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技術 粉砕熱処理小麦粉の製造方法及びベーカリー食品用ミックスの製造方法

出願人 日清フーズ株式会社
発明者 福田真人吉田匡福留真一田上祐二榊原通宏
出願日 2016年4月5日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2016-075594
公開日 2017年2月16日 (4年9ヶ月経過) 公開番号 2017-035074
状態 特許登録済
技術分野 穀類誘導製品 ベイカリー製品及びその製造方法
主要キーワード 移送路内 粉体移送装置 バームクーヘン 押出具 加熱処理済み 衝撃式粉砕 製造結果 非熱処理
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月16日)のものです。
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課題

甘い食味で且つしっとりもっちりした食感を有し、食感の経時的な劣化が起こり難いベーカリー食品を製造可能で、且つ二次加工特性に優れ、該ベーカリー食品を効率良く製造し得る粉砕熱処理小麦粉及びベーカリー食品用ミックスを提供すること。

解決手段

本発明の粉砕熱処理小麦粉の製造方法は、小麦粉100質量部に対し、水を15質量部以上40質量部以下加えて混合物を得、該混合物を70℃以上100℃未満の雰囲気温度で3秒間以上60秒間以下加熱した後、粉砕する工程を有する。前記粉砕によって、前記加熱後の小麦粉の粒径を400μm以下に調整することが好ましい。

概要

背景

従来、小麦粉に含まれる夾雑蛋白質や酵素失活させて製パン適性等の二次加工特性を改良する目的で、小麦粉を加熱処理することが知られている。しかしながら、小麦粉の加熱処理は、加熱条件によっては小麦粉の二次加工特性に有益な効果を有するグルテン等の小麦蛋白質変性させてしまうため、却って二次加工特性を損なうおそれがある。斯かる小麦粉の加熱処理の課題の解決を図った技術に関し、例えば特許文献1には、パン類の製造において、小麦粉を品温100〜155℃で5〜350秒間湿熱処理してなる、熱処理小麦粉を用い、該熱処理小麦粉を小麦粉の全量に対して4〜17質量%添加することが記載されている。特許文献1記載のパン類の製造方法によれば、パン類の製造に使用した際に、生地の弾力と伸展性バランスが非常に良い優れた作業性を示し、ソフトで口溶けの良い優れた食感を示すパン類が得られるとされている。

また特許文献2には、電子レンジ加熱耐性を有するホットケーキ用熱処理小麦粉として、中力粉及び/又は薄力粉を75〜85℃の条件下で5〜15分間間接加熱して得られる熱処理小麦粉が記載されている。この間接加熱は、熱伝導障壁を介して加熱媒体である蒸気又は加圧熱水で加熱する方式であり、特許文献2の〔0006〕には、間接加熱方式の具体例としてプレート式チューブ式が挙げられ、また実施例では、ジャケットリボンミキサーによる加熱方式が採用されている。

概要

甘い食味で且つしっとりもっちりした食感を有し、食感の経時的な劣化が起こり難いベーカリー食品を製造可能で、且つ二次加工特性に優れ、該ベーカリー食品を効率良く製造し得る粉砕熱処理小麦粉及びベーカリー食品用ミックスを提供すること。本発明の粉砕熱処理小麦粉の製造方法は、小麦粉100質量部に対し、水を15質量部以上40質量部以下加えて混合物を得、該混合物を70℃以上100℃未満の雰囲気温度で3秒間以上60秒間以下加熱した後、粉砕する工程を有する。前記粉砕によって、前記加熱後の小麦粉の粒径を400μm以下に調整することが好ましい。なし

目的

本発明の課題は、しっとりもっちりした食感を有し、食感の経時的な劣化が起こり難いベーカリー食品を製造可能で、且つ二次加工特性に優れ、該ベーカリー食品を効率良く製造し得る粉砕熱処理小麦粉及びベーカリー食品用ミックスを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

小麦粉100質量部に対し、水を15質量部以上40質量部以下加えて混合物を得、該混合物を70℃以上100℃未満の雰囲気温度で3秒間以上60秒間以下加熱した後、粉砕する工程を有する粉砕熱処理小麦粉の製造方法。

請求項2

前記粉砕によって、前記加熱後の小麦粉の粒径を400μm以下に調整する請求項1に記載の粉砕熱処理小麦粉の製造方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の製造方法によって製造された粉砕熱処理小麦粉5質量部以上40質量部以下と、非熱処理小麦粉60質量部以上95質量部以下とを混合する工程を有するベーカリー食品ミックスの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、パン類等のベーカリー食品の製造に用いられる熱処理小麦粉及びそれを利用したベーカリー食品用ミックスに関する。

