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課題

弱毒化パルボウイルス、その用途、そのような生弱毒化パルボウイルスを含むワクチン、及びそれらの製造方法の提供。

解決手段

カプシドタンパク質アミノ酸219位においてイソロイシン以外のアミノ酸を、及び/又はカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてグルタミン以外のアミノ酸をコードするカプシド遺伝子を含む生弱毒化パルボウイルス。

概要

背景

パルボウイルス一本鎖DNAウイルスの科に属する。パルボウイルスはネコイヌおよびブタのような種々の動物において疾患を引き起こしうる。該ウイルスは、複製するためには、活発分裂している細胞を必要とするため、感染する組織型は動物の年齢によって様々である。胃腸管およびリンパ系はいずれの年齢でも冒される可能性があり、それにより嘔吐下痢および免疫抑制が生じうるが、小脳発育不全子宮内または2週齢未満で感染したネコで見られるに過ぎず、心筋の疾患は3〜8週齢で感染した子イヌで見られる。

イヌパルボウイルス(CPV)は、若いイヌでは特に致命的な疾患であり、約80%の致死性を示し、非常に若い子イヌにおいては胃腸管損傷および脱水ならびに心臓症候群を引き起こす。それは、感染したイヌのとの接触により広がる。症状は嗜眠重度の下痢、発熱、嘔吐、食欲不振および脱水を含む。ブタパルボウイルスは、死産ミイラ化死および不妊を表すSMEDIとしての公知の、ブタにおける生殖疾患を引き起こす。ネコジステンパーとして一般に公知であるネコ汎白血球減少症は、イヌパルボウイルスの近縁ウイルスであるネコパルボウイルス(FPV)により引き起こされる、ネコを冒すウイルス感染症である。ネコ汎白血球減少症は子ネコで一般的であり、発熱、低白血球数、下痢および死を引き起こす。ネコ胎児および2週齢未満の子ネコへの感染は小脳発育不全を引き起こす。ミンク腸炎ウイルスは、それが小脳発育不全を引き起こさないこと以外はネコ汎白血球減少症と実質的に類似している。別のパルボウイルスは、リンパ節障害脾腫糸球体腎炎貧血および死亡により特徴づけられる、ミンクおよび他のイタチ科動物におけるアリューシャン病を引き起こす。パルボウイルスの最も正確な診断ELISAによるものである。一般に、イヌ、ネコおよびブタはパルボウイルスに対してワクチン接種される。

DNAレベルでは、イヌ、ネコおよびブタパルボウイルスは高度に相同ゲノムを有することが公知である。イヌパルボウイルスCPV2は、イヌにおける急性で時には致死性の腸炎を引き起こすウイルスである(Kelly,Aust.Vet.J.54;593,1978;Appelら,Vet.Rec.105;156−159,1979)。該ウイルスは1977年に最初に出現し、おそらく、ネコにおける非常に密接に関連したウイルスであるネコ汎白血球減少症ウイルス(FPLV)から、単一カプシドタンパク質における少数突然変異[ミンクまたはアライグマのような他の肉食動物における中間的移行を含んでいた可能性のある種間跳躍(species jump)]により生じたのであろう(Truyenら,Virology 215,186−189,1996)。

早くも1979年に、CPV2aと称される、CPV2の最初の変異体が出現し、その後まもなく、1984年にCPV2bが出現した(Parrishら,Science 230,1046−1048,1985およびJ.Virol.65;6544−6552,1991)。

その元の2型ウイルスは現在では野外から消え、該2aおよび2b型がそれに取って代わっており、これらの2つの型の相対比率は国によって様々である(Truyenら,前掲;Chinchkarら,Arch.Virol.151,1881−1887,2006;Pereiraら,Infect.Genet.Evol.3,399−409,2007)。2から2aおよび2bへの変化を特徴づける、カプシドタンパク質(VP2)におけるアミノ酸変化は非常に限定的である。87位(MetからLeuへ)、300位(AlaからGlyへ)、305位(AspからTyrへ)および555位(ValからIleへ)の置換は2から2aへの進化において生じ、426位(AsnからAspへ)および555位(IleからValへ)の置換は2aから2bへの出現において生じた(Parrishら,前掲;Truyenら,J.Virol.69,4702−4710,1995)。最近、555位のValからIleへの置換を欠く2a株が報告された(Wangら,Virus Genes 31,171−174,2005;Martellaら,Virus Genes 33,11−13,2006)。単一アミノ酸変化がCPV2aとCPV2bとのVP2配列を区別しうるらしい。

より最近になって、426位のアミノ酸(2aではAsn、そして2bではAsp)がグルタミン酸(Glu)残基になった株がイタリアにおいて出現した(Buonavogliaら,J.Gen.Virol.82,3021−3025,2001;Martellaら,J.Clin.Microbiol.42,1333−1336,2004)。CPV2cウイルスと称されるこれらのGlu 426変異体がイタリアおよび他の欧州諸国において広がりつつあり、他のCPV型と共存しており(Decaroら,J.Vet.Med.B.Infect.Dis.Vet.Public Health 53,468−472,2006)、ベトナムおよびスコトランドのような地理的に様々な国々でも分離されている(Nakamuraら,Arch Virol.149,2261−2269,2004,Spibeyら,Vet.Microbiol 128,48−55,2008)ことは、それらがイヌ集団の少なくとも一部における利点を有することを示唆している。

