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技術 シューパフ改良材及びシュー生地

出願人 株式会社ADEKA
発明者 田村岳文岡本千恵
出願日 2015年7月31日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-151770
公開日 2017年2月9日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-029049
状態 特許登録済
技術分野 ベイカリー製品及びその製造方法
主要キーワード シューケース 湿式分解法 粉体混合用 日向夏 老化耐性 卵殻粉 油分含量 アーモンド粉
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月9日)のものです。
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課題

体積内相とも良好で、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフを製造することができるシューパフ改良材及びシュー生地を提供すること。

解決手段

分子量20万以下のデキストランを含有するシューパフ改良材。本発明のシューパフ改良材は、高度分岐環状デキストリンを含有することが好ましい。また、本発明のシューパフ改良材は、乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料を含有することが好ましい。シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部含有するシュー生地。

概要

背景

シュー生地は、数あるベーカリー生地の中でも特に卵類の配合量が多いため、焼成したシューパフはヒキ(弾力)があり、歯切れの悪い食感になりやすいものであった。
また、シューパフは、澱粉糊化度が高いこと、及び、一般的に糖類を含まない生地配合であることから、もともと老化しやすいことに加え、生クリームカスタードクリーム等の冷蔵を要するクリーム充填して、冷蔵で流通販売することが一般的であるために、ベーカリー製品の中では特に老化しやすいものであり、比較的短時間で歯切れが悪化してしまう問題があった。

このシュー生地特有の食感の問題を解決するために、例えば、卵殻粉を使用する方法(例えば特許文献1参照)、未α化架橋澱粉を使用する方法(例えば特許文献2参照)、特定の油脂を使用する方法(例えば特許文献3参照)、特定のフラワーペーストを使用する方法(例えば特許文献4参照)等の方法が提案されている。

しかし、卵殻粉や未α化架橋澱粉は、焼成時のシュー生地の伸びを抑制する作用を有するため、例えば、卵殻粉を使用する方法ではシュー皮体積が小さくなってしまう問題があり、未α化架橋澱粉を使用する方法では得られるシュー皮の外観割れの大きなものとなり孔があいてしまうという問題があり、特定のフラワーペーストを使用する方法では甘味が付与されてしまうという問題があった。
一方、デキストラン製パン分野において老化防止(例えば特許文献5参照)や、冷凍障害の防止(例えば特許文献6参照)などの効果が知られているが、シューパフに対する効果は知られていない。

概要

体積・内相とも良好で、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフを製造することができるシューパフ改良材及びシュー生地を提供すること。分子量20万以下のデキストランを含有するシューパフ改良材。本発明のシューパフ改良材は、高度分岐環状デキストリンを含有することが好ましい。また、本発明のシューパフ改良材は、乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料を含有することが好ましい。シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部含有するシュー生地。なし

目的

本発明の目的は、体積・内相とも良好で、且つ、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフを製造することができるシューパフ改良材及びシュー生地を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

分子量20万以下のデキストランを含有するシューパフ改良材

請求項2

更に高度分岐環状デキストリンを含有することを特徴とする請求項1記載のシューパフ改良材。

請求項3

更に乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料を含有することを特徴とする請求項1又は2記載のシューパフ改良材。

請求項4

シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部含有するシュー生地。

請求項5

請求項4に記載のシュー生地を加熱処理したシューパフ。

請求項6

シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部添加したシュー生地を用いることを特徴とするシューパフの改良方法

技術分野

0001

本発明は、体積内相とも良好で、且つ、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフを製造することができるシューパフ改良材及びシュー生地に関する。

背景技術

0002

シュー生地は、数あるベーカリー生地の中でも特に卵類の配合量が多いため、焼成したシューパフはヒキ(弾力)があり、歯切れの悪い食感になりやすいものであった。
また、シューパフは、澱粉糊化度が高いこと、及び、一般的に糖類を含まない生地配合であることから、もともと老化しやすいことに加え、生クリームカスタードクリーム等の冷蔵を要するクリーム充填して、冷蔵で流通販売することが一般的であるために、ベーカリー製品の中では特に老化しやすいものであり、比較的短時間で歯切れが悪化してしまう問題があった。

0003

このシュー生地特有の食感の問題を解決するために、例えば、卵殻粉を使用する方法(例えば特許文献1参照)、未α化架橋澱粉を使用する方法(例えば特許文献2参照)、特定の油脂を使用する方法(例えば特許文献3参照)、特定のフラワーペーストを使用する方法(例えば特許文献4参照)等の方法が提案されている。

0004

しかし、卵殻粉や未α化架橋澱粉は、焼成時のシュー生地の伸びを抑制する作用を有するため、例えば、卵殻粉を使用する方法ではシュー皮の体積が小さくなってしまう問題があり、未α化架橋澱粉を使用する方法では得られるシュー皮の外観割れの大きなものとなり孔があいてしまうという問題があり、特定のフラワーペーストを使用する方法では甘味が付与されてしまうという問題があった。
一方、デキストラン製パン分野において老化防止(例えば特許文献5参照)や、冷凍障害の防止(例えば特許文献6参照)などの効果が知られているが、シューパフに対する効果は知られていない。

先行技術

0005

特開2005−269993号公報
特開2004−041117号公報
特開2004−267165号公報
特開2015−073473号公報
特開平06−038665号公報
特開平08−009872号公報

