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技術 蒸発燃料処理装置

出願人 三菱自動車工業株式会社三菱自動車エンジニアリング株式会社
発明者 國井謙一若松篤志植松亨介
出願日 2015年7月27日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-147329
公開日 2017年2月2日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-025852
状態 特許登録済
技術分野 燃料・空気・混合気への2次燃料等の供給
主要キーワード 圧抜き通路 位置切替弁 天井面付近 外気取り込み 詰まり具合 所定差圧 異物進入 迂回通路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

蒸発燃料処理装置に関し、部品保護性を向上させる。

解決手段

燃料タンク5で発生する蒸発燃料吸着するキャニスタ6と燃料タンク5とを接続する通路上に密閉弁1が介装された密閉タンク式の蒸発燃料処理装置において、キャニスタ6と外部とを接続する大気開放通路9の閉塞状態を検出する検出部31を設ける。また、検出部31で閉塞状態が検出されたら密閉弁1を開放し、閉塞状態が検出されなければ密閉弁1を閉鎖する制御部32を設ける。

概要

背景

従来、燃料タンクで発生する蒸発燃料キャニスタ吸着させ、その吸着燃料エンジン運転中に吸気系へとパージさせる蒸発燃料処理装置が知られている。すなわち、蒸発燃料を一時的にキャニスタで捕集しつつエンジンに吸引させて、蒸発燃料の大気中への放出を防止するものである。このような蒸発燃料処理装置が搭載されたエンジンでは、キャニスタから脱離する蒸発燃料量を考慮して、燃料噴射量や吸入空気量が制御される。

一方、近年では、走行用モータ主体的に使用して走行し、エンジンを補助的に使用するハイブリッド車両(PHEV,PHV)が開発されている。このようなハイブリッド車両は、エンジンのみを動力源とする車両と比較してエンジンの作動時間が短く、キャニスタに吸着された蒸発燃料をパージする機会が少ない。そこで、燃料タンクとキャニスタとを接続する通路上に密閉弁を設け、燃料タンクの密閉状態をできるだけ長く維持することで、燃料蒸発やキャニスタへの吸着を抑制する技術が提案されている。

例えば、燃料タンクの内部圧力は、タンク内の温度が高くなるほど上昇し、燃料量が減少するにつれて低下する傾向を持つ。そこで、燃料タンクの内部圧力が所定圧力を超えない限り、密閉弁を常に閉鎖しておくことが考えられる。また、燃料タンクの給油時に内部圧力が大気圧よりも高くなっていると、フィラーキャップ開放時に補給口から燃料が吹き返すおそれがある。そこで、給油の直前に密閉弁を開放して、燃料タンクの圧抜きをすることも考えられる(特許文献1,2参照)。これらの制御を実施することで、燃料の蒸発やキャニスタへの吸着を抑制することができる。

概要

蒸発燃料処理装置に関し、部品保護性を向上させる。燃料タンク5で発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタ6と燃料タンク5とを接続する通路上に密閉弁1が介装された密閉タンク式の蒸発燃料処理装置において、キャニスタ6と外部とを接続する大気開放通路9の閉塞状態を検出する検出部31を設ける。また、検出部31で閉塞状態が検出されたら密閉弁1を開放し、閉塞状態が検出されなければ密閉弁1を閉鎖する制御部32を設ける。

目的

本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、部品保護性を向上させた蒸発燃料処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

燃料タンクで発生する蒸発燃料吸着するキャニスタと前記燃料タンクとを接続する通路上に密閉弁が介装された密閉タンク式の蒸発燃料処理装置において、前記キャニスタと外部とを接続する大気開放通路閉塞状態を検出する検出部と、前記検出部で前記閉塞状態が検出されたら前記密閉弁を開放し、前記閉塞状態が検出されなければ前記密閉弁を閉鎖する制御部と、を備えたことを特徴とする、蒸発燃料処理装置。

請求項2

前記制御部が、前記閉塞状態が検出されたときの前記密閉弁の開放条件を前記閉塞状態が検出されないときの開放条件よりも緩和することを特徴とする、請求項1記載の蒸発燃料処理装置。

請求項3

前記制御部は、前記閉塞状態が検出されなければ、前記燃料タンクの圧力が第一圧力以上の場合に前記密閉弁を開放し、前記閉塞状態が検出されたら、前記燃料タンクの圧力が前記第一圧力よりも低い第二圧力以上の場合に前記密閉弁を開放することを特徴とする、請求項2記載の蒸発燃料処理装置。

請求項4

前記制御部が、前記閉塞状態が検出されたときの前記密閉弁の閉鎖条件を前記閉塞状態が検出されていないときの閉鎖条件よりも強化することを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項記載の蒸発燃料処理装置。

