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技術 バターケーキ改良材

出願人 株式会社ADEKA
発明者 舟川奈都記
出願日 2015年7月31日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-151771
公開日 2017年2月9日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-029050
状態 特許登録済
技術分野 ベイカリー製品及びその製造方法
主要キーワード 湿式分解法 粉体混合用 乾燥前重量 チョコレートケーキ バウムクーヘン 油分含量 アーモンド粉 歯切れ感
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

持続的なしとり感があって歯切れがよく、口溶けのよいバターケーキを得ること

解決手段

質量平均分子量20万以下のデキストラン、好ましくは高度分岐環状デキストリン或いは乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料をさらに含有するバターケーキ改良材を、バターケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、バターケーキ改良材中に含まれる質量平均分子量20万以下のデキストランが0.01質量部〜2質量部となる量をバターケーキ生地に使用することにより、上記課題を解決できる。

概要

背景

パウンドケーキマドレーヌマフィンバウムクーヘン等に代表されるバターケーキは、小麦粉、油脂、砂糖を主要原料とし、膨張剤香料フルーツピューレチョコ原料等の風味成分果実やチョコチップ等の固形物等の副原料を使用した生地焼成して得られる。

その基本配合は、小麦粉、油脂、卵、砂糖の4種の主要原料を等量含む生地(4同割)であり、求める食感甘味、或いは風味に応じて卵や油脂の配合を増減させることが通常行われている。

その製造方法としては、油脂のクリーミング性を利用する方法と、卵のホイップ性を利用する方法があるが、一般的には前者の方法が使用される。
油脂のクリーミング性を利用する方法の具体的な製造方法としては、油中水型マーガリンショートニングと砂糖を混合しクリーミングした後、ここに卵・小麦粉を加え混ぜあわせるシュガーバッター法、ショートニングと小麦粉を混合しクリーミングした後、ここに卵・砂糖を混合するフラワーバッター法が主に行なわれる。

卵のホイップ性を利用する方法の具体的な製造方法としては、バターケーキは卵の起泡力阻害する油分含量が高い為、製菓用起泡剤流動ショートニングを使用したオールインミックス法、或いは後粉法が挙げられ、特に軽い比重を必要としない生地の場合は、小麦粉・卵・砂糖を混合し、起泡した生地に溶解した油脂を添加する後油法、小麦粉・卵・砂糖を使用して混合した生地に100℃程度に加温した油脂を添加して、小麦粉を強制的に糊化するアルファ化法等がある。

しかし、シュガーバッター法やフラワーバッター法では、使用する油脂が固形脂であることや、油中水型油脂、或いはショートニングを使用することから、得られるケーキがバサついた食感になってしまう問題があり、オールインミックス法や後粉法では、得られるバターケーキの気泡が細かく弾力のあるクラムにならないという問題と、バサついた食感になってしまうという問題があり、後油法では添加する油脂の溶解に手間がかかることに加え、気泡がつぶれやすいため硬い食感のケーキになりやすいという問題があった。

またアルファ化法では、後油法に比べさらに油脂の溶解に手間がかかることに加え、もちもちした弾力のある食感になってしまうという問題や、アルファ化の制御が難しいため食感の揃ったケーキを得ることが難しいという問題、さらには比重の軽いバターケーキを得ることができないという問題があった。

さらに、通常のスポンジケーキ等と比較して水分含量が少ないことから、バターケーキはバサつきを感じやすく、経時的にもバサつきやすいといった特徴がある。

つまり、従来の配合・手法ではバサついた食感になりやすく、生地の比重が大きい為に、得られるバターケーキが重たい食感になってしまいやすいという問題があった。

これらの問題を解決する方法として、ケーキ生地マヨネーズ練り込む方法(特許文献1)、生地に使用する糖類の一部を乳化させた油中水型乳化組成物を使用する方法(特許文献2)、特定の乳化剤を2種使用した水中油型乳化物を使用する方法(特許文献3)、油分含量の高い水中油型乳化物を使用する方法(特許文献4)、小麦の種粒外由来水溶性蛋白質含有物を有効成分とする方法(特許文献5)が提案されている。

しかし、特許文献1に記載の方法は、マヨネーズで使用する酸や卵の風味が付与される問題に加えて、酸によりバサつく食感が増す問題があり、特許文献2の油脂組成物を使用する方法は、浮きが十分でないため歯触りが固く食感が重いケーキになってしまうという問題があり、特許文献3に記載の方法は、気泡膜が薄いため、バターケーキの食感としては軽すぎる食感になる問題があった。また特許文献4に記載の方法は、バターケーキの中でも特にバウムクーヘンに対しては大きな効果を示すが、バウムクーヘン以外のバターケーキについては効果が十分ではなかった。特許文献5に記載の方法は、有効成分を得る工程が煩雑であることに加え、添加する成分の風味がバターケーキの風味を損ねてしまうこともあった。

