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技術 板ガラス加工装置及びガラス基板

出願人 日本電気硝子株式会社
発明者 谷田剛夫伊吹真澄市川耕二粟津晃
出願日 2015年7月31日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-152084
公開日 2017年2月9日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2017-030089
状態 特許登録済
技術分野 円筒・平面研削 研削盤の構成部分、駆動、検出、制御 3次曲面及び複雑な形状面の研削,研磨等
主要キーワード 回動子 支持軸部材 緩衝要素 たる板 平面視直線状 始端部付近 処理数量 角取り処理
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (13)

課題

板ガラスの端面を加工する場合において、加工開始時における加工具バウンドを防止する。

解決手段

板ガラス加工装置1は、板ガラスAの端面を加工する加工具Bを回転可能に支持するアーム部材3と、加工具Bが板ガラスAの端面を押圧する力をアーム部材3に生じさせるサーボ機構5とを備える。

概要

背景

近年、液晶ディスプレイ等の製造効率の向上や大型化の要請に応じるべく、これに使用される板ガラスのサイズは大型化する傾向にある。板ガラスのサイズを大きくすれば、一枚の板ガラスから取れるガラス基板枚数が多くなるため、大型液晶ディスプレイに対応したガラス基板を効率良く製作することが可能になる。また、時間当たりの処理数量を増やし製造コスト下げるために、板ガラスの搬送速度(加工速度)の高速化が検討されている。

板ガラスの端面に傷が有ると、その傷から割れ等が発生するため、これを防止するために板ガラスの端面に対して研削研磨加工が施される。板ガラスの端面加工装置には、加工具押圧力を一定に維持する定圧式と呼ばれるものと、加工具を固定して加工を行う固定式のものとがある。上流工程で切断された板ガラスが有する形状に対して、固定式端面加工装置を使用して板ガラスの端面が均一になるように加工するには、板ガラスの研削・研磨代を大きめに設定しなければならないため、加工時間が長くなり、板ガラスの搬送速度(加工速度)を更に上げることが困難である。

一方、定圧式で板ガラスの端面を加工する技術として、特許文献1には、加工具を支持する回動(回転)可能なアーム部材と、このアーム部材を介して加工具から板ガラスの端面に作用する押圧力を発生する押圧力発生要素と、板ガラスの端面から加工具に対して作用する衝撃力緩衝する緩衝要素とを備えた板ガラス加工装置が開示されている。この板ガラス加工装置は、板ガラスの端面から加工具に対して作用する衝撃力を緩衝要素により緩衝することで、板ガラスを高速搬送しつつ板ガラスの端面に倣うように研削・研磨を行うことができる。

概要

板ガラスの端面を加工する場合において、加工開始時における加工具のバウンドを防止する。 板ガラス加工装置1は、板ガラスAの端面を加工する加工具Bを回転可能に支持するアーム部材3と、加工具Bが板ガラスAの端面を押圧する力をアーム部材3に生じさせるサーボ機構5とを備える。

目的

本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、板ガラスの端面を加工する場合において、加工開始時における加工具のバウンドを防止しつつ、加工中には目標加工量を精度高く維持することが可能な板ガラスの加工装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

板ガラスの端面を加工具で加工する板ガラス加工装置であって、前記加工具を回転可能に支持するアーム部材と、前記加工具が前記板ガラスの端面を押圧する力を前記アーム部材に生じさせるサーボ機構とを備える板ガラス加工装置。

請求項2

前記アーム部材を回動可能に支持する支持軸部材をさらに備え、前記サーボ機構は、回動軸を有するととともに、前記アーム部材を前記支持軸部材のまわりに回動可能に駆動するサーボモータと、前記サーボモータの前記回動軸と前記アーム部材とを連結するリンク機構と、加工開始時において前記加工具が前記板ガラスに接触したときに、前記サーボモータの前記回動軸の速度及びトルクフィードバック制御を行う制御部とを備える請求項1に記載の板ガラス加工装置。

請求項3

前記サーボ機構は、前記加工具による加工を終了するときに前記サーボモータの前記回動軸の位置のフィードバック制御を行う制御部をさらに備える請求項2に記載の板ガラス加工装置。

請求項4

前記加工具は、前記板ガラスの前記端面を研削する砥石である請求項1から3のいずれか1項に記載の板ガラス加工装置。

請求項5

一端部から他端部までの長さが200mmを超える一辺を含むガラス基板であって、前記一辺は、前記一端部から100mmまでの範囲において、角取り部と、前記角取り部と連なる加工開始跡とを含み、前記一辺の前記一端部から100mmを超える前記一辺の範囲において、任意に選択される100mmの領域における前記一辺の端面の最大高さうねりWzが60μmを超え1000μm未満であるガラス基板。

請求項6

一端部から他端部までの長さが200mmを超える一辺を含むガラス基板であって、前記一辺の前記一端部は、角取り部と、前記角取り部と連なるとともに始端及び終端を有する加工開始跡と、前記加工開始跡の前記終端と連なるとともにうねり曲線によって表される山部とを含み、前記山部は、前記加工開始跡に連なる頂部と、山部の終端となる基部とを含み、かつ、前記一辺の前記一端部から100mmまでの前記一辺の範囲において一つのみ形成され、前記山部の前記基部と前記加工開始跡の前記始端との間の厚みが1000μm以下であるガラス基板。