請求項5

前記制御部は、前記閉塞状態が検出されなければ、前記燃料タンクの圧力が第三圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖し、前記閉塞状態が検出されたら、前記燃料タンクの圧力が前記第三圧力よりも低い第四圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖することを特徴とする、請求項4記載の蒸発燃料処理装置。

請求項6

前記制御部が、直近給油時からの経過時間に応じて、前記密閉弁の開閉状態を制御することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。

請求項7

前記制御部が、前記燃料タンクに残留する燃料量に応じて、前記密閉弁の開閉状態を制御することを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。

請求項8

前記検出部が、前記キャニスタの内圧エンジン吸気系圧力とに基づき、前記閉塞状態を検出することを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。

技術分野

0001

本発明は、燃料タンクで発生する蒸発燃料吸着するキャニスタと燃料タンクとを接続する通路上に密閉弁が介装された密閉タンク式の蒸発燃料処理装置に関する。

背景技術

0002

従来、燃料タンクで発生する蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、その吸着燃料エンジン運転中に吸気系へとパージさせる蒸発燃料処理装置が知られている。すなわち、蒸発燃料を一時的にキャニスタで捕集しつつエンジンに吸引させて、蒸発燃料の大気中への放出を防止するものである。このような蒸発燃料処理装置が搭載されたエンジンでは、キャニスタから脱離する蒸発燃料量を考慮して、燃料噴射量や吸入空気量が制御される。

0003

一方、近年では、走行用モータ主体的に使用して走行し、エンジンを補助的に使用するハイブリッド車両(PHEV,PHV)が開発されている。このようなハイブリッド車両は、エンジンのみを動力源とする車両と比較してエンジンの作動時間が短く、キャニスタに吸着された蒸発燃料をパージする機会が少ない。そこで、燃料タンクとキャニスタとを接続する通路上に密閉弁を設け、燃料タンクの密閉状態をできるだけ長く維持することで、燃料蒸発やキャニスタへの吸着を抑制する技術が提案されている。

0004

例えば、燃料タンクの内部圧力は、タンク内の温度が高くなるほど上昇し、燃料量が減少するにつれて低下する傾向を持つ。そこで、燃料タンクの内部圧力が所定圧力を超えない限り、密閉弁を常に閉鎖しておくことが考えられる。また、燃料タンクの給油時に内部圧力が大気圧よりも高くなっていると、フィラーキャップ開放時に補給口から燃料が吹き返すおそれがある。そこで、給油の直前に密閉弁を開放して、燃料タンクの圧抜きをすることも考えられる(特許文献1,2参照)。これらの制御を実施することで、燃料の蒸発やキャニスタへの吸着を抑制することができる。

先行技術

0005

特開2015-081528号公報
特開2014-092069号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、上記のようなキャニスタの多くは大気開放されており、キャニスタに吸着された蒸発燃料が外気とともにエンジン側へと吸入される構造となっている。また、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させる際には、キャニスタ内活性炭フィルタで蒸発燃料が取り除かれた後の空気を、大気開放通路から外部へと流出させるようになっている。この大気開放通路が異物の付着等によって狭められると、燃料タンクからキャニスタへの空気の流れが滞り、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタ側へと流通させにくくなる。つまり、燃料タンクの内部圧力が上昇した場合に、その圧力を低下させにくくなり、部品保護性が低下しうる。また、燃料タンクの内部圧力が低下しにくくなることから、給油前の燃料タンクの圧抜き時間が延長され、利便性が低下しうる。

0007

本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、部品保護性を向上させた蒸発燃料処理装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。

課題を解決するための手段

0008

(1)ここで開示する蒸発燃料処理装置は、燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと前記燃料タンクとを接続する通路上に密閉弁が介装された密閉タンク式の蒸発燃料処理装置である。本蒸発燃料処理装置は、前記キャニスタと外部とを接続する大気開放通路の閉塞状態を検出する検出部を備える。また、前記検出部で前記閉塞状態が検出されたら前記密閉弁を開放し、前記閉塞状態が検出されなければ前記密閉弁を閉鎖する制御部を備える。
前記制御部は、前記閉塞状態が検出された場合に、前記密閉弁を開放することで前記燃料タンクを減圧するように機能することが好ましい。

0009

(2)前記制御部が、前記閉塞状態が検出されたときの前記密閉弁の開放条件を前記閉塞状態が検出されないときの開放条件よりも緩和することが好ましい。すなわち、前記閉塞状態が検出されたときには、前記閉塞状態が検出されないときと比較して、前記密閉弁に開放されやすい特性を与えることが好ましい。
(3)前記制御部は、前記閉塞状態が検出されなければ、前記燃料タンクの圧力が第一圧力以上の場合に前記密閉弁を開放することが好ましい。一方、前記閉塞状態が検出されたら、前記燃料タンクの圧力が前記第一圧力よりも低い第二圧力以上の場合に前記密閉弁を開放することが好ましい。すなわち、前記閉塞状態が検出されたときには、前記閉塞状態が検出されないときと比較して、前記密閉弁を開放するための下限閾値を低下させることが好ましい。

