図面 (/)

技術 分光分析器に用いられる光検出器の出力補正方法

出願人 株式会社堀場製作所
発明者 安藤嘉健西村克美境行男
出願日 2015年7月24日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-146359
公開日 2017年2月2日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-026506
状態 特許登録済
技術分野 各種分光測定と色の測定
主要キーワード 付帯部品 所定波数 維持領域 ヨウ素ランプ フィルタ支持部材 フーリエ変換型赤外分光 演算算出 試料設置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2017年2月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

光検出器出力補正検量線の作成)を、短時間で、かつ簡単な構成で行える分光分析器又は分光器を提供する。

解決手段

特性が既知光学素子6を介在させた場合と、介在させない場合との双方で、光源1から射出された光を光検出器4に入射させ、入射光に含まれる複数の所定波数の光のそれぞれに対する光検出器4の出力値である第1出力値及び第2出力値を取得し、所定波数毎の第1出力値及び第2出力値の比と、光学素子6の波数透過又は反射特性とをパラメータとして、光検出器4の出力値から入射光の強度を算出する演算式を求める。

概要

背景

FTIRなどの分光分析器は、試料を経た光の波数強度分布光スペクトル)に基づいて試料成分分析する。この試料を経た光の強度を検出するには、MCT光検出器などの光検出器が用いられるが、当然のことながら、分析に先立ってその出力値入射光の強度との関係(検量線)を求めておく必要がある。
そこで、従来は、所定の基準光を光検出器に入射してそのときの光検出器の出力値を取得し、検量線を作成する。

概要

光検出器の出力補正(検量線の作成)を、短時間で、かつ簡単な構成で行える分光分析器又は分光器を提供する。特性が既知光学素子6を介在させた場合と、介在させない場合との双方で、光源1から射出された光を光検出器4に入射させ、入射光に含まれる複数の所定波数の光のそれぞれに対する光検出器4の出力値である第1出力値及び第2出力値を取得し、所定波数毎の第1出力値及び第2出力値の比と、光学素子6の波数透過又は反射特性とをパラメータとして、光検出器4の出力値から入射光の強度を算出する演算式を求める。

目的

本発明は、上記問題を一挙に解決すべくなされたものであって、分光分析器又は分光器に用いられる光検出器の出力補正(検量線の作成)を、短時間で、かつ簡単な構成で行えるようにすることを主たる目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

光源と、該光源から射出された光を分光する分光部と、該分光部から出た光の強度を測定するための光検出器とを具備し、該光検出器は、所定範囲内での入射光強度出力値との関係が実質的に線形となるものである分光分析器又は分光器に用いられるものであって、前記光源から射出された光を、その強度が前記範囲内になるように、波数透過特性又は波数反射特性既知光学素子を介在させて前記光検出器に入射させ、該入射光に含まれる複数の所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第1出力値を取得する一方、同光源から射出された光を、前記光学素子を介在させることなく、前記光検出器に入射させ、該入射光に含まれる前記各所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第2出力値を取得し、前記所定波数毎の第1出力値及び第2出力値の比と、前記光学素子の波数透過又は反射特性とをパラメータとして、前記光検出器の出力値から入射光の強度を算出するための演算式を求めることを特徴とする、光検出器の出力補正方法

請求項2

前記演算式が以下の式(1)を所定の範囲で満たすものである請求項1記載の光検出器の出力補正方法。Y1(k)/{C(y)・Y2(k)}=F(k)・・・(1)ここで、kは波数、Y1(k)は前記第1出力値、Y2(k)は前記第2出力値、F(k)は前記光学素子の光透過又は反射特性、yは光検出器の出力値、C(y)は前記演算式である。

請求項3

光源と、該光源から射出された光を分光する分光部と、該分光部から出た光を検出する光検出器とを具備し、該光検出器は、所定範囲内での入射光強度と出力値との関係が実質的に線形となる分光分析器又は分光器において、前記光源から射出された光を、その強度が前記範囲内になるように、波数透過特性が既知の光学素子を介在させて前記光検出器に入射させたときの、該入射光に含まれる複数の所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第1出力値を取得するとともに、同光源から射出された光を、前記光学素子を介在させることなく、前記光検出器に入射させたときの、該入射光に含まれる前記各所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第2出力値を取得する出力値取得部と、前記所定波数毎の第1出力値及び第2出力値の比と、前記光学素子の波数透過特性とをパラメータとして、前記光検出器の出力値から入射光の強度を算出するための演算式を算出する演算式算出部とをさらに具備することを特徴とする分光分析器又は分光器。

