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技術 抄紙用フェルト

出願人 イチカワ株式会社
発明者 荻原泰之村上博文
出願日 2015年7月28日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-159712
公開日 2017年2月9日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-031540
状態 特許登録済
技術分野 紙(4)
主要キーワード 各帯状体 製作状況 帯状体幅 DR方向 丈寸法 マルチフィラメント撚糸 共通孔 螺旋状巻回
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月9日)のものです。
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図面 (7)

課題

平滑性走行定性が改善された抄紙用フェルトを提供する。

解決手段

基布層が、抄紙用フェルトの幅よりも狭い帯状体を、螺旋状に巻回することによって形成され、巻回方向が異なる層を少なくとも二層積層し、該基布層と少なくとも一層のバット層一体化された抄紙用フェルトにおいて、基布層の各層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線が、機械横断方向と平行とならないようにする。

概要

背景

概要

平滑性走行定性が改善された抄紙用フェルトを提供する。基布層が、抄紙用フェルトの幅よりも狭い帯状体を、螺旋状に巻回することによって形成され、巻回方向が異なる層を少なくとも二層積層し、該基布層と少なくとも一層のバット層一体化された抄紙用フェルトにおいて、基布層の各層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線が、機械横断方向と平行とならないようにする。

目的

走行安定性とは、プレス装置に配置された無端状のフェルトが、片寄りおよび蛇行、並びに振動波打ち等が発生せずに、安定して走行することである

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

基布層が、第一基布層及び第二基布層の少なくとも二層を有し、前記第一基布層及び前記第二基布層の各層は、複数の地経糸、複数の地緯糸、第一側縁、第二側縁を有する抄紙用フェルトの幅よりも狭い幅の帯状体を、前記第一側縁及び前記第二側縁が隣接するように螺旋状に巻回し、側縁同士を接合して形成され、前記第一基布層の螺旋状巻回方向と前記第二基布層の螺旋状巻回方向とが異なるように積層され、該基布層と少なくとも一層のバット層一体化された抄紙用フェルトにおいて、前記第一基布層と前記第二基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点の機械横断方向に対するずれの大きさが2cm以上である、前記抄紙用フェルト。

請求項2

前記第一基布層と前記第二基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点の機械横断方向に対するずれの大きさが5cm以上である、請求項1に記載の抄紙用フェルト。

請求項3

前記第一基布層と前記第二基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点の機械横断方向に対するずれの大きさが10cm以上である、請求項1または2に記載の抄紙用フェルト。

請求項4

前記第一基布層の帯状体の幅と、前記第二基布層の帯状体の幅が異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抄紙用フェルト。

請求項5

前記第一基布層の帯状体の幅と、前記第二基布層の帯状体の幅の最小公倍数が、抄紙用フェルトの幅寸法よりも大きいことを特徴とする、請求項4に記載の抄紙量フェルト

技術分野

0001

本発明は、抄紙機に使用される抄紙用フェルト(以下単に「フェルト」ということもある。)に関する。

0002

紙の原料から水分を除去する抄紙機は、一般的にワイヤーパートプレスパートドライヤーパートとを備えている。これらワイヤーパート、プレスパートおよびドライヤーパートは、湿紙の搬送方向に沿ってこの順番に配置されている。湿紙は、抄紙機の進行方向(MD方向:Machine Direction)に垂直な方向(CMD方向:Cross Machine Direction)に一定の幅をもって帯状に抄紙機内を移動し、ワイヤーパート、プレスパート、およびドライヤーパートそれぞれに取り付けられた抄紙用具次々と受け渡されながら搬送されるとともに搾水され、最終的にはドライヤーパートで乾燥される。

0003

プレスパートに配置されたプレス装置は、湿紙の搬送方向に沿って直列に並設された複数のプレス装置を具備する。各プレス装置は、無端状のフェルト、あるいは有端状のフェルトを抄紙機上で連結し無端状にしたフェルトと、当該フェルトそれぞれの一部を間に挟むように上下に対向配置される一対のロール(即ち、ロールプレス)あるいはロールおよびシューを内包する円筒ベルト(即ち、シュープレス)とを有しており、略同一速度で同一方向に走行するフェルトにより搬送されてくる湿紙を、該フェルトと共にロールとロールあるいはロールとシューを内包する円筒ベルトとでプレス加圧することにより、該湿紙から水分を連続的に脱水する。

