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技術 縮合硬化型シリコーン組成物

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 北沢啓太
出願日 2015年7月28日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2015-148930
公開日 2017年2月9日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2017-031231
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物
主要キーワード 有機マンガン化合物 ツウィン 硬化阻害物質 絶対粘度 耐水処理 有機鉄化合物 冷却炉 シリコーングリース
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課題

冷蔵あるいは冷凍保存が不要であり、さらに実装時に加熱/冷却工程も不要であるため生産効率が高く、さらに耐熱時の硬度変化割れズレに起因する硬化物劣化を抑制することが可能な縮合硬化型シリコーン組成物を提供する。

解決手段

(A)両末端水酸基封鎖されたオルガノポリシロキサン(B)示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上(C)水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物(D)アルキルエステル化合物等から選ばれる縮合触媒(E)オルガノポリシロキサン(F)10W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤(但し、(C)成分を除く)を必須成分とする縮合硬化型シリコーン組成物。

概要

背景

電気電子分野・輸送機分野等では、使用するエネルギーを精密に制御するために以前にも増して数多くの電子素子部品が搭載されるようになってきている。例えば、輸送機のみに着目してみても、ガソリン車からハイブリッド車プラグインハイブリッド車電気自動車等へ変化することで、今までガソリン車では必要のなかったモータインバータ電池等の電子素子・部品を搭載する必要が出てきた。また、エンジン制御パワートレーン系エアコン制御等のボディ系においても、制御の内容が高度化し、制御に必要なシステムが増えている。それに伴い搭載する電子制御ユニット(ECU)の数も年々増加しており、その内部に搭載される電子素子も増加してきている。このような発熱する電子素子・部品から効率良く熱を逃がして冷却器へ伝えるために熱伝導性シリコーン組成物は今や必要不可欠な存在となっている。

さらに最近では数多くの電子素子・部品を限られた空間内に搭載する必要があるために、その搭載環境(温度・角度等)も多岐に渡るようになってきた。例えば、発熱する電子素子・部品と冷却板とが水平置きされなくなり、それらを接続する熱伝導性材料もある一定の傾きを持って搭載されることが多くなってきた。このような使用環境では、熱伝導性材料が発熱体冷却体の間からズレて抜けてしまわないように、付加1液型熱伝導性シリコーン組成物を用いる場合がある(特許第3580366号公報:特許文献1)。すなわち、加熱硬化させることで熱伝導性組成物が発熱体と冷却体の間からズレて抜けづらくなり、その結果として放熱特性が長期間維持される。しかしながら、この付加1液型熱伝導性シリコーン組成物も幾つかの課題を抱えていた。例えば、保存に冷蔵或いは冷凍が必要であったり、使用前には解凍も必要となってしまう。また、付加1液型熱伝導性シリコーン組成物を組み付ける際に、加熱と冷却が必要になるので、材料を使用する生産設備加熱炉冷却炉の導入が必要であったり、長時間の加熱/冷却工程を必要とするために生産効率が下がってしまうという課題があった。また、このような加熱工程はエネルギー効率の観点から顧みても、熱伝導性材料のみならず部品ごと全て加熱しなくてはならなくなるため、決して効率が良い工程とは言えない。

また、塗布面に硬化阻害物質であるアミン化合物等を含む金属切削油が残存してしまうと、硬化不良が生じてしまう問題があった。さらには、発熱体からの排熱により余剰付加反応が進行することで熱伝導性材料の硬度が経時で上昇し、実装された素子等にストレスを与えるという問題も抱えていた。

そこで、付加1液型熱伝導性シリコーン組成物を使用する際のこのような保存/解凍管理と加熱/冷却工程の手間を省き、硬化阻害を気にせずに済むように、予め材料製造時に加熱架橋反応させた付加1液型熱伝導性材料が見出されている(特許第4130091号公報:特許文献2)。これは上述の欠点を克服した熱伝導性シリコーングリース組成物であるが、そのトレードオフとして、粘度が高く塗布しづらく、またベースポリマーの粘度が高いために熱伝導性充填剤高充填化し難いという課題が新たに生じた。さらに、上述した硬度が経時で上昇するという問題は、未だ解決されない課題として残されていた。

