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技術 水系接着用組成物

出願人 ヘンケルジャパン株式会社
発明者 角田敦吉田良夫
出願日 2015年8月5日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-154776
公開日 2017年2月9日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2017-031360
状態 特許登録済
技術分野 接着剤、接着方法
主要キーワード 無機酸アンモニウム塩 はく離強さ リン酸二水素マグネシウム ハロゲン化カルシウム ハロゲン化カリウム 有機系増 接着用組成物 強酸塩
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課題

本発明は、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さバランスよく優れ、特に、木質材料を製造するために有用である水系接着用組成物、及びその水系接着用組成物を用いて得られる木質材料を提供する。

解決手段

(A)糖類、(B)無機酸アンモニウム塩及び(C)金属塩を含有し、(C)金属塩は、カリウム塩カルシウム塩ナトリウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも1種を含む、水系接着用組成物は、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さにバランスよく優れる。本発明に係る水系接着用組成物は、木質材料を製造するために有用に使用することができる。

概要

背景

木質材料(例えば、合板ベニヤ板など)、パーティクルボード繊維板中密度繊維板MDFなど)及び集成材など)は、一般に、木質要素原料)(例えば、木材又は草本植物細分化された種々の寸法の繊維、小片及び単板など)に接着剤等を塗布又は散布し、必要に応じて加圧及び加熱し、成形して、製造される。木質材料は、天然系の再生可能な材料であり、木材の有する長所を活かしながら、寸法及び強度の安定性を高め、木材特有の欠点が除去された材料である。地球環境の保護及び木質材料製造の作業者の保護の観点から、使用される接着剤として、ホルムアルデヒド放散がなく、有機溶剤を含まない、水系接着剤の開発が行われている。

ユリア樹脂及びフェノール樹脂等を使用して木質材料(例えば、パーティクルボード)を製造する場合、一般に、約130〜170℃の温度に、木質要素と接着剤の混合物は加熱され、成形される。従って、水系接着剤も、同程度の温度に加熱して、木質材料を製造できることが好ましい。しかし、水系接着剤を用いると、より高温を要することが多い。
更に、得られる木質材料(例えば、パーティクルボード)が、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性質に優れることも求められる。しかし、水系接着剤を用いると、性質が不十分なことが多い。

特許文献1は、木材を結合するために、澱粉小麦粉など)及び糖類(しょ糖及び糖みつなど)と、それらの変換を行うことができる触媒塩化アンモニウム塩化亜鉛塩化アルミニウム硫酸アンモニム、硝酸アンモニム及びリン酸二アンモニムなど)を含む水溶液を開示する(特許文献1実施例等参照)。
特許文献1は、加熱温度を低下させる触媒として無水塩化アルミニウムを教示する。塩化アルミニウムを用いると、175℃〜190℃のプレス温度で、パーティクルマットを得ることができ、厚さ膨張は、約3〜10%であることを開示する(特許文献1実施例の表1及び2参照)。しかし、塩化アルミニウムは、人体に対する腐食性を有し、水と激しく反応して、塩化水素を発生し、刺激臭を有するので、適切ではない。

特許文献2は、木材を結合するために、糖類(スクロースなど)と多価カルボン酸クエン酸など)を含む接着剤を開示する。多価カルボン酸を含むことで、木材との間の結合力を向上させる。しかし、木質材料を製造する際の温度は200℃であり高い。更に、吸水厚さ膨張率は、約25%であり大きい(特許文献2表10試験2参照)。

特許文献3は、木材を結合するために、糖類(スクロース及びマルトースなど)と多価カルボン酸(クエン酸、リンゴ酸無水マレイン酸ポリマレイン酸及びポリアクリル酸など)を含む接着剤を開示する。多価カルボン酸を含むことで、木材との間の結合力を向上させる。しかし、木質材料を成形し製造する際の製造温度は180〜200℃であり高い。フラン化合物などを加えることで、製造温度を低下させ、吸水厚さ膨張率も低下させ得るが、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ及びはく離強さ等の性能と、それらのバランスが不十分である(特許文献3表2〜7参照)。

従って、木質材料を製造するために用いられる水系接着剤として、比較的低い温度で接着可能で有りながら、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性能にすぐれ、それらのバランスに優れる水系接着剤が、求められる。