0004

プレス装置に用いられるフェルトの要求機能としては、搾水性平滑性、走行安定性等がある。搾水性とは、湿紙に含まれる水分を除去することである。この機能を果たすためには、フェルトが優れた圧縮回復特性を有すること、即ち、フェルト無加圧時に、フェルト中にこの水分を除去するための空間(ボイドボリューム)が存在し、フェルト加圧時に、フェルトの密度が最大となって、この空間の容積が減少することによって、水分がフェルト外に放出されることが重要である。また、この搾水性はフェルトの使用期間中維持され、更に除去された水分が再び湿紙に戻らないこと(再湿防止)も重要である。

0005

平滑性とは、湿紙表面、フェルト表面(加圧下のフェルト表面も含む)の平滑性のことである。湿紙はフェルトを介して加圧されるため、フェルト表面状態が、湿紙表面に転写される。従って、湿紙の表面を平滑にするためには、フェルトの表面(加圧下のフェルトの表面も含む)を平滑にしなければならない。

0006

走行安定性とは、プレス装置に配置された無端状のフェルトが、片寄りおよび蛇行、並びに振動波打ち等が発生せずに、安定して走行することである。

0007

新聞紙、上質紙、板紙、家庭紙などのように、紙には様々な種類があり、またこれらを製造する抄紙機にも様々な種類がある。現在、これらの紙や抄紙機に合わせて、様々な種類の抄紙用フェルトが製造されているが、一般的にこのフェルトは、基布層に不織繊維材料バット層一体化させることによって形成される。基布層は、例えば、モノフィラメント糸モノフィラメント撚糸マルチフィラメント糸またはマルチフィラメント撚糸から構成される織布でもよく、この織布は、一重品でも、多重品でもよく、またこれらを積層したラミネート構造でもよい。この糸は、一般に、抄紙用具技術分野の当業者がこの目的のために使用するポリアミド樹脂ポリエステル樹脂などの合成高分子樹脂のいずれかの押し出し成形されたもの、羊毛等の動物性繊維、綿、等の植物性繊維を使用する。

0008

上記基布層には、様々な種類の織布があり、例えば、織機上で無端状となるように製織したり(袋織)、平織された有端状の織布の端部同士を縫合して無端状としたり、また、有端状織布の二つの機械横断方向の端部にシームループを形成し、抄紙機上で両端部のシームループを噛み合わせ、この共通孔内に芯線を挿入することで、無端状としたものがある。

0009

いずれにしても、この基布層は、無端状の形態、または無端状の形態に継ぎ合わせが可能であり、この基布層(フェルト)の丈寸法及び寸法は、各抄紙機械に対応した寸法を有する。当然ながら、各抄紙機は種々の寸法を備えているため、フェルトの基布は、完全なオーダーメードで製造される。

0010

種々の寸法に適合させた基布層を織機で製織することは、非常に生産性が悪く、また歩留まりも悪い。これらの基布層をより効率的に製造するために、抄紙用フェルトの基布層が、抄紙用フェルトの幅寸法よりも狭い幅の帯状体螺旋状に巻回して、帯状体の側縁部同士接合し、形成された基布を、抄紙用フェルトの基布層として用いたものが提案されている(例えば特許文献1〜8)。また、抄紙用フェルトの幅寸法よりも狭い帯状体を螺旋状に巻回して、帯状体の側縁部同士を接合し、形成された基布を、折り畳んで、その折り目部にシームループを形成したもの(例えば特許文献9〜12)、更に、抄紙用フェルトの幅寸法よりも狭い帯状体を螺旋状に巻回して、帯状体の側縁部同士を接合し、形成された基布と無端状基布を積層させたもの(例えば特許文献13〜15)が提案されている。

