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技術 インダクタ

出願人 株式会社タムラ製作所
発明者 二宮亨和有間洋山田将司
出願日 2015年7月29日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2015-149950
公開日 2017年2月9日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2017-034001
状態 特許登録済
技術分野 通信用コイル・変成器
主要キーワード 安全規定 前後領域 被装着体 外周角 パーツ毎 絶縁壁 充てる 製造手法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

ボビン巻線部の強度向上及び外形寸法の小型化を図ると共に、生産効率を向上させることができるインダクタの提供。

解決手段

インダクタとしてのコイル1は、磁性材で形成されたトロイダルコア4と、トロイダルコア4の外面上に付着する被覆層として形成されて巻線が巻き回される収容部6とこの外周面28から外方に延び先端部に締結部材を貫通させる固定孔12が形成された腕部10とを有するボビン2とを備えている。ボビン2はインサート成形によりトロイダルコア4及びカラー14と一体に成形されておりトロイダルコア4と収容部6との間に間隙が生じないため、強度の向上を図りつつ外形寸法をより小さくすることができる。また、ボビン2の成形に用いる金型が1つで足り別途組立作業も不要となるため、生産効率の向上に寄与できる。

概要

背景

インダクタにおいては、フェライト等の強磁性体焼結して製造されたコアを、コアが納められる収容部と蓋となるキャップ部との上下2パーツから構成されるボビン(以下、「2パーツ型ボビン」と称する。)に収容してケーシングする製造手法が一般的によく知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

ボビンの巻線部の強度向上及び外形寸法の小型化をると共に、生産効率を向上させることができるインダクタの提供。インダクタとしてのコイル1は、磁性材で形成されたトロイダルコア4と、トロイダルコア4の外面上に付着する被覆層として形成されて巻線が巻き回される収容部6とこの外周面28から外方に延び先端部に締結部材を貫通させる固定孔12が形成された腕部10とを有するボビン2とを備えている。ボビン2はインサート成形によりトロイダルコア4及びカラー14と一体に成形されておりトロイダルコア4と収容部6との間に間隙が生じないため、強度の向上をりつつ外形寸法をより小さくすることができる。また、ボビン2の成形に用いる金型が1つで足り別途組立作業も不要となるため、生産効率の向上に寄与できる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

磁性材で形成されたコアと、前記コアの外面上に付着する被覆層として形成されて巻線が巻き回される収容部と、前記収容部と一体に形成されて前記収容部の外面から外方に延び、先端部に締結部材を貫通させる固定孔を有した腕部とを有する樹脂部材とを備えたインダクタ

請求項2

請求項1に記載のインダクタにおいて、前記樹脂部材は、締結部材による締結力を受ける固定金具が前記固定孔の内側に埋め込まれた状態に成形されていることを特徴とするインダクタ。

請求項3

請求項1又は2に記載のインダクタにおいて、前記樹脂部材は、前記収容部の外面の一部に前記コアの外面を露出させる開口が形成されており、前記開口の近傍に設けられた2枚の絶縁壁が前記開口を挟んで配置されると共に前記腕部の一部を形成していることを特徴とするインダクタ。

請求項4

請求項1乃至3のいずれかに記載のインダクタにおいて、前記樹脂部材は、前記腕部を2つ有しており、前記各腕部は、被装着体への固定時に用いられる位置決め孔をさらに備え、一方の腕部が有する位置決め孔が他方の腕部が有する位置決め孔より大きく形成されていることを特徴とするインダクタ。

技術分野

0001

本発明は、インサート成形によりコアボビンとが一体に形成されたインダクタに関する。

背景技術

0002

インダクタにおいては、フェライト等の強磁性体焼結して製造されたコアを、コアが納められる収容部と蓋となるキャップ部との上下2パーツから構成されるボビン(以下、「2パーツ型ボビン」と称する。)に収容してケーシングする製造手法が一般的によく知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2002−110431号公報

発明が解決しようとする課題

0004

この手法においては、コアを組み入れるために収容部はコアの寸法よりも余裕を持たせて成形されるため、コアを収容した状態においてもボビンとコアとの間には多少の間隙が維持される。よって、この間隙の分だけインダクタの外形寸法が大きくなることは避けられない。また、間隙が存在することによりインダクタの強度はボビンの肉厚に依存することとなるため、ボビンの外郭が薄く成形されている場合には亀裂や破損が生じ易くなる。

0005

さらに、上述のようなボビンを形成するにはパーツ毎金型を用意しなければならない上に、ボビンの形成後にはコアを収容する作業が発生し当然に工数も増えるため、手間やコスト等の観点から生産効率が芳しくない。

0006

そこで本発明は、巻線部の強度を高めつつ外形寸法の小型化を図ると共に、生産効率を向上させることができるインダクタの提供を課題としている。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。

0008

すなわち、本発明に係るインダクタは、磁性材で形成されたコアと、コアの外面上に付着する被覆層として形成されて巻線が巻き回される収容部と、収容部と一体に形成されて収容部の外面から外方に延び、先端部に締結部材を貫通させる固定孔を有した腕部とを有する樹脂部材とを備えている。