0010

(4)前記制御部が、前記閉塞状態が検出されたときの前記密閉弁の閉鎖条件を前記閉塞状態が検出されていないときの閉鎖条件よりも強化することが好ましい。すなわち、前記閉塞状態が検出されたときには、前記閉塞状態が検出されないときと比較して、前記密閉弁に閉鎖されにくい特性を与えることが好ましい。
(5)前記制御部は、前記閉塞状態が検出されなければ、前記燃料タンクの圧力が第三圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖し、前記閉塞状態が検出されたら、前記燃料タンクの圧力が前記第三圧力よりも低い第四圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖することが好ましい。なお、前記第三圧力は前記第一圧力よりも低い圧力であることが好ましい。

0011

(6)前記制御部が、直近の給油時からの経過時間に応じて、前記密閉弁の開閉状態を制御することが好ましい。この場合、前記経過時間が所定時間未満の場合に前記密閉弁を開放し、前記経過時間が前記所定時間以上の場合に、前記密閉弁を閉鎖することが好ましい。
(7)前記制御部が、前記燃料タンクに残留する燃料量に応じて、前記密閉弁の開閉状態を制御することが好ましい。この場合、前記燃料量が所定量以上ならば前記密閉弁を開放し、前記燃料量が前記所定量未満ならば前記密閉弁を閉鎖することが好ましい。

0012

(8)前記検出部が、前記キャニスタの内圧とエンジンの吸気系圧力とに基づき、前記閉塞状態を検出することが好ましい。
例えば、前記検出部は、前記キャニスタの内圧と前記吸気系圧力との差圧所定差圧未満であることを以て前記閉塞状態を検出することが好ましい。なお、前記検出部は、前記キャニスタに吸着している前記蒸発燃料をエンジンに吸引させるキャニスタパージ制御中における前記差圧に基づいて、前記閉塞状態を検出することが好ましい。

発明の効果

0013

大気開放通路が閉塞状態であるときに密閉弁を開放することで、燃料タンクを減圧することができ、部品保護性を向上させることができる。また、給油前における燃料タンクの圧抜き時間を短縮することができる。一方、大気開放通路が閉塞状態でなければ、密閉弁を閉鎖することで燃料の蒸発を抑制することができ、キャニスタへの燃料吸着量を減少させることができる。

図面の簡単な説明

0014

蒸発燃料処理装置が適用された車両の構成を示す図である。
エンジン停止中制御手順を例示するフローチャートである。
エンジン作動中の制御手順を例示するフローチャートである。
制御内容を説明するためのタイムチャートであり、(A)は燃料タンクのタンク圧、(B)はキャニスタ圧、(C)は大気開放通路の閉塞状態、(D)〜(F)はそれぞれ密閉弁,バイパス弁パージ弁の開閉状態を示す。

実施例

0015

図面を参照して、実施形態としての蒸発燃料処理装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。

0016

[1.装置構成
本実施形態の蒸発燃料処理装置が適用された車両の構成を図1に例示する。この車両は、走行用モータの駆動力で走行するEV(Electric Vehicle)モードと、エンジン21の駆動力を使用(又は併用)して走行するHEV(Hybrid Electric Vehicle)モードとを備えたハイブリッド車両である。エンジン21の作動時には、燃料タンク5の内部から燃料がポンプで吸い上げられ、車両の走行状態に応じた量の燃料がインジェクタ22から噴射される。また、吸入空気量は、吸気通路23に介装されたスロットルバルブ25で制御される。

0017

このエンジン21には、燃料タンク5で発生する蒸発燃料をキャニスタ6で回収して吸気系に導入するためのパージ用通路10が装備される。パージ用通路10には、燃料タンク5とエンジン21の吸気系とを接続するタンク通路7と、タンク通路7からキャニスタ6に向かって分岐形成されたキャニスタ通路8とが設けられる。タンク通路7の一端は、燃料タンク5の例えば天井面付近や側面上部に接続され、他端は吸気通路23に接続される。タンク通路7の接続位置は、スロットルバルブ25よりも下流側(エンジン21のシリンダに近い側)に設定される。また、キャニスタ通路8の一端は、キャニスタ6の上面に接続され、他端はタンク通路7に対して三叉路を形成するように接続される。