0011

上記先行技術文献に開示される抄紙用フェルトの帯状体を利用した基布層は、非常に効率的に製造できるものであり、帯状体を利用した基布層を複数層積層する構成においては特に効率的である。しかしながら、効率的に基布層を形成できるといっても、側縁部の接合部は地部と同程度に完全に均一に形成することはできず、この接合部によって、例えば湿紙平滑性(紙マークの発生)、走行性(振動、片寄り、蛇行)の問題を引き起こす恐れがある。

0012

特に、帯状体を利用した基布層を複数層積層する構成、例えば基布層が、第一基布層と第二基布層の二層が積層した構成において、第一基布層の側縁部の接合部と第二基布層の側縁部の接合部の交点が、CMD方向に一直線に並んでしまう場合がある。そして、この部分が、例えば、一対の加圧されるロール間を通過する際の振動起爆点となったり、或いは、サクションボックスを通過する際に異音が発生したりといった、走行性の問題が発生する恐れがある。

先行技術

0013

特表平06−503385号公報特開平10−226978号公報特開2000−027089号公報特開2000−303378号公報特開2001−040594号公報特表2004−510896号公報特表2004−526877号公報特表2006−504873号公報特表平10−513511号公報特開2000−080585号公報特開2000−080586号公報特表2005−521807号公報特表2000−509772号公報特開2000−080584号公報特開2001−003290号公報

発明が解決しようとする課題

0014

本発明は、基布層が、抄紙用フェルトの幅よりも狭い帯状体を、螺旋状に巻回することによって形成され、巻回方向が異なる層を少なくとも二層積層し、該基布層と少なくとも一層のバット層が一体化された抄紙用フェルトにおいて、特に、平滑性、走行安定性が改善された抄紙用フェルトを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、上記課題を解決するために、基布層が、抄紙用フェルトの幅よりも狭い帯状体を、螺旋状に巻回することによって形成され、巻回方向が異なる層を少なくとも二層積層し、該基布層と少なくとも一層のバット層が一体化された抄紙用フェルトにおいて、基布層の各層の側縁部の接合部の交点が、CMD方向に一直線に配列させないことで達成でき、具体的には、以下の技術を適用したものである。

0016

(1)基布層が、第一基布層及び第二基布層の少なくとも二層を有し、前記第一基布層及び前記第二基布層の各層は、複数の地経糸、複数の地緯糸、第一側縁、第二側縁を有する抄紙用フェルトの幅よりも狭い帯状体を、前記第一側縁及び前記第二側縁が隣接するように螺旋状に巻回し、側縁同士を接合して形成され、前記第一基布層の螺旋状巻回方向と前記第二基布層の螺旋状巻回方向とが異なるように積層され、該基布層と少なくとも一層のバット層が一体化された抄紙用フェルトにおいて、前記第一基布層と前記第二基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点の機械横断方向に対するずれの大きさが2cm以上である、前記抄紙用フェルト。

0017

(2)前記第一基布層と前記第二基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点の機械横断方向に対するずれの大きさが5cm以上である、(1)に記載の抄紙用フェルト。
(3)前記第一基布層と前記第二基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点の機械横断方向に対するずれの大きさが10cm以上である、(1)または(2)に記載の抄紙用フェルト。

0018

(4)前記第一基布層の帯状体の幅と、前記第二基布層の帯状体の幅が異なることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか一つに記載の抄紙用フェルト。
(5)前記第一基布層の帯状体の幅と、前記第二基布層の帯状体の幅の最小公倍数が、抄紙用フェルトの幅寸法よりも大きいことを特徴とする、(4)に記載の抄紙用フェルト。

発明の効果

0019

以上の構成により、本発明の抄紙用フェルトは、各層の側縁部の接合部の交点が、CMD方向に一直線に配列しないため、特に、平滑性、走行安定性が改善された抄紙用フェルトを提供することができる。

図面の簡単な説明

0020

本発明の抄紙用フェルトの一例を示す斜視図である。本発明の抄紙用フェルトの基布層の一例及びその製法を示す上面図である。本発明の抄紙用フェルトの基布層の一例を示す上面図である(筋曲げ前)。本発明の抄紙用フェルトの基布層の一例を示す上面図である。本発明の抄紙用フェルトの基布層の別の一例を示す上面図である。本発明の抄紙用フェルトの基布層の別の一例を示す上面図である(筋曲げ前)。