請求項4

前記光学素子を移動可能に支持する支持機構をさらに具備し、該支持機構が、前記光学素子を、光源から光検出器に至る光路上に位置する第1位置と、前記光路上から退避した第2位置とのいずれかに選択的に移動させるものである請求項3記載の分光分析器又は分光器。

請求項5

前記光学素子がバンドパスフィルタである請求項3又は4記載の分光分析器又は分光器。

技術分野

0001

本発明は、FTIRなどの分光分析器分光器に用いられる光検出器出力補正方法等に関するものである。

背景技術

0002

FTIRなどの分光分析器は、試料を経た光の波数強度分布光スペクトル)に基づいて試料成分分析する。この試料を経た光の強度を検出するには、MCT光検出器などの光検出器が用いられるが、当然のことながら、分析に先立ってその出力値入射光の強度との関係(検量線)を求めておく必要がある。
そこで、従来は、所定の基準光を光検出器に入射してそのときの光検出器の出力値を取得し、検量線を作成する。

先行技術

0003

特開平11−23367号公報

発明が解決しようとする課題

0004

例えばMCT光検出器を例にとった場合、入射光の強度が所定以下では、図1に示すように、その出力値と入射光強度との関係は線形比例関係)となる。したがって、この領域であれば、検量線は、オフセットスパンを求めればよいので比較的容易に作成できる。

0005

しかしながら、入射光強度がそれ以上になると、同図に示すように、非線形な関係となり、正確な検量線を求めるためには、異なる強度の多数の基準光を用意し、それぞれの出力値を測定しなければならなくなる。具体的には、1ポイントの測定に10分程度かかり、これを複数ポイント(例えば10ポイント以上)に亘って行わなければならないので、検量線の作成だけで数時間という多大な工数(時間)を要する場合があるうえ、それなりの設備も必要になるという問題が生じる。
また、前記工数や設備の問題から、メンテナンス修理時に、製品納入先での検量線の点検や再作成が難しいという問題も生じる。
そして、これは、MCT光検出器のみならず、他の種類の光検出器にも共通する問題である。

0006

本発明は、上記問題を一挙に解決すべくなされたものであって、分光分析器又は分光器に用いられる光検出器の出力補正(検量線の作成)を、短時間で、かつ簡単な構成で行えるようにすることを主たる目的とするものである。

課題を解決するための手段

0007

すなわち、本発明に係る光検出器の出力算出方法は、光源と、該光源から射出された光を分光する分光部と、該分光部から出た光の強度を測定するための光検出器とを具備し、該光検出器は、所定範囲内での入射光強度と出力値との関係が実質的に線形となるものである分光分析器又は分光器に用いられるものであって、
前記光源から射出された光を、その強度が前記範囲内になるように、波数透過特性又は波数反射特性既知光学素子を介在させて前記光検出器に入射させ、該入射光に含まれる複数の所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第1出力値を取得する一方、
同光源から射出された光を、前記光学素子を介在させることなく、前記光検出器に入射させ、該入射光に含まれる前記各所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第2出力値を取得し、
前記所定波数毎の第1出力値及び第2出力値の比と、前記光学素子の波数透過又は反射特性とをパラメータとして、前記光検出器の出力値から入射光の強度を算出するための演算式を求めることを特徴とするものである。

0008

ここで、演算式とは、前記光検出器の出力値から入射光の強度を算出するための数式のみならず、マップルックアップテーブルなども含むものであり、検量線と言い換えてもよい。また波数にはその逆数波長も含まれるものとする。

0009

具体的には、前記演算式が以下の式(1)を所定の範囲で満たすものを挙げることができる。
Y1(k)/{C(y)・Y2(k)}=F(k)・・・(1)
ここで、kは波数、Y1(k)は前記第1出力値、Y2(k)は前記第2出力値、F(k)は前記光学素子の光透過又は反射特性、yは光検出器の出力値、C(y)は前記演算式である。