一方、初期は低粘度であるものの塗布後に室温環境下、空気中の水分を利用して硬化或いは増粘させることで発熱体と冷却体の間からズレて抜けづらくなり、さらには室温保存も可能な縮合硬化型熱伝導性シリコーン組成物が提案されている(特開2004−352947号公報、特許第4787128号公報、特許第5733087号公報:特許文献3〜5)。これは保存に冷蔵或いは冷凍が不要、実装時に加熱/冷却工程が不要であり、生産効率が高いという点で有用な材料であるものの、空気中の水分を利用して硬化させるという硬化システムに起因して、深部硬化性に劣るという欠点を共通して抱えていた。その結果、耐熱時や冷熱サイクルといった熱的負荷がかかった際に、組成物硬化物割れやズレといった劣化が生じ、放熱特性が低下するという問題があった。さらに、空気中の水分により余剰の縮合反応が進行するため、経時での硬度上昇はこの硬化系においても無視できない問題であった。

縮合硬化型熱伝導性シリコーン組成物の硬化物における、割れやズレといった劣化や、経時での硬度上昇を抑制するためには、深部硬化性の向上が共通の方策として挙げられる。縮合硬化型熱伝導性シリコーン組成物においては一般に、縮合硬化を促進するための触媒が添加されるが、深部硬化性の向上を追求するあまり触媒を大量に添加したり、触媒作用の強いものを活用すると、組成物の保存性取扱い性が著しく悪化することがあり、保存性や取扱い性を犠牲にすることなく、深部硬化性を効果的に向上させる縮合触媒が求められていた。

概要

冷蔵あるいは冷凍保存が不要であり、さらに実装時に加熱/冷却工程も不要であるため生産効率が高く、さらに耐熱時の硬度変化や割れ・ズレに起因する硬化物の劣化を抑制することが可能な縮合硬化型シリコーン組成物を提供する。(A)両末端水酸基封鎖されたオルガノポリシロキサン(B)示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上(C)水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物(D)アルキルエステル化合物等から選ばれる縮合触媒(E)オルガノポリシロキサン(F)10W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤(但し、(C)成分を除く)を必須成分とする縮合硬化型シリコーン組成物。なし

目的

本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、冷蔵又は冷凍保存が不要であり、さらに実装時に加熱/冷却工程も不要であるため生産効率が高く、さらに耐熱時の硬度変化や割れ・ズレに起因する硬化物の劣化を抑制することが可能な縮合硬化型シリコーン組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

(A)下記一般式(1)(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基である。nは、この式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を下記値とする数である。)で示され、25℃における粘度が0.1〜1,000Pa・sであり、両末端水酸基封鎖されたオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)下記一般式(2)R2a−SiX(4-a)(2)(式中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、aは0又は1である。)で示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上:1〜40質量部、(C)水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物:10〜7,900質量部、(D)アルキルエステル化合物チタン酸エステルチタンキレート化合物有機亜鉛化合物有機鉄化合物有機コバルト化合物有機マンガン化合物有機アルミニウム化合物ヘキシルアミンリン酸ドデシルアミン、第4級アンモニウム塩アルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン、ならびにグアニジル基を含有するシラン及びシロキサンから選ばれる縮合触媒:0.01〜20質量部、(E)下記一般式(3)(式中、R3は独立に非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の1価炭化水素基であり、R4は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基アルケニル基又はアシル基であり、mは2〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)で表されるオルガノポリシロキサン:10〜400質量部、及び(F)10W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤(但し、(C)成分を除く):100〜7,990質量部(但し、(C)成分と(F)成分の合計は、110〜8,000質量部)を必須成分とする縮合硬化型シリコーン組成物

請求項2

さらに、(G)炭素原子を介してケイ素原子に結合したアミノ基、エポキシ基メルカプト基アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる基を有し、且つケイ素原子に結合した加水分解性基を有するシラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種以上0.01〜30質量部を含む請求項1記載の縮合硬化型シリコーン組成物。

技術分野

0001

本発明は、縮合硬化型シリコーン組成物に関する。詳細には、高熱伝導性シリコーングリースを与える縮合硬化型シリコーン組成物に関し、固体縮合触媒として機能する、水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物活用することで深部硬化性を向上させ、耐熱時の硬度変化割れズレに起因する硬化物劣化を抑制することが可能な熱伝導性縮合硬化型シリコーン組成物に関するものである。

背景技術

0002

電気電子分野・輸送機分野等では、使用するエネルギーを精密に制御するために以前にも増して数多くの電子素子部品が搭載されるようになってきている。例えば、輸送機のみに着目してみても、ガソリン車からハイブリッド車プラグインハイブリッド車電気自動車等へ変化することで、今までガソリン車では必要のなかったモータインバータ電池等の電子素子・部品を搭載する必要が出てきた。また、エンジン制御パワートレーン系エアコン制御等のボディ系においても、制御の内容が高度化し、制御に必要なシステムが増えている。それに伴い搭載する電子制御ユニット(ECU)の数も年々増加しており、その内部に搭載される電子素子も増加してきている。このような発熱する電子素子・部品から効率良く熱を逃がして冷却器へ伝えるために熱伝導性シリコーン組成物は今や必要不可欠な存在となっている。

