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技術 親和性成熟に基づく抗体最適化方法

出願人 ファブラスエルエルシー
発明者 スミダー,ヴォーンマオ,ヘレン,ホンギュアン
出願日 2016年8月17日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-160082
公開日 2017年2月9日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2017-031153
状態 拒絶査定
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード ギャップ開口 制御事項 単一長さ フィルターベッド 対象特性 セグメントグループ 通気機構 接合タイプ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月9日)のものです。
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図面 (8)

課題

抗体の構造/親和性または活性の関連性に基づいて、抗体またはその一部の活性を進化させる親和性成熟方法の提供。

解決手段

標的抗原に対する1次抗体またはその一部の親和性成熟方法であって、a)対応する型の1次抗体よりも低下した標的抗原に対する活性を示す関連抗体またはその一部を特定するステップ;b)1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖アミノ酸配列と対応する関連抗体の関連可変重鎖または可変軽鎖のアミノ酸配列を比較するステップ;c)1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖内の標的領域を特定するステップ;e)複数の改変抗体のそれぞれを標的抗原に対する活性により選別するステップ;ならびにf)1次抗体に比較して標的抗原に対する活性増加を示す改変抗体を選択するステップ、を含む方法。

概要

背景

背景
多くの治療および診断用モノクローナル抗体(MAb)が臨床現場で使用され、ヒト疾患、例えば、癌および自己免疫疾患、の治療および診断が行われている。例えば、代表的治療用抗体には、リツキサンリツキシマブ)、ハーセプチントラスツズマブ)、アバスチンベバシズマブ)およびレミケードインフリキシマブ)が挙げられる。抗体治療薬を設計する場合には、抗体、例えば、標的の機能活性を調節する抗体、および/または、例えば、より高い特異性および/または、親和性を有するように改良された抗体および/または、特定の細胞または組織環境中で生体利用可能性がより高い、またはより安定な、またはより可溶性の大きい抗体、を作り出すことが望ましい。抗体の結合親和性の最適化および改良方法ならびに所望の親和性を有する抗体を選択する方法の提供も本明細書の目的に含まれる。

概要

抗体の構造/親和性または活性の関連性に基づいて、抗体またはその一部の活性を進化させる親和性成熟方法の提供。標的抗原に対する1次抗体またはその一部の親和性成熟方法であって、a)対応する型の1次抗体よりも低下した標的抗原に対する活性を示す関連抗体またはその一部を特定するステップ;b)1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖アミノ酸配列と対応する関連抗体の関連可変重鎖または可変軽鎖のアミノ酸配列を比較するステップ;c)1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖内の標的領域を特定するステップ;e)複数の改変抗体のそれぞれを標的抗原に対する活性により選別するステップ;ならびにf)1次抗体に比較して標的抗原に対する活性増加を示す改変抗体を選択するステップ、を含む方法。なし

目的

本明細書では、標的抗原に対する1次抗体またはその一部の親和性成熟方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

標的抗原に対する1次抗体またはその一部の親和性成熟方法であって、a)対応する型の1次抗体よりも低下した標的抗原に対する活性を示す関連抗体またはその一部を特定するステップであって、関連抗体またはその一部が、関連可変重鎖または関連可変軽鎖を含み、関連抗体の対応する可変重鎖または可変軽鎖の内の1つが、1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖に対する少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を示すが、それに対する100%の配列同一性を示さない抗体であるか;または関連抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントが1次抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントと同じおよび/または少なくとも1つの可変軽鎖をコードする核酸分子のVκおよびJκもしくは少なくとも1つのVλおよびJλ生殖系列セグメントが1次抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の1つのVκおよびJκもしくはVλおよびJλ生殖系列セグメントに同じである抗体であるかのいずれかであるステップ;b)1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖のアミノ酸配列と対応する関連抗体の関連可変重鎖または可変軽鎖のアミノ酸配列を比較するステップ;c)1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖内の標的領域を特定するステップであって、標的領域が関連抗体中の同じ領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸差異を示す1次抗体中の領域であるステップ;d)それぞれ、可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部を含む複数の改変抗体を産生するステップであって、少なくとも1つの可変重鎖または可変軽鎖がその標的領域内で単一アミノ酸残基の置換により改変され、それによりそれぞれの複数の抗体中の標的領域が、1次抗体に比べてアミノ酸の別のアミノ酸への置換を含むステップ;e)複数の改変抗体のそれぞれを標的抗原に対する活性により選別するステップ;ならびにf)1次抗体に比較して標的抗原に対する活性増加を示す改変抗体を選択するステップ、を含む方法。

技術分野

0001

関連出願
2009年11月4日出願の「親和性成熟に基づく抗体最適化方法」の名称の米国特許仮出願第61/280、618号、および2012年5月13日出願の「親和性成熟に基づく抗体最適化、抗体変換方法および抗体」の名称の米国特許仮出願第61/395、670号の優先権の利益を主張する。認められる場合は、上述の出願内容は、参照によってその全体が組み込まれる。

0002

本出願は、また、2009年11月4日出願の「コンビナトリアル抗体ライブラリーおよびその使用」の名称の国際出願PCT/US2009/063299号に関連し、この特許は、2008年11月7日出願の米国特許仮出願第61/198、764号、および2009年3月25日出願の米国特許仮出願第61/211、204号(それぞれの名称:「コンビナトリアル抗体ライブラリーおよびその使用」)の優先権を主張している。さらに、この出願は、「抗DLL4抗体およびその使用」の名称の国際PCT出願第PCT/US09/63303号に関連し、この特許もまた、米国特許仮出願第61/198、764号および61/211、204号のそれぞれの優先権を主張している。

0003

上記出願のそれぞれの内容は参照によってその全体が組み込まれる。

0004

コンパクトディスクで提供される配列リストの参照による組み込み
電子バージョンの配列リストが添付されており、その内容は、参照によってその全体が組み込まれる。電子ファイルは2.66メガバイトのサイズで、ファイル名は702seqPC1.txtである。

0005

発明の分野
本明細書では、抗体の構造/親和性または活性の関連性に基づいて、抗体またはその一部の活性を進展させる親和性成熟の合理的方法が提供される。得られた親和性成熟抗体は、標的抗原に対し改善された、または最適化された結合親和性を示す。

背景技術

0006

背景
多くの治療および診断用モノクローナル抗体(MAb)が臨床現場で使用され、ヒト疾患、例えば、癌および自己免疫疾患、の治療および診断が行われている。例えば、代表的治療用抗体には、リツキサンリツキシマブ)、ハーセプチントラスツズマブ)、アバスチンベバシズマブ)およびレミケードインフリキシマブ)が挙げられる。抗体治療薬を設計する場合には、抗体、例えば、標的の機能活性を調節する抗体、および/または、例えば、より高い特異性および/または、親和性を有するように改良された抗体および/または、特定の細胞または組織環境中で生体利用可能性がより高い、またはより安定な、またはより可溶性の大きい抗体、を作り出すことが望ましい。抗体の結合親和性の最適化および改良方法ならびに所望の親和性を有する抗体を選択する方法の提供も本明細書の目的に含まれる。

0007

要約
本明細書では、構造/活性関連性(SAR)に基づく抗体またはその断片の親和性成熟方法が提供される。この方法は、親和性成熟前の出発抗体に比べて、標的抗原に対する活性(例えば、結合特異性または親和性)が高められ、改良された最適化抗体をもたらす。

0008

本明細書では、標的抗原に対する1次抗体またはその一部の親和性成熟方法を提供する。この方法では、関連抗体またはその一部が、対応する型の1次抗体よりも標的抗原に対する活性の低下を示すことが特定され、この関連抗体またはその一部は、関連可変重鎖または関連可変軽鎖を含み、1)対応する関連抗体の可変重鎖または可変軽鎖が、1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖に対し少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を示すが、100%の配列同一性を示さない抗体であるか;または2)関連抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントが、1次抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントと同等であり、および/または少なくとも1つの関連抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子のVκおよびJκまたは少なくとも1つのVλおよびJλ生殖系列セグメントが、1次抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の1つのVκおよびJκまたはVλおよびJλ生殖系列セグメントに同等である抗体かのいずれかである。さらに、この方法では、1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖のアミノ酸配列が、対応する関連抗体の可変重鎖または可変軽鎖のアミノ酸配列と比較される。比較後、1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖内の標的領域が特定され、それにより、標的領域が、関連抗体の同じ領域に比べて、少なくとも1つのアミノ酸差異を示す1次抗体中の領域であることが特定される。標的領域の特定後、それぞれ可変重鎖および可変軽鎖を含む複数の改変抗体またはその一部が産生され、単一アミノ酸残基の置換を、例えば、各複数抗体の標的領域が1次抗体と比較して別のアミノ酸への置換を含むように行い、標的領域中の少なくとも1つの可変重鎖または可変軽鎖が改変される。得られた複数の変異抗体は、標的抗原に対する活性により選別される。改変抗体は、1次抗体に比べ標的抗原に対する活性増加を示す。この方法の一例では、1次抗体の改変型の可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子を作ることにより複数の改変抗体が産生され、核酸分子が、標的領域中に未改変可変重鎖または可変軽鎖とは異なるアミノ酸をコードする1つのコドンを含み、それにより、複数のそれぞれの核酸分子が、標的領域中で単一アミノ酸残基の置換により改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。

0009

本明細書で提供される方法では、1次抗体の標的領域は、対応する関連抗体中の領域に比べて、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10アミノ酸差異を示す。さらに、この方法では、1次抗体は、1、2、3、4、または5つの関連抗体と比較できる。本明細書の方法では、標的領域は、CDR1、CDR2、CDR3、FR1、FR2、FR3およびFR4から選択される。例えば、標的領域は、CDR1、CDR2またはCDR3である。

0010

本明細書で提供される方法では、評価される活性は、結合、シグナル伝達分化遺伝子発現の変化、細胞増殖アポトーシス走化性細胞障害性癌細胞浸潤内皮細胞増殖または管形成であってもよい。一例では、活性は、結合であり、結合は、イムノアッセイ全細胞パニングまたは表面プラズモン共鳴法(SPR)により評価される。例えば、結合は、イムノアッセイにより、例えば、ラジオイムノアッセイ酵素結合免疫吸着測定法ELISA)または電気化学発光測定法により評価可能である。特に、結合は、電気化学発光測定、例えば、メソスケールディスカバリーで評価される。

0011

本明細書の方法では、抗体がFab型の場合は、親和性成熟1次抗体は、正確にまたは約10−4M、10−5M、10−6M、10−7M、10−8Mまたは10−8M未満の結合親和性で、標的抗原に対し結合を行う。

0012

一例では、本明細書で提供される親和性成熟方法は、関連抗体またはその一部との比較を含み、対応する1次抗体型に比較して80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、または5%未満の活性を示す。例えば、関連抗体は、陰性対照に比較して、標的抗原に対し同じまたは類似のレベルの活性を示してもよい。別の例では、関連抗体は、1次抗体の結合親和性未満の結合親和性を示し、この場合の結合親和性は、そのFab型で正確にまたは約10−4M、10−5M、10−6M、10−7M、10−8Mまたは10−8M未満である。

0013

本明細書で提供される方法の一例では、標的領域は、1次抗体の可変重鎖内で特定され、この方法はそこから行われる。本明細書で提供される方法の別の例では、標的領域は、1次抗体の可変軽鎖内で特定され、この方法はそこから行われる。本明細書の方法のさらなる例では、標的領域は、1次抗体の可変重鎖内で特定され、この方法のステップはそこから行われる;また、別々に、独立に標的領域が1次抗体の可変軽鎖内で特定され、この方法はそこから行われる。

0014

本明細書の方法の一態様では、対応する関連可変重鎖を含む関連抗体は、対応する関連可変軽鎖を含む関連抗体とは異なる。本明細書の方法の別の態様では、対応する関連可変重鎖を含む関連抗体は、対応する関連可変軽鎖を含む関連抗体と同じである。

0015

本明細書の方法の一例では、1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖は、関連抗体の対応する関連可変重鎖または可変軽鎖と、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を示す。特に、1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖は、関連抗体の対応する関連可変重鎖または可変軽鎖と少なくとも95%の配列同一性を示す。

0016

別の例では、関連抗体は、1次抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントが、1つの関連抗体の可変重鎖をコードする核酸分子のVH、DHおよびJH生殖系列セグメントと同等であり;および/または1次抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVκおよびJκまたは少なくとも1つのVλおよびJλ生殖系列セグメントが、関連抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の1つのVκおよびJκまたはVλおよびJλ生殖系列セグメントと同等である関連可変重鎖または可変軽鎖を含む抗体である。例えば、関連抗体は、1次抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントが、関連抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントと同じ遺伝子ファミリー由来であり;および/または少なくとも1つのVκおよびJκまたは1次抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVλおよびJλ生殖系列セグメントが、関連抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の1つのVκおよびJκまたはVλおよびJλ生殖系列セグメントと同じ遺伝子ファミリー由来である関連可変重鎖または可変軽鎖を含む抗体である。このような例では、1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖は、対応する関連抗体の関連可変重鎖または可変軽鎖と、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を示す。

0017

本明細書の方法では、1次抗体は、コンビナトリアル抗体ライブラリーの選別により特定され、コンビナトリアル抗体ライブラリーは、VH、DHおよびJHヒト生殖系列セグメントまたはそのインフレームの一部を組み合わせ、VH鎖またはその一部をコードする核酸分子の配列を生成し;さらにVκおよびJκヒト生殖系列セグメントまたはそのインフレームの一部、もしくはVλおよびJλ生殖系列セグメントまたはその一部を組み合わせ、VL鎖またはその一部をコードする核酸分子の配列を生成することにより作られる。組み合わせのステップでは、VH、DH、JH、Vκ、Jκ、VλまたはJλのそれぞれの部分は、抗原結合部位を形成するのに充分なVHもしくはVLまたはその一部を含む抗体またはその一部を作るのに充分である。組み合わせのステップは、複数の異なる核酸分子の配列を生成するために複数回繰り返される。核酸分子が合成され、2つのライブラリーが作られる。第一のライブラリーは、VH鎖またはその一部をコードする核酸分子を含み;さらに第2のライブラリーは、VL鎖またはその一部をコードする核酸分子を含む。第1および第2ライブラリー由来の核酸分子が細胞に導入され、これを複数回繰り返し、細胞ライブラリーを産生し、この中の各細胞は、細胞ライブラリー由来の他のあらゆる細胞とのVHおよびVLの異なる組み合わせをコードする核酸分子を含む。最後に、コンビナトリアルライブラリーを生成する方法で、細胞が成長し、各細胞中で抗体またはその一部が発現し、それにより複数の抗体またはその一部を産生し、ライブラリー中の各抗体またはその一部が、ライブラリー中の全ての他の抗体またはその一部との種々の組み合わせの抗原結合部位を形成するのに充分なVHもしくはVL鎖またはその一部を含む。1次抗体を特定するために、ライブラリーは、選別されるライブラリー中の抗体またはその一部を標的タンパク質と接触させ、抗体またはその一部と標的タンパク質の結合、および/または抗体またはその一部が標的タンパク質の機能活性を調節するかどうかを評価することにより選別され;さらに標的タンパク質に対する活性を示す抗体またはその一部を特定する。ここで特定された抗体またはその一部が1次抗体である。同様に、関連抗体もまた、このようなコンビナトリアル抗体ライブラリーを標的抗原に対し選別し、1次抗体に比べて標的抗原に対し低い活性を示す関連抗体を特定する。

