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技術 窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子

出願人 国立大学法人東北大学
発明者 滝澤博胤千頭英明福島潤
出願日 2015年8月7日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-156554
公開日 2017年2月16日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-036163
状態 未査定
技術分野 硫黄、窒素等及びそれらの化合物;過化合物
主要キーワード 各石英管 マイクロ波吸収体 AlN粒子 補助加熱 窒化アルミニウム粒子 反射炉 造粒体 高純度アルミナ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

原料アルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができ、窒化率を高めることができる窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子を提供する。

解決手段

θアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子とカーボン粒子とを混合し、その混合物窒素気流中で加熱することにより、原料のアルミナ粒子の少なくとも表面が窒化された窒化アルミニウム粒子を得る。

概要

背景

窒化アルミニウム(AlN)は、六方晶ウルツ鉱構造を有し、AlとNとが共有結合的に結びついたフォノン熱伝導体である。また、AlNは、バンドギャップが非常に大きく、電気絶縁性が高い。このように、AlN粒子は、絶縁性担保しながら熱伝導性を高めることができるため、電子部品装置半導体装置等の封止樹脂中に含有させるフィラーとして利用されている。AlN粒子を利用することにより、封止樹脂の熱劣化や熱破損を抑制することができ、電子部品装置や半導体装置等の寿命を大幅に向上させることができる。

従来のAlN粒子の製造方法として、アルミナ粉末カーボン粉末とを、窒素雰囲気下で、1550℃の温度で6時間焼成することにより製造する方法(例えば、特許文献1参照)や、アルミナ粒子カーボンブラックとを造粒して造粒体を得た後、この造粒体を乾燥し、さらに1600℃で420分間、または1550℃で6時間焼成することにより製造する方法(例えば、特許文献2または3参照)がある。

また、本発明者等により、カーボン粒子とアルミナ粒子とを混合して坩堝内に配置し、そのカーボン粒子およびアルミナ粒子に対して、窒素雰囲気下においてマイクロ波照射することにより、内部に中空部を有する窒化アルミニウム粒子(例えば、特許文献4参照)、または、内部にアルミナもしくは酸窒化アルミニウム(AlON)の少なくとも一方から成るコアを有する窒化アルミニウム粒子(例えば、特許文献5参照)を製造する方法が開発されている。

概要

原料のアルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができ、窒化率を高めることができる窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子を提供する。θアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子とカーボン粒子とを混合し、その混合物窒素気流中で加熱することにより、原料のアルミナ粒子の少なくとも表面が窒化された窒化アルミニウム粒子を得る。

目的

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、原料のアルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができ、窒化率を高めることができる窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

θアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子とカーボン粒子とを混合し、その混合物窒素気流中で加熱することにより、前記アルミナ粒子の少なくとも表面が窒化された窒化アルミニウム粒子を得ることを特徴とする窒化アルミニウム粒子の製造方法。

請求項2

前記混合物を1100℃〜1400℃に加熱することを特徴とする請求項1記載の窒化アルミニウム粒子の製造方法。

請求項3

前記窒素気流の流量が0.2〜4.0リットル/分であることを特徴とする請求項1または2記載の窒化アルミニウム粒子の製造方法。

請求項4

マイクロ波照射して前記混合物を加熱することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム粒子の製造方法。

請求項5

前記窒化アルミニウム粒子は表面から中心まで窒化されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム粒子の製造方法。

請求項6

前記アルミナ粒子は真球度が0.90以上の球状であり、前記窒化アルミニウム粒子は真球度が0.89以上の球状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窒化アルミニウム粒子の製造方法。

請求項7

θアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子とカーボン粒子との混合物を収納する収納容器と、前記収納容器に収納された前記混合物に窒素が当たるよう、窒素気流を形成可能に設けられた窒素気流形成手段と、前記収納容器に収納された前記混合物を加熱可能に設けられた加熱手段とを、有することを特徴とする窒化アルミニウム粒子の製造装置