0021

以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による抄紙用フェルトの一例を示す斜視図である。このフェルト1は、複数の地経糸13、複数の地緯糸14、第一側縁11、第二側縁12を有する抄紙用フェルトの幅Wfよりも狭い幅Ws1を有する帯状体15を、前記第一側縁11及び前記第二側縁12が隣接するように螺旋状に巻回することによって側縁同士を接合し、形成された第一基布層10と、複数の地経糸23、複数の地緯糸24、第一側縁21、第二側縁22を有する抄紙用フェルトの幅Wfよりも狭い幅Ws2を有する帯状体25を、前記第一側縁21及び前記第二側縁22が隣接するように螺旋状に巻回することによって側縁同士を接合し、形成された第二基布層20が、第一基布層10の帯状体15と第二基布層20の帯状体25の巻回方向が異なるように積層した基布層4とバット層5が一体化された抄紙用フェルト1である。なお、複数の地経糸13、23及び複数の地緯糸14、24については一部についてのみ記載している。

0022

いうまでもないが、第一基布層10の帯状体15の地経糸13と機械方向(MD方向)に平行なフェルト丈寸法方向には、帯状体の幅Ws1とフェルト丈寸法Lで規定される一定の角度がついていることは自明であり、また同様に、第二基布層20の帯状体25の地経糸23と機械方向(MD方向)に平行なフェルト丈寸法方向には、帯状体の幅Ws2とフェルト丈寸法Lで規定される一定の角度がついていることは自明である。なお、図1においては、理解を容易とするために、バット層5の一部を省略して記載しているが、実際は、バット層5は、基布層4の少なくとも湿紙側面2の全面に均一に配置されている。

0023

また、図1に例示したフェルトの基布層4は、帯状体15を右巻きで螺旋状に巻回して形成された第一基布層10と、帯状体25を左巻きで螺旋状に巻回して形成された第二基布層20を積層した基布層であるが、各層の基布層の帯状体を、左右逆巻で巻回してもよい。ここでいう右巻きとは、図2を用いて説明すると、帯状体の巻初めの方向から、ロール7、ストックロール8を見た場合、ロール7及びストックロール8を右回転する方向のことを言う。
また、図1においては、第一基布層10を抄紙用フェルトの湿紙側に配置し、第二基布層20を抄紙用フェルトの機械側に配置した基布層4を例示しているが、第一基布層10を機械側に、第二基布層20を湿紙側に配置して形成される基布層としてもよい。

0024

また、上記基布層は、上記各基布層と同様な、帯状体を螺旋状に巻回して形成された基布層を更に一層または二層積層し、抄紙用フェルトの基布層を三層構造又は四層構造とすることや、織機上で無端状となるように製織した織布、平織された有端状の織布の端部司士を縫合して無端状とした織布、有端状織布の二つの機械横断方向の端部にシームループを形成し、抄紙機上で両端部のシームループを噛み合わせ、この共通孔内に芯線を挿入することで、無端状とした織布などの公知の基布を積層して用いることもできる。

0025

図2は、本発明による抄紙用フェルトの帯状体を螺旋状に巻回して形成された基布層、例えば第一基布層10の一例及びその製造方法を示す上面図である。図2に示すように、第一基布層10は、帯状体15の端部M0を起点として、2本の平行に配置されたロール(フェルト丈寸法Lを規定するロール)に対し、帯状体15の第一側縁11及び第二側縁12が隣接するように螺旋状に、ロール7並びに帯状体のストックロール8を回転させながら、フェルトの幅Wfが確保されるまで巻回して接合形成される。なお、この時、ストックロール8は、第一基布層10の製作状況に合わせ、左方向に移動する。

0026

隣接する各帯状体15の側縁同士の接合方法は、特に限定されないが、隣接する帯状体15の各側縁部について、ミシン縫合、溶融溶着等を利用して接合することができる。また、各側縁部は隙間が生じない程度に隣接され、接合されることが好ましい。なお、各側縁部が数mm程度重なっていてもよく、本明細書においては、この各側縁部が数mm程度重なる場合についても、隣接されていることに含むこととする。