0018

選別されたコンビナトリアルライブラリーは、アドレス指定できるライブラリーであってもよい。アドレス指定できるライブラリーでは、合成核酸配列は、別々にアドレス指定され、それによって第1のアドレス指定核酸ライブラリーおよび第2のアドレス指定核酸ライブラリーを生成する。また、細胞も、各位置が、アドレス指定細胞ライブラリー中のあらゆる他の細胞とは異なるVHおよびVLの組み合わせをコードする核酸分子を含む細胞を含有するようにアドレス指定される。最終的に、複数の抗体またはその一部が、アドレス指定され、ライブラリー中の各位置の抗体またはその一部が同じ抗体であり、また、それぞれの位置および他のあらゆる位置の抗体またはその一部とは異なり;さらに抗体またはその一部の同一性は、そのアドレスにより知ることができる。アドレス指定できるライブラリーは、空間アレイで配列可能で、アレイの各個別位置は、異なる抗体メンバーに対応する。空間アレイは、マルチウェルプレートであってもよい。別の例では、アドレス指定できるライブラリー中の抗体は、フィルターチップスライドビーズまたはセルロース固体支持体に付着させることが可能で、異なる抗体メンバーがそれらの表面に固定化される。

0019

本明細書の親和性成熟方法では、標的抗原は、ポリペプチド炭水化物、脂質、核酸または小分子である。標的抗原は、ウイルス、細菌、腫瘍もしくは他の細胞表面上に発現していてもよく、あるいは組換え型タンパク質またはペプチドであってもよい。一例では、標的抗原は、治療介入の標的であるたんぱく質である。例えば、標的抗原は、細胞増殖および分化、細胞遊走、アポトーシスまたは血管新生関与する。代表的な標的抗原には、VEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3(血管内皮細胞増殖因子受容体1、2、および3)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ErbB−2、ErbB−3、IGF−R1、C−Met(肝細胞増殖因子受容体HGFRとしても知られる)、DLL4、DDR1(ジスコイジンドメイン受容体)、KIT(c−Kit受容体)、FGFR1、FGFR2、FGFR4(繊維芽細胞増殖因子受容体1、2、および4)、RON(recepteur d’origine nantais;マクロファージ刺激1受容体としても知られる)、TEK(内皮細胞特異的受容体チロシンキナーゼ)、TIE(内皮細胞に存在する受容体型チロシンキナーゼ)、CSF1R(コロニー刺激因子1受容体)、PDGFRB(血小板由来増殖因子受容体B)、EPHA1、EPHA2、EPHB1(エリトロポイエチン生肝細胞受容体A1、A2およびB1)、TNF−R1、TNF−R2、HVEMLT−βR、CD20、CD3、CD25、NOTCH、G−CSF−R、GM−CSF−R、EPO−R.、カドヘリンインテグリン、CD52、CD44、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、PIGF、EGF、HGF、TNF−α、LIGHT、BTLA、リンホトキシン(LT)、IgE、G−CSF、GM−CSFならびにEPO、が挙げられる(これらに限定されない)。

0020

本明細書で提供される親和性成熟方法では、サブセットの標的領域のアミノ酸残基アミノ酸置換により改変される。一連では、標的領域の1次抗体および関連抗体の間の異なるアミノ酸残基のみがアミノ酸置換により改変される。別の例では、標的領域の1次抗体および関連抗体の間の同じアミノ酸残基のみがアミノ酸置換により改変される。本明細書で提供される方法の一例では、標的領域中の全てのアミノ酸残基がアミノ酸置換により改変される。改変されるアミノ酸に対して、アミノ酸置換は、他の全ての19個のアミノ酸への置換であってもよく、あるいは制限されたそのサブセットへの置換であってもよい。

0021

本明細書で提供される方法では、その抗体は、PCR変異誘発カセット変異導入部位特異的変異誘発ランダム点変異誘発、ウラシル含有テンプレートを使った変異誘発、オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発ホスホロチオエート修飾DNA変異誘発、ギャップ二重鎖DNAを使った変異誘発、ポイントミスマッチ修復(point mismatch repair)、修復欠損宿主株を使った変異誘発、制限選択(restriction−selection)および制限精製(restriction−purification)、欠失変異誘発、全遺伝子合成による変異誘発、ならびに二重鎖切断修復によって変異導入される。抗体は、NNK、NNS、NNN、NNYまたはNNR変異誘発により変異導入してもよい。

0022

本方法の一態様では、標的領域の系統的変異導入を行い、変異導入すべきアミノ酸残基をさらに解明する。このような方法では、可変重鎖および可変軽鎖またはその一部を含む複数の改変抗体を産生することにより、1次抗体に対して系統的変異導入を行う。この場合、少なくとも1つの可変重鎖または可変軽鎖が、標的領域内の単一アミノ酸残基の別のアミノ酸残基での置換により改変されており、それにより、複数の抗体のそれぞれが1次抗体と比較して、標的領域内のアミノ酸置換を含む。複数の改変抗体のそれぞれは、標的抗原に対する活性により選別される。2次抗体は、アミノ酸置換を含まない1次抗体に比較して、標的抗原に対して活性保持または活性増加を示す改変抗体の中から選択され、この結果、本明細書で上述の親和性成熟法において、2次抗体が1次抗体の代わりに使用される。このような例では、標的領域含有1次抗体の改変型可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子を作ることにより、複数の改変抗体を産生可能である。この場合、核酸分子は、中性アミノ酸をコードしない未改変可変重鎖または可変軽鎖の対応するコドンに比べて、標的領域のアミノ酸をコードする1つのコドンを含み、それにより、各複数の核酸分子が標的領域内の単一アミノ酸残基の中性アミノ酸残基への置換により改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。

0023

さらに、標的領域で系統的変異導入が行われる方法では、対応する型の1次抗体の活性の少なくともまたは約75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、130%、140%、150%、200%もしくはそれ以上の活性を示す2次抗体が選択される。活性保持または活性増加を示す抗体の選択後、アミノ酸置換を含まない1次抗体に比べて、スキャンされた酸を含む2次抗体中で改変されているアミノ酸残基位置を特定できる。

0024

本明細書の系統的変異導入を用いる親和性成熟法の例では、スキャンアミノ酸は、アラニントレオニンプロリンまたはグリシンであってもよい。例えば、スキャンアミノ酸は、アラニンである。また、スキャンアミノ酸は、非天然のアミノ酸であってもよい。

0025

さらに、本明細書の方法の系統的変異導入を行う場合、標的領域のアミノ酸残基サブセットが、スキャンアミノ酸へのアミノ酸置換により改変される。一例では、1次抗体および関連抗体の間で、標的領域内の異なるアミノ酸残基のみが、スキャンアミノ酸へのアミノ酸置換により改変される。別の例では、1次抗体および関連抗体の間で、標的領域内の同じアミノ酸残基のみが、スキャンアミノ酸へのアミノ酸置換により改変される。さらなる例では、標的領域の全アミノ酸が、中性アミノ酸へのアミノ酸置換により改変される。

0026

本明細書の親和性成熟法では、選択改変抗体は、1次抗体に比較して、2倍、5倍、10倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、2000倍、3000倍、4000倍、5000倍、10000倍またはそれを超える標的抗原に対する活性の改善を示す。例えば、改変抗体は、1次抗体の結合親和性より大きな結合親和性を示し、正確にまたは約1x10−9M、2x10−9M、3x10−9M、4x10−9M、5x10−9M、6x10−9M、7x10−9M、8x10−9M、9x10−9M、1x10−10M、2x10−10M、3x10−10M、4x10−10M、5x10−10M、6x10−10M、7x10−10M、8x10−10M、9x10−10Mもしくはそれ未満の結合親和性である。

0027

本明細書の方法では、アミノ酸置換を含まない1次抗体に比べて改変抗体中で変えられたアミノ酸改変を特定可能である。さらに、本明細書で提供される親和性成熟法は、改変抗体が選択され、その後に続くその抗体の親和性成熟のための最初の抗体として使用される場合は、反復繰り返し可能である。さらに、本明細書の方法では、選択改変抗体の標的領域内の1つまたは複数の可変重鎖または1つまたは複数の可変軽鎖中の1つまたは複数のアミノ酸置換が組み合わされてさらなる改変抗体を生成し、それにより、さらなる改変抗体が標的抗原に対する活性で選別され、1次抗体および選択改変抗体に比べて標的抗原に対する活性増加を示すさらなる改変抗体が特定される。

0028

本明細書の親和性成熟法では、この方法を、1次抗体の可変重鎖に対して実行し、それぞれの標的領域にアミノ酸置換を含む1次改変抗体が選択できる。次に、独立に、別々に、この方法を1次抗体の可変軽鎖に対し実行し、それぞれの標的領域にアミノ酸置換を含む2次改変抗体が選択できる。1次改変抗体の可変重鎖が2次改変抗体の可変軽鎖と組み合わされて、それぞれの可変重鎖および可変軽鎖の標的領域のアミノ酸置換を含む複数の異なる3次改変抗体を生成できる。このような3次抗体は、標的抗原に対する活性により選別可能で、1次および2次改変抗体に比べ標的抗原に対し活性増加を示すさらなる改変抗体が選択可能である。

0029

さらに、いずれかの本明細書の方法で、抗体の他の領域を最適化可能である。例えば、改変抗体を選択後、1次改変抗体の可変重鎖または可変軽鎖内の別の異なる領域を、さらなる変異誘発のために選択可能である。このような例では、改変型の1次改変抗体の可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子を産生可能であり、この場合、核酸分子は、選択領域中に1次改変可変重鎖または可変軽鎖とは異なるアミノ酸をコードする1つのコドンを含み、それにより、各複数の核酸分子が、選択領域中で単一アミノ酸残基の置換により改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。次に、複数のそれぞれ可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部を含むさらなる改変抗体が産生され、この場合、少なくとも1つの可変重鎖または可変軽鎖が改変され、それにより、それぞれの複数の抗体の選択領域が、1次改変抗体に比較して異なるアミノ酸へのアミノ酸置換を含む。さらなる改変抗体が標的抗原に対する活性により選別され、1次改変抗体に比べ、標的抗原に対する活性増加を示すさらなる改変抗体が選択される。このような例では、改変される異なる領域は、CDR1、CDR2、CDR3、FR1、FR2、FR3またはFR4であってもよい。

0030

いずれかの本明細書の親和性成熟法において、いずれの抗体も、抗体またはその一部を含んでもよい。このような抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)2、単鎖Fv(scFv)、Fv、dsFv、ダイアボディ、FdおよびFd’断片、Fab断片、Fd断片、scFv断片、ならびにscFab断片であってもよい。

0031

本明細書では、系統的変異導入に基づく親和性成熟の方法が提供される。この方法では、改変型の1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子を産生することにより1次抗体の系統的変異導入を行い、この場合、核酸分子は、他のアミノ酸をコードしない未改変可変重鎖または可変軽鎖の対応するコドンに比べ、別のアミノ酸をコードする1つのコドンを含み、それにより、各複数の核酸分子が単一アミノ酸残基の別のアミノ酸への置換により改変される可変重鎖または可変軽鎖がコードされて、コード化可変重鎖または軽鎖全長にわたる全位置が置換され、またはコード化可変重鎖または可変軽鎖の選択領域の全位置が置換され、それにより、各置換が同じアミノ酸残基に対して行われる。次に、それぞれ可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部を含む複数の改変抗体が産生され、それにより、それぞれの複数の抗体が、1次抗体に比べ、アミノ酸位置の別のアミノ酸による置換を含む。複数の改変抗体が標的抗原の活性に対し選別される。2次抗体は、アミノ酸置換を含まない1次抗体に比べ、標的抗原に対して活性保持または活性増加を示す改変抗体から選択される。改変型の2次抗体の可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子を産生することにより2次抗体のさらなる変異誘発を行う。ここで、核酸分子は、スキャンアミノ酸位置に、2次抗体のスキャンアミノ酸とは異なるアミノ酸をコードする1つのコドンを含み、それにより、各複数の核酸分子は、スキャンアミノ酸位置で単一アミノ酸残基により改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部を含む複数のさらなる改変抗体が産生され、それにより、スキャンアミノ酸位置が、2次抗体に比べ異なるアミノ酸への置換を含む。さらなる改変抗体が標的抗原に対する活性により選別される。さらなる改変抗体の中から、1次抗体または2次抗体に比較して、標的抗原に対し活性増加を示す3次抗体が選択される。

0032

本明細書で提供されるスキャンニング親和性成熟方法(scanning affinity maturation method)の一例では、可変重鎖または可変軽鎖をコードする領域の全ての位置が置換される。選択領域は、選択された可変重鎖または可変軽鎖中の相補性決定領域:CDRH1、CDRH2、CDRH3、CDRL1、CDRL2およびCDRL3であってもよい。

0033

本明細書の方法では、1次抗体に比べ、結合維持または結合強化を示すスキャンニング変異を含む2次抗体が選択される。一般的に、選択された2次抗体は、対応する型の1次抗体の活性の少なくともまたは約75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%、115%、120%、130%、140%、150%、200%またはそれを超える活性を示す。

0034

本明細書で提供される親和性成熟方法では、アミノ酸置換を含まない1次抗体に比べて、スキャンアミノ酸を含むように改変されている2次抗体のアミノ酸残基位置を特定できる。

0035

本明細書で提供されるスキャンニング親和性成熟法では、スキャンニングアミノ酸残基は、アラニン、トレオニン、プロリンおよびグリシンであってもよい。例えば、アミノ酸はアラニンである。他の例では、スキャンニングアミノ酸は非天然アミノ酸である。本明細書の方法では、それぞれの複数の核酸分子は、単一のアミノ酸残基の同じスキャンアミノ酸への置換により改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。この方法では、スキャンアミノ酸位置は、全ての他のアミノ酸残基への、または制限されたそのサブセットへのアミノ酸置換により改変される。

0036

本明細書で提供されるスキャンニング親和性成熟法では、2次抗体が選択されるとすぐに、さらなる抗体の改変が実行される。この方法では、改変は、1次抗体のその位置のスキャンアミノ酸または元のアミノ酸へのアミノ酸置換は含まない。2次抗体のさらなる改変は、PCR変異誘発、カセット変異導入、部位特異的変異誘発、ランダム点変異誘発、ウラシル含有テンプレートを使った変異誘発、オリゴヌクレオチド指定突然変異誘発、ホスホロチオエート修正DNA変異誘発、ギャップ二重鎖DNAを使った変異誘発、ポイントミスマッチ修復、修復欠損宿主株を使った変異誘発、制限選択および制限精製、欠失変異誘発、全遺伝子合成による変異誘発、ならびに二重鎖切断修復による方法で導入することができる。一例では、さらなる変異は、NNK、NNS、NNN、NNYまたはNNR変異誘発により形成する。

0037

本明細書で提供されるスキャンニング親和性成熟法では、評価される活性は、結合、シグナル伝達、分化、遺伝子発現の変化、細胞増殖、アポトーシス、走化性、細胞障害性、癌細胞浸潤、内皮細胞増殖および管形成である。例えば、活性が結合である場合、結合は、イムノアッセイ、全細胞パニングおよび表面プラズモン共鳴法(SPR)により評価される。イムノアッセイは、ラジオイムノアッセイ、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)または電気化学発光測定法であってもよい。例えば、電気化学発光測定法は、メソ・スケール・ディスカバリー(MSD)であってもよい。