0009

このような構成を採ることにより、巻線が巻き回される樹脂部材の収容部がコアの外面上に密着して形成されるため、樹脂部材とコアとの間には間隙が生じない。よって、収容部において2パーツ型ボビンよりも高い強度を発揮することができる。
また、外形寸法が同一の2パーツ型ボビンと比べ、間隙が生じない分だけ大きな容積のコアを収容することができる。言い換えると、コアの寸法が同一である場合には、2パーツ型ボビンよりも外形寸法を小さくしつつコアとしての同等の特性を発揮することが可能となる。
さらに、インダクタが用いられる各種装置の基板等(以下、「被装着体」と称する。)に装着される際に締結部材を貫通させる固定孔までを含めた樹脂部材を、1つの金型のみにより成形することができるため、生産コストの抑制に寄与することができる。

0010

樹脂部材は、締結部材による締結力を受ける固定金具が固定孔の内側に埋め込まれた状態に成形されている。
この態様によれば、樹脂部材の成形過程で固定孔の内側に固定金具が埋め込まれるため、固定孔の強度がさらに高められる。また、樹脂部材の成形後に固定金具を別途嵌め込むといった組立作業が不要なため、生産効率の向上を図ることが可能となる。

0011

また、樹脂部材は、収容部の外面の一部にコアの外面を露出させる開口が形成されており、開口の近傍に設けられた2枚の絶縁壁が開口を挟んで配置されると共に腕部の一部を形成している。
この態様によれば、他に用途がなくデッドスペースとなり得る腕部の根元活用し、この部分に絶縁壁を設けるため、収容部の外面上に巻線を巻き回すスペースを十分に確保しインダクタとしての所望の性能を発揮させつつ、安全規格に定められている絶縁距離を取ることが可能となる。

0012

好ましくは、樹脂部材は2つの腕部を有している。また各腕部は、インダクタが被装着体に固定される際に用いられる位置決め孔をさらに備えており、一方の腕部が有する位置決め孔の断面積が他方の腕部が有する位置決め孔より大きく形成されている。
この態様によれば、位置決め孔に貫通させる被装着体に設けられたボスの多少の位置ずれ許容して、ボスを貫通させ易くすることができる。よって、インダクタの被装着体への装着をより容易に行うことが可能となる。

発明の効果

0013

以上のように、本発明のインダクタによれば、樹脂部材がコアと密着して成形されることにより、樹脂部材とコアとの間に間隙が生じないため、巻線を巻き回す領域の強度を向上させることができるだけでなく、樹脂部材とコアとの間に間隙がない分だけ、2パーツ型ボビンに比して外形寸法を小さくすることができる。

0014

また、樹脂部材と固定金具とも密着して成形されることにより固定孔の強度を高めることができるのに加え、樹脂部材と固定金具を別途組み立てる作業が不要となり生産効率の向上を図ることが可能となる。

図面の簡単な説明

0015

一実施形態のコイルを表す斜視図である。
一実施形態のコイルに巻線が施される前の状態を表す斜視図である。
一実施形態のコイルを表す平面図である。
一実施形態のコイルを表す正面図及び厚み方向に切断した場合の縦断面図(図3中のIV−IV線矢視図)である。
一実施形態のコイルを表す底面図及び底面側からみた斜視図である。
一実施形態のコイルを開口位置において厚み方向に切断した場合の縦断面図(図3中のVI−VI線に沿う断面図)である。
他の実施形態のコイルを表す平面図及び底面図である。
他の実施形態のコイルを高さ方向に切断した場合の縦断面図(図7(A)中のVIII−VIII線に沿う断面図)である。
他の実施形態のコイルにおける収容部端面の内周角に形成された溝の拡大縦断面図(図8中の一点鎖線IXに囲まれた枠内の拡大図)である。
他の実施形態のコイルにおける収容部底面の一部の拡大図(図7(B)中の一点鎖線Xに囲まれた枠内の拡大図)である。
他の実施形態における2層巻コイルが被装着体に装着された状態で高さ方向に切断した場合の縦断面図(図10(C)中のXI−XI線に沿う断面図)である。
環状部下端面を構成する樹脂部材における外周側の厚みと内周側の厚みの違いを説明する図である。
更なる実施形態のコイルを表す平面図である。

実施例

0016

以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態ではインダクタの一例としてコイルを取り上げるが、本発明はこの例示に限定されるものではない。また、発明の理解を容易とするために、図面上の表現には若干の誇張デフォルメが含まれる場合がある。

0017

図1は、一実施形態のコイル1を表す斜視図である。
コイル1は、樹脂で形成されたボビン2内にトロイダルコア4(図1では隠れている)を収容し、ボビン2の外面に沿って巻線20(一部にのみ符号を付す)を巻き回した構成である。このためボビン2は収容部6を有しており、この収容部6は環状に形成されてその内部にトロイダルコアを収容する空間を有している。また、ボビン2は2つの腕部10を有しており、これら腕部10は、収容部6の外周面28から外方(側方)に延びている。コイル1は、電子部品として被装着体に装着され、例えばねじ等の締結部材により固定された状態で使用される。なお、本実施形態のコイル1においてはトロイダルコア4を用いるが、コアの形状は環状に限定されず、例えば角が円弧状に形成された正方形長方形でもよい。