イヌパルボウイルスの相対的に急速な進化はネコ宿主域喪失およびそれに続く再獲得をもたらしており(Truyenら,1996前掲)、この再獲得された、ネコにおいて複製する能力は、元の2型ウイルスが2a、2bおよび2c変異体によって取って代えられたこと説明しうる。1970年代後半および1980年代初期に、生および不活化FPLワクチンの両方が、交差防御刺激する共有抗原により、CPV疾患からイヌを防御するために使用されたが、それらがもたらした防御レベルは低く、免疫持続期間は短かった。これらのワクチンは生弱毒化CPVワクチンによって取って代えられており、これは優れた防御およびより長い免疫持続期間をもたらした。現在、該生弱毒化ワクチンはCPV2b分離体または元の2型ウイルスから誘導されている。該2型ウイルスは野外では2a、2bおよび現在は2cウイルスによって完全に取って代えられているため、弱毒化2型ワクチンによりもたらされる防御レベルに関する懸念が存在する(Pratelliら,Clin.Diag.Lab.Immunol.8,612−615,2001;Truyen,Vet.Microbiol.69,47−50,1999)。

しかし、利用可能なモノクローナル抗体での研究に基づけば、それぞれの新たな抗原変異体は、以前の変異体と比較して少なくとも1つの中和エピトープを喪失している(Strassheimら,Virology 198,175−184,1994;Pereiraら,前掲)。種々の抗原型に対して産生された血清を使用してインビトロで行われた交差中和研究が顕著な相違を示している場合であっても(Pratelliら,前掲)、生弱毒化CPV2ワクチンは2aおよび2b野外チャレンジに対してイヌを防御しうることがこれまでに示されている(Greenwoodら,Vet.Record.136,63−67,1995)。

最近、生弱毒化2型ワクチン(Nobivac−Intervet)が、最も最近のCPV変異体であるCPV2cでのチャレンジからイヌを防御しうることが示された(Spibeyら,Vet.Microbiol 128,48−55,2008)。

それでもなお、パルボウイルスの感染に対する動物、特にネコ、イヌおよびブタにおける十分なレベルの免疫の誘導と、高度に弱毒化された挙動とを併せ持つワクチンが、当分野において必要とされている。

本発明の目的は、弱毒化されているが尚も免疫原性である新規生パルボウイルスを提供することである。そのようなウイルスは安全なワクチンのための基礎を提供する。

概要

生弱毒化パルボウイルス、その用途、そのような生弱毒化パルボウイルスを含むワクチン、及びそれらの製造方法の提供。カプシドタンパク質のアミノ酸219位においてイソロイシン以外のアミノ酸を、及び/又はカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてグルタミン以外のアミノ酸をコードするカプシド遺伝子を含む生弱毒化パルボウイルス。なし

目的

本発明の目的は、弱毒化されているが尚も免疫原性である新規生パルボウイルスを提供する

効果

実績

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請求項1

カプシドタンパク質アミノ酸219位においてイソロイシン以外のアミノ酸を、および/またはカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてグルタミン以外のアミノ酸をコードするカプシド遺伝子を含み、配列番号1に記載の配列を含まない生弱毒化パルボウイルスPV)。

請求項2

カプシドタンパク質のアミノ酸219位においてイソロイシン以外のアミノ酸を、および/またはカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてグルタミン以外のアミノ酸をコードするカプシド遺伝子を含む、請求項1記載の生弱毒化パルボウイルス。

請求項3

カプシドタンパク質のアミノ酸219位においてバリンを、およびカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてリシンをコードするカプシド遺伝子を含む、請求項1または2記載の生弱毒化パルボウイルス(PV)。

請求項4

該パルボウイルスが組換えパルボウイルスであり、ここで、該パルボウイルスの非カプシド領域の一部のDNA断片が、第2パルボウイルスに由来する非カプシド領域の一部の相同DNA断片により置換されており、ここで、該第2パルボウイルスの相同DNA断片が弱毒化突然変異を含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の生弱毒化パルボウイルス。

請求項5

該第2パルボウイルスの相同DNA断片が2061〜2070位の領域の非構造領域内に弱毒化突然変異を含有する、請求項4記載の生弱毒化パルボウイルス。

請求項6

該パルボウイルスがイヌパルボウイルスまたはネコパルボウイルスである、請求項1〜5のいずれか1項記載の生弱毒化パルボウイルス。

請求項7

該パルボウイルスがCPV血清型2a、2bもしくは2cのカプシドタンパク質またはネコパルボウイルスのカプシドタンパク質をコードする、請求項1〜6のいずれか1項記載の生弱毒化パルボウイルス。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項記載の生弱毒化パルボウイルスと医薬上許容される担体とを含む、パルボウイルスの感染に対して動物防御するためのワクチン

請求項9

請求項8記載のワクチンと、動物に対して病原性であるウイルスもしくは微生物の追加的抗原または該ウイルスもしくは微生物の免疫原性タンパク質をコードする遺伝的情報とを含む、病原体に対して動物を防御するための混合ワクチン

請求項10

動物に対して病原性であるウイルスまたは微生物が、エールリチアカニス(Ehrlichiacanis)、バベシアギブソニ(Babesiagibsoni)、ボゲリ(vogeli)、ロッシイ(rossi)、リーシュマニア・ドノバニ(Leishmaniadonovani)複合体、イヌアデノウイルス、イヌコロナウイルスイヌジステンパーウイルスレプトスイラ・インタロガンス・セロバル・カニコラ(Leptospirainterrogansserovarcanicola)、イクテロヘモラジエ(icterohaemorrhagiae)、ポモナ(pomona)、グリッポチホサ(grippotyphosa)、ブラスラバ(bratislava)、イヌ肝炎ウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス狂犬病ウイルスヘパゾーン・カニス(Hepatozooncanis)、ボレリアブルグドルフェリ(Borreliaburgdorferi)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetellabronchiseptica)、ネコヘルペスウイルスネコカリシウイルス、ネコ汎白血球減少症およびクラミドフィラ・フェリス(Chlamydophilafelis)からなる群から選択される、請求項9記載の混合ワクチン。

請求項11

請求項1〜7のいずれか1項記載の生弱毒化パルボウイルスと医薬上許容される担体とを混合することを含む、請求項8記載のワクチンまたは請求項9もしくは10記載の混合ワクチンの製造方法。

