHによって溶解度が異なる複数種の金属を含有する前記液体を用い、
複数種の金属のうち低いpHで溶解度が小さい金属の水酸化物を前記高分子ゲルのネットワーク空間内に選択的に生成させてもよい。

0014

更に、より内部pHの低い前記高分子ゲルを前記液体に介在させ、
残存している複数種の金属のうち低いpHで溶解度が小さい金属の水酸化物を前記高分子ゲルのネットワーク空間内に選択的に生成させてもよい。

0015

また、金属を回収した前記高分子ゲルをアルカリ水溶液に介在させた後、
前記高分子ゲルを前記液体に再度介在させてもよい。

0016

本発明の第2の観点に係る土壌浄化剤は、
末端のアミノ基とアクリルアミド基、メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマー、アクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーが重合した親水性の高分子ゲルから構成される土壌浄化剤であって、
前記高分子ゲルのネットワーク空間内にて、水の流入によって土壌から溶出した金属の水酸化物が生成する、
ことを特徴とする。

0017

また、前記高分子ゲルは式7〜式10のいずれかの骨格を有することが好ましい。




(式7〜式10中、mは正の実数、nは正の整数を表す。)

0018

本発明の第3の観点に係る土壌浄化方法は、
土壌に、末端のアミノ基とアクリルアミド基、メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマー、アクリレートモノマー又はメタクリレートモノマーが重合して得られた親水性の高分子ゲルを介在させ、
前記高分子ゲルのネットワーク空間内にて、水の流入によって土壌から溶出した金属の水酸化物を生成させることによって土壌を浄化する、
ことを特徴とする。

0019

また、炭素数が3以上の前記アルキレン鎖を有する前記アクリルアミドモノマー、前記メタクリルアミドモノマー、前記アクリレートモノマー又は前記メタクリレートモノマーが重合して得られた前記高分子ゲルを用いることが好ましい。

発明の効果

0020

本発明に係る金属回収方法では、多量のアルカリ、高分子凝集剤の添加を要しない。

図面の簡単な説明

0021

種金属の溶解度とpHとの関係を示すグラフである。
実施例1における硝酸ニッケル水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例1における硝酸カドミウム水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例1における硫酸マンガン水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例1における硫酸亜鉛水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例1における硝酸鉛水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例1における硝酸銅水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例1における硝酸銀水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例2における各種金属イオンを含有する水溶液に浸漬しておいた高分子ゲルのXRD測定結果を示す図である。
実施例3における高分子ゲル重量とニッケルイオン濃度との関係を示すグラフである。
実施例3における高分子ゲル重量とニッケルイオン回収率との関係を示すグラフである。
実施例3における高分子ゲル重量あたりのニッケルイオン吸着量との関係を示すグラフである。
実施例3におけるニッケルイオン濃度の経時変化を示すグラフである。
実施例5における高分子ゲル添加量ニッケルの回収量の関係を示すグラフである。
実施例5における高分子ゲル添加量とニッケルの回収率の関係を示すグラフである。
実施例6における高分子ゲル重量あたりのニッケルの回収量の経時変化を示すグラフである。
実施例7における金属回収処理回数と高分子ゲル重量あたりのニッケルの回収量の関係を示すグラフである。
実施例7における金属回収処理回数と高分子ゲル重量あたりのニッケルの含有率の関係を示すグラフである。
実施例9における硝酸カドミウム水溶液中のカドミウムイオン濃度を示すグラフである。

0022

(金属回収方法)
金属回収方法は、金属(金属イオン)及び水分子を含有する液体に高分子ゲルを介在させ、高分子ゲル中にて、液体中の金属を金属水酸化物として生成させ、液体から高分子ゲルを分離することにより、液体から金属を回収する方法である。

0023

高分子ゲルとして、末端のアミノ基とアクリルアミド基、メタクリルアミド基、アクリル基又はメタクリル基との間に炭素数が2以上のアルキレン鎖を有するアクリルアミドモノマー、メタクリルアミドモノマー、アクリレートモノマー又はメタクリレートモノマー(以下、主モノマーと記す)が重合して得られた親水性の高分子ゲルを用いる。