0027

第二基布層20についても、第一基布層10と同様に製造することができる。即ち、第二基布層20について、図2で例示した第一基布層10と同様に、帯状体25の端部M0を起点として2本の平行に配置されたロール(フェルト丈寸法Lを規定するロール)に対し、帯状体25の第一側縁21及び第二側縁22が隣接するように螺旋状に、ロール7並びに帯状体のストックロール8を回転させながら、フェルトの幅Wfが確保されるまで巻回して接合形成される(図示せず)。なお、この時、ストックロール8は、第二基布層20の製作状況に合わせ、左方向に移動する。なお、本発明の抄紙用フェルト1の基布層4の第一基布層10と第二基布層20の各帯状体15、25の巻回方向は逆向きにして積層するので、第一基布層10又は第二基布層20のいずれか一方について表裏反転して、第一基布層10及び第二基布層20を積層する。

0028

また、第二基布層20については、第二基布層20の帯状体25の端部M0を2本の平行に配置されたロール(フェルト丈寸法Lを規定するロール)の左側に配置し(図2に対し左右対称となるように配置)、帯状体25の第一側縁21及び第二側縁22が隣接するように、ロール7並びに帯状体のストックロールを8を回転させながら、フェルトの幅Wfが確保されるまで巻回して接合形成することもできる(図示せず)。なお、この時、ストックロール8は、第二基布層20の製作状況に合わせ、右方向に移動する。このようにして得られた第二基布層20は、第一基布層10と巻回方向が異なるため、第一基布層10と第二基布層20のどちらも表裏反転せずに積層し、基布層4を得ることができる。

0029

図3は、第一基布層10及び第二基布層20を第一基布層10が湿紙側に、第二基布層20が機械側となるように積層した基布層4を示す上面図である。ここで、第一基布層10の帯状体15の幅Ws1と第二基布層20の帯状体25の幅Ws2は、同一幅として、基布層4を製作すると、図3に示すように、第一基布層10と第二基布層20の側縁部の交点Isを通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線SLと、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点Ifの機械横断方向に対するずれの大きさは0である。即ち、各層の側縁部の交点Is(直線SL)は機械横断方向に平行となる。

0030

この基布層4を基に、抄紙用フェルトを製作し、これを抄紙機で使用した場合、各層の側縁部の交点Isによって、湿紙平滑性(紙マーク)の問題や走行性(特に振動)の問題を引き起こす恐れがある。そこで、図3で得られた基布層に対し、筋曲げを実施し、図4で示すように、各層の側縁部の交点Is(直線SL)が、機械横断方向に対して平行とならないようにする。

0031

筋曲げとは、具体的に、2本のロール間距離、DLとDRにおいて、DRがDLよりも小さくなるように設定し、DR方向から見て、ロール7を左回りに回転させると、DRはDLよりも短いので、DR側の交点IfはDL側の交点Ifに対し早く進行する(図の下方向)。なお、各層の側縁部の交点Isの進行は、DR側の方がより大きい。各層の側縁部の交点Isを結ぶ直線SL上にある二つの交点Ifが、機械横断方向に対してある程度ずれた後(好ましくは2cm以上)、DLとDRの距離を同一とし、基布層4に例えば熱加工を施し、各層の側縁部の交点Is(直線SL)が、機械横断方向に対して平行とならない基布層4を得ることができる。なお、各層の上下の配置を逆にしたり、各層の帯状体の巻回方向を逆にしたりすることも可能である。

0032

図5は、第一基布層10及び第二基布層20を第一基布層10が湿紙側に、第二基布層20が機械側となるように積層した基布層4を示す上面図である。ここで、第一基布層10の帯状体15の幅Ws1と第二基布層20の帯状体25の幅Ws2は、Ws2がWs1よりも小さくなるように設定した。こうすることで、各層の側縁部の交点Is(直線SL)が、機械横断方向に対して平行とならない基布層4を得ることができる。なお、各層の側縁部の交点Isを結ぶ直線SL上にある二つの交点Ifが、機械横断方向に対して2cm以上ずれるように、Ws1及びWs2を設定することが好ましい。これは、加圧するロール径や、加圧力にもよるが、抄紙用フェルトが加圧ロールを通過する際の加圧面の長さ(MD方向の長さ)が、概ね2cm程度存在し、これを回避するためである。なお、各層の上下の配置を逆にしたり、各層の帯状体の巻回方向を逆にしたり、Ws2がWs1よりも大きく設定することも可能である。