請求項12

医薬として使用するための、請求項1〜7のいずれか1項記載の生弱毒化パルボウイルス。

請求項13

パルボウイルス感染の治療において使用するための、請求項1〜7のいずれか1項記載の生弱毒化パルボウイルス。

請求項14

イソロイシンをコードするアミノ酸219位におけるコドンおよび/またはグルタミンをコードするアミノ酸386位におけるコドンを、イソロイシン以外のアミノ酸をコードするアミノ酸219位におけるコドンおよび/またはグルタミン以外のアミノ酸をコードするアミノ酸386位におけるコドンへと、組換えDNA技術により改変する工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載のパルボウイルス突然変異体の製造方法。

請求項15

イソロイシンをコードするコドンをアミノ酸219位に有する及び/又はグルタミンをコードするコドンをアミノ酸386位に有するパルボウイルスカプシドタンパク質の少なくとも一部分をコードするDNA断片を、イソロイシン以外のアミノ酸をコードするコドンをアミノ酸219位に有する及び/又はグルタミン以外のアミノ酸をコードするコドンをアミノ酸386位に有するパルボウイルスカプシドタンパク質の同じ部分をコードするDNA断片により置換する工程を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載のパルボウイルス突然変異体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、生弱毒化パルボウイルス、その用途、そのような生弱毒化パルボウイルスを含むワクチン、およびそれらの製造方法に関する。

背景技術

0002

パルボウイルスは一本鎖DNAウイルスの科に属する。パルボウイルスはネコイヌおよびブタのような種々の動物において疾患を引き起こしうる。該ウイルスは、複製するためには、活発分裂している細胞を必要とするため、感染する組織型は動物の年齢によって様々である。胃腸管およびリンパ系はいずれの年齢でも冒される可能性があり、それにより嘔吐下痢および免疫抑制が生じうるが、小脳発育不全子宮内または2週齢未満で感染したネコで見られるに過ぎず、心筋の疾患は3〜8週齢で感染した子イヌで見られる。

0003

イヌパルボウイルス(CPV)は、若いイヌでは特に致命的な疾患であり、約80%の致死性を示し、非常に若い子イヌにおいては胃腸管損傷および脱水ならびに心臓症候群を引き起こす。それは、感染したイヌのとの接触により広がる。症状は嗜眠重度の下痢、発熱、嘔吐、食欲不振および脱水を含む。ブタパルボウイルスは、死産ミイラ化死および不妊を表すSMEDIとしての公知の、ブタにおける生殖疾患を引き起こす。ネコジステンパーとして一般に公知であるネコ汎白血球減少症は、イヌパルボウイルスの近縁ウイルスであるネコパルボウイルス(FPV)により引き起こされる、ネコを冒すウイルス感染症である。ネコ汎白血球減少症は子ネコで一般的であり、発熱、低白血球数、下痢および死を引き起こす。ネコ胎児および2週齢未満の子ネコへの感染は小脳発育不全を引き起こす。ミンク腸炎ウイルスは、それが小脳発育不全を引き起こさないこと以外はネコ汎白血球減少症と実質的に類似している。別のパルボウイルスは、リンパ節障害脾腫糸球体腎炎貧血および死亡により特徴づけられる、ミンクおよび他のイタチ科動物におけるアリューシャン病を引き起こす。パルボウイルスの最も正確な診断ELISAによるものである。一般に、イヌ、ネコおよびブタはパルボウイルスに対してワクチン接種される。

0004

DNAレベルでは、イヌ、ネコおよびブタパルボウイルスは高度に相同ゲノムを有することが公知である。イヌパルボウイルスCPV2は、イヌにおける急性で時には致死性の腸炎を引き起こすウイルスである(Kelly,Aust.Vet.J.54;593,1978;Appelら,Vet.Rec.105;156−159,1979)。該ウイルスは1977年に最初に出現し、おそらく、ネコにおける非常に密接に関連したウイルスであるネコ汎白血球減少症ウイルス(FPLV)から、単一カプシドタンパク質における少数突然変異[ミンクまたはアライグマのような他の肉食動物における中間的移行を含んでいた可能性のある種間跳躍(species jump)]により生じたのであろう(Truyenら,Virology 215,186−189,1996)。

0005

早くも1979年に、CPV2aと称される、CPV2の最初の変異体が出現し、その後まもなく、1984年にCPV2bが出現した(Parrishら,Science 230,1046−1048,1985およびJ.Virol.65;6544−6552,1991)。

0006

その元の2型ウイルスは現在では野外から消え、該2aおよび2b型がそれに取って代わっており、これらの2つの型の相対比率は国によって様々である(Truyenら,前掲;Chinchkarら,Arch.Virol.151,1881−1887,2006;Pereiraら,Infect.Genet.Evol.3,399−409,2007)。2から2aおよび2bへの変化を特徴づける、カプシドタンパク質(VP2)におけるアミノ酸変化は非常に限定的である。87位(MetからLeuへ)、300位(AlaからGlyへ)、305位(AspからTyrへ)および555位(ValからIleへ)の置換は2から2aへの進化において生じ、426位(AsnからAspへ)および555位(IleからValへ)の置換は2aから2bへの出現において生じた(Parrishら,前掲;Truyenら,J.Virol.69,4702−4710,1995)。最近、555位のValからIleへの置換を欠く2a株が報告された(Wangら,Virus Genes 31,171−174,2005;Martellaら,Virus Genes 33,11−13,2006)。単一アミノ酸変化がCPV2aとCPV2bとのVP2配列を区別しうるらしい。