概要

持続的なしとり感があって歯切れがよく、口溶けのよいバターケーキを得ること質量平均分子量20万以下のデキストラン、好ましくは高度分岐環状デキストリン或いは乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料をさらに含有するバターケーキ改良材を、バターケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、バターケーキ改良材中に含まれる質量平均分子量20万以下のデキストランが0.01質量部〜2質量部となる量をバターケーキ生地に使用することにより、上記課題を解決できる。なし

目的

本発明は、上記知見により得られたものであり、質量平均分子量20万以下のデキストランを含有するバターケーキ改良材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

更に高度分岐環状デキストリンを含有することを特徴とする請求項1記載のバターケーキ改良材。

請求項3

更に乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のバターケーキ改良材。

請求項4

請求項1〜3の何れか一項に記載のバターケーキ改良材を、バターケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量20万以下のデキストランが0.01質量部〜2質量部となる量を含有するバターケーキ生地。

請求項5

請求項4に記載のバターケーキ生地を用いたバターケーキ。

請求項6

バターケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量20万以下のデキストランを0.01質量部〜2質量部添加した生地を用いることを特徴とするバターケーキ改良方法

技術分野

0001

本発明は食感が軽く、持続的なしとり感があり、歯切れ口溶けが良いバターケーキを得る為のバターケーキ改良材に関する。

背景技術

0002

パウンドケーキマドレーヌマフィンバウムクーヘン等に代表されるバターケーキは、小麦粉、油脂、砂糖を主要原料とし、膨張剤香料フルーツピューレチョコ原料等の風味成分果実やチョコチップ等の固形物等の副原料を使用した生地焼成して得られる。

0003

その基本配合は、小麦粉、油脂、卵、砂糖の4種の主要原料を等量含む生地(4同割)であり、求める食感や甘味、或いは風味に応じて卵や油脂の配合を増減させることが通常行われている。

0004

その製造方法としては、油脂のクリーミング性を利用する方法と、卵のホイップ性を利用する方法があるが、一般的には前者の方法が使用される。
油脂のクリーミング性を利用する方法の具体的な製造方法としては、油中水型マーガリンショートニングと砂糖を混合しクリーミングした後、ここに卵・小麦粉を加え混ぜあわせるシュガーバッター法、ショートニングと小麦粉を混合しクリーミングした後、ここに卵・砂糖を混合するフラワーバッター法が主に行なわれる。

0005

卵のホイップ性を利用する方法の具体的な製造方法としては、バターケーキは卵の起泡力阻害する油分含量が高い為、製菓用起泡剤流動ショートニングを使用したオールインミックス法、或いは後粉法が挙げられ、特に軽い比重を必要としない生地の場合は、小麦粉・卵・砂糖を混合し、起泡した生地に溶解した油脂を添加する後油法、小麦粉・卵・砂糖を使用して混合した生地に100℃程度に加温した油脂を添加して、小麦粉を強制的に糊化するアルファ化法等がある。

0006

しかし、シュガーバッター法やフラワーバッター法では、使用する油脂が固形脂であることや、油中水型油脂、或いはショートニングを使用することから、得られるケーキがバサついた食感になってしまう問題があり、オールインミックス法や後粉法では、得られるバターケーキの気泡が細かく弾力のあるクラムにならないという問題と、バサついた食感になってしまうという問題があり、後油法では添加する油脂の溶解に手間がかかることに加え、気泡がつぶれやすいため硬い食感のケーキになりやすいという問題があった。

0007

またアルファ化法では、後油法に比べさらに油脂の溶解に手間がかかることに加え、もちもちした弾力のある食感になってしまうという問題や、アルファ化の制御が難しいため食感の揃ったケーキを得ることが難しいという問題、さらには比重の軽いバターケーキを得ることができないという問題があった。

0008

さらに、通常のスポンジケーキ等と比較して水分含量が少ないことから、バターケーキはバサつきを感じやすく、経時的にもバサつきやすいといった特徴がある。

0009

つまり、従来の配合・手法ではバサついた食感になりやすく、生地の比重が大きい為に、得られるバターケーキが重たい食感になってしまいやすいという問題があった。

0010

これらの問題を解決する方法として、ケーキ生地マヨネーズ練り込む方法(特許文献1)、生地に使用する糖類の一部を乳化させた油中水型乳化組成物を使用する方法(特許文献2)、特定の乳化剤を2種使用した水中油型乳化物を使用する方法(特許文献3)、油分含量の高い水中油型乳化物を使用する方法(特許文献4)、小麦の種粒外由来水溶性蛋白質含有物を有効成分とする方法(特許文献5)が提案されている。

0011

しかし、特許文献1に記載の方法は、マヨネーズで使用する酸や卵の風味が付与される問題に加えて、酸によりバサつく食感が増す問題があり、特許文献2の油脂組成物を使用する方法は、浮きが十分でないため歯触りが固く食感が重いケーキになってしまうという問題があり、特許文献3に記載の方法は、気泡膜が薄いため、バターケーキの食感としては軽すぎる食感になる問題があった。また特許文献4に記載の方法は、バターケーキの中でも特にバウムクーヘンに対しては大きな効果を示すが、バウムクーヘン以外のバターケーキについては効果が十分ではなかった。特許文献5に記載の方法は、有効成分を得る工程が煩雑であることに加え、添加する成分の風味がバターケーキの風味を損ねてしまうこともあった。