発明が解決しようとする課題

0006

したがって、本発明の目的は、体積・内相とも良好で、且つ、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフを製造することができるシューパフ改良材及びシュー生地を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、以前より製パン用途に使用されていた高分子量のデキストランではなく、全く反対に、低分子量のデキストランを少量添加することで、上記問題を解決可能であることを見出した。
本発明は、上記知見により得られたものであり、分子量20万以下のデキストランを含有するシューパフ改良材を提供するものである。

0008

また、本発明は、シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部含有するシュー生地を提供するものである。

0009

また、本発明は、上記シュー生地を加熱処理したシューパフを提供するものである。

0010

また、本発明は、シュー生地に含まれる穀粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部添加したシュー生地を用いることを特徴とするシューパフ改良方法を提供するものである。

発明の効果

0011

本発明のシューパフ改良材によれば、体積・内相とも良好で、且つ、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフが得られる。
また、本発明のシュー生地を焼成すると、体積・内相とも良好で、且つ、歯切れが良好で老化耐性も高いシューパフを安定して得ることができる。

0012

まず、本発明で使用するデキストランについて述べる。
デキストランとは、グルコース構成糖とし、α−1,6グリコシド結合による主鎖と、一部、α−1,4グリコシド結合及び/又はα−1,3グリコシド結合を有するという構造を有する、微生物生産する多糖類の1種である。
一般的には、乳酸菌等の細菌をショ糖を含有する培地で培養した際に、該細菌が有する又は該細菌が産生するデキストランスクラーゼによるグルコース転移反応によって生成する。また、デキストランスクラーゼを、ショ糖を含有する溶液生地に作用させることにより得られる。
なお、デキストランとしては上記のようにデキストランスクラーゼ又はそれを有する細菌を用いて得られたデキストランに加え、該デキストランを部分的に加水分解して精製した分岐構造の少ないものも市販されている。

0013

本発明のシューパフ改良材は、デキストランとして上記のいずれの方法で得られたものも用いることができ、これらのデキストランを単独又は複数を含有し、その分子量は20万以下、好ましくは10万以下、より好ましくは5万以下であるものを使用する。
ここで、デキストランの分子量が20万を超えると、得られるシューパフがもっちりした食感になってしまい、良好な歯切れが得られない。また、シュー生地の物性に影響が出てしまうという問題がある。
尚、本発明において分子量とは質量平均分子量をいう。
また、デキストランの分子量の下限は、一般的に0.5万である。デキストランの質量平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィにより測定する。

0014

本発明のシューパフ改良材における上記分子量20万以下のデキストランの配合割合は、改良材の形態や、改良材のシュー生地への添加量に依存するため、特に限定されるものではなく、0.1質量%〜100質量%の範囲から適宜選択可能であるが、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは1〜25質量%である。
ここで、本発明のシューパフ改良材における上記分子量20万以下のデキストランの配合割合が0.1質量%未満であると、少ない添加量でシューパフ改良効果を付与するというシューパフ改良材としての意義がなくなるおそれがある。

0015

本発明のシューパフ改良材の形態としては、特に制限されず、固形状、顆粒状、粉末状、ペースト状、流動状、液状、可塑性を有する状態の何れの形態であってもよいが、シュー生地へ均質に分散させることが容易である点で、ペースト状、流動状、液状、可塑性を有する状態の何れかの形態であることが好ましく、特にペースト状、流動状、液状の何れかであることが好ましい。
本発明のシューパフ改良材中の上記分子量20万以下のデキストランの存在形態は、上記分子量20万以下のデキストランが水相に溶解した形態であることが好ましい。
上記水相に使用する水としては、特に限定されず、天然水水道水等が挙げられる。

0016

また、本発明のシューパフ改良材は油相を含有するものであってもよい。
上記油相に使用する油脂としては、例えば、パーム油パーム核油ヤシ油コーン油綿実油大豆油菜種油米油ヒマワリ油サフラワー油牛脂乳脂豚脂カカオ脂魚油鯨油バターバターオイル等の各種植物油脂動物油脂並びにこれらを水素添加分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明では、上記の油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。

0017

本発明のシューパフ改良材が油相を含有する場合、油分と水分を含有する乳化油脂の形態であることが好ましい。その場合、シューパフ改良材の乳化型水中油型であっても油中水型であってもよいが、水中油型であることが好ましい。
本発明のシューパフ改良材が水中油型の形態である場合、本発明のシューパフ改良材における油分含量は、下記のその他の原材料中に含まれる油脂分も含めた油分含量が、好ましくは3質量%〜50質量%、更に好ましくは5質量%〜40質量%、より好ましくは8質量%〜40質量%であり、最も好ましくは12質量%〜30質量%となる量である。

0018

本発明のシューパフ改良材は、上記分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリンを含有することが好ましい。高度分岐環状デキストリンを併用することにより、本発明の効果をより向上させることが可能となる。
高度分岐環状デキストリンとは、内分岐環状構造部分外分岐構造部分とを有する、重合度が50以上であるグルカンであり、従来の澱粉加水分解物とは異なり、環状を構成することにより還元末端がほとんどない構造を有し、DE(デキストロース当量)は5未満であり、水溶性が高く、その溶液の透明性が高いこと、他のデキストリンと異なり分子量分布が狭いという特徴を有する。上記の内分岐環状構造部分とは、α−1,4グリコシド結合とα−1,6グリコシド結合とで形成される環状構造部分であり、上記の外分岐構造部分とは、該内分岐環状構造部分に結合した非環状構造部分である。