0007

より最近になって、426位のアミノ酸(2aではAsn、そして2bではAsp)がグルタミン酸(Glu)残基になった株がイタリアにおいて出現した(Buonavogliaら,J.Gen.Virol.82,3021−3025,2001;Martellaら,J.Clin.Microbiol.42,1333−1336,2004)。CPV2cウイルスと称されるこれらのGlu 426変異体がイタリアおよび他の欧州諸国において広がりつつあり、他のCPV型と共存しており(Decaroら,J.Vet.Med.B.Infect.Dis.Vet.Public Health 53,468−472,2006)、ベトナムおよびスコトランドのような地理的に様々な国々でも分離されている(Nakamuraら,Arch Virol.149,2261−2269,2004,Spibeyら,Vet.Microbiol 128,48−55,2008)ことは、それらがイヌ集団の少なくとも一部における利点を有することを示唆している。

0008

イヌパルボウイルスの相対的に急速な進化はネコ宿主域喪失およびそれに続く再獲得をもたらしており(Truyenら,1996前掲)、この再獲得された、ネコにおいて複製する能力は、元の2型ウイルスが2a、2bおよび2c変異体によって取って代えられたこと説明しうる。1970年代後半および1980年代初期に、生および不活化FPLワクチンの両方が、交差防御刺激する共有抗原により、CPV疾患からイヌを防御するために使用されたが、それらがもたらした防御レベルは低く、免疫持続期間は短かった。これらのワクチンは生弱毒化CPVワクチンによって取って代えられており、これは優れた防御およびより長い免疫持続期間をもたらした。現在、該生弱毒化ワクチンはCPV2b分離体または元の2型ウイルスから誘導されている。該2型ウイルスは野外では2a、2bおよび現在は2cウイルスによって完全に取って代えられているため、弱毒化2型ワクチンによりもたらされる防御レベルに関する懸念が存在する(Pratelliら,Clin.Diag.Lab.Immunol.8,612−615,2001;Truyen,Vet.Microbiol.69,47−50,1999)。

0009

しかし、利用可能なモノクローナル抗体での研究に基づけば、それぞれの新たな抗原変異体は、以前の変異体と比較して少なくとも1つの中和エピトープを喪失している(Strassheimら,Virology 198,175−184,1994;Pereiraら,前掲)。種々の抗原型に対して産生された血清を使用してインビトロで行われた交差中和研究が顕著な相違を示している場合であっても(Pratelliら,前掲)、生弱毒化CPV2ワクチンは2aおよび2b野外チャレンジに対してイヌを防御しうることがこれまでに示されている(Greenwoodら,Vet.Record.136,63−67,1995)。

0010

最近、生弱毒化2型ワクチン(Nobivac−Intervet)が、最も最近のCPV変異体であるCPV2cでのチャレンジからイヌを防御しうることが示された(Spibeyら,Vet.Microbiol 128,48−55,2008)。

0011

それでもなお、パルボウイルスの感染に対する動物、特にネコ、イヌおよびブタにおける十分なレベルの免疫の誘導と、高度に弱毒化された挙動とを併せ持つワクチンが、当分野において必要とされている。

0012

本発明の目的は、弱毒化されているが尚も免疫原性である新規生パルボウイルスを提供することである。そのようなウイルスは安全なワクチンのための基礎を提供する。

0013

この点において、本発明の1つの実施形態は、カプシドタンパク質のアミノ酸219位にイソロイシン以外のアミノ酸を、および/またはカプシドタンパク質のアミノ酸386位にグルタミン以外のアミノ酸を含む生弱毒化パルボウイルス(PV)に関する(ただし、該PVは、イヌパルボウイルスワクチンNobivac Parvo C中に存在するCPVではない)。このCPV(イヌパルボウイルスワクチンNobivac Parvo CのCPV)に含まれる配列を配列番号1に示す。

0014

驚くべきことに、これらの2つの部位、すなわち、カプシド遺伝子のアミノ酸219位および386位は該ウイルスの弱毒化において重要な役割を果たしていることが見出された。現在までは、主として、カプシド領域以外のアミノ酸が該ウイルスのビルレンス/弱毒化に関与していると考えられていた。

0015

カプシドタンパク質のアミノ酸219位のイソロイシンおよびカプシドタンパク質のアミノ酸386位の位置は、血清型には無関係に、イヌおよびネコの両方のパルボウイルスにおいて同一である。これは、本発明が、少なくとも、ネコパルボウイルスおよびイヌパルボウイルスに普遍的に適用されうることを意味する。本発明はまた、例えば、カプシドタンパク質のアミノ酸219位にイソロイシンを、および/またはカプシドタンパク質のアミノ酸386位にグルタミンを有するブタパルボウイルスにも適用されうる。

0016

特に、配列番号1に示す配列を含むイヌパルボウイルスワクチンNobivac Parvo C(Intervet Schering−Plough Animal Health)中に存在するCPVは、本発明における特許請求の範囲から除かれている。

0017

したがって、本発明の第1の実施形態は、カプシドタンパク質のアミノ酸219位においてイソロイシン以外のアミノ酸を、および/またはカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてグルタミン以外のアミノ酸をコードするカプシド遺伝子を含む生弱毒化パルボウイルス(PV)に関する。ただし、PVは、配列番号1に示されている配列を含まない。

0018

アミノ酸219位のイソロイシンおよびアミノ酸386位のグルタミンの位置を示すために、ほとんどのCPVおよびFPV株において見られる配列環境の一例として、それらの2つのアミノ酸(太字)を以下に示す。

0019

yfqwdrtlipshtgtsg(イソロイシン219=太字)
yafgrqhgqkttttget(グルタミン386=太字)
本発明における一方または両方のアミノ酸の置換のために出発物質として使用される株によっては、219位または386位におけるアミノ酸の単一置換は、例えば非常に若い動物において該ウイルスを安全にするのに十分でない可能性がある。更なる弱毒化が要求される場合、アミノ酸219位および386位の両方の置換が好ましい。