請求項7

一端部から他端部までの長さが200mmを超える一辺を含むガラス基板であって、前記一辺は、前記一端部から100mmまでの範囲において、角取り部と、前記角取り部と連なるとともに、うねり曲線における谷状に構成される加工開始跡とを含み、前記加工開始跡の谷深さが100μm以下であるガラス基板。

技術分野

0001

本発明は、板ガラスの端面を加工具で加工する板ガラス加工装置、及びこの板ガラス加工装置によって加工されてなるガラス基板に関する。

背景技術

0002

近年、液晶ディスプレイ等の製造効率の向上や大型化の要請に応じるべく、これに使用される板ガラスのサイズは大型化する傾向にある。板ガラスのサイズを大きくすれば、一枚の板ガラスから取れるガラス基板の枚数が多くなるため、大型液晶ディスプレイに対応したガラス基板を効率良く製作することが可能になる。また、時間当たりの処理数量を増やし製造コスト下げるために、板ガラスの搬送速度(加工速度)の高速化が検討されている。

0003

板ガラスの端面に傷が有ると、その傷から割れ等が発生するため、これを防止するために板ガラスの端面に対して研削研磨加工が施される。板ガラスの端面加工装置には、加工具の押圧力を一定に維持する定圧式と呼ばれるものと、加工具を固定して加工を行う固定式のものとがある。上流工程で切断された板ガラスが有する形状に対して、固定式端面加工装置を使用して板ガラスの端面が均一になるように加工するには、板ガラスの研削・研磨代を大きめに設定しなければならないため、加工時間が長くなり、板ガラスの搬送速度(加工速度)を更に上げることが困難である。

0004

一方、定圧式で板ガラスの端面を加工する技術として、特許文献1には、加工具を支持する回動(回転)可能なアーム部材と、このアーム部材を介して加工具から板ガラスの端面に作用する押圧力を発生する押圧力発生要素と、板ガラスの端面から加工具に対して作用する衝撃力緩衝する緩衝要素とを備えた板ガラス加工装置が開示されている。この板ガラス加工装置は、板ガラスの端面から加工具に対して作用する衝撃力を緩衝要素により緩衝することで、板ガラスを高速搬送しつつ板ガラスの端面に倣うように研削・研磨を行うことができる。

先行技術

0005

国際公開WO2013/187400号

発明が解決しようとする課題

0006

定圧式の加工具は、研削開始時において大きくバウンドし得る。以下、この加工開始時における加工具のバウンド現象について説明する。

0007

図12は、加工開始時における加工具の挙動を示すものである。この図12に示すように、加工対象たる板ガラスAは、送り方向Cに沿って搬送される。また、板ガラスAは、加工が開始される端部(以下「始端部」という)A1から、加工が終了する端部(以下「終端部」という)A2までの全範囲で、その端面が加工具Bにより加工されるものである。この場合において、加工具Bは、板ガラスAの始端部A1に接触した後、板ガラスAの端面に接触した状態を維持できずにバウンドし、さらにはこのバウンドが繰り返されるという現象が確認されている。

0008

以上のような加工開始時における加工具のバウンドは、板ガラスの端面における微小起伏による影響と比べて格段に大きなものとなる。このため、従来の板ガラス加工装置における緩衝要素では、加工開始時に生じる加工具のバウンドを防止することができなかった。したがって、板ガラスの始端部付近の端面に未加工部分が残存してしまうという問題があった。

0009

本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、板ガラスの端面を加工する場合において、加工開始時における加工具のバウンドを防止しつつ、加工中には目標加工量を精度高く維持することが可能な板ガラスの加工装置を提供することを目的とする。

0010

また、本発明は、端面の未加工部分をなくし、品質を向上させたガラス基板を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、板ガラスの端面を加工具で加工する板ガラス加工装置であって、前記加工具を回転可能に支持するアーム部材と、前記加工具が前記板ガラスの端面を押圧する力を前記アーム部材に生じさせるサーボ機構とを備えるものである。

0012

かかる構成によれば、加工具が板ガラスの端面を押圧する力(押圧力)をサーボ機構によりアーム部材に付与できる。サーボ機構は、そのフィードバック制御により、アーム部材に発生させる押圧力を監視し、調整することができる。加工開始時において、加工具は、板ガラスの端部に接触すると、その衝撃により板ガラスから離れようとする。アーム部材は、加工具を回転可能に支持しているため、加工具が板ガラスから離れようとすると、アーム部材もこの加工具と共に移動しようとする。サーボ機構は、このときのアーム部材の動きを検出し、アーム部材の移動を抑制し、加工具が板ガラスから離れないように、押圧力を調整できる。これにより、板ガラス加工装置は、加工開始時における加工具のバウンドを防止しつつ、加工中には目標加工量を精度高く維持できる。したがって、加工開始時に板ガラスに未加工部分が残存することを防止し、板ガラスを高速で、しかも精度良く加工することが可能になる。

0013

また、板ガラス加工装置は、前記アーム部材を回動可能に支持する支持軸部材をさらに備え、前記サーボ機構は、回動軸を有するととともに、前記アーム部材を前記支持軸部材のまわりに回動可能に駆動するサーボモータと、前記サーボモータの前記回動軸と前記アーム部材とを連結するリンク機構と、加工開始時において前記加工具が前記板ガラスに接触したときに、前記サーボモータの前記回動軸の速度及びトルクのフィードバック制御を行う制御部とを備える。