0010

また、本発明に係る分光分析器又は分光器は、光源と、該光源から射出された光を分光する分光部と、該分光部から出た光を検出する光検出器とを具備し、該光検出器は、所定範囲内での入射光強度と出力値との関係が実質的に線形となるものにおいて、
前記光源から射出された光を、その強度が前記範囲内になるように、波数透過特性が既知の光学素子を介在させて前記光検出器に入射させたときの、該入射光に含まれる複数の所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第1出力値を取得するとともに、同光源から射出された光を、前記光学素子を介在させることなく、前記光検出器に入射させたときの、該入射光に含まれる前記各所定波数の光のそれぞれに対する前記光検出器の出力値である第2出力値を取得する出力値取得部と、
前記所定波数毎の第1出力値及び第2出力値の比と、前記光学素子の波数透過特性とをパラメータとして、前記光検出器の出力値から入射光の強度を算出するための演算式を算出する演算式算出部とをさらに具備することを特徴とするものである。

0011

前記第1出力値と第2出力値とを取得するための簡便な機構としては、以下の機構を挙げることができる。すなわち、前記光学素子が光源から光検出器に至る光路上に位置する第1位置と、前記光学素子が前記光路上から退避した第2位置とのいずれかに該光学素子を選択的に移動させる支持機構である。
入射光強度を所定範囲内にするための好ましい光学素子としては、バンドパスフィルタを挙げることができる。

発明の効果

0012

以上のように構成した本発明によれば、波数透過又は反射特性が既知の光学素子を介在させるだけで、光検出器の出力値から入射光の強度を算出するための演算式を求めることができる。

0013

そして、その際に必要な作業は、光学素子を介在させた場合とそうでない場合とでの測定操作だけであるし、その作業に必要な設備も精々光学素子とその付帯部品だけであるから、分光分析器に用いられる光検出器の出力補正式、すなわち前記演算式の作成を、短時間でかつ簡単な構成で行える。

図面の簡単な説明

0014

MCT光検出器の入射光強度と出力値との関係を示す特性図である。
本発明の一実施形態における分光分析器の全体を示す模式図である。
同実施形態における光学フィルタの波数透過特性と測定ポイントを示すスペクトル図である。
同実施形態におけるフィルタ支持部材の動作を示す動作説明図である。
同実施形態において、第1位置(光学フィルタ有)、第2位置(光学フィルタ無)、第3位置(光遮断)でそれぞれ得られたインターフェログラムの一例を示すグラフである。
同実施形態の分光分析器によってガス分析を行った結果を示す図である。

実施例

0015

以下に本発明の一実施形態に係る分光分析器100について図面を参照して説明する。

0016

本実施形態の分光分析器100は、いわゆるFTIRと称されるフーリエ変換型赤外分光分析器100であり、図2に示すように、光源1、干渉計(分光部)2、試料設置部3、光検出器4及び演算処理装置5を具備したものである。

0017

光源1は、ブロードなスペクトルを有する光(多数の波数の光を含む連続光)を射出するものであり、例えばタングステンヨウ素ランプや、高輝度セラミック光源が用いられる。

0018

干渉計2は、同図に示すように、1枚のハーフミラービームスプリッタ)21、固定鏡22及び移動鏡23を具備した、いわゆるマイケルソン干渉計を利用したものである。この干渉計2に入射した前記光源1からの光は、前記ハーフミラー21によって反射光透過光に分割される。一方の光は固定鏡22で反射され、もう一方は移動鏡23で反射されて、再びハーフミラー21に戻り、合成されて、この干渉計2から射出される。

0019

試料設置部3は、ここでは、測定対象となるガス(以下、試料ともいう。)が導入されるセルであり、前記干渉計2から出た光が、該試料設置部3内の試料を透過して前記光検出器4に導かれるようにしてある。
光検出器4は、ここでは、いわゆるMCT光検出器4と称されるものである。