0020

したがって、この実施形態の好ましい形態は、カプシドタンパク質のアミノ酸219位においてイソロイシン以外のアミノ酸を、およびカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてグルタミン以外のアミノ酸をコードするカプシド遺伝子を含む、本発明の生弱毒化パルボウイルス(PV)に関する。

0021

この実施形態のより好ましい形態は、カプシドタンパク質のアミノ酸219位においてバリンを、および/またはカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてリシンをコードするカプシド遺伝子を含む生弱毒化パルボウイルス(PV)に関する。

0022

この実施形態のより一層好ましい形態は、カプシドタンパク質のアミノ酸219位においてバリンを、およびカプシドタンパク質のアミノ酸386位においてリシンコードするカプシド遺伝子を含む生弱毒化パルボウイルス(PV)に関する。

0023

更なる弱毒化が好ましい場合には、本発明におけるアミノ酸置換の導入のための出発物質として別の弱毒化突然変異を既に有するパルボウイルスを使用することが好都合でありうるであろう。好ましくは、そのような弱毒化突然変異はカプシド領域外に位置する。これは、本発明のウイルスの非カプシド領域の一部のDNA断片を、その領域内に弱毒化を含有するパルボウイルス株の相同非カプシド領域で置換することを可能にするであろう。該非カプシド領域の一部において弱毒化を含有するパルボウイルスとしては、例えば、商業的に入手可能なイヌパルボウイルスワクチンNobivac Parvo C(Intervet Schering−Plough Animal Health)が挙げられる。そのようなアプローチの利点は、そのようなウイルスがより一層高い弱毒化レベルを有することである。したがって、この実施形態のより一層好ましい形態は、パルボウイルスが組換えパルボウイルスであり、ここで、該パルボウイルスの非カプシド領域の一部のDNA断片が、第2パルボウイルスに由来する非カプシド領域の一部の相同DNA断片により置換されており、ここで、該第2パルボウイルスの相同DNA断片が弱毒化突然変異を含有する、本発明の生弱毒化パルボウイルスに関する。

0024

第2パルボウイルスからの相同DNA断片は、本発明のパルボウイルスのDNA断片と同じ機能を有するDNA断片であるが、それが、該ウイルスの弱毒化挙動を招く突然変異を含有する点で、そのDNA断片とは異なる。単なる一例としてであるが、DNA断片が、2つの特異的制限部位の間のDNA断片内に弱毒化突然変異を含み、これらの2つの制限部位が、その突然変異を有さないウイルスにおける同じ位置に存在する場合、該突然変異を含有する制限断片は、その突然変異を有さないウイルスからの同じ断片と相同とみなされるであろう。

0025

この実施形態の非常に好ましい形態は、該第2パルボウイルスの相同DNA断片が2061〜2070位の領域の非構造領域内に弱毒化突然変異を含有する、本発明の生弱毒化パルボウイルスに関する。

0026

本発明の生弱毒化パルボウイルスは、いずれかの更なる弱毒化(例えば、弱毒化非カプシド領域)の追加的存在には無関係に、該カプシドタンパク質内の本発明のイソロイシン/X1および/またはグルタミン/X2転移が施されうる全てのパルボウイルスから、したがって少なくとも、CPVおよびFPVの現在配列決定されている全メンバーから得られうる、と理解されるであろう(X1およびX2はそれぞれイソロイシンおよびグルタミン以外のアミノ酸である)。

0027

また、FPV−カプシドおよびCPV−非カプシドバックボーンを含むハイブリッドウイルス、ならびにCPV−カプシドおよびFPV−非カプシドバックボーンを含むハイブリッドウイルスは本発明に含まれる、と理解されるであろう。

0028

パルボウイルス感染に対する動物の防御(より詳しくはペット)のためにワクチンを開発しようとする場合、そのようなワクチンにおいて使用するための好ましいパルボウイルスはイヌパルボウイルスまたはネコパルボウイルスであろう。したがって、この実施形態のより一層好ましい形態は、該パルボウイルスがイヌパルボウイルスまたはネコパルボウイルスである、本発明の生弱毒化パルボウイルスに関する。

0029

特に、ワクチンが、特にCPVおよびFPVに対するそれぞれイヌおよびネコの防御を目的とする場合には、本発明のウイルスのカプシド遺伝子は、好ましくは、CPV血清型2a、2bもしくは2cのカプシドタンパク質またはネコパルボウイルスのカプシドタンパク質をコードするであろう。前記のとおり、該パルボウイルスの非カプシド部分はCPVまたはFPV由来でありうる。したがって、この実施形態のより一層好ましい形態は、該パルボウイルスがCPV血清型2a、2bもしくは2cのカプシドタンパク質またはネコパルボウイルスのカプシドタンパク質をコードする、本発明の生弱毒化CPVに関する。

0030

本発明のもう1つの実施形態は、パルボウイルスの感染に対する動物の防御のためのワクチンに関する。そのようなワクチンは本発明の生弱毒化パルボウイルスと医薬上許容される担体とを含む。

0031

ワクチンにおいて使用するための本発明のパルボウイルスの適量は、多くの場合、弱毒化のレベルおよび該ウイルスの複製特徴に応じて103〜109 TCID50の範囲内であろう。103 TCID50未満のウイルスの感染量は、多くの場合、低すぎると考えられるであろう。なぜなら、免疫系を惹起するのに十分に高いレベルまで該ウイルスが複製されるのには時間がかかり過ぎるからである。109 TCID50を超える量は商業的な理由からだけでも不都合であろう。非常に適当な用量は105〜108 TCID50の範囲内、より好ましくは106〜108 TCID50の範囲内であろう。

0032

医薬上許容される担体は当技術分野で良く知られている。単なる一例として挙げると、そのような担体は無菌水またはバッファー溶液、例えばPBSのような簡便なものでありうる。