先行技術

0012

特開2007−222009号公報
特開2009−153477号公報
特開平04−79834号公報
特開2011−234660号公報
特開2005−323501号公報

発明が解決しようとする課題

0013

したがって本発明の目的は、持続的なしとり感があって歯切れがよく、口溶けのよいバターケーキを得ることにある。

課題を解決するための手段

0014

本発明者らは、上記課題を解決すべく種々検討した結果、低分子量のデキストランを少量添加することで、従来知られていなかった、持続的にしとり感があって歯切れがよく、口溶けの良いバターケーキが得られることを知見した。

0015

本発明は、上記知見により得られたものであり、質量平均分子量20万以下のデキストランを含有するバターケーキ改良材を提供するものである。

0016

また、本発明は、上記バターケーキ改良材を、バターケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量20万以下のデキストランが0.01質量部〜2質量部となる量を含有するバターケーキ生地を提供するものである。

0017

また、本発明は、上記バターケーキ生地を加熱処理したバターケーキを提供するものである。

0018

また、本発明は、バターケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、質量平均分子量20万以下のデキストランを0.01質量部〜2質量部添加した生地を用いることを特徴とするバターケーキ改良方法を提供するものである。

発明の効果

0019

本発明によれば、持続的にしとり感があって歯切れがよく、口溶けのよいバターケーキを得ることができる。

0020

本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に下述する。
本発明においてバターケーキとは、パウンドケーキやポロネーズ、マドレーヌ、ダンディケーキ、フィニッシャー・ヌスシトライフェンレーリュッケンパン・ド・ジェーヌ、マフィン、ドーナツ、マデラケーキ、マーガレットケーキ、フリアンフィナンシェチェリーケーキ、オレンジケーキ、チョコレートケーキバナナケーキ、シムナルケーキ、バウムクーヘン等、小麦粉・油脂・糖類・卵成分を主要原料とする菓子を指し、本発明のバターケーキ改良材はこれらに対して用いられる。

0021

・デキストランについて
先ず、本発明で使用するデキストランについて述べる。
デキストランとは、グルコース構成糖とし、α1−6結合による主鎖と、一部、α1−4結合やα1−3結合を有するという構造を有する、微生物生産する多糖類の1種である。

0022

一般的には、乳酸菌等の細菌を、ショ糖を含有する培地で培養した際に、デキストランスクラーゼによるグルコース転移反応によって生成する。また、デキストランスクラーゼを蔗糖を含有する溶液や生地に作用させることによっても得られる。市販品としては上記のようにして得られたデキストランに加え、デキストランを部分的に加水分解して精製した分岐構造の少ないものについても市販されている。

0023

本発明のバターケーキ改良材では、これらのデキストランを単独又は複数を使用して、その分子量が20万以下、好ましくは10万以下、より好ましくは5万以下となるようにして使用する。
また、デキストランの分子量の下限は、一般的に0.5万である。
ここでデキストランの分子量が20万を超えると、得られるバターケーキがもっちりした食感になってしまい、良好な歯切れが得られない。また、バターケーキ生地の物性に影響が出てしまうという問題がある。
本発明では、分子量として質量平均分子量を採用する。尚、質量平均分子は、サイズ排除クロマトグラフィ法により求めたものである。以下、本文中において、特に明記しない限り、分子量は、質量平均分量を表す。

0024

本発明のバターケーキ改良材における上記分子量20万以下のデキストランの配合割合は、改良材の形態や、改良材のケーキ生地への添加量に依存するため、特に限定されるものではなく、0.1質量%〜100質量%の範囲から適宜選択可能であるが、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは1〜25質量%である。
ここで、本発明のバターケーキ改良材における上記分子量20万以下のデキストランの配合割合が0.1質量%未満であると、目的の効果が十分に発現しないおそれがある。

0025

本発明のバターケーキ改良材中の上記分子量20万以下のデキストランの存在形態は、上記分子量20万以下のデキストランが水相に溶解した形態であることが好ましい。
上記水相に使用する水としては、特に限定されず、天然水水道水等が挙げられる。

0026

また、本発明のバターケーキ改良材は油相を含有するものであってもよい。
上記油相に使用する油脂としては、例えば、パーム油パーム核油ヤシ油コーン油綿実油大豆油菜種油米油ヒマワリ油サフラワー油牛脂乳脂豚脂カカオ脂魚油鯨油、乳脂、バターバターオイル等の各種油脂並びにこれらを水素添加分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のバターケーキ改良材が油相を含有する場合、油分と水分を含有する乳化油脂の形態であることが好ましい。その場合、その乳化型水中油型であっても油中水型であってもよいが、水中油型乳化物であることが好ましい。