概要

本発明は、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さにバランスよく優れ、特に、木質材料を製造するために有用である水系接着用組成物、及びその水系接着用組成物を用いて得られる木質材料を提供する。(A)糖類、(B)無機酸アンモニウム塩及び(C)金属塩を含有し、(C)金属塩は、カリウム塩カルシウム塩ナトリウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも1種を含む、水系接着用組成物は、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さにバランスよく優れる。本発明に係る水系接着用組成物は、木質材料を製造するために有用に使用することができる。なし

目的

本発明は、このような事情を鑑みなされたものであり、比較的低い温度で接着可能で有りながら、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性能にバランスよく優れ、特に、木質材料を製造するために有用である水系接着用組成物、及びその水系接着用組成物を用いて得られる木質材料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

(A)糖類、(B)無機酸アンモニウム塩及び(C)金属塩を含有し、(C)金属塩は、カリウム塩カルシウム塩ナトリウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも1種を含む、水系接着用組成物

請求項2

(C)金属塩は、強酸塩である、請求項1に記載の接着用組成物。

請求項3

(C)金属塩は、塩化マグネシウムを含む、請求項1又は2に記載の接着用組成物。

請求項4

(A)糖類は、フルクトース由来する構造を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の接着用組成物。

請求項5

(B)無機酸アンモニウム塩は、リン酸水素アンモニウムリン酸二水素アンモニウム硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の接着用組成物。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の接着用組成物を塗布して得られる木質材料

技術分野

0001

本発明は、水系接着剤を製造可能な水系接着用組成物、及びそのような水系接着用組成物を用いて製造される木質材料に関する。

背景技術

0002

木質材料(例えば、合板ベニヤ板など)、パーティクルボード繊維板中密度繊維板MDFなど)及び集成材など)は、一般に、木質要素原料)(例えば、木材又は草本植物細分化された種々の寸法の繊維、小片及び単板など)に接着剤等を塗布又は散布し、必要に応じて加圧及び加熱し、成形して、製造される。木質材料は、天然系の再生可能な材料であり、木材の有する長所を活かしながら、寸法及び強度の安定性を高め、木材特有の欠点が除去された材料である。地球環境の保護及び木質材料製造の作業者の保護の観点から、使用される接着剤として、ホルムアルデヒド放散がなく、有機溶剤を含まない、水系接着剤の開発が行われている。

0003

ユリア樹脂及びフェノール樹脂等を使用して木質材料(例えば、パーティクルボード)を製造する場合、一般に、約130〜170℃の温度に、木質要素と接着剤の混合物は加熱され、成形される。従って、水系接着剤も、同程度の温度に加熱して、木質材料を製造できることが好ましい。しかし、水系接着剤を用いると、より高温を要することが多い。
更に、得られる木質材料(例えば、パーティクルボード)が、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性質に優れることも求められる。しかし、水系接着剤を用いると、性質が不十分なことが多い。

0004

特許文献1は、木材を結合するために、澱粉小麦粉など)及び糖類(しょ糖及び糖みつなど)と、それらの変換を行うことができる触媒塩化アンモニウム塩化亜鉛塩化アルミニウム硫酸アンモニム、硝酸アンモニム及びリン酸二アンモニムなど)を含む水溶液を開示する(特許文献1実施例等参照)。
特許文献1は、加熱温度を低下させる触媒として無水塩化アルミニウムを教示する。塩化アルミニウムを用いると、175℃〜190℃のプレス温度で、パーティクルマットを得ることができ、厚さ膨張は、約3〜10%であることを開示する(特許文献1実施例の表1及び2参照)。しかし、塩化アルミニウムは、人体に対する腐食性を有し、水と激しく反応して、塩化水素を発生し、刺激臭を有するので、適切ではない。

0005

特許文献2は、木材を結合するために、糖類(スクロースなど)と多価カルボン酸クエン酸など)を含む接着剤を開示する。多価カルボン酸を含むことで、木材との間の結合力を向上させる。しかし、木質材料を製造する際の温度は200℃であり高い。更に、吸水厚さ膨張率は、約25%であり大きい(特許文献2表10試験2参照)。