0003

さらに最近では数多くの電子素子・部品を限られた空間内に搭載する必要があるために、その搭載環境(温度・角度等)も多岐に渡るようになってきた。例えば、発熱する電子素子・部品と冷却板とが水平置きされなくなり、それらを接続する熱伝導性材料もある一定の傾きを持って搭載されることが多くなってきた。このような使用環境では、熱伝導性材料が発熱体冷却体の間からズレて抜けてしまわないように、付加1液型熱伝導性シリコーン組成物を用いる場合がある(特許第3580366号公報:特許文献1)。すなわち、加熱硬化させることで熱伝導性組成物が発熱体と冷却体の間からズレて抜けづらくなり、その結果として放熱特性が長期間維持される。しかしながら、この付加1液型熱伝導性シリコーン組成物も幾つかの課題を抱えていた。例えば、保存に冷蔵或いは冷凍が必要であったり、使用前には解凍も必要となってしまう。また、付加1液型熱伝導性シリコーン組成物を組み付ける際に、加熱と冷却が必要になるので、材料を使用する生産設備加熱炉冷却炉の導入が必要であったり、長時間の加熱/冷却工程を必要とするために生産効率が下がってしまうという課題があった。また、このような加熱工程はエネルギー効率の観点から顧みても、熱伝導性材料のみならず部品ごと全て加熱しなくてはならなくなるため、決して効率が良い工程とは言えない。

0004

また、塗布面に硬化阻害物質であるアミン化合物等を含む金属切削油が残存してしまうと、硬化不良が生じてしまう問題があった。さらには、発熱体からの排熱により余剰付加反応が進行することで熱伝導性材料の硬度が経時で上昇し、実装された素子等にストレスを与えるという問題も抱えていた。

0005

そこで、付加1液型熱伝導性シリコーン組成物を使用する際のこのような保存/解凍管理と加熱/冷却工程の手間を省き、硬化阻害を気にせずに済むように、予め材料製造時に加熱架橋反応させた付加1液型熱伝導性材料が見出されている(特許第4130091号公報:特許文献2)。これは上述の欠点を克服した熱伝導性シリコーングリース組成物であるが、そのトレードオフとして、粘度が高く塗布しづらく、またベースポリマーの粘度が高いために熱伝導性充填剤高充填化し難いという課題が新たに生じた。さらに、上述した硬度が経時で上昇するという問題は、未だ解決されない課題として残されていた。

0006

一方、初期は低粘度であるものの塗布後に室温環境下、空気中の水分を利用して硬化或いは増粘させることで発熱体と冷却体の間からズレて抜けづらくなり、さらには室温保存も可能な縮合硬化型熱伝導性シリコーン組成物が提案されている(特開2004−352947号公報、特許第4787128号公報、特許第5733087号公報:特許文献3〜5)。これは保存に冷蔵或いは冷凍が不要、実装時に加熱/冷却工程が不要であり、生産効率が高いという点で有用な材料であるものの、空気中の水分を利用して硬化させるという硬化システムに起因して、深部硬化性に劣るという欠点を共通して抱えていた。その結果、耐熱時や冷熱サイクルといった熱的負荷がかかった際に、組成物の硬化物に割れやズレといった劣化が生じ、放熱特性が低下するという問題があった。さらに、空気中の水分により余剰の縮合反応が進行するため、経時での硬度上昇はこの硬化系においても無視できない問題であった。

0007

縮合硬化型熱伝導性シリコーン組成物の硬化物における、割れやズレといった劣化や、経時での硬度上昇を抑制するためには、深部硬化性の向上が共通の方策として挙げられる。縮合硬化型熱伝導性シリコーン組成物においては一般に、縮合硬化を促進するための触媒が添加されるが、深部硬化性の向上を追求するあまり触媒を大量に添加したり、触媒作用の強いものを活用すると、組成物の保存性取扱い性が著しく悪化することがあり、保存性や取扱い性を犠牲にすることなく、深部硬化性を効果的に向上させる縮合触媒が求められていた。