請求項8

真球度が0.89以上で、窒化率が60%以上であることを特徴とする窒化アルミニウム粒子。

請求項9

直径が1μm以下であることを特徴とする請求項8記載の窒化アルミニウム粒子。

請求項10

表層部が窒化アルミニウムから成り、中心部がθアルミナ、δアルミナ、または酸窒化アルミニウムから成ることを特徴とする請求項8または9記載の窒化アルミニウム粒子。

技術分野

0001

本発明は、窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子に関する。

背景技術

0002

窒化アルミニウム(AlN)は、六方晶ウルツ鉱構造を有し、AlとNとが共有結合的に結びついたフォノン熱伝導体である。また、AlNは、バンドギャップが非常に大きく、電気絶縁性が高い。このように、AlN粒子は、絶縁性担保しながら熱伝導性を高めることができるため、電子部品装置半導体装置等の封止樹脂中に含有させるフィラーとして利用されている。AlN粒子を利用することにより、封止樹脂の熱劣化や熱破損を抑制することができ、電子部品装置や半導体装置等の寿命を大幅に向上させることができる。

0003

従来のAlN粒子の製造方法として、アルミナ粉末カーボン粉末とを、窒素雰囲気下で、1550℃の温度で6時間焼成することにより製造する方法(例えば、特許文献1参照)や、アルミナ粒子カーボンブラックとを造粒して造粒体を得た後、この造粒体を乾燥し、さらに1600℃で420分間、または1550℃で6時間焼成することにより製造する方法(例えば、特許文献2または3参照)がある。

0004

また、本発明者等により、カーボン粒子とアルミナ粒子とを混合して坩堝内に配置し、そのカーボン粒子およびアルミナ粒子に対して、窒素雰囲気下においてマイクロ波照射することにより、内部に中空部を有する窒化アルミニウム粒子(例えば、特許文献4参照)、または、内部にアルミナもしくは酸窒化アルミニウム(AlON)の少なくとも一方から成るコアを有する窒化アルミニウム粒子(例えば、特許文献5参照)を製造する方法が開発されている。

先行技術

0005

特開昭59−50008号公報
特開平10−245207号公報
特許第3706176号公報
特開2012−41255号公報
特開2012−41253号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1乃至4に記載の製造方法は、1500℃〜1600℃の焼成温度で、アルミナ粉末をカーボン粉末で完全に還元してAlN粒子を製造するものであり、得られるAlN粒子の形状が、原料のアルミナ粒子の形状から大きく変形してしまうという課題があった。このため、球状のアルミナ粒子を使用しても、得られるAlN粒子は凹凸や角を有する形状を成しており、封止樹脂中に含有させる場合には、その凸部や角部が混錬の際の抵抗となって、封止樹脂中に均一かつ多量に含有させることができなかった。

0007

また、特許文献5に記載の製造方法では、得られるAlN粒子が、原料のアルミナ粒子の形状を比較的保持しているものの、窒化率が低く、内部にアルミナや酸窒化アルミニウムのコアが大きく残ってしまうという課題があった。

0008

本発明は、このような課題に着目してなされたもので、原料のアルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができ、窒化率を高めることができる窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法は、θアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子とカーボン粒子とを混合し、その混合物窒素気流中で加熱することにより、前記アルミナ粒子の少なくとも表面が窒化された窒化アルミニウム粒子を得ることを特徴とする。

0010

本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法は、原料としてθアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子を使用することにより、そのアルミナ粒子とカーボン粒子との混合物を加熱して窒化アルミニウム粒子を得る際の加熱温度下げることができる。また、比較的短時間で窒化アルミニウム粒子を製造することができる。加熱温度としては、1100℃〜1400℃が好ましく、特に1200℃〜1400℃が好ましい。原料のアルミナ粒子の変形をできるだけ抑えることを考慮すると、1350℃未満が好ましい。

0011

このように、本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法は、比較的低い温度で窒化アルミニウム粒子を得ることができるため、原料のアルミナ粒子が変形するのを防ぐことができ、原料のアルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができる。このため、例えば、原料のアルミナ粒子として、球状のものを使用すると、球状の窒化アルミニウム粒子を得ることができる。得られた球状の窒化アルミニウム粒子はフィラーとして使用可能であり、電子部品装置や半導体装置等の封止樹脂中に均一かつ多量に含有させることができる。また、原料のアルミナ粒子の径とほぼ同じ径の窒化アルミニウム粒子を得ることができ、原料のアルミナ粒子の径を調整することにより、所望の径の窒化アルミニウム粒子を得ることができる。

0012

本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法は、例えば1400℃以下の比較的低い温度で窒化アルミニウム粒子を得ることができるため、エネルギー消費量を抑制することができる。また、耐熱容器として、BN等の高価な材料のものを用いる必要がなく、安価な石英製の坩堝を使用することができる。また、断熱材としても、高純度アルミナなどの高価な材料のものを用いる必要がなく、安価なものを使用することができる。このように、本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法によれば、比較的安価に窒化アルミニウム粒子を製造することができる。

