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技術 フェーズドアレーアンテナ

出願人 株式会社NTTドコモ
発明者 福田敦史岡崎浩司垂澤芳明
出願日 2015年7月22日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-144773
公開日 2017年2月2日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2017-028488
状態 特許登録済
技術分野 可変指向性アンテナ、アンテナ配列 無線伝送方式一般(ダイバーシチ方式等)
主要キーワード 固定遅延器 参考形態 位相差測定器 側側波帯 中間増幅器 単極双投スイッチ 規模縮小 固定移相器
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図面 (14)

課題

送波周波数に関係なく、廉価でありながら高い移相精度を持つ移相器を使用できる構成を持つフェーズドアレーアンテナを提供する。

解決手段

N個(N≧2)のアンテナ素子900と、N個のアンテナ素子のそれぞれに対応する位相を持つN個の搬送波を用いて、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号変調または復調を行う信号変換部920とを含むフェーズドアレーアンテナ1において、搬送波周波数より低い周波数を持つ第1ローカル信号を生成する第1発振器960と、第1ローカル信号の周波数より高い周波数を持つ第2ローカル信号を生成する信号生成部10Bと、第1ローカル信号がN等分配されそれぞれが対応するアンテナ素子に対応する位相を持つように各位相を制御する位相制御部10Aと、位相制御部10AからのN個の出力のそれぞれと第2ローカル信号との周波数混合を行いN個の搬送波を生成する搬送波生成部120とを含む。

概要

背景

近年、ミリ波帯(30GHz〜300GHz)や準ミリ波帯(明確な定義はないがおよそ20GHz〜30GHz)での通信技術が活発に検討されている。ミリ波帯や準ミリ波帯での通信技術の一つに、フェーズドアレーアンテナがある。従来のフェーズドアレーアンテナの一例として特許文献1に開示されているものが知られている。

特許文献1の図21に開示されているフェーズドアレーアンテナをブランチ数が2の場合に再構成した例を図13に示す。なお、図13では、フィルタ増幅器(例えば緩衝増幅器中間増幅器)など、実際には使用されるが従来技術の説明と理解において非本質的な回路構成要素を省略している。図13に示す例に基づいて、従来の技術水準のフェーズドアレーアンテナについて説明する。

図13に示すフェーズドアレーアンテナ99は、
1)2個のアンテナ素子900−1,900−2と、
2)周波数fRの無変調連続波を生成する第1発振器960と、
3)第1発振器960の出力を2等分配する第1分配器950と、
4)第1分配器950の2個の出力のそれぞれが2個のアンテナ素子900−1,900−2のうち対応するアンテナ素子に対応する位相θ1,θ2を持つように(つまり、第1分配器950の一方の出力が、これに対応する一方のアンテナ素子900−1に対応する位相θ1を持ち、第1分配器950の他方の出力が、これに対応する他方のアンテナ素子900−2に対応する位相θ2を持つように)、第1分配器950の2個の出力のそれぞれの位相を制御する2個の可変移相器940−1,940−2と(この例では、可変移相器940−1が、第1分配器950の一方の出力の位相を位相θ1に移相する制御を行い、可変移相器940−2が、第1分配器950の他方の出力の位相を位相θ2に移相する制御を行う)、
5)2個のアンテナ素子900−1,900−2のそれぞれに対応する位相θ1,θ2(一方のアンテナ素子900−1に対応する位相はθ1であり、他方のアンテナ素子900−2に対応する位相はθ2である)を持つ2個の搬送波(つまり、2個の可変移相器940−1,940−2の出力)を用いて、2個のアンテナ素子900−1,900−2に対応する2個の入力信号変調または復調を行う信号変換部と(この例では、当該信号変換部は、2個の信号変換器920−1,920−2で構成されており、一方の信号変換器920−1が、一方のアンテナ素子900−1に対応する入力信号の変調または復調を行い、他方の信号変換器920−2が、他方のアンテナ素子900−2に対応する入力信号の変調または復調を行う)、
6)2個の増幅器910−1,910−2と、
7)第3分配器930と
を含んでいる。

なお、この構成では、記載上、1個の発振器を含む構成でありながら敢えて「第1発振器」との呼称を用い、また、この構成では、記載上、2個の分配器を含む構成でありながら敢えて「第1分配器」、「第3分配器」と連番ではない呼称を用いている理由は、後に説明する本発明との対比をし易くするためである。

フェーズドアレーアンテナ99が送信機として機能する場合:
第3分配器930は入力されたベースバンド信号を2等分配する。第3分配器930の2個の出力が、信号変換器920−1,920−2に入力される上記「2個の入力信号」に相当する。つまり、第3分配器930のk番目の出力は、k番目の信号変換器920−kに入力される。これ以降、kは1以上N以下の各整数を表すとする。また、一方の増幅器910−1は、一方の信号変換器920−1の出力を増幅する。一方の増幅器910−1の出力は、一方のアンテナ素子900−1に供給される。他方の増幅器910−2は、他方の信号変換器920−2の出力を増幅する。他方の増幅器910−1の出力は、他方のアンテナ素子900−1に供給される。

フェーズドアレーアンテナ99が受信機として機能する場合:
一方の増幅器910−1は、一方のアンテナ素子900−1からの信号を増幅する。一方の増幅器910−1の出力は、一方の信号変換器920−1の上記「2個の入力信号」の一方の入力信号に相当する。他方の増幅器910−2は、他方のアンテナ素子900−2からの信号を増幅する。他方の増幅器910−2の出力は、他方の信号変換器920−2の上記「2個の入力信号」の他方の入力信号に相当する。第3分配器930は2個の信号変換器920−1,920−2の出力を合成してベースバンド信号を出力する。なお、第3分配器930は、通常、合成器としての機能を持つ(第3分配器を第3合成器と呼称しても差し支えない)。

また、特許文献1によると、搬送波の周波数に限定は無いとされている。

概要

搬送波の周波数に関係なく、廉価でありながら高い移相精度を持つ移相器を使用できる構成を持つフェーズドアレーアンテナを提供する。N個(N≧2)のアンテナ素子900と、N個のアンテナ素子のそれぞれに対応する位相を持つN個の搬送波を用いて、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号の変調または復調を行う信号変換部920とを含むフェーズドアレーアンテナ1において、搬送波周波数より低い周波数を持つ第1ローカル信号を生成する第1発振器960と、第1ローカル信号の周波数より高い周波数を持つ第2ローカル信号を生成する信号生成部10Bと、第1ローカル信号がN等分配されそれぞれが対応するアンテナ素子に対応する位相を持つように各位相を制御する位相制御部10Aと、位相制御部10AからのN個の出力のそれぞれと第2ローカル信号との周波数混合を行いN個の搬送波を生成する搬送波生成部120とを含む。

目的

本発明は、搬送波の周波数に関係なく、廉価でありながら高い移相精度を持つ移相器を使用できる構成を持つフェーズドアレーアンテナを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

N個(ただし、Nは2以上の予め定められた整数とする)のアンテナ素子と、上記N個のアンテナ素子のそれぞれに対応する位相を持つN個の搬送波を用いて、上記N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号変調または復調、あるいは、上記N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号が当該搬送波の周波数よりも低い変調信号または当該搬送波の周波数よりも高い復調信号の場合に当該N個の入力信号の周波数変換を行う信号変換部とを含むフェーズドアレーアンテナにおいて、上記搬送波の周波数よりも低い周波数を持つ第1ローカル信号を生成する第1発振器と、上記第1ローカル信号の周波数よりも高い周波数を持つ第2ローカル信号を生成する信号生成部と、上記第1ローカル信号がN等分配され、それぞれが上記N個のアンテナ素子のうち対応するアンテナ素子に対応する位相を持つようにそれぞれの位相を制御する位相制御部と、上記位相制御部からのN個の出力のそれぞれと、上記第2ローカル信号と、の周波数混合を行い、上記N個の搬送波を生成する搬送波生成部とを含むことを特徴とするフェーズドアレーアンテナ。