先行技術

0008

特許第3580366号公報
特許第4130091号公報
特開2004−352947号公報
特許第4787128号公報
特許第5733087号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、冷蔵又は冷凍保存が不要であり、さらに実装時に加熱/冷却工程も不要であるため生産効率が高く、さらに耐熱時の硬度変化や割れ・ズレに起因する硬化物の劣化を抑制することが可能な縮合硬化型シリコーン組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物が、保存性や取扱い性を犠牲にすることなく深部硬化性を効果的に向上させる理想的な縮合触媒として作用することを見出し、本発明をなすに至ったものである。

0011

従って、本発明は下記縮合硬化型シリコーン組成物を提供する。
[1].(A)下記一般式(1)



(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基である。nは、この式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を下記値とする数である。)
で示され、25℃における粘度が0.1〜1,000Pa・sであり、両末端水酸基封鎖されたオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)下記一般式(2)
R2a−SiX(4-a) (2)
(式中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、aは0又は1である。)
で示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上:1〜40質量部、
(C)水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物:10〜7,900質量部、
(D)アルキルエステル化合物チタン酸エステルチタンキレート化合物有機亜鉛化合物有機鉄化合物有機コバルト化合物有機マンガン化合物有機アルミニウム化合物ヘキシルアミンリン酸ドデシルアミン、第4級アンモニウム塩アルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン、ならびにグアニジル基を含有するシラン及びシロキサンから選ばれる縮合触媒:0.01〜20質量部、
(E)下記一般式(3)

(式中、R3は独立に非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の1価炭化水素基であり、R4は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基アルケニル基又はアシル基であり、mは2〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサン:10〜400質量部、及び
(F)10W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤(但し、(C)成分を除く):100〜7,990質量部(但し、(C)成分と(F)成分の合計は、110〜8,000質量部)
を必須成分とする縮合硬化型シリコーン組成物。
[2].さらに、(G)炭素原子を介してケイ素原子に結合したアミノ基、エポキシ基メルカプト基アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる基を有し、且つケイ素原子に結合した加水分解性基を有するシラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種以上0.01〜30質量部を含む[1]記載の縮合硬化型シリコーン組成物。

発明の効果

0012

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物は従来技術では困難であった、「冷蔵或いは冷凍保存が不要」、「実装時に加熱/冷却工程が不要」、「耐熱時の硬度変化や割れ・ズレに起因する硬化物の劣化を抑制する」といった特性を全て満足するものであり、電気電子分野・輸送機分野等の放熱性及び耐熱性が必要とされる幅広い分野で利用できる。

0013

[(A)成分]
(A)成分は、本発明の縮合硬化型シリコーン組成物のベースポリマー(主剤)であり、下記一般式(1)



(式中、R1は互いに同一又は異種の非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基である。nは、この式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を下記値とする数である。)
で示され、25℃における粘度が0.1〜1,000Pa・sであり、両末端が水酸基で封鎖されたオルガノポリシロキサンである。

0014

R1として具体的には、メチル基エチル基プロピル基ブチル基、ペンチル基ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、これら1価炭化水素基の水素原子の一部又は全部が塩素原子フッ素原子臭素原子等のハロゲン原子、シアノ基等で置換されたクロロメチル基、3−クロロプロピル基、トリフルオロメチル基シアノエチル基等のハロゲン原子置換アルキル基又はアリール基、シアノ基置換アルキル基又はアリール基等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。

0015

nは、式(1)で示されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度を0.1〜1,000Pa・s、好ましくは0.3〜100Pa・sとする数である。

0016

(A)成分の25℃における粘度は、0.1〜1,000Pa・sであり、好ましくは0.3〜100Pa・sであり、より好ましくは0.5〜50Pa・sである。粘度が0.1Pa・sより低いと硬化するのが遅くなってしまい、1,000Pa・sより高いと、縮合硬化型シリコーン組成物が高粘度になってしまうので、塗布性が悪化してしまう。なお、この粘度は回転粘度計にて測定した値である(以下、同じ)。

0017

(B)成分は、下記一般式(2)
R2a−SiX(4-a) (2)
(式中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基であり、Xは加水分解性基であり、aは0又は1である。)
で示されるシラン化合物、その(部分)加水分解物及び(部分)加水分解縮合物から選ばれる1種以上であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(B)成分は、本発明の縮合硬化型シリコーン組成物の架橋剤として作用する。