0018

パージ用通路10には、通路内における空気の流れを制御するための弁として、密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3が介装される。
密閉弁1は、燃料タンク5を密閉するための電磁制御弁であり、タンク通路7とキャニスタ通路8との分岐点よりも燃料タンク5に近い位置に配置される。密閉弁1は、基本的には常にタンク通路7を閉鎖して、燃料タンク5の密閉状態を維持するように機能する。また、燃料タンク5の内部圧力が上昇し過ぎた場合には一時的に開放される。本実施形態の密閉弁1は、制御信号の種類や大きさに応じてオンオフ作動開作動又は閉作動)する二位置切替弁である。

0019

バイパス弁2は、キャニスタ通路8を開放又は遮断するための電磁制御弁であり、タンク通路7とキャニスタ通路8との分岐点に配置される。バイパス弁2は、キャニスタ6に蒸発燃料を吸着させたいときや、キャニスタ6で吸着された蒸発燃料をパージさせたいときに開放される。本実施形態のバイパス弁2は、密閉弁1と同様に、制御信号の種類や大きさに応じてオン・オフ作動する二位置切替弁である。

0020

パージ弁3は、吸気通路23に対してタンク通路7を開放又は遮断するための電磁制御弁であり、タンク通路7とキャニスタ通路8との分岐点よりも吸気通路23に近い位置に配置される。パージ弁3は、基本的にはエンジン21の作動中に、吸気通路23に対してタンク通路7を開放するように制御される。また、エンジン21の停止時には、タンク通路7を閉鎖するように制御される。本実施形態のパージ弁3は、制御信号の大きさに応じた開度でタンク通路7を開放する可変開度制御弁である。パージ弁3の開度は、エンジン21の運転状態やキャニスタ6に吸着されている蒸発燃料量,燃料タンク5に残留する燃料量などに応じて設定可能である。

0021

図1中に示すように、キャニスタ6の上面には、キャニスタ6と外部とを接続する大気開放通路9が取り付けられる。大気開放通路9は、燃料蒸気をキャニスタ6に吸着させる際の圧抜き通路として機能するとともに、キャニスタ6に吸着している燃料蒸気を吸気通路23へと流出させる際の外気取り込み通路として機能する。また、大気開放通路9にはエアフィルタ20が介装され、ここで外気中の異物が除去される。

0022

また、密閉弁1を迂回して密閉弁1の上流側と下流側とを接続するように形成された迂回通路上には、リリーフ弁4が介装される。リリーフ弁4は、燃料タンク5の内部圧力の上限値PMAXを規定する安全弁である。密閉弁1よりも燃料タンク5側におけるタンク通路7の圧力が所定の上限値PMAX以下のときには、リリーフ弁4が閉鎖状態とされる。一方、密閉弁1よりも燃料タンク5側におけるタンク通路7の圧力が上限値PMAXを超えるとリリーフ弁4が開放され、燃料タンク5が圧抜きされる。これにより、燃料タンク5の内部圧力が上限値PMAXを越えて上昇することが防止される。

0023

また、燃料タンク5には給油用の給油通路19が設けられ、その先端がフィラーキャップ17で閉塞されるとともに、フューエルリッド16の内側まで延設される。燃料の給油時には、車両の乗員によってフューエルリッド16が開放された後に、フィラーキャップ17が回動操作されて取り外される。また、給油通路19には、燃料の逆流や燃料蒸気の流出を防止するための逆止弁18が設けられる。逆止弁18は、車両の外部から燃料タンク5に向かう方向への流体の流入を許容し、逆方向への流体の流出を阻止するように機能する。

0024

上記の密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3の開閉状態(開度)は、コンピュータとして機能する制御装置30で制御される。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリ等を集積した電子デバイスである。ここでいうプロセッサとは、例えば制御ユニット制御回路)や演算ユニット演算回路),キャッシュメモリレジスタ)等を内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、ROM,RAM及び不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。制御装置30で実施される制御の内容は、ファームウェアアプリケーションプログラムとしてROM,RAM,不揮発メモリ,リムーバブルメディア内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAM内メモリ空間内に展開され、プロセッサによって実行される。

0025

この制御装置30には、キャニスタ圧センサ11,インマニ圧センサ12,タンク圧センサ13,エンジン回転数センサ14,リッド開放センサ15が接続される。キャニスタ圧センサ11は、キャニスタ6の内圧に対応する大気開放通路9の内部圧力を「キャニスタ圧C」として検出するものである。ここでは、キャニスタ6に内蔵される活性炭フィルタとエアフィルタ20との間の圧力が検出される。また、インマニ圧センサ12は、吸気通路23においてスロットルバルブ25よりも下流側に設けられたサージタンク24の内部圧力を「インマニ圧PIM(吸気系圧力)」として検出するものである。ここでは、吸気通路23とタンク通路7との接続箇所近傍における圧力(負圧の大きさ)が検出される。