0024

金属及び水分子を含有する液体にこの高分子ゲルを介在させると、高分子ゲルのネットワーク空間内にて、各種金属イオンに応じた金属酸化物が生成される。

0025

主モノマーとして、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドを重合して得られ、乾燥させた高分子ゲルを、銅イオンを含有する水に浸漬させて水酸化銅を合成して回収する例をもって、金属水酸化物の合成メカニズムについて説明する。

0026

銅イオンを含有する水に乾燥した高分子ゲルを浸漬させると、高分子ゲルが水を吸収して膨潤する。そして、下式1に示すように、水分子の解離により生じる水素イオンがアミノ基(−N(CH3)2)に引き付けられ、アミノ基がプロトン化される。一方の水酸化物イオンは、イオン化した高分子鎖のアミノ基とのイオン性相互作用により、高分子ゲルの外部に拡散しない(Donnan平衡)。このため、高分子ゲル内部が塩基性に保たれる。なお、式1において、mは正の実数を表す。

0027

0028

この性質により、塩基性となった高分子ゲル内にて、下式2に示すように、銅イオンと水酸化物イオンとの反応により、水酸化銅が形成される。

0029

0030

このように、ネットワーク内に金属水酸化物が生成した高分子ゲルを液体から分離することにより、液体から金属を回収することができる。高分子ゲルの分離はどのような形態でもよい。例えば、網状の袋体に高分子ゲルを入れ、この袋体を液体に浸漬しておき、その後、袋体を液体から取り出すことで、液体から高分子ゲルを分離することができる。

0031

更に、分離した高分子ゲルを加熱して高分子ゲルを消失させ、金属水酸化物或いは金属水酸化物が加熱により化学変化した金属酸化物を分離してもよい。

0032

以上のように、本実施の形態に係る金属回収方法では、水分子の解離によって生じた水酸化物イオンによって塩基性となった高分子ゲル内部にて、金属イオンが水酸化物を経由して、金属酸化物の合成が行われる。このため、凝集沈殿法のような多量のアルカリ添加を要しない。更に、高分子ゲル内部に金属水酸化物が生成するので、液体から高分子ゲルを取り出すだけで液体から金属水酸化物を分離できることから、凝集沈殿法のような高分子凝集剤の添加が不要である。

0033

なお、上述した主モノマーとして、式3〜式6で表される化合物が用いられる。

0034

0035

式3〜式6中のnは2以上、より好ましくは3以上である。上述した高分子ゲルにおけるアミノ基のプロトン化は、アミノ基(−N(CH3)2)の窒素原子孤立電子対が水の解離により生成したプロトン(H+)に共有されることによって起こる。この孤立電子対はsp3混成軌道に入っており、窒素原子核からの引力がsp軌道、sp2混成軌道より弱いので、カルボニル基が近くにあるとH+はカルボニル基に流れ込みやすい。そのため、アルキレン鎖(−(CH2)n−)の長さが短い場合(n=0,1の場合)、H+がカルボニル基に流れ込み、アミノ基のプロトン化が生じにくい。式3及び式4中のnが2以上の場合で、溶液酸性であり、H+が豊富に介在する場合では、H+がアミノ基の窒素に作用しやすくなりアミノ基のプロトン化が可能になる。更に、nが3以上であれば、水などの中性溶液においてもアミノ基のプロトン化が生じる。

0036

具体的には、式7〜式10で表される骨格を有する高分子ゲルを用いる。式7〜式10中、mは正の実数、nは正の整数を表す。

0037

0038

なお、高分子ゲルは主モノマーのみの重合体であってもよく、架橋剤との共重合体であってもよい。架橋剤として、重合のしやすさから主モノマーと分子構造が類似するものが好ましい。たとえば、主モノマーがアクリルアミドモノマーである場合、メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。また、主モノマーがメタクリルアミドモノマーである場合、メチレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。また、主モノマーがアクリレートモノマーである場合、エチレングリコールジアクリレートジエチレングリコールジアクリレートトリエチレングリコールジアクリレート等が挙げられる。また、主モノマーがメタクリレートモノマーである場合、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートトリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。