背景技術

0002

従来、小麦粉に含まれる夾雑蛋白質や酵素失活させて製パン適性等の二次加工特性を改良する目的で、小麦粉を加熱処理することが知られている。しかしながら、小麦粉の加熱処理は、加熱条件によっては小麦粉の二次加工特性に有益な効果を有するグルテン等の小麦蛋白質変性させてしまうため、却って二次加工特性を損なうおそれがある。斯かる小麦粉の加熱処理の課題の解決を図った技術に関し、例えば特許文献1には、パン類の製造において、小麦粉を品温100〜155℃で5〜350秒間湿熱処理してなる、熱処理小麦粉を用い、該熱処理小麦粉を小麦粉の全量に対して4〜17質量%添加することが記載されている。特許文献1記載のパン類の製造方法によれば、パン類の製造に使用した際に、生地の弾力と伸展性バランスが非常に良い優れた作業性を示し、ソフトで口溶けの良い優れた食感を示すパン類が得られるとされている。

0003

また特許文献2には、電子レンジ加熱耐性を有するホットケーキ用熱処理小麦粉として、中力粉及び/又は薄力粉を75〜85℃の条件下で5〜15分間間接加熱して得られる熱処理小麦粉が記載されている。この間接加熱は、熱伝導障壁を介して加熱媒体である蒸気又は加圧熱水で加熱する方式であり、特許文献2の〔0006〕には、間接加熱方式の具体例としてプレート式チューブ式が挙げられ、また実施例では、ジャケットリボンミキサーによる加熱方式が採用されている。

先行技術

0004

特開2014−50367号公報
特開2001−346503号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の課題は、しっとりもっちりした食感を有し、食感の経時的な劣化が起こり難いベーカリー食品を製造可能で、且つ二次加工特性に優れ、該ベーカリー食品を効率良く製造し得る粉砕熱処理小麦粉及びベーカリー食品用ミックスを提供することに関する。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、小麦粉100質量部に対し、水を15質量部以上40質量部以下加えて混合物を得、該混合物を70℃以上100℃未満の雰囲気温度で3秒間以上60秒間以下加熱した後、粉砕する工程を有する粉砕熱処理小麦粉の製造方法である。
また本発明は、前記の本発明の粉砕熱処理小麦粉の製造方法によって製造された粉砕熱処理小麦粉5質量部以上40質量部以下と、非熱処理小麦粉60質量部以上95質量部以下とを混合する工程を有するベーカリー食品用ミックスの製造方法である。

発明の効果

0007

本発明の製造方法によって製造された粉砕熱処理小麦粉及びベーカリー食品用ミックスによれば、甘い食味で且つしっとりもっちりした食感を有し、且つ食感の経時的な劣化が起こり難く、例えば、製造後に一日間冷蔵保管した後でも、しっとりもっちりした食感を有するベーカリー食品が得られる。また、本発明の製造方法によって製造された粉砕熱処理小麦粉及びベーカリー食品用ミックスは、二次加工特性に優れているため、このような高品質のベーカリー食品の製造工程において生地にベタツキが生じ難く、製パン時取り扱い性及び作業性に優れ、該ベーカリー食品を効率良く製造することができる。

0008

本発明の粉砕熱処理小麦粉の製造方法においては、先ず、小麦粉100質量部に対し、水を15質量部以上40質量部以下、好ましくは25質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは20質量部以上30質量部以下加え、必要に応じ攪拌するなどして、混合物を得る。加水量が前記特定範囲から外れると、次工程の混合物の加熱処理(湿熱処理)が適切に行われ難いため、後述する実施例と比較例との対比からも明らかなように、本発明の製造結果物である粉砕熱処理小麦粉を用いてベーカリー食品を製造する際の作業性、あるいはそのベーカリー食品の食感等の点で良好な結果が得られない。

0009

本発明で用いる小麦粉としては、ベーカリー食品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができ、例えば、強力粉準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、本発明で用いる小麦粉のアミロースアミロペクチン比は特に定めるものではない。