0014

かかる構成によれば、アーム部材が支持軸部材に回動可能に支持されることにより、サーボ機構は、このアーム部材を支持軸部材まわりに回動させることで、加工具の板ガラスに対する押圧力を調整できる。すなわち、加工開始時に、加工具が板ガラスから離れようとすると、これに応じてアーム部材が支持軸部材のまわりに回動する。このアーム部材の回動は、リンク機構を通じてサーボモータの回動軸に伝達される。アーム部材の回動に応じてサーボモータの回動軸が回動すると、サーボ機構の制御部は、この回動軸の速度、トルクの変化を検出し、その変化に応じた速度またはトルクのフィードバック制御を実行する。これにより、アーム部材を介して、加工具の板ガラスに対する押圧力が調整され、加工具の加工開始時におけるバウンドが防止され、加工中には目標加工量を精度高く維持できるようになる。

0015

また、前記サーボ機構は、前記加工具による加工を終了するときに前記サーボモータの前記回動軸の位置のフィードバック制御を行う制御部をさらに備え得る。

0016

特に加工終了時において、加工具は、板ガラスの終端部から離れることになるが、制御部は、加工具がこの終端部を過度に加工しないように、アーム部材の位置を制御する。すなわち、この制御部は、サーボモータの回動軸の位置をフィードバック制御することで、リンク機構を介してアーム部材の位置を制御できる。したがって、制御部は、アーム部材の位置を制御することにより、加工具が板ガラスの終端部を過度に加工しないように、この加工具の位置を制御できる。

0017

本発明に係る板ガラス加工装置に使用される前記加工具は、前記板ガラスの前記端面を研削する砥石であり得る。

0018

また、本発明は、一端部から他端部までの長さが200mmを超える一辺を含むガラス基板であって、前記一辺は、前記一端部から100mmまでの範囲において、角取り部と、前記角取り部と連なる加工開始跡とを含み、前記一辺の前記一端部から100mmを超える前記一辺の範囲において、任意に選択される100mmの領域における前記一辺の端面の最大高さうねりWzが60μmを超え1000μm未満となるものである。

0019

本発明に係る板ガラス加工装置によって板ガラスの各辺における端面の加工を行うことにより、加工された端面に、加工開始跡が残存するガラス基板が製造される。さらに、板ガラス加工装置による加工前又は加工後に、別工程にてガラス板の角取りが行われる。その結果、ガラス基板は、一辺の一端部に、角取り部と加工開始跡とが連なって形成されたものとなる。なお、本明細書では、板ガラス加工装置によって加工されるとともに角取りが施された板ガラスを、「ガラス基板」と呼ぶ。

0020

板ガラス加工装置の加工によって、加工開始跡は、このガラス基板の一辺における一端部から100mmまでの範囲に形成される。また、本発明に係るガラス基板は、その一辺の一端部から100mmを超える一辺の範囲において、すなわち、加工開始跡が含まれない範囲において、任意に選択される100mmの領域におけるこの一辺の端面の最大高さうねりWzを、60μmを越え1000μm未満としたものである。ここで、ガラス基板の端面の最大高さうねりWzは、JIS B0601 2013を準用して得られる。

0021

このように、板ガラス加工装置によって加工されてなるガラス基板は、板ガラス加工装置による加工により、未加工部分を含まず、その端面強度が高く、従来よりも品質が向上したものとなる。

0022

また、本発明は、一端部から他端部までの長さが200mmを超える一辺を含むガラス基板であって、前記一辺の前記一端部は、角取り部と、前記角取り部と連なるとともに始端及び終端を有する加工開始跡と、前記加工開始跡の前記終端と連なるとともにうねり曲線によって表される山部とを含み、前記山部は、前記加工開始跡に連なる頂部と、山部の終端となる基部とを含み、かつ、前記一辺の前記一端部から100mmまでの前記一辺の範囲において一つのみ形成され、前記山部の前記基部と前記加工開始跡の前記始端との間の厚みが1000μm以下となるものである。

0023

本発明に係る板ガラス加工装置によって板ガラスの一辺の加工を行うと、加工された端面に、加工開始跡とこの加工開始跡に連なる山部とが残存し、別工程によって角取り部が形成されたガラス基板が製造される。山部は、ガラス基板の一端部の端面をうねり曲線としたときの山部として特定され得る。本発明に係るガラス基板は、その一辺の一端部から100mmまでの範囲に、この山部が一つのみ形成されるものであり、しかも、この山部の基部と加工開始跡の始端との間の厚みを1000μm以下とするものである。これにより、板ガラスと加工具とのオフセット量が大きい場合であったとしても、この部分のうねりを可及的に小さくできる。したがって、本発明に係るガラス基板は、未加工部分を含まず、その端面強度が高く、従来よりも品質が向上したものとなる。

0024

また、本発明は、一端部から他端部までの長さが200mmを超える一辺を含むガラス基板であって、前記一辺は、前記一端部から100mmまでの範囲において、角取り部と、前記角取り部と連なるとともに、うねり曲線における谷状に構成される加工開始跡とを含み、前記加工開始跡の谷深さが100μm以下となるものである。