0039

また、金属及び水分子を含有する液体として、自動車や電子機器類などを破砕した廃棄物等を含有する廃水や、機械、金属関係等の工場から排出される廃水、鉱山から流出する坑廃水など、種々の液体が挙げられる。

0040

また、用いる高分子ゲルの内部pHによって、複数種の金属を含有する液体から、特定の金属を選択的に回収することも可能である。図1に示すように、金属の溶解度はpHによって異なることが知られている。この特性を利用することで、複数種類の金属を含有する液体から、複数種の金属のうち、低いpHで溶解度が小さい金属の金属水酸化物を優占的に生成させて回収できる。なお、図1中の破線は、それぞれの金属イオンの水酸化物が錯体となって溶解する濃度を示しており、また、表の数字は、それぞれの金属イオンが10−5mol/Lのときの重量%濃度[ppm(=mg/L)]の値を示したものである。

0041

たとえば、内部pHが高い高分子ゲルを、pHによって溶解度が異なる複数種の金属を含有する液体に介在させる。すると、液体中の複数種の金属のうち、低いpHで溶解度が小さい金属の水酸化物を優占的に高分子ゲル中に生成させることができる。一方で、水酸化物が生成される金属よりも低いpHで溶解度が大きい金属については、金属水酸化物の生成が抑えられる。この操作を複数回行うことで、液体中の複数種の金属のうち、低いpHで溶解度が小さい金属を選択的に回収することができる。

0042

上記の操作を行った後、更に、この液体に上記の内部pHよりも高いpHの高分子ゲルを介在させると、残存している複数種の金属のうち、この中で低いpHで溶解度が小さい金属の水酸化物を優占的に高分子ゲル中に生成させることができる。

0043

このように、順に、内部pHが高い高分子ゲルを液体に介在させることで、複数種の金属を含有する液体から、順次、低いpHで溶解度が低い金属を、選択的に回収することが可能である。

0044

内部pHの異なる高分子ゲルの調製は、後述の実施例に示すように、例えば、イオン性モノマー非イオン性のモノマー(例えば、DNMPAAとDMAA)との配合比を異ならせて共重合することで、内部pHが異なる高分子ゲルを調製することができる。

0045

適切な内部pHの高分子ゲルを調製、選択して用いることで、上述したように複数種の金属を含有する液体からの金属の選択的な分離回収が可能になる。

0046

なお、内部pHが高い高分子ゲルを用いれば、複数種の金属を含有する液体から全ての金属をまとめて回収することもできる。

0047

更には、高分子ゲルは、繰り返し再生処理を行うことで再利用することもできる。再生処理は、金属回収後の高分子ゲルをpH11〜12のアルカリ水溶液に浸漬させておくことでできる。

0048

高分子ゲルをアルカリ水溶液に浸漬させると、上記で説明したアミノ基のプロトンが脱離し、元の高分子ゲルの状態へ戻る。この高分子ゲルを金属及び水を含有する液体に介在させると、上述したメカニズムにより、再びアミノ基のプロトン化が生じ、高分子ゲル内にて金属の水酸化物が生成されることになる。

0049

高分子ゲル内に生成した金属水酸化物を保持したまま再利用することができるので、再生処理を行った高分子ゲルを繰り返し利用することで、高分子ゲル内の金属水酸化物の含有量を高めることができる。

0050

(土壌浄化剤、土壌浄化方法)
土壌浄化剤は、上記の金属回収方法で説明した高分子ゲルであり、土壌浄化方法は、この高分子ゲルを利用して、重金属で汚染された土壌を浄化する方法である。例えば、高分子ゲルをき込むなどの手法により、カドミウム、ヒ素、鉛などの重金属で汚染された土壌に介在させる。