0006

特許文献3は、木材を結合するために、糖類(スクロース及びマルトースなど)と多価カルボン酸(クエン酸、リンゴ酸無水マレイン酸ポリマレイン酸及びポリアクリル酸など)を含む接着剤を開示する。多価カルボン酸を含むことで、木材との間の結合力を向上させる。しかし、木質材料を成形し製造する際の製造温度は180〜200℃であり高い。フラン化合物などを加えることで、製造温度を低下させ、吸水厚さ膨張率も低下させ得るが、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ及びはく離強さ等の性能と、それらのバランスが不十分である(特許文献3表2〜7参照)。

0007

従って、木質材料を製造するために用いられる水系接着剤として、比較的低い温度で接着可能で有りながら、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性能にすぐれ、それらのバランスに優れる水系接着剤が、求められる。

先行技術

0008

特表昭56−500414号公報
WO 2010/001988A1
WO 2012/133219A1

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、このような事情を鑑みなされたものであり、比較的低い温度で接着可能で有りながら、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性能にバランスよく優れ、特に、木質材料を製造するために有用である水系接着用組成物、及びその水系接着用組成物を用いて得られる木質材料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

そこで、本研究者らは、鋭意研究を続けた結果、糖類、無機酸のアンモニウム塩及び特定のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩から選択される少なくとも一種を含む水系接着用組成物は、比較的低い温度で接着可能で有りながら、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性能にバランスよく優れ、特に木質材料を製造するために有用であることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0011

本発明は、一の要旨において、
(A)糖類、(B)無機酸アンモニウム塩及び(C)金属塩を含有し、
(C)金属塩は、カリウム塩カルシウム塩ナトリウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも1種を含む、水系接着用組成物を提供する。

0012

本発明の一の態様において、(C)金属塩は、強酸塩である、水系接着用組成物を提供する。
本発明の他の態様において、(C)金属塩は、塩化マグネシウムを含む、水系接着用組成物を提供する。
本発明の更なる態様において、(A)糖類は、フルクトース由来する構造を含む、水系接着用組成物を提供する。

0013

本発明の好ましい態様において、(B)無機酸アンモニウム塩は、リン酸水素アンモニウムリン酸二水素アンモニウム硫酸アンモニウム及び塩化アンモニウムから選択される少なくとも1種を含む、水系接着用組成物を提供する。
成分(A)〜(C)の総重量100重量部当たり、(C)金属塩は、2.0重量部以上含まれる、水系接着用組成物を提供する。
本発明の他の要旨において、水系接着用組成物を用いて得られる木質材料を提供する。

発明の効果

0014

本発明の形態の水系接着用組成物は、(A)糖類、(B)無機酸アンモニウム塩及び(C)金属塩を含有し、(C)金属塩は、カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも1種を含むので、比較的低い温度で接着可能で有りながら、曲げ強さ、湿潤時の曲げ強さ、吸水厚さ膨張率及びはく離強さ等の性質にバランスよく優れ、特に木質材料を製造するために有用である。

0015

本発明の形態の水系接着用組成物は、(A)糖類、(B)無機酸アンモニウム塩及び(C)金属塩を含有し、(C)金属塩は、カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも1種を含む。
本発明において、「(A)糖類」とは、一般に糖類と呼ばれ、本発明が目的とする水系接着用組成物を得られる限り特に制限されることはない。(A)糖類は、例えば、単糖類二糖類三糖類四糖類多糖類、及びその他オリゴ糖を含む。

0017

「二糖類」として、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースツラノース及びセロビオースを例示できる。
「三糖類」として、例えば、ラフィノースエレジトース、マルトトリオース及び1−ケストース(GF2)を例示できる。
「四糖類」として、例えば、アカルボーススタキオース及びニストース(GF3)を例示できる。
「多糖類」として、例えば、グリコーゲンデンプンアミロースアミロペクチン)、セルロースデキストリングルカンN-アセチルグルコサミンキチン質及びイヌリンフラクトフラノシルニストース:GF4を含む)を例示できる。
「その他のオリゴ糖」として、例えば、フラクオリゴ糖、ガラクオリゴ糖及びマンナンオリゴ糖を例示できる。