0027

本発明のバターケーキ改良材が、水中油型の形態である場合、好ましい油分含量は、下記のその他の原材料中に含まれる油脂分も含めた油分含量が、好ましくは3質量%〜50質量%、更に好ましくは5質量%〜40質量%、より好ましくは8質量%〜40質量%であり、最も好ましくは12質量%〜30質量%となる量である。

0028

本発明のバターケーキ改良材は、上記分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリンを含有することが好ましい。高度分岐環状デキストリンを併用することにより、本発明の効果をより向上させることが可能となる。

0029

高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンであり、従来の澱粉加水分解物とは異なり、環状を構成することにより還元末端がほとんどない構造を有し、DE(デキストロース当量)は5未満であり、水溶性が高く、その溶液の透明性が高いこと、他のデキストリンと異なり分子量分布が狭いという特徴を有する。上記の内分岐環状構造部分とは、α−1,4グリコシド結合とα−1,6グリコシド結合とで形成される環状構造部分であり、上記の外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である。
この高度分岐環状デキストリンは、例えば、α−1,4−グルコシド結合と、α−1,6−グルコシド結合とを有する糖類と、この糖類に作用して環状構造を形成し得る酵素とを反応させて製造することができる。市販品としては「クラスターデキストリン登録商標、江崎グリコ製)」を挙げることができる。

0030

本発明のバターケーキ改良材における上記高度分岐環状デキストリンの配合割合は、上記分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.2〜3質量部となる量である。
上記高度分岐環状デキストリンの配合割合が、上記分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し、0.1質量部未満であると、上記分子量20万以下のデキストランとの相乗効果が認められず、10質量部を超えると、もちもちした食感となってしまい口溶けや歯切れが悪くなってしまう。

0031

本発明のバターケーキ改良材は、更に、乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料を含有することが、バターケーキのソフト性はそのままに歯切れ感を向上することができるため好ましい。乳原料の乳固形分中のリン脂質の含有量は、好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。

0032

本発明のバターケーキ改良材における上記乳原料の配合量は、上記分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し、上記乳原料に含まれる固形分が好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部となる量である。

0033

また、上記の乳原料は、牛乳ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳等の乳から製造されたものであるのが好ましく、特に牛乳から製造されたものであるのが好ましい。
上記の乳原料としては、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料であればどのようなものでも構わないが、具体的な例としてクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分が挙げられる。

0034

上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。先ず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化を破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。

0035

上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。先ず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。

0036

本発明では、上記の乳原料を更に濃縮したものや乾燥したもの、冷凍処理をしたもの等を用いることも可能であるが、溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。

0037

本発明で用いる上記の乳原料における乳固形分中のリン脂質の定量方法は、例えば以下のような方法にて測定することができる。但し、抽出方法等については、乳原料の形態等によって適正な方法が異なるため、以下の定量方法に限定されるものではない。

0038

先ず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))×25.4×(0.1/1000)

0039

また、本発明では、上記の乳原料中のリン脂質の一部又は全部がリゾ化されたリゾ化物を使用することもできる。該リゾ化物は、乳原料をそのままリゾ化したものであっても良く、また乳原料を濃縮した後にリゾ化したものであっても良い。また、得られたリゾ化物に、更に濃縮或いは噴霧乾燥処理等を施しても良い。これらのリゾ化物は本発明におけるリン脂質の含有量に含めるものとする。

0040

上記の乳原料中のリン脂質をリゾ化するには、ホスホリパーゼAで処理すれば良い。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子グリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基置換する作用を有する酵素である。ホスホリパーゼAは、作用する部位の違いによってホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とに分かれるが、ホスホリパーゼA2が好ましい。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。

0041

また、本発明では、上記の乳原料は、バターケーキの歯切れ感を更に向上させることができる点で、好ましくはpHが3〜6、より好ましくはpH4〜6、更に好ましくは4.7〜5.8となるように酸処理を行ったものであることが好ましい。

0042

上記酸処理を行うには、酸を添加する方法であっても、また、乳酸醗酵等の醗酵処理を行う方法であってもよいが、好ましくは酸を添加する。該酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよいが、有機酸であることが好ましい。該有機酸としては、酢酸乳酸クエン酸グルコン酸フィチン酸ソルビン酸アジピン酸コハク酸酒石酸フマル酸リンゴ酸アスコルビン酸等が挙げられ、果汁濃縮果汁発酵乳ヨーグルト等の有機酸を含有する飲食品も用いることができるが、本発明においてはより酸味が少なく、風味に影響しない点でフィチン酸及び/又はグルコン酸を使用することが好ましい。

0043

上記酸の添加によるpHの調整は、上記酸を上記乳原料自体に添加することにより行ってもよいし、上記乳原料と、分子量20万以下のデキストラン等のバターケーキ改良材の材料とを混合する際に、又は混合後に上記酸を添加することにより行ってもよい。

0044

また、本発明では、上記の乳原料に、リン脂質含有量1質量部あたり、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.02〜0.5質量部、更に好ましくは0.05〜0.3質量部のカルシウム塩を添加しても良い。