0018

上記式(2)中、R2は非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、炭素数1〜3のアルキル基、ビニル基又はフェニル基である。Xは加水分解性基であり、アルコキシ基アルコキシアルコキシ基アルケニルオキシ基ケトオキシム基、アシロキシ基、アミノ基、アミド基アミノキシ基等が例示される。アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基としては、ハロゲン原子置換のものであってもよく、例えば、メトキシ基エトキシ基イソプロポキシ基、ブトキシ基、β−クロロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、δ−クロロブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。アルケニルオキシ基としては、例えば、イソプロペノキシ基等が挙げられる。ケトオキシム基としては、例えば、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等が挙げられる。アシロキシ基としては、例えば、アセトキシ基プロピオニルオキシ基等が挙げられる。アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基ジエチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等が挙げられる。アミド基としては、例えば、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−ブチルアセトアミド基、N−シクロヘキシルアセトアミド基等が挙げられる。アミノキシ基としては、例えば、N,N−ジメチルアミノキシ基、N,N−ジエチルアミノキシ基等が挙げられる。Xとしては、特にアルケニルオキシ基が好ましい。aは0又は1である。

0019

これらシラン化合物、その(部分)加水分解物あるいは(部分)加水分解縮合物の具体例としては、テトラメトキシシランテトラエトキシシランメチルトリメトキシシランエチルトリメトキシシランビニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリメトキシシランテトライソプロポキシシランテトラブトキシシランフェニルトリメトキシシランオクタデシルトリメトキシシラン、テトラ(β−クロロエトキシ)シラン、テトラ(2,2,2−トリフルオロエトキシ)シラン、プロピルトリス(δ−クロロブトキシ)シラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシラン類エチルポリシリケート、ジメチルテトラメトキシジシロキサン等のアルコキシシロキサン類、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、フェニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(ジエチルケトオキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラン類、メチルトリス(シクロヘキシルアミノ)シラン、ビニルトリス(n−ブチルアミノ)シラン等のアミノシラン類、メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−ブチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−シクロヘキシルアセトアミド)シラン等のアミドシラン類、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン等のアミノキシシラン類メチルトリ(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリ(イソプロペノキシ)シラン、フェニルトリ(イソプロペノキシ)シラン等のアルケニルオキシシラン類、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアシロキシシラン類等が挙げられる。

0020

(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、1〜40質量部であり、2〜30質量部が好ましい。配合量が1質量部よりも少ないと硬化せず、40質量部より多くても硬化し難い。

0021

[(C)成分]
(C)成分は、(C)水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(C)成分は、空気中の水分と接触することで部分的に加水分解してアンモニアを生じる。これが本発明の組成物の縮合硬化反応を促進する固体縮合触媒として作用する。すなわち、従来の縮合硬化型シリコーン組成物の短所であった深部硬化性に劣るという点を解決する。深部硬化性の向上により、耐熱時や冷熱サイクルといった熱的負荷がかかった際に組成物に割れやズレといった劣化が生じにくくなり、さらに架橋に関与する未反応の官能基量が減少するため、空気中の水分による余剰の縮合反応が起こりづらく、経時での硬度上昇も抑制することができるため、熱的負荷がかかった際の放熱特性の低下を抑制することが可能となった。

0022

(C)成分としては、窒化アルミニウム窒化ホウ素、窒化亜鉛窒化ケイ素窒化リチウム窒化マグネシウム等が挙げられるが、高熱伝導率を有する点や安定性入手のしやすさという点から、窒化アルミニウム、窒化ホウ素が好適に使用される。

0023

平均粒径は特に制限されるものではないが、0.1〜300μmの範囲が好ましく、0.1〜200μmの範囲がより好ましい。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による重量平均値(又はメジアン径)として求めることができる。また一次粒子のほか、一次粒子を焼結造粒したものであってもよく、さらに粒子形状も球状、鱗片状、針状、不定形等、特に制限されるものではない。

0024

さらには、水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生しやすい点から、耐水処理等の表面処理のなされていないものを使用する必要がある。表面処理剤等で耐水処理をされている場合には、水分の存在下で加水分解を受けづらくなり、固体縮合触媒としての作用が低下する。

0025

(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して10〜7,900質量部である。配合量が、10質量部より少ないと、固体触媒としての機能が十分に現れずに組成物が硬化しないおそれがあり、7,900質量部より多いとグリース状にならず伸展性の乏しいものとなる。さらに、十分な熱伝導性と伸展性を担保させる観点からは、200〜6,000質量部の範囲が好適である。