0038

本明細書で提供されるスキャンニング親和性成熟法では、標的抗原は、ポリペプチド、炭水化物、脂質、核酸または小分子である。標的抗原は、ウイルス、細菌、腫瘍または他の細胞の表面に発現していてもよく、または、組換え型タンパク質もしくはペプチドである。標的抗原は、治療介入のための標的タンパク質であってもよい。例えば、標的抗原は、細胞増殖および分化、細胞遊走、アポトーシスまたは血管新生に関与する。代表的標的抗原には、VEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3(血管内皮細胞増殖因子受容体1、2、および3)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ErbB−2、ErbB−3、IGF−R1、C−Met(肝細胞増殖因子受容体;HGFRとしても知られる)、DLL4、DDR1(ジスコイジンドメイン受容体)、KIT(c−kit用受容体)、FGFR1、FGFR2、FGFR4(繊維芽細胞増殖因子受容体1、2、および4)、RON(recepteur d’origine nantais;マクロファージ刺激1受容体としても知られる)、TEK(内皮細胞特異的受容体チロシンキナーゼ)、TIE(内皮細胞に存在する受容体型チロシンキナーゼ)、CSF1R(コロニー刺激因子1受容体)、PDGFRB(血小板由来増殖因子受容体B)、EPHA1、EPHA2、EPHB1(エリトロポイエチン産生肝細胞受容体A1、A2およびB1)、TNF−R1、TNF−R2、HVEM、LT−βR、CD20、CD3、CD25、NOTCH、G−CSF−R、GM−CSF−R、EPO−R.、カドヘリン、インテグリン、CD52、CD44、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、PIGF、EGF、HGF、TNF−α、LIGHT、BTLA、リンホトキシン(LT)、IgE、G−CSF、GM−CSFならびにEPO、が挙げられる。

0039

本明細書のスキャンニング方法では、3次抗体は、1次抗体または2次抗体に比較して、2倍、5倍、10倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍、2000倍、3000倍、4000倍、5000倍、10000倍またはそれを超える標的抗原に対する活性を示す。例えば、抗体がFab型である場合、1次抗体は、正確にまたは約10−4M、10−5M、10−6M、10−7M、10−8M、もしくは、それ未満の結合親和性で標的抗原に結合する。さらに最適化された抗体、例えば、選択された3次抗体、は1次抗体に比べ改善された結合親和性を有するように最適化されている。例えば、3次抗体は、1次抗体の結合親和性より大きな結合親和性を示し、正確にまたは約1x10−9M、2x10−9M、3x10−9M、4x10−9M、5x10−9M、6x10−9M、7x10−9M、8x10−9M、9x10−9M、1x10−10M、2x10−10M、3x10−10M、4x10−10M、5x10−10M、6x10−10M、7x10−10M、8x10−10M、9x10−10Mもしくはそれ未満の結合親和性である。

0040

本方法の一態様では、系統的変異導入を1次抗体の可変重鎖内で行い、そこから本方法を進める。別の態様では、系統的変異導入を1次抗体の可変軽鎖内で行い、そこから本方法のステップを進める。さらなる本方法の態様では、系統的変異導入を1次抗体の可変重鎖内で行い、そこから本方法のステップを進め;さらに別々に、独立に系統的変異導入を1次抗体の可変軽鎖内で行い、行い、そこから本方法のステップを進める。

0041

本明細書の方法では、さらなる最適化を成し遂げることができる。その方法には、アミノ酸置換を含まない1次抗体に比べ、3次抗体中で変えられているアミノ酸改変の特定を含んでもよい。組み合わせ変異体を生成させることも可能である。また、本明細書の方法では、反復繰り返しする方法が提供され、この場合、その中で特定された3次抗体が選択されて、その後に続くそれの成熟用の1次抗体として使用され、それにより、改変されたアミノ酸残基はそれ以降のこの方法の繰り返しではさらに改変されない。別の最適化例では、選択3次抗体の1つまたは複数の可変重鎖または1つまたは複数の可変軽鎖中の1つまたは複数のアミノ酸置換が組み合わされて、さらなる改変抗体を生成し、それにより、さらなる改変抗体が標的抗原の活性に対し選別され、1次抗体、2次抗体および選択3次抗体に比較して、標的抗原に対する活性増加を示すさらなる改変抗体を特定する。例えば、この方法のステップを、1次抗体の可変重鎖に対して行い、対応する1次抗体の可変重鎖に比較して可変重鎖中のアミノ酸置換をそれぞれ含む3次抗体を選択可能である。独立に、別々に、この方法のステップを1次抗体の可変軽鎖に対して行い、対応する1次抗体の可変軽鎖に比較して可変軽鎖のアミノ酸置換をそれぞれ含む別の3次抗体が選択される。3次抗体の可変重鎖が別の3次抗体の可変軽鎖と組み合わされて、1次抗体の可変重鎖および可変軽鎖に比較して、可変重鎖および可変軽鎖のアミノ酸置換をそれぞれ含む異なる複数のさらなる改変抗体を生成可能である。さらなる改変抗体は、標的抗原に対する活性(例えば、結合)により選別可能であり;1次抗体、2次抗体、および3次抗体に比較して、標的抗原に対する活性増加を示す4次抗体が選択される。

0042

別の例では、3次抗体の選択後、3次抗体の可変重鎖または可変軽鎖内の別の異なる領域がさらなる変異誘発のために選択される。このような方法では、3次抗体の改変型の可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子が産生され、この場合、核酸分子が、選択領域中に、1次改変可変重鎖または可変軽鎖とは異なるアミノ酸をコードする1つのコドンを含み、それにより、各複数の核酸分子が単一のアミノ酸残基の置換により選択領域中で改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。次に、可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部をそれぞれ含む複数のさらなる改変抗体が産生され、それにより、それぞれの複数の抗体中の選択領域が、3次抗体に比較してアミノ酸の異なるアミノ酸への置換を含む。さらなる改変抗体が標的抗原に対する活性(例えば、結合)により選別されて、3次抗体に比較して、標的抗原に対する活性増加を示すさらなる改変抗体が選択される。このような例では、さらなる変異誘発の対象となる異なる領域は、CDR1、CDR2、CDR3、FR1、FR2、FR3およびFR4、であってよい。

0043

本明細書のいずれかの方法で、抗体は、可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部を含む抗体またはその断片であってもよい。例えば、抗体は、完全長抗体またはその断片:Fab、Fab’、F(ab’)2、単鎖Fv(scFv)、Fv、dsFv、ダイアボディ、FdおよびFd’断片、Fab断片、Fd断片、scFv断片、およびscFab断片、であってもよい。

0044

また、本明細書では、抗体変換の方法が提供され、それにより、既知の活性を有する1次または参照抗体の変異誘発の後に、同じ標的抗原に対する1次または参照抗体の活性に比較して、変えられているか、または変換されている活性を示す抗体が選択される。この方法の一例では、抗体の活性がアンタゴニストから活性化因子に変換される。この方法では、アンタゴニスト抗体である1次抗体またはその断片が選択され、それにより、抗体は、その標的抗原に関連する機能活性を阻害する。抗原に結合するのに充分な可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部をそれぞれ含む複数の改変抗体が産生され、この場合、少なくとも1つの可変重鎖または可変軽鎖が改変され、1次抗体に比較して少なくとも1つのアミノ酸改変を含む。例えば、アミノ酸改変は、少なくとも単一のアミノ酸残基の置換であり、それにより、複数の抗体のそれぞれが、1次抗体に比較して異なるアミノ酸へのアミノ酸の置換を含む。この方法の一例では、改変型の1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子を生成することにより複数の改変抗体が産生され、この場合、核酸分子は、未改変可変重鎖または可変軽鎖とは異なるアミノ酸をコードする少なくとも1つのコドンを含み、これにより、複数の核酸分子のそれぞれが単一アミノ酸残基の置換により改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。変異誘発の後で、複数の改変抗体が標的抗原に対する活性によりそれぞれ選別される。1次抗体の存在下の活性に比較して、標的抗原に関連する機能活性の増加を生じ、それにより、1次抗体を活性化因子に変換する抗体が選択または特定される。

0045

アンタゴニスト抗体を活性化因子に変換する方法の一部の例では、機能活性により抗体を選別する前に、複数の抗体を、標的抗原に対する結合親和性によりそれぞれ評価する。対応する型の1次抗体よりも大きな標的抗原に対する結合親和性を示す抗体が特定または選択される。次に、そのサブセットの抗体が機能活性によりさらに選別され、変換された活性化因子活性を有するものが特定または選択される。

0046

抗体変換方法の別の例では、抗体の活性が活性化因子からアンタゴニストに変換される。この方法では、活性化因子抗体である1次抗体またはその断片が選択され、それにより、抗体は標的抗原に関連する機能活性を増加させる。抗原に結合するのに充分な可変重鎖および可変軽鎖、またはその一部をそれぞれ含む複数の改変抗体が産生され、少なくとも1つの可変重鎖または可変軽鎖が改変され、これにより、1次抗体に比較して少なくとも1つのアミノ酸改変を含む。例えば、アミノ酸改変は、少なくとも単一のアミノ酸残基を置換して、これにより、1次抗体に比較して、複数の抗体のそれぞれがアミノ酸の異なるアミノ酸への置換を含む。この方法の一例では、改変型の1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖をコードする複数の核酸分子を生成することにより、複数の改変抗体が産生され、この場合、核酸分子は、未改変可変重鎖または可変軽鎖とは異なるアミノ酸をコードする少なくとも1つのコドンを含み、これにより、複数の核酸分子のそれぞれが単一アミノ酸残基の置換により改変される可変重鎖または可変軽鎖をコードする。変異誘発後に、複数の改変抗体が、標的抗原に対する活性によりそれぞれ選別される。1次抗体の存在下の活性に比較して、標的抗原に関連する機能活性を減少させる抗体が選択または特定され、それにより、1次抗体がアンタゴニストへ変換される。

0047

活性化因子抗体をアンタゴニストに変換する方法の一部の例では、抗体が機能活性により選別される前に、複数の抗体が標的抗原に対する結合親和性により、それぞれ評価される。対応する型の1次抗体よりも低い標的抗原に対する結合親和性を示す抗体が特定または選択される。次に、そのサブセットの抗体が機能活性に対しさらに選別されて、変換されたアンタゴニスト活性を有するものが特定または選択される。

0048

上記変換方法のそれぞれで、標的抗原は、VEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3(血管内皮細胞増殖因子受容体1、2、および3)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、ErbB−2、ErbB−b3、IGF−R1、C−Met(肝細胞増殖因子受容体;HGFRとしても知られる)、DLL4、DDR1(ジスコイジンドメイン受容体)、KIT(c−kit用受容体)、FGFR1、FGFR2、FGFR4(繊維芽細胞増殖因子受容体1、2、および4)、RON(recepteur d’origine nantais;マクロファージ刺激1受容体としても知られる)、TEK(内皮細胞特異的受容体チロシンキナーゼ)、TIE(内皮細胞に存在する受容体型チロシンキナーゼ)、CSF1R(コロニー刺激因子1受容体)、PDGFRB(血小板由来増殖因子受容体B)、EPHA1、EPHA2、EPHB1(エリトロポイエチン産生肝細胞受容体A1、A2およびB1)、TNF−R1、TNF−R2、HVEM、LT−βR、CD20、CD3、CD25、NOTCH、G−CSF−R、GM−CSF−RまたはEPO−R、である。

0049

本明細書では、DLL4に対し結合親和性を有する抗DLL4抗体多量体が提供される。これは、表面プラズモン共鳴法(SPR)により単量体Ig断片として測定して10−8M以下の結合親和性を有し、DLL4活性の活性化因子である。例えば、結合親和性は、10−6M〜10−8Mである。抗体多量体は、例えば、完全長抗体、F(ab’)2またはscFvダイマーであってもよい。一部の例では、その抗体多量体は、完全長抗体で、IgG1、IgG2、IgG3、IgAおよびIgM定常領域由来の定常領域を含む。例えば、定常領域は、IgG1定常領域、またはその改変型である。

0050

一例では、抗体多量体は、配列番号2908に設定された重鎖CDR1(CDRH1)、配列番号2909に設定された重鎖CDR2(CDRH2)、配列番号2910に設定された重鎖CDR3(CDRH3)、配列番号2911に設定された軽鎖CDR1(CDRL1)、配列番号2912に設定された軽鎖CDR2(CDRL2)、および配列番号2913に設定された軽鎖CDR3(CDRL3)を含み;または配列番号2908〜2913のいずれかに対し少なくとも70%配列同一性を示すアミノ酸配列を含み、その結果、抗体はDLL4に結合し、DLL4活性の活性化因子である。例えば、抗体多量体は、配列番号88に設定された可変領域を有する重鎖および配列番号107に設定された可変領域を有する軽鎖を含む。

0051

別の例では、抗体多量体は、配列番号2914に設定された重鎖CDR1(CDRH1)、配列番号2915に設定された重鎖CDR2(CDRH2)、配列番号2916に設定された重鎖CDR3(CDRH3)、配列番号2917に設定された軽鎖CDR1(CDRL1)、配列番号2918に設定された軽鎖CDR2(CDRL2)、および配列番号2919に設定された軽鎖CDR3(CDRL3)を含み;または配列番号2914〜2919のいずれかの配列に対し少なくとも70%配列同一性を示すアミノ酸配列を含み、その結果、抗体はDLL4に結合し、DLL4活性の活性化因子である。例えば、抗体多量体は、配列番号89に設定された可変領域を有する重鎖および配列番号108に設定された可変領域を有する軽鎖を含む。

0052

本明細書で提供される抗体多量体の例では、重鎖は、IgG1定常領域(例えば、配列番号2922に設定された)、軽鎖定常領域、ラムダまたはカッパ(例えば、配列番号2923または2924に設定された)を含んでもよい。

0053

本明細書では、本明細書で提供されるいずれかの抗体多量体を患者投与し、それにより、DLL4受容体の活性が高められることにより血管新生疾患または状態に関連する異常血管新生を治療する方法が提供される。例えば、DLL4受容体は、Notch−1またはNotch−4である。血管新生疾患または状態は、癌、糖尿病性網膜症および他の糖尿病合併症炎症性疾患子宮内膜症ならびに加齢黄斑変性であってもよい。

図面の簡単な説明

0054

は、構造親和性/活性関連性(SAR)に基づく親和性成熟の方法を説明するフローチャートである。
は、「Hit」FabVH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01およびL6_IGKJ1*01のアミノ酸配列比較である。図2Aは、「Hit」Fab VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&L6_IGKJ1*01の可変重鎖(配列番号88および107)と「non−Hit」Fab VH1−46_IGHD6−13*01_IGHJ4*01&L6_IGKJ1*01の可変重鎖(配列番号93および107)の配列比較を示す。図2Bは、「Hit」Fab VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&L6_IGKJ1*01の可変軽鎖(配列番号88および107)と「non−Hit」Fab VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&A27_IGKJ1*01(配列番号8および110)、VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&L25_IGKJ1*01(配列番号88および120)およびVH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&L2_IGKJ1*01(配列番号88および112)の可変軽鎖の配列比較を示す。変異領域は、灰色で強調表示している。「Hit」Fab VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&L6_IGKJ1*01のアミノ酸配列は、太字で示している。
は、「Hit」Fab VH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01の可変重鎖のアミノ酸配列比較である。図3は、「Hit」Fab VH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01の可変重鎖(配列番号89および108)と「non−Hit」Fab VH5−51_IGHD6−25*01_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01の可変重鎖(配列番号106および108)の配列比較を示す。変異領域は、灰色で強調表示している。「Hit」Fab VH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01のアミノ酸配列は太字で示している。
は、生殖系列交換可変重鎖のアミノ酸配列比較である。図4Aは、「Hit」Fab VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&L6_IGKJ1*01の可変重鎖(配列番号88および107)とJセグメント生殖系列で交換したFab VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ2*01&L6_IGKJ1*01(配列番号585および107)、VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ4*01&L6_IGKJ1*01(配列番号586および107)およびVH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ5*01&L6_IGKJ1*01(配列番号587および107)の可変重鎖の配列比較を示す。図4Bは、「Hit」Fab VH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01の可変重鎖(配列番号89および108)とJセグメント生殖系列で交換したFab VH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ1*01&V3−4_IGLJ1*01(配列番号588および108)、VH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ3*01&V3−4_IGLJ4*01(配列番号589および108)およびVH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ5*01&V3−4_IGLJ4*01(配列番号590および108)の可変重鎖の配列比較を示す。図4Cは、「Hit」Fab VH5−51_IGHD5−18*01>3_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01の可変重鎖(配列番号89および108)とDセグメント生殖系列で交換したFab VH5−51_IGHD5−12*01_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01(配列番号591および108)およびVH5−51_IGHD5−24*01_IGHJ4*01&V3−4_IGLJ1*01(配列番号592および108)の可変重鎖の配列比較を示す。変異領域は、灰色で強調表示している。「Hit」Fab VH1−46_IGHD6−6*01_IGHJ1*01&L6_IGKJ1*01のアミノ酸配列は、太字で示している。
は、「Hit」Fab VH3−23_IGHD2−21*01>3_IGHJ6*01&V2−13_IGLJ2*01の可変重鎖のアミノ酸配列比較である。図5は、「Hit」Fab VH3−23_IGHD2−21*01>3_IGHJ6*01&V2−13_IGLJ2*01の可変重鎖(配列番号1729および594)と関連する「Hit」Fab VH3−23_IGHD2−2*01>3_IGHJ6*01&V2−13_IGLJ2*01(配列番号1723および594)、VH3−23_IGHD2−8*01>3_IGHJ6*01&V2−13_IGLJ2*01(配列番号1725および594)およびVH3−23_IGHD2−15*01>3_IGHJ6*01&V2−13_IGLJ2*01(配列番号1727および594)の可変重鎖の配列比較を示す。変異領域は、灰色で強調表示している。「Hit」Fab VH3−23_IGHD2−21*01>3_IGHJ6*01&V2−13_IGLJ2*01のアミノ酸配列は、太字で示している。