0033

本発明のワクチンは幾つかの方法で投与されうる。該ワクチンは生弱毒化ウイルスを含むため、例えば経口、鼻腔内、I.M.および皮下投与のような多数の投与方法が実施可能である。好ましい投与経路は皮下投与である。

0034

パルボウイルス感染に感受性である動物、例えば、とりわけ、ネコおよびイヌは、幾つかの他の疾患に対して同時にワクチン接種されることが多い。したがって、本発明のワクチンを、イヌおよびネコに対して病原性であるウイルスまたは微生物の追加的抗原または該抗原をコードする遺伝的情報組合せることが実用的であろう。したがって、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のワクチンと、動物に対して病原性であるウイルスもしくは微生物の追加的抗原または該ウイルスもしくは微生物の免疫原性ポリペプチドをコードする遺伝的情報とを含む混合ワクチン組合せワクチン)に関する。

0035

ウイルスまたは微生物の追加的抗原は、該全ウイルスもしくは微生物(生弱毒化形態または不活化形態のもの)またはそのウイルスもしくは微生物の免疫原性ポリペプチドもしくは別の免疫原性部分、例えば(リポ−)多糖であって、防御免疫応答を誘導しうるものでありうる。

0036

好ましくは、動物に対して病原性であるウイルスまたは微生物は、エールリチアカニス(Ehrlichia canis)、バベシアギブソニ(Babesia gibsoni)、ボゲリ(vogeli)、ロッシイ(rossi)、リーシュマニア・ドノバニ(Leishmania donovani)複合体、イヌアデノウイルス、イヌコロナウイルスイヌジステンパーウイルスレプトスイラ・インタロガンス・セロバル・カニコラ(Leptospira interrogans serovar canicola)、イクテロヘモラジエ(icterohaemorrhagiae)、ポモナ(pomona)、グリッポチホサ(grippotyphosa)、ブラスラバ(bratislava)、イヌ肝炎ウイルス、イヌパラインフルエンザウイルス狂犬病ウイルスヘパゾーン・カニス(Hepatozoon canis)、ボレリアブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)、ボルデテラブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、ネコヘルペスウイルスネコカリシウイルス、ネコ汎白血球減少症およびクラミドフィラ・フェリス(Chlamydophila felis)の群から選択される。

0037

生弱毒化ウイルスを含むワクチンは低温で保存される必要があり、あるいはそれらは凍結乾燥形態でなければならない。凍結乾燥ワクチンは適度な冷却条件下または更には室温で維持されうる。しばしば、分解し易いタンパク質の分解を防ぐため、該ワクチンの貯蔵寿命延長させるため、または凍結乾燥効率を改善するために、該ワクチンは安定剤と混合される。有用な安定剤としては、とりわけ、SPGA炭水化物、例えばソルビトールマンニトールトレハロースデンプンスクロースデキストランまたはグルコース、タンパク質、例えばアルブミンまたはカゼインまたはそれらの分解産物、およびバッファー、例えばリン酸アルカリ金属が挙げられる。したがって、好ましくは、本発明の(混合)ワクチンは凍結乾燥形態である。また、該ワクチンは、生理的に許容される希釈剤に懸濁されうる。そのようなバッファーは、例えば、無菌水、バッファーなどでありうる。言うまでもなく、ウイルスを乳化または安定化させるための希釈剤および化合物も本発明に含まれる。

0038

本発明の更にもう1つの実施形態は、本発明の(混合)ワクチンの製造方法に関する。これらの方法は、本発明の生弱毒化パルボウイルスを医薬上許容される担体と混合することを含む。

0039

本発明の更にもう1つの実施形態は、医薬として使用するための、本発明の生弱毒化パルボウイルスに関する。より詳しくは、この実施形態は、パルボウイルス感染の治療において使用するための、本発明の生弱毒化パルボウイルスに関する。

0040

本発明の更にもう1つの実施形態は、パルボウイルス感染の治療のための、本発明の生弱毒化パルボウイルスの使用に関する。

0041

最後に、本発明のもう1つの実施形態は、本発明のパルボウイルス突然変異体の製造方法に関する。そのような方法は、イソロイシンをコードするコドンをアミノ酸219位に有する及び/又はグルタミンをコードするコドンをアミノ酸386位に有するパルボウイルスカプシドタンパク質の少なくとも一部分をコードするDNA断片を、イソロイシン以外のアミノ酸をコードするコドンをアミノ酸219位に有する及び/又はグルタミン以外のアミノ酸をコードするコドンをアミノ酸386位に有するパルボウイルスカプシドタンパク質の少なくとも一部分をコードするDNA断片により置換することを含む。

0042

DNAのそのような置換は、当技術分野で良く知られた組換えDNA技術、例えば部位特異的突然変異誘発、制限断片の置換などを用いて行われうる。219イソロイシンをX1置換または386グルタミンをX2置換にするための幾つかの方法が存在する。そのような変化は、化学合成、またはPCR、およびそれに続く、ウイルスDNAでの新たに合成された断片の組換えにより導入されうるであろう。

図面の簡単な説明

0043

pCPVAの構築
pCPV Cの構築。
pCPV ACの構築。
pCPV 154attの構築。
p630の構築。
p630attの構築。
ハイブリッド2/2cウイルス分離体を得るための自然組換え(非GM)法の図示。2型ワクチンおよび2c型野外ウイルスからの2つの重複断片を細胞内にトランスフェクトし、相同組換え後、ウイルスを分離した。
制限酵素部位PacIおよびXmnIを示すCPV株154attの感染性プラスミドクローンの図示。陰影付きの箱は末端回文配列を示す。
更なる操作のために選択された部分的PacI/XmnI消化の選択された産物の図示。
カプシド遺伝子がビルレントCPV2cカプシド配列により置換されている、154attワクチンウイルスDNAを含有するプラスミド。 実施例 実施例1:イヌパルボウイルスクローン630attの製造出発物質ウイルス:

0044

大腸菌(E.coli)株
大腸菌(E.coli)遺伝子ストックセンター(USA)から得られた大腸菌(E.coli)株JC811および株DL795(Kramel Biotech UK)を完全感染性クローンのプラスミド増殖のために選択した。

0045

DNA合成
特製DNA合成がEurofins MWG GmbHにより行われた。合成されたDNA断片はpBluescrptクローニングプラスミド形態で供給された。

0046

イヌパルボウイルスクローン630attの構築は多段階法であり、ここではその別々の工程として記載されている。

0047

1)Nobivac Parvo C(p154att)の感染性分子クローンの構築
複製形態(RF)ウイルスDNAを、改変された「ヒルト(Hirt)」調製法(Parrishら 1988,Virology 166,293−307)を用いて、Nobivac Parvo C感染細胞に感染したA72細胞から得た。ウイルスDNAを幾つかの制限酵素で消化し、通常のクローニング法を用いて該ゲノムをpBluescript中で合体させた。該クローニング手順の概要図1〜4に示す。まず、CPV154attのRF DNAを、T4DNAポリメラーゼを使用して「末端を埋める(エンドフィル)」。ついで該DNAをEcoRIおよびSpeIで消化した。これらの酵素はそれぞれ1099位および3459位で一度に切断した。この消化は、それらのサイズの順でA、BおよびCとして示される3つの断片を生成した。断片をゲル電気泳動で分離し、ついでEcoRI/SpeI断片(断片A)を、同じ酵素での消化により調製されたプラスミドpBluescript内にクローニングした(図1を参照されたい)。ついで該RF DNA消化物からのEcoRI末端断片(断片C)を、EcoRIおよびEcoRVで消化されたpBluescript内にクローニングして、pCPV Cを得た(図2を参照されたい。)イヌパルボウイルスAおよびC断片を一緒に同一プラスミド内にサブクローニングした。プラスミドpCPV AおよびPCPVCをSpeIおよびEcoRIで消化した。該CPVインサートをpCPVから精製し、該ベクター部分をpCPV Cから採取した。ついで連結は、断片AおよびCが「再結合」されたプラスミドを与えた(図3を参照されたい)。ついで該CPV RF DNA消化物からのSpeI末端断片(断片B)をpCPV AC内にクローニングした。プラスミドpCPV ACをSpeIおよび酵素HincII(これは切断により平滑末端を与える)で消化した。該断片を連結し、クローニングした(図4を参照されたい)。

0048

得られたプラスミドをp154attと命名した。

0049

A72細胞内に該プラスミドDNAをトランスフェクトして感染性ウイルスを得ることにより、完全なクローンが構築されたという確認がなされた。

0050

該プラスミドクローンのDNA配列分析を行った。以下に更に詳しく示すとおり、該配列は、感染細胞から抽出されたウイルスDNAから決定されたものと同一であることが示された。

0051

2)2/2cハイブリッドD9の構築
Nobivac parvo C感染細胞およびそれとは別のCPV2c「Jes」感染細胞の両方からウイルスDNAを得た。ウイルスDNA調製物をそれぞれ、単一制限酵素で消化して、それぞれから2つのDNA断片を得た。Nobivacゲノムの左側の断片および「Jes」ゲノムの右側の断片が>200bpの重複配列を共有するように該酵素消化を行った。Nobivacの左側および「Jes」の右側断片を分離し、精製し、混合した(図7)。

0052

これらの重複断片でのA72およびCrFK細胞トランスフェクションは感染性ウイルスが自然組換えにより生じることを可能にした。得られたウイルスを限界希釈によりクローニングし、2/2cハイブリッドD9と命名した。

0053

3)クローン630の構築
感染性プラスミドクローンp154attからクローン630を作製し、DNAを2/2cハイブリッドD9から調製した。

0054

制限酵素PacIは561位および4651位のあたりの2つの位置(該ゲノムのずっと左側および右側の末端)でCPVゲノムを切断する。したがって、プラスミドp154attをPacIで消化し、該ゲノムの80%以上を含有する〜4kbpのPacI断片を該ベクターおよび末端配列から分離し、2/2cハイブリッドD9 DNAから得られたもので置換した。得られたプラスミドをp630と命名した。これを図5に示す。

0055

予想どおり、p630でのA72またはCrFK細胞のトランスフェクションは感染性ウイルスを生成し、このウイルスを630と命名した。

0056

ウイルス630は、2/2cハイブリッドD9と同様に、低レベルの病原性を保有していた。

0057

4)クローン630attの構築
630ウイルスは、イヌに注射された場合、幾つかの低レベルの臨床徴候を示した。

0058

該カプシド遺伝子の部分を、Nobivac parvo Cにおいては観察されるが野外株には存在することが見出されないアミノ酸変化を含むように化学合成した。ついで、この断片によりプラスミドp630における同じ領域を置換して、プラスミドp630attを得た。これを図6に示す。

0059

CPVゲノム上の3356位と4029位との間のDNA配列に対応するDNA配列を合成した。本明細書中で配列番号2として示されるその厳密なDNA配列を以下に示す。

0060

制限酵素部位BglIIおよびXcmIは下線付き太字で示されている。

0061

該配列を該プラスミドから遊離させた。この場合、それはBglIIおよびXcmIでの消化により得られた。該DNA断片をアガロースゲル電気泳動により分離し、672bpの断片を単離し、精製した。

0062

p630attでのA72またはCrFK細胞のトランスフェクションは感染性ウイルス(630att)を与え、これは、子イヌに投与された場合に臨床徴候を何ら示さなかった。

0063

比較研究において、クローン630を含むワクチンと、クローン630attを含むワクチンとを比較した。5頭のMDA陰性イヌに1ml中の108.0〜108.3 TCID50のクローン630を皮下にワクチン接種した。これは全てのイヌにおいて軽度ないし中等度徴候を引き起こした。5日間にわたる体重変化は、以下の表に示すとおり、5頭のイヌにおける平均で−6%であった。