0019

この高度分岐環状デキストリンは、例えば、α−1,4−グルコシド結合と、α−1,6−グルコシド結合とを有する糖類と、この糖類に作用して環状構造を形成し得る酵素とを反応させて製造することができる。市販品としては「クラスターデキストリン登録商標、江崎グリコ製)」を挙げることができる。

0020

本発明のシューパフ改良材における上記高度分岐環状デキストリンの配合割合は、上記分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.2〜2質量部となる量である。
上記高度分岐環状デキストリンの配合割合が、上記分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し、0.1質量部未満であると、上記分子量20万以下のデキストランとの相乗効果が認められず、10質量部を超えると、得られるシューパフがもちもちした食感となってしまう。

0021

本発明のシューパフ改良材は、乳固形分中のリン脂質含有量が2質量%以上である乳原料を含有することが、シューパフの体積や内相はそのままに歯切れ感を向上することができるため好ましい。乳原料の乳固形分中のリン脂質の含有量は、好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、最も好ましくは5〜40質量%である。

0022

本発明のシューパフ改良材における上記乳原料の配合量は、上記分子量20万以下のデキストラン1質量部に対し、上記乳原料に含まれる固形分が、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.1〜1.5質量部となる量である。

0023

また、上記の乳原料は、牛乳ヤギ乳、ヒツジ乳、人乳等の乳から製造されたものであるのが好ましく、特に牛乳から製造されたものであるのが好ましい。
上記の乳原料としては、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料であればどのようなものでも構わないが、具体的な例としてクリーム又はバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分があげられる。

0024

上記のクリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。先ず、牛乳を遠心分離して得られる脂肪濃度30〜40質量%のクリームをプレートで加温し、遠心分離機によってクリームの脂肪濃度を70〜95質量%まで高める。次いで、乳化破壊機で乳化破壊し、再び遠心分離機で処理することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。
上記のバターからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の製造方法は、例えば以下の通りである。先ず、バターを溶解機で溶解し熱交換機で加温する。これを遠心分離機で分離することによってバターオイルが得られる。本発明で用いられる上記水相成分は、最後の遠心分離の工程でバターオイルの副産物として発生するものである。該バターオイルの製造に用いられるバターとしては、通常のものが用いられる。
本発明では、上記の乳原料を更に濃縮したものや乾燥したもの、冷凍処理をしたもの等を用いることも可能であるが、溶剤を用いて濃縮したものは風味上の問題から用いないことが好ましい。

0025

本発明で用いる上記の乳原料における乳固形分中のリン脂質の定量方法は、例えば以下の方法にて測定することができる。但し、抽出方法等については、乳原料の形態等によって適正な方法が異なるため、以下の定量方法に限定されるものではない。
先ず、乳原料の脂質をFolch法を用いて抽出する。次いで、抽出した脂質溶液湿式分解法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載の湿式分解法に準じる)にて分解した後、モリブデンブルー吸光度法(日本薬学会編、衛生試験法・注解2000 2.1食品成分試験法に記載のリンモリブデン酸による定量に準じる)によりリン量を求める。求められたリン量から以下の計算式を用いて乳原料の乳固形分100g中のリン脂質の含有量(g)を求める。
リン脂質(g/100g)=〔リン量(μg)/(乳原料−乳原料の水分(g))×25.4×(0.1/1000)

0026

また、本発明では、上記の乳原料中のリン脂質の一部又は全部がリゾ化されたリゾ化物を使用することもできる。該リゾ化物は、乳原料をそのままリゾ化したものであっても良く、また乳原料を濃縮した後にリゾ化したものであっても良い。また、得られたリゾ化物に、更に濃縮或いは噴霧乾燥処理等を施しても良い。これらのリゾ化物は本発明におけるリン脂質の含有量に含めるものとする。

0027

上記の乳原料中のリン脂質をリゾ化するには、ホスホリパーゼAで処理すれば良い。ホスホリパーゼAは、リン脂質分子グリセロール部分と脂肪酸残基とを結びつけている結合を切断し、この脂肪酸残基を水酸基置換する作用を有する酵素である。ホスホリパーゼAは、作用する部位の違いによってホスホリパーゼA1とホスホリパーゼA2とに分かれるが、ホスホリパーゼA2が好ましい。ホスホリパーゼA2の場合、リン脂質分子のグリセロール部分の2位の脂肪酸残基が選択的に切り離される。

0028

また、本発明では、上記の乳原料は、シューパフの歯切れ感を更に向上させることができる点で、好ましくはpHが3〜6、より好ましくはpH4〜6、更に好ましくは4.7〜5.8となるように酸処理を行ったものであることが好ましい。