実施例

0055

詳細な説明
アウトライン
A.定義
B.方法の概説
1.抗体ポリペプチド
a.抗体構造および機能
b.抗体配列および特異性
2.抗体を特定する方法
3.抗体最適化の既存方法
C.抗体親和性成熟法
1.構造および活性の比較
a.親和性成熟用の次抗体の選択
i.免疫化およびハイブリドーマ選別
ii.「Hit」の特定のための選別アッセイ
1)ディスプレイライブラリー
2)ファージディスプレイライブラリー
3)アドレス指定可能なライブラリー
b.関連抗体の特定
c.1次抗体および関連抗体のアミノ酸配列の比較
d.特定された領域の変異誘発
2.系統的変異導入によるSAR
3.さらなる最適化
a.相補性決定領域
b.フレームワーク領域
c.生殖系列スワッピング
D.抗体変換方法
1.出発または参照抗体の選択
2.変異誘発
3.変換された抗体の選択
a.結合
b.機能活性
E.アッセイ
1.結合アッセイ
2.機能活性
a.分化
b.遺伝子発現の変化
c.細胞障害性アッセイ
3.インビボアッセイ
F.抗体産生方法
1.ベクター
2.細胞および発現系
a.原核生物発現
b.酵母
c.昆虫
d.哺乳動物細胞
e.植物
3.精製
G.抗DLL4活性化因子/モジュレーター抗体およびその使用
1.DLL4
a.構造
b.発現
c.機能
2.活性化因子/モジュレーター抗DLL4多量体抗体
代表的抗体
3.改変
a.免疫原性を減らす改変
b.グリコシル化
c.Fc改変
d.ペグ
4.組成物、製剤、投与および製品キット
a.組成物および製剤
b.製品およびキット
5.治療および使用方法
併用療法
H.実施例

0056

A.定義
特に断らなければ、本明細書で使われる全ての技術および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の全開示を通して参照される全ての特許、特許出願、公開出願、および出版物ジェンバンク配列、データベースウエブサイト、および他の公表された物質は、特に他に断らない限り、参照によってその全体が組み込まれる。本明細書の用語に対し複数の定義が存在する場合は、本節の定義が優先される。URLまたは他のこのような識別子またはアドレスに対し参照がなされている場合は、このような識別子は、変わる可能性があり、特にインターネット情報絶えず入れ替わっているが、同等の情報をインターネット上でサーチすることにより見つけることができることは理解されよう。それに対する参照は、このような情報の利用可能性および公開流布証拠となるものである。

0057

本明細書で使用される抗体は、天然由来の、または一部もしくは全部が合成、例えば、組換えにより産生された、免疫グロブリンおよび免疫グロブリンの一部を指し、抗原結合部位を形成するのに充分な免疫グロブリン分子の可変領域の少なくとも一部を含有する免疫グロブリンのいずれかの部分を含む。従って、抗体またはその一部は、免疫グロブリン抗原結合部位に対し相同または実質的に相同である結合ドメインを有するいずれかのタンパク質を含む。例えば、抗体は、2つの重鎖(HおよびH’と記される)および2つの軽鎖(LおよびL’と記される)を含む抗体を指し、この場合、各重鎖は、完全長免疫グロブリン重鎖または抗原結合部位(例えば、重鎖には、VH、鎖VH−CH1鎖およびVH−CH1−CH2−CH3鎖が含まれるが、これに限定されない)を形成するのに充分なその一部であってもよく、また、各軽鎖は、完全長軽鎖または抗原結合部位(例えば、軽鎖には、VL鎖およびVL−CL鎖が含まれるが、これに限定されない)を形成するのに充分なその一部であってもよい。各重鎖(HおよびH’)は1つの軽鎖(それぞれ、LおよびL’)と対を作る。通常、抗体は、最小限で、可変重鎖(VH)および/または可変軽鎖(VL)の全てまたは少なくとも一部を含む。また、抗体は、定常領域の全てまたは一部を含んでもよい。

0058

本明細書の目的に対して、用語の抗体は、例えば、これに限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、単鎖Fv(scFv)、Fv、dsFv、ダイアボディ、FdおよびFd’断片、Fab断片、Fd断片ならびにscFv断片を含む完全長抗体およびその一部を含む。他の既知の断片には、これに限定されないが、scFab断片(Hust et al.、BMCBiotechnology(2007)、7:14)が含まれる。抗体は、免疫グロブリンクラスのいずれかのメンバーを含み、これには、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEがある。

0059

本明細書で使用される、完全長抗体は、2つの完全長重鎖(例えば、VH−CH1−CH2−CH3またはVH−CH1−CH2−CH3−CH4)および2つの完全長軽鎖(VL−CL)およびヒンジ部を有する抗体であり、例えば、抗体分泌B細胞により産生されたヒト抗体、および合成的に産生された同じドメインを有する抗体がこの例である。

0060

本明細書で使用される、抗体の「その一部」または「その断片」として参照される抗体断片または抗体の一部は、完全長抗体のいずれかの一部を指し、完全長の長さより短いが、抗原結合部位(例えば、1つまたは複数のCDR)を形成するのに充分な少なくとも一部の抗体の可変領域を含み、従って、完全長抗体の結合特異性および/または活性を保持する;抗体断片は、完全長抗体の酵素処理により産生された抗体誘導体、ならびに合成的に、例えば、組換えにより産生された誘導体を含む。抗体断片の例には、これに限定されないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、単鎖Fv(scFv)、Fv、dsFv、ダイアボディ、FdおよびFd’断片、が含まれる(例えば、分子生物学における方法、Vol207:癌治療方法およびプロトコルのための組換え型抗体、(2003);Chapter1;p3−25、Kipriyanov、を参照)。断片には、例えば、ジスルフィド架橋および/またはペプチドリンカーによって一緒に結合した複数の鎖を含んでもよい。抗体断片は、通常、少なくとも約50アミノ酸、典型的には、少なくとも200アミノ酸を含む。

0061

従って、「抗原結合部位を形成するのに充分な抗体またはその一部」への参照は、抗体またはその一部が、全6CDRを含む対応する完全長抗体の少なくとも一部の結合特異性を保持するのに充分な少なくとも1または2、典型的には3、4、5または全6CDRのVHおよびVLを含むことを意味する。通常、充分な抗原結合部位には、少なくとも重鎖のCDR3(CDRH3)が必要である。典型的には、さらに軽鎖のCDR3(CDRL3)が必要である。本明細書記載のように、当業者は、kabatまたはChothiaナンバリングに基づいてCDRを理解し、特定することができる(例えば、Kabat、E.A.et al.(1991)免疫学的関連タンパク質の配列、第5版、米国保健福祉省、NIH Publication No.91−3242、およびChothia、C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901−917、を参照)。例えば、Kabatナンバリングに基づくと、CDR−LIは、残基L24〜L34に相当する;CDR−L2は、残基L50〜L56に相当する;CDR−L3は、残基L89〜L97に相当する;CDR−H1は、残基H31〜H35、35aまたは35bに相当する(長さに応じて);CDR−H2は、残基H50〜H65に相当する;ならびにCDR−H3は、残基H95〜H102に相当する。

0062

本明細書で使われる「抗原結合部位」は、1つまたは複数の相補性決定領域(CDR;高頻度可変性領域とも呼ばれる)によって形成されるインターフェイスを指す。各抗原結合部位は、重鎖可変領域由来の3つのCDRおよび軽鎖可変領域由来の3つのCDRを含む。抗体分子は、通常、2つの抗原結合部位を有し、それぞれは重鎖可変領域の一部および軽鎖可変領域の一部を含む。抗原結合部位は、CDRに加えて、可変領域ドメインの他の部分を含むことができる。

0063

本明細書で使われるFv抗体断片は、非共有結合相互作用により結合した1つの可変重鎖ドメイン(VH)および1つの可変軽鎖(VL)ドメインからなる。

0064

本明細書で使われるdsFvは、操作されたVH−VL対を安定化させる分子間ジスルフィド結合を有するFvを指す。

0065

本明細書で使われるFd断片は、抗体重鎖可変ドメイン(VH)および1つの定常領域ドメイン(CH1)を含む抗体の断片である。

0066

本明細書で使われる「Fab断片」は、完全長免疫グロブリンをパパイン消化して生じた完全長抗体の一部を含む抗体断片、または合成、例えば、組換えにより産生された同じ構造を有する断片である。Fab断片は、軽鎖(VLおよびCL部分を含む)および重鎖の可変ドメイン(VH)および1つの重鎖(CH1)の定常領域ドメイン部分を含む別の鎖を含む;これは、組換えにより産生可能である。

0067

本明細書で使われるF(ab’)2断片は、免疫グロブリンのpH4.0〜4.5でのペプシン消化から生じた抗体断片、または合成的に、例えば、組換えにより、産生された同じ構造を有する抗体である。F(ab’)2断片は、2つのFab断片を含むが、各重鎖部分システイン残基を含む、2つの断片を結合するジスルフィド結合を形成する少数の追加のアミノ酸を含む場合には、それは組換えにより産生可能である。

0068

Fab’断片は、F(ab’)2断片の半分(1つの重鎖と1つの軽鎖)を含む断片である。

0069

本明細書で使われる、Fd’断片は、F(ab’)2断片の1つの重鎖部分を含む抗体の断片である。

0070

本明細書で使われる、Fv’断片は、抗体分子のVHおよびVLドメインのみを含む断片である。

0071

本明細書で使われるscFv断片は、ポリペプチドリンカーにより任意の順に共有結合された可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)を含む抗体断片を指す。リンカーは、2つの可変ドメインが実質的な干渉なしに架橋されるような長さである。代表的リンカーは、一部のGluまたはLys残基を全体に散在させて溶解度を高めた(Gly−Ser)n残基である。

0072

本明細書で使われるディアボディは、二量体scFvである;ディアボディは、典型的には、scFvより短いペプチドリンカーを有し、優先的に二量体化する。

0073

本明細書で使われるhsFvは、Fab断片に通常存在する定常ドメインが、ヘテロ二量体コイルドコイルドメインにより置換されている抗体断片を指す(例えば、Arndt et al.(2001)J Mol Biol.7:312:221−228、参照)。

0074

本明細書で使われる「抗体多量体」は、少なくとも2つ以上の抗原結合部位を含む抗体を指す。抗体多量体には、二量体、三量体四量体五量体、およびさらに高い重合度オリゴマーが含まれる。多量体としての抗体の形成は、当業者の知識に基づいて行うことができる。例えば、多量体型は、少なくとも2つのポリペプチドまたは共有結合の相互反応を調節または促進する多量体化ドメインを介して形成される抗体オリゴマーを含む。

0075

本明細書で使われる多量体化ドメインは、ポリペプチド分子と、1つまたは複数の別のポリペプチド分子との安定な相互作用を促進するアミノ酸配列を指す。この別のポリペプチド分子は相補的な多量体化ドメインをそれぞれ含み、このドメインは最初のドメインと安定な多量体を形成するために、同じ多量体化ドメインであっても、異なるドメインであってもよい。通常、ポリペプチドは、直接または間接的に多量体化ドメインに結合している。代表的多量体化ドメインには、免疫グロブリン配列またはその一部、ロイシンジッパー疎水性の領域、親水性の領域、および適合性タンパク質−タンパク質相互作用ドメインが含まれる。例えば、多量体化ドメインは、免疫グロブリン定常領域またはドメイン、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4サブタイプを含むIgG、IgA、IgE、IgDおよびIgMならびにその改変型由来の、定常ドメインまたはその一部であってもよい。

0076

本明細書で使われる「単一特異性」は、2つ以上の抗原結合部位を含み、各抗原結合部位が免疫特異的に同じエピトープに結合する抗体である。

0077

本明細書で使われる「多選択性」抗体は、2つ以上の抗原結合部位を含み、少なくとも2つの抗原結合部位が免疫特異的に異なるエピトープに結合する抗体である。

0078

本明細書で使われる「二重特異性」抗体は、2つ以上の抗原結合部位を含み、2つの異なるエピトープに免疫特異的に結合可能な多選択性抗体である。「三重特異性」抗体は、3つ以上の抗原結合部位を含み、3つの異なるエピトープに免疫特異的に結合可能な多選択性抗体であり、「四重特異性」抗体は、4つ以上の抗原結合部位を含み、4つの異なるエピトープに免疫特異的に結合可能な多選択性抗体である、等々。

0079

本明細書で使われる「単量体Ig断片」への参照は、1つの抗原結合部位のみを含む抗体の一部を指す。例えば、単量体Ig断片には、例えば、Fab、FvまたはscFvが含まれる。

0080

本明細書で使われるポリペプチドドメインは、構造的におよび/または機能的に区別可能なまたは限定可能なポリペプチドの一部(3つ以上、通常、5または7または7超のアミノ酸の配列)である。代表的ポリペプチドドメインは、1つまたは複数の構造的モチーフ(例えば、ループ領域で連結されたアルファらせんおよび/またはベータ鎖の組み合わせ)から構成されるポリペプチド内の独立に折り畳まれた構造を形成するポリペプチドおよび/または特定の機能活性、例えば、酵素活性または抗原結合により識別されるポリペプチドの一部である。ポリペプチドは、1つの、典型的には2つ以上の、異なるドメインを持つことができる。例えば、ポリペプチドは、1つまたは複数の構造的ドメインおよび1つまたは複数の機能的ドメインを持つことができる。単一ポリペプチドドメインは、構造および機能に基づいて区別可能である。ドメインは、近接するアミノ酸の直鎖状配列包含可能である。あるいは、ドメインは、複数の非近接アミノ酸部分を含んでもよく、これはポリペプチドのアミノ酸の直鎖状配列に沿って非近接である。通常、ポリペプチドは、複数のドメインを含む。例えば、抗体分子の各重鎖および各軽鎖は、複数の免疫グロブリン(Ig)ドメインを含み、それぞれ、約110アミノ酸の長さである。

0081

本明細書で使われるIgドメインは、免疫グロブリン(Ig)フォールドと呼ばれる構造により区別できると当業者が認識しているドメインであり、この構造は、2つのベータプリーツシートを含み、それぞれがループで連結された逆平行アミノ酸ベータ鎖を含む。Igフォールド中の2つのベータシートは、疎水性の相互作用により一緒にサンドイッチされ、鎖内ジスルフィド結合により保持されている。抗体鎖内のそれぞれの免疫グロブリンドメインは、機能に基づいてさらに区別できる。例えば、軽鎖は、1つの可変領域ドメイン(VL)および1つの定常領域ドメイン(CL)を含み、他方、重鎖は、1つの可変領域ドメイン(VH)および3つまたは4つの定常領域ドメイン(CH)を含む。各VL、CL、VH、およびCHドメインは、免疫グロブリンドメインの例である。