0051

高分子ゲルを介在させた土壌への潅水降雨河川等からの水の流入により、土壌に水が介在すると、土壌から重金属が溶出する。また、高分子ゲルが水を吸収して膨潤し、上述したように、水分子の解離により生じる水素イオンがアミノ基に引き付けられ、アミノ基がプロトン化される。

0052

そして、金属回収方法の説明で述べたメカニズムと同様に、高分子ゲルのネットワーク空間内にて、土壌から溶出した重金属イオンの金属水酸化物が生成される。高分子ゲル内部に生成された金属水酸化物は、上述したように、高分子ゲル内部が塩基性に保たれていることから、再度溶解することはない。このため、金属水酸化物は高分子ゲル内に留まり、土壌へ戻らないため、土壌が浄化されることになる。

0053

[実施例1]
(高分子ゲルの合成)
メスフラスコ内に主モノマーであるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(N,N-dimethylaminopropyl acrylamid(DMAPAA))、架橋剤のN,N’−メチレンビスアクリルアミド(N,N’-methylenbisacrylamid(MBAA))、重合促進剤としてテトラメチルエチレンジアミン(N,N,N’,N’-tetraethylmethylendiamine(TEMED))を加え、蒸留水を加えた。

0054

別のメスフラスコ内に開始剤過硫酸アンモニウム(Ammonium peroxodisulfate(APS))を加えた水溶液を調製した。

0055

両水溶液をそれぞれ1時間室温で窒素曝気したのち窒素雰囲気下で素早く混合し、内径6mmのポリプロピレン管注入して、パラフィルム密閉した。

0056

このポリプロピレン管を温度7℃の恒温水槽で4時間保持し重合を行った。重合により得られたゲルをポリプロピレン管から取り出し、長さ3mmに切断して高分子ゲルを合成した。高分子ゲルの合成に用いたDMAPAA、MBAA、TEMED及びAPSは、それぞれ1000mol/L、50mol/L、10mol/L、1mol/Lである。このように合成した高分子ゲルを実施例1〜7、及び、実施例9で用いた。

0057

(単種の金属塩水溶液についての金属水酸化物の生成実験
合成した高分子ゲルを乾燥後、ミキサー粉砕後、45メッシュいにかけ0.455mm以下の粉末乾燥重量0.4g)を、各種金属塩水溶液(50mL)にそれぞれ浸漬し、室温で24時間おいた。用いた金属塩水溶液は以下の通りである。
・Ni(NO3)2水溶液(1000mg/L、pH=5.12)
・Cd(NO3)2水溶液(1000mg/L、pH=5.82)
・MnSO4水溶液(1000mg/L、pH=6.37)
・ZnSO4水溶液(1000mg/L、pH=5.88)
・Pb(NO3)2水溶液(1000mg/L、pH=4.71)
・Cu(NO3)2水溶液(1000mg/L、pH=5.01)
・AgCl水溶液(1000mg/L、pH=5.82)

0058

それぞれの金属塩水溶液から高分子ゲルを取り出し、乾燥させた後、XRD回折により生成物分析した。それぞれのXRD回折の結果を図2図8に示す。

0059

Ni(NO3)2水溶液(図2)、Cd(NO3)2水溶液(図3)、MnSO4水溶液(図4)、ZnSO4水溶液(図5)、Pb(NO3)2水溶液(図6)においては、それぞれ対応する金属酸化物(Ni(OH)2、Cd(OH)2、Mn(OH)2、Zn(OH)2)、Pb(OH)2を表すピークが見られ、高分子ゲルの内部にそれぞれ金属酸化物が生成していることがわかる。

0060

また、AgCl水溶液(図7)、Cu(NO3)2水溶液(図8)においては、Ag2O、CuOの生成を表すピークが見られる。これは、高分子ゲル中に生成したAgOH、Cu(OH)2が不安定であるため、それぞれ乾燥過程においてAg2O、CuOになったものと考えられる。