0029

上記酸処理を行うには、酸を添加する方法であっても、また、乳酸醗酵等の醗酵処理を行う方法であってもよいが、好ましくは酸を添加する。該酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよいが、有機酸であることが好ましい。該有機酸としては、酢酸乳酸クエン酸グルコン酸フィチン酸ソルビン酸アジピン酸コハク酸酒石酸フマル酸リンゴ酸アスコルビン酸等が挙げられ、果汁濃縮果汁発酵乳ヨーグルト等の有機酸を含有する飲食品も用いることができるが、本発明においてはより酸味が少なく、風味に影響しない点でフィチン酸及び/又はグルコン酸を使用することが好ましい。
上記酸の添加によるpHの調整は、上記酸を上記乳原料自体に添加することにより行ってもよいし、上記乳原料と、分子量20万以下のデキストラン等のシューパフ改良材の材料とを混合する際に、又は混合後に上記酸を添加することにより行ってもよい。

0030

また、本発明では、上記の乳原料に、リン脂質含有量1質量部あたり、好ましくは0.01〜1質量部、より好ましくは0.02〜0.5質量部、更に好ましくは0.05〜0.3質量部のカルシウム塩を添加しても良い。
上記カルシウム塩としては塩化カルシウム乳酸カルシウムリン酸カルシウムグルコン酸カルシウムクエン酸カルシウム炭酸カルシウムグルタミン酸カルシウムアスコルビン酸カルシウム等が例示され、このうち1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、本発明においては得られるシューパフの風味が良好である点で塩化カルシウム及び/又は乳酸カルシウムを使用することが好ましい。

0031

また、本発明で用いる上記の乳原料は、シュー生地への分散性を高めることが可能である点及び得られるシューパフのソフト性向上効果をより高めることができる点で、均質化処理を行なったものであることが好ましい。特に上記リゾ化処理、酸処理、カルシウム塩添加を行なう場合は、その効果を高めるために均質化処理を行なうことが特に好ましい。均質化処理は1回でも良く、2回以上行っても良い。また、粘性が高い等の場合は、加水により粘度を調整してから均質化処理を行なってもよい。

0032

上記均質化処理に用いられる均質化機としては、例えば、ケトルチーズ乳、ステファンミキサーの様な高速せん断乳化釜、スタティックミキサーインラインミキサーバブルホモジナイザーホモミキサーコロイドミルディスパーミル等があげられる。均質化圧力は特に制限はないが、好ましくは0〜100MPaである。2段式ホモジナイザーを用いて均質化処理をする場合は、例えば、1段目3〜100MPa、2段目0〜5MPaの均質化圧力にて行っても良い。

0033

更に本発明で用いる上記の乳原料は、UHT加熱処理を行っても良い。UHT加熱処理の条件としては特に制限はないが、処理温度は好ましくは120〜150℃であり、処理時間は好ましくは1〜6秒である。

0034

このようにして得られる本発明で用いる上記の乳原料や乳原料加工品は、液状、ペースト状、粉末状、固形状等の状態のものとすることができ、本発明のシューパフ改良材では何れの状態のものでも使用できるが、上記乳原料や乳原料加工品は、液状又はペースト状のものを使用することが、本発明の効果が安定して得られる点で好ましい。上記乳原料や乳原料加工品として粉末状又は固形状のものを使用すると、最終的に得られるシューパフの体積が十分に出ない場合があるほか、風味が劣ったものとなる場合があるため好ましくない。

0035

本発明のシューパフ改良材は、更に上記乳原料由来リン脂質含量組成物基準で0.01〜2質量%であることが好ましく、0.03〜0.9質量%がより好ましく、0.06〜0.6質量%が最も好ましい。上記乳原料由来のリン脂質含量が組成物基準で0.01質量%よりも少ないとシューパフを製造する際の添加量が多くなり、配合が大きく制限されてしまうため好ましくない。また、上記乳原料由来のリン脂質含量が組成物基準で2質量%よりも多いと組成物中での分散性が悪く、最終的に得られるシューパフの体積が小さくなってしまう場合があるため好ましくない。

0036

本発明のシューパフ改良材の水の含有量は、好ましくは30〜99質量%、更に好ましくは35〜97質量%、最も好ましくは40〜97質量%である。本発明のシューパフ改良材中の水の含有量が30質量%より少ないと、シュー生地へ均一に分散しにくい。また、水の含有量が99質量%よりも多いと、シューパフの内相が悪くなりやすい。尚、ここでいう水とは、水道水や天然水等の水の他、上記乳原料に含まれる水分をはじめ、下記のその他の原材料に含まれる水分も含めたものである。

0037

本発明のシューパフ改良材は、上記分子量20万以下のデキストラン、高度分岐環状デキストリン、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料、水、油脂以外に、必要に応じその他の成分を含有していてもよい。
上記のその他の成分としては例えば、ゲル化剤や安定剤、乳化剤金属イオン封鎖剤、糖類・甘味料澱粉類蛋白質、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料以外の乳や乳製品卵製品穀類無機塩有機酸塩キモシン等の蛋白質分解酵素トランスグルタミナーゼラクターゼβ−ガラクトシダーゼ)、α—アミラーゼグルコアミラーゼ等の糖質分解酵素ジグリセライド植物ステロール植物ステロールエステル、果汁、濃縮果汁、果汁パウダー乾燥果実果肉野菜野菜汁香辛料香辛料抽出物ハーブ、高度分岐環状デキストリン以外のデキストリン類カカオ及びカカオ製品コーヒー及びコーヒー製品、その他各種食品素材着香料苦味料調味料等の呈味成分着色料保存料酸化防止剤pH調整剤強化剤等を配合してもよい。

