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技術 耐塩性ショウロ菌株

出願人 国立大学法人鳥取大学
発明者 霜村典宏仲野翔太
出願日 2015年8月4日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-154250
公開日 2017年2月9日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-029097
状態 特許登録済
技術分野 植物の栽培 植物の育種及び培養による繁殖 微生物、その培養処理
主要キーワード クランプ結合 塩害地域 環境事業 外生菌根菌 被災地 寒天濃度 平板寒天培地 菌糸成長
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月9日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

環境修復方法として使用でき、津波被災地のような塩害地域での旺盛に生育可能であり、もしくは貴重食材として利用できる耐塩性ショウロ菌株育成

解決手段

耐塩性菌糸体選抜し、それらを交雑したF1菌株のなかから、選抜した極めて耐塩性の高い菌株で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター寄託した、受託番号NITEP−02059を付与された耐塩性ショウロ菌株又はその子孫もしくは変異株

概要

背景

ショウロ海岸林で発生する食用のきのこである。ショウロは宿主マツ樹種の根に感染して共生する外生菌根菌である。ショウロには高級食材としての需要もあるが、その子実体生産量は年々減少し、最近ではごく僅かしか子実体が得られない。本発明者らは、これまでに、新たなショウロ子実体生産技術を開発している(特許文献1)。

近年の研究により、ショウロなどの外生菌根菌が樹木塩ストレス耐性を付与する機能を有することが明らかになっている(非特許文献1)。そこで、津波被災地のような塩害地域での旺盛に生育できる耐塩性ショウロ菌株育成できれば、そのショウロ菌株を付加した樹木を塩害地域に導入することで海岸林の環境修復が可能になる。

概要

環境修復方法として使用でき、津波の被災地のような塩害地域での旺盛に生育可能であり、もしくは貴重な食材として利用できる耐塩性ショウロ菌株の育成。耐塩性菌糸体選抜し、それらを交雑したF1菌株のなかから、選抜した極めて耐塩性の高い菌株で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター寄託した、受託番号NITEP−02059を付与された耐塩性ショウロ菌株又はその子孫もしくは変異株。なし

目的

本発明は、もう1つの態様において、上記ハイブリッド5の子孫または変異株を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

請求項1記載の耐塩性ショウロ菌株の子孫または変異株

請求項3

請求項1記載の耐塩性ショウロ菌株または請求項2記載の耐塩性ショウロ菌株の子孫または変異株を宿主樹木の根に感染させ、次いで、宿主樹木を塩害地域移植することを特徴とする、塩害地域の環境修復方法。

技術分野

0001

本発明はきのこの育種に関する。詳細には、本発明は耐塩性ショウロ菌株に関する。

背景技術

0002

ショウロは海岸林で発生する食用のきのこである。ショウロは宿主マツ樹種の根に感染して共生する外生菌根菌である。ショウロには高級食材としての需要もあるが、その子実体生産量は年々減少し、最近ではごく僅かしか子実体が得られない。本発明者らは、これまでに、新たなショウロ子実体生産技術を開発している(特許文献1)。

0003

近年の研究により、ショウロなどの外生菌根菌が樹木塩ストレス耐性を付与する機能を有することが明らかになっている(非特許文献1)。そこで、津波被災地のような塩害地域での旺盛に生育できる耐塩性ショウロ菌株を育成できれば、そのショウロ菌株を付加した樹木を塩害地域に導入することで海岸林の環境修復が可能になる。

0004

特開2012−080811号公報

先行技術

0005

Langenfeld-Heyser R, Gao J, Ducic T, Tach Ph, Lu CF, Fritz E, Gafur A and Polle A (2007) Mycorrhiza 17:121-131

発明が解決しようとする課題

0006

上記の事情に鑑みると、耐塩性に優れたショウロ菌株を育種することが必要であった。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記課題を解決せんと鋭意研究を重ねた。本発明者らは耐塩性菌糸体選抜し、それらを交雑してF1菌株を得て、そのなかから極めて耐塩性の高い菌株を選抜することに成功し、本発明を完成させた。