請求項2

請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナにおいて、上記位相制御部は、上記第1ローカル信号をN等分配する第1分配器と、当該第1分配器からのN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の移相器と、で構成されており、上記信号生成部は、上記第2ローカル信号を生成する第2発振器と、上記第2ローカル信号をN等分配する第2分配器と、で構成されていることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ。

請求項3

請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナにおいて、上記位相制御部は、バトラーマトリックスと、上記第1ローカル信号が入力される当該バトラーマトリックスのN個の入力端子のいずれかを選択する1極N投スイッチと、で構成されており、上記信号生成部は、上記第2ローカル信号を生成する第2発振器と、上記第2ローカル信号をN等分配する分配器と、で構成されていることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ。

請求項4

請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナにおいて、上記位相制御部は、上記第1ローカル信号をN+1等分配する第1分配器と、当該第1分配器からのN+1個の出力のうちN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の移相器と、で構成されており、上記信号生成部は、上記第1分配器からのN+1個の出力のうち1個の出力の周波数を逓倍して上記第2ローカル信号を得る逓倍器と、上記第2ローカル信号をN等分配する第2分配器と、で構成されていることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ。

請求項5

請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナにおいて、上記第1ローカル信号を2等分配する第1分配器を含み、上記位相制御部は、バトラーマトリックスと、上記第1ローカル信号が入力される当該バトラーマトリックスのN個の入力端子のいずれかを選択する1極N投スイッチと、で構成されており、上記信号生成部は、上記第1分配器からの出力のうち1個の出力の周波数を逓倍して上記第2ローカル信号を得る逓倍器と、上記第2ローカル信号をN等分配する第2分配器と、で構成されていることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ。

請求項6

請求項1に記載のフェーズドアレーアンテナにおいて、上記位相制御部は、上記制御を行う固定移相器を含んで構成されており、上記信号生成部は、Mを2Nまたは3Nとし、D=M/Nとして、上記第2ローカル信号を生成する第2発振器と、上記第2ローカル信号をM等分配する第2分配器と、当該第2分配器からのM個の出力のうちM−N個の出力のそれぞれの位相を制御するM−N個の固定移相器と、N個の単極D投スイッチと、で構成されており、上記N個の単極D投スイッチのそれぞれは、上記M−N個の固定移相器のうち対応する固定移相器からの出力と、上記第2分配器からの残りのN個の出力のうち1個の出力と、のうちいずれかを選択することを特徴とするフェーズドアレーアンテナ。

請求項7

請求項1から請求項6のいずれかに記載のフェーズドアレーアンテナにおいて、上記周波数混合で得られる上側側波帯の周波数が上記N個の搬送波の周波数と一致するように、または、上記周波数混合で得られる下側側波帯の周波数が上記N個の搬送波の周波数と一致するように、上記第2ローカル信号の周波数を設定する制御部を含み、上記制御部が設定する上記第2ローカル信号の周波数に応じて、上記フェーズドアレーアンテナのビーム方向が異なることを特徴とするフェーズドアレーアンテナ。

技術分野

0001

本発明は、フェーズドアレーアンテナ、より詳しくは、ミリ波帯準ミリ波帯での使用においても好適なフェーズドアレーアンテナに関する。

背景技術

0002

近年、ミリ波帯(30GHz〜300GHz)や準ミリ波帯(明確な定義はないがおよそ20GHz〜30GHz)での通信技術が活発に検討されている。ミリ波帯や準ミリ波帯での通信技術の一つに、フェーズドアレーアンテナがある。従来のフェーズドアレーアンテナの一例として特許文献1に開示されているものが知られている。

0003

特許文献1の図21に開示されているフェーズドアレーアンテナをブランチ数が2の場合に再構成した例を図13に示す。なお、図13では、フィルタ増幅器(例えば緩衝増幅器中間増幅器)など、実際には使用されるが従来技術の説明と理解において非本質的な回路構成要素を省略している。図13に示す例に基づいて、従来の技術水準のフェーズドアレーアンテナについて説明する。

0004

図13に示すフェーズドアレーアンテナ99は、
1)2個のアンテナ素子900−1,900−2と、
2)周波数fRの無変調連続波を生成する第1発振器960と、
3)第1発振器960の出力を2等分配する第1分配器950と、
4)第1分配器950の2個の出力のそれぞれが2個のアンテナ素子900−1,900−2のうち対応するアンテナ素子に対応する位相θ1,θ2を持つように(つまり、第1分配器950の一方の出力が、これに対応する一方のアンテナ素子900−1に対応する位相θ1を持ち、第1分配器950の他方の出力が、これに対応する他方のアンテナ素子900−2に対応する位相θ2を持つように)、第1分配器950の2個の出力のそれぞれの位相を制御する2個の可変移相器940−1,940−2と(この例では、可変移相器940−1が、第1分配器950の一方の出力の位相を位相θ1に移相する制御を行い、可変移相器940−2が、第1分配器950の他方の出力の位相を位相θ2に移相する制御を行う)、
5)2個のアンテナ素子900−1,900−2のそれぞれに対応する位相θ1,θ2(一方のアンテナ素子900−1に対応する位相はθ1であり、他方のアンテナ素子900−2に対応する位相はθ2である)を持つ2個の搬送波(つまり、2個の可変移相器940−1,940−2の出力)を用いて、2個のアンテナ素子900−1,900−2に対応する2個の入力信号変調または復調を行う信号変換部と(この例では、当該信号変換部は、2個の信号変換器920−1,920−2で構成されており、一方の信号変換器920−1が、一方のアンテナ素子900−1に対応する入力信号の変調または復調を行い、他方の信号変換器920−2が、他方のアンテナ素子900−2に対応する入力信号の変調または復調を行う)、
6)2個の増幅器910−1,910−2と、
7)第3分配器930と
を含んでいる。

0005

なお、この構成では、記載上、1個の発振器を含む構成でありながら敢えて「第1発振器」との呼称を用い、また、この構成では、記載上、2個の分配器を含む構成でありながら敢えて「第1分配器」、「第3分配器」と連番ではない呼称を用いている理由は、後に説明する本発明との対比をし易くするためである。

0006

フェーズドアレーアンテナ99が送信機として機能する場合:
第3分配器930は入力されたベースバンド信号を2等分配する。第3分配器930の2個の出力が、信号変換器920−1,920−2に入力される上記「2個の入力信号」に相当する。つまり、第3分配器930のk番目の出力は、k番目の信号変換器920−kに入力される。これ以降、kは1以上N以下の各整数を表すとする。また、一方の増幅器910−1は、一方の信号変換器920−1の出力を増幅する。一方の増幅器910−1の出力は、一方のアンテナ素子900−1に供給される。他方の増幅器910−2は、他方の信号変換器920−2の出力を増幅する。他方の増幅器910−1の出力は、他方のアンテナ素子900−1に供給される。

0007

フェーズドアレーアンテナ99が受信機として機能する場合:
一方の増幅器910−1は、一方のアンテナ素子900−1からの信号を増幅する。一方の増幅器910−1の出力は、一方の信号変換器920−1の上記「2個の入力信号」の一方の入力信号に相当する。他方の増幅器910−2は、他方のアンテナ素子900−2からの信号を増幅する。他方の増幅器910−2の出力は、他方の信号変換器920−2の上記「2個の入力信号」の他方の入力信号に相当する。第3分配器930は2個の信号変換器920−1,920−2の出力を合成してベースバンド信号を出力する。なお、第3分配器930は、通常、合成器としての機能を持つ(第3分配器を第3合成器と呼称しても差し支えない)。

0008

また、特許文献1によると、搬送波の周波数に限定は無いとされている。

先行技術

0009

特開平7−202548号公報

発明が解決しようとする課題

0010

図13に示すフェーズドアレーアンテナ99によると、搬送波あるいは無変調連続波の周波数が例えばミリ波帯や準ミリ波帯のように高くなると、アンテナ指向性の精度の良い制御のために高い移相精度を持つ移相器が必要となるが、このような高周波帯域で高い移相精度を持つ移相器は一般的に高価である。しかし、このような高周波帯域よりも相対的に低い帯域で同程度の高い移相精度を持つ移相器は比較的廉価である。