0018

腕部10は、上記のようにコイル1を固定するための部位である。このため、腕部10の端部にはそれぞれ固定孔12が形成されており、各固定孔12には金属製のカラー14が埋め込まれている。コイル1は、これら固定孔12(具体的にはカラー14)を通じて被装着体へのねじ留めが可能となっている。また、各腕部10の端部には固定孔12に隣接して位置決め孔16が形成されている。これら位置決め孔16は、ねじ留め時に被装着体との位置決めを行うためのものである。

0019

より詳細には、腕部10は、平板状をなす2枚の絶縁壁18及び支持壁24を有しており、このうち2枚の絶縁壁18は、収容部6の外周面28に基端が接続されて外方に延びている。支持壁24は、ちょうど2枚の絶縁壁18の間に挟まれる位置に形成されており、その基端は同じく外周面28に接続されている。なお、外周面28において絶縁壁18及び支持壁24はいずれも、コイル1の中心軸線の方向に立ち上がるようにして配置されている。また、図1には示されていないが、絶縁壁18と支持壁24との間には、これらと直交する方向に拡がる板状の部位が形成されている。

0020

腕部10の先端部分には軸受盤26が形成されており、この軸受盤26はコイル1の中心軸線と直交する方向(収容部6の端面と並行)に拡がる平板状をなしている。上記の固定孔12及び位置決め孔16は、軸受盤26を厚み方向に貫通して形成されている。なお軸受盤26は、支持壁24とその両側の絶縁壁18とによって支持されている。

0021

図2は、一実施形態のコイル1に巻線20が施される前の状態を表す斜視図である。
図2中、収容部6の上端面30t及び外周面28を形成する樹脂の一部を破断して示すように、収容部6内にはトロイダルコア4が内面に密接した状態で収容されている。トロイダルコア4は、ダストコア純鉄センダスト、フェライト、アモルファス積層鋼板等の磁性材料により形成されている。トロイダルコア4の外面上には、PPS(ポリフェニレンスルファイド)等の熱可塑性樹脂により収容部6が形成されている。収容部6の周面は、概ね0.8〜1.5mm程度の厚みとなるよう形成されているが、求められる強度に応じて望ましい厚みを適宜選択し形成することができる。

0022

本実施形態のコイル1においては、インサート成形を通じてボビン2とトロイダルコア4とが一体成形されており、その成形過程でボビン2に収容部6及び腕部10が樹脂成形される。このため、完成状態でみてボビン2の収容部6とトロイダルコア4との間には間隙が存在しない。ボビン2の腕部10にはさらに、固定孔12の内側に配置されたカラー14もまた一体成形されており、カラー14は固定孔12内に予め埋め込まれて密着している。つまり、樹脂製のボビン2は、金属製のトロイダルコア4及びカラー14と一体成形されている。

0023

一体成形においては、本実施例で用いたPPS以外にも、例えばエボキシ樹脂不飽和ポリエステル系樹脂ウレタン樹脂BMCバルクモールディングコンパウンド)、PBTポリブチレンテレフタレート)等の樹脂を用いることが可能である。
なお、一体成形については詳しく後述する。また、これ以降の説明において特に断らない限りは、巻線20が巻き回される前の状態のコイル1について説明することとする。

0024

図3は、一実施形態のコイル1を表す平面図である。
収容部6は、上述したように環状に形成されており、上端面30tの外周及び内周が略正円に形成されている。収容部6の外周上には2つの腕部10が略等間隔に配置されており、各々が外方に延びるようにして設けられている。図3中、収容部6の中心を通る水平に示された一点鎖線との関係から明らかなように、各腕部10の根元を成す絶縁壁18は、外周の径方向に対し所定の角度を成して収容部6の外周面28に連なっている。

0025

腕部10の固定孔12は、上記のようにコイル1を被装着体に固定させる際に用いられる。固定孔12の内側に埋め込まれたカラー14は、ねじ留めの際に固定孔12を補強する。カラー14は樹脂や鉄、合金等により形成されている。また、位置決め孔16を用いた位置決めは、例えば、被装着体に設けられたボスを位置決め孔16に貫通させることで行うことができる。

0026

各腕部10に1つずつ設けられた位置決め孔16は、それぞれ形状が異なり、このうち1つは略正円、もう1つは楕円状に形成されている。このように、1つの位置決め孔16については若干の遊びを持たせた形状としておくことで、多少の位置ずれを許容してボスを貫通させ易くし、コイル1の被装着体への装着を容易にしている。

0027

図4は、一実施形態のコイル1を正面側から表す図である。ここでは、図4中(A)にコイル1の正面図を示し、図4中(B)に縦断面図を示す。
図4中(A):腕部10の絶縁壁18は、その基端が収容部6の外周面28の高さ方向でみた全域に拡がっており、基端から先端に向けて先細った形状をなしている。軸受盤26は、絶縁壁18の先細った先端部分に接続されている。

0028

また、絶縁壁18は、外周面28の下端位置では基端からある程度先までを等幅(同じ高さ)に形成されており、この等幅な部分は収容部6の下端面30bより張り出して下方に延びている。こうした形状は、収容部6の内部に収容されるトロイダルコア4と収容部6の外面に巻き回される巻線20(図4では不図示)との絶縁距離を確保するためのものである。なお、絶縁距離の確保については、改めて後述する。