0018

これらの「糖類」は、単独で又は組み合わせて用いることができる。
「糖類」は、フルクトースに由来する構造を含むことが好ましい。そのような糖類として、フルクトース自身、スクロース、及びイヌリンを例示することができる。
イヌリンとは、通常、その末端にグルコースが結合した、フルクトースの重合体をいう。従って、イヌリンには、例えば、具体的には、最も単純な三糖類に含まれる1−ケストース(GF2)、四糖類に含まれるニストース(GF3)、多糖類に含まれるフラクトフラノシルニストース(GF4)等も含まれる。1−ケストースは、2つのフルクトースと1つのグルコースからなり、ニストースは、3つのフルクトースと1つのグルコースからなる。
「糖類」は、フルクトースに由来する構造を含む場合、本発明の水系接着用組成物は耐水性により優れるので、本発明の木質材料は、湿潤時曲げ強さがより高くなり、吸水厚さ膨張率がより低くなり得る。
「糖類」として、市販品を使用することができる。

0019

本発明において(B)無機酸アンモニウム塩とは、一般に、無機酸のアンモニウム塩と呼ばれるものであって、本発明が目的とする水系接着用組成物を得ることができる限り、特に制限されることはない。
「無機酸アンモニウム塩」として、例えば、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウムハロゲン化アンモニウム塩(例えば、塩化アンモニウム、フッ化アンモニウム臭化アンモニウム及びヨウ化アンモニウム)、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム及びリン酸二水素アンモニウムを例示することができる。

0020

「無機酸アンモニウム塩」として、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸水素アンモニウム及びリン酸二水素アンモニウムから選択される少なくとも一種が好ましい。
「(B)無機酸アンモニウム塩」が、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸水素アンモニウム及びリン酸二水素アンモニウムから選択される一種である場合、本発明の水系接着用組成物は、より優れた硬化性を有し、木質材料の接着性(曲げ強さ及び剥離強さ)がより向上し得る。
「無機酸アンモニウム塩」は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
「無機酸アンモニウム塩」として、市販品を使用することができる。

0021

本発明において(C)金属塩とは、カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩及びマグネシウム塩から選択される少なくとも1種を含む。
そのような(C)金属塩として、例えば、硫酸カリウム硫酸水素カリウムハロゲン化カリウム(例えば、フッ化カリウム塩化カリウム臭化カリウム及びヨウ化カリウム)、リン酸カリウムリン酸水素カリウム及びリン酸二水素カリウム等のカリウム塩;
硫酸カルシウム硫酸水素カルシウムハロゲン化カルシウム(例えば、フッ化カルシウム塩化カルシウム臭化カルシウム及びヨウ化カルシウム)、リン酸カルシウムリン酸水素カルシウム及びリン酸二水素カルシウム等のカルシウム塩;
硫酸ナトリウム硫酸水素ナトリウムハロゲン化ナトリウム(例えば、フッ化ナトリウム塩化ナトリウム臭化ナトリウム及びヨウ化ナトリウム)、リン酸ナトリウムリン酸水素ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウム等のナトリウム塩;及び
硫酸マグネシウム、硫酸水素マグネシウムハロゲン化マグネシウム(例えば、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム及びヨウ化マグネシウム)、リン酸マグネシウムリン酸水素マグネシウム及びリン酸二水素マグネシウム等のマグネシウム塩
などを例示できる。

0022

(C)金属塩として、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、塩化カリウム、リン酸水素カリウム、及びリン酸二水素カリウム;
硫酸カルシウム、硫酸水素カルシウム、塩化カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びリン酸二水素カルシウム;
硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム;及び
硫酸マグネシウム、硫酸水素マグネシウム、塩化マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、及びリン酸二水素マグネシウムから選択される少なくとも一種が好ましい。

0023

(C)金属塩が、強酸の金属塩であることが好ましく、硫酸の金属塩及びハロゲン化金属塩であることがより好ましい。(C)金属塩が、強酸の金属塩である場合、本発明の水系接着用組成物を用いて製造された木質材料は、より低温で、かつより短時間、加熱及び加圧することで硬化することが可能である。

0024

(C)金属塩は、硫酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム及び塩化マグネシウムから選択される少なくとも一種であることが特に好ましい。(C)金属塩は、硫酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム及び塩化マグネシウムから選択される少なくとも一種である場合、本発明の水系接着用組成物を用いて製造された木質材料は、より低温で、かつより短時間、加熱及び加圧することで硬化し、吸水厚さ膨張率がより低くなり、湿潤時曲げ強さがより高くなりえる。