0025

本発明に係る板ガラス加工装置によって板ガラスの各辺における端面の加工を行うことにより、加工された端面に、加工開始跡が残存するガラス基板が製造される。さらに、板ガラス加工装置による加工前又は加工後に、別工程にてガラス板の角取りが行われる。その結果、ガラス基板は、一辺の一端部に、角取り部と加工開始跡とが連なって形成されたものとなる。

0026

本発明に係る板ガラス加工装置を使用すれば、この加工開始跡をうねり曲線における谷状に形成できる。この加工開始跡の谷深さを100μm以下とすることにより、ガラス基板は、未加工部分を含まず、その端面強度が高く、従来よりも品質が向上したものとなる。

発明の効果

0027

本発明によれば、板ガラスの端面を加工する場合において、加工開始時における加工具のバウンドを防止しつつ、加工中には目標加工量を精度高く維持することができる。また、ガラス基板は、端面の未加工部分が残存せず、端面強度が高くなり、品質が向上したものになる。

図面の簡単な説明

0028

板ガラス加工装置の一実施形態を示す上面模式図である。
板ガラス加工装置の一部の上面模式図である。
サーボモータのブロック図である。
制御装置のブロック図である。
板ガラスの切断方法を示す平面図である。
板ガラスを加工する方法を説明するための図である。
加工開始時における加工具の挙動を示す上面模式図である。
ガラス基板の一例を示す平面図である。
図8に示すガラス基板の端面におけるうねり曲線を示す。
ガラス基板の他の例を示す平面図である。
図10に示すガラス基板の端面におけるうねり曲線を示す。
従来の加工具の加工開始時における挙動を示す上面模式図である。

実施例

0029

以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図11は、本発明に係る板ガラス加工装置及びガラス基板並びにその製造方法に係る一実施形態を示す。

0030

板ガラス加工装置1の加工対象となる板ガラスAは、矩形板形状を有している。板ガラスAの板厚は例えば0.05mm〜10mmである。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明は、矩形以外の形状(例えば多角形円形等)を有する板ガラスAの加工や、板厚が0.05mm〜10mm以外である板ガラスAの加工にも適用され得る。

0031

板ガラスAの端面は、加工具Bによって加工される。板ガラスAの端面加工は、板ガラスAの端面の面取り加工研削処理)であり得る。また、加工具Bによる板ガラスAの端面加工は、面取り加工後の端面の凹凸を均一にする研磨処理でもあり得る。加工具Bは、例えば回転駆動される砥石であり、この砥石が回転しながら板ガラスAの端面を研削加工又は研磨加工するものである。研削加工用の加工具Bとしては、例えば高剛性砥石であるダイヤモンド砥粒電着ボンドで固めた、いわゆる電着砥石や、砥粒金属質結合剤で固めた、いわゆるメタル砥石が好適に使用され得る。研削加工用の加工具Bは、研磨加工用の加工具Bと比較して研削能の高いものが使用されるため、研磨加工用の加工具Bの押圧力の約三分の一の押圧力で板ガラスAの端面を研削することができる。

0032

板ガラスAは加工具Bに対して相対的に移動する。例えば、送り方向Cに沿って移動する板ガラスAに対して、加工具Bが固定された状態で加工を行う。また、固定された板ガラスAに対して、加工具Bが送り方向Cに沿って移動しながら加工を行い得る。

0033

図1に示すように、板ガラス加工装置1は、加工具Bを回転駆動する駆動装置2と、加工具Bを回転可能に支持するアーム部材3と、このアーム部材3を支持する支持軸部材4と、加工具Bから板ガラスAの端面に対して作用する押圧力を発生させるサーボ機構5と、アーム部材3を係止するストッパ6と、駆動装置2、サーボ機構5、及びストッパ6を制御する制御装置7とを主に備える。

0034

駆動装置2は、加工具Bとしての砥石を回転させる電動モータである。この電動モータは、アーム部材3に支持されている。電動モータには、同期モータインダクションモータ、又はサーボモータ等が使用され得るが、これに限定されるものではない。駆動装置2は、制御装置7に接続されており、その始動・停止、回転速度等が制御され得る。

0035

アーム部材3は、支持軸部材4によって回動可能に支持されている。アーム部材3はその一方の端部にて駆動装置2を支持しており、この駆動装置2を介して加工具Bを支持している。アーム部材3の他方の端部は、サーボ機構5に連結されている。アーム部材3の回動により、加工具Bは、板ガラスAの端面に対して押し当てる方向(図2(a)に示すK1方向:押し当て方向)に移動し、又は板ガラスAの端面に対して逃げる方向(図2(b)に示すK2方向:逃げ方向)に移動する。

0036

支持軸部材4は、その一端部がアーム部材3の中途部を支持している。サーボ機構5によってアーム部材3が回動駆動されると、この支持軸部材4まわりのモーメントが発生する。

0037

サーボ機構5は、アーム部材3の一端部に偶力を与えることにより、加工具Bから板ガラスAの端面に対して作用する押圧力を発生させる。図3に示すように、サーボ機構5は、サーボモータ8と、このサーボモータ8とアーム部材3とを連結するリンク機構9と、サーボモータ8の制御を実行する制御部10(サーボアンプドライバ)とを含む。サーボ機構5は、制御部10によりサーボモータ8のフィードバック制御を実行する。