0026

タンク圧センサ13は、燃料タンク5の内部圧力(気体部分の圧力)を「タンク圧P」として検出するものである。タンク圧センサ13は、燃料液面よりも上方となる位置に取り付けられる。また、エンジン回転数センサ14は、エンジン21の回転速度(エンジン回転数Ne)を検出するものである。リッド開放センサ15は、フューエルリッド16が開放されたことを検出する近接センサである。これらの各種センサ11〜15で検出された情報は、制御装置30に伝達される。なお、キャニスタ圧センサ11,インマニ圧センサ12,タンク圧センサ13のそれぞれで検出される圧力は、絶対圧であってもよいし、大気圧PATMを基準としたゲージ圧であってもよい。

0027

[2.制御の内容]
本実施形態の制御装置30は、タンク密閉制御,圧抜き制御,キャニスタパージ制御,タンクパージ制御,第二タンクパージ制御という五種類の制御を実施する。タンク密閉制御及び圧抜き制御は、エンジン21が作動していない状態で実施可能な制御である。これに対し、残りの三種類の制御は、エンジン21の作動中であって、エンジン21の運転状態が比較的安定している場合に実施される。本実施形態では、エンジン21の停止中にタンク密閉制御,圧抜き制御の何れかが実施され、エンジン21の作動中には、キャニスタパージ制御,タンクパージ制御,第二タンクパージ制御の何れかが実施されるものとする。

0028

[2−1.タンク密閉制御]
タンク密閉制御は、エンジン21の停止中に密閉弁1を閉鎖することで、燃料タンク5で発生した燃料蒸気の流出を防止する制御である。このとき、パージ弁3も閉鎖状態に制御される。これにより、燃料タンク5は、エンジン21の吸気通路23に対して密閉弁1とパージ弁3とで二重に遮断される。なお、バイパス弁2の開閉状態は任意であり、本実施形態では開放状態に制御される。

0029

[2−2.圧抜き制御]
圧抜き制御は、燃料タンク5の内部圧力が大気圧PATMに比して過剰に大きくならないように、密閉弁1とバイパス弁2を開放して燃料タンク5を圧抜きする制御である。圧抜き制御は、燃料タンク5への給油の直前に実施される。このとき、パージ弁3は閉鎖状態に制御される。密閉弁1とバイパス弁2とを開放することで、燃料タンク5からキャニスタ6の大気開放通路9を介して、外部へと向かう空気の流れが生じる。これにより、燃料タンク5のタンク圧Pが低下するとともに、燃料タンク5及びパージ用通路10内に存在する燃料蒸気がキャニスタ6で回収される。

0030

[2−3.キャニスタパージ制御]
キャニスタパージ制御は、エンジン21の作動中にバイパス弁2を開放し、キャニスタ6に吸着している燃料蒸気を吸気通路23へと吸い込ませることで、キャニスタ6を浄化(パージ)する制御である。キャニスタパージ制御は、エンジン21の安定作動中であって、タンクパージ制御,第二タンクパージ制御が実施されていないときに実施される。なお、本実施形態のキャニスタパージ制御は、少なくとも大気開放通路9の閉塞状態が検出されていない場合に実施されるものとする。

0031

この制御は、燃料蒸気をエンジン21に消費させる制御であることから、パージ弁3が開放状態に制御される。パージ弁3の開度は、エンジン21の運転状態に応じて調節される。一方、密閉弁1は閉鎖状態に制御される。つまり、吸気通路23に対してキャニスタ6が連通した状態となり、燃料タンク5は遮断される。これにより、パージ用通路10から吸気通路23へと導入される燃料蒸気は、キャニスタ6からの燃料蒸気のみとなるため、燃料蒸気量推定精度が向上し、エンジン21の制御性が向上する。

0032

[2−4.タンクパージ制御,第二タンクパージ制御]
タンクパージ制御,第二タンクパージ制御は、エンジン21の作動中に密閉弁1を開放し、燃料タンク5内の燃料蒸気を吸気通路23へと吸い込ませることで、燃料タンク5をパージ(浄化)する制御である。この制御では、パージ弁3が開放状態に制御されるとともに、バイパス弁2が閉鎖状態に制御される。つまり、吸気通路23に対して燃料タンク5が連通した状態となり、キャニスタ6は遮断される。これにより、パージ用通路10から吸気通路23へと導入される燃料蒸気は、燃料タンク5からの燃料蒸気のみとなるため、燃料蒸気量の推定精度が向上し、エンジン21の制御性が向上する。