0029

収容部6の端面30と外周面28との間に連なる隅角部である外周角34gは、略円弧状の滑らかな曲面に形成されている。この形状により、巻線20に損傷を与えずに外周面28に沿って巻線20を巻き回すことができる。

0030

図4中(B):ここには、コイル1を収容部6とカラー14の中心点を通過する線で高さ方向に切断した場合の断面(図3中のIV−IV線に沿う断面)を示す。この図からも明らかなように、トロイダルコア4は、収容部6の内面に隙間なく密着した状態で収容されている。また、カラー14は、腕部10が備える軸受盤26に形成された固定孔12の内側面に密着している。ボビン2は、予めトロイダルコア4及びカラー14がセットされた金型を用いてインサート成形されることにより、トロイダルコア4及びカラー14と共に一体に成型されている。そのため、ボビンとコアを別体とした構造とは異なり、収容部6とトロイダルコア4との間には隙間が生じることなく、これらの間は収容部6を形成する樹脂で埋め尽くされている。

0031

本実施形態に対する比較例として、収容部とキャップ部とで構成される2パーツ型ボビンを用いた場合は、コアを収容した後もボビンとの間に多少の空間が維持され続ける。この空間の存在により、ボビンの巻線に対する強度はボビンを形成する樹脂の厚みに依存することとなるため、割れや損傷の懸念が付き纏う。これに対し、本実施形態のコイル1のようにボビン2とトロイダルコア4が一体成形されていれば、両者の間に隙間が生じないため前述のような強度の懸念から解放される。さらに、一体成形されたボビン2は、隙間がない分だけより大きな容積のトロイダルコア4を収容することができる。言い換えると、コアの寸法が2パーツ型ボビンと同一である場合には、ボビンの外形寸法をより小さくしつつコアとしての同等の特性を発揮することが可能となる。

0032

本実施形態においては、トロイダルコア4とボビン2に加えカラー14も一体成形されている。これにより、成形に用いる金型が1つだけで済む上に、ボビン2の成形と同時にカラー14が固定孔12を形成する樹脂に密着するため、ボビンとカラーを別途組み立てる場合と比較して製造効率の向上及びコストの削減を図ることができる。また、固定孔12にカラー14が設けられることにより固定孔12が補強され、孔の強度がより一層高められる。

0033

図5は、一実施形態のコイル1を底面側から表す図である。ここでは、図5中(A)をコイル1の底面図とし、図5中(B)を底面側からみた斜視図とする。
図5中(A):絶縁壁18と外周面28との間に連なる隅角部の下端においては、絶縁壁18が下端面30bよりも下方に張り出し、下端面30bの外周角34gに被さるようにして形成されている。

0034

図5中(B):この図に示されるように、収容部6の外周面28には部分的に開口8が形成されており、開口8は、ちょうど2枚の絶縁壁18と支持壁24に挟まれる位置(1つの腕部10あたり2箇所)で、その下端寄りに位置している。開口8は、樹脂で被覆されずに外部に開いているため、収容部6に収容されたトロイダルコア4の表面は開口8を通じて外部に露出している。このような開口8は、ボビン2をインサート成形する際に必然的に生じたものである。

0035

〔開口に伴う絶縁距離の確保〕
図6は、一実施形態のコイル1を開口8が形成されている位置において高さ方向に切断した場合の縦断面図(図3中のVI−VI線に沿う断面図)である。この図では、収容部6の外面に開口8が生じる経緯についての理解を容易にするために、インサート成形に用いる成形金型22のうち、収容部6の下方を形成する部位のみを二点鎖線で示したが、実際にはボビン2全体を覆う形状を成している。

0036

ボビン2をインサート成形する過程において、まず成形金型22の所定の位置にトロイダルコア4がセットされ、その後にボビン2を形成する樹脂が成形金型22の上方から射出充填される。予め成形金型22には、その内部でトロイダルコア4を位置決めするための爪が両側に2つずつ形成されている。樹脂が上方から射出されることにより、トロイダルコア4が樹脂の射出圧で下方に押さえつけられるため、トロイダルコア4をその下側に位置する爪のみで安定して支持することができる。このように成形された結果として形成される成形金型22の爪とトロイダルコア4との接点(爪の跡に相当)が開口8となる。トロイダルコア4は成形金型22の爪により下方から支持されていたため、開口8は外周面28の下端寄りに形成される。充填された樹脂が固化したら、トロイダルコア4及びカラー14と一体に成形されたボビン2、すなわち巻線20が施される前段階のコイル1が成形金型22から取り出される。このとき、成形金型22とトロイダルコア4との接点となっていた開口8を覆うものがなくなり、トロイダルコア4が外部に露出することとなる。

0037

このようにしてトロイダルコア4が外部に露出するため、ボビン2に巻き回す巻線20との間には十分な絶縁距離の確保が必要となる。そこで、本実施形態のボビン2においては、周方向でみて開口8の両側に2枚の絶縁壁18を設け、開口8と巻線20の巻き回し領域とを隔離させている。これにより、各種安全規格に規定されている絶縁距離を確保することが可能となる。