0020

演算処理装置5は、バッファ増幅器などを有したアナログ電気回路と、CPU、メモリ、DSPなどを有したデジタル電気回路と、それらの間に介在するA/Dコンバータ等を有したものである。該演算処理装置5は、前記メモリに格納した所定プログラムにしたがってCPUやその周辺機器協働することにより、試料を透過した光のスペクトルを前記光検出器4の出力値から算出するとともに、この光スペクトルから各波数の光の吸光度を求めて試料を分析する分析部51としての機能を発揮する。
この分析部51は、光スペクトルを以下のようにして算出する。

0021

移動鏡23を進退させ、試料を透過した光強度を移動鏡23の位置を横軸にとって観測すると、単波数の光の場合、干渉によって光強度はサインカーブを描く。一方、試料を透過した実際の光は連続光であるから、前記サインカーブは波数毎に異なるから、実際の光強度は、各波数の描くサインカーブの重ね合わせとなり、干渉パターン(インターフェログラム)は波束の形となる。

0022

前記分析部51は、移動鏡23の位置を例えば図示しないHeNeレーザなどの測距計(図示しない)によって求めるとともに、移動鏡23の各位置における光強度を光検出器4によって求め、これらから得られる干渉パターンを高速フーリエ変換FFT)することによって、各波数成分を横軸とした光スペクトルに変換する。

0023

このとき、前記試料を透過した光、つまり光検出器4に入射した光の強度は、光検出器4の出力値に基づいて算出されるが、そのためには、光検出器4の出力値と入射光強度との関係(検量線)を予め求めて、メモリに記憶させておく必要がある。なお、この実施形態における検量線とは、光検出器4の出力値を入射光強度に変換するための演算式であるが、テーブルやマップでも構わない。
そこで、本実施形態では、前記検量線(演算式)を予め求めるために、以下のような機構をこの分光分析器100に設けている。
まず、図2に示すように、試料設置部3から光検出器4に至る光路上に、光学素子たる光学フィルタ6を挿脱可能に設けている。
光学フィルタ6は平板状をなすものであり、ここでは、例えば図3に示すような波数透過特性を有する、いわゆるバンドパスフィルタである。

0024

この光学フィルタ6は、図4に模式的に示すように、例えば、筐体に対してスライド可能に取り付けられた板状をなす前記フィルタ支持部材7によって移動可能に指示されている。このフィルタ支持部材7には、2つの光透過孔7a、7bが設けられていて、前記光学フィルタ6は、第1の光透過孔7aを覆うように、該フィルタ支持部材7に取り付けられている。

0025

そして、このフィルタ支持部材7を、例えば手動によってスライドさせることによって、前記第1光透過孔7a、すなわち光学フィルタ6が前記光路上に位置する第1位置(図4(a)参照)と、前記第2光透過孔7bが前記光路上に位置する第2位置(図4(b)参照)と、フィルタ支持部材7によって光路が塞がれる第3位置(図4(c)参照)とのいずれかに選択的に位置づけられるようにしてある。
また、前記演算処理装置5には、図2に示すように、出力値取得部52と演算式算出部53とをさらに設けている。

0026

前記出力値取得部52は、試料室から出た光が前記光学フィルタ6を通って前記光検出器4に入射したときの光検出器4の波数毎の出力値である第1出力値を取得するとともに、試料室から出た光が前記光学フィルタ6を透過することなくそのまま前記光検出器4に入射したときの光検出器4の波数毎の出力値である第2出力値を取得し、それらをメモリの所定領域に設けたデータ格納部54に格納するものである。この出力値取得部52は、ここでは、試料室から出た光が遮断されたときの光検出器4の出力値である第3出力値をも取得するようにしてある。

0027

演算式算出部53は、前記第1出力値、第2出力値に加え、前記データ格納部54に予め格納した前記光学フィルタ6の波数透過特性をパラメータとして、光検出器4の出力値を入射光強度に変換するための演算式を求め、これを前記データ格納部54に格納するものである。
このような構成の分光分析器100の動作の一例を詳細に説明する。

0028

まず、試料設置部3に、温度、成分濃度、圧力などの状態を一定にした試料を充満する。状態を一定にするのは、前記演算式の算出中に、試料を透過する光のスペクトルが変化しないようにするためである。試料は、赤外光の吸収の小さいものが好ましく、例えば窒素ガスを挙げることができる。試料を封入せず、真空にしても構わない。