0082

本明細書で使われる抗体に関連する「可変ドメイン」は、異なる抗体間で変化するアミノ酸配列を含む抗体の重鎖または軽鎖の特異的Igドメインである。各軽鎖および各重鎖は、1つの可変領域ドメイン(VL、および、VH)を有する。可変ドメインは、抗原特異性を提供し、従って、抗原認識に関与する。各可変領域は、CDRを含み、これは抗原結合部位ドメインおよびフレームワーク領域(FR)の一部である。

0083

本明細書で使われる可変重鎖(VH)または可変軽鎖(VL)鎖(VHドメインまたはVLドメインとも呼ばれる)への参照は、抗体の可変ドメインを構成するポリペプチド鎖を指す。

0084

本明細書で使われる抗体の「領域」は、特定の機能または構造に関連する抗体のドメインまたはドメインの一部を指す。抗体では、抗体の領域には、相補性決定領域、フレームワーク領域、および/または定常領域が含まれる。一般的に、本明細書の目的に対して、抗体の領域は、可変軽鎖もしくは可変重鎖の相補性決定領域CDR1、CDR2および/またはCDR3(CDRL1、CDRL2、CDRL3、CDRH1、CDRH2、もしくはCDRH3)、または可変軽鎖または可変重鎖のフレームワーク領域FR1、FR2もしくはFR3である。

0085

本明細書で使われる「高頻度可変性領域」、「HV」、「相補性決定領域」および「CDR」ならびに「抗体CDR」は、同義に使用され、一緒に抗体の抗原結合部位を形成する各可変領域内の複数の部分の1つを指す。各可変領域ドメインは、3つのCDRを含み、CDR1、CDR2、およびCDR3と名付けられている。この3つのCDRは、直鎖状アミノ酸配列に沿って非近接であるが、折り畳みポリペプチド中では近接している。CDRは、可変ドメインのベータシートの平行鎖を連結するループ内に位置する。

0086

本明細書で使われるフレームワーク領域(FR)は、ベータシート内に位置する抗体可変領域ドメイン内の領域であり;FR領域は、そのアミノ酸配列に関して、高頻度可変性領域に比較して保存的である。

0087

本明細書で使われる定常領域ドメインは、比較的に、可変領域ドメインより抗体中で保存的であるアミノ酸配列を含む、抗体重鎖または軽鎖中のドメインである。各軽鎖は、単一軽鎖定常領域(CL)ドメインを有し、各重鎖は、1つまたは複数の重鎖定常領域(CH)ドメインを含み、これにはCH1、CH2、CH3およびCH4が含まれる。完全長IgA、IgDおよびIgGアイソタイプは、CH1、CH2CH3およびヒンジ部を含み、一方、IgEおよびIgMは、CH1、CH2CH3およびCH4を含む。CH1およびCLドメインは、抗体分子のFabアームを伸張し、これにより、抗原との相互作用および抗体アームの回転に寄与する。抗体定常領域は、エフェクター機能、例えば、これに限定されないが、抗体が、例えば、種々の細胞、生体分子および組織との相互作用を介して、特異的に結合している抗原、病原体および毒素クリアランス、を提供できる。

0088

本明細書で使われるヒト化抗体は、アミノ酸の「ヒト」配列を含むように改変され、それにより、ヒトへの投与が免疫応答を誘発しない抗体を指す。このような抗体を調製する方法は既知である。例えば、非可変領域のアミノ酸組成がヒト抗体に基づくことが可能な抗体。コンピュータプログラムが、このような領域を特定するように設計されている。

0089

本明細書で使われる「抗体変換」は、標的抗原または基質に対する抗体またはその断片の機能的活性が、通常、1つまたは複数のアミノ酸残基の変異により変えられて、出発または参照抗体の逆の機能活性を有するようにするプロセスを指す。例えば、出発または参照抗体が標的抗原に対しアンタゴニスト活性を示す場合は、抗体変換により抗体がアゴニストまたは活性化因子/モジュレーター活性に変えられる。別の例では、出発または参照抗体が標的抗原に対し活性化因子/モジュレーター活性を示す場合は、抗体変換により、抗体はアンタゴニスト活性に変えられる。

0090

本明細書で使われる「親和性成熟」は、通常、1つまたは複数のアミノ酸残基の変異により、参照抗体(本明細書では、テンプレートまたは親抗体とも呼ばれる)から、対応する型の参照抗体の同じ標的抗原に対する活性より、標的抗原に対する活性増加を示すように抗体を進化させるプロセスを指す。従って、進化した抗体は、参照またはテンプレート抗体に比べて、最適化されている。

0091

本明細書で使われる親和性成熟抗体への参照は、参照抗体に比べて、標的抗原に対する活性増加を有する抗体を指す。例えば、親和性成熟抗体は、参照または親抗体に比べて、標的抗原に対する強化された結合を示す。通常、親和性成熟抗体は、参照抗体と同じエピトープに結合する。

0092

本明細書で使われる最適化抗体は、参照抗体に比べて、標的タンパク質または抗原に対し活性増加、例えば、標的タンパク質に対する結合親和性の改善および/または機能活性の改善、を示す抗体、またはその一部を指す。通常、抗体は、1つまたは複数のアミノ酸改変を含まない親抗体に比較して、1つまたは複数のアミノ酸改変(アミノ酸欠失、置換または挿入)に基づいて最適化される。一般的に、活性、例えば、結合親和性は、親抗体(例えば、改変を含まない生殖系列抗体Hit)の活性に比べて、1.5倍〜1000倍、通常は少なくとも2倍〜100倍、例えば、正確にまたは約1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、600倍、700倍、800倍、900倍、1000倍または1000倍超、の値だけ増加する。

0093

本明細書で使われる「構造親和性/活性関係性」(SAR)は、構造(例えば、配列)および分子の機能間の関係性を指し、それにより、抗体の活性をその配列に関係づけることができる。従って、SARの知識により、抗体の活性に寄与する特定のアミノ酸残基を含む配列の領域が明らかにされる。SARを測定する方法は、本明細書で記載される。

0094

本明細書で使われる標的タンパク質または標的抗原に対する活性は、結合特異性または結合親和性および/または標的タンパク質の機能活性の調節、または標的タンパク質に対する抗体またはその一部の活性を反映した他の測定値、を指す。抗体の活性は、結合または親和性に基づくアッセイ、例えば、ELISA、電気化学発光測定法(例えば、メソ・スケール・ディスカバリー)、もしくは表面プラズモン共鳴法、または本明細書記載の細胞ベースアッセイを使って測定できる。

0095

本明細書で使われる「機能活性」は、完全長(完全)タンパク質に付随するポリペプチド(例えば、標的タンパク質)またはその一部の活性を指す。機能活性には、これに限定されないが、生物活性触媒または酵素活性、抗原性(抗ポリペプチド抗体に対し結合する能力、またはポリペプチドと抗ポリペプチド抗体に対する結合に関し競合する能力)、免疫原性、多量体形成能力、ポリペプチドならびにシグナル伝達および下流エフェクター機能のために、受容体またはリガンドに特異的に結合する能力、が挙げられる。本明細書の目的のためには、抗体またはその一部によるポリペプチドの機能活性の調節(すなわち、活性化または抑制)は、本明細書では、ポリペプチドの機能活性が、抗体またはその一部が存在しない場合に比べ、抗体の存在下、変更または部分的に変更されることを意味する。

0096

本明細書で使われる結合活性は、1つまたは複数の結合相手に、それが結合するか否か、およびどのように結合するかに関連した、分子、例えば、ポリペプチド、の特性を指す。結合活性には、結合相手に結合する能力、結合相手に結合する親和性(例えば、高親和性)、結合相手に結合する結合力、結合相手と結合する強度および結合相手と結合するための特異性、が含まれる。

0097

本明細書で使われる「親和性」または「結合親和性」は、標的タンパク質または抗原上のエピトープに抗体分子またはその一部が結合する強度を指す。親和性は、平衡結合定数(KA)または平衡解離定数(KD)で測定されることが多い。低親和性抗体−抗原相互作用は弱く、分子は急速に分離する傾向があり、一方、高親和性抗体−抗原結合は強く、分子は、結合状態で長時間の間残る。一般的に、標的タンパク質に対する抗体の親和性は、平衡結合定数(KA)で、約106M−1以上、約107M−1以上、約108M−1以上、または約109M—1、1010M−1、1011M−1もしくは1012M−1である。また、抗体は、平衡解離定数(KD)10−4M、10−6M〜10−7M、または10−8M、10−10M、10−11Mもしくは10−12Mまたは、さらに低い解離定数が特徴であってもよい。低い解離定数は、抗体がより高い結合親和性を特徴とすることを意味していることは理解されよう。通常、nMまたはnM以下の解離定数を有する抗体は、高親和性抗体と見なされる。このような親和性は、従来技術、例えば、平衡透析;BIAcore2000装置を使いメーカーにより概説されている一般的手法を使って;放射線標識標的抗原を使ったラジオイムノアッセイ;または当業者には既知の他の方法を使って容易に測定可能である。親和性データを、例えば、Scatchard et al.、Ann N.Y.Acad.ScL、51:660(1949)、の方法を使って解析できる。

0098

本明細書で使われる抗体またはその抗原結合断片に関する「特異的に結合する」または「免疫特異的に結合する」は、本明細書では同意義に使用され、抗体および抗原(例えば、ヒトDLL4)の抗体結合部位間の非共有相互作用により1つまたは複数の同族の抗原と非共有結合を形成する抗体または抗原結合断片の能力を指す。通常、抗原に対し免疫特異的に結合(または特異的に結合する)抗体は、正確にまたは約1×107M−1または1x108M−1もしくはそれ超の親和定数Ka(または1x10−7Mまたは1×10−8Mもしくはそれ未満の解離定数(Kd))の値で抗原に結合する抗体である。親和定数は、抗体反応の標準動力学的方法、例えば、イムノアッセイ、表面プラズモン共鳴法(SPR)(Rich and Myszka(2000)Curr.Opin.Biotechnol 11:54;Englebienne(1998)Analyst.123:1599)、等温滴定熱量測定(ITC)または当技術分野で既知の他の動力学的相互作用アッセイで測定可能である(例えば、Paul、ed.、免疫学基礎、第2版、Raven Press、New York、pages 332−336(1989)を参照;また、代表的SPRおよびITC法による抗RSV抗体の結合親和性を計算法の説明は、米国特許第7、229、619号を参照)。結合速度リアルタイム検出およびモニタリング設備と方法は既知で、市販されている(例えば、BiaCore 2000、Biacore AB、Upsala、SwedenおよびGE Healthcare LifeSciences;Malmqvist(2000)Biochem.Soc.Trans.27:335)。

0099

本明細書で提供されるポリペプチドまたは抗体に関連して、本明細書で使われる用語の「選択的に結合する(bind selectively)」または「選択的に結合する(selectively binds)」は、ポリペプチドまたは抗体が、実質的に別のエピトープに結合することなく、選択されたエピトープと結合することを意味する。通常、選択されたエピトープに選択的に結合する抗体またはその断片は、例えば、正確にまたは約1×107M−1または1x108M−1もしくはそれ超の親和定数Kaで特異的にエピトープに結合する。

0100

本明細書で使われる「エピトープ」は、抗体により認識される抗原またはタンパク質の表面上の局部的領域を指す。ペプチドエピトープには、連続的エピトープまたは不連続的エピトープが含まれる。エピトープは、通常、直鎖アミノ酸配列とは対照的に、タンパク質の3次元構造により決定される。

0101

2つ以上の抗体への参照に伴い、本明細書で使われる「同じエピトープに結合する」は、抗体が抗原との結合で競合し、同じか、重なり合う、または包含するアミノ酸の連続または不連続セグメントに結合することを意味する。当業者なら、語句の「同じエピトープに結合する」が、抗体が正確に同じアミノ酸に結合することを必ずしも意味しないことがわかるであろう。抗体が結合する正確なアミノ酸は、異なっていてもよい。例えば、1次抗体は、2次抗体に結合されたアミノ酸のセグメントにより完全に包含されるアミノ酸のセグメントに結合可能である。別の例では、1次抗体は、1つまたは複数の2次抗体により結合されたセグメントと大きくオーバーラップする1つまたは複数のアミノ酸のセグメントと結合する。本明細書の目的に対して、このような抗体は、「同じエピトープに結合する」と見なされる。

0102

抗体競合アッセイを使用して、抗体が、別の抗体と「同じエピトープに結合する」か否かを測定できる。このようなアッセイは、この分野でよく知られている。通常、2次抗体が過剰で、かつ、1次抗体が全部位を飽和させている条件下で、2次抗体によるエピトープとの相互作用が既知である抗体の70%以上、例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の競合は、抗体が「同じエピトープに結合する」指標となる。2つの抗体間の競合レベルを評価するために、例えば、ラジオイムノアッセイまたは他の抗体に対する標識を使ったアッセイを使用可能である。例えば、DLL4抗原を、標識化合物(例えば、3H、125I、ビオチン、またはルビジウム)と結合した飽和量の1次抗DLL4抗体またはその抗原結合断片と共に、同量非標識2次抗DLL4抗体の存在下、インキュベートしてもよい。次に、非標識ブロッキング抗体の存在下で抗原に結合している標識抗体の量を評価し、非標識ブロッキング抗体の存在しない条件下の結合と比較する。ブロッキング抗体の存在しない条件と比較して、非標識ブロッキング抗体の存在下における結合シグナルパーセンテージ変化により競合を測定する。従って、ブロッキング抗体の存在しない条件下の結合に比較して、ブロッキング抗体の存在下の標識抗体の70%の結合の抑制がある場合、70%の2つの抗体の間に競合がある。従って、70%以上、例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の1次および2次抗体の間の競合に対する参照は、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上(1次抗体の存在しない条件下の2次抗体による抗原の結合に比較して)、抗原に対する2次抗体の結合(または逆も同様)を1次抗体が阻害することを意味する。従って、70%、71%、72%、73%、74%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれ以上の1次抗体の抗原に対する結合の2次抗体による抑制は、2つの抗体が同じエピトープに結合することを示す。

0103

本明細書で使われる用語の「表面プラズモン共鳴」は、例えば、BiaCoreシステム(GE Healthcare Life Sciences)を使って、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化を検出することによりリアルタイム相互作用の分析を可能とする光学現象を指す。

0104

本明細書で使われる「二重特異性」抗体は、2つ以上の抗原結合部位を含む多選択性抗体で、2つの異なるエピトープに免疫特異的に結合することができる。「三重特異性」抗体は、3つ以上の抗原結合部位を含む多選択性抗体で、3つの異なるエピトープに免疫特異的に結合することができ、「四重特異性」抗体は、4つ以上の抗原結合部位を含む多選択性抗体で、4つの異なるエピトープに免疫特異的に結合できる、等々。

0105

本明細書で使われる「エピトープマッピング」は、抗体−抗原認識の分子決定要因を特定するプロセスである。

0106

本明細書で使われる「標的タンパク質」または「標的抗原」は、抗体またはその一部により特異的に認識される、および/またはその活性が抗体またはその一部により調節される候補タンパク質またはペプチドを指す。標的タンパク質には、抗体認識のためのエピトープを含む任意のペプチドまたはタンパク質が含まれる。標的タンパク質には、発現または活性によって疾患または障害病因に関与するタンパク質が含まれる。代表的標的タンパク質は、本明細書で記載される。