0013

本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法は、窒素気流中で混合物を加熱するため、その加熱時の反応により発生するCOを、その反応系から排出することができ、逆反応を防止することができる。このため、加熱による反応を促進して窒化率を高めることができ、アルミナ粒子の表面のみが窒化された窒化アルミニウム粒子だけでなく、表面から中心まで窒化された窒化アルミニウム粒子を得ることもできる。

0014

また、窒素気流により加熱温度を下げることができるため、原料のアルミナ粒子の変形防止効果を高めることができる。窒素気流の流量は、0.2〜4.0リットル/分であることが好ましく、特に1.5〜2.5リットル/分であることが好ましい。流量が0.2リットル/分より小さい場合には、反応により発生するCOを、その反応系から排出するのが困難であり、逆反応が発生してしまう。また、流量が4.0リットル/分より大きい場合には、加熱温度が低下しすぎてしまい、窒化率が低下してしまう。

0015

本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法は、マイクロ波を照射して前記混合物を加熱することが好ましい。この場合、マイクロ波により効率的に混合物を加熱することができる。また、例えば1400℃以下の比較的低い温度で加熱すればよいため、マイクロ波吸収体補助加熱材)のサセプターが不要であり、窒化アルミニウム粒子を比較的簡便かつ安価に製造することができる。

0016

本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造装置は、θアルミナ粒子子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子とカーボン粒子との混合物を収納する収納容器と、前記収納容器に収納された前記混合物に窒素が当たるよう、窒素気流を形成可能に設けられた窒素気流形成手段と、前記収納容器に収納された前記混合物を加熱可能に設けられた加熱手段とを、有することを特徴とする。

0017

本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造装置は、本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法を好適に実施することができる。これにより、本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造装置は、原料のアルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができ、窒化率を高めることができる。

0018

本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造装置は、収納容器として、BN等の高価な材料のものを用いる必要がなく、安価な石英製の坩堝を使用することができる。また、断熱材を使用するときも、高純度アルミナなどの高価な材料のものを用いる必要がなく、安価なものを使用することができる。また、加熱手段が、マイクロ波を照射して混合物を加熱するよう構成されていることが好ましい。また、この場合、マイクロ波吸収体(補助加熱材)のサセプターが不要であり、窒化アルミニウム粒子を比較的簡便かつ安価に製造することができる。

0019

本発明に係る窒化アルミニウム粒子は、真球度が0.89以上で、窒化率が60%以上であることを特徴とする。特に、真球度が0.91以上で、窒化率が80%より大きいことが好ましい。ここで、真球度は、粒子短径長径で割った値である。また、本発明に係る窒化アルミニウム粒子は、直径が1μm以下であることが好ましい。また、本発明に係る窒化アルミニウム粒子は、窒化率が100%で、表面から中心まで窒化されていてもよく、表層部が窒化アルミニウムから成り、中心部がθアルミナ、δアルミナ、または酸窒化アルミニウム(AlON)から成っていてもよい。

0020

本発明に係る窒化アルミニウム粒子は、好適には本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造装置を使用して、本発明に係る窒化アルミニウム粒子の製造方法により製造することができる。本発明に係る窒化アルミニウム粒子は、窒化率が60%以上と高く、熱伝導率および電気絶縁性が高いため、電子部品装置や半導体装置等の封止樹脂中に含有するフィラーとして使用されると、高い性能を発揮することができる。また、真球度が0.89以上であるため、フィラーとして使用したとき、封止樹脂中に均一かつ多量に含有させることができる。

発明の効果

0021

本発明によれば、原料のアルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができ、窒化率を高めることができる窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子を提供することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造装置を示す正面図である。
図1に示す窒化アルミニウム粒子の製造装置により、1200℃で3時間加熱したときの(a)様々な窒素気流の流量で得られた窒化アルミニウム粒子のXRDパターン、(b)原料のアルミナ粒子の走査型電子顕微鏡写真、(c)窒素気流の流量が2.0リットル/分のときに得られた窒化アルミニウム粒子の走査型電子顕微鏡写真である。
図1に示す窒化アルミニウム粒子の製造装置により、1400℃で1時間加熱したときの(a)窒素気流の流量が2.0リットル/分のときに得られた窒化アルミニウム粒子(「本手法」)、電気炉で加熱して得られた粒子(「電気炉」)、および原料のアルミナ粒子(「raw」)のXRDパターン、(b)電気炉で加熱して得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真、(c)窒素気流の流量が2.0リットル/分のときに得られた窒化アルミニウム粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