0033

第一基布層10の帯状体15の機械方向に対する傾斜角度をθ、帯状体15のフェルト幅Wfを確保する巻回回数をN、各層の側縁部の交点Isを結ぶ直線SL上にある二つの交点Ifの機械横断方向に対するずれの大きさをXとすると、次の近似式が成り立つ。
tanθ=|Ws1−Ws2|×N×Wf/(2×Ws1×N×X)=Ws1/L
∴X=|Ws1−Ws2|×Wf×L/(2×Ws12)
例として、フェルト丈寸法Lが20m、幅寸法Wfが10mのとき、第一基布層10の帯状体15の幅Ws1を100cm、第二基布層20の帯状体25の幅Ws2を99.98cmとすると、各層の側縁部の交点Isを結ぶ直線SL上にある二つの交点Ifの機械横断方向に対するずれの大きさXは、約2cmとなる。同様にWs1、Ws2を100cm、99cmとすると、各層の側縁部の交点Isを結ぶ直線SL上にある二つの交点Ifの機械横断方向に対するずれの大きさXは、約100cm、Ws1、Ws2を100cm、95cmとすると、各層の側縁部の交点Isを結ぶ直線SL上にある二つの交点Ifの機械横断方向に対するずれの大きさXは、約500cmとなる。

0034

図5で例示したように、第一基布層10の帯状体15の幅Ws1と第二基布層20の帯状体25の幅Ws2が異なると、これらを巻回接合した基布層を積層すれば、各層の側縁部の交点Isが、機械横断方向に対して平行にならないので、より効率的に基布層4を得ることができる。

0035

第一基布層10及び第二基布層20を第一基布層10が湿紙側に、第二基布層20が機械側となるように積層した基布層4で、一例として、フェルト丈寸法Lを20m、幅寸法Wfを10m、第一基布層10の帯状体15の幅Ws1を約100cm、第二基布層20の帯状体25の幅Ws2を約75cmと設定すると、図6のようになる。この場合、第一基布層10と第二基布層20の側縁部の交点Isを通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線SLと、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点Ifの機械横断方向に対するずれの大きさは0である。即ち、各層の側縁部の交点Is(直線SL)は機械横断方向に平行となる。

0036

図6の例示は、図3で例示したものより、機械横断方向に平行な直線SL上にある各層の側縁部の交点Isの数は減るものの、直線SLが増加するため、やはり、抄紙用フェルトの走行性(特に振動)に悪影響を及ぼす可能性がある。故に、得られた基布層4に対して、上記の筋曲げを実施するか、または、直線SLが機械横断方向に平行とならないように、第一基布層10の帯状体15の幅Ws1、第二基布層20の帯状体25の幅Ws2を設定する。すなわち、第一基布層10の帯状体15の幅Ws1と第二基布層20の帯状体25の幅Ws2の最小公倍数が、フェルト巾Wfよりも大きくなるように設定することが好ましい。

0037

所望する抄紙用フェルトは、上記で得られた基布層4にバット層5を一体化し、フェルト走行方向に平行なフェルト巾寸法Wfで切断して得ることができる。なお、フェルト巾寸法Wfの切断は、第一基布層10及び第二基布層20の個々について実施してもよいが、通常この場合、後工程での寸法変化を考慮し、各層の基布層の幅寸法について、フェルト巾寸法Wfよりも広い幅を確保し、最終工程で所望するフェルト巾寸法Wfで切断する。

0038

帯状体10、20の地経糸13、23、地緯糸14、24、バット層5の素材としては、ポリエステルポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレート等)、脂肪族ポリアミドポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612等)、芳香族ポリアミドアラミド)、ポリフッ化ビニリデンポリプロピレンポリエーテルエーテルケトンポリテトラフルオロエチレンポリエチレン、羊毛、綿、金属等を使用することができる。地経糸13、23、地緯糸14、24は、上記素材のモノフィラメント単糸、モノフィラメント撚糸、マルチフィラメント単糸、マルチフィラメント撚糸として使用することができる。また、地経糸13、23、地緯糸14、24、バット層5の繊度や長さといった形体は、特に限定されず、設計に応じて適宜選択することができる。