0011

本発明は、搬送波の周波数に関係なく、廉価でありながら高い移相精度を持つ移相器を使用できる構成を持つフェーズドアレーアンテナを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明のフェーズドアレーアンテナは、N個(ただし、Nは2以上の予め定められた整数とする)のアンテナ素子と、N個のアンテナ素子のそれぞれに対応する位相を持つN個の搬送波を用いて、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号の変調または復調、あるいは、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号が当該搬送波の周波数よりも低い変調信号または当該搬送波の周波数よりも高い復調信号の場合に当該N個の入力信号の周波数変換を行う信号変換部とを含むフェーズドアレーアンテナにおいて、搬送波の周波数よりも低い周波数を持つ第1ローカル信号を生成する第1発振器と、第1ローカル信号の周波数よりも高い周波数を持つ第2ローカル信号を生成する信号生成部と、第1ローカル信号がN等分配され、それぞれがN個のアンテナ素子のうち対応するアンテナ素子に対応する位相を持つようにそれぞれの位相を制御する位相制御部と、位相制御部からのN個の出力のそれぞれと、第2ローカル信号と、の周波数混合を行い、N個の搬送波を生成する搬送波生成部とを含むことを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明によると、移相制御を搬送波の周波数よりも低い周波数を持つ第1ローカル信号に対して行うので、搬送波の周波数に関係なく、廉価でありながら高い移相精度を持つ移相器を使用できる。

図面の簡単な説明

0014

第1実施形態による実施例1のフェーズドアレーアンテナ。
第1実施形態による実施例2のフェーズドアレーアンテナ。
第1実施形態による実施例3のフェーズドアレーアンテナ。
第1実施形態による実施例4のフェーズドアレーアンテナ。
第1実施形態による実施例5のフェーズドアレーアンテナ。
第1実施形態による実施例6のフェーズドアレーアンテナ。
第1実施形態による実施例7のフェーズドアレーアンテナ。
第1実施形態による実施例7の変形例のフェーズドアレーアンテナ。
第2実施形態のフェーズドアレーアンテナ。
第1参考形態のフェーズドアレーアンテナ。
第1参考形態の変形例のフェーズドアレーアンテナ。
第2参考形態のフェーズドアレーアンテナ。
従来のフェーズドアレーアンテナ。

実施例

0015

本発明のフェーズドアレーアンテナは、或る一つの観点から述べれば、送信機または受信機として使用可能であり、
1)N個(ただし、Nは2以上の予め定められた整数とする)のアンテナ素子と、
2)フェーズドアレーアンテナの搬送波の周波数よりも低い周波数(設計仕様によるが、例えば、フェーズドアレーアンテナの搬送波の周波数の20分の1〜2分の1程度や、1GHz未満の周波数を例示できる)を持つ第1ローカル信号を生成する第1発振器と、
3)第1ローカル信号をN等分配すると共に、N等分配された第1ローカル信号のそれぞれがN個のアンテナ素子のうち対応するアンテナ素子に対応する位相を持つように、N個の第1ローカル信号のそれぞれの位相を制御する位相制御部と(ただし、ここでの「共に」は、第1ローカル信号をN等分配した「後に」位相を制御する場合と、第1ローカル信号をN等分配する「過程で」位相を制御する場合とを含むことを含意する)、
4)第1ローカル信号の周波数よりも高い周波数(この「高い周波数」は、「高い周波数」と第1ローカル信号の周波数との周波数混合によってフェーズドアレーアンテナの搬送波の周波数が得られる周波数である)を持つ第2ローカル信号を生成する信号生成部と、
5)位相制御部からのN個の出力のそれぞれと、第2ローカル信号と、の周波数混合を行い、フェーズドアレーアンテナのN個の搬送波を生成する搬送波生成部と、
6)N個のアンテナ素子のそれぞれに対応する位相を持つN個の搬送波(つまり、搬送波生成部が生成したN個の搬送波である)を用いて、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号の変調または復調、あるいは、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号が搬送波の周波数よりも低い変調信号または搬送波の周波数よりも高い復調信号の場合に当該N個の入力信号の周波数変換を行う信号変換部と、
を含む、と理解することも可能である。

0016

<第1実施形態>
このようなフェーズドアレーアンテナの第1実施形態(図1図7を参照。ただし、図1図7ではN=2の場合を例示している。また、これ以降、iは1以上N以下の各整数を表すとする)は、
1)N個のアンテナ素子900−iと、
2)フェーズドアレーアンテナの搬送波の周波数fcよりも低い周波数fL(周波数fLとして、周波数fcの20分の1〜2分の1程度や、1GHz未満の周波数を例示できる)を持つ無変調連続波である第1ローカル信号を生成する第1発振器960と、
3)第1ローカル信号をN等分配すると共に、N等分配された第1ローカル信号のそれぞれがN個のアンテナ素子900−iのうち対応するアンテナ素子に対応する位相θaiを持つように(つまり、N個の第1ローカル信号のうちk番目の第1ローカル信号が、これに対応するk番目のアンテナ素子900−kに対応する位相θakを持つように)、N個の第1ローカル信号のそれぞれの位相を制御する位相制御部10Aと、
4)第1ローカル信号の周波数fLよりも高い周波数fH(周波数fHは、周波数fHと第1ローカル信号の周波数fLとの周波数混合によって搬送波の周波数fcが得られる周波数である)を持つ無変調連続波である第2ローカル信号を生成する信号生成部10Bと、
5)位相制御部10AからのN個の出力のそれぞれと、第2ローカル信号と、の周波数混合を行い、フェーズドアレーアンテナのN個の搬送波を生成する搬送波生成部と(図1図7の各例では、当該搬送波生成部は、N個のミキサ(あるいはデジタル周波数変換器)120−iとN個のバンドパスフィルタ(図示せず)とで構成されており、k番目のミキサ120−kが、位相制御部10Aからのk番目の出力(位相θakを持つ)と第2ローカル信号との周波数混合を行い(この際、信号生成部10Bからk番目のミキサ120−kに入力される第2ローカル信号の位相δkによって位相θkが得られる)、k番目のバンドパスフィルタがk番目のミキサ120−kの出力を入力としてフェーズドアレーアンテナの搬送波の周波数fcの帯域を通過させる)、
6)N個のアンテナ素子900−iのそれぞれに対応する位相θi(k番目のアンテナ素子900−kに対応する位相はθkである)を持つN個の搬送波(つまり、搬送波生成部が生成したN個の搬送波である)を用いて、N個のアンテナ素子900−iに対応するN個の入力信号の変調または復調、あるいは、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号が搬送波の周波数fcよりも低い変調信号または搬送波の周波数fcよりも高い復調信号の場合に当該N個の入力信号の周波数変換を行う信号変換部と(この例では、当該信号変換部は、N個の信号変換器920−iで構成されており、k番目の信号変換器920−kが、k番目のアンテナ素子900−kに対応する入力信号の変調または復調、あるいは、k番目のアンテナ素子900−kに対応する入力信号が搬送波の周波数fcよりも低い変調信号または搬送波の周波数fcよりも高い復調信号の場合に当該k番目の入力信号の周波数変換を行う)、
7)N個の増幅器910−iと、
8)第3分配器930と
を含んでいる。

0017

なお、第1実施形態のフェーズドアレーアンテナと図13に示す従来のフェーズドアレーアンテナ99との対比を容易にするため、第1実施形態のフェーズドアレーアンテナとフェーズドアレーアンテナ99との間で同じ構成要素には同じ参照符号を附している。
また、この構成では、記載上、1個の分配器を含む構成でありながら敢えて「第3分配器」との呼称を用いている理由は、フェーズドアレーアンテナ99との対比をし易くするためである。

0018

また、図1図7では、フィルタ(例えばリーク成分高調波成分を除去するフィルタ)、増幅器(例えば緩衝増幅器や中間増幅器)、振幅調整のための減衰器など、実際には使用されるが本発明の実施形態の説明と理解において非本質的な回路構成要素を省略している。