0107

本明細書で使われる「Hit」は、標的抗原に対する活性を有するとして、産生された、特定された、認識された、または選択された抗体またはその一部を指す。例えば、「Hit」は、選別アッセイで特定できる。通常、「Hit」は、標的抗原に対するその結合活性または親和性に基づいて特定される。本明細書の目的に対しては、「Hit」は、通常、少なくとも正確にまたは約10−5M、10−6M、10−7M、10−8M、またはそれ以下である標的抗原に対する結合親和性を有する抗体またはその一部であると認識されている。本明細書の目的としては、Hitは、通常、本明細書の親和性成熟法を使ってさらに最適化される1次抗体または参照もしくは親抗体である。従って、用語の「Hit」、1次抗体、参照抗体または親抗体は、本明細書では、同義で使用される。

0108

本明細書で使われる「改変抗体」は、親または参照抗体に比べ1つまたは複数のアミノ酸改変を含む抗体またはその一部を指す。アミノ酸改変には、アミノ酸欠失、置換(replacement)(もしくは置換(substitution))、または追加、が含まれる。改変抗体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれを超えるアミノ酸改変を含むことができる。通常、アミノ酸改変は、アミノ酸置換である。一般的には、アミノ酸改変は、抗体の領域または標的領域に存在するが、抗体またはその一部の他の領域に存在してもよい。

0109

本明細書で使われる「関連抗体」は、対応する型の参照抗体(例えば、Hit抗体または1次抗体)に対し、構造的および機能的な類似性を示すが、参照抗体と同じ活性または構造(例えば、配列)を示さない抗体である。例えば、関連抗体は、配列の類似性を示すが、参照抗体と同じではなく、また、標的タンパク質または抗原に対して、参照抗体の活性より活性の低下または少ない活性、例えば、結合親和性の低下、を示す抗体である。本明細書の目的に対しては、1)その抗体が、参照抗体に対する配列の類似性を示し、対応する1次抗体の可変重鎖または可変軽鎖に対し少なくとも75%のアミノ酸配列同一性を示す可変重鎖および/または可変軽鎖を含み、関連抗体(可変重鎖および可変軽鎖)は、参照抗体に対する100%の配列同一性を示さず;さらに2)その抗体が、対応する型の参照抗体に比較して活性の低下を示す場合、抗体は、関連抗体である。配列類似性または配列同一性に関する別の例では、1)その抗体が、参照抗体に対して配列類似性を示し、関連抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントが、1次抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントと同一であり、および/または少なくとも1つのVκおよびJκまたは少なくとも1つの可変軽鎖をコードする核酸分子のVλおよびJλ生殖系列セグメントが、1次抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の1つのVκおよびJκまたはVλおよびJλ生殖系列セグメントと同一であり;さらに2)その抗体が対応する型の参照抗体に比較して活性低下を示す場合、抗体は関連抗体である。

0110

本明細書で使われる標的抗原に対する「活性低下」または「低い活性」は、抗体、またはその一部が、同じ標的抗原に対する参照抗体ほど高くないか、または同じ程度の標的抗原に対する活性(例えば、結合または他の機能活性)を示すことを意味する。参照抗体に対する活性の比較では、活性は、同じまたは類似の条件下で活性を評価するのと同じアッセイを使って対応する型の抗体と比較されることが理解されよう。従って、2つ以上の抗体の間またはその内の必要な活性レベルは、類似のパラメータまたは条件の下で比較される。本明細書の目的に対しては、標的抗原に対する「活性低下」または「低い活性」を有する抗体は、通常、参照抗体に比べ、標的抗原に対し80%以下の活性、例えば、参照抗体の5%〜80%の活性、例えば、正確にまたは約80%、75%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%もしくはそれ未満の標的抗原に対する活性を示す。

0111

本明細書で使われる「関連可変重鎖」または「関連可変軽鎖」は、対応する参照抗体の可変重鎖および/または可変軽鎖と配列同一性を示すが、対応する参照抗体の可変重鎖および/または可変軽鎖と同じではない(例えば、100%配列同一性を示さない)ものである。通常、関連可変重鎖または可変軽鎖は、対応する参照抗体の鎖と少なくとも60%配列同一性、通常、少なくとも75%配列同一性を示すものである。例えば、関連可変重鎖または可変軽鎖は、対応する参照抗体の鎖と60%〜99%配列同一性、例えば、正確にまたは約60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を示すものである。例えば、関連抗体には、関連抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントが、1次抗体の可変重鎖をコードする核酸分子の1つのVH、DHおよびJH生殖系列セグメントと同じであり、および/または可変軽鎖をコードする核酸分子の少なくとも1つのVκおよびJκまたは少なくとも1つのVλおよびJλ生殖系列セグメントが、1次抗体の可変軽鎖をコードする核酸分子の1つのVκおよびJκまたはVλおよびJλ生殖系列セグメントと同一である抗体が含まれる。通常、抗体の関連可変重鎖および/または可変軽鎖は、対応する参照抗体の可変重鎖または可変軽鎖と少なくとも75%アミノ酸配列同一性を示す。

0112

本明細書で使われる抗体の型は、抗体の特定の構造を指す。本明細書の抗体には、完全長抗体およびその一部、例えば、Fab断片または他の抗体断片が含まれる。従って、Fabは特定の型の抗体である。

0113

本明細書で使われる抗体の「対応する型」に対する参照は、2つの抗体の特性または活性を比較する場合、特性を同じ型の抗体を使って比較することを意味する。例えば、抗体が、対応する型の1次抗体の活性に比べて低い活性であると述べられている場合、特定の型、例えば、抗体のFab、が1次抗体のFabの型に比べて、低い活性を有することを意味する。

0114

本明細書で使われる「配列多様性」または「配列類似性」は、核酸配列の類似性の表現を指し、配列アラインメント、多様性スコア、および/または配列クラスタリングを使って求められる。いずれかの2つの配列に関し、配列を並べて配置し、配列の長さ方向に沿った全ての位置のヌクレオチド内の差異を分析することにより配列比較可能である。NCBIが開発したツールのBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)を使って、コンピュータにより核酸および/またはタンパク質配列の比較を行い、配列アラインメントを評価することができる。配列アラインメントのためにBLASTを使用することは、当業者にはよく知られている。Blastの探索アルゴリズムは、2つの配列を比較し、各マッチ(Blastスコア)の統計的有意性を計算するものである。相互に最も類似している配列は、高いBlastスコアを有し、一方、最も違いの多い配列は、低いBlastスコアを有することになる。

0115

本明細書で使われるBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)は、Altschul et al.(1990)により開発された探索アルゴリズムで、タンパク質またはDNAデータベースを、例えば、配列同一性に基づいて、別々に探索する。例えば、bastnは、ヌクレオチド配列データベース(例えば、GenBank)に対してヌクレオチド問い合わせ配列を比較するプログラムである。BlastPは、タンパク質配列データベースに対してアミノ酸問い合わせ配列を比較するプログラムである。

0116

本明細書で使われる「標的領域」は、関連抗体または抗体の対応する領域に比べて、少なくとも1つのアミノ酸差異を示す抗体(例えば、Hit抗体)またはその一部の可変重鎖または可変軽鎖の領域を指す。従って、標的領域には、関連抗体の対応する領域に比べて、少なくとも1つのアミノ酸差異を含む抗体の可変重鎖または可変軽鎖の1つまたは複数のCDR1、CDR2、CDR3、FR1、FR2、FR3またはFR4が含まれる。通常、標的領域は、抗体の構造/活性関連性(SAR)に関連する抗体の領域である。従って、本明細書の方法を実施する目的のためには、標的領域は、さらなる変異誘発の標的となる領域である。本明細書に記載のように、このような領域を特定し、アミノ酸の差異が存在するかどうかを判定することは、当業者のレベル内で可能なことである。当業者なら、KabatまたはChothiaナンバリング(例えば、Kabat、E.A.et al.(1991)免疫学的関連タンパク質の配列、第5版、米国保健福祉省、NIH Publication No.91−3242、およびChothia、C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901−917、を参照)に基づいて、抗体中の領域、例えば、CDRまたはFR、を知り、特定できる。

0117

本明細書で使われる「飽和変異誘発」は、タンパク質配列の少なくとも1つのアミノ酸残基を全てのまたはサブセットの使われていないアミノ酸残基に置換することにより、または多くのアミノ酸残基(タンパク質の全長内もしくは全体にわたり、またはタンパク質の領域内もしくは全体にわたり)のそれぞれを全てのまたはサブセットの使われていないアミノ酸残基に置換させることにより、系統的に複数の変異体を生成するプロセスを指す。飽和変異誘発は、全体でも部分的であってもよい。

0118

本明細書で使われる「完全飽和変異誘発(full saturation mutagenesis)」は、タンパク質配列中のアミノ酸残基を他の19天然アミノ酸で置換することにより複数の変異体を系統的に生成するプロセスを指す。タンパク質配列中の単一アミノ酸残基は、変異誘発の対象でありうる。あるいは、タンパク質またはタンパク質配列の領域(例えば、標的領域)の完全長配列全体にわたる全ての、またはサブセットのアミノ酸残基を完全飽和変異誘発に供することができる。

0119

本明細書で使われる「部分的飽和変異誘発」は、タンパク質配列中のアミノ酸残基をサブセットの他の19の天然のアミノ酸に置き換えることにより、複数の変異体配列を系統的に生成するプロセスを指す。タンパク質配列中の単一のアミノ酸残基は、変異誘発の対象になりうる。あるいは、タンパク質またはタンパク質配列の領域(例えば、標的領域)の完全長配列全体にわたる全ての、またはサブセットのアミノ酸残基を部分的飽和変異誘発に供することができる。

0120

本明細書で使われる「系統的変異導入」は、タンパク質またはタンパク質の領域(例えば、標的領域)の全ての、またはサブセットのアミノ酸残基を、各残基が同じ残基で置換可能な間は、選択されたアミノ酸、通常、アラニン、グリシンまたはセリンで、系統的に置換するプロセスを指す。通常は、置換アミノ酸はアラニンである。

0121

本明細書で使われる「Up mutant」である抗体、または「活性保持または活性増加を示す」抗体への参照は、スキャンアミノ酸の変異を含まない親抗体に比較して、スキャンアミノ酸に単一アミノ酸変異を含む場合に、活性が維持されるか、または高められる系統的変異導入をされた抗体を指す。標的抗原に対し活性を保持している抗体は、結合の少しの増加または減少を示しうるが、通常は、スキャン変異を含まない1次抗体と同じ結合を示す。例えば、少なくとも75%の結合活性、例えば、75%〜120%の結合、例えば、75%、80%、85%、90%、95%、100%、105%、110%または115%の結合を示す。標的抗原に対し活性増加を示す抗体は、通常、変異を含まない1次抗体に比べて、115%を超える活性、例えば、115%、120%、130%、140%、150%、200%またはそれを超える活性を示す。

0122

本方法のステップの実行に関して本明細書で使われる「反復性の(iterative)」は、前の繰り返し時に比べ、改変された「Hit」の活性が最適化されている、または改善されていることが特定されるまで、複数回、例えば、2、3、4、5またはそれを超える回数、この方法が繰り返されることを意味している。

0123

本明細書で使われる抗体またはその一部に関連する「中間体」は、参照抗体、テンプレートまたは親抗体から、例えば、親和性成熟のプロセスにより、誘導されたか、または進化した抗体で、しかし、それ自体さらに進化を受ける抗体を指す。例えば、改変Hitが本明細書の親和性成熟法により選択されるとすぐ、それ自体、さらに抗体を進化させる、または最適化するために、テンプレートとして使用できる。従って、改変Hitは、さらなる改変Hitを特定するか、または選択するための中間体抗体である。

0124

本明細書で使われる「抗体ライブラリー」は、例えば、2以上、通常は、5以上、さらに通常は、10以上、例えば、正確にまたは約10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014もしくはそれ以上のこのような分子の抗体メンバーまたはその一部の収集を指す。一部の実施例では、収集のメンバーは、収集内のメンバーが、標的またはテンプレート抗体に比較して多様化されているために、相互に類似している。しかし、抗体ライブラリーは、任意の抗体メンバー、またはその一部の収集を包含する。従って、テンプレートメンバーに比較して、収集内の各メンバーが多様化される必要はない。通常、収集は、異なるメンバー(すなわち、配列に基づいて)を含むが、一部の抗体収集では、いくつかの同じメンバーを含むこともありうる。通常は、収集は、少なくとも104または約104、105または約105、106または約106、少なくとも108または約108、少なくとも109または約109、少なくとも1010または約1010、またはそれ以上異なる抗体メンバーを含む。従って、収集は、通常、少なくとも104または約104、105または約105、106または約106、少なくとも108または約108、少なくとも109または約109、少なくとも1010または約1010、少なくとも1011または約1011、少なくとも1012または約1012、少なくとも1013または約1013、少なくとも1014または約1014、またはそれ以上の多様性を有する。従って、107の多様性を有する抗体ライブラリーは、107の異なるメンバーを含むことを意味する。

0125

収集またはライブラリーのメンバーに関して本明細書で使われる「多様性」は、収集中のユニークなメンバーの数を指す。従って、多様性は、類似のポリペプチドメンバーの収集の中の異なるアミノ酸配列または核酸配列それぞれの数を指す。例えば、104の多様性を有するポリヌクレオチドの収集は、類似のポリヌクレオチドメンバーの中で、104異なる核酸配列を含む。一例では、提供されるポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの収集は、少なくとも正確にまたは約102、103、104、105、106、107、108、109、1010もしくはそれ超の多様性を有する。

0126

本明細書で使われる「多様性比率」は、ライブラリー中の、ライブラリーの全体メンバーの数に対する、異なるメンバーの数の比率を指す。従って、別のライブラリーより大きな多様性比率を有するライブラリーは、全体メンバーに対するより多くの異なるメンバーを含み、それにより、全体メンバーに対するより多くの多様性を有する。提供されるライブラリーは、高い多様性比率、例えば、1に近い多様性比率、例えば、正確にまたは約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.90.91、0.92、0.93、0.94、0.95.0.96、0.97、0.98、または0.99の多様性比率を有するライブラリーを含む。

0127

本明細書で使われる「コンビナトリアルライブラリー」は、ビルディングブロック(building block)の組み合わせに基づく、置き替え可能な化学的「ビルディングブロック」の異なる組み合わせを反応させ、化合物の収集を生成することにより形成される化合物の収集を指す。抗体コンビナトリアルライブラリーに対しては、ビルディングブロックは、成分V、DおよびJ領域(またはその改変型)で、これらから抗体が生成される。目的本明細書の目的に対しては、用語「ライブラリー」または「収集」は、同義に使用される。

0128

本明細書で使われるコンビナトリアル抗体ライブラリーは、抗体(またはその一部、例えば、Fab)の収集で、ここでは、抗体は、V、DおよびJ遺伝子セグメント、特にヒトV、DおよびJ生殖系列セグメントの組み合わせにより作られる核酸分子にコードされている。本明細書のコンビナトリアルライブラリーは、通常、少なくとも50の異なる抗体(または抗体の一部もしくは断片)メンバー、通常、少なくともまたは約50〜1010以上の異なるメンバー、一般的には、少なくともまたは約102〜106以上の異なるメンバー、例えば、少なくともまたは約50、100、500、103、1x103、2x103、3x103、4x103、5x103、6x103、7x103、8x103、9x103、1x104、2x104、3x104、4x104、5x104、6x104、7x104、8x104、9x104、1x105、2x105、3x105、4x105、5x105、6x105、7x105、8x105、9x105、106、107、108、109、1010、またはそれ以上の異なるメンバーを含む。得られた抗体またはその一部のライブラリーまたは収集は、標的タンパク質に対する結合または機能活性の調節により選別できる。