0061

このように、いずれの金属塩水溶液についても、高分子ゲル中に金属水酸化物を生成させ得ることを確認した。

0062

[実施例2]
(複数種の金属塩水溶液についての金属水酸化物の生成実験)
上記の7種類の金属塩(MnSO4、ZnSO4、Pb(NO3)2、Cd(NO3)2、Ni(NO3)2、AgCl、Cu(NO3)2)を水に溶解した混合水溶液(140mL)に実施例1で調製した高分子ゲル(乾燥重量0.7g)を浸漬した。なお、いずれの金属塩も1000g/mLとした。XRD回折の結果を図9に示す。

0063

混合溶液の場合は、単結晶ができにくいため、単独溶液の場合に比べて明確ではないものの、AgO(2θ=34°)、Pb(OH)2(2θ=26°)、Mn(OH)2(2θ=59°)、Zn(OH)2(2θ=33°)、Ni(OH)2(2θ=19°)などのピークが確認できる。

0064

CdやCuは、特異的なピークは確認できなかった。しかし、これは、各金属イオン標準電位を考えると、CdやCuよりもイオン化しやすいZnやMnの水酸化物が析出していることから、Cd(OH)2やCu(OH)2が生成しなかったというよりも、他の金属水酸化物のピークと重なっているか、他の金属と化合物を形成したために単独のピークが観察できなかったものと考えられる。したがって、複数の金属を含有する液体においても、それぞれの金属を回収できると言える。

0065

[実施例3]
金属イオン濃度の影響)
金属イオンの濃度が低い場合でも、金属イオンの除去が可能であるか検証した。初期濃度が異なる10mLの硝酸ニッケル水溶液(1000ppm、100ppm、10ppm)に実施例1で調製した高分子ゲルを添加(乾燥重量0.01〜0.15g/10mL)し、24時間後の水溶液(外部溶液)中のNi2+イオン濃度を測定した。

0066

Ni2+イオン濃度の結果を図10に示すとともに、回収率を図11に示す。1000ppm、100ppm、10ppmそれぞれの硝酸ニッケル水溶液において、24時間後の水溶液中のニッケルイオン濃度は、それぞれ150ppm、14ppm、3ppmであり、ニッケルの回収率は、それぞれ85%、85%、70%程度であった。

0067

また、図12に、高分子ゲルの乾燥重量あたりの吸着量を示しているが、外部溶液の濃度が高く、高分子ゲルの投入量が少ない場合に、高分子ゲルの単位重量あたりの吸着量が増加している。

0068

また、10ppmの硝酸ニッケル水溶液について、高分子ゲルを添加(乾燥重量0.012g)して48時間後までの水溶液中のニッケルイオン濃度を測定した。その結果を図13に示す。

0069

図13をみると、高分子ゲルを添加して48時間後では、水溶液中のニッケルイオン濃度が約1ppmまで低下しており、回収率は約90%である。図13減少速度から鑑みれば、更に高分子ゲルの浸漬時間を長くすれば、水溶液中のニッケルイオン濃度は、より低濃度になると考えられる。金属の希薄溶液の場合、高分子ゲル内外濃度差が小さくなることから、単位面積あたりの物質の移動速度が低下(高分子ゲル内に移動する金属イオンの移動速度が低下)するため、回収時間が長くなるものの、希薄溶液中の金属イオンの回収も可能であることがわかる。すなわち、金属を含有する液体に浸漬させる高分子ゲルの量、及び、浸漬時間が十分であれば、初期濃度によらず、金属イオン濃度を1ppm程度までは低下させることが可能であり、ほぼ全量の金属を回収し得ることがわかる。

0070

一般的なイオン交換樹脂吸着材による金属の回収においては、希薄溶液中では金属イオンの吸着能力が低下し、除去率が低下するが、高分子ゲルを用いた回収では、これらと異なり、希薄溶液中においても有効と考えられる。