0019

第1実施形態のフェーズドアレーアンテナが送信機として機能する場合:
第3分配器930は入力されたベースバンド信号をN等分配する。第3分配器930のN個の出力が、N個の信号変換器920−iに入力される上記「N個の入力信号」に相当する。つまり、第3分配器930のk番目の出力は、k番目の信号変換器920−kに入力される。また、k番目の増幅器910−kは、k番目の信号変換器920−kの出力を増幅する。k番目の増幅器910−kの出力は、k番目のアンテナ素子900−kに供給される。

0020

第1実施形態のフェーズドアレーアンテナが受信機として機能する場合:
k番目の増幅器910−kは、k番目のアンテナ素子900−kからの信号を増幅する。k番目の増幅器910−kの出力は、k番目の信号変換器920−kの上記「N個の入力信号」のk番目の入力信号に相当する。第3分配器930はN個の信号変換器920−iの出力を合成してベースバンド信号を出力する。なお、第3分配器930は、通常、合成器としての機能を持つ(第3分配器を第3合成器と呼称しても差し支えない)。

0021

第1実施形態によると、移相制御を搬送波の周波数よりも低い周波数を持つ第1ローカル信号に対して行うので、搬送波の周波数に関係なく、位相制御部10Aを、廉価でありながら高い移相精度を持つ移相器を用いて構成できる。また、このような移相器として、移相量を変更可能な可変移相器を用いることも、移相量が一定の固定移相器を用いることもできる。可変移相器の移相量を変更する機構については周知であるから説明を省略する。下記の実施例1〜6では可変移相器(ただし、実施例5,6では可変遅延器である)を用いる場合の構成を説明する。実施例1〜6のそれぞれにおいて一部または全部の「可変移相器」(あるいは「可変遅延器」)を「固定移相器」(あるいは「固定遅延器」)に読み替え変形実施例も本発明の実施例に含まれる。

0022

<実施例1>
図1を参照して実施例1のフェーズドアレーアンテナ1を説明する。
図1に示すフェーズドアレーアンテナ1は、第1実施形態のフェーズドアレーアンテナにおいて、位相制御部10Aが、第1ローカル信号をN等分配する第1分配器950と、第1分配器950からのN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の可変移相器940−iとで構成されており、信号生成部10Bが、第2ローカル信号を生成する第2発振器100と、第2ローカル信号をN等分配する第2分配器110と、で構成されている特徴を持つ(ただし、図1に示す例ではN=2である)。可変移相器940−iとして、例えば電気長の異なる複数の伝送線路のうち一つの伝送線路をスイッチ等で選択する機構を採用することができる。

0023

なお、実施例1のフェーズドアレーアンテナ1と図13に示す従来のフェーズドアレーアンテナ99との対比を容易にするため、実施例1のフェーズドアレーアンテナ1とフェーズドアレーアンテナ99との間で同じ構成要素には同じ参照符号を附している。

0024

実施例1において、第2分配器110が第2ローカル信号を同相分配する場合、N個の可変移相器940−iの出力間の位相差は、N個のミキサ120−iによる周波数変換によって変更されない。

0025

また、第2分配器110がN個の出力うちk番目の出力に位相δkを与える分配器である場合、N個の可変移相器940−iのうちk番目の可変移相器940−kは、N個のミキサ120−iのうちk番目のミキサ120−kの出力の位相がθkとなるように、k番目の可変移相器940−kに入力される第1ローカル信号に対する移相量τkを、位相δkを考慮して、設定する。この移相量τkによって、k番目の可変移相器940−kの出力の位相はθakとなる。

0026

また、単一周波数(つまり、第1ローカル信号の周波数fc)に対する位相制御であるため、移相器の帯域内偏差の影響を考える必要がなく、移相器の設計が容易である。この結果、移相器を広帯域化が難しい集中定数素子を用いて構成することもできるため、フェーズドアレーアンテナの小型化や低コスト化を期待できる。

0027

<実施例2>
図2を参照して実施例2のフェーズドアレーアンテナ2を説明する。
図2に示すフェーズドアレーアンテナ2は、第1実施形態のフェーズドアレーアンテナにおいて、位相制御部10Aが、N入力N出力のバトラーマトリックス回路130と、第1ローカル信号が入力されるバトラーマトリックス回路130のN個の入力端子のいずれかを選択する1極N投スイッチ140とで構成されており(第1ローカル信号は、1極N投スイッチ140で選択されたバトラーマトリックス回路130の一つの入力端子に入力される)、信号生成部10Bが、第2ローカル信号を生成する第2発振器100と、第2ローカル信号をN等分配する第2分配器110と、で構成されている特徴を持つ(ただし、図2に示す例ではN=2である)。バトラーマトリックス回路は周知であるからその構成等の説明を省略する。通常、バトラーマトリックス回路の入力端子の選択に応じてバトラーマトリックス回路130のN個の出力間の位相差は異なるので、入力端子の選択に応じてビーム方向を変更することができる。

0028

実施例2において、第2分配器110が第2ローカル信号を同相分配する場合、バトラーマトリックス回路130のN個の出力間の位相差は、N個のミキサ120−iによる周波数変換によって変更されない。

0029

また、第2分配器110がN個の出力うちk番目の出力に位相δkを与える分配器である場合、バトラーマトリックス回路130は、N個のミキサ120−iのうちk番目のミキサ120−kの出力の位相がθkとなるように、バトラーマトリックス回路130のk番目の出力端子から出力される第1ローカル信号に対する移相量τkを、位相δkを考慮して、設定する。この移相量τkによって、バトラーマトリックス回路130のk番目の出力の位相はθakとなる。

0030

実施例2の構成によると、スイッチ140の挿入損失搬送波帯域での損失とならず、また、無変調連続波の非線形歪による高調波はフィルタで容易に除去できる。また、バトラーマトリックス回路130のN個の出力の位相はそれぞれ第1ローカル信号の周波数fLにおいて所望の位相になっていればよい。このため、例えば集中定数素子を用いて構成され狭帯域特性を持つ小型のバトラーマトリックス回路を使用することが可能であり、フェーズドアレーアンテナの回路部分の大型化を避けることが可能である。

0031

<実施例3>
図3を参照して実施例3のフェーズドアレーアンテナ3を説明する。
図3に示すフェーズドアレーアンテナ3は、第1実施形態のフェーズドアレーアンテナにおいて、位相制御部10Aが、第1ローカル信号をN+1等分配する第1分配器951と、当該第1分配器951からのN+1個の出力のうちN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の可変移相器940−iとで構成されており(k番目の可変移相器940−kは、N+1個の出力のうちk番目の出力の位相を制御する)、信号生成部10Bが、第1分配器951からのN+1個の出力のうち1個の出力(つまり、N+1番目の出力)の周波数を逓倍して第2ローカル信号を得る逓倍器150と、第2ローカル信号をN等分配する第2分配器110とで構成されている特徴を持つ(ただし、図3に示す例ではN=2である)。可変移相器940−iとして、例えば電気長の異なる複数の伝送線路のうち一つの伝送線路をスイッチ等で選択する機構を採用することができる。

0032

なお、実施例3のフェーズドアレーアンテナ3と図13に示す従来のフェーズドアレーアンテナ99との対比を容易にするため、実施例3のフェーズドアレーアンテナ3とフェーズドアレーアンテナ99との間で同じ構成要素には同じ参照符号を附している。

0033

実施例3において、第1分配器951が第1ローカル信号を同相分配する場合、N個の可変移相器940−iの出力間の位相差は、N個のミキサ120−iによる周波数変換によって変更されない。