0038

図1及び図3に示すように、サーボモータ8は、回動軸11と、この回動軸11の速度及び位置を検出可能な検出器12とを備える。検出器12は、ロータリエンコーダ等により構成される。検出器12は、回動軸11(回動子)の速度及び位置(回動角度)を検出できる。検出器12は、制御部10に接続されており、検出した値をこの制御部10に送信する。

0039

制御部10は、検出器12及び制御装置7に接続されており、検出器12からの信号を、制御装置7に送信し得る。制御部10は、検出器12及び電力変換部14からの信号を受信して、サーボモータ8の回動軸11の速度、トルク、位置を監視する。図3に示すように、制御部10は、速度トルク・位置制御部13と、電力変換部14とを備える。

0040

速度トルク・位置制御部13は、サーボモータ8の回動軸11の速度及びトルクを一定に維持するための制御を実行する。すなわち、速度トルク・位置制御部13では、検出器12及び電力変換部14によって検出されるサーボモータ8の回動軸11に係る速度及びトルクを一定に維持するための目標値(参照値)が設定されており、この目標値を維持するためのフィードバック制御(以下「速度トルク制御モード」という)が実行される。なお、本実施形態における速度の目標値は0に設定されている。

0041

この速度トルク制御モードは、回動軸11の速度制御トルク制御との割合を変化させながら複合的に実行されるものである。また、速度トルク制御モードには、制御開始時に回動軸11の速度制御(以下「速度制御モード」という)を実行し、その後、回動軸11のトルク制御(以下「トルク制御モード」という)を実行する制御モードも含まれる。なお、速度トルク・位置制御部13では、回動軸11の速度を一定に維持する速度制御モードのみを実行でき、または回動軸11のトルクを一定に維持するトルク制御モードのみを実行できる。

0042

また、速度トルク・位置制御部13では、サーボモータ8の回動軸11の位置(回動角度)を一定に維持するための制御も実行できる。すなわち、速度トルク・位置制御部13では、検出器12によって検出される回動軸11の位置(回動角度)の値を一定に維持するための目標値(参照値)を設定し、この目標値を維持するようにフィードバック制御(以下「位置制御モード」という)を実行できる。

0043

電力変換部14は、速度トルク・位置制御部13から入力された速度、トルク、位置に係る値を、サーボモータ8を駆動するための信号に変換する。

0044

リンク機構9は、第一リンク部材15と、第二リンク部材16とを備える。第一リンク部材15は、その一端部がサーボモータ8の回動軸11に固定され、その他端部が第一ジョイント17を介して第二リンク部材16に回動自在に連結されている。第二リンク部材16は、その一端部が第一リンク部材15に連結され、その他端部が第二ジョイント18を介してアーム部材3の端部に回動自在に連結されている。板ガラス加工装置1は、このリンク機構9により、サーボモータ8の回動軸11の回動力をアーム部材3にモーメントとして作用せしめ、これにより加工具Bに、板ガラスAに対する押圧力を発生させる。

0045

ストッパ6は、アーム部材3を係止する係止位置と、アーム部材3と接触しないように離れた位置で待機する待機位置とに位置変更可能に構成される。ストッパ6は、図示しないアクチュエータの駆動により、アーム部材3に対して接近・離反可能に構成される。ストッパ6を駆動するアクチュエータには、エアシリンダ等のシリンダ装置が使用され得るが、これに限定されず、電動モータを用いたもの、ソレノイドその他の各種のものが使用され得る。

0046

制御装置7は、例えばCPU、ROM、RAM、HDDモニタ入出力インターフェース等の各種ハードウェア実装するコンピュータ(例えばPC)を含む。図4に示すように、制御装置7は、各種の演算を実行する演算処理部19と、板ガラスAの加工に必要なデータや各種プログラムを記憶する記憶部20と、駆動装置2の制御を実行する駆動装置制御部21と、サーボ機構5の制御を実行するサーボ機構制御部22と、ストッパ制御部23とを備える。これらの各要素はバスにより相互に接続されている。

0047

演算処理部19は、記憶部20に記憶される各種データ及び各種プログラムの演算処理により、駆動装置2、サーボ機構5、及びストッパ6の制御に必要なプログラムを実行する。また、演算処理部19は、加工具Bの種別や回転速度、板ガラスAの送り速度、加工具Bの板ガラスAに対する加工代D等から、アーム部材3による加工具Bの押圧力を演算により求め、この押圧力を発生させるための目標値に係る信号を、サーボ機構5の制御部10に送信する。

0048

記憶部20は、板ガラスAの寸法や送り速度に係るデータ、加工具Bの種別や回転速度に係るデータ、サーボ機構5から取得したデータ等を記憶する。その他、記憶部20は、駆動装置2、サーボ機構5及びストッパ6を制御するための各種プログラムを記憶している。

0049

駆動装置制御部21は、演算処理部19と協働して、駆動装置2に制御信号を送信する。これにより、駆動装置制御部21は、駆動装置2における電動モータの始動・停止、回転速度の変更等の制御を実行する。サーボ機構制御部22は、演算処理部19と協働して、サーボ機構5の制御部10にフィードバック制御に必要な信号を送信する。また、サーボ機構制御部22は、制御部10から受信したデータを演算処理部19に入力する。ストッパ制御部23は、演算処理部19と協働して、ストッパ6に制御信号を送信し、その進退を制御する。