0025

(C)金属塩は、塩化マグネシウムを含むことが最も好ましい。(C)金属塩は、塩化マグネシウムを含む場合、本発明の木質材料は、より低温で、かつより短時間、加熱及び加圧することで硬化し、吸水厚さ膨張率がより低く、湿潤時曲げ強さがさらに高くなりえる。
(C)金属塩は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
(C)金属塩として、市販品を使用することができる。

0026

(A)〜(C)各成分の量は、本発明が目的とする水系接着用組成物を得ることができる限り特に制限されることはない。
(A)〜(C)の合計100重量部当たり、(A)は、20〜95重量部含まれることが好ましく、(A)は、50〜90重量部含まれることがより好ましく、(A)は、60〜85重量部含まれることが特に好ましい。
(A)〜(C)の合計100重量部当たり、(B)は、1〜50重量部含まれることが好ましく、(B)は、3〜35重量部含まれることがより好ましく、(B)は、5〜25重量部含まれることが特に好ましい。
(A)〜(C)の合計100重量部当たり、(C)は、0.5〜50重量部含まれることが好ましく、(C)は、1〜25重量部含まれることがより好ましく、(C)は、2〜15重量部含まれることが特に好ましい。

0027

(A)が、20〜95重量部含まれる場合、本発明の水系接着用組成物で製造された木質材料は、より優れる湿潤時曲げ強さ及び吸水厚さ膨張率を有しえる。
(B)が、1〜50重量部含まれる場合、本発明の水系接着用組成物は硬化性が向上するため、木質材料はより低温で、かつより短時間、加熱及び加圧することで、硬化することが可能である。
(C)が、0.5〜50重量部含まれる場合、本発明の木質材料は、より低温硬化に優れえる。

0028

本発明に係る水系接着用組成物は、水を含み、上述の(A)〜(C)成分の全てが、水に溶解された水溶液の形態、又は、上述の(A)〜(C)成分の少なくともいずれか一種が水に溶解すること無く分散された分散液の形態を有する。
本明細書において「水」とは、一般的に「水」と呼ばれ、本発明が目的の水系接着用組成物を得ることができる限り、特に制限されることはないが、例えば、蒸留水イオン交換水、純水、水道水及び工業用水等を例示することができる。
本発明の形態の水系接着用組成物に含まれる水の量は、本発明が目的とする水系接着用組成物を得ることができる限り特に制限されることはなく、使用される(A)〜(C)成分及び添加剤などによって、適宜選択される。

0029

本発明の形態の水系接着用組成物は、上述の(A)〜(C)成分の合計100重量部当たり、水を10〜90重量部含むことが好ましく、水を20〜80重量部含むことがより好ましく、水を30〜60重量部含むことが特に好ましい。
本発明に係る水系接着用組成物は、水溶液又は水分散液なので、被着体への塗布及び散布が容易である。更に、本発明に係る水系接着用組成物は、有機溶媒を好ましくは使用せず、地球環境の保護、及び作業者の作業環境の保護に優れる。

0030

本発明の形態の水系接着用組成物は、その他の成分を含むことができる。そのような成分として、例えば、増粘剤防腐剤防黴剤防錆剤及び分散安定化剤等を例示できる。
増粘剤とは、組成物を加圧し加熱する際に、その粘度が低下することを防止するために使用し、本発明が目的とする水系接着用組成物を得ることができる限り特に制限されることはない。そのような増粘剤は、例えば、有機系増粘剤と無機系増粘剤に分類される。
無機系増粘剤として、例えば、クレイタルク及びシリカなどを例示できる。
有機系増粘剤として、例えば、カルボキシメチルセルロースポリビニルアルコール植物粉末の小麦粉、コーンスターチ上新粉クルミ粉及びヤシ粉などを例示できる。
増粘剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。

0031

本発明の形態の水系接着用組成物は、上述の(A)〜(C)成分、水及び必要に応じて他の成分などを加えて、攪拌して製造することができる。(A)〜(C)各成分、水及び他の成分を加える順序、各成分及び水を加える方法及び攪拌方法などは、本発明が目的とする水系接着用組成物を得ることができる限り、特に限定されることはない。