0034

<実施例4>
図4を参照して実施例4のフェーズドアレーアンテナ4を説明する。
図4に示すフェーズドアレーアンテナ4は、第1実施形態のフェーズドアレーアンテナにおいて、さらに第1ローカル信号を2等分配する第1分配器160を含み、位相制御部10Aが、N入力N出力のバトラーマトリックス回路130と、第1ローカル信号が入力されるバトラーマトリックス回路130のN個の入力端子のいずれかを選択する1極N投スイッチ140とで構成されており(第1分配器160からの出力のうち一方の出力である第1ローカル信号は、1極N投スイッチ140で選択されたバトラーマトリックス回路130の一つの入力端子に入力される)、信号生成部10Bが、第1分配器160からの出力のうち他方の出力の周波数を逓倍して第2ローカル信号を得る逓倍器150と、第2ローカル信号をN等分配する第2分配器110とで構成されている特徴を持つ(ただし、図4に示す例ではN=2である)。既述のように、バトラーマトリックス回路の入力端子の選択に応じてバトラーマトリックス回路130のN個の出力間の位相差は異なるので、入力端子の選択に応じてビーム方向を変更することができる。

0035

実施例4において、第2分配器110が第2ローカル信号を同相分配する場合、バトラーマトリックス回路130のN個の出力間の位相差は、N個のミキサ120−iによる周波数変換によって変更されない。

0036

また、第2分配器110がN個の出力うちk番目の出力に位相δkを与える分配器である場合、バトラーマトリックス回路130は、N個のミキサ120−iのうちk番目のミキサ120−kの出力の位相がθkとなるように、バトラーマトリックス回路130のk番目の出力端子から出力される第1ローカル信号に対する移相量τkを、位相δkを考慮して、設定する。この移相量τkによって、バトラーマトリックス回路130のk番目の出力の位相はθakとなる。

0037

実施例4の構成によると、スイッチ140の挿入損失は搬送波帯域での損失とならず、また、無変調連続波の非線形歪による高調波はフィルタで容易に除去できる。また、バトラーマトリックス回路130のN個の出力の位相はそれぞれ第1ローカル信号の周波数fLにおいて所望の位相になっていればよい。このため、例えば集中定数素子を用いて構成され狭帯域特性を持つ小型のバトラーマトリックス回路を使用することが可能であり、フェーズドアレーアンテナの回路部分の大型化を避けることが可能である。

0038

<実施例5>
図5を参照して実施例5のフェーズドアレーアンテナ5を説明する。
実施例1〜4はそれぞれアナログ回路で移相制御を行っていたが、実施例5ではデジタル回路で移相制御を行う。

0039

図5に示すフェーズドアレーアンテナ5において、第1発振器960は、実施例1〜4と異なり、フェーズドアレーアンテナの搬送波の周波数fcよりも低い周波数fLを持つクロック信号である第1ローカル信号を生成するクロック発振器である。
また、位相制御部10Aは、第1ローカル信号をN等分配する第1分配器950と、第1分配器950からのN個の出力のそれぞれのクロック位相を制御するN個の可変遅延器171−iと、N個の可変遅延器171−iの出力を無変調連続波に変換するN個のバンドパスフィルタ170−iとで構成されている。
信号生成部10Bは、アナログ信号である第2ローカル信号を生成する第2発振器100と、第2ローカル信号をN等分配する第2分配器110と、で構成されている。
ただし、図5に示す例ではN=2である。

0040

実施例5において、第2分配器110が第2ローカル信号を同相分配する場合、N個の可変移相器940−iの出力間の位相差は、N個のミキサ120−iによる周波数変換によって変更されない。

0041

また、第2分配器110がN個の出力うちk番目の出力に位相δkを与える分配器である場合、N個の可変遅延器171−iのうちk番目の可変遅延器171−kは、N個のミキサ120−iのうちk番目のミキサ120−kの出力の位相がθkとなるように、k番目の可変遅延器171−kに入力される第1ローカル信号に対する移相量τkを、位相δkを考慮して、設定する。この移相量τkによって、k番目の可変遅延器171−kの出力の位相はθakとなる。

0042

<実施例6>
図6を参照して実施例6のフェーズドアレーアンテナ6を説明する。
実施例1〜4はそれぞれアナログ回路で移相制御を行っていたが、実施例6ではデジタル回路で移相制御を行う。

0043

図6に示すフェーズドアレーアンテナ6において、第1発振器960は、実施例1〜4と異なり、フェーズドアレーアンテナの搬送波の周波数fcよりも低い周波数fLを持つクロック信号である第1ローカル信号を生成するクロック発振器である。
また、第2発振器100は、実施例1〜4と異なり、クロック信号である第2ローカル信号を生成するクロック発振器である。
位相制御部10Aは、第1ローカル信号をN等分配する第1分配器950と、第1分配器950からのN個の出力のそれぞれのクロック位相を制御するN個の可変遅延器171−iとで構成されている。
信号生成部10Bは、第2ローカル信号を生成する第2発振器100と、第2ローカル信号をN等分配する第2分配器110とで構成されている。
さらに、フェーズドアレーアンテナ6は、N個のデジタル周波数変換器120−iと、N個のデジタル周波数変換器120−iの出力を無変調連続波に変換するN個のバンドパスフィルタ170−iとを含んでいる。
ただし、図6に示す例ではN=2である。

0044

実施例5と実施例6では、移相器に相当する回路部分をデジタル回路で構成された可変遅延器で代替しているため、小型化ができ、各ブランチ位相調整精度を向上することもできる。また、デジタル回路は無変調連続波を生成および処理をするものであり、帯域信号を処理しない。このため、量子化信号を処理する必要がなくデジタル回路における演算量を激減でき、また、デジタル信号からアナログ信号への変換にDA変換器は必要としないため、消費電力コストの観点から有利である。

0045

<固定移相器を用いた場合のビーム方向の変更>
第1実施形態のフェーズドアレーアンテナによると、移相器として可変移相器を用いた場合は勿論のこと、固定移相器を用いた場合であっても、第2ローカル信号の周波数fHに応じてフェーズドアレーアンテナのビーム方向を変えることができる。以下、このことを、理解のし易さの観点からN=2の場合を例に図1を参照して説明するが、ここでの説明の理はN=2以外の場合にも、また、図1の構成以外の場合にも、妥当する。また、ここでの説明では、図1のフェーズドアレーアンテナ1は可変移相器940−1,940−2に替えて固定移相器940−1,940−2を用いるとする(便宜上、同じ参照符号を用いている)。

0046

第1ローカル信号をsin(2πfLt)とし、第2ローカル信号をsin(2πfHt)とすると、1番目の固定移相器940−1の出力はsin(2πfLt+θa1)と表され、2番目の固定移相器940−2の出力はsin(2πfLt+θa2)と表される。したがって、1番目のミキサ120−1の出力はsin(2πfHt)sin(2πfLt+θa1)={sin(2π(fH−fL)t−θa1)+sin(2π(fH+fL)t+θa1)}であり、2番目のミキサ120−2の出力はsin(2πfHt)sin(2πfLt+θa2)={sin(2π(fH−fL)t−θa2)+sin(2π(fH+fL)t+θa2)}である。

0047

第1ローカル信号の周波数fLが予め定められている場合、第2ローカル信号の周波数fHは、第1ローカル信号の周波数fLと第2ローカル信号の周波数fHとの周波数混合によって生成される上側側波帯の信号の周波数fH+fLが搬送波の周波数fcと一致するように、または、下側側波帯の信号の周波数fH−fLが搬送波の周波数fcと一致するように設定される。つまり、第1制御部50は、信号生成部10Bを制御し、第2ローカル信号の周波数fHをfc−fLまたはfc+fLに設定する。

0048

第2ローカル信号の周波数fHがfc+fLに設定されるとフェーズドアレーアンテナのビーム方向は位相+θa1と位相+θa2で定まる方向になり、第2ローカル信号の周波数fHがfc−fLに設定されるとフェーズドアレーアンテナのビーム方向は位相−θa1と位相−θa2で定まる方向になる。このように、第2ローカル信号の周波数fHに応じてフェーズドアレーアンテナのビーム方向を変えることができる。