0071

[実施例4]
(金属の分離回収の検証実験
50mLの硝酸銅水溶液(100mg/L)、硝酸ニッケル水溶液(100mg/L)及び硝酸マンガン水溶液(100mg/L)に、それぞれ乾燥した高分子ゲル(乾燥重量0.1g)を投入し、室温で24時間おいた。なお、用いた高分子ゲルは、実施例1と同じくDMAA:MBAA=1000:50のモル比で調製したものである。
それぞれについて、回収後の溶液濃度、金属イオンの回収量(乾燥高分子ゲル1gあたりの回収量)を測定した。その結果を表1に示す。

0072

0073

表1に示すように、除去回収後の溶液濃度は銅が最も低い。銅、ニッケル、マンガンはそれぞれ沈殿させるためのpHの値が異なり、この3種類では、沈殿のしやすさは、銅>ニッケル>マンガンであるためと考えられる。

0074

続いて、この3種類の金属塩を水に溶解し、銅イオン、ニッケルイオン、マンガンイオンを含有する混合水溶液50mL(それぞれ100mg/L)に上記の高分子ゲル(乾燥重量1.0g)を投入し、室温で24時間おいた。
そして、回収後の銅イオン濃度、ニッケルイオン濃度、マンガンイオン濃度、並びに、それぞれの金属イオンの回収量を測定した。その結果を表2に示す。

0075

0076

表2を見ると、回収後の混合水溶液中の銅イオン濃度が0mg/Lとなっており、銅イオンが優占的に回収された。また、それぞれ単独で行った場合(表1)に比べ、銅イオンについては回収量が向上し、ニッケルとマンガンは低下した。すなわち、銅イオンだけがより多く回収される結果となった。

0077

更に、異なる内部pHの高分子ゲルを用い、上記と同様に行った。まず、実施例1の合成方法と同様にして、DMPAAとDMAAを異なる配合比で共重合し、内部pHの異なる高分子ゲルを調製した。それぞれの高分子ゲルの内部pHを表3に示す。なお、内部pHは、固体測定用pH電極を高分子ゲル表面に接触させて測定した。

0078

0079

ここで、MAPAA:DMAAの配合比が200:800(pH=9.38)で調製した高分子ゲルを上記の混合水溶液に浸漬させ、室温で24時間おいた。そして、混合水溶液中の銅イオン濃度、ニッケルイオン濃度、マンガンイオン濃度、並びに、それぞれの金属イオンの回収量を測定した。その結果を表4に示す。

0080

0081

表4を見ると、表3(内部pHが10.29の高分子ゲル)に比べて、高分子ゲルの内部pHが低いことから、銅の回収量は、半分以下に低下していた。しかしながら、ニッケルとマンガンはほとんど回収されず、いずれも約98%が混合水溶液内に残っていた。すなわち、より選択的に銅が回収されたといえる。

0082

内部pHが10.29の高分子ゲルでは、Cu:Ni:Mn=1:1:1の重量比率で含有する混合水溶液に対して、回収率はCu:Ni:Mn=5:1:1の銅選択率であったが、内部pH9.38の高分子ゲルを用いることにより、回収率がCu:Ni:Mn=20:2:1であり、銅を選択的に回収することができることがわかった。

0083

この操作を複数回繰り返せば、ニッケル、マンガンを残したまま銅だけを混合水溶液から除去、回収することが可能であることがわかった。

0084

[実施例5]
酸性水溶液からの金属回収の検証実験)
硝酸ニッケル水溶液に硝酸を添加して調整し、初期濃度100ppm、pH3の水溶液を調製した。

0085

この硝酸ニッケル水溶液に高分子ゲルを1g/L、2g/L、5g/Lの割合でそれぞれ添加し、25℃で24時間おいた。そして、高分子ゲルによるニッケルの回収量及び回収率をそれぞれ求めた。