0039

帯状体10、20の形態は、上記素材を用いた織布とすることができるが、織布に限定せず、地経糸と地緯糸が上下に配置された格子状素材を用いることも可能である。

0040

フェルト1の目付は、特に限定されないが、通常500g/m2〜2000g/m2で製作され、抄紙する紙のグレードやフェルトが抄紙機で使用されるパートによって適宜選択される。フェルト1の厚みは、特に限定されないが、主として目付に応じて、通常1.5〜5.0mmで製作される。

0041

<第一基布層の帯状体>
経糸:ポリアミド6からなる1200dtexのモノフィラメント単糸
緯糸:ポリアミド6からなる1200dtexのモノフィラメント単糸
組織:経糸40本/5cm、緯糸40本/5cm、1/1平組織、帯状体幅100cm
<第一基布層>
上記帯状体をフェルト丈寸法が15.0mとなるように螺旋状に右巻きに巻回させながら、第一側縁部と第二側縁部をミシンで縫合した。外周基布層の幅寸法は650cmで準備した(フェルト巾寸法は、520cm)。

0042

<第二基布層の帯状体>
経糸:ポリアミド6からなる1200dtexのモノフィラメント単糸
緯糸:ポリアミド6からなる1200dtexのモノフィラメント単糸
組織:経糸40本/5cm、緯糸40本/5cm、1/1平組織、帯状体幅99.5cm
<第二基布層>
上記帯状体をフェルト丈寸法が15.0mとなるように螺旋状に左巻きに巻回させながら、第一側縁部と第二側縁部をミシンで縫合した。内周基布層の幅寸法は650cmで準備した(フェルト巾寸法は520cm)。

0043

<基布層>
上記第一基布層と第二基布層を積層し、基布層を準備した。
<抄紙用フェルト>
抄紙用フェルトは、上記基布層の湿紙側面に繊度11dtex、ポリアミド6の短繊維バット500g/m2、機械側面に繊度13dtex、ポリアミド6の短繊維バット200g/m2を、ニードリングによって絡合一体化させ、乾燥・キュアー工程を得て、最終的にフェルト巾寸法520cmで切断した。なお、このときの第一基布層と第二基布層の各帯状体の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの両端部で形成される二つの交点の機械横断方向に対するずれの大きさは、約20cmであった。

0044

上記抄紙用フェルトを抄紙機で使用すると、平滑性、特に走行安定性(特に振動や異音発生の防止)が改善されることが期待できる。これは、基布層の各層の側縁部の接合部の交点が、CMD方向に一直線に配列していないからである。

実施例

0045

なお、上記基布層は、同じような基布層の構造を有する、抄紙用ワイヤー、湿紙搬送用ベルトシュープレス用ベルト等の基布層に適用することも可能である。

0046

M0:帯状体丈方向端部、L:抄紙用フェルトの丈寸法、Wf:抄紙用フェルトの幅寸法、Ws1:第一基布層の帯状体幅寸法、Ws2:第二基布層の帯状体幅寸法、SL:各基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線、Is:各層の側縁部の交点、If:各基布層の側縁部の交点を通り、機械横断方向に対し最小の角度を有する直線と、抄紙用フェルトの幅方向端部との交点、1:抄紙用フェルト、2:湿紙側面、3:機械側面、4:基布層、5:バット層、6:抄紙用フェルト巾方向端部、7:ロール、8:帯状体ストックロール、10:第一基布層の帯状体、11:第一基布層の帯状体の第一側縁、12:第一基布層の帯状体の第二側縁、13:第一基布層の帯状体の地経糸、14:第一基布層の帯状体の地緯糸、15:第一基布層の帯状体、20:第二基布層の帯状体、21:第二基布層の帯状体の第一側縁、22:第二基布層の帯状体の第二側縁、23:第二基布層の帯状体の地経糸、24:第二基布層の帯状体の地緯糸、25:第二基布層の帯状体

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