0045

上記カルシウム塩としては塩化カルシウム乳酸カルシウムリン酸カルシウムグルコン酸カルシウムクエン酸カルシウム炭酸カルシウムグルタミン酸カルシウムアスコルビン酸カルシウム等が例示され、このうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては得られるバターケーキ改良材の風味が良好である点で塩化カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを使用することが好ましい。

0046

また、本発明で用いる上記の乳原料は、バターケーキ生地への分散性を高めることが可能である点及び得られるバターケーキのソフト性向上効果をより高めることができる点で、均質化処理を行なったものであることが好ましい。特に上記リゾ化処理、酸処理、カルシウム塩添加を行なう場合は、その効果を高めるために均質化処理を行なうことが特に好ましい。均質化処理は1回でも良く、2回以上行っても良い。また、粘性が高い等の場合は、加水により粘度を調整してから均質化処理を行なってもよい。

0047

上記均質化処理に用いられる均質化機としては、例えば、ケトルチーズ乳、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサーインラインミキサーバブルホモジナイザーホモミキサーコロイドミルディスパーミル等が挙げられる。均質化圧力は特に制限はないが、好ましくは0〜100MPaである。2段式ホモジナイザーを用いて均質化処理をする場合は、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行っても良い。

0048

更に本発明で用いる上記の乳原料は、UHT加熱処理を行っても良い。UHT加熱処理の条件としては特に制限はないが、処理温度は好ましくは120〜150℃であり、処理時間は好ましくは1〜6秒である。

0049

このようにして得られる本発明で用いる上記の乳原料や乳原料加工品は、液状、ペースト状、粉末状、固形状等の状態のものとすることができ、本発明のバターケーキ改良材では何れの状態のものでも使用できるが、上記乳原料や乳原料加工品は、液状又はペースト状のものを使用することが、本発明の効果が安定して得られる点で好ましい。上記乳原料や乳原料加工品として粉末状又は固形状のものを使用すると、最終的に得られるバターケーキの体積が十分に出ない場合があるほか、風味が劣ったものとなる場合があるため好ましくない。

0050

本発明のバターケーキ改良材は、更に上記乳原料由来のリン脂質含量組成物基準で0.01〜2質量%であることが好ましく、0.03〜0.9質量%がより好ましく、0.06〜0.6質量%が最も好ましい。上記乳原料由来のリン脂質含量が組成物基準で0.01質量%よりも少ないとバターケーキを製造する際の添加量が多くなり、配合が大きく制限されてしまうため好ましくない。また、上記乳原料由来のリン脂質含量が組成物基準で2質量%よりも多いと組成物中での分散性が悪く、最終的に得られるバターケーキの体積が小さくなってしまう場合があるため好ましくない。

0051

本発明のバターケーキ改良材の水の含有量は、好ましくは30〜99質量%、更に好ましくは35〜97質量%、最も好ましくは40〜97質量%である。本発明のバターケーキ改良材中の水の含有量が30質量%より少ないと、バターケーキ生地へ均一に分散しにくい。また、水の含有量が99質量%よりも多いと、バターケーキの浮きが内相が悪くなり外観を損ねる上、歯切れが悪くなりやすい。尚、ここでいう水とは、水道水や天然水等の水の他、上記乳原料に含まれる水分をはじめ、下記のその他の原材料に含まれる水分も含めたものである。

0052

本発明のバターケーキ改良材は、上記分子量20万以下のデキストラン、高度分岐環状デキストリン、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料、水、油脂以外に、必要に応じその他の成分を含有させることができる。

0053

上記のその他の成分としては例えば、ゲル化剤や安定剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料澱粉類蛋白質、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料以外の乳や乳製品卵製品穀類無機塩有機酸塩キモシン等の蛋白質分解酵素トランスグルタミナーゼラクターゼβ−ガラクトシダーゼ)、α—アミラーゼグルコアミラーゼ等の糖質分解酵素ジグリセライド植物ステロール植物ステロールエステル、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー乾燥果実果肉野菜野菜汁香辛料香辛料抽出物ハーブ、高度分岐環状デキストリン以外のデキストリン類カカオ及びカカオ製品コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材着香料苦味料調味料等の呈味成分着色料保存料酸化防止剤pH調整剤強化剤等を配合してもよい。

0054

上記ゲル化剤や安定剤としては、アルギン酸アルギン酸塩ペクチンLMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物海藻エキス寒天グルコマンナンローカストビーンガムグアーガムジェランガムタラガンガムキサンタンガムカラギーナンカードランタマリンドシードガムカラヤガムタラガムトラガントガムアラビアガムカシアガムが挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
但し本発明では、得られるバターケーキの食感が歯切れ性や口溶けの悪いものになることを避けるため、上記分子量20万以下のデキストランと高度分岐環状デキストリンを合計した含有量以上のゲル化剤や安定剤は使用しないことが好ましい。