0049

また、伝送線路などその移相量が周波数依存性を持つ素子で固定移相器を構成した場合、固定移相器による移相量を第1ローカル信号の周波数fLに応じて変えることができる。つまり、第1ローカル信号の周波数がfLrの場合の固定移相器940−1,940−2の出力の位相をそれぞれθa1rとθa2rとすると、第2制御部51の制御によって第1ローカル信号の周波数をfLs(≠fLr)に変更したときの固定移相器940−1,940−2の出力の位相はθa1sとθa2sになる。例えば、固定移相器940−1,940−2をそれぞれ伝送線路として、第1ローカル信号の周波数fLrの場合に位相θa1rと位相θa2rがそれぞれ+30度と+60度であり、δ1=δ2=0とすると、第1ローカル信号の周波数をfLs(=fLr/2)に変更したときの位相θa1sと位相θa2sはそれぞれ+15度と+30度となり、第1ローカル信号の周波数の変更前と変更後の位相差は+30度から+15度に変更される。このように、位相差の変更に伴い、フェーズドアレーアンテナのビーム方向は変更される。なお、この場合であっても、第1ローカル信号の周波数がfLsの場合の第2ローカル信号の周波数fHsは上側側波帯の信号の周波数fHs+fLsが搬送波の周波数fcと一致するように、または、下側側波帯の信号の周波数fHs−fLsが搬送波の周波数fcと一致するように設定される。

0050

<実施例7>
上述の説明から理解できるように、伝送線路のような固定移相器の出力の間の位相差をゼロとするためには第1ローカル信号の周波数fLを0[Hz]とする必要があり、この場合、適切な位相を持った搬送波の生成が困難となる。また、固定移相器の出力の間の位相差をゼロの近傍に設定したい場合には、上側側波帯の信号の周波数fH+fLと下側側波帯の信号の周波数fH−fLが周波数軸上でともに搬送波の周波数fcに隣接することになり、搬送波の周波数fcに設定されなかった側波帯の無変調連続波を、周波数fcを中心周波数とするフィルタで除去することが困難となる。

0051

実施例7は、このような場合であっても、適切な位相を持った搬送波の生成を可能とし、ビーム方向を変更できるフェーズドアレーアンテナである。図7を参照して実施例7のフェーズドアレーアンテナ7を説明する。

0052

図7に示すフェーズドアレーアンテナ7は、第1実施形態のフェーズドアレーアンテナにおいて、位相制御部10Aが位相制御を行う固定移相器を含んで構成されており(図7に示す例では、第1ローカル信号をN等分配する第1分配器950と、第1分配器950からのN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の固定移相器940−iとで構成されている)、信号生成部10Bが、第2ローカル信号を生成する第2発振器100と、第2ローカル信号を2N等分配する第2分配器110と、第2分配器110からの2N個の出力のうちN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の固定移相器115−iと、N個の単極双投スイッチ116−iとで構成されており、N個の単極双投スイッチ116−iのそれぞれは、N個の固定移相器115−iのうち対応する固定移相器からの出力と、第2分配器110からの残りのN個の出力のうち1個の出力と、のいずれかを選択する(図7に示す例では、k番目の単極双投スイッチ116−kは、k番目の固定移相器115−kからの出力と第2分配器110からの残りのN個の出力のうち1個の出力とのいずれかを選択する)という特徴を持つ(ただし、図7に示す例ではN=2である)。

0053

k番目の固定移相器115−kの移相量γkは、第1ローカル信号の周波数がfLs、第2ローカル信号の周波数がfHsの場合において、N個のミキサ120−iの出力が等しく持つ位相θとなるように(図7にて、θ1=θ2=θ)、k番目の固定移相器940−kの出力の位相θaksを考慮して、設定される。この移相量γkによって、k番目の固定移相器115−kの出力の位相はδbkとなる。具体例として、位相θa1sが+15度、位相θa2sが+30度の場合に位相δb1を+15度、δb2を0度とすると、第2ローカル信号がk番目の固定移相器115−kを通るようにk番目の単極双投スイッチ116−kが動作した場合、N個のミキサ120−iによって周波数変換された搬送波間の位相差はゼロとなる。

0054

さらに、この状態(k番目の単極双投スイッチ116−kがk番目の固定移相器115−kの側を選択している状態)で第1ローカル信号の周波数をfLsからfLrに変更することによって、k番目のミキサ120−kの出力の位相θkは、k番目の固定移相器940−kの出力の位相θakrとk番目の固定移相器115−kの出力の位相δbkとによって定まる。上記の例では、位相θa1rと位相θa2rがそれぞれ+30度と+60度であるから、ミキサ120−1,120−2によって周波数変換された搬送波間の位相差は+15度となる。k番目の単極双投スイッチ116−kがk番目の固定移相器115−kの側を選択している状態では搬送波間の位相差は+15度から0度までの範囲で変更可能であり、k番目の単極双投スイッチ116−kが第2分配器110の側を選択している状態では上述のとおり+30度から+15度までの範囲で変更可能であるから、この例では、一連の操作によって、搬送波間の位相差は+30度から0度までの範囲で変更可能である。

0055

また、上述の例では上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合であったが、下側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合には、搬送波間の位相差は-45度から-30度まで変更可能となる。このように、実施例7のフェーズドアレーアンテナ7によると、移相器として固定移相器を用いた場合であっても、幅広い範囲での位相差の制御が可能であり、ビーム方向をフレキシブルに変更できる。

0056

<実施例7の変形例>
上述の実施例7では、N個の固定移相器115−iの移相量を、上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合を前提に設定したため、搬送波間の位相差が、
上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合:+30度〜0度の範囲
下側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合:-45度〜-30度までの範囲
で変更可能であるものの、変更範囲対称にならない。そこで、図8を参照して、実施例7の変形例として、上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合と下側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合の両者にまたがって、搬送波間の位相差の変更範囲が対称となるフェーズドアレーアンテナ8を説明する。なお、ここでは、実施例7とその変形例とで異なる技術事項について説明する。

0057

図8に示すフェーズドアレーアンテナ8では、信号生成部10Bが、第2ローカル信号を生成する第2発振器100と、第2ローカル信号を3N等分配する第2分配器110と、第2分配器110からの3N個の出力のうちN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の第1固定移相器115−iと、第2分配器110からの残りの2N個の出力のうちN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の第2固定移相器117−iと、N個の単極3投スイッチ118−iとで構成されており、N個の単極3投スイッチ118−iのそれぞれは、N個の第1固定移相器115−iのうち対応する第1固定移相器からの出力と、N個の第2固定移相器117−iのうち対応する第2固定移相器からの出力と、第2分配器110からの残りのN個の出力のうち1個の出力と、のうちいずれかを選択する(図8に示す例では、k番目の単極3投スイッチ118−kは、k番目の第1固定移相器115−kからの出力と、k番目の第2固定移相器117−kからの出力と、第2分配器110からの残りのN個の出力のうち1個の出力とのいずれかを選択する)という特徴を持つ(ただし、図8に示す例ではN=2である)。

0058

k番目の第1固定移相器115−kの移相量γ1kは、第1ローカル信号の周波数がfLs、第2ローカル信号の周波数がfHsの場合において、上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合に、N個のミキサ120−iの出力が等しく持つ位相θとなるように(図8にて、θ1=θ2=θ)、k番目の固定移相器940−kの出力の位相θaksを考慮して、設定される。この移相量γ1kによって、k番目の第1固定移相器115−kの出力の位相はδbkとなる。具体例として、位相θa1sが+15度、位相θa2sが+30度の場合に位相δb1を+15度、δb2を0度とすると、第2ローカル信号がk番目の第1固定移相器115−kを通るようにk番目の単極3投スイッチ118−kが動作した場合、N個のミキサ120−iによって周波数変換された搬送波間の位相差はゼロとなる。

0059

また、k番目の第2固定移相器117−kの移相量γ2kは、第1ローカル信号の周波数がfLs、第2ローカル信号の周波数がfHsの場合において、下側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合に、N個のミキサ120−iの出力が等しく持つ位相θとなるように(図8にて、θ1=θ2=θ)、k番目の固定移相器940−kの出力の位相θaksを考慮して、設定される。この移相量γ2kによって、k番目の第2固定移相器117−kの出力の位相はδckとなる。具体例として、位相θa1sが+15度、位相θa2sが+30度の場合に位相δc1を0度、δc2を+15度とすると、第2ローカル信号がk番目の第2固定移相器117−kを通るようにk番目の単極3投スイッチ118−kが動作した場合、N個のミキサ120−iによって周波数変換された搬送波間の位相差はゼロとなる。