0008

すなわち、本発明は以下のものおよび方法を提供する:
(1)独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託され、受託番号NITEP−02059を付与された耐塩性ショウロ菌株、
(2)(1)に記載の耐塩性ショウロ菌株の子孫または変異株、および
(3)(1)記載の耐塩性ショウロ菌株または(2)記載の耐塩性ショウロ菌株の子孫または変異株を宿主樹木の根に感染させ、次いで、宿主樹木を塩害地域に移植することを特徴とする、塩害地域の環境修復方法。

発明の効果

0009

本発明は耐塩性に優れたショウロ菌株を提供する。本発明の耐塩性ショウロ菌株を用いることにより塩害地域の海岸林の環境修復が可能になるだけでなく、貴重な食材とされるショウロを供給することが可能となる。

図面の簡単な説明

0010

図1は、異なるNaCl濃度条件におけるショウロのコロニー形成を示す写真である。
図2は、耐塩性ショウロ交雑菌株の育成手順を説明する図である。
図3は、野生株および耐塩性菌株(ハイブリッド5)の菌糸成長に及ぼすNaClの影響を示すグラフである。

0011

1の態様において、本発明は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託され、受託番号NITEP−02059を付与された耐塩性ショウロ菌株に関するものである。本発明の耐塩性ショウロ菌株は、高塩濃度培地にショウロ野生株の胞子を撒き、発菌糸体を交雑させて交配二次菌糸を得て、特に耐塩性の高い交雑株を選択することにより得られたものである。

0012

かかる耐塩性ショウロ菌株の取得に使用する高塩濃度培地の種類や組成は特に限定されないが、培地中の食塩(NaCl)濃度を150mM以上とするのが好ましく、例えば300mMとしてもよい。耐塩性ショウロ菌株の取得に好ましい培地としては、300mMのNaClを含有する1/5 MMN培地(組成:CaCl2 0.01g、NaCl 17.5g、KH2PO4 0.1g、(NH4)2HPO4 0.05g、MgSO4・7H2O 0.03g、FeCl3(1%液) 0.26ml、チアミンHCl 20.0μg、麦芽エキス1.0g、ショ糖2.0g、寒天20.0g、蒸留水1,000ml)が例示されるが、これに限定されない。

0013

上記のような高塩濃度培地で得られた発芽菌糸体(2菌株)を適切な培地にて共培養し、菌糸接触部位を公知のクランプ検定培地に移し、クランプのある菌糸を交配二次菌糸として得て、上記のような高塩濃度培地で成長を観察し、耐塩性ショウロ菌株を得ることができる。

0014

本発明において、上記方法により、極めて耐塩性の高い交雑F1菌株(ハイブリッド5と命名)が得られた。ハイブリッド5は、300mMのNaClを含む1/5 MMN平板寒天培地培地上での菌糸成長量がショウロ野生株の2倍以上であった。ハイブリッド5はまた、300mMのNaClを含む1/5 MMN平板寒天培地培地(寒天2%)上、25℃において20日間の菌糸成長量が50mm以上であった。

0015

上記耐塩性ショウロ菌株ハイブリッド5は、受託番号NITEP−02059として独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託されている。

0016

本発明は、もう1つの態様において、上記ハイブリッド5の子孫または変異株を提供する。ハイブリッド5の子孫は、ハイブリッド5の胞子から生じる耐塩性ショウロ菌株であると定義される。ハイブリッド5の子孫はハイブリッド5と同等またはそれ以上の耐塩性を有する。その特徴として、例えば、300mMのNaClを含む1/5 MMN平板寒天培地培地上での菌糸成長量が野生株の約2倍以上であること、あるいは300mMのNaClを含む1/5 MMN平板寒天培地培地(寒天2%)上、25℃において20日間の菌糸成長量が50mm以上であること等が挙げられる。ハイブリッド5の変異株は、自然変異株であってもよく、公知の方法で作成された変異株であってもよい。食用とするには自然変異株が好ましい。ハイブリッド5の変異株はハイブリッド5と同等またはそれ以上の耐塩性を有する。その性質はハイブリッド5の子孫に関して説明したものと同様である。