0038

上記ゲル化剤や安定剤としては、アルギン酸アルギン酸塩ペクチンLMペクチン、HMペクチン、海藻抽出物海藻エキス寒天グルコマンナンローカストビーンガムグアーガムジェランガムタラガンガムキサンタンガムカラギーナンカードランタマリンドシードガムカラヤガムタラガムトラガントガムアラビアガムカシアガムが挙げられる。本発明では、上記ゲル化剤や安定剤の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
但し本発明では、得られるシューパフの体積の減少を防ぎ、食感が歯切れ性の悪化、更には口溶けの悪いものになることを避けるため、上記分子量20万以下のデキストランと高度分岐環状デキストリンを合計した含有量以上のゲル化剤や安定剤は使用しないことが好ましい。

0040

上記糖類としては、ブドウ糖果糖、ショ糖、麦芽糖酵素糖化水飴乳糖還元澱粉糖化物異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖還元糖ポリデキストロースソルビトール還元乳糖トレハロースキシロースキシリトールマルチトールエリスリトールマンニトールフラクトオリゴ糖大豆オリゴ糖ガラクトオリゴ糖乳果オリゴ糖ラフィノースラクチュロースパラチノースオリゴ糖等が挙げられる。また、上記甘味料としては、スクラロースアセスルファムカリウムステビアアスパルテーム等が挙げられる。本発明では、上記の糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。

0041

本発明のシューパフ改良材中、質量平均分子量20万以下のデキストラン、高度分岐環状デキストリン、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料、水及び油脂以外のその他の成分は、本発明の効果を損ねない範囲で任意の量で用いることができるが、好ましくは当該その他の成分は合計で、シューパフ改良材中20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好まく、5質量%以下であることがさらに好ましい。

0042

本発明のシューパフ改良材の製造方法としては特に制限されず、公知の方法を使用することができる。
例えば、本発明のシューパフ改良材の形態が顆粒状、或いは粉末状の場合は、粉体混合用混合機を使用し、各原料を混合することによって得る方法や、各原料を含有する水溶液や懸濁液或いは水中油型乳化物を製造し、製造した水溶液等をスプレードライフリーズドライ等により粉末化する方法を挙げることができる。

0043

また、本発明のシューパフ改良材の形態が液状、流動状、或いはペースト状の場合は、水や食用油脂等に各原料を溶解又は分散し、必要に応じ、更に均質化することによって得ることができる。水を使用する場合を例に挙げると、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。そしてこの水相を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。
該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式レトルトマイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、或いは直火等の加熱調理により行うことができる。そして前記水相を冷却することにより、本発明のシューパフ改良材が得られる。
また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。

0044

次に、本発明のシューパフ改良材が油脂(油相)を含有する場合であって、その形態が油中水型の場合の好ましい製造方法を説明する。
詳しくは、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油相を用意する。そして、この水相と油相を、好ましくは45〜75℃で予備乳化し、油中水型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。殺菌方法は、タンクでのバッチ式、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式等の何れの方法を用いてもよい。
次に、前記予備乳化物を冷却し、結晶化することにより油中水型の本発明のシューパフ改良材が得られる。好ましくは冷却可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、更に好ましくは−1℃/分以上とする。この際、徐冷却よりも、急速冷却の方が好ましい。尚、冷却可塑化する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型ダイアクーラーコンプレクターとの組み合わせも挙げられる。

0045

本発明のシューパフ改良材を製造する際の何れかの工程で、窒素、空気等を含気させてもよい。

0046

次に、本発明のシューパフ改良材が油脂(油相)を含有する場合であって、その形態が水中油型の場合の好ましい製造方法を説明する。
詳しくは、先ず水に、分子量20万以下のデキストランを溶解し、必要に応じ更にその他の水溶性の原料を溶解させた水相を用意する。一方、食用油脂に油溶性の原料を溶解させた油相を用意する。そして、この水相と油相を、好ましくは45℃〜75℃で予備乳化し、水中油型の予備乳化物を得る。次いでこの予備乳化物を殺菌することが好ましい。尚、本発明における殺菌には滅菌も含む。
該殺菌は、インジェクション式、インフュージョン式等の直接加熱方式、或いはプレート式・チューブラー式・掻き取り式等の間接加熱方式を用いたUHT・HTST・バッチ式、レトルト、マイクロ波加熱等の加熱滅菌若しくは加熱殺菌処理、或いは直火等の加熱処理により行うことができる。そして前記予備乳化物を冷却することにより、本発明のシューパフ改良材が得られる。
また、殺菌する前又は後で、ホモジナイザーにより均質化しても良い。均質化処理を行う場合の均質化圧力は、3MPa〜30MPaとするのが好ましい。

0047

次に、本発明のシュー生地について説明する。
本発明のシュー生地は、シュー生地で用いる澱粉類100質量部に対して、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部、好ましくは0.1質量部〜1.5質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部含有するものである。

0048

なお、本発明のシュー生地は上述のとおり、さらに高度分岐環状デキストリンを含有することが好ましく、その場合は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、高度分岐環状デキストリンを0.05質量部〜10質量部、好ましくは0.1質量部〜4.5質量部含有することが好ましい。