0129

本明細書で使われるヒトコンビナトリアル抗体ライブラリーは、抗体またはその一部の収集で、各メンバーは、抗原結合部位を形成するのに充分なVLおよびVH鎖またはその一部を含み、これらは、米国特許仮出願第61/198、764号および61/211、204号に記載のようにして製造されたヒト生殖系列セグメントを含む核酸にコードされている。この特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。

0130

本明細書で使われるライブラリー中の座位(locus)は、ライブラリーの1つまたは複数のメンバーを含みうる部位または位置を指す。位置は、物理的な位置である必要はない。例えば、収集が固体支持体上のアレイとして提供される場合は、支持体はアレイのメンバーを提示できる、または提示する座位を含む。

0131

本明細書で使われるアドレスは、収集中の各座位を示すユニークな識別子を指し、それにより、アドレス指定されたメンバー(例えば、抗体)が特定できる。アドレス指定された成分は、その座位または部位により特定可能な成分である。アドレス指定は、表面の位置、例えば、マイクロプレートウエルの位置にも適用可能である。例えば、マイクロウエルプレート中のタンパク質のアドレス:F9は、タンパク質がマイクロウエルプレートのF行、9列の位置にあることを意味する。また、アドレス指定は、他の識別子、例えば、バーコードもしくは他の記号体系をコードしたタグ、化学的タグ、電子的なRF等のタグ、色分けされたタグまたは他のこのような識別子により行うこともできる。

0132

本明細書で使われるアレイは、3つ以上のメンバーを含む要素、例えば、抗体、の収集を指す。

0133

本明細書で使われる「空間アレイ」は、メンバーがアレイ中の分離された、または別々の空間を占めるアレイである。従って、空間アレイは、アドレス指定できるアレイのタイプである。空間アレイの例には、プレートの各ウエルがアレイ中のアドレスであるマイクロタイタープレートが含まれる。空間アレイには、複数の異なる分子、例えば、ポリペプチド、が保持、提示、配置、位置付け、または支持されている任意の配置が含まれる。アレイには、マイクロタイタープレート、例えば、48ウエル、96ウエル、144ウエル、192ウエル、240ウエル、288ウエル、336ウエル、384ウエル、432ウエル、480ウエル、576ウエル、672ウエル、768ウエル、864ウエル、960ウエル、1056ウエル、1152ウエル、1248ウエル、1344ウエル、1440ウエル、もしくは1536ウエルプレートチューブ、スライド、チップ、フラスコ、または任意の他の適切な実験器具、が含まれる。さらに、アレイは、複数のサブアレイを含んでもよい。複数のサブアレイは、2つ以上の配列を使用してポリペプチドを配置するアレイを包含する。例えば、複数の96ウエルプレートは、複数のサブアレイおよび単一のアレイを構成することができる。

0134

本明細書で使われる、アドレス指定できるライブラリーは、収集の各メンバーがそのアドレスにより特定可能な分子、例えば、核酸分子または抗体等のタンパク質試薬の収集である。

0135

本明細書で使われる、アドレス指定できるアレイは、アレイのメンバーがそれらのアドレス、マイクロタイタープレートのウエルもしくは固相支持体、等の空間アレイ中の位置、または特定可能なもしくは検出可能な標識、例えば、色、蛍光電子シグナル(例えば、RF、マイクロ波もしくは対象分子の相互作用を実質的に変えない他の周波数)、バーコードもしくは他の記号体系、化学的もしくは他のこのような標識、により特定可能なアレイである。従って、一般的に、アレイメンバーは、固相の表面上の特定可能な座位に配置され、または直接的もしくは間接的に特定可能な標識に結合させるか、またはそうでなければ会合させて、例えば、マイクロスフェアまたは他の粒子状支持体(本明細書では、ビーズと呼ぶ)に付着させ、溶液中に懸濁または表面上に展開させて、配置される。

0136

本明細書で使われる「アドレス指定できる抗体ライブラリー」または「アドレス指定できるコンビナトリアル抗体ライブラリー」は、メンバー抗体が特定可能であり、空間アレイもしくは固体支持体の位置、または化学的もしくはRFタグ、等の同じ識別子の全抗体が同じ抗原に結合し、さらに、通常、アミノ酸配列が実質的に同じである抗体の収集を指す。本明細書の目的に対しては、「アドレス指定できるコンビナトリアル抗体ライブラリー配列」への参照は、アレイ中で抗体メンバーがアドレス指定されることを意味する。

0137

本明細書で使われる支持体(マトリックス支持体、マトリックス、不溶性の支持体または固体支持体、とも呼ばれる)は、任意の固体または半固体または不溶性支持体を指し、これに、対象分子、通常は、生物学的分子有機分子または生体分子特異的リガンドが結合または接触する。このような材料には、化学的および生物学的分子合成および分析のための親和性マトリックスまたは支持体として使用される任意の材料が含まれ、例えば、これに限定されないが、ポリスチレンポリカーボネートポリプロピレンナイロンガラスデキストランキチンサンド軽石アガロース多糖類デンドリマーバッキーボールポリアクリルアミドシリコンゴム、および固相合成、親和性分離および精製、ハイブリダイゼーション反応、イムノアッセイならびに他のこのような用途に使われる他の材料、が含まれる。本明細書のマトリックスは、粒子状であっても、連続表面の形、例えば、マイクロタイターディッシュもしくはウエル、ガラススライドシリコンチップニトロセルロースシートナイロンメッシュ、または他のこのような材料であってもよい。微粒子の場合は、通常、粒子は、少なくとも1つの次元は5〜10mmの範囲以下である。このような粒子、本明細書ではまとめて「ビーズ」と呼ぶ、は、必須ではないが、球状であることが多い。しかし、このような参照は、マトリックスの形状を制約するものではなく、ランダムな形状、針状、線維状、および細長い形状を含むどのような形でもよい。液体相中で使用可能な、凡そ球状の「ビーズ」、特に、マイクロスフェアも、また、意図されている。「ビーズ」は、追加の成分、例えば、磁石利用分離のための磁性または常磁性粒子(例えば、Dynabeads(登録商標)(Dynal、Oslo、Norway)を参照)を、その追加の成分が本明細書の方法と分析を妨害しない限り、含んでもよい。

0138

本明細書で使われるマトリックスまたは支持体粒子は、離散性の粒子の形であるマトリックス材料を指す。粒子は、任意の形と次元を有するが、通常、少なくとも1つの次元は、100mm未満、50mm未満、10mm未満、1mm未満、100μm未満、50μm未満であり、また、通常、大きさは、100mm3未満、50mm3未満、10mm3未満、および1mm3未満、100μm3未満、および立方ミクロンオーダーであってもよい。このような粒子をまとめて「ビーズ」と呼ぶ。

0139

本明細書で使われる生殖系列遺伝子セグメントは、免疫グロブリン重鎖または軽鎖(カッパ鎖およびラムダ鎖)をコードする生殖系列由来の免疫グロブリン(Ig)可変(V)、多様性(D)および連結(J)または定常(C)遺伝子を指す。生殖系列には、複数のV、D、JおよびC遺伝子セグメントがあるが、遺伝子再構成では、再構成された各機能的遺伝子中にそれぞれただ1つのセグメントを生ずる。例えば、機能的に再構成された重鎖は、1つのV、1つのDおよび1つのJを含み、機能的に再構成された軽鎖遺伝子は、1つのVおよび1つのJを含む。従って、これらの遺伝子セグメントは、生殖細胞に運ばれるが、しかしそれらが機能的遺伝子に再構成されるまで、転写もされず、重鎖と軽鎖に翻訳もされ得ない。骨髄中でのB細胞分化の間に、これらの遺伝子セグメントは、1010を超える特異性を生成することが可能なダイナミック遺伝系により、ランダムにシャッフルされる。

0140

本明細書の目的に対しては、重鎖生殖系列セグメントは、VH、DHおよびJHとして設計され、その編集により、VH鎖をコードする核酸を生ずる。軽鎖生殖系列セグメントは、カッパおよびラムダ軽鎖(VκおよびJκ;VλおよびJλ)を含むVLまたはJLとして設計され、その編集により、VL鎖をコードする核酸を生ずる。軽鎖は、カッパまたはラムダ軽鎖であるが、VκおよびJλの編集によるカッパ/ラムダの組み合わせは含まないことは理解されよう。

0141

本明細書の可変生殖系列セグメントへの参照は、V、DおよびJグループサブグループ、遺伝子またはその対立遺伝子を指す。遺伝子セグメント配列は、既知のデータベース(例えば、米国・国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)、international ImMunoGeneTics information system(登録商標)(IMGT)、KabatデータベースおよびTomlinson’s VBaseデータベース(Lefranc(2003)Nucleic AcidsRes.、31:307−310;Martin et al.、抗体エンジニアリングバイオインフォマティクスツール治療抗体ハンドブック中の)、Wiley−VCH(2007)、pp.104−107)からアクセス可能である。

0142

本明細書で使われる、生殖系列セグメントに関連する「グループ」は、免疫グロブリン由来のコアコード領域、すなわち、重鎖または軽鎖をコードする可変(V)遺伝子、多様性(D)遺伝子、連結(J)遺伝子または定常(C)遺伝子、を指す。代表的な生殖系列セグメントグループには、VH、DH、JH、Vκ、Jκ、VλおよびJλが含まれる。

0143

本明細書で使われる生殖系列セグメントに関連する「サブグループ」は、ヌクレオチド配列類似性または同一性により定まる一連の配列を指す。一般的には、サブグループは、所与の種における同じグループ[V、D、JまたはC]に属する一連の遺伝子で、ヌクレオチドレベルで少なくとも75%の同一性を共有する。サブグループは、IMGT命名法(imgt.cines.fr;例えば、Lefranc et al.(2008)バイオインフォマテクスブリーフィング、9:263−275、参照)に基づいて分類される。通常、サブグループは、多重遺伝子ファミリーを表す。

0144

本明細書で使われる遺伝子の対立遺伝子は、参照遺伝子配列に比較して、コード領域中の1つまたは複数のヌクレオチドの差異(例えば、置換、挿入または欠失)による配列多型性を有する生殖系列配列を指す。従って、同じサブグループに属するIG配列は、それらのコード配列が高度に類似しているが、それにも関わらず、高い多形性を示しうる。サブグループ対立遺伝子は、IMGT命名法に基づいて分類され、アステリスク(*)とそれに続く2つの図番号が付加される。

0145

本明細書で使われる生殖系列セグメントに関連する「ファミリー」は、アミノ酸配列類似性または同一性により定まる一連の生殖系列セグメント配列を指す。通常、生殖系列ファミリーには、遺伝子の全対立遺伝子が含まれる。

0146

本明細書で使われる生殖系列セグメントのヌクレオチドに関連する反転配列は、遺伝子セグメントが、ヌクレオチドの参照配列逆相補配列であるヌクレオチドの配列を有することを意味する。

0147

本明細書で使われる「編集(compilation)」、「編集する(compile)」、「組み合わせる(combine)」、「組み合わせ(combination)」、「再構成する(rearrange)」、「再構成(rearrangement)」、または他の類似の用語またはその文法的変化は、生殖系列セグメントが整えられ、または組み立てられて遺伝子を表す核酸配列になるプロセスを指す。例えば、コンビナトリアル法では、可変重鎖生殖系列セグメントは、VHセグメントがDHセグメントに対し5’となり、またDHセグメントがJHセグメントに対し5’となるように組み立てられ、その結果、VH鎖をコードする核酸配列が得られる。可変軽鎖生殖系列セグメントは、VLセグメントがJLセグメントに対し5’となるように組み立てられ、それにより、VL鎖をコードする核酸配列が得られる。1つまたは複数の定常遺伝子セグメントも、また、VHまたはVL鎖をコードする核酸の3’末端上に組み立てることができる。

0148

本明細書で使われる生殖系列セグメントに関連する「結合された(linked)」、または「結合(linkage)」または他のその文法的変化は、生殖系列セグメントの連結を指す。結合は、直接的でも間接的でもよい。生殖系列セグメントは、セグメント間に追加のヌクレオチドなしに直接結合可能であり、または追加のヌクレオチドを加えて、全体セグメントをインフレームにする、もしくはヌクレオチドを欠失させ、生じたセグメントをインフレームにすることが可能である。コンビナトリアル抗体ライブラリーを生成する方法では、生じた核酸分子がインフレームであり、機能的かつ増殖性抗体をコードするように、リンカーヌクレオチドの選択がなされることを理解されたい。

0149

本明細書で使われる、ヒト生殖系列セグメントの結合に関連する「インフレーム」または「結合されたインフレーム」は、生じた核酸分子を5’開始コドン(ATG)を有するインフレームにし、それにより、「増殖性」または機能的完全長ポリペプチドを産生するために、連結された接合部のヌクレオチド生殖系列セグメント内に挿入および/または欠失があることを意味する。生殖系列セグメントに対し挿入する、または欠失させるヌクレオチドの選択、特に、可変VD、DJおよびVJセグメントを連結する接合部での選択は、本明細書の方法で提供されたV(D)J接合部生成のための規則に従っている(詳細は米国特許仮出願第61/198、764号および同61/211、204号に記載されている)。例えば、生殖系列セグメントは、VHセグメントがDHセグメントに対し5’となり、DHセグメントがJHセグメントに対し5’となるように、組み立てられる。VHおよびDHの連結の接合部、ならびにDHおよびJHセグメントの連結の接合部で、生じた連結したVDJセグメントを含む核酸分子が5’開始コドン(ATG)を有するインフレームとなるように、ヌクレオチドを個々のVH、DHまたはJHセグメントに対し挿入する、または欠失させることができる。

0150

本明細書で使われる抗体またはその一部をコードする核酸に関連する「機能的抗体」または「増殖性抗体」は、コンビナトリアル法により産生された核酸分子によりコードされている抗体またはその一部、例えば、Fab、を指す。機能性または増殖性抗体では、V(D)J生殖系列セグメントは、コードされた抗体またはその一部が切断されないように、および/またはアミノ酸配列が読み枠から外れないように、編集される(すなわち、再構成される)。これは、タンパク質翻訳機械にタンパク質構築時期尚早に停止させる内部停止コドンを核酸分子が含まないことを意味する。

0151

本明細書で使われる、対応する残基に関連する対応、例えば、「に対応するアミノ酸残基」は、関連配列(例えば、対立遺伝子変異体、同じファミリーの遺伝子、種の変異体)の2つのポリペプチドの内または間で比較した、残基を指す。当業者なら、ポリペプチドの間、または内で対応する残基を容易に特定することができる。例えば、2つの配列を比較することにより、当業者なら、保存された、および等価なアミノ酸をガイドとして使用して、対応する残基を特定できる。当業者なら、マニュアルで配列を整列比較することができ、または多数の入手可能なプログラム(例えば、BLAST)のいずれかを使用することができる。従って、相互に対応するアミノ酸残基または位置は、配列および/または特定の参照ポリペプチドとの構造的配列比較に基づき、相互に対応することがわかった残基である。

0152

本明細書で使われる「選別」は、抗体またはその一部の活性または特性の測定に基づき、複数の抗体、例えば、抗体および/またはその一部の収集またはライブラリーからの、抗体またはその一部の特定または選択を指す。選別は、例えば、抗体の標的タンパク質に対する直接結合(例えば、結合親和性)を評価するアッセイ、または標的タンパク質の活性調節を評価する機能的アッセイ、を含む種々の方法のいずれかにより行うことができる。

0153

本明細書で使われる用語の評価(assessing)は、抗体またはその一部の標的タンパク質に対する結合、および/または標的タンパク質の抗体またはその一部による活性の調節、および、また、指数、比率、パーセンテージ、目視のまたは他の結合または活性のレベルを示す値、の取得のために、絶対値取得という意味での定量的および定性的測定を含むことが意図されている。評価は、直接的でも間接的でもよい。例えば、結合は、検出可能な標識による抗体またはその一部の直接標識化により、および/またはそれ自体を標識した二次抗体を使うことにより、測定可能である。さらに、機能的活性は、当業者に既知の種々のアッセイ、例えば、増殖、細胞障害性および本明細書記載の他の方法のいずれかを使って、抗体またはその一部の存在と非存在の対比下で標的タンパク質の活性を比較することにより、測定可能である。