0050

以下、ガラス基板の製造方法、特に、上記構成の板ガラス加工装置1を使用して板ガラスAを加工する方法について説明する。

0051

まず、公知のフロート法ロールアウト法スロットダウンドロー法リドロー法等の成形法により大型の板ガラスEを成形する。その後、この板ガラスEを所定寸法に切断することによって、板ガラス加工装置1の加工対象となる板ガラスAを得る。この板ガラスEの切断は、例えばスクライブ切断によって行われる。

0052

以下、このスクライブ切断について図5を参照しながら説明する。図5に示すように、大型の板ガラスEの切断予定線CLに沿ってスクライブホイールHを走行させる。これにより、板ガラスEには、切断予定線CLに沿って所定深さを有するスクライブ線刻設される。その後、このスクライブ線の周辺曲げモーメントを作用させ、板ガラスEをこのスクライブ線に沿って折割る。この折割りによって複数の板ガラスAを得る。その後、板ガラスAには、板ガラス加工装置1による研削・研磨加工が施される。本発明に係る板ガラス加工装置1によれば、板ガラスAの端面形状に倣うような加工が可能となり、高い切断精度は求められず、切断精度に関しては、例えば、後述する最大高さうねりWzが60μmを超え1000μm未満となるように設定され得る。

0053

次に、板ガラス加工装置1は、板ガラスAにおける各辺の端面に対して研削加工(面取り加工)を行う。図6(a)〜(e)は、板ガラス加工装置1による板ガラスAの研削加工の工程を示す。図6(a)は、加工開始直前における板ガラス加工装置1の状態を示す。図6(a)に示すように、加工開始前の状態では、制御装置7の制御により、ストッパ6が係止位置にあり、アーム部材3の一部に接触してこれを係止しており、速度トルク・位置制御部13の制御モードは、速度トルク制御モードに切り替えられている。

0054

また、制御装置7は、サーボ機構5のサーボモータ8を駆動して、アーム部材3に反時計回りのモーメントを付与している。すなわち、サーボ機構5は、図2(a)に示すように、回動軸11を反時計回りの方向に回動させ、この力を、リンク機構9を介してアーム部材3に作用させる。これにより、アーム部材3には、支持軸部材4まわりのモーメントが反時計回りの方向(押し当て方向K1)に生じる。アーム部材3は、このモーメントを介して加工具Bに板ガラスAに対する押圧力を発生させている。また、制御装置7は、駆動装置2を駆動して加工具Bを回転させている。

0055

図6(b)は、加工具Bが板ガラスAに接触するときの板ガラス加工装置1の状態を示す。また、図7は、加工具Bが、板ガラスAに接触した後、所定の距離(以下「初期加工距離」という)Lを相対的に移動するまでの間の挙動を示す。なお、この図7では、加工具Bの挙動を明確に表示するために、板ガラスAの端面を平坦面(平面視直線状)として示している。本実施形態において初期加工距離Lは、100mm以下に設定され得る。なお、加工具Bの加工代D(図7参照)は、0.03mm以上0.05mm以下に設定され得る。

0056

図6(b)に示すように、ストッパ6はアーム部材3から離れた退避位置にあり、アーム部材3を係止していない。また、図6(b)及び図7に示すように、加工具Bは、板ガラスAの始端部A1との衝突することで、板ガラスAから離れようとする。そうすると、加工具Bに作用する力がアーム部材3に時計回りの方向のモーメントを生じさせる(図2(b)参照)。このモーメントは、リンク機構9を介してサーボモータ8の回動軸11に伝達される。これによって回動軸11が時計回りの方向に回動すると(図2(b)参照)、サーボモータ8の検出器12と電力変換部14とにより、速度、位置、トルクに関する信号を、速度トルク・位置制御部13に入力し、この信号に基づいて速度トルク制御モードが実行される。

0057

速度トルク制御モードでは、速度(位置)の変化に応じて、速度制御とトルク制御の比率が変更される。比率の切り換え具合は、ゲイン設定により変更可能である。また、速度トルク制御モードでは、速度(位置)の変化が激しい加工開始時の場合には、速度制御比率が大きくなり、板ガラスAに近づく方向(押し当て方向K1)に、アーム部材3に支持軸部材4まわりのモーメントを生じさせる(図2(a)参照)。アーム部材3は、このモーメントにより、加工具Bが板ガラスAからは離れようとすることを抑制する力(押圧力)を生じさせる。これにより、加工具Bは、板ガラスAとの接触を維持したままで研削を続行できる。すなわち、加工開始時の加工具Bのバウンドが防止される。

0058

速度トルク制御モードでは、速度(位置)の変化が小さくなったことで、トルク制御比率が大きくなり、設定トルクに従ったトルクを発生するようになる。もちろん、トルク制御モードに切り換えて研削加工を行ってもよい。

0059

サーボ機構5の制御部10は、図6(d)に示すように加工具Bが板ガラスAの終端部A2に近づくと、位置制御モードへと制御モードを切り替える。制御装置7は、この切り替えに必要なトリガ信号を制御部10に送信する。これにより、板ガラス加工装置1は、図6(d)に示すように、板ガラスAにおける一辺の中途部から、図6(e)に示すように、板ガラスAの終端部A2までの範囲で、位置制御モードによる研削加工を行う。