0055

上記乳化剤としては、レシチン酵素処理レシチン等の天然乳化剤グリセリン脂肪酸エステルグリセリン酢酸脂肪酸エステルグリセリン乳酸脂肪酸エステルグリセリンコハク酸脂肪酸エステルグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルショ糖酢酸イソ酪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルステアロイル乳酸カルシウムステアロイル乳酸ナトリウムポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤が挙げられる。本発明では、上記の乳化剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。乳化剤を多く用いると風味に影響することから、本発明のバターケーキ改良材における乳化剤の含有量は5質量%以下であることが好ましく、またバターケーキ生地における乳化剤の含有量は、1質量%以下であることが好ましい。

0056

上記糖類としては、ブドウ糖果糖、ショ糖、麦芽糖酵素糖化水飴乳糖還元澱粉糖化物異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖還元糖ポリデキストロースソルビトール還元乳糖トレハロースキシロースキシリトールマルチトールエリスリトールマンニトールフラクトオリゴ糖大豆オリゴ糖ガラクトオリゴ糖乳果オリゴ糖ラフィノースラクチュロースパラチノースオリゴ糖等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロースアセスルファムカリウムステビアアスパルテーム等が挙げられる。本発明では、上記の糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。

0057

本発明のバターケーキ改良材中、質量平均分子量20万以下のデキストラン、高度分岐環状デキストリン、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料、水及び油脂以外のその他の成分は、本発明の効果を損ねない範囲で任意の量で用いることができるが、好ましくは当該その他の成分は合計で、バターケーキ改良材中20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。

0058

本発明のバターケーキ改良材の製造方法としては特に制限されず、公知の方法を使用することができる。 例えば、本発明のバターケーキ改良材の形態が顆粒状、或いは粉末状の場合は、粉体混合用混合機を使用し、各原料を混合することによって得る方法や、各原料を含有する水溶液や懸濁液或いは水中油型乳化物を製造後、スプレードライフリーズドライ等により粉末化する方法を挙げることができる。

0059

また、本発明のバターケーキ改良材の形態が液状、流動状、或いはペースト状の場合は、水や食用油脂等に各原料を溶解又は分散し、必要に応じ、更に均質化することによって得ることができる。水を使用する場合を例に挙げると、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。そして、この水相を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。
該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式レトルトマイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、或いは直火等の加熱調理により行うことができる。そして冷却することにより、本発明のバターケーキ改良材が得られる。また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。

0060

次に、本発明のバターケーキ改良材が油脂(油相)を含有する場合であって、その形態が油中水型の場合の好ましい製造方法を説明する。
詳しくは、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油相を用意する。そして、この水相と油相を、好ましくは45〜75℃で予備乳化し、油中水型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。殺菌方法は、タンクでのバッチ式、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式等の何れの方法を用いてもよい。

0061

次に、冷却し、結晶化する。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−1℃/分以上とする。この際、徐冷却よりも、急速冷却の方が好ましい。尚、冷却可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型ダイアクーラーコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。
本発明のバターケーキ改良材を製造する際の何れかの工程で、窒素、空気等を含気させてもよい。

0062

次に、本発明のバターケーキ改良材が油脂(油相)を含有する場合であって、その形態が水中油型の場合の好ましい製造方法を説明する。
詳しくは、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油相を用意する。そして、この水相と油相を、好ましくは45℃〜75℃で予備乳化し、水中油型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。

0063

該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、或いは直火等の加熱処理により行うことができる。そして冷却することにより、本発明のバターケーキ改良材が得られる。 また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。

0064

次に、本発明のバターケーキ改良材を含有するバターケーキ生地について説明する
本発明のバターケーキ生地としては、上記本発明のバターケーキ改良材を含有し、主要原料として穀粉類、卵成分、糖類、油脂類を使用し、必要に応じ油脂類、水、乳化剤、ゲル化剤、膨張剤等の副原料を使用して、シュガーバッター法・フラワーバッター法、オールインミックス法、後粉法、後油法、アルファ化法等の製造で得られた各種のバターケーキ生地を挙げることができる。

0065

本発明のバターケーキ生地は、本発明のバターケーキ改良材を、バターケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して、分子量20万以下のデキストランが0.01質量部〜2質量部、好ましくは0.03質量部〜1質量部、更に好ましくは0.08〜0.6質量部となる量を含有するものである。
ここで、バターケーキ改良材の含有量が、バターケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して分子量20万以下のデキストランが2質量部よりも多いとバターケーキ生地としての配合のバランスが悪くなる場合があり、その結果歯切れや口溶けが損なわれる場合があるため好ましくない。また、バターケーキ改良材の含有量が、バターケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して分子量20万以下のデキストランが0.01質量部よりも少ないと、本発明の効果が不十分となり、特に体積が小さいものとなりやすいため好ましくない。

0066

また、本発明のバターケーキ生地における、上記バターケーキ改良材に由来するリン脂質の含有量は、バターケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して、好ましくは0.004〜0.1質量部、より好ましくは0.006〜0.07質量部、最も好ましくは0.008〜0.05質量部である。
なお、本発明のバターケーキ改良材がリン脂質として乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有する場合は、バターケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対し、乳固形分が0.02質量部〜0.8質量部、好ましくは0.03質量部〜0.3質量部となる量であることが好ましい。