0086

図14にニッケルの回収量、図15にニッケルの回収率をそれぞれ示す。高分子ゲルを1g/Lで添加した場合、ニッケルをほとんど回収できていない。これは、水溶液のpHが低い場合、高分子ゲルのアミノ基が水溶液中に存在する多量の水素イオンによってプロトン化するため、水分子から水素イオンを引き抜いて水酸化物イオンを発生させる反応が起こりにくくなる。このため、高分子ゲル内の水酸化物イオン量が高くなり難く、水酸化ニッケル生成量が少なくなったためと考えられる。

0087

しかしながら、高分子ゲルの添加量を2g/L、5g/Lと増やした場合では、ニッケルの回収量、回収率が高くなっている。したがって、pHの低い水溶液中であっても、高分子ゲルの添加量を増やすことで金属を回収することが可能であることがわかる。

0088

[実施例6]
(金属回収量における水溶液の温度の影響の検証実験)
100ppmの硝酸ニッケル水溶液に高分子ゲルを2g/Lの割合で添加し、液温25℃、50℃、70℃それぞれにおいて24時間浸漬させた。そして、それぞれについて、ニッケル回収量の経時変化を測定した。

0089

その結果を図16に示す。硝酸ニッケル水溶液の液温が高いほど、ニッケルイオンの回収量が多くなっているとともに、回収量が飽和する最大回収量までの時間も短くなっている。これは、温度が高いことにより、分子運動活発になりイオンの拡散が速くなったこと、また、高分子ゲルの高分子鎖が動きやすくなって膨潤が大きくなったためと考えられる。

0090

高分子凝集剤を用いた吸着法においては、温度が高いほど金属の吸着量は低下することから、高分子ゲルを用いた手法は、吸着とは明らかに異なる機構であることがわかる。

0091

[実施例7]
(高分子ゲルの再生、再利用の検証実験)
高分子ゲルの金属回収能力の再生、再利用の可否について検証した。
100ppmの硝酸ニッケル水溶液に、2g/Lの濃度で高分子ゲルを添加し、25℃で18時間浸漬させた(以下、金属回収処理)。
その後、高分子ゲルを取り出し、表面を蒸留水で洗浄し、表面を軽く拭いた。そして、0.01mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に18時間浸漬させた(以下、金属回収能力再生処理)。

0092

再生した高分子ゲルを用い、上記同様に金属回収処理、金属回収能力再生処理を繰り返し行った。そして、金属回収処理を行うごとに硝酸ニッケル水溶液中のニッケルイオン濃度を測定し、ニッケルイオンの回収量及び高分子ゲル中のニッケル含有率を求めた。

0093

また、比較例として、金属回収能力再生処理で水酸化ナトリウム水溶液への浸漬を行わず、高分子ゲルを蒸留水で洗浄しただけのものについても、上記と同様に行い、ニッケルイオンの回収量及び高分子ゲル中のニッケル含有率を求めた。

0094

ニッケルイオンの回収量の変化を図17に、また、高分子ゲル中のニッケル含有率の変化を図18にそれぞれ示す。なお、金属回収能力再生処理を6回行ったもの、即ち、7回目の金属回収処理については、高分子ゲルの硝酸ニッケル水溶液への浸漬時間は60時間とした。

0095

蒸留水で洗浄しただけの高分子ゲルについては、ニッケルイオンの回収量は金属回収処理の回数が増えるごとに低下している。このため、高分子ゲル中のニッケル含有率も金属回収処理の回数が増えてもさほど高くなっていない。

0096

一方、金属回収能力再生処理を行った高分子ゲルについては、金属回収処理の回数が増えても、ニッケルイオンの回収量が維持され、高分子ゲル中のニッケル含有率も高くなっていることがわかる。

0097

このように高分子ゲルをアルカリ水溶液に浸漬させることで、金属回収能力が再生し、一度回収した金属を保持したまま、繰り返し再利用して金属を回収することが可能であることを実証した。