0023

以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図3は、本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法、窒化アルミニウム粒子の製造装置および窒化アルミニウム粒子を示している。
図1に示すように、窒化アルミニウム粒子の製造装置10は、収納容器11と加熱手段12と断熱部材13と窒素気流形成手段14とを有している。

0024

収納容器11は、石英製で耐熱性細長い坩堝から成り、両端面にそれぞれ開口11aが形成されている。収納容器11は、中央部に窒化アルミニウム粒子の原料となるθアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子と、カーボン粒子との混合物1を収納し、その混合物1が動かないよう、両端部に石英ウール2を収納するよう構成されている。

0025

加熱手段12は、マイクロ波反射炉から成り、その内部に収納容器11を収納可能になっている。加熱手段12は、マイクロ波を照射して、収納容器11に収納された混合物1を、1100℃〜1400℃で加熱するよう構成されている。断熱部材13は、加熱手段12のマイクロ波反射炉の内部で、収納容器11を覆うよう設けられている。

0026

窒素気流形成手段14は、収納容器11の内部と連通するよう、それぞれ収納容器11の両端の開口11aに接続された1対の石英管14a,14bを有している。各石英管14a,14bは、加熱手段12のマイクロ波反射炉の内部に収納された収納容器11から、加熱手段12のマイクロ波反射炉の外部まで伸びるよう配置されている。窒素気流形成手段14は、収納容器11に収納された混合物1に窒素が当たるよう、一方の石英管14aから収納容器11の内部に向かって窒素を流すことにより、一方の石英管14aから収納容器11の内部を通って他方の石英管14bまで流れる窒素気流を形成可能になっている。

0027

窒化アルミニウム粒子の製造装置10は、本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法を好適に実施することができる。すなわち、まず、原料のθアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子と、カーボン粒子とを混合し、その混合物1を収納容器11の中央部に収納し、その混合物1が動かないよう、その両脇に石英ウール2を収納する。次に、その収納容器11を加熱手段12のマイクロ波反射炉の内部に収納し、収納容器11の両端に各石英管14aを接続し、収納容器11を断熱部材13で覆う。窒素気流形成手段14で収納容器11に収納された混合物1に窒素気流を当てながら、加熱手段12で混合物1を1100℃〜1400℃で加熱する。これにより、アルミナ粒子の少なくとも表面が窒化された窒化アルミニウム粒子を得ることができる。

0028

本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法は、原料としてθアルミナ粒子および/またはδアルミナ粒子から成るアルミナ粒子を使用することにより、そのアルミナ粒子とカーボン粒子との混合物1を加熱して窒化アルミニウム粒子を得る際の加熱温度を下げることができる。また、比較的短時間で窒化アルミニウム粒子を製造することができる。

0029

このように、本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法は、1400℃以下の比較的低い温度で窒化アルミニウム粒子を得ることができるため、原料のアルミナ粒子が変形するのを防ぐことができ、原料のアルミナ粒子の形状を保持した窒化アルミニウム粒子を得ることができる。このため、例えば、原料のアルミナ粒子として、球状のものを使用すると、球状の窒化アルミニウム粒子を得ることができる。得られた球状の窒化アルミニウム粒子はフィラーとして使用可能であり、電子部品装置や半導体装置等の封止樹脂中に均一かつ多量に含有させることができる。また、原料のアルミナ粒子の径とほぼ同じ径の窒化アルミニウム粒子を得ることができるため、原料のアルミナ粒子の径を調整することにより、所望の径の窒化アルミニウム粒子を得ることができる。

0030

また、本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法は、1400℃以下の比較的低い温度で窒化アルミニウム粒子を得ることができるため、エネルギー消費量を抑制することができる。また、収納容器11が、安価な石英製の坩堝から成り、BN等の高価な材料のものを用いる必要がない。また、断熱部材13も、安価なものを使用することができ、高純度アルミナなどの高価な材料のものを用いる必要がない。このように、本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法によれば、比較的安価に窒化アルミニウム粒子を製造することができる。