0154

本明細書で使われる、抗体またはその一部の標的タンパク質機能活性の効果に関連する「調節する」または「調節」および他のそれの種々の文法的変化型は、活性増加、例えば、誘導または活性の増強、ならびに標的タンパク質の1つまたは複数の活性の抑制を指す。従って、調節には、活性の増加(すなわち、上方制御またはアゴニスト活性)、活性の減少(すなわち、下方制御または抑制)またはいずれかの他の活性の変化(例えば、周期性頻度持続期間、動力学または他のパラメータの変化)が含まれうる。調節は、状況依存的である可能性があり、通常、調節は設計された状態、例えば、野生型タンパク質恒常的状態のタンパク質、または設計された細胞型または状態で発現したたんぱく質、と比較される。標的タンパク質の機能活性は、抗体またはその一部が存在しない条件下の標的タンパク質の活性に比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または90%超だけ抗体またはその一部により調節されうる。

0155

本明細書で使われるDelta−like4(DLL4)は、Notch受容体1および4用のリガンドであるタンパク質を指す。DLL4には、下記のいずれかのDLL4ポリペプチドが含まれる(これに限定されない):組換えで産生したポリペプチド、合成で産生したポリペプチド、ネイティブDLL4ポリペプチド、および内皮細胞を含む細胞または組織から抽出したDLL4ポリペプチド。また、DLL4には、ヒトおよび非ヒト起原動物(これに限定されない)を含む、異なる種由来の関連ポリペプチドが含まれる。ヒトDLL4には、DLL4、対立遺伝子変異体アイソフォーム、核酸由来合成分子、ヒト組織および細胞から単離されたタンパク質、およびその改変型が含まれる。代表的DLL4ヒトには、配列番号2904で設定されるアミノ酸配列を有し、配列番号2905で設定されるヌクレオチドの配列によりコードされたDLL4が含まれる。本明細書の目的のためには、DLL4への参照は、別に定めがなければ、通常は、ヒトDLL4への参照である。

0156

本明細書で使われる「活性化因子」、例えば、「アゴニスト」または「活性化因子/モジュレーター」は、シグナル伝達活性または他の受容体の機能活性を、増強するか、誘導するか、そうでなければ高めることにより調節する抗体またはその一部を指す。活性化因子、例えば、アゴニストまたは活性化因子/モジュレーターは、単独で使用した場合、シグナル伝達または他の機能活性を調節または高めることができるか、またはリガンド単独の場合に比べ、天然の受容体のリガンド、もしくは他の受容体刺激物質の存在下で、シグナル伝達または他の機能活性を変えて、受容体によりシグナル伝達を強化することができる。活性化因子には、アゴニストまたは活性化因子/モジュレーターが含まれる。

0157

本明細書で使われる「アゴニスト」は、内在性リガンドの活性を模倣し、内在性リガンドに置き換わることができる抗体またはその一部を指す。

0158

本明細書で使われる「モジュレーター/活性化因子」は、標的基質アロステリック部位に結合し、そのリガンドによる受容体の活性化を変える、例えば、高める抗体またはその一部を指す。

0159

本明細書で使われる「アロステリック部位」は、リガンド/受容体相互作用を付与する部位ではないが、抗体またはその一部によって結合された場合、標的基質の活性を変える標的基質上の部位である。

0160

本明細書で使われる「アンタゴニスト」は、シグナル伝達活性または他の受容体の機能活性を遮断または低減することによってシグナル伝達または他の受容体の機能活性を調節する抗体またはその一部を指す。

0161

本明細書で使われるオフレート(koff)は、その抗原から抗体が解離する速度である。

0162

本明細書で使われるオンレート(kon)は、抗体が抗原に結合する速度である。

0163

本明細書で使われる「半減期」(t1/2)または「解離半減期」は、最初に存在するタンパク質−リガンドまたは基質−抗体複合体の半分が解離する時間を指す。これは、Ln(2)/koffとして表される。

0164

本明細書で使われる「抗原結合部位を形成するのに充分な抗体またはその一部」への参照は、抗体またはその一部が全6CDRを含む対応する完全長抗体の少なくとも一部の結合特異性を保持するのに充分な、VHおよびVLの少なくとも1または2、通常は3、4、5または全6のCDRを含むことを意味する。通常、充分な抗原結合部位には、少なくとも重鎖のCDR3(CDRH3)が必要である。通常は、さらに軽鎖のCDR3(CDRL3)が必要である。本明細書記載のように、当業者なら、KabatまたはChothiaナンバリングに基づいてCDRを理解し、特定することができる(例えば、Kabat、E.A.et al.(1991)免疫学的関連タンパク質の配列、第5版、米国保健福祉省、NIH Publication No.91−3242、およびChothia、C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901−917、を参照)。例えば、Kabatナンバリングに基づくと、CDR−LIは、残基L24〜L34に相当する;CDR−L2は、残基L50〜L56に相当する;CDR−L3は、残基L89〜L97に相当する;CDR−H1は、残基H31〜H35、35aまたは35bに相当する(長さに応じて);CDR−H2は、残基H50〜H65に相当する;ならびにCDR−H3は、残基H95〜H102に相当する。

0165

本明細書で使われる標識は、分子に直接的または間接的に付着または結合または会合させることが可能な、検出可能マーカーである。検出方法は、当技術分野で既知のいずれの方法でもよい。

0166

本明細書で使われるヒトタンパク質は、ヒトゲノム中に存在する核酸分子、例えば、DNAによってコードされるたんぱく質で、全対立遺伝子変異体およびその保存された変種を含む。改変がヒトタンパク質の野生型または主要な配列に基づく場合は、タンパク質改変変異体は、ヒトタンパク質である。

0167

本明細書で使われる「天然アミノ酸」は、ポリペプチドで発生する20のL−アミノ酸を指す。残基は、ヒト中で、その同族のmRNAコドンを使った負荷tRNA分子の特異的認識によりタンパク質に組み込まれる天然に存在する20のα−アミノ酸である。

0168

本明細書で使われる非天然アミノ酸は、遺伝的にコードされないアミノ酸を指す。例えば、非天然アミノ酸は、天然アミノ酸に類似の構造を有するが、天然アミノ酸の構造および反応性を模倣するように構造的に改変されている有機化合物である。非天然アミノ酸は、従って、例えば、20天然アミノ酸以外のアミノ酸またはアミノ酸の類似体で、アミノ酸のD−イソステレオマーを含む(これに限定されない)。代表的非天然アミノ酸は、当業者に既知である。

0169

本明細書で使われる核酸には、ペプチド核酸(PNA)およびその混合物を含むDNA、RNAおよびその類似体が含まれる。核酸は、単鎖でも二重鎖でもよい。任意選択で検出可能標識、例えば、蛍光または放射標識等で標識付けした、プローブまたはプライマーを参照する場合、単鎖分子が意図されている。このような分子は、通常、ライブラリーの探査または初回刺激に対して、その標的が統計的にユニークであるか、または小コピー数であるような長さ(典型的には、5未満、一般的には、3未満)である。一般的には、プローブまたはプライマーは、対象遺伝子に対し配列相補的なまたは同等な少なくとも14、16または30の近接ヌクレオチドを含む。プローブおよびプライマーは、10、20、30、50、100またはそれ以上の核酸長さであってもよい。

0170

本明細書で使われるペプチドは、2〜40アミノ酸長さのポリペプチドを指す。

0171

本明細書で使われている、本明細書で提供される種々のアミノ酸配列中で現れるアミノ酸は、既知の3文字または1文字省略(表1)に従って特定される。種々の核酸断片中に現れるヌクレオチドは、当技術分野で日常的に使われる標準的な単一文字名称で示される。

0172

本明細書で使われる「アミノ酸」は、アミノ基およびカルボン酸基を含む有機化合物である。ポリペプチドは、2つ以上のアミノ酸を含む。本明細書の目的に対しては、アミノ酸には、20の天然アミノ酸、非天然アミノ酸およびアミノ酸類似体(すなわち、α−炭素が側鎖を有するアミノ酸)が含まれる。

0173

本明細書で使われる「アミノ酸残基」は、そのペプチド結合位置でポリペプチドの化学的消化加水分解)により形成されたアミノ酸を指す。本明細書記載のアミノ酸残基は、「L」異性体であると想定されている。「D」と指定されている異性体の残基は、ポリペプチドの所望の機能特性が保持されている限り、いずれかのL−アミノ酸残基で置換可能である。NH2は、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離アミノ基を指す。COOHは、ポリペプチドのカルボキシル末端に存在する遊離カルボキシ基を指す。J.Biol.Chem.、243:3557−3559(1968)に記載され、37C.F.R.§§1.821−1.822、で採用された、標準的ポリペプチド命名法に従った、アミノ酸残基の省略を表1に示す。

0174

本明細書で式により表現される全アミノ酸残基配列は、アミノ末端からカルボキシル末端への通常の方向の、左から右への配列であることに注意しなければならない。さらに、語句の「アミノ酸残基」は、対応表(表1)に挙げられたアミノ酸ならびに改変された、および他とは異なるアミノ酸、例えば、37C.F.R.§§1.821−1.822(参照により本明細書に組み込まれる)で参照されているものを含むように広義に定義されている。さらに、アミノ酸残基配列の先頭または末端にあるダッシュは、アミノ末端基、例えば、NH2への、またはカルボキシル末端基、例えば、COOHへの1つまたは複数のアミノ酸残基の追加配列に対するペプチド結合を示すことに注意すべきである。任意の保護基、アミノ酸および他の化合物に対する省略は、特に指示がなければ、それらの通常の使用法、認められている略号、またはIUPAC−IUB生化学命名法に関する委員会((1972)Biochem.11:1726、参照)に従う。各天然L−アミノ酸は、標準的な3文字コード(もしくは1文字文字コード)または接頭辞「L−」と共に標準的な3文字コード(もしくは1文字コード)によって特定される。接頭辞「D−」は、アミノ酸の立体異性体がDであることを示す。

0175

本明細書で使われる等速性混合物は、アミノ酸のモル比が、報告されている反応速度に基づいて調製されている混合物である(例えば、Ostresh et al.、(1994)Biopolymers 34:1681、参照)。

0176

本明細書で使われる改変は、ポリペプチドのアミノ酸配列の改変への、または核酸分子中のヌクレオチド配列の改変への参照であり、アミノ酸およびヌクレオチドの欠失、挿入、および置換をそれぞれ含む。ポリペプチドの改変方法は、当業者には日常的作業であり、例えば、組換えDNA法を使って行われる。

0177

本明細書で使われる適切なアミノ酸の保存的置換は、当業者には既知で、通常、生成した分子の生物活性を変えることなく実行できる。当業者には、一般的に、ポリペプチドの非必須領域での単一アミノ酸置換は、生物活性を実質的に変えないことがわかっている(例えば、Watson et al.遺伝子の分子生物学、第4版、1987、The Benjamin/Cummings Pub.co.、p.224、参照)。このような置換は、以下の表2で定められている内容に従って行うことができる。



他の置換も許容でき、経験的に、または既知の保存的置換に従って決定できる。

0178

本明細書で使われるDNA構築物は、単鎖または二重鎖の、天然には無い方式で組み合わされ、並置されたDNAのセグメントを含む直鎖または環状DNA分子である。DNA構築物は、ヒト操作の結果として存在し、クローンおよび他の操作された分子のコピーを含む。

0179

本明細書で使われるDNAセグメントは、特定の属性を有するより大きなDNA分子の一部である。例えば、特定のポリペプチドをコードするDNAセグメントは、より長いDNA分子、例えば、プラスミドまたはプラスミド断片の一部であり、これは、5’から3’方向へ読み取られた場合、特定のポリペプチドのアミノ酸配列をコードしている。

0180

本明細書で使われる用語の「核酸」は、単鎖および/または二重鎖ポリヌクレオチド、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)、およびリボ核酸(RNA)ならびにRNAまたはDNAの類似体または誘導体を指す。また、用語の「核酸」には、核酸の類似体、例えば、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロチオエートDNA、および他のこのような類似体および誘導体またはこれらの組み合わせが含まれる。核酸は、ポリヌクレオチド、例えば、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)を指すこともできる。また、この用語は、等価物として、ヌクレオチド類似体、単鎖(センスまたはアンチセンス)および二重鎖ポリヌクレオチドから作られたRNAまたはDNAの誘導体、変異体および類似体を含む。デオキシリボヌクレオチドには、デオキシアデノシンデオキシシチジンデオキシグアノシンおよびデオキシチミジン、が含まれる。RNAに対しては、ウラシル塩基ウリジンである。

0181

本明細書で使われる「コードする核酸分子」は、特異的タンパク質またはペプチドの発現を指示する核酸分子を指す。核酸配列には、RNA中へ転写されるDNA鎖配列およびタンパク質またはペプチド中へ転写されるRNA配列の両方が含まれる。核酸分子には、完全長成熟ポリペプチド、例えば、前駆体配列の欠けた完全長ポリペプチド由来の完全長核酸配列ならびに非完全長配列の両方が含まれる。本明細書の目的のためには、核酸配列は、また、ネイティブ配列縮重コドンまたは特異的宿主でのコドン選択を提供するために導入可能な配列も含む。

0182

本明細書で使われる用語の「ポリヌクレオチド」は、少なくとも2つの結合ヌクレオチド、またはヌクレオチド誘導体を含むオリゴマーまたはポリマーを指し、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、およびDNAまたはRNA誘導体を含む。これらには、例えば、ヌクレオチド類似体またはリン酸ジエステル結合以外の「バックボーン」結合、例えば、ホスホトリエステル結合、ホスホルアミダート結合、ホホロチオアート結合、チオエステル結合、またはペプチド結合(ペプチド核酸)が含まれる。また、用語の「オリゴヌクレオチド」は、本明細書では、基本的に「ポリヌクレオチド」の同義語として使用されるが、当業者は、オリゴヌクレオチド、例えば、PCRプライマー、は通常、約50から100ヌクレオチドの長さ未満であることを認識している。

0183

ポリヌクレオチドには、例えば、ポリヌクレオチドの大量分化を可能とする大量改変ヌクレオチド;ポリヌクレオチドの検出を可能とする検出可能標識、例えば、蛍光、放射性ルミネセンスもしくは化学発光標識を含むヌクレオチド;またはポリヌクレオチドの固体支持体への固定化を促進する反応性基、例えば、ビオチンもしくはチオール基を含むヌクレオチドを含むヌクレオチド類似体が含まれうる。また、ポリヌクレオチドには、選択的に開裂する、例えば、科学的に、酵素的に、または光分解的に開裂する1つまたは複数のバックボーン結合が含まれる。例えば、ポリヌクレオチドは、1つまたは複数のデオキシリボヌクレオチド、続いて、1つまたは複数のリボヌクレオチド、さらにこれに続く、1つまたは複数のデオキシリボヌクレオチド、を含むことが可能で、このような配列はリボヌクレオチド配列の位置で塩基加水分解により切断可能である。また、ポリヌクレオチドは、例えば、キメラオリゴヌクレオチドプライマー等の、相対的に開裂に対し耐性のある1つまたは複数の結合を含んでもよく、これはペプチド核酸結合により連結されたヌクレオチドおよび3’末端位置の少なくとも1つのヌクレオチドを含むことが可能で、リン酸ジエステル結合または他の適切な結合により結合されており、ポリメラーゼにより延長できる。ペプチド核酸配列は、よく知られた方法を使って調製可能である(例えば、Weiler et al.Nucleic acidsRes.25:2792−2799(1997)、参照)。

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