0010

本発明の粉砕熱処理小麦粉の製造方法においては、次いで、小麦粉及び水を含む混合物を、70℃以上100℃未満、好ましくは80℃以上100℃未満の雰囲気温度で、3秒間以上60秒間以下、好ましくは3秒間以上45秒間以下加熱する。この本発明に係る加熱処理は、小麦粉を水分の存在下で加熱する湿熱処理に相当する。ここでいう「雰囲気温度」は、被加熱物である混合物(小麦粉)の周囲の空間の気温であり、被加熱物自体の温度(品温)ではない。本発明に係る加熱処理において、雰囲気温度又は加熱時間(雰囲気温度を所定範囲に維持する時間)が前記特定範囲から外れると、本発明の製造結果物である粉砕熱処理小麦粉を用いてベーカリー食品を製造する際の作業性、あるいはそのベーカリー食品の食味・食感等の点で良好な結果が得られない。

0011

本発明に係る加熱処理は、例えば、オートクレーブスチームオーブン等の公知の加熱装置を用いて実施できる。本発明に係る加熱処理の一例として、小麦粉及び水を含む混合物をアルミパウチ等の密閉容器封入密閉し、加圧下で加熱する処理が挙げられる。また、本発明に係る加熱処理の他の一例として、小麦粉及び水を含む混合物を密閉容器内に導入した後、必要に応じて該混合物を攪拌しつつ、該容器内に飽和水蒸気を導入して加圧下で加熱する処理が挙げられ、斯かる処理は、例えば一軸又は二軸エクストルーダーを用いて実施できる。この場合、容器内に導入された飽和水蒸気は小麦粉と直接接触するから、斯かる処理は水蒸気を小麦粉に直接当てる加熱処理である。尚、ここでいう「加圧下」は、主として容器内に充満する蒸気によって加圧状態となった場合を意味し、押出具(エクストルーダーが備えるスクリューに相当する部材)のような物体を小麦粉に接触させることによって該小麦粉を加圧状態とした場合は含まない。

0012

本発明に係る加熱処理は、例えば、攪拌移送機構を備え且つジャケット等の加温手段で加温された連続粉体移送装置密封高速撹拌機)を用い、且つ該連続粉体移送装置に小麦粉及び水を含む混合物を連続的に導入して攪拌移送しながら、該装置内に飽和水蒸気を導入して所望の雰囲気温度に設定し、その状態で該小麦粉を所望の時間攪拌することによって実施し得る。この連続粉体移送装置は、導入された小麦粉等の原料を排出口まで移送する移送路と、該移送路内に飽和水蒸気を導入する機構とを備え、該移送路内に、原料の移送方向に延びる撹拌軸と該撹拌軸の周囲に螺旋状に植設された撹拌羽根とを含んで構成される攪拌機が設けられ、該攪拌機によって該移送路内の原料を撹拌可能になされている。この撹拌機は、あくまで前記移送路内の原料を撹拌するための部材であって、原料を前記排出口へ押し出すための押出具ではなく、前記連続粉体移送装置は、そのような押出具(エクストルーダーが備えるスクリューに相当する部材)は備えていない。

0013

本発明の粉砕熱処理小麦粉の製造方法においては、小麦粉及び水を含む混合物を前記のように加熱処理(湿熱処理)した後、粉砕する。即ち、加熱処理済み粉砕処理が施されていない熱処理小麦粉を粉砕する。斯かる粉砕処理を経て得られた粉砕熱処理小麦粉は、二次加工性に優れ、製パン時においてベタツキ発生などによる作業性の低下を招き難く、また、これを用いたベーカリー食品に甘い食味としっとりもっちりとした食感とを付与し得る。粉砕処理の方法は特に制限されず公知の方法を用いることができ、例えば、ロール式粉砕、衝撃式粉砕気流式粉砕、ピンミル式粉砕等が挙げられ、これらの1つを単独で又は2つ以上を組み合わせて用いることができる。

0014

熱処理小麦粉の粉砕は、斯かる粉砕後の熱処理小麦粉即ち粉砕熱処理小麦粉の粒径が、400μm以下、特に200μm以下となるような条件で行うことが好ましい。ここでいう「粒径」は、動的光散乱法を用いて乾式測定した粒子径分布メジアン径を意味する。

0015

尚、本発明においては、熱処理小麦粉の粉砕に先立ち、該熱処理小麦粉に乾燥処理を施しても良い。粉砕処理に供される熱処理小麦粉は、前述した通り、実質的に湿熱処理が施されており、通常湿潤状態であるので、これを粉砕する前に乾燥させることで、粉砕処理をより適切に行うことが可能となる。斯かる乾燥処理は、例えば、乾燥、熱風乾燥流動層乾燥等の公知の乾燥方法によって実施できる。尚、斯かる乾燥処理は、あくまで次工程の粉砕をスムーズに行うために、湿熱処理を経て水分過多になっている熱処理小麦粉の水分を低減させるための処理であって、熱処理小麦粉自体を加熱変性させることを目的とした処理ではなく、従って斯かる乾燥処理には、熱処理小麦粉を熱伝導障壁を介して熱媒体間接的に加熱するいわゆる乾熱処理は含まれない。