0038

ところで、腕部10は、被装着体へコイル1を装着させる上で用いられる軸受盤26を収容部6に連結させる役割を担っており必要不可欠である。絶縁壁18もまた、上述のようにトロイダルコア4と巻線20との間の絶縁距離を確保する役割があり、欠かせない部材である。仮に腕部10と絶縁壁18とを個別に設けた場合、それぞれが外周面28に接続するためのスペースが必要となる。この場合、必要なスペースの分だけ収容部6に巻線20を施すスペースが縮小して巻き回し数が減少するため、コイルとしての性能低下が避けられない。また、腕部10は軸受盤26を支持するためだけに存在することとなり、その根元部分はデッドスペースになる。

0039

そこで、本実施形態のコイル1においては、絶縁壁18が腕部10の根元を兼ねることにより、デッドスペースとなり得る部位を有効活用すると同時に、外周面28のうち開口8を挟んだ必要最小限の領域以外は巻線20のための領域に充てることを可能としている。これにより、収容部6に巻線20を巻き回すスペースを十分に確保して、コイルとしての所望の性能を発揮させることが可能となる。

0040

〔第2実施形態〕
図7は、他の実施形態によるコイル101を表している。
図7中(A):第2実施形態のコイル101を表す平面図である。この図に示されるように、上端面30tの内周側、すなわち上端面30tと内周面32との間に連なって形成された隅角部である内周角34nには、複数のガイド溝40が周方向に配列して形成されている。

0041

ガイド溝40は、巻線20を収容部6の外面に沿って整列した状態で巻き回せるように誘導するための窪みである。上端面30tの円周長は外周側に比べ内周側がより短く、それだけ巻線20を巻き回すスペースが狭いため、内周側の隅角部付近では、巻き数の増加に伴い巻線20が重なり易くなる。このとき、巻き終わりの状態における巻線20の重なり具合が均一でない場合、コイルの端面(巻線20の集合により形成される面)には不規則凹凸が生じる。このため、コイルの使用時にこの端面に対向して放熱部材図7には不図示)を配置しても、この放熱部材にはコイルが放出する熱を効率よく吸収させることができない。過熱によるコイルの性能低下を回避するにはコイルの放熱性能を向上させる必要があり、このためコイルの端面は、放熱部材に対してより広い面積で接触できるよう、なるべく平坦に仕上がっていることが望ましい。

0042

そこで、第2実施形態のコイル101では、内周角34nにガイド溝40を形成して、巻線20の狙った位置への配置を可能とすることにより、巻き回しに伴う巻線20の整列の促進を図っている。これにより、コイル101の端面に不規則な凹凸が形成されることなく、端面をより一様で平坦な状態に仕上げることができる。結果として、コイル101から放出される熱を放熱部材に効率よく行き渡らせ、コイル101の放熱性能を向上させることができる。なお、巻線20の整列については、さらに詳しく後述する。

0043

図7中(B):第2実施形態のコイル101を表す底面図である。上端面30tと同様に、下端面30bにおいても内周角34nにガイド溝40が形成されている。また、絶縁壁18と外周面28との間に連なる隅角部の下端においては、絶縁壁18が下端面30bよりも下方に張り出し、下端面30bの外周角34gに被さるようにして形成されている。

0044

図8は、第2実施形態のコイル101を高さ方向に切断した場合の縦断面図(図7(A)中のVIII−VIII線に沿う断面図)である。収容部6の端面30と内周面32との間に連なる隅角部である内周角34nは、そのカーブ(いわゆる「R(アール)」)が外周角34gより緩やかであり、また表面の膨らみが削り取られて内側に窪んだ形状に形成されている。これは、内周角34nにガイド溝40が設けられているためである。

0045

〔ガイド溝〕
図9は、第2実施形態のコイル101において内周角34nに形成されたガイド溝40の拡大縦断面図(図8中の一点鎖線IXに囲まれた枠内の拡大図)である。
図9中(A):ここには、図8中の一点鎖線に囲まれた領域IX内を拡大して示す。この図に示されるように、内周角34nには、複数のガイド溝40が周方向に連なるようにして設けられている。個々のガイド溝40は、端面30の内周面32寄りの端部から内周面32の端面30寄りの端部へと連続する面の一部が削られて窪んだ形状に形成されている。

0046

一般的に、巻線をボビン(トロイダルコア)に巻き回す場合には、巻線を内周角に接触させてボビンの内周側から巻き始める。このとき、内周側は外周側よりもスペースが狭く巻線が密集することから、本来は巻線の重なりが生じないことが望ましい1層巻のコイルにおいても不規則な巻き重なりが生じ易い。また、巻線が巻き膨らむことにより、ボビンの外面に殆ど接触せずに浮いた状態となり易い。

0047

本実施形態によれば、収容部6の外面に巻線20を巻き回す際に、ガイド溝40に巻線20を押し当てて溝にしっかり嵌まった状態で巻き回し始めることができ、ガイド溝40を巻き回しの起点とすれば作業を行い易くなる。また、巻線20の下方が各ガイド溝40に嵌まることにより、内周角34nに巻線20を狙った位置に整列させることができ巻線20の不規則な重なりを防止することが可能となると共に、内周角34nに巻線20を確実に接触させて巻線20の巻き膨らみによる浮きを抑制することが可能となる。