0060

位置制御モードでは、検出器12によって検出されるサーボモータ8の回動軸11に係る位置(角度)を一定に維持するための目標値(参照値)が設定され、この目標値を維持するためのフィードバック制御が実行される。位置制御モードは、加工具Bが板ガラスAの終端部A2を通過するまでの間、継続して実行される。したがって、この加工具Bは、板ガラスAの終端部A2に到達し、この終端部A2から離れようとする場合であっても、この終端部A2を過度に削り取ることがない。

0061

上記のような板ガラスAの端面に対する研削処理が行われた後、板ガラスAにおける各辺の端面に対して研磨処理が施される。この研磨処理は、研磨用の加工具B(砥石)を備える板ガラス加工装置1によって行われる。研磨処理が終了すると、板ガラスAのコーナ部に対して角取り処理が施される。この角取り処理は、板ガラス加工装置1による研削処理の前に行われてもよい。

0062

板ガラスAに上記のような加工を施すことにより、所定寸法を有するガラス基板Gが製造される。本発明に係る板ガラス加工装置1によれば、板ガラスAの端面における研削量、研磨量を一定に保つことができるため、板ガラスAに対する負担が小さいものとなる。加えて、板ガラスAの端面に倣うように加工されるため、切断後の板ガラスAの端面形状が、そのまま残存することとなる。言い換えれば、上述の板ガラスAの切断精度がそのまま残存することとなる。

0063

図8及び図9は、本実施形態に係る板ガラス加工装置1によって加工されてなるガラス基板Gの一例を示す。図8では、矩形のガラス基板Gにおける四辺のうち、任意の二辺として第一辺24及び第二辺25を示す。第一辺24には、その一端部から他端部(図示せず)にかけて研削・研磨加工が施されており、図8は、この第一辺24の一端部を示すものである。なお、第一辺24における一端部は、板ガラス加工装置1によって加工される板ガラスAの始端部A1に相当する。

0064

この例では、ガラス基板Gは、第一辺24の全長(一端部から他端部までの長さ)が約1500mmとされるが、これに限定されるものではない。第一辺24における一端部は、角取り処理によって形成される角取り部26と、この角取り部26に連なる加工開始跡27と、この加工開始跡27に連なる山部28とを含む。

0065

角取り部26は、ガラス基板Gの第一辺24と第二辺25との間の一部を切除(研削・研磨)することにより、平面視直線状に形成される。角取り部26は、第二辺25に繋がる第一端部26aと、加工開始跡27に繋がる第二端部26bとを有する。角取り部28の長さ(第一端部26aから第二端部26bまでの距離)は、約2mmとされるが、これに限定されるものではない。

0066

加工開始跡27は、板ガラス加工装置1における研削加工開始時に、加工具Bが板ガラスAの始端部A1に接触したときに形成されたものであり、研磨加工後もその輪郭をガラス基板Gに残存させる。図8に示すように、加工開始跡27は、始端27aと終端27bを有し、平面視において曲線状に形成される。加工開始跡27の始端27aは、角取り部26の第二端部26bと一致している。加工開始跡27の終端27bは、山部28と連なっている。加工開始跡27及び山部28は、第一辺24の一端部から100mmまでの範囲で、この第一辺24の一端部における端面に形成される。

0067

山部28は、加工開始時のバウンドが抑制されているため一つのみであって、板ガラス加工装置1による研削加工の際において、加工開始跡27が形成された後に形成されたものであり、研磨加工後もその輪郭をガラス基板Gに残存させる。山部28は、加工開始跡27と連なる頂部28aと、この山部28の終端となる基部28bとを有する。山部28の頂部28aは、加工開始跡27の終端27bと一致する。山部28の基部28bは、第一辺24をうねり曲線Wで表したときに、このうねり曲線Wのための平均線ALと一致する。この山部28は、第一辺24の一端部(角取り部26の第一端部26a)から100mmまでの一辺の範囲において一つのみ形成される。また、加工開始跡27を除く山部28の高さ、すなわち、山部28の基部28bから頂部28aまでの高さhは、50μmを超え1000μm以下とされることが望ましい。

0068

ガラス基板Gの端面におけるうねり曲線W及び粗さ曲線は、JIS B0601 2013を準用して表され、例えば株式会社東京精密製の表面粗さ・輪郭形状統合測定機「SURFCOM」(登録商標)を使用して取得される。図9は、第一辺24の一端部における端面のうねり曲線Wの一例を示す。

0069

この例において、第一辺24の一端部(角取り部26の第一端部26a)から100mmを超える一辺の範囲では、任意に選択される100mmの領域(基準長さ)における第一辺24の端面の最大高さうねりWzが60μmを超え1000μm未満とされることが好ましい。最大高さうねりWzが60μm以下であると、ガラス基板Gのコストが増加するおそれがあり、1000μm以上であると、後工程でガラス基板Gのアライメントが困難となるおそれがある。また、図9に示すように、山部28及び加工開始跡27をうねり曲線Wで表したとき、山部28の基部28bと加工開始跡27の始端27aとの間の高さ方向における距離(以下「厚み」という)T1は、100μm以上1000μm以下とされることが好ましい。