0060

上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合に、k番目の単極3投スイッチ118−kがk番目の第1固定移相器115−kの側を選択している状態で第1ローカル信号の周波数をfLsからfLrに変更することによって、k番目のミキサ120−kの出力の位相θkは、k番目の固定移相器940−kの出力の位相θakrとk番目の第1固定移相器115−kの出力の位相δbkとによって定まる。上記の例では、位相θa1rと位相θa2rがそれぞれ+30度と+60度であるから、ミキサ120−1,120−2によって周波数変換された搬送波間の位相差は+15度となる。上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合に、k番目の単極3投スイッチ118−kがk番目の第1固定移相器115−kの側を選択している状態では搬送波間の位相差は+15度から0度までの範囲で変更可能であり、k番目の単極3投スイッチ118−kが第2分配器110の側を選択している状態では上述のとおり+30度から+15度までの範囲で変更可能であるから、この例では、一連の操作によって、搬送波間の位相差は+30度から0度までの範囲で変更可能である。

0061

また、下側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合に、k番目の単極3投スイッチ118−kがk番目の第2固定移相器117−kの側を選択している状態で第1ローカル信号の周波数をfLsからfLrに変更することによって、k番目のミキサ120−kの出力の位相θkは、k番目の固定移相器940−kの出力の位相θakrとk番目の第2固定移相器117−kの出力の位相δckとによって定まる。上記の例では、位相θa1rと位相θa2rがそれぞれ+30度と+60度であるから、ミキサ120−1,120−2によって周波数変換された搬送波間の位相差は-15度となる。下側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合に、k番目の単極3投スイッチ118−kがk番目の第2固定移相器117−kの側を選択している状態では搬送波間の位相差は-15度から0度までの範囲で変更可能であり、k番目の単極3投スイッチ118−kが第2分配器110の側を選択している状態では-30度から-15度までの範囲で変更可能であるから、この例では、一連の操作によって、搬送波間の位相差は-30度から0度までの範囲で変更可能である。

0062

このように、実施例7の変形例のフェーズドアレーアンテナ8によると、上側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合と下側側波帯の信号の周波数が搬送波の周波数と一致する場合の両者にまたがって、搬送波間の位相差の変更範囲が対称となる。

0063

なお、実施例7のフェーズドアレーアンテナ7あるいは実施例7の変形例のフェーズドアレーアンテナ8において一部または全部の「固定移相器」を「可変移相器」に読み替えた変形実施例も本発明の実施例に含まれる。

0064

<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態においてアンテナ素子間の位相差の精度を向上させる実施形態である。図9を参照して第2実施形態のフェーズドアレーアンテナ9を説明する。ただし、図9はN=2の場合を例示している。フェーズドアレーアンテナ9は実施例1のフェーズドアレーアンテナ1に位相差測定器などを付加した構成を持っているが、フェーズドアレーアンテナ9が実施例2〜7のいずれかのフェーズドアレーアンテナに位相差測定器などを付加した構成を持つことも妨げられない。

0065

フェーズドアレーアンテナ9は実施例1のフェーズドアレーアンテナ1に、第4分配器201と、N個の第1方向性結合器202−iと、N個の第2方向性結合器203−iと、N個の第2信号変換器204−iと、N個の位相差測定器205−iと、N個の位相制御器206−iとを付加した構成を持っている。

0066

第4分配器201は、ベースバンド信号をN+1分配する。第4分配器201のN+1個の出力のうち一つの出力は第3分配器930の入力となる。
k番目の第2信号変換器204−kは、第4分配器201の残りのN個の出力のうちk番目の出力で、k番目の第1方向性結合器202−kによって分配されたk番目のミキサ120−kの出力を変調して参照信号を出力する。
k番目の位相差測定器205−kは、k番目の第2信号変換器204−kが出力した参照信号と、k番目の第2方向性結合器203−kによって分配されたk番目のアンテナ素子120−kから/への信号との位相差を測定し(ただし、フェーズドアレーアンテナ9が送信機として機能する場合は「への」を読み、フェーズドアレーアンテナ9が受信機として機能する場合は「から」を読むとする)、この位相差を表す情報を出力する。
k番目の位相制御器206−kは、k番目の位相差測定器205−kが出力した情報に基づいて、アンテナ素子間の位相差が所望の位相差となるようにk番目の可変移相器940−kの移相量を調整する制御を行う。

0067

第2実施形態によると、N個の位相制御器206−iによって、N個の可変移相器940−iのそれぞれの移相量が、アンテナ素子間の位相差が所望の位相差となるように制御されるから、所望の方向にフェーズドアレーアンテナのビーム方向を向けることができる。

0068

この他、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、逓倍器は、周波数を逓倍する機能を持つ回路構成を持てばよく、高調波を利用した逓倍器などに限らず、周波数を2倍にする場合にはバッファアンプを用いた構成であってもよい。

0069

<参考例>
上述の第1実施形態のフェーズドアレーアンテナはN個のミキサ(あるいはデジタル周波数変換器)120−iを用いて構成されていたが、以下、ミキサ(あるいはデジタル周波数変換器)を用いないで構成されたフェーズドアレーアンテナを参考形態として説明する。

0070

<第1参考形態>
第1参考形態のフェーズドアレーアンテナ10(図10を参照。ただし、図10ではN=2の場合を例示している)は、
1)N個のアンテナ素子900−iと、
2)フェーズドアレーアンテナ10の搬送波の周波数fcよりも低い周波数fL(周波数fLとして、周波数fcの20分の1〜2分の1程度や、1GHz未満の周波数を例示できる)を持つ無変調連続波である第1ローカル信号を生成する第1発振器960と、
3)第1ローカル信号をN等分配すると共に、N等分配された第1ローカル信号のそれぞれがN個のアンテナ素子900−iのうち対応するアンテナ素子に対応する位相θaiを持つように(つまり、N個の第1ローカル信号のうちk番目の第1ローカル信号が、これに対応するk番目のアンテナ素子900−kに対応する位相θakを持つように)、N個の第1ローカル信号のそれぞれの位相を制御する位相制御部10Aと(図10に示す例では、位相制御部10Aは、第1ローカル信号をN等分配する第1分配器950と、第1分配器950からのN個の出力のそれぞれの位相を制御するN個の可変移相器940−iとで構成されている)、
4)位相制御部10AからのN個の出力のそれぞれの周波数を逓倍してN個の搬送波を得る逓倍部と(図10に示す例では、当該逓倍部は、N個の逓倍器150−iで構成されており、k番目の逓倍器150−kは、k番目の可変移相器940−kの周波数を逓倍して、フェーズドアレーアンテナ10の搬送波の周波数fcと位相θkを持つ搬送波を出力する)、
5)N個のアンテナ素子900−iのそれぞれに対応する位相θi(k番目のアンテナ素子900−kに対応する位相はθkである)を持つN個の搬送波(つまり、逓倍部が生成したN個の搬送波である)を用いて、N個のアンテナ素子900−iに対応するN個の入力信号の変調または復調、あるいは、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号が搬送波の周波数fcよりも低い変調信号または搬送波の周波数fcよりも高い復調信号の場合に当該N個の入力信号の周波数変換を行う信号変換部と(この例では、当該信号変換部は、N個の信号変換器920−iで構成されており、k番目の信号変換器920−kが、k番目のアンテナ素子900−kに対応する入力信号の変調または復調、あるいは、k番目のアンテナ素子900−kに対応する入力信号が搬送波の周波数fcよりも低い変調信号または搬送波の周波数fcよりも高い復調信号の場合に当該k番目の入力信号の周波数変換を行う)、
6)N個の増幅器910−iと、
7)第3分配器930と
を含んでいる。