0048

図9中(B):ここでは、図8中の一点鎖線に囲まれた領域XI内を端面図として示している。この端面は、ガイド溝40における溝の最深部の切断面に該当する。本実施形態では、収容部6の端面30及び内周面28を構成する樹脂部材がいずれも厚みwに形成されている。また参考のため、トロイダルコア4の外周縁エッジ)上の1点であるoを中心とする半径wの円弧を二点鎖線で図中に表した。

0049

この図に示されるように、ガイド溝40の最深部はこの円弧よりも深い位置に形成されている。また、ガイド溝40の最深部を成す辺psの一端pは、端面30の内周面32寄りの端部に、他端qは内周面32の端面30寄りの端部にそれぞれ位置している。すなわち、辺pqは端面30の端部が、辺rsは内周面32の端部がそれぞれ削られて生じた辺であり、ガイド溝40が端面30と内周面32との接続部に留まらずその前後領域にかけて形成されていることが分かる。ガイド溝40をこのような形状とすることにより、巻線20がガイド溝40に沿い易くなり、また巻線20が最も重なり易い端面30と内周面32との接続部における巻線20の整列した配置及び高さ調整が可能となる。

0050

個々のガイド溝40の寸法は、幅が巻線20の径と同程度或はそれより大きく、深さは巻線20を巻き回し終えたコイル101の端面が平らとなるように設計される。より具体的には、内周角34nにおいて巻線20を互いに隣接した状態に整列して配置させるため、ガイド溝40の深さは巻線20の半径以下の大きさに設計されている。そして、巻線20をより安定して嵌まり込ませるためには、ガイド溝40の横断面を形成する弧の形状は、ガイド溝40の表面に接することとなる巻線20の横断面の下方を形成する弧と同様の形状であることが好ましい。

0051

〔巻線の整列配置
図10は、収容部6の底面の一部を表す拡大図(図7(B)中の一点鎖線に囲まれた領域X内)である。以下に、巻線20を2層巻にする場合を例として、ガイド溝40により巻線20を整列して配置させる原理を説明する。

0052

図10中(A):巻線20が巻き回されていない状態の拡大図である。この図に示されるように、本実施形態においては、ガイド溝40が内周角34nのみに形成されており、外周角34gには形成されていない。また、ガイド溝40が下端面30bの内周面32寄りの端部から内周面32に亘って形成されていることが分かる。

0053

図10中(B):1層目の巻線20aを巻き終えた状態の拡大図である。1層目の巻線20aがガイド溝40に嵌まることにより、内周角34nにおいて巻線20が重なることなく周方向に隣接した状態で整然と配置されている。内周角34nから外周角34gにかけては、巻線20が下端面30bに沿って放射状にほぼ等間隔で巻き回されていることが分かる。

0054

図10中(C):2層目の巻線20bを巻き終えた状態の拡大図である。2層目の巻線20bはガイド溝40には嵌まらず、内周角34nにおいて、整列して配置された1層目の巻線20aが隣り合った中間の位置を狙って配置される。隣り合う1層目の巻線20aの間に収まった2層目の巻線20bは、内周角34nから外周角34gにかけては隣り合う1層目の巻線20aの間を縫うようにして放射状にほぼ等間隔で巻き回される。これにより、二層目の巻線20bを巻き終えた状態の外周角34gは、一層目の巻線20aと二層目の巻線20bとが交互にほぼ等間隔で巻き回された状態となり、巻線20aと巻線20bとが重なることはない。

0055

〔端面の傾斜〕
図11は、第2実施形態における2層巻のコイル101が被装着体に装着された状態で収容部6を高さ方向に切断した場合の縦断面図(図10(C)中のXI−XI線に沿う断面図)である。ここでは1層目の巻線20a及び2層目の巻線20bが巻き回される様子を理解し易くするため、本来ならば図面左方に表わされるべき収容部6の内周面32及びそこに巻き回された巻線20の様子は図示せずに簡略化した。

0056

巻線20を2層巻にする場合、内周角34nでは隣り合う1層目の巻線20aの間に2層目の巻線20bを載せて収める。よって、コイル101完成時における内周角34n付近の高さは、一層目の巻線20aと二層目の巻線20bとが整列して重なる分だけ外周角34g付近に比べ必然的に高くなる。

0057

そこで、本実施形態においては、下端面30bの外周側の厚みを内周側よりも厚く形成している。収容部6の断面をみると、下端面30bを構成する樹脂部材の厚みがその最外縁において最も厚く、外周側から内周側にかけて徐々に薄くなっているため、下端面30bは外周側から内周側に向けて漏斗形状をなし、上向きに傾斜した状態にある。これにより、内周角34nにおいて1層目の巻線20aと2層目の巻線20bとの重なりにより生じた高さが、下端面30bにおける傾斜(樹脂部材の内周側と外周側の厚みの違い)により吸収される。結果として、2層巻のコイル101が完成した段階においてその底面をより平らに近づけることが可能となる。