0026

[(D)成分]
(D)成分は、アルキル錫エステル化合物、チタン酸エステル、チタンキレート化合物、有機亜鉛化合物、有機鉄化合物、有機コバルト化合物、有機マンガン化合物、有機アルミニウム化合物、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミン、第4級アンモニウム塩、アルカリ金属の低級脂肪酸塩、ジアルキルヒドロキシルアミン、ならびにグアニジル基を含有するシラン及びシロキサンから選ばれる縮合触媒であり、本発明の縮合硬化型シリコーン組成物を硬化させるための縮合触媒である。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。

0027

具体的には、ジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジラウレートジブチル錫ジオクトエート等のアルキル錫エステル化合物;テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタンテトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジプロポキシビスアセチルアセトナ)チタン、チタニウムイソプロポキシオクチレングリコール等のチタン酸エステル;ジイソプロポキシビスエチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(メチルアセトアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジブトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン、ジメトキシビス(エチルアセトアセトネート)チタン等のチタンキレート化合物;ナフテン酸亜鉛ステアリン酸亜鉛、亜鉛−2−エチルオクトエート、鉄−2−エチルヘキソエートコバルト−2−エチルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエート、ナフテン酸コバルトアルコキシアルミニウム化合物等の有機金属(亜鉛、鉄、コバルト、マンガン、アルミニウム化合物;3−アミノプロピルトリエトキシシラン;ヘキシルアミン;リン酸ドデシルアミン;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の第4級アンモニウム塩;酢酸カリウム酢酸ナトリウム蓚酸リチウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミンジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が例示される。中でも、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン等のグアニジル基を含有するシラン又はシロキサン等が好適に用いられる。

0028

(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0.01〜20質量部であり、0.1〜5質量部が好ましい。配合量が、0.01質量部未満であると硬化し難くなり、20質量部を超える量であると不経済である。

0029

[(E)成分]
(E)成分は、下記一般式(3)

(式中、R3は独立に非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の1価炭化水素基であり、R4は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基又はアシル基であり、mは2〜100の整数であり、bは1〜3の整数である。)
で表されるオルガノポリシロキサンであり、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(E)成分は(C)成分や、後述する(F)成分の熱伝導性充填剤の高充填化を補助する役割を担うことができる。

0030

上記式(3)中、R3は独立に非置換又はハロゲン原子置換もしくはシアノ基置換の、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜3の1価炭化水素基であり、その例としては、直鎖状アルキル基分岐鎖状アルキル基環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基ハロゲン化アルキル基シアノアルキル基が挙げられる。直鎖状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。分岐鎖状アルキル基としては、例えば、イソプロピル基イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられる。環状アルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(ノナフルオロブチル)エチル基、2−(ヘプタデカフルオロオクチル)エチル基が挙げられる。シアノアルキル基としては、例えば、シアノエチル基が挙げられる。R3として、好ましくはメチル基、フェニル基、ビニル基である。

0031

上記R4は独立にアルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、又はアシル基である。アルキル基としては、例えば、R3について例示したのと同様の直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基が挙げられる。アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、メトキシプロピル基等が挙げられる。アシル基としては、例えば、アセチル基オクタノイル基等が挙げられる。R4はアルキル基であることが好ましく、特にはメチル基、エチル基であることが好ましい。

0032

mは2〜100の整数であり、好ましくは5〜80である。bは1〜3の整数であり、好ましくは3である。

0033

(E)成分の25℃における粘度は、通常、0.005〜100Pa・sが好ましく、0.005〜50Pa・sがより好ましい。粘度が0.005Pa・sより低いと、硬化後の組成物からオイルブリードが発生しやすくなってしまい、また垂れやすくなってしまうおそれがある。粘度が100Pa・sより高いと、得られる組成物の流動性が乏しくなり、塗布作業性が悪化してしまうおそれがある。

0034

(E)成分の好適な具体例としては下記のものを挙げることができる。

0035

(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して10〜400質量部であり、20〜200質量部が好ましい。少なすぎると(C)成分や、後述する(F)成分の熱伝導性充填剤が充填し難くなるおそれがある。一方、多すぎると硬化後の組成物からオイルブリードが発生しやすくなるおそれがあり、硬化反応が不十分となる。

0036

[(F)成分]
(F)成分は、10W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填剤(但し、(C)成分を除く)であり、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(F)成分の熱伝導性充填剤は、本発明の縮合硬化型シリコーン組成物に熱伝導性を付与するために配合される。熱伝導率が10W/m・K以上のものであればよく、熱伝導率の上限は特に限定されないが、500W/m・K程度である。充填剤の熱伝導率が10W/m・K以上、好ましくは15W/m・K以上のものとしては、酸化アルミニウム粉末アルミニウム粉末銅粉末銀粉末ニッケル粉末金粉末酸化亜鉛粉末酸化マグシム粉末ダイヤモンド粉末カーボン粉末等が挙げられる。中でも、酸化アルミニウム粉末、アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末が好ましく、酸化アルミニウム粉末がより好ましい。