0067

上記穀粉類としては、例えば、強力粉準強力粉、中力粉、薄力粉デュラム粉全粒粉等の小麦粉類ライ麦粉大麦粉、米粉等のその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ—ナッツ粉、オーナッツ粉、実粉等の堅果粉、コーンスターチタピオカ澱粉小麦澱粉甘藷澱粉サゴ澱粉米澱粉等の澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したものや、α化処理、分解処理エーテル化処理、エステル化処理架橋処理グラフト化処理等の中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
本発明のバターケーキ生地では、穀粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%使用する。

0068

上記卵成分としては、全卵、卵黄卵白加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄加糖卵白等が挙げられ、もちろんこれらの乾燥品冷凍品酵素処理品等を用いることもできる。本発明のバターケーキ生地における好ましい卵成分含有量は、上記バターケーキ生地に使用する穀粉類100質量部に対し、好ましくは50〜300質量部であり、より好ましくは80〜150質量部である。なお乾燥品を用いる場合はその乾燥前重量換算するものとする。

0069

上記糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、デキストリン等を用いることができる。本発明のバターケーキ生地における好ましい糖類含有量は、上記バターケーキ生地に使用する穀粉類100質量部に対し、好ましくは50〜300質量部であり、より好ましくは80〜150質量部である。

0070

上記油脂類としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂を使用することができる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。

0071

本発明のバターケーキ生地における好ましい油脂類の含有量(油分含量)は、本発明の上記バターケーキ改良材やその他の原材料に含まれる油分含量もあわせ、上記バターケーキ生地に使用する穀粉類100質量部に対し、油分含量が好ましくは50〜300質量部であり、より好ましくは80〜150質量部である。

0072

上記乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、大豆レシチン卵黄レシチン大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン等が挙げられる。

0073

上記ゲル化剤としては、アルギン酸、アルギン酸塩(アルギン酸アンモニウムアルギン酸カリウムアルギン酸カルシウムアルギン酸ナトリウム)、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、LMペクチン、HMペクチン、ローカストビーンガム、グアーガム、ジェランガム、タラガントガム、キサンタンガム、カラギーナン、カードラン、タマリンドシードガム、カラヤガム、タラガム、トラガントガム、アラビアガム、ゼラチン、海藻抽出物、海藻エキス、寒天等が挙げられる。

0074

上記膨張剤としては、ベーキングパウダー重曹、重炭安、炭安、イスパタ等が挙げられる。

0075

本発明のバターケーキ生地では、本発明のバターケーキ改良材、穀粉類、卵成分、糖類、油脂類、水、乳化剤、ゲル化剤、膨張剤以外に、その他の原料として一般のバターケーキに使用される原料を使用することができる。
前記その他の原料としては、甘味料、牛乳、食塩、調味料、香辛料、着香料、着色料、ココアチョコレートナッツ類、ヨーグルト、チーズ抹茶紅茶、コーヒー、豆腐、黄な粉、豆類野菜類、果実、果汁、ジャムフルーツソース果物、ハーブ、肉類魚介類、保存料、日持ち向上剤等が挙げられる。

0076

本発明のバターケーキ生地の好ましい比重は0.4〜1.2、より好ましくは0.5〜1.0である。

0077

次に、本発明のバターケーキ生地の好ましい製造方法について説明する。
本発明のバターケーキ生地は、本発明のバターケーキ改良材をバターケーキ生地の製造時に均質に練り込むことにより、製造することができる。バターケーキ生地に対する本発明のバターケーキ改良材の使用量は、バターケーキ生地で用いる穀粉類100質量部に対して、分子量20万以下のデキストランが0.01質量部〜2質量部、好ましくは0.03質量部〜1質量部、さらに好ましくは0.08質量部〜0.6質量部となる量である。

0078

上記バターケーキ改良材を添加する以外は、一般的なバターケーキ生地の製造方法と同様にして製造することができる。該バターケーキ生地の製造方法としては、シュガーバッター法やフラワーバッター法、後油法、アルファ化法、オールインミックス法、後粉法が挙げられ、どの手法で調製されたバターケーキ生地であってもよいが、シュガーバッター法で調製されたバターケーキ生地であるのが好ましい。

0079

次に、本発明のバターケーキについて説明する。
本発明のバターケーキは、上記バターケーキ生地を用いて得られるものであり、具体的には上記バターケーキ生地を加熱処理して得られるものである。該加熱処理としては焼成、フライ等が挙げられ、その温度条件についてはバターケーキの一般的な加熱条件と同様の条件で行なうことができる。

0080

次に本発明のバターケーキの改良方法について述べる。
本発明のバターケーキの改良方法は、バターケーキ生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.01質量部〜2質量部、好ましくは0.03質量部〜1質量部、さらに好ましくは0.08質量部〜0.6質量部添加するものである。なお、本発明のバターケーキの改良方法において、分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリン及び/又は乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を併用することが好ましい。