0016

本発明の製造結果物である粉砕熱処理小麦粉は、二次加工して種々の食品用途に用いることができる。斯かる粉砕熱処理小麦粉の代表的な用途としてベーカリー食品が挙げられる。本発明でいうベーカリー食品は、穀粉主原料とし、これに必要に応じてイースト膨張剤ベーキングパウダー等)、水、食塩砂糖等の副材料を加えて得られた発酵又は非発酵生地を、焼成、蒸し、フライ等の加熱処理に供して得られる食品をいう。本発明が適用可能なベーカリー食品の例としては、パン類;ケーキ類ワッフルシュービスケット等の焼き菓子ドーナツ等の揚げ菓子等が挙げられる。パン類としては、食パン(例えばロールパン、白パン、黒パン、フランスパン乾パンコッペパンクロワッサン等)、調理パン菓子パン、蒸しパン等が挙げられる。ケーキ類としては、スポンジケーキバターケーキロールケーキ、ホットケーキ、ブッセ、バームクーヘンパウンドケーキチーズケーキスナックケーキ、マフィン、バー、クッキーパンケーキ等が挙げられる。

0017

本発明の製造結果物である粉砕熱処理小麦粉は、ベーカリー食品用ミックスの原料として用いることができる。ベーカリー食品用ミックスは、小麦粉等の穀粉を含む、常温常圧下で粉体のものであり、これに加水混捏して生地を調製し、その生地を加熱することで、ベーカリー食品が得られる。以下、本発明のベーカリー食品用ミックスの製造方法について説明する。

0018

本発明のベーカリー食品用ミックスの製造方法は、前述した本発明の製造結果物としての粉砕熱処理小麦粉と非熱処理小麦粉とを混合する工程を有する。通常は斯かる混合工程によって、製造目的物であるベーカリー食品用ミックスが得られる。非熱処理小麦粉としては、熱処理されていないいわゆる未処理の小麦粉を用いることができ、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0019

前記混合工程において、粉砕熱処理小麦粉の配合量は5質量部以上40質量部以下であり、好ましくは10質量部以上40質量部以下、さらに好ましくは20質量部以上40質量部以下である。また、非熱処理小麦粉の配合量は60質量部以上95質量部以下であり、好ましくは60質量部以上90質量部以下、さらに好ましくは60質量部以上80質量部以下である。斯かる配合量の好ましい範囲において、粉砕熱処理小麦粉及びの配合量と非熱処理小麦粉の配合量との合計は100質量部となるようにすることが好ましい。粉砕熱処理小麦粉の配合量が少なすぎると、ベーカリー食品において経時変化耐性の付与や食味・食感の改善効果が十分に得られないおそれがあり、また、粉砕熱処理小麦粉の配合量が多すぎると、二次加工性が悪化するおそれがある。

0020

前記混合工程においては、前記の粉砕熱処理小麦粉及び非熱処理小麦粉以外の他の成分を含有させることもできる。斯かる他の成分としては、例えば、ライ麦粉大麦粉、そば粉米粉豆粉コーンフラワー等の小麦粉以外の穀粉;馬鈴薯澱粉コーンスターチワキシースターチ小麦澱粉、及びこれらにα化、エーテル化エステル化架橋酸化等の処理を施した加工澱粉炭酸水素ナトリウム重曹)、ベーキングパウダー、炭酸アンモニウム炭酸水素アンモニウム塩化アンモニウム等の膨張剤あるいはイースト;サラダ油等の油脂類;砂糖等の糖類;全卵白卵黄等の卵類牛乳脱脂粉乳バター等の乳製品;食塩等の塩類乳化剤増粘剤酸味料香料香辛料着色料果汁果実ビタミン類等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。

0021

本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。

0022

〔実施例1〜4及び比較例1〜4〕
密閉容器内に強力粉(日清製粉株式会社製、商品名「ミリオン」)及び水を所定量入れて混合し、該密閉容器内の雰囲気温度を所定温度に設定し所定時間加熱した。より具体的には、密閉容器として前記連続粉体移送装置を用い、強力粉に加水したものを該装置内に導入してこれを撹拌しつつ、該装置内に飽和水蒸気を導入し、該装置内の雰囲気温度を所定範囲に設定して所定時間加熱することにより、該強力粉に湿熱処理を施した。湿熱処理後、棚乾燥を用いて、湿熱処理が施された強力粉を乾燥処理した後、粉砕機を用いて、乾燥処理が施された強力粉を粉砕処理した。こうして製造結果物としての熱処理小麦粉(粉砕熱処理小麦粉)を得た。各成分の配合量、製造条件等を下記表1に示す。