0037

熱伝導性充填剤の平均粒径は、0.1μmより小さいとグリース状にならず伸展性に乏しいものになるおそれがあり、300μmより大きいと縮合硬化型シリコーン組成物の均一性が乏しくなるおそれがあるため、0.1〜300μmの範囲が好ましく、0.1〜200μmの範囲がより好ましい。充填剤の形状は、不定形でも球形でも如何なる形状でもよい。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による重量平均値(又はメジアン径)として求めることができる。

0038

(F)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して100〜7,990質量部であり、200〜6,000質量部が好ましい。但し、(C)成分と(F)成分の合計は、110〜8,000質量部であり、好ましくは200〜6,000質量部である。この配合量とすることで、本発明の縮合硬化型シリコーン組成物は十分な熱伝導性と伸展性を担保することができる。

0039

(C)成分と(F)成分の合計量に対する、(C)成分の割合は、5〜90質量%が好ましく、25〜80質量%がより好ましい。(C)成分の割合が少ないと、硬化物の硬化が低い場合に、耐熱時の硬度変化や割れ・ズレが生じやすくなるおそれがある。

0040

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物はさらに、(G)炭素原子を介してケイ素原子に結合したアミノ基、エポキシ基、メルカプト基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる基を有し、且つケイ素原子に結合した加水分解性基を有するシラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選ばれる1種以上を配合することができる。この成分は、本発明の縮合硬化型シリコーン組成物と塗布表面との接着性を高める役割を担うものである。

0041

シラン化合物及びその部分加水分解縮合物中に上記官能基が2個以上存在する場合、それらは異なる炭素原子を介してケイ素原子に結合していてもよいし、同一の炭素原子を介してケイ素原子に結合していてもよい。また、このシラン化合物及びその部分加水分解縮合物は、好ましくは1〜3個、より好ましくは2〜3個の加水分解性基を有する。加水分解性基としては、(B)成分の式(2)における加水分解性基Xと同様なものが例示され、中でもアルコキシ基が好ましい。

0042

上記シラン化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−グリドキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシエチルジメトキシメチルシラン等のエポキシ基含有シラン類、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランメタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタアクリロイル基含有シラン類等が挙げられる。(G)成分は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。

0043

上記(G)成分を配合する場合の配合量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し0.01〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましい。0.01質量部よりも少ないと、配合効果が薄く接着性を発現できないおそれがある。30質量部より多いと接着性の向上も観察されず不経済となるおそれがある。

0044

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物には、上記成分以外に本発明の目的を損なわない範囲で他の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、組成物の硬度や粘度を調整するためのメチルポリシロキサン等の反応性を有さないオルガノポリ)シロキサン、シリコーン組成物の劣化を防ぐための2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の、従来公知の酸化防止剤炭酸カルシウム等の補強性非補強性充填剤チキソトロピー向上剤としてのポリエーテル等が挙げられる。さらに必要に応じて顔料染料等の着色剤を添加してもよい。

0045

[製造方法]
本発明における縮合硬化型シリコーン組成物の製造方法について説明するが、これらに限定されるものではない。本発明の縮合硬化型シリコーン組成物を製造する方法は、上述した(A)〜(F)成分、必要によりこれに加えて(G)成分及びその他の成分を混合する工程を有するものであれば、従来のシリコーン組成物の製造方法に従えばよく、特に制限されるものでない。例えば、上述した(A)〜(F)成分、必要によりこれに加えて(G)成分及びその他の成分を、あわとり練太郎(シンキー(株)の登録商標)、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも井上製作所(株)製混合機の登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機の登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機の登録商標)等の混合機、もしくはヘラ等を用いた手混合にて混合する方法が挙げられる。

0046

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物の25℃にて測定される粘度は、3〜1,000Pa・sが好ましく、10〜500Pa・sがより好ましい。粘度が3Pa・s未満では、形状保持が困難となる等、作業性が悪くなるおそれがある。また粘度が1,000Pa・sを超える場合にも吐出や塗布が困難となる等、作業性が悪くなるおそれがある。上記粘度は、上述した各成分の配合を調整することにより得ることができる。本発明において、粘度はマルコム粘度計により測定した25℃の値である(ロータAで10rpm、ズリ速度6[1/s])。