0031

本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法は、窒素気流中で混合物1を加熱するため、その加熱時の反応により発生するCOを、その反応系から排出することができ、逆反応を防止することができる。このため、加熱による反応を促進して窒化率を高めることができ、アルミナ粒子の表面のみが窒化された窒化アルミニウム粒子だけでなく、表面から中心まで窒化された窒化アルミニウム粒子を得ることもできる。また、窒素気流により加熱温度を下げることができるため、原料のアルミナ粒子の変形防止効果を高めることができる。

0032

本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法は、加熱手段12のマイクロ波を用いて効率的に混合物1を加熱することができる。また、1400℃以下の比較的低い温度で加熱すればよいため、マイクロ波吸収体(補助加熱材)のサセプターが不要であり、窒化アルミニウム粒子を比較的簡便かつ安価に製造することができる。

0033

以下、実施例として、図1に示す窒化アルミニウム粒子の製造装置10を用いて、本発明の実施の形態の窒化アルミニウム粒子の製造方法により窒化アルミニウム粒子の製造を行った。

0034

原料のアルミナ粒子として、図2(b)に示すように、直径が数10nm〜500nmの球状のものを用いた。原料のアルミナ粒子は、θアルミナ粒子およびδアルミナ粒子が混ざったものから成っている。また、カーボン粒子としてカーボンブラックを用いた。窒素気流形成手段14による窒素気流の流量を、0.5、1.0、2.0、3.0リットル/分とし、加熱手段12により、1200℃で3時間加熱した。それぞれの窒素気流の流量のときに得られた粒子について、X線回折により分析を行った。そのときの各XRDパターンを、図2(a)に示す。また、窒素気流の流量が2.0リットル/分のときに得られた粒子を、図2(c)に示す。

0035

図2(a)に示すように、窒素気流の流量が1.0および2.0リットル/分のとき、原料のθアルミナ粒子(θ−Al2O3)やδアルミナ粒子(δ−Al2O3)が若干残っているものの、窒化アルミニウム(AlN)のピークが高くなっており、窒化率が高いことが確認された。また、窒素気流の流量が0.5リットル/分のときには、AlNのピークが目立たず、原料のθアルミナ粒子やδアルミナ粒子だけでなく、αアルミナ粒子(α−Al2O3)のピークも認められた。また、窒素気流の流量が3.0リットル/分のときには、AlNのピークはやや高くなっているが、原料のθアルミナ粒子やδアルミナ粒子だけでなく、αアルミナ粒子のピークも認められた。図2(c)に示すように、窒素気流の流量が2.0リットル/分のときに得られた粒子は球状であり、図2(b)に示す原料のアルミナ粒子の形状を良く保持していることが確認された。

0036

原料のアルミナ粒子として、直径が数10nm〜500nmの球状のものを用いた。原料のアルミナ粒子は、θアルミナ粒子およびδアルミナ粒子が混ざったものから成っている。また、カーボン粒子としてカーボンブラックを用いた。窒素気流形成手段14による窒素気流の流量を1.0リットル/分とし、加熱手段12により、1400℃で1時間加熱した。得られた粒子についてX線回折により分析を行った。そのときのXRDパターンおよび顕微鏡写真を、それぞれ図3(a)および(c)に示す。なお、比較のため、同じ原料粒子の混合物1に対して、窒素気流を用いず、窒素雰囲気の電気炉中で、1400℃で1時間加熱を行って得られた粒子のXRDパターンを図3(a)中に、その粒子の顕微鏡写真を図3(b)に示す。また、原料のアルミナ粒子(図中の「raw」)のXRDパターンを図3(a)中に示す。

0037

図3(a)に示すように、1.0リットル/分の窒素気流を用いたとき、AlNの高いピークのみが認められ、原料のアルミナ粒子が内部まで窒化された窒化アルミニウム粒子になっていることが確認された(窒化率100%)。また、図3(c)に示すように、このとき得られた窒化アルミニウム粒子は球状であり、原料のアルミナ粒子の形状を良く保持していることが確認された。これに対し、図3(a)に示すように、電気炉を用いたときには、αアルミナ粒子のピークのみが認められ、原料のθアルミナ粒子やδアルミナ粒子は窒化アルミニウム粒子まで変化しておらず、αアルミナ粒子に相転移することが確認された。また、図3(b)に示すように、このとき得られたαアルミナ粒子は、凹凸や角を有する形状を成しており、原料のアルミナ粒子の形状はほとんど保持されていないことが確認された。