0098

[実施例8]
(異なる主モノマーで合成した高分子ゲルによる金属回収の検証実験)
主モノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリエート(DMAEMA)を、架橋剤としてジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)を用い、上記と同様の手法で高分子ゲルを合成した。なお、DMAEMA、DEGDMA、TEMED及びAPSの配合量は、1000mol/L、30mol/L、10mol/L及び1mol/Lである。以下、この合成した高分子ゲルを本実施例8中において高分子ゲルAと記す。

0099

高分子ゲルAを0.08mol/Lの酢酸亜鉛水溶液に24時間浸漬させた。そして、酢酸亜鉛水溶液から高分子ゲルAを取り出し、600℃の空気雰囲気下で有機物を分解する熱重量分析を行った。

0100

また、DMAPAA、MBAA、TEMED及びAPSの配合量を1000mol/L、30mol/L、10mol/L及び1mol/Lで上記と同様に合成した高分子ゲル(以下、本実施例8中において高分子ゲルBと記す)を用い、上記と同様に酢酸亜鉛水溶液に24時間浸漬させ、熱重量分析を行った。

0101

その結果、高分子ゲルAでは、17.2mgから1.92mgとなっており、高分子ゲルA中に11.6wt%の水酸化亜鉛が生成していることを確認した。

0102

また、高分子ゲルBについては、11.61mgから1.4mgとなっており、高分子ゲルB中に12.06%の水酸化亜鉛が生成していた。

0103

高分子ゲルA内には、高分子ゲルBと同様に高分子ゲル内に金属の水酸化物が生成されており、主モノマー、架橋剤を代えて合成した高分子ゲルでも、同じメカニズムで金属が回収されることを確認した。

0104

[実施例9]
(高分子ゲルによる土壌浄化の検証実験)
初期濃度1000ppmの硝酸カドミウム水溶液1Lに、汚染されていない水田土壌を100g添加し、24時間攪拌して土壌にカドミウムを吸着させた。その後、溶液から土壌を分離し、室温で乾燥した。このカドミウムが吸着し、乾燥させた土壌を試験土壌とした。

0105

硝酸で初期pHを2又は5に調整した水溶液50mLに、試験土壌10gと高分子ゲル0.1gを添加し、25℃に保った。そして、48時間後の水溶液中のカドミウムイオン濃度をイオンクロマトグラムにより測定した。

0106

また、高分子ゲルの添加を行わない以外、上記と同様に行い、水溶液中のカドミウムイオン濃度を測定した。

0107

その結果を図19に示す。初期pHが2の場合、高分子ゲルを添加しなかった場合、カドミウムイオン濃度は218mg/Lであったが、高分子ゲルを添加した場合、116mg/Lまで低下していた。これは、土壌から溶出したカドミウムの47%が高分子ゲルに捕捉されたことを意味している。

0108

また、初期pH5の場合、高分子ゲルを添加しなかった場合、水溶液中のカドミウムイオン濃度は42mg/Lであったが、高分子ゲルを添加した場合、6.7mg/Lまで低下していた。これは、土壌から脱着したカドミウムの84%が高分子ゲルに捕捉されたことを意味している。

実施例

0109

このように、高分子ゲルを用いることで、土壌に吸着し水により溶出したカドミウムを捕捉することができることから、重金属に汚染された土壌等に高分子ゲルを介在させておくことで、土壌へ雨等の水が流入すれば、土壌中の重金属を高分子ゲルが捕捉し、土壌を浄化可能であることを立証した。なお、通常の土壌のpH範囲凡そ5.0〜6.5程度であり、pHが高ければ高分子ゲルによる金属の回収量が増加することから、通常のPHの土壌であれば、重金属で汚染された土壌の浄化が可能である。

0110

工場廃水等の廃液からニッケル、マンガン、カドミウム等の金属の除去、回収に利用可能である。また、カドミウム、セシウム等に汚染された土壌の浄化に利用可能である。また、重金属に汚染された土壌の浄化に利用可能である。

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