0071

なお、第1参考形態のフェーズドアレーアンテナ10と図13に示す従来のフェーズドアレーアンテナ99との対比を容易にするため、第1参考形態のフェーズドアレーアンテナ10とフェーズドアレーアンテナ99との間で同じ構成要素には同じ参照符号を附している。
また、この構成では、記載上、2個の分配器を含む構成でありながら敢えて「第3分配器」との呼称を用いている理由は、フェーズドアレーアンテナ99との対比をし易くするためである。

0072

また、図10では、フィルタ(例えばリーク成分や高調波成分を除去するフィルタ)、増幅器(例えば緩衝増幅器や中間増幅器)、振幅調整のための減衰器など、実際には使用されるが第1参考形態の説明と理解において非本質的な回路構成要素を省略している。

0073

第1参考形態のフェーズドアレーアンテナ10が送信機として機能する場合:
第3分配器930は入力されたベースバンド信号をN等分配する。第3分配器930のN個の出力が、N個の信号変換器920−iに入力される上記「N個の入力信号」に相当する。つまり、第3分配器930のk番目の出力は、k番目の信号変換器920−kに入力される。また、k番目の増幅器910−kは、k番目の信号変換器920−kの出力を増幅する。k番目の増幅器910−kの出力は、k番目のアンテナ素子900−kに供給される。

0074

第1参考形態のフェーズドアレーアンテナ10が受信機として機能する場合:
k番目の増幅器910−kは、k番目のアンテナ素子900−kからの信号を増幅する。k番目の増幅器910−kの出力は、k番目の信号変換器920−kの上記「N個の入力信号」のk番目の入力信号に相当する。第3分配器930はN個の信号変換器920−iの出力を合成してベースバンド信号を出力する。なお、第3分配器930は、通常、合成器としての機能を持つ(第3分配器を第3合成器と呼称しても差し支えない)。

0075

第1分配器950によって第2ローカル信号が同相で分配されている場合、逓倍器による周波数変換によって位相も逓倍数倍となる。したがって、移相制御では、逓倍器による位相変化を考慮する必要がある。また、第1参考形態の構成によると、高周波数を直接発振して第2ローカル信号を生成するよりも、低コスト低消費電力低位相雑音などの効果を期待できる。

0076

<第1参考形態の変形例>
第1参考形態の変形例のフェーズドアレーアンテナ11(図11を参照。ただし、図11ではN=2の場合を例示している)では、デジタル回路で移相制御が行われる。第1参考形態と異なる点について説明する。
図9に示すフェーズドアレーアンテナ11において、第1発振器960は、第1参考形態と異なり、フェーズドアレーアンテナ11の搬送波の周波数fcよりも低い周波数fLを持つクロック信号である第1ローカル信号を生成するクロック発振器である。また、N個の逓倍器150−iはそれぞれデジタル回路で構成されている。N個の逓倍器150−iからのN個の出力はそれぞれ図示しないバンドパスフィルタによってアナログ信号の無変調連続波である搬送波に変換される。
また、位相制御部10Aは、第1ローカル信号をN等分配する第1分配器950と、第1分配器950からのN個の出力のそれぞれのクロック位相を制御するN個の可変遅延器171−iとで構成されている。
ただし、図11に示す例ではN=2である。

0077

第1参考形態とその変形例においても、移相制御を搬送波の周波数よりも低い周波数を持つ第1ローカル信号に対して行うので、搬送波の周波数に関係なく、廉価でありながら高い移相精度を持つ移相器を使用できる。

0078

また、デジタル回路は無変調連続波を生成および処理をするものであり、帯域信号を処理しない。このため、量子化信号を処理する必要がなくデジタル回路における演算量を激減でき、また、デジタル信号からアナログ信号への変換にDA変換器は必要としないため、消費電力やコストの観点から有利である。さらに、デジタル回路の逓倍器を用いるので、同じ遅延時間でより多くの移相量が得られ、デジタル回路の規模縮小に有効である。

0079

<第2参考形態>
第2参考形態のフェーズドアレーアンテナ12(図12を参照。ただし、図12ではN=2の場合を例示している)は、
1)N個のアンテナ素子900−iと、
2)フェーズドアレーアンテナ12の搬送波の周波数fcを持つ無変調連続波である第1ローカル信号を生成する第1発振器960と、
3)第1ローカル信号をN等分配すると共に、N等分配された第1ローカル信号のそれぞれがN個のアンテナ素子900−iのうち対応するアンテナ素子に対応する位相θiを持つように(つまり、N個の第1ローカル信号のうちk番目の第1ローカル信号が、これに対応するk番目のアンテナ素子900−kに対応する位相θkを持つように)、N個の第1ローカル信号のそれぞれの位相を制御して、N個の搬送波を得る位相制御部10Aと(図10に示す例では、N入力N出力のバトラーマトリックス回路130と、第1ローカル信号が入力されるバトラーマトリックス回路130のN個の入力端子のいずれかを選択する1極N投スイッチ140とで構成されている。バトラーマトリックス回路130のk番目の出力端子からは、フェーズドアレーアンテナ12の搬送波の周波数fcと位相θkを持つ搬送波が出力される)、
4)N個のアンテナ素子900−iのそれぞれに対応する位相θi(k番目のアンテナ素子900−kに対応する位相はθkである)を持つN個の搬送波(つまり、位相制御部10Aが生成したN個の搬送波である)を用いて、N個のアンテナ素子900−iに対応するN個の入力信号の変調または復調、あるいは、N個のアンテナ素子に対応するN個の入力信号が搬送波の周波数fcよりも低い変調信号または搬送波の周波数fcよりも高い復調信号の場合に当該N個の入力信号の周波数変換を行う信号変換部と(この例では、当該信号変換部は、N個の信号変換器920−iで構成されており、k番目の信号変換器920−kが、k番目のアンテナ素子900−kに対応する入力信号の変調または復調、あるいは、k番目のアンテナ素子900−kに対応する入力信号が搬送波の周波数fcよりも低い変調信号または搬送波の周波数fcよりも高い復調信号の場合に当該k番目の入力信号の周波数変換を行う)、
5)N個の増幅器910−iと、
6)第3分配器930と
を含んでいる。

0080

なお、第2参考形態のフェーズドアレーアンテナ12と図13に示す従来のフェーズドアレーアンテナ99との対比を容易にするため、第2参考形態のフェーズドアレーアンテナ12とフェーズドアレーアンテナ99との間で同じ構成要素には同じ参照符号を附している。
また、この構成では、記載上、1個の分配器を含む構成でありながら敢えて「第3分配器」との呼称を用いている理由は、フェーズドアレーアンテナ99との対比をし易くするためである。

0081

また、図12では、フィルタ(例えばリーク成分や高調波成分を除去するフィルタ)、増幅器(例えば緩衝増幅器や中間増幅器)、振幅調整のための減衰器など、実際には使用されるが第1参考形態の説明と理解において非本質的な回路構成要素を省略している。

0082

第2参考形態のフェーズドアレーアンテナ12が送信機として機能する場合:
第3分配器930は入力されたベースバンド信号をN等分配する。第3分配器930のN個の出力が、N個の信号変換器920−iに入力される上記「N個の入力信号」に相当する。つまり、第3分配器930のk番目の出力は、k番目の信号変換器920−kに入力される。また、k番目の増幅器910−kは、k番目の信号変換器920−kの出力を増幅する。k番目の増幅器910−kの出力は、k番目のアンテナ素子900−kに供給される。

0083

第2参考形態のフェーズドアレーアンテナ12が受信機として機能する場合:
k番目の増幅器910−kは、k番目のアンテナ素子900−kからの信号を増幅する。k番目の増幅器910−kの出力は、k番目の信号変換器920−kの上記「N個の入力信号」のk番目の入力信号に相当する。第3分配器930はN個の信号変換器920−iの出力を合成してベースバンド信号を出力する。なお、第3分配器930は、通常、合成器としての機能を持つ(第3分配器を第3合成器と呼称しても差し支えない)。

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