0058

概して、コイルが被装着体に装着される際には、放熱対策として、コイルの端面に対向するように放熱部材が配置される。例えば、図11に示されるように、コイル101の底面に対向する位置に放熱シート36及びヒートシンク38が相互に平行に配置される。これにより、コイル101が放出する熱を放熱シート36に伝達させ、さらに放熱シート36により伝達した熱をヒートシンク38に放散させることができ、コイル101及びコイル101周辺の温度を効果的に下げることが可能となる。

0059

このとき、仮にコイルの底面に不規則な凹凸(一部は大きく出っ張り、一部は逆に引っ込んでいる凹凸)が形成されていると、部分的に放熱量の大小のが発生するため、コイルが放出する熱を放熱部材に効率よく伝達させることができず、芳しい放熱性能が得られない。本実施形態のごとく、コイル101の放熱部材に対向する側の端面を平らに近づけて形成することにより、この端面を放熱部材にほぼ平行に対向させることができ、結果としてコイル101が放出する熱を放熱部材にまんべんなく効率的に行き渡らせて、コイル101の放熱性能を向上させることが可能となる。

0060

図12は、収容部6の下端面30bを構成する樹脂部材における外周側の厚みと内周側の厚みの違いを説明する図である。

0061

図12中(A):コイル101が2層巻コイルである場合の内周角34n付近における巻線20の重なり方を、3ターン分の巻線20(うち2ターンが1層目の巻線20a、1ターンが2層目の巻線20bである。)の断面により表している。この図に示されるように、本実施形態による2層巻のコイル1においては、断面が略円形に形成された巻線20が用いられる。また、図中には内周角34nが図示されていないが、巻線20が収容部6に巻き回される際には、1層目の巻線20aの下方が内周角34nに設けられたガイド溝40に嵌まることとなる。

0062

まず、1層目の巻線20aの各ターンが相互に隣接した状態に整列して配置され、収容部6の周方向にスパイラル状に巻き回されていく。1層目を巻き終えると、2層目の巻線20bは、1層目の巻線20aの2ターンが内周角34nにおいて隣接することにより形成される谷間に配置される。つまり、2層目の巻線20bは、内周角34n付近において1層目の巻線20a両ターンに接触する。このようにして2層目を巻き終えると、1層目の巻線20aの上に2層目の巻線20bが整列して配置されることにより、内周角34n付近において巻線20を均等に重ならせることができる。このとき、図12中(A)に示されるように、巻線20の断面の半径をrとすると、内周角34n付近で2層分の巻線20により形成される高さHnは、(2+√3)rとなる。

0063

図12中(B):コイル101が2層巻コイルである場合の外周角34g付近における巻線20の様子を、3ターン分の巻線20(うち2ターンが1層目の巻線20a、1ターンが2層目の巻線20bである。)の断面により表している。外周角34gは内周角34nに比べてスペースに余裕があるため、1層目を巻き終えた段階で、1層目の巻線20aにより略等間隔に形成される各ターンの間にはスペースが残されている。2層目の巻線20bはこのスペースを狙って配置されるため、2層分の巻線20を全て巻き終えても外周角34gには巻き重なりが生じない。そのため、図10中(B)に示されるように、外周角34g付近で2層分の巻線により形成される高さHgは、2rとなる。

0064

このように、2層巻のコイル101において2層分の巻線20により生じる高さは、内周角34n付近における高さHnが、外周角34g付近における高さHgと比較して2層目の巻線20bが重なることにより生じるr√3だけ大きくなる。ここに巻き膨らみを考慮すると、r√3より大きくなる場合も有り得る。つまり、内周角34n付近における高さHnと外周角34g付近における高さHgとの差ΔHにおいて、ΔH≒Hn−Hg≧r√3の関係が成り立つ。

0065

図12中(C):収容部6を高さ方向に切断した場合の縦断面図の一部であり、図9に示される収容部6の下方部分に相当する。本実施形態の2層巻のコイル101においては、放熱部材に対向配置される底面をその仕上がり段階で平らに近づけるために、収容部6の下端面30bを構成する樹脂部材の厚みを調整し、外周側の厚みを差分ΔHだけ内周側の厚みより大きく形成している(なお、内周と外周とで溝の深さに差Δdを設ける場合、ΔHにΔdを加減する。)。このような形状に形成することにより、巻線20の巻き重なり方の違いにより生じる内周角34n付近と外周角34g付近とにおける巻線20の高さの差を吸収することができる。これにより、コイル101の底面を平らに近づけることが可能となる。

0066

〔腕部形状のバリエーション
図13は、更なる実施形態によるコイルを表している。上述の実施形態における腕部10が収容部6(外周面28)から径方向(放射状)に延びておらず、径方向に延びる仮想線に対して所定の傾きをもって接続していたのに対し、図13に示された実施形態における腕部50,70は何れも収容部6から径方向に延びており、腕部の形状において大きく相違している。

0067

図13中(A):第3実施形態のコイル41を表す平面図である。この実施形態においては、腕部50が収容部6から径方向に延びており、さらにその太さが一定に形成されている。より具体的には、1つの腕部50が有する1枚の支持壁64とこれを挟む2枚の絶縁壁58とが互いに平行に配置されており、2枚の絶縁壁58を結ぶ最短距離が外周面28に接続する根元部分と軸受盤66に接続する先端部分とで変化していない。