0017

本発明の耐塩性ショウロ菌株(ハイブリッド5)は、300mMという高い食塩濃度においても旺盛な生育を示す。そして、ショウロ菌株を付加した樹木は塩ストレス耐性が向上する。したがって、本発明の耐塩性ショウロ菌株またはその子孫もしくは変異株を根に付加した樹木を、塩害を受けた地域に移植することで海岸林の環境修復をすることができる。その際に、本発明者らが開発した、宿主根にショウロ菌を人工感染させる方法(特開2012−080811号公報)を用いれば、効率よくショウロ菌を感染させることができ、子実体も得ることができる。したがって、本発明は、塩害地域の環境修復を可能にするのみならず、貴重食材であるショウロ子実体を得ることも可能にするという優れた効果を有する。

0018

以下に実施例を示して本発明をより詳細かつ具体的に説明する。

0019

1.NaClストレ条件下での菌株の選抜
ショウロ野生株(MCLRr02〜MCLRr11の10株)の新鮮な子実体の一部を切り取り、300mMのNaClを含む1/5濃度MMN液体培地中に懸濁して、胞子懸濁液(1.0x106〜1.0x107個/ml)を得た。胞子懸濁液の一定量を、NaCl(0mM、50mM、150mM、300mM)を含む1/5濃度MMN寒天培地寒天濃度2%)に撒き、25℃で20日間培養した。

0020

異なるNaCl濃度条件下(0mM、50mM、150mM、300mM)におけるショウロのコロニー形成を調べた結果を図1に示す。NaCl濃度の上昇とともにコロニー数が減少し、300mMのNaClを含有する1/5濃度MMN寒天平板培地上ではコロニーはほとんど認められなかった。以下の実験において、1/5濃度MMN寒天平板培地のNaCl濃度を300mMとすることにした。

0021

上記10株の胞子懸濁液を300mMのNaClを含有する1/5濃度MMN寒天平板培地に撒いて(0.1ml/プレート)、20日後に分離できた発芽菌糸体数を表1に示す。
[表1]
表1. 300mM NaCl含有平板培地において分離できたショウロ菌株数

子実体番号 分離できた発芽菌糸体数
MCLRr02 7
MCLRr03 0
MCLRr04 0
MCLRr05 0
MCLRr06 0
MCLRr07 20
MCLRr08 0
MCLRr09 15
MCLRr10 0
MCLRr11 0

0022

2.交雑株の育成
発芽菌糸体を分離できたMCLRr02、MCLRr07、MCLRr09のなかから2菌株を選択し、それらの発芽菌糸体(一次菌糸)を共培養し、菌糸接触部位を切り取って新たな培地に移植した。用いた培地は0.1%麦芽エキス、0.2%ツイン80、2%寒天を含むクランプ検定培地(pH7)であった。7〜15日間培養し、クランプ結合の有無を調べ、クランプのある菌糸を交配二次菌糸として分離した。上記手順を図2に示した。

実施例

0023

クランプを形成した菌株をNaCl(0mM、50mM、150mM、300mM)を含有する1/5濃度MMN寒天平板培地に移植し、25℃で20日間培養して菌糸成長量を調べた。比較のため、野生株についても同様の実験を行った。実験結果を図3に示す。NaCl存在下で最も菌糸成長量が多かった菌株をハイブリッド5と命名した。ハイブリッド5はNaCl(0〜300mM)の影響を殆ど受けずに成長し、300mMのNaClを含む1/5 MMN平板寒天培地培地(寒天2%)上、25℃において20日間の菌糸成長量が50mm以上であった。また、同条件下で、ハイブリッド5の菌糸成長量は、野生株の約2倍以上であった。ハイブリッド5は鳥取大農学部属菌類きのこ遺伝資源研究センターカルチャーコレクション登録番号TUFC100948として登録された。ハイブリッド5は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2015年5月29日に受領され、受託番号NITEP−02059を付与された(通知年月日2015年7月27日)。

0024

本発明は、塩害地域の環境修復に役立つほか、高級食材であるショウロの生産にも役立つので、環境事業食品産業において利用可能である。

0025

本発明の耐塩性ショウロ菌株ハイブリッド5は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに2015年5月29日に受領され、受託番号NITEP−02059を付与された(通知年月日2015年7月27日)。

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