0023

〔比較例5〕
粉砕処理を行わなかった以外は実施例2と同様にして、製造結果物としての熱処理小麦粉を得た。各成分の配合量、製造条件等を下記表1に示す。

0024

尚、下記表1では、各実施例及び比較例をI〜IIIの3つのグループに分けているところ、グループIは、小麦粉100質量部に対する加水量を適宜変化させた例であり、グループIIは、加熱処理における雰囲気温度を適宜変化させた例であり、グループIIIは、加熱処理後の粉砕処理の有無を適宜変化させた例である。表の見易さの観点から、下記表1では、実施例1及び2を複数のグループにわたって重複記載している。

0025

試験例〕
各実施例及び比較例の熱処理小麦粉を用いて、下記方法によりベーカリー食品の一種である食パンを製造した。得られた食パンを室温(25℃)で1日間静置した後、食パン製造時の作業性及び食パンの食味・食感を10人のパネラーに下記評価基準に基づいて評価してもらった。評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表1に示す。

0026

〔食パンの製造方法〕
市販の製パンミキサー(株式会社ダルトン製、万能混合機型式DM−03−r)におけるミキシングボウルに、非熱処理小麦粉としての強力粉(日清製粉株式会社製、商品名「ミリオン」)320gと、評価対象の熱処理小麦粉80gと、食塩8gと、砂糖32gと、生イーストオリエンタ酵母工業製「オリエンタルイースト」)9.2gと、イーストフード(オリエンタル酵母工業製「Cイーストフード」)0.4gと、適正量の水とを投入し、ミキシング工程を実施してパン生地を調製した。 具体的には低速で4分間ミキシングを行った後、高速で2分間ミキシングを行い、さらに、16gの油脂を添加して低速で4分間ミキシングを行った後、高速で1分間混捏した(捏上温度27℃)。こうして得られたパン生地を、温度27℃、相対湿度75%の条件下で1時間発酵させた後、450gに分割して丸め、ベンチタイムを30分間とった後、パン生地を棒状にして食パン型に詰めた。そして、ホイロ(温度38℃、相対湿度85%の雰囲気下)を60分間行った後、温度200℃で30分間焼成して食パンを得た。

0027

(食パン製造時の作業性の評価基準)
5点:食パン製造の全工程を通じてパン生地にベタツキがなく、二次加工適性は良好。
4点:食パン製造の工程の一部においてパン生地にベタツキが発生するが、二次加工は問題ない。
3点:食パン製造の全工程を通じてパン生地にベタツキが発生するが、二次加工は問題ない。
2点:食パン製造の全工程を通じてパン生地にベタツキが発生し、パン生地の取り扱いに特段注意をはらわないと二次加工が困難。
1点:食パン製造の全工程を通じてパン生地のベタツキが酷く、二次加工が困難。

0028

(食パンの食味・食感の評価基準)
5点:甘味が非常に強く感じられ、また、全体が充分にしっとりもっちりした食感を有し、食味・食感は良好。
4点:部分的にしっとり感やソフト感欠ける場合があるものの、甘みが感じられ、また、全体としてはしっとりもっちりした食感を有し、食味・食感は問題ない。
3点:甘味がやや感じられ、また、しっとり感やもっちり感が少し感じられる。
2点:甘味はわずかに感じられる程度であり、また、全体にしっとり感やもっちり感が少なく、部分的にパサつく。
1点:甘味が感じられず、また、全体に軟らか過ぎるか又はパサついた食感であり、食味・食感は不良。

0029

0030

〔実施製造例1〜6及び比較製造例1〜3〕
実施例1又は2の粉砕熱処理小麦粉を用い、これと非熱処理小麦粉としての強力粉の配合量を適宜変更して、前記〔食パンの製造方法〕により食パンを製造した。そして、製造した食パンについて、前記〔試験例〕により、食パン製造時の作業性及び食パンの食味・食感を10人のパネラーに前記評価基準に基づいて評価してもらった。評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表2に示す。下記表2中、グループIは、実施例1の粉砕熱処理小麦粉を使用した例であり、グループIIは、実施例2の粉砕熱処理小麦粉を使用した例である。

実施例

0031

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