0038

原料のアルミナ粒子として、直径が数10nm〜500nmの球状のものを用いた。原料のアルミナ粒子は、θアルミナ粒子およびδアルミナ粒子が混ざったものから成っている。また、カーボン粒子としてカーボンブラックを用いた。窒素気流形成手段14による窒素気流の流量を1.0リットル/分とし、加熱手段12により、1000℃〜1400℃で、10分〜180分間加熱した。これらの条件で得られた粒子について、窒化率を求め、表1に示す。

0039

なお、窒化率は、各粒子のXRDパターンから、AlN、αアルミナ粒子、γアルミナ粒子、θアルミナ粒子、δアルミナ粒子のそれぞれの最大ピークの強度を求め、以下の式により計算した。
窒化率(%)=a/{(a+b+c+d+e)×100}
ここで、a;AlN(1 0 0)面のピーク強度
b;α−Al2O3(1 1 3)面のピーク強度、
c;γ−Al2O3(4 0 0)面のピーク強度、
d;θ−Al2O3(4 0 3)面のピーク強度、
e;δ−Al2O3(4 0 12)面のピーク強度である。

0040

0041

表1に示すように、1400℃で30分以上、1300℃で60分以上、1200℃で120分以上、1100℃で180分以上加熱したとき、60%以上の窒化率が得られることが確認された。また、1400℃で60分以上、1300℃で90分以上、1200℃で120分以上加熱したときには、80%以上の窒化率が得られることが確認された。特に、1400℃で60分、1300℃で120分加熱したとき、窒化率が95%以上となっており、内部まで窒化された窒化アルミニウム粒子が得られることが確認された。なお、900℃以下の加熱温度では、180分加熱しても全く窒化しなかった。

0042

原料のアルミナ粒子として、直径が数10nm〜500nmの球状のものを用いた。原料のアルミナ粒子は、θアルミナ粒子およびδアルミナ粒子が混ざったものから成っている。また、カーボン粒子としてカーボンブラックを用いた。窒素気流形成手段14による窒素気流の流量を0.5〜3.0リットル/分とし、加熱手段12により、1200℃で180分間加熱した。これらの条件で得られた粒子について真球度を求め、表2に示す。なお、真球度は、電子顕微鏡で得られる画像から、粒子の短径を粒子の長径で割って求めた。

0043

実施例

0044

表2に示すように、1200℃の加熱温度では、原料として真球度が0.921のアルミナ粒子を用いたとき、窒素気流の流量が0.5〜3.0リットル/分のとき、真球度が0.89以上の窒化アルミニウム粒子が得られることが確認された。また、窒素気流の流量が2.0〜3.0リットル/分のとき、真球度が0.90以上の窒化アルミニウム粒子が得られることが確認された。特に、窒素気流の流量が2.0リットル/分のとき、真球度が最大となり、真球度が0.91以上の窒化アルミニウム粒子が得られることが確認された。このように、1200℃で180分間の加熱により得られた窒化アルミニウム粒子の真球度は、原料のアルミナ粒子の真球度とほぼ同じであり、原料のアルミナ粒子の形状を良く保持しているといえる。

0045

1 混合物
2石英ウール
10窒化アルミニウム粒子の製造装置
11収納容器
11a 開口
12 加熱手段
13断熱部材
14窒素気流形成手段
14a,14b 石英管

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  • 太平洋セメント株式会社の「 窒化物の粉砕方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】粉砕時の酸素の混入が抑制された、窒化物の粉砕方法を提供すること。【解決手段】周期表第5族、第13族及び第14族から選ばれる1又は2以上の元素を有する窒化物に、周期表第1族及び第2族から選ばれる... 詳細

  • 太平洋セメント株式会社の「 窒化物の粉砕方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】粉砕時の酸素の混入が抑制された、窒化物の粉砕方法を提供すること。【解決手段】周期表第5族、第13族及び第14族から選ばれる1又は2以上の元素を有する窒化物を、還元ガスを含む雰囲気下にて粉砕する... 詳細

  • 太平洋セメント株式会社の「 窒化ガリウムの粉砕方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】媒体粉砕装置を用いて粉砕したときの不純物の混入が抑制された窒化ガリウムの粉砕方法を提供すること。【解決手段】窒化ガリウムを、粉砕媒体表面及び粉砕容器内面がガリウム膜で被覆された媒体粉砕装置を用... 詳細

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