0081

以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。

0082

<バターケーキ改良材の製造>
〔実施例1〕
分子量1万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のバターケーキ改良材1とした。

0083

〔実施例2〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のバターケーキ改良材2とした。

0084

〔実施例3〕
分子量20万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のバターケーキ改良材3とした。

0085

〔比較例1〕
分子量50万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例のバターケーキ改良材4とした。

0086

〔比較例2〕
分子量500万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例のバターケーキ改良材5とした。

0087

〔実施例4〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水86質量部を添加し、更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のバターケーキ改良材6を得た。

0088

〔実施例5〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水85.97質量部を添加し、更にフィチン酸0.03質量部を添加して、pHを5.5に調整した。更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のバターケーキ改良材7を得た。

0089

〔実施例6〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から7.2質量部に、水の配合量を85.97質量部から88.78質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.02質量部に変更した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明のバターケーキ改良材8を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)

0090

〔実施例7〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から4質量部に、水の配合量を85.97質量部から91.99質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.01質量部に変更した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明のバターケーキ改良材9を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)

0091

〔実施例8〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部、高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製))4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)4質量部に水89.99質量部を添加し、更にフィチン酸0.01質量部を添加してpHを5.5に調整した。更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のバターケーキ改良材10を得た。(フィチン酸添加後のpHは、 であった。)

0092

〔実施例9〕
高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製))の配合量を4質量部から1.6質量部に、水の配合量を89.99質量部から92.39質量部に変更した以外は実施例8と同様の配合・製法で本発明のバターケーキ改良材11を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)

0093

得られたバターケーキ改良材の配合についてまとめると、下記〔表1〕の通りとなる。尚、〔表1〕中の数値は質量部である。

0094

<バターケーキ生地及びバターケーキの製造>
[実施例10〜30及び比較例3、4]
得られたバターケーキ改良材1〜11を用いて、下記の[表2]に記載の配合で、下記の製法によりバターケーキ生地及びバターケーキを製造した。尚、〔表2〕中の数値は質量部である。

0095

0096

[バターケーキの製造方法]
予め室温で柔らかくしたマーガリンをビーターで混ぜた後、上白糖水あめを加えて低速で混合し、さらに中速で泡立てた。ここに室温にもどした実施例1〜9及び比較例1,2のバターケーキ改良材を3〜4回に分けて加え混合した。同様に室温に戻した全卵を3〜4回に分けて加えて混合し、っておいた薄力粉とベーキングパウダーを加え、均等に混ぜ合わせ、バターケーキ生地を得た。
このバターケーキ生地を、生地重量が400g/個になるように紙を敷いた金属製のパウンド型に流し込み、上火185℃下火170℃で40分間焼成し、実施例10〜30及び比較例3、4のバターケーキを得た。

0097

[バターケーキの評価]
バターケーキについては「食感」「食感の経時的変化」「口溶け」の3点を15人のパネラーによる評価を実施し、喫食時の食感を以下に示す基準で評価した。結果を〔表3〕に示す。

0098

(食感)
得られたバターケーキについて、喫食時の食感を、15人のパネラーにて官能試験した。
「しっとりとしていて、歯切れもよい」、「しっとりとしているが、歯切れが悪い」、「バサバサとしているが、歯切れは良い」、及び「バサバサとしており、歯切れも悪い」の4 段階で評価し、「しっとりとしていて、歯切れもよい」に4点、「しっとりとしているが、歯切れが悪い」に3点、「バサバサとしているが、歯切れは良い」に2点、「バサバサとしており、歯切れも悪い」に1点を与え、合計点が51点以上のものを◎+、46〜50点のものを◎、37〜45点のものを○ 、28〜36点のものを△ 、15〜20点のものを×とした。

0099

(食感の経時的変化)
得られたバターケーキについて、常温(25℃)下で密閉容器中7日間保存した後、喫食した際の食感を、15人のパネラーにて官能試験を実施した。
「しっとりとしていて、歯切れもよい」、「しっとりとしているが、歯切れが悪い」、「バサバサとしているが、歯切れは良い」、及び「バサバサとしており、歯切れも悪い」の4 段階で評価し、「しっとりとしていて、歯切れもよい」に4点、「しっとりとしているが、歯切れが悪い」に3点、「バサバサとしているが、歯切れは良い」に2点、「バサバサとしており、歯切れも悪い」に1点を与え、合計点が合計点が51点以上のものを◎+、46〜50点のものを◎、37〜45点のものを○ 、28〜36点のものを△ 、15〜20点のものを×とした。

0100

(口溶け)
得られたバターケーキについて、喫食時の口溶けを、15人のパネラーにて官能試験した。
大変良好」、「良好」、「やや劣る」、及び「不良」の4 段階で評価し、「大変良好」に4点、「良好」に3点、「やや劣る」に2点、「不良」に1点を与え、合計点が合計点が51点以上のものを◎+、46〜50点のものを◎、37〜45点のものを○ 、28〜36点のものを△ 、15〜20点のものを×とした。

実施例

0101

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