0064

5頭のMDA陰性イヌに1ml中の108.0〜108.3 TCID50のクローン630attを皮下にワクチン接種した。

0065

この群においては、臨床症状は認められず、体温は上昇せず、白血球減少は認められず、下痢も嘔吐も認められなかった。更に、以下の表に示すとおり、この群においては相当な体重増加が認められた。

0066

したがって、クローン630attに基づくワクチンは、クローン630と比較して、実際に弱毒化体として挙動し、優れた安全性プロファイルを有する、と結論づけられた。

0067

実施例2:カプシド遺伝子の外部に弱毒化突然変異を有する組換えウイルスの製造
商業的に入手可能なNobivac Parvo C(Intervet Schering−Plough Animal Health)から株154attを得た。株Jessは2c型ウイルスの野外分離体であった。

0068

5%ウシ胎児血清を含有するM6B8培地を使用して、ウイルスを接着性イヌまたはネコ腎細胞(例えば、A72およびCrFK)上で増殖させた。標準的な「ヒルト(Hirt)」(McMasterら 1981)の変法を用いて、複製形態(RF)DNAを感染細胞培養から調製した。

0069

154att株から調製されたRF DNAを制限酵素PstIで消化し、断片をアガロースゲル電気泳動により分離した。3055塩基対(bp)のバンド(CPVの左側末端に対応する)を該ゲルから切り出し、Qiagen Qiaquickゲル抽出カラムを使用して精製した。CPV Jess感染細胞から単離されたRF DNAを制限酵素XmnIで消化した。この場合も、DNA断片をアガロースゲル電気泳動により分離し、ついで、Qiagen Qiaquickゲル抽出カラムを使用して、約2750bpのバンド(該カプシド配列を含むCPVの右側末端に対応する)を精製した。

0070

154attおよびJessからの該精製3055bpおよび2750bp断片を合わせ、培養内のA72またはCrFK細胞内にトランスフェクトした。約3μgの各断片と共にLipofectamine 2000(Invitrogen)を該製造業者の説明に従い使用して、トランスフェクションを行った。

0071

トランスフェクション後、細胞を継代し、赤血球凝集HAアッセイによりモニターした。継代4においてHAによりウイルスが検出された。ハイブリッドウイルスのDNA配列決定を、RF DNAまたはPCR断片鋳型を使用する標準的なDNA配列決定法を用いて行った。接着性感受性イヌまたはネコ細胞上の限界希釈によりウイルスを精製した。

0072

実施例3:クローン化ウイルスDNAから構築された組換えウイルス
組換えウイルスをクローン化断片から製造した。ウイルス株154attのゲノムを標準的なクローニングベクターpBluescript(Stratagene inc.)内にクローニングした。回文末端配列を完全なままに維持するために、幾つかの組換え系欠損している細菌宿主DL795において該プラスミドを増殖させた。パルボウイルスゲノムのクローニングは文献に記載されており、必要な技術は当業者に公知である。154attの得られたクローン(p154att)を制限酵素PacIで消化した。この場合、該消化が完全には進行しないようにした。すなわち、該制限酵素消化は部分的に過ぎなかった。ついで該消化断片を制限酵素XmnIでの消化に付した。ついで該消化DNA断片をアガロースゲル電気泳動により分離し、以下の図に示されている断片を該ゲルから切り出し、Qiagen Qiaquickゲル抽出カラムを使用して精製した。該XmnIおよび右側Pac部位はパルボウイルスゲノム内でカプシド領域に隣接している。以下のとおりに、154attのカプシド遺伝子をCPVのビルレント株のカプシド遺伝子により置換した。図8に示されているXmnI部位および右側PacIは該カプシド遺伝子の境界の外部に位置する。PacI部位と該カプシド遺伝子の末端との間の約110bpの配列は154att株とビルレント分離体との間で有意に異なる。現在のところ、XmnI部位とカプシド遺伝子の開始部位との間の短い配列(〜55bp)において、記録された配列変化は存在しない。したがって、材料における置換を該カプシド配列のみに限定するために、該ビルレントCPVカプシド配列を化学合成し、PacI部位とカプシド終止シグナルとの間のワクチン特異的配列を維持した。

0073

以下に、CPVカプシド遺伝子を含有する化学合成配列を示す。以下に示す配列は本明細書中に配列番号3として記載されている。

0074

XmnIおよびPacI部位は下線で示されている。カプシドコード領域の終止コドン(TAA)およびカプシド(Vp1/Vp2)コード配列は太字で示されている。

0075

該合成断片を該プラスミドから遊離させた。この場合、それは、酵素XmnIおよびPacIを使用して得られた。ついで、それを、図9に示されている断片に連結した。コンピテント大腸菌(E.coli)(株DL795)を、標準的なプロトコールを用いて、該連結混合物形質転換し、該組換えプラスミドを含有する細菌を単離し、特定した。ついで、以下(図10)に示されている得られたプラスミドp1542cを該クローン化大腸菌(E.coli)から調製した。ハイブリッドウイルスを以下のとおりに調製した。プラスミドp1542c DNAを培養内のA72またはCrFK細胞内にトランスフェクトした。約3μgのDNAと共にLipofectamine 2000(Invitrogen)を該製造業者の説明に従い使用して、トランスフェクションを行った。トランスフェクション後、細胞を継代し、赤血球凝集(HA)アッセイによりモニターした。継代4においてHAによりウイルスが検出された。ハイブリッドウイルスのDNA配列決定を、RF DNAまたはPCR断片鋳型を使用する標準的なDNA配列決定法を用いて行った。接着性感受性イヌまたはネコ細胞上の限界希釈によりウイルスを精製した。

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