0033

第二タンクパージ制御には、タンクパージ制御よりも開始されやすく、終了しにくい特性が与えられる。すなわち、タンクパージ制御の開始条件と比較して、第二タンクパージ制御の開始条件は、やや緩和された(甘めに設定された)条件とされる。また、タンクパージ制御の終了条件と比較して、第二タンクパージ制御の終了条件は、やや強化された(厳しめに設定された)条件とされる。このように、第二タンクパージ制御では、タンクパージ制御よりも密閉弁1に開放されやすく、閉鎖されにくい特性が与えられる。

0034

本実施形態における、タンクパージ制御及び第二タンクパージ制御のそれぞれについての開始条件,終了条件を以下に例示する。タンクパージ制御は、条件A,Bがともに成立した場合に開始され、条件C,Dの何れかが成立した場合に終了する。一方、第二タンクパージ制御は、条件E〜Gの全てが成立した場合に開始され、条件H,Iの何れかが成立した場合に終了する。なお、条件Aは、例えばエンジン21の冷却水温所定値以上であり、エンジン回転数Neが安定している場合に成立するものとする。ただし、燃料噴射量の学習中や高負荷時(インマニ圧PIMが負圧でないとき)には、条件Aが成立しないものとする。

0035

=タンクパージ制御の開始条件=
A.エンジン21が作動中、かつ、運転状態が安定している
B.タンク圧Pが第一圧力P1以上である(ただしP1<PMAX)
=タンクパージ制御の終了条件=
C.エンジン21が停止、又は、運転状態が安定していない
D.タンク圧Pが第三圧力P3未満である(ただしP3<P1)

0036

=第二タンクパージ制御の開始条件=
E.エンジン21が作動中、かつ、運転状態が安定している
F.直近の給油時からの経過時間が所定時間未満である
G.タンク圧Pが第二圧力P2以上である(ただしP2<P1)
=第二タンクパージ制御の終了条件=
H.エンジン21が停止、又は、運転状態が安定していない
I.タンク圧Pが第四圧力P4未満である(ただしP4<P2,P4<P3)

0037

このように、第二タンクパージ制御を開始して密閉弁1を開放するための下限閾値P2は、タンクパージ制御を開始して密閉弁1を開放するための下限閾値P1よりも低い値に設定される。また、第二タンクパージ制御を終了して密閉弁1を閉鎖するための上限閾値P4は、タンクパージ制御を終了して密閉弁1を閉鎖するための上限閾値P3よりも低い値に設定される。本実施形態における制御の名称と密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3の開閉状態との関係をまとめると、以下の通りである。

0038

0039

[3.制御構成
上記の各種制御を実施するための制御構成として、制御装置30には、検出部31と制御部32とが設けられる。これらは、制御装置30で実行されるプログラムの一部の機能を示すものであり、ソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。

0040

検出部31は、大気開放通路9の閉塞状態(詰まり具合)を検出するものである。ここでは、エアフィルタ20への異物付着や大気開放通路9への異物進入によって、大気開放通路9が塞がった状態になっているか否かが判断される。検出部31で検出される閉塞状態には、空気が全く流通しない状態(完全に閉塞された状態)だけでなく、空気が流れにくくなっている状態(部分的に閉塞された状態)も含まれる。

0041

本実施形態の検出部31は、キャニスタパージ制御の実施中に、キャニスタ圧Cとインマニ圧PIMとに基づいて大気開放通路9の閉塞状態を検出する。例えば、キャニスタ圧Cとインマニ圧PIMとの差圧(C-PIM)を算出し、この差圧の絶対値が所定差圧未満になった場合に、大気開放通路9が閉塞状態であると判断する。あるいは、キャニスタ圧Cとインマニ圧PIMとの圧力比(C/PIM)を算出し、この圧力比が所定比率未満になった場合に、大気開放通路9が閉塞状態であると判断する。ここでの判定結果は、制御部32に伝達される。

0042

大気開放通路9に詰まりが生じていなければ、キャニスタ圧Cはほぼ大気圧PATMと同一の値を持つ。これに対し、大気開放通路9に詰まりが生じているときにキャニスタ6と吸気通路23とが連通状態になると、キャニスタ6から吸気通路23へと吸い込まれる空気量と比較して、大気開放通路9からキャニスタ6へと流入する空気量が減少する。そのため、吸気通路23に吸い込まれる空気量が増大するにつれてキャニスタ圧Cが低下し、最終的にはインマニ圧PIMに近い値となりうる。

0043

したがって、キャニスタパージ制御の実施中に、キャニスタ圧Cの値がインマニ圧PIMの値に近づく度合いを計測することで、大気開放通路9の詰まり具合を推定することができる。また、キャニスタ圧Cの比較対象をインマニ圧PIMとすることで、大気圧PATMを参照せずに大気開放通路9の詰まり具合を推定でき、車両の走行高度の高低に関わらず、大気開放通路9の閉塞状態を高精度に検出可能となる。なお、大気開放通路9の詰まり具合は、キャニスタパージ制御の実施中でなくても検出することは可能である。例えば、圧抜き制御におけるタンク圧Pの低下速度所定速度未満である場合に、大気開放通路9が閉塞状態であると判断してもよい。