0047

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物は熱伝導性であり、通常0.5〜10W/m・Kの熱伝導率を有する。

0048

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物の硬化物の硬度は、アスカーC硬度計による測定で5〜90が好ましく、10〜85がより好ましい。

0049

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物は、冷蔵或いは冷凍保存が不要であり、さらに実装時の硬化工程において、湿気を含む雰囲気放置すると、水分よって室温で硬化し、加熱/冷却も不要であるため、高い生産効率が得られるものである。さらに、水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物から選ばれる固体縮合触媒を活用して深部硬化性を向上させることで、耐熱時の硬度変化や割れ・ズレに起因する硬化物の劣化を抑制することが可能となり、熱的負荷がかかった際の放熱特性の低下を抑制することが可能となる。このような特性を有するため、電気電子分野・輸送機分野等の放熱性及び耐熱性が必要とされる幅広い分野で利用できる。

0050

以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
まず、本発明の縮合硬化型シリコーン組成物を調製する以下の各成分を用意した。
[(A)成分]
A−1:25℃における粘度が0.7Pa・sであり、両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
A−2:25℃における粘度が5Pa・sであり、両末端が水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン
[(B)成分]
B−1:フェニルトリ(イソプロペノキシ)シラン



B−2:ビニルトリ(イソプロペノキシ)シラン



[(C)成分]
C−1:平均粒径1.0μmの窒化アルミニウム粉末(熱伝導率:320W/m・K)
C−2:平均粒径2.0μmの窒化アルミニウム粉末(熱伝導率:320W/m・K)
C−3(比較品):平均粒径1.0μmの表面耐水処理窒化アルミニウム粉末
(熱伝導率:320W/m・K)
[(D)成分]
D−1:テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン



[(E)成分]



[(F)成分]
F−1:平均粒径40μmの酸化アルミニウム粉末(熱伝導率:27W/m・K)
F−2:平均粒径1.0μmの酸化アルミニウム粉末(熱伝導率:27W/m・K)
[(G)成分]
G−1:3−アミノプロピルトリエトキシシラン

0051

[実施例1〜7、比較例1〜6]
縮合硬化型シリコーン組成物の調製
上記(A)〜(D)、必要に応じて(E)〜(G)成分を、下記表1,2に示す配合量に従い、下記に示す方法で配合して縮合硬化型シリコーン組成物を調製した。すなわち、5リットルのプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製)に(A)、(C)、(E)及び(F)成分を加え、170℃で3時間混合した。常温になるまで冷却し、次に(B)、(D)及び(G)成分を加えて均一になるように混合し、縮合硬化型シリコーン組成物を調製した。このようにして得られた各組成物について、下記方法で粘度、熱伝導率を測定し、硬化物の硬度及び硬度変化を測定した。さらに160℃耐熱時における硬度変化、及び160℃耐熱時、−40℃/30分⇔160℃/30分冷熱サイクル時における耐割れ・ズレ性を評価した。結果を表1,2に示す。

0052

[粘度]
各組成物の絶対粘度を、マルコム粘度計(タイプPC−1T)を用いて25℃で測定した。

0053

[熱伝導率]
各組成物をキッチンラップ包み、熱伝導率を京都電子工業(株)製TPA−501で測定した。

0054

[硬度・硬度変化]
各組成物を2.0mmのシート状とし、23±2℃/50±5%RHに7日間放置した後に6枚積層したものを、アスカーC硬度計を用いて測定した。さらに、硬度を測定したシートを160℃の環境下に500時間置いた後、アスカーC硬度計で硬度を測定し、硬度の変化量を算出した。

0055

[割れ・ズレ性評価
各組成物0.2mLをガラス板上に塗布し、1.0mmのスペーサを介してもう1枚のガラス板ではさんだ後、クリップで固定した。これを(1)23±2℃/50±5%RHに7日間放置した後、160℃で500時間・横置き、(2)−40℃/30分⇔160℃/30分で500サイクル縦置きし、それぞれの試料について割れやズレが生じるか評価した。

0056

0057

実施例

0058

本発明の縮合硬化型シリコーン組成物は、冷蔵あるいは冷凍保存が不要であり、さらに実装時に加熱/冷却工程も不要である。また、表1,2の結果より、(C)成分の水分の存在下で加水分解を受けることでアンモニアを発生する金属窒化物から選ばれる固体縮合触媒を活用して深部硬化性を向上させることで、耐熱時の硬度変化や割れ・ズレに起因する硬化物の劣化を抑制することが可能であることが確認できた。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、如何なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

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