0049

さらに、本発明のシュー生地は上述のとおり、乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有することが好ましく、その場合は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、前記乳原料を、乳固形分が0.06質量部〜1.2質量部、好ましくは0.1質量部〜1.0質量部となるように含有することが好ましい。

0050

上記澱粉類としては、例えば、強力粉準強力粉、中力粉、薄力粉デュラム粉全粒粉等の小麦粉類ライ麦粉大麦粉、米粉等のその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ—ナッツ粉、オーナッツ粉、実粉等の堅果粉、コーンスターチタピオカ澱粉小麦澱粉甘藷澱粉サゴ澱粉米澱粉等の澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼ等の酵素で処理したものや、α化処理、分解処理エーテル化処理、エステル化処理架橋処理グラフト化処理等の中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
本発明のシュー生地では、澱粉類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%使用する。

0051

本発明のシュー生地としては、上記本発明のシューパフ改良材を添加する以外は従来の一般的なシュー生地と同様、澱粉類、油脂類卵成分及び水を主要原料とし、澱粉の糊化作用を利用して得られる従来のシュー生地に使用する原材料を、特に制限なく用いることができる。
上記シュー生地で使用する油脂類としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、シア脂マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂、また、それらを使用して得られたバター、マーガリン、ショートニング液状油ラード、ヘット、クリーム等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。

0052

さらに、上記シュー生地で使用する卵成分としては、全卵黄卵白加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄加糖卵白乾燥全卵乾燥卵白乾燥卵黄凍結全卵凍結卵黄凍結卵白凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄等を用いることができ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
なお、上記シュー生地中の水は、その一部又は全部を、下記の任意の原材料に記載の例えば、牛乳、クリーム、果汁等の、水を多く含む食品や食品素材で置換しても良い。

0053

また、上記シュー生地には、本発明の目的の範囲内で所望により上記成分以外の任意の原材料を配合することができる。上記のシュー生地に使用できる上記成分以外の原材料としては、例えば、上白糖グラニュー糖粉糖液糖・ブドウ糖・果糖・ショ糖・麦芽糖・乳糖・酵素糖化水飴・還元澱粉糖化物・異性化液糖・ショ糖結合水飴・オリゴ糖・還元糖ポリデキストロース・還元乳糖・ソルビトール・トレハロース・キシロース・キシリトール・マルチトール・エリスリトール・マンニトール・フラクトオリゴ糖・大豆オリゴ糖・ガラクトオリゴ糖・乳果オリゴ糖・ラフィノース・ラクチュロース・パラチノースオリゴ糖等の糖類、牛乳・クリーム・部分脱脂乳・脱脂乳・発酵乳・乳酸菌飲料乳飲料加工乳チーズ・濃縮ホエイ濃縮乳脱脂濃縮乳無糖練乳・無糖脱脂練乳加糖練乳加糖脱脂練乳・全粉乳脱脂粉乳クリームパウダーホエイパウダー・蛋白質濃縮ホエイパウダー・バターミルクパウダー加糖粉乳調製粉乳等の乳や乳製品、岩塩精製塩・天塩等の食塩カゼインカルシウムカゼインナトリウムカゼインカリウム等の乳蛋白、アミラーゼ・プロテアーゼアミログルコシダーゼプルラナーゼペントサナーゼ・セルラーゼヘミセルラーゼリパーゼホスフォリパーゼカタラーゼリポキシゲナーゼアスコルビン酸オキシダーゼスルフィドリルオキシダーゼヘキソースオキシダーゼグルコースオキシダーゼ等の酵素、グリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・グリセリン有機酸脂肪酸エステル・レシチン・ショ糖脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム等の乳化剤、重炭酸アンモニウム重曹・バーキングパウダーイスパタ等の膨張剤、アスコルビン酸・シスチン等の酸化剤や還元剤トコフェロール茶抽出物アスコルビン酸脂肪酸エステル等の酸化防止剤、β—カロチンカラメル紅麹色素等の着色料類、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料塩化カリウム等の呈味剤、調味料、pH調整剤、食品保存料日持ち向上剤果実、果汁、コーヒー、紅茶緑茶ウーロン茶プアール茶日向夏柚子茶ナッツペースト、香辛料、カカオマスココアパウダー、コーヒー、紅茶、デキストリン類、野菜類肉類酒類魚介類等の食品素材、着香料等が挙げられる。

0054

上記シュー生地中における各成分の使用量は、特に制限されるものではないが、通常、澱粉類100質量部に対し、油脂類50〜150質量部、卵成分100〜300質量部(ただし卵類として乾燥品を使用する場合は乾燥前質量に換算するものとする)、水100〜250質量部、任意の食品や添加物(合計量)100質量部以下が適当である。

0055

次に、本発明のシュー生地を製造する方法について以下に述べる。
本発明のシュー生地は、本発明のシューパフ改良材をシュー生地の製造時に練り込むことにより、製造することができる。シュー生地に対する本発明のシューパフ改良材の使用量は、シュー生地で用いる澱粉類100質量部に対して、分子量20万以下のデキストランが0.02質量部〜3質量部、好ましくは0.1質量部〜1.5質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部となる量である。
なお、本発明のシューパフ改良材が、分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリン及び/又は乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を含有する場合の使用量は、上述のとおりである。