0044

制御部32は、上記のタンク密閉制御,圧抜き制御,キャニスタパージ制御,タンクパージ制御,第二タンクパージ制御を実施するものである。ここでは、各制御の開始条件,終了条件が判定され、制御の種類に応じて密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3の開閉状態が制御される。
本実施形態の制御部32は、検出部31で大気開放通路9の閉塞状態が検出された場合に、密閉弁1を開放する制御を実施する。すなわち、制御部32は閉塞状態が検出されたときの密閉弁1の開放条件を、閉塞状態が検出されないときの密閉弁1の開放条件よりも緩和する機能を持つ。また、制御部32は、大気開放通路9の閉塞状態が検出されたときの密閉弁1の閉鎖条件を、閉塞状態が検出されないときの密閉弁1の閉鎖条件よりも強化する機能を持つ。

0045

本実施形態の制御部32は、大気開放通路9の閉塞状態で密閉弁1を開放するための手段として、第二タンクパージ制御を用いる。例えば、閉塞状態が検出されていない状態では、燃料タンク5のタンク圧Pが第一圧力P1以上まで上昇したときに、タンクパージ制御を開始する。このとき、第二タンクパージ制御の要否は判定しない。これに対し、閉塞状態が検出されている状態では、タンクパージ制御の代わりに第二タンクパージ制御の要否を判定する。すなわち、燃料タンク5のタンク圧Pが第二圧力P2以上まで上昇したときに、第二タンクパージ制御を開始する。タンクパージ制御,第二タンクパージ制御は、開始条件及び終了条件が異なるものの、制御内容は同一である。したがって、閉塞状態の有無によって、制御条件が変更されることになる。

0046

第二タンクパージ制御で密閉弁1を開放するための下限閾値P2は、タンクパージ制御で密閉弁1を開放するための下限閾値P1よりも低い値であり、第二タンクパージ制御はタンクパージ制御よりも開始条件が緩和されている。また、第二タンクパージ制御を終了して密閉弁1を閉鎖するための上限閾値P4は、タンクパージ制御を終了して密閉弁1を閉鎖するための上限閾値P3よりも低い値であり、第二タンクパージ制御はタンクパージ制御よりも終了条件が強化されている。このように、密閉弁1に開放されやすく閉鎖されにくい特性を与えることで、大気開放通路9の閉塞状態における燃料タンク5が減圧されやすくなり、燃料タンク5の部品保護性が向上する。

0047

また、制御部32は、直近の給油時からの経過時間、又は燃料タンク5の内部に残留する燃料量に応じて、密閉弁1の開閉状態を制御する機能を持つ。例えば、直近の給油時からの経過時間が所定時間未満である場合、制御部32は、第二タンクパージ制御の開始条件が成立するか否かを判定する。一方、直近の給油時からの経過時間が所定時間以上である場合、制御部32は、タンクパージ制御の開始条件が成立するか否かを判定する。つまり、直近の給油時から所定時間以上が経過している場合には、燃料がいわゆる「枯れた」状態(揮発成分の全体に占める割合が低下し、燃料が蒸発しにくくなった状態)となっている可能性が高いものと判断し、大気開放通路9の閉塞状態が検出されたとしても第二タンクパージ制御を実施せず、タンクパージ制御の要否を判定する。

0048

燃料タンク5内の燃料量に応じて密閉弁1の開閉状態を制御する場合、制御部32は、燃料量が所定量以上である場合に、第二タンクパージ制御の開始条件が成立するか否かを判定する。一方、燃料量が所定量未満の場合には、たとえ燃料タンク5内で燃料が蒸発したとしてもタンク圧Pが上昇しにくいものと判断し、タンクパージ制御の開始条件が成立するか否かを判定する。これにより、残り少ない燃料が燃料タンク5内の減圧によってさらに蒸発してしまうことが抑制される。

0049

[4.フローチャート]
図2図3は、上記の各種制御を実施するための制御手順を例示するフローチャートである。図2はおもにエンジン21の停止中の制御内容に対応し、図3はおもにエンジン21の安定作動中の制御内容に対応する。これらのフロー中の制御フラグFは、タンクパージ制御又は第二タンクパージ制御の実施状況を示すものであり、何れかの制御の実施中にはF=1に設定される。
図2に示すように、まず各種センサ11〜15で検出された情報が制御装置30に入力され(ステップA1)、エンジン21が作動中であるか否かが判定される(ステップA2)。ここで、エンジン21が作動中であればステップA7に進み、停止中ならばステップA3に進む。エンジン21の作動状態は、エンジン回転数Ne,インマニ圧PIM,冷却水温,車速要求トルク,燃料噴射量,吸入空気量などに基づき、公知の手法を用いて判定される。