0032

本発明に係る木質材料は、本発明の形態の水系接着用組成物が、木質要素(原料)(例えば、木質又は草本植物の繊維、小片及び単板など)に、塗布又は散布され、木質要素が加熱され、木質要素が接着され、成形されて製造される。
木質要素(原料)として、木材から切削等して得られる、例えば、挽き板、単板、木質ストランド木質チップ木質繊維及び植物繊維などを例示することができる。
木質材料として、例えば、木質要素が接着剤によって接着されて得られる、集成材、合板、パーティクルボード、繊維板及び中密度繊維板(MDF)等を例示することができる。
本発明の形態の水系接着用組成物は、種々の被着体(例えば、紙、木質繊維及び合板等を接着するために使用することができるが、上述の木質材料を製造するために好適に使用することができる。

0033

木質材料を成形して製造する場合、水系接着用組成物の塗布量、塗布方法成形圧力成形温度及び成形時間などの製造条件は、木質要素の種類、形状及び寸法、製造される木質材料の寸法などによって、適宜選択され、本発明が目的とする木質材料を得ることができる限り特に制限されることはない。
水系接着用組成物の塗布量は、乾燥した木質要素100重量部当たり、5〜80重量部であることが好ましく、10〜60重量部であることがより好ましく、20〜40重量部であることが特に好ましい。

0034

水系接着用組成物の塗布方法は、ロール及び刷毛などを用いる塗布、スプレー等を用いる散布、水系接着用組成物中への含浸などが好ましい。
成形圧力は、0.5〜6.0MPaであることが好ましい。成形圧力が、6.0MPa以下の場合、圧力が大きすぎないので、木質材料に痛みを生じにくい。成形圧力が、0.5MPa以上の場合、十分に木質要素を接着することができる。

0035

成形温度は、140〜230℃であることが好ましく、140〜200℃であることがより好ましく、140〜170℃であることが特に好ましい。成形温度が、230℃以下の場合、温度が高すぎず、エネルギー消費が小さく、木質材料も痛みにくい。成形温度が、140℃以上の場合、接着が適度の時間で進行し得る。

0036

成形時間は、3〜10分であることが好ましく、3〜9分であることがより好ましく、3〜7分であることが特に好ましい。成形時間が、10分以下の場合、時間が長くかかりすぎないので、エネルギーの消費が小さく、木質材料も痛みにくい。成形時間が、3分以上の場合、適度の接着時間が確保され、適度の接着強度を確保できる。

0037

上述のようにして得られる木質材料は、従来の木質材料と同様に、例えば、建築資材やや家具等の種々の用途に使用することができる。

0038

以下に本発明を実施例及び比較例を用いて説明するが、これらの例は本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。

0039

水系接着用組成剤の成分として、以下の成分を準備した。()内に、商品名及び製造会社名を記載した。尚、部とは重量部を意味する。
[(A)糖類]
(A-1)スクロース(和光純薬工業(株))
(A-2)フルクトース(和光純薬工業(株))
(A-3)イヌリン(フジ日本精糖(株)、フジFFSC(商品名))

0040

[(B)無機酸アンモニウム塩]
(B-1)リン酸二水素アンモニウム(和光純薬工業(株))
(B-2)リン酸水素アンモニウム(和光純薬工業(株))
(B-3)硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)
(B'-4)酢酸アンモニウム(和光純薬工業(株))
[(C)金属塩]
(C-1)塩化マグネシウム(和光純薬工業(株))
(C-2)硫酸マグネシウム(和光純薬工業(株))
(C-3)塩化ナトリウム(和光純薬工業(株))

0041

実施例1〜13の水系接着用組成物を、下記のように製造した。
[実施例1]水系接着用組成物の製造
72.7部の(A-1)スクロース(和光純薬工業(株))、18.2部の(B-1)リン酸二水素アンモニウム(和光純薬工業(株))、及び9.1部の(C-1)塩化マグネシウム(和光純薬工業(株))を、100部の蒸留水に加え、常温で攪拌し溶解して、実施例1の水系接着用組成物を得た。実施例1の水系接着用組成物の組成を表1に示す。