0070

図10及び図11は、ガラス基板Gの他の例を示す。この例に係るガラス基板Gでは、加工開始跡27の形状が図8及び図9の例と異なる。本例では、角取り部26に連なる加工開始跡27は、うねり曲線Wで表したときに谷状に構成され、山部28は形成されず、加工具Bのバウンドも生じていない。すなわち、図11に示すように、加工開始跡27の始端27aは、うねり曲線Wのための平均線ALよりも低い位置に表され、加工開始跡27の終端27bはこの平均線ALと一致する。加工開始跡27の始端27aから終端27bまでの谷深さ(又は厚み)T2は、100μm以下であることが望ましい。

0071

以上説明した本実施形態に係る板ガラス加工装置1によれば、加工具Bが板ガラスAの端面を押圧する力(押圧力)をサーボ機構5によりアーム部材3に付与できる。サーボ機構5は、そのフィードバック制御により、アーム部材3を介して加工具Bの押圧力を監視し、調整することができる。加工開始時において、加工具Bは、板ガラスAの始端部A1に接触すると、その衝撃により板ガラスAから離れようとする。アーム部材3は、加工具Bを回転可能に支持しているため、加工具Bが板ガラスAから離れようとすると、アーム部材3もこの加工具Bと共に移動しようとする。サーボ機構5は、このときのアーム部材3の動きを、リンク機構9を経由して、サーボモータ8における回動軸11の速度及びトルクの変化として検出する。サーボ機構5は、回動軸11のフィードバック制御を実行することで、アーム部材3の移動(回動)を抑制し、加工具Bが板ガラスAから離れないように、その押圧力を調整する。これにより、板ガラス加工装置1は、加工開始時における加工具Bのバウンドを防止できる。したがって、加工開始時に板ガラスAに未加工部分が残存することが防止され、板ガラスAを高速かつ精度良く加工することが可能になる。

0072

また、加工終了時において、加工具Bは、板ガラスAの終端部A2から離れることになるが、サーボモータ8の制御部10は、加工具Bがこの終端部A2を過度に加工しないように、アーム部材3の位置を制御する。すなわち、この制御部10は、サーボモータ8の回動軸11の位置をフィードバック制御することで、リンク機構9を介してアーム部材3の位置を制御できる。したがって、制御部10は、アーム部材3の位置を制御することにより、加工具Bが板ガラスAの終端部A2を過度に加工しないように、この加工具Bの位置を制御できる。

0073

また、板ガラス加工装置1によって板ガラスAの各辺における端面の研削加工を行うことにより、加工された端面に、加工開始跡27が残存するガラス基板Gが製造される。さらに、板ガラス加工装置1による加工前又は加工後に、別工程にてガラス板の角取りが行われ、その結果、ガラス基板Gは、一辺(例えば第一辺24)の一端部に、角取り部26と、この角取り部26に連なる加工開始跡27とが形成されたものとなる。本発明に係るガラス基板Gは、その一辺の一端部から100mmを超える一辺の範囲において、すなわち、加工開始跡27が含まれない範囲において、任意に選択される100mmの領域におけるこの一辺の端面の最大高さうねりWzを、60μmを超え1000μm未満としたものである。

0074

このように、板ガラス加工装置1によって加工されてなるガラス基板Gは、板ガラス加工装置1による加工により、未加工部分を含まず、その端面強度が高く、従来よりも品質が向上したものとなる。

0075

また、ガラス基板Gは、その一辺の一端部から100mmまでの範囲に、山部28が一つのみ形成されるものであり、しかも、この山部28の基部28bと加工開始跡27の始端27aとの間の厚みT1を1000μm以下とするものである。このように、ガラス基板Gは、加工開始跡27が残存する一端部のうねりを可及的に小さくすることができ、この端部の品位が向上したものとなる。

0076

また、板ガラス加工装置1を使用して板ガラスAの加工を行うことで、ガラス基板Gの他の例では、第一辺24の一端部に、加工開始跡27を谷状に形成できる。この加工開始跡27における谷深さT2を100μm以下としている。このように、ガラス基板Gは、加工開始跡27が残存する一端部のうねりを可及的に小さくしたものである。したがって、板ガラス加工装置1によって加工されてなるガラス基板Gは、未加工部分を含まず、その端面強度が高く、従来よりも品質が向上したものとなる。

0077

本実施形態に係る定圧式の板ガラス加工装置1によって板ガラスAを加工することにより、固定式のものを使用して加工を行う場合と比較して、板ガラスAの損傷を防止し、加工速度を向上させることができる。したがって、タクトアップによってガラス基板Gの製造コストを可及的に低減できる。

0078

なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

0079

上記の実施形態では、加工具Bとして砥石が例示され、加工具Bは板ガラスAの端面に対して研削・研磨加工を行ったが、本発明はこれに限定されない。板ガラスAの端面を加工し得る限りは砥石以外の加工具Bをも適用することができる。

0080

上記の実施形態では、サーボ機構5は、回動軸11を回動駆動するサーボモータ8を含むものであったが、これに限定されず、リニアサーボモータボールねじ機構により構成されてもよい。

0081

1板ガラス加工装置
3アーム部材
4支持軸部材
5サーボ機構
8サーボモータ
9リンク機構
10 制御部
26角取り部
27加工開始跡
27a 加工開始跡の始端
27b 加工開始跡の終端
28 山部
A 板ガラス
B加工具
G ガラス基板

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