0068

図13中(B):第4実施形態のコイル61を表す平面図である。この実施形態においても、やはり腕部70が収容部6から径方向に延びているが、その太さは根元に近づくにつれて太く形成されている。軸受盤86を上にして腕部70をみた場合に支持壁84の両側に位置する2枚の絶縁壁78が末広がりに配置されており、2枚の絶縁壁78を結ぶ最短距離が、外周面28に接続する根元部分で最も大きく軸受盤86に接続する先端部分で最も小さい。

0069

ボビン2を一体成形するに当たり、腕部はこのように様々な太さや角度で形成することができ、コイルが固定される被装着体の制約等に応じて好ましい形状を適宜選択可能である。なお、腕部の根元を太く形成すると、必然的に収容部6の外面上における巻線20を巻き回すスペースが狭くなるが、インダクタとしての所望の性能を発揮させることができ且つ適切な絶縁距離を確保することができる限りにおいては、第4実施形態として示したコイル61の如き形状も選択可能である。

0070

このように、上述した実施形態のコイル1,41,61,101によれば、収容部6とトロイダルコア4とが一体に成形されており両者間に間隙が生じないため、巻線20を巻き回す領域の強度を向上させることができると同時に、ボビンを用いてケーシングを行う場合に比べて外形寸法を小さくすることが可能となる。

0071

また、腕部10においては固定孔12の内側に予めカラー14が埋め込まれ密着した状態で成形されているため、固定孔12の強度を高めることができるのに加え、ボビンとカラーを別途組み立てる作業が不要となり生産効率の向上を図ることが可能となる。

0072

さらに、ボビン2の成形上必然的に生じる開口8から外部に露出するトロイダルコア4とボビン2に巻き回す巻線20との間に絶縁距離をとるための絶縁壁18を、他に用途のない腕部10の根元部分に設けることにより、デッドスペースとなり得る領域を活用して収容部6の外面上に巻線を巻き回すスペースは十分に確保しながら、安全規定に定められている絶縁距離を確保することができる。

0073

収容部6の内周角34nに複数のガイド溝を形成することにより、狙った位置への巻線20の配置を可能とし、巻線20の重なり合いにより生じ得る不規則な凹凸を抑制して巻き終わりの状態における巻線20を整列させ、端面30をより平らな状態に仕上げることができる。

0074

また、2層巻のコイル101において、ボビン2の寸法が収容部6の内周側にのみ巻線20の重なりが生じ外周側には生じないような大きさに設計されている場合には、端面30のうち放熱部材に対向して配置される下端面30bを外周側から内周側に向けて上向きに傾斜した漏斗形状に形成することにより、内周側において巻線20の重なりにより生じた高さを下端面30bの傾斜により吸収することができる。結果として、コイル101が完成した段階においてその底面をより平らに近づけることが可能となる。

0075

なお、本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することが可能である。

0076

例えば、上述の実施形態においては、インダクタの一例としてコイルを取り上げて説明したが、リアクトル等にも適用することができる。巻線20の巻き回し方は、コイルとしての性能を発揮できれば上述の実施形態とは異なる巻き方を選択することも可能である。

0077

また、固定孔12にカラー14を一体成形することにより固定孔12の強度を上げているが、強度が十分に発揮できる状態に形成されれば、カラー14を用いずに固定孔12のみで締結部材を受け入れてもよい。

0078

腕部10は2本に限定されない。十分な強度を維持できる形状のボビン2を1つの成形金型22を用いて形成するには、上述の実施形態のように腕部10を2つ設けることが最も好ましいが、インサート成形時の各工程に耐えられ、なおかつコイルとしての十分な強度と性能を保てる形状が実現でき、更には絶縁距離を十分に確保可能ならば、1本或は3本以上でも構わない。

0079

さらに、ガイド溝40は、巻線20の太さや巻き回す層数等に応じ適宜好ましい形状や溝の深さを選択することができる。上述の実施形態においては、上下の内周角34nにガイド溝40が形成されていたが、少なくとも放熱部材に対向して配置される下端面30bの内周角34nに形成されていれば、コイル完成時の端面を平らに近づけて放熱効率の向上に寄与できる。

0080

またこれとは反対に、内周角34nに加えて外周角34gにもガイド溝40が形成されてもよい。両側の角34にガイド溝40が形成されることにより、より一層整列した状態で巻線20を巻き回すことができ、コイルの完成時の端面をさらに確実に平らに近づけることが可能となる。

0081

1,41,61,101コイル(インダクタ)
2ボビン(樹脂部材)
4トロイダルコア(コア)
6 収容部
8 開口
10,50,70 腕部
12,52,72固定孔
14,54,74カラー(固定金具)
16,56,76位置決め孔
18,58,78絶縁壁
20巻線,20a 1層目の巻線,20b 2層目の巻線
22成形金型
24,64,84支持壁
26,66,86軸受盤
28外周面
30 端面,30t上端面,30b下端面
32内周面
34 角,34i内周角, 34o外周角
36放熱シート
38ヒートシンク
40 ガイド溝

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