0029

次に、オペレータが、フィルタ支持部材7を第1位置に移動させて光学フィルタ6を前記光路上に配置する。そして、光源1が点灯し、移動鏡23が移動している状態でオペレータがマウスキーボードなどを用いて所定の第1演算開始操作を行うと、前記出力値取得部52がこれを検知して、移動鏡23の各位置での光検出器4の出力値(インターフェログラム)を受信・取得する。このとき、前記出力値取得部52は、フィルタ支持部材7が前記第3位置にあって光検出器4への入射光が遮断されているときの光検出器4の出力値を差し引くことによって、インターフェログラムのオフセットを補正する。

0030

その後、出力値取得部52は、オフセット補正したインターフェログラムを高速フーリエ変換して、波数毎の光検出器4の出力値である前記第1出力値Y1(k)を算出し、前記データ格納部54に格納して動作を終了する。なお、kは波数を示す。

0031

次に、オペレータが、フィルタ支持部材7を第2位置に移動させて光学フィルタ6を前記光路から退避させる。そして、オペレータが所定の第2演算開始操作をすると、前記出力値取得部52がこれを検知して、移動鏡23の各位置での光検出器4の出力値(インターフェログラム)を取得する。このとき、前述同様、出力値取得部52は、フィルタ支持部材7が前記第3位置にあって光検出器4への入射光が遮断されているときの光検出器4の出力値を差し引くことによって、インターフェログラムのオフセットを補正する。

0032

その後、この出力値取得部52は、オフセット補正したインターフェログラムを高速フーリエ変換して、波数毎の光検出器4の出力値である前記第2出力値Y2(k)を算出し、前記データ格納部54に格納して動作を終了する。
なお、図5に、第1位置(光学フィルタ有)、第2位置(光学フィルタ無)、第3位置(光遮断)でそれぞれ得られたインターフェログラムの一例を掲載する。

0033

次に、前記演算式算出部53が、予め定められた所定の複数の波数(ここでは例えば15点、図3におけるP1〜P15)における第1出力値Y1(k)と第2出力値Y2(k)とを前記データ格納部54から取得し、以下の評価関数を満たす演算式C(y)を、例えば最適化手法によって求める。
評価関数は、式(1)で表されるものである。
Y1(k)/{C(y)・Y2(k)}=F(k)・・・(1)

0034

ここでF(k)は光学フィルタ6の波数毎の透過率フィルタ特性)、yは光検出器4の出力値である。C(y)は、yを変数とし、その係数以外の形が予め定められた数式であり、例えば、以下の式(2)で表されるものである。
C(y)=C1・y+C2・y2+C3・y3・・・(2)

0035

前記演算算出部は、前記係数C1〜C3を既知の最適化手法を用いて求めるわけである。なお、このようにして求められた演算式C(y)は、前記データ格納部54に格納される。

0036

次に、前記分析部51が、データ格納部54に格納された演算式C(y)を用いて、移動鏡23の各位置での光検出器4の出力値y(インターフェログラム)を補正する。具体的には、光検出器4の出力値yにC(y)を掛け合わせて補正検出器出力値x、すなわち光強度xを算出する。そして、この補正検出器出力値xを高速フーリエ変換して光スペクトルを算出し、この光スペクトルから各波数の光の吸光度等を求めて試料を分析する。

0037

次に、光検出器4の出力値yをC(y)で補正した補正検出器出力値xが、相対的な光強度となる原理を以下に説明する。
前記第1出力値Y1(k)は、以下の式(3)で表すことができる。
Y1(k)=S(I1)・F(k)・L(k)・・・(3)
ここで、L(k)は波数毎の入射光強度、S(I1)は波数毎の検出器特性、I1は入射光強度、F(k)は光学フィルタ6の波数毎の透過率(フィルタ特性)である。

0038

光検出器4への入射光強度I1は、光学フィルタ6を透過することによって所定範囲内(ここでは所定値以下)となるようにしてある。所定範囲内とは、入射光強度I1と光検出器4の出力値との関係が、線形となる範囲内(オフセット補正されて比例関係となる範囲内)のことである。例えば図1でいうと、四角で囲った範囲のことである。
したがって、S(I1)=α=一定値・・・(4)
が成り立つ。ここでαは一定値の係数である。
これを言い換えれば、この入射光強度が所定範囲内での光検出器4の出力値は、入射光強度I1を相対的に表すものとなる。