0056

本発明のシュー生地の製造方法は、本発明のシューパフ改良材をシュー生地の製造時に練り込む以外は特に限定されない。例えば、水、油脂類、食塩等を大きめボール等の容器に入れ煮沸させ、薄力粉、強力粉等の澱粉類を加え混合撹拌し、十分糊化させて、これに卵成分を数回に分けて加え均一に混合し、さらに上記シューパフ改良材を加え均一に混合することによって得ることができる。なお、上記シューパフ改良材の添加時期は、糊化の前、糊化の後の卵類の混合前、卵類の混合後のいずれの段階であってもよいが、好ましくは上述のように、卵類の混合後に添加することが好ましい。なお、シュー生地に糖類を配合する場合については、糊化前に添加すると糊化抑制作用によりシューパフのボリュームが低下するため、穀粉類の糊化後の添加混合が好ましい。なお、穀粉類として糊化澱粉や糊化穀粉を使用する場合は、特に加熱することなく上記原材料を混合した、いわゆるインスタントシュー生地としてもよい。

0057

次に、本発明のシューパフについて説明する。
本発明のシューパフは、本発明のシューパフ生地を焼成、フライ、蒸しなどの加熱処理、好ましくは焼成することにより得られたものである。
なお、シューパフ生地を焼成する際は、通常、天板あるいはコンベア上に積置するが、焼型に入れて焼成してもよい。焼成する際の温度は、通常のシューケース同様、好ましくは160℃〜250℃、より好ましくは170℃〜220℃である。焼成温度が160℃未満であると火どおりが悪く、焼成時間が延びてしまうことに加え、落ちが発生するおそれがある。また焼成温度が250℃を超えると、シューパフが焦げついてしまい、外観が悪化することに加え体積も劣ったものとなってしまうおそれがある。なお、焼成時に蓋をかぶせる等の方法で蒸気圧を高めた状態で焼成することで、さらに容積の大きなシューケースとすることも可能である。

0058

次に本発明のシューパフの改良方法について述べる。
本発明のシューパフの改良方法は、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、分子量20万以下のデキストランを0.02質量部〜3質量部、好ましくは0.1質量部〜1.5質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部添加したシュー生地を用いるものである。
なお、本発明のシューパフの改良方法において、分子量20万以下のデキストランに加え、高度分岐環状デキストリン及び/又は乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を添加することが好ましい。
高度分岐環状デキストリンを添加する場合、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、0.05質量部〜10質量部、好ましくは0.1質量部〜4.5質量部となる量を添加することが好ましい。
乳固形分中のリン脂質の含有量が2質量%以上である乳原料を添加する場合、シュー生地に含まれる澱粉類100質量部に対し、乳固形分として0.06質量部〜1.2質量部、好ましくは0.1質量部〜1.0質量部を添加することが好ましい。

0059

以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。

0060

<シューパフ改良材の製造>
〔実施例1〕
分子量1万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のシューパフ改良材1とした。

0061

〔実施例2〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のシューパフ改良材2とした。

0062

〔実施例3〕
分子量20万のデキストラン(名糖産業製)2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを本発明のシューパフ改良材3とした。

0063

〔比較例1〕
分子量50万のデキストラン2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例のシューパフ改良材4とした。

0064

〔比較例2〕
分子量500万のデキストラン2質量部を水道水98質量部に溶解し、これを比較例のシューパフ改良材5とした。

0065

〔実施例4〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水86質量部を添加し、更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材6を得た。

0066

〔実施例5〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)10質量部に水85.97質量部を添加し、更にフィチン酸0.03質量部を添加して、pHを5.5に調整した。更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材7を得た。

0067

〔実施例6〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から7.2質量部に、水の配合量を85.97質量部から88.78質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.02質量部に変更した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明のシューパフ改良材8を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)

0068

〔実施例7〕
クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物の配合量を10質量部から4質量部に、水の配合量を85.97質量部から91.99質量部に、フィチン酸の添加量を0.03質量部から0.01質量部に変更した以外は実施例5と同様の配合・製法で本発明のシューパフ改良材9を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)

0069

〔実施例8〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)2質量部、高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製))4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)4質量部に水89.99質量部を添加し、更にフィチン酸0.01質量部を添加してpHを5.5に調整した。更にこれをホモジナイザーにて均質化圧力3MPaにて均質化後、UHT加熱処理(142℃、4秒)を行った。そして、再度、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材10を得た。

0070

〔実施例9〕
高度分岐環状デキストリン(商品名「クラスターデキストリン」(江崎グリコ製))の配合量を4質量部から1.6質量部に、水の配合量を89.99質量部から92.39質量部に変更した以外は実施例8と同様の配合・製法で本発明のシューパフ改良材11を得た。(フィチン酸添加後のpHは、5.5であった。)

0071

<シュー生地及びシューパフの製造>
[実施例10〜25及び比較例3〜5]
得られたシューパフ改良材1〜11を用いて、下記の[表1]に記載の配合で、下記の製法によりシュー生地及びシューパフを製造した。尚、表1中の数値は質量部である。

0072

[シュー生地の配合]