0042

[実施例2〜13]及び[比較例14〜18]水系接着用組成物の製造
実施例2〜13及び比較例14〜18の水系接着用組成物の組成を表1〜3に示す。
実施例1で使用した(A)、(B)及び(C)を、表1〜3に記載した成分とその量に変更した他は、実施例1と同様の方法を用いて、実施例2〜13及び比較例14〜18の水系接着用組成物を製造した。
尚、組成物(比較例)17の水系接着用組成物は、15.0部の(B-1)を、蒸留水100部に加えて製造したので、そのように表3に記載した。表3の組成物17では、成分(A)及び(C)を加えていない。

0043

0044

0045

0046

上述の実施例1〜13及び比較例14〜18の水系接着用組成物を用いて、実施例19〜35及び比較例36〜42の木質材料(パーティクルボード)を製造した。
[実施例19]木質材料の製造
木質要素(原料)として、60メッシュを通過した針葉樹の木質繊維を使用した。72部の木質要素に、固形分換算で28部となるように、実施例1の水系接着剤組成物を、スプレーで均一に塗布し、80℃のオーブンで2時間乾燥した。その後、熱盤温度170℃、圧力4MPaで、9分間プレス成形して、厚さ9mm、密度0.8g/cm3の実施例19の木質材料(パーティクルボード)を製造した。実施例19で使用した組成及び製造条件などを表4に示す。

0047

[実施例20〜35]及び[比較例36〜42]木質材料の製造
実施例20〜35及び比較例36〜42のパーティクルボードの製造のために使用された組成及び製造条件を表4〜6に示す。
実施例19で使用した水系接着剤組成物、その量、木質要素の量、プレス形成条件(熱盤温度、圧力、及び成形時間)を、表4〜6に記載したものに変更した他は、実施例19に記載の方法と同様の方法を用いて、実施例20〜35及び比較例36〜42の木質材料(パーティクルボード)を製造した。各パーティクルボードの寸法と密度などの他の条件は、実施例19のパーティクルボードのものと同様である。

0048

得られたパーティクルボードは、JISA5908:2003に準じて、各々の曲げ強さ(N/mm2)、湿潤時曲げ強さ(B試験)(N/mm2)、吸水厚さ膨張率(%)、及び剥離強さ(N/mm2)を測定した。
尚、上述のパーティクルボードは、JISA5908:2003に記載された「素地パーティクルボード」の「無研磨板」に該当する。それらの幅方向と長さ方向の「曲げ強さ」は、ほぼ等しいが、より小さい値を、「曲げ強さ」と「湿潤時の曲げ強さ」の結果として採用した。

0049

「曲げ強さ(N/mm2)」は、8.0以上であることが好ましく、13.0以上であることがより好ましく、18.0以上であることが特に好ましい。
「湿潤時曲げ強さ(N/mm2)」は、6.5以上であることが好ましく、9.0以上であることがより好ましい。
「吸水厚さ膨張率(%)」は、12以下であることが好ましい。
はくり強さ(N/mm2)」は、0.15以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.3以上であることが特に好ましい。

0050

0051

0052

崩壊:木質材料が評価中に全体的にその形態を維持できないほど壊れた。
**半壊:木質材料が評価中にその形態の半分を維持できないほど壊れた。

0053

表4及び5に示すように、実施例1〜13の水系接着用組成物を用いて製造された、実施例19〜35の木質材料は、170℃という比較的低い温度で成形されたにもかかわらず、曲げ強さ、湿潤時曲げ強さ及び剥離強さに優れ、吸水厚さ膨張率が小さかった。更に、これらの性能のバランスにも優れていた。従って、本発明に係る接着用組成物は、木質要素に使用して木質材料を製造するために、好適に使用することができる。

0054

これに対し、表6に示すように、比較例14〜18の水系接着用組成物を用いて製造された木質材料は、曲げ強さ、湿潤時曲げ強さ、剥離強さ及び吸水厚さ膨張率剥離性のいずれかに問題がある。特に、湿潤時の性能に劣る。従って、比較例の接着用組成物は、木質材料を製造するために、不十分である。

実施例

0055

これらの結果から、上述の3成分(A)〜(C)を有する水系接着用組成物は、木質要素(原料)の接着に有用であり、それを用いて木質要素を成形することで優れた木質材料を成形可能なことが明らかとなった。

0056

本発明は、木質要素の接着に有用な水系接着用組成物を提供できる。本発明に係る水系接着用組成物を用いて木質要素を成形することで、木質材料を好適に製造することができる。

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