0039

なお、この実施形態では、光学フィルタ6を透過した入射光強度I1が、この所定範囲ぎりぎりに入るように設定してある。逆に言えば、光学フィルタ6なしで、光をそのまま光検出器4に導くと、その入射光強度が所定範囲外となるようにしてある。このことによって、本分光分析器100のSNを担保するための十分な光強度を確保することができる。

0040

一方、前記第2出力値Y2(k)は、以下の式(5)で表すことができる。
Y2(k)=S(I2)・L(k)・・・(5)
ここで、I2は入射光強度である。

0041

このとき、光検出器4への入射光強度I2は、光学フィルタ6を透過していないので、大きい場合があり、光検出器4の出力値Y2(k)とは、非線形な関係となる。
すなわち、S(I2)は一定値ではなく、光検出器4への入射光強度I2によってその値が変化する。

0042

このS(I2)に、所定の演算を施して、その値がS(I1)=αとなるようにすれば、その演算による補正値は、全ての入射光強度Iに対して比例することとなり、該補正値は、相対的な入射光強度を表すこととなる。
すなわち、以下の式(6)が成り立つような関数C’(I)を求めればよい。
C’(I)・S(I2)=S(I1)・・・(6)

0043

そこで、前記式(5)の両辺にC’(I)を掛けると以下のようになる。
C’(I)・Y2(k)=C’(I)・S(I2)・L(k)・・・(7)
式(3)の各辺を式(7)の各辺で割ると、以下の式(8)となる。
Y1(k)/{C’(I)・Y2(k)}=
S(I1)・F(k)・L(k)/{C’(I)・S(I2)・L(k)}
・・・(8)

0044

この式(8)に式(6)を代入すると、その右辺中、S(I1)・L(k)/{C’(I)・S(I2)・L(k)}=1となるから、式(8)は、結局、以下の式(9)となる。
Y1(k)/{C’(I)・Y2(k)}=F(k)・・・(9)

0045

入射光強度Iを変数とするC’(I)は、光検出器4の出力値yを関数とするC(y)に置き換えることができるから、C’(I)の代わりにC(y)を代入すると、前記式(1)が成り立つ。
以上が、光検出器4の出力値yをC(y)で補正した補正検出器出力値xが、相対的な光強度となる理由である。実際にガス分析を行って線形性が向上した結果を図6に示す。

0046

しかして、このように構成した本実施形態によれば、光検出器4の出力値から入射光の強度を算出するための演算式を求めるために必要な作業が、光学素子を介在させた場合とそうでない場合とでの測定操作だけであるし、その作業に必要な設備も精々光学素子とその付帯部品だけであるから、分光分析器100に用いられる光検出器4の出力補正式、すなわち前記演算式の作成を、短時間でかつ簡単な構成で行える。
また、その結果、メンテナンスや修理時に、製品納入先での検量線の点検や再作成を容易に行えるというメリットも生じる。

0047

なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、フィルタ支持部材7や光学フィルタ6を着脱可能にし、出荷時や点検時にのみ取り付けて演算式を求められるようにしてもよい。

0048

光学素子としては透過型のもののみならず、反射型等でもよく、要は、波数特性が既知で、入射光強度を光検出器の線形性維持領域内にするものであればよい。
光学フィルタを、第1位置〜第3位置に自動的に移動させるなどして、全自動で演算式を求めるような構成にしても構わない。

0049

光検出器は、MCT光検出器に限られない。入射光強度が所定範囲内においてその出力値と線形となり、その他の範囲で非線形となるような光検出器に本発明を適用することができる。
また、本発明は、フーリエ変換型赤外分光分析器に限られず、他のタイプの分光分析器や分光器(前記実施形態で言えば光スペクトルを求めるまでの構成のもの)に適用して同様の効果を奏し得るものである。
その他、本発明は前記実施形態に限られること無く、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。

0050

100・・・分光分析器
1・・・光源
2・・・分光部(干渉計)
4・・・光検出器
52・・・出力値取得部
53・・・演算式算出部
6・・・光学フィルタ(光学素子)
7・・・フィルタ支持部材(支持機構)

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