0073

[シューパフの製造方法]
水及びシューマーガリンをミキサーボウル投入し軽く混合後、加熱し沸騰させたところに、薄力粉を加え、木へらで1分撹拌しながら、十分に糊化させた。縦型ミキサーにこのミキサーボウルをセットし、ビーターを使用し、高速で2分ミキシングした。さらに全卵(正味)及び重炭安を3回に分けて投入し、投入毎に中速で1分ミキシングし、さらに、上記シューパフ改良材を添加し、低速で1分ミキシングして均一な生地とした。
平天板に上記シュー生地を30g絞り、固定オーブンで上火190℃、下火200℃で15分焼成後、上火と下火を切り替え、さらに上火190℃、下火180℃で15分焼成し、シューケースを得た。
得られたシューパフについては下記の評価に供した。

0074

[シューパフの評価]
得られたシューパフの体積及び内相を下記の評価基準に従って評価を行い、表2に結果を示した。
(評価基準)
◎:膨らみが非常に良好であり、部屋別れのない大きな単一の空洞を有する。
○:膨らみが良好であり、部屋別れのない単一の空洞を有する。
△:膨らみが不十分であり、体積がやや小さい。
×:膨らみが悪く、体積が非常に小さい。

0075

さらに、得られたシューパフを室温1時間放冷後、フラワーペースト(「パリッシュ703」(株式会社ADEKA製))とホイップクリーム(「ピュアブレンドホイップ」(株式会社ADEKA製))を80:20の質量比で混合したフィリングクリームを充填し、これを5℃で2時間、及び、26時間置いた後に、10人のパネラーに、試食させ、食感(歯切れ)について、下記評価基準に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点をだし、40〜50点:◎、30〜39点:○+、20〜29点:○、10〜19点:△、0〜9点:×として、同じく表2に結果を示した。
(評価基準)
・歯切れ
5点:非常に歯切れが良い。
3点:歯切れが良い。
1点:歯切れが悪い。
0点:非常に歯切れが悪い。

0076

0077

<油脂を含むシュー生地及びシューパフの製造>
〔実施例26〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、シュガーエステル0.1質量部を水75.9質量部に添加、分散・溶解し、水相を得た。ここにパーム分別軟部油20質量部からなる油相を添加・混合、乳化し、予備乳化物を得た。該予備乳化物をUHT加熱処理(142℃、4秒)を行った後、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材12を得た。

0078

〔実施例27〕
分子量4万のデキストラン(名糖産業製)4質量部、クリームからバターオイルを製造する際に生じる水相成分の濃縮物(乳固形分38質量%、乳固形分中のリン脂質の含有量9.8質量%)7.2質量部、シュガーエステル0.1質量部を水68.68質量部に添加、分散・溶解し、更にフィチン酸0.02質量部を添加してpHを5.5に調整した水相を得た。ここにパーム分別軟部油20質量部からなる油相を添加、混合、乳化し、予備乳化物を得た。該予備乳化物をUHT加熱処理(142℃、4秒)を行った後、ホモジナイザーにて均質化圧力12MPaにて均質化を行った。これを5〜10℃に冷却し本発明のシューパフ改良材13を得た。

0079

<シュー生地及びシューパフの製造>
[実施例28〜30及び比較例6]
得られたシューパフ改良材12及び13並びに実施例6で得られたシューパフ改良材8を用いて、下記の[表3]に記載の配合で、上記の製法によりシュー生地及びシューパフを製造した。尚、表3中の数値は質量部である。

0080

[シュー生地の配合]

0081

[シューパフの製造方法]
水及びシューマーガリンをミキサーボウルに投入し軽く混合後、加熱し沸騰させたところに、薄力粉を加え、木へらで1分撹拌しながら、十分に糊化させた。縦型ミキサーにこのミキサーボウルをセットし、ビーターを使用し、高速で2分ミキシングした。さらに全卵(正味)、重炭安及び重曹を3回に分けて投入し、投入毎に中速で1分ミキシングし、さらに、上記シューパフ改良材を添加し、低速で1分ミキシングして均一な生地とした。
平天板に上記シュー生地を30g絞り、固定オーブンで上火190℃、下火200℃で15分焼成後、上火と下火を切り替え、さらに上火190℃、下火180℃で15分焼成し、シューケースを得た。
得られたシューパフについは下記の評価に供した。

0082

[シューパフの評価]
得られたシューパフの体積及び内相を下記の評価基準に従って評価を行い、表4に結果を示した。
(評価基準)
◎:膨らみが非常に良好であり、部屋別れのない大きな単一の空洞を有する。
○:膨らみが良好であり、部屋別れのない単一の空洞を有する。
△:膨らみが不十分であり、体積がやや小さい。
×:膨らみが悪く、体積が非常に小さい。

0083

さらに、得られたシューパフを室温1時間放冷後、フラワーペースト(「パリッシュ703」(株式会社ADEKA製))とホイップクリーム(「ピュアブレンドホイップ」(株式会社ADEKA製))を80:20の質量比で混合したフィリングクリームを充填し、これを5℃で2時間、及び、26時間置いた後に、10人のパネラーに試食させ、食感(歯切れ)について、下記評価基準に従って官能評価をさせ、10人のパネラーの合計点をだし、40〜50点:◎、30〜39点:○+、20〜29点:○、10〜19点:△、0〜9点:×として、同じく表4に結果を示した。

0084

(評価基準)
・歯切れ
5点:非常に歯切れが良い。
3点:歯切れが良い。
1点:歯切れが悪い。
0点:非常に歯切れが悪い。

実施例

0085

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