0050

ステップA3では、フューエルリッド16が開放されているか否かが判定され、開放されていれば圧抜き制御が実施される(ステップA4)。圧抜き制御では、密閉弁1とバイパス弁2とが開放され、燃料タンク5が圧抜きされる。一方、フューエルリッド16が開放されていなければ、タンク密閉制御が実施される(ステップA5)。タンク密閉制御では、密閉弁1とパージ弁3とが閉鎖され、燃料タンク5で発生した燃料蒸気の流出が防止される。ステップA4,A5に続くステップA6では制御フラグFがF=0に設定され、この演算周期での制御が終了する。また、エンジン21が作動中ならば、その運転状態が安定しているか否かが判定され(ステップA7)、安定している場合には、図3中のステップA11に進む。一方、エンジン21の運転状態が安定していない場合には、ステップA6に進み、制御フラグFがF=0に設定されて、この演算周期での制御が終了する。なお、エンジン21の運転状態は、エンジン回転数Ne,インマニ圧PIM,冷却水温,車速,要求トルク,燃料噴射量,吸入空気量などに基づき、公知の手法を用いて判定される。

0051

図3のステップA11では、制御フラグFがF=0であるか否かが判定され、この条件が成立する場合にはステップA12に進み、成立しない場合にはステップA21に進む。
ステップA12では、検出部31が大気開放通路9の閉塞状態を検出しているか否かが判定される。ここで、閉塞状態が検出されていなければ、タンクパージ制御の開始条件Bが判定され(ステップA14)、閉塞状態が検出されていれば直近の給油時からの経過時間が所定時間未満であることを条件として(ステップA13)、第二タンクパージ制御の開始条件Gが判定される(ステップA15)。このように、密閉弁1を開放するための条件は、大気開放通路9の閉塞状態に応じて、あるいは、直近の給油時からの経過時間に応じて切り替えられる。

0052

タンクパージ制御の開始条件Bが成立した場合にはタンクパージ制御が開始され(ステップA16)、密閉弁1及びパージ弁3が開放状態に制御されるとともに、バイパス弁2が閉鎖状態に制御される。また、第二タンクパージ制御の開始条件Gが成立した場合にも、タンクパージ制御と同様に、第二タンクパージ制御が開始される(ステップA18)。ステップA16,A18に続くステップA19,A20では制御フラグFがF=1に設定され、この演算周期での制御が終了する。一方、ステップA14で上記の開始条件Bが成立しない場合にはキャニスタパージ制御が実施され(ステップA17)、密閉弁1が閉鎖状態に制御されるとともに、バイパス弁2及びパージ弁3が開放状態に制御される。

0053

なお、キャニスタパージ制御は、少なくとも大気開放通路9の閉塞状態が検出されておらず(ステップA12)、かつ、タンク圧Pが第一圧力P1未満であるとき(ステップA14)に実施される。一方、大気開放通路9の閉塞状態が検出されている場合には、キャニスタパージ制御が不実施とされる。例えば、直近の給油時からの経過時間が所定時間以上である場合にはステップA26に進み、上記の開始条件Bが成立した場合にはタンクパージ制御が開始される。一方、タンクパージ制御の開始条件Bが成立しない場合には何れの制御も実施されることなく、この演算周期での制御が終了する。ステップA15で上記の開始条件Gが成立しない場合も同様であり、何れの制御も実施されることなく、この演算周期での制御が終了する。

0054

ステップA11でF=1である場合、タンクパージ制御,第二タンクパージ制御の終了条件がステップA21以降で判定される。まず、ステップA21では、ステップA12と同様に、大気開放通路9の閉塞状態が検出されているか否かが判定され、閉塞状態が検出されていなければ、タンクパージ制御の終了条件Dが判定され(ステップA22)、閉塞状態が検出されていれば、第二タンクパージ制御の終了条件Iが判定される(ステップA23)。このように、密閉弁1を閉鎖するための条件は、大気開放通路9の閉塞状態に応じて切り替えられる。
タンクパージ制御の終了条件Dが成立した場合にはタンクパージ制御が終了し(ステップA24)、制御フラグFがF=0に設定されて、この演算周期での制御が終了する。また、第二タンクパージ制御の終了条件Iが成立した場合には第二タンクパージ制御が終了し(ステップA25)、制御フラグFがF=0に設定されて、この演算周期での制御が終了する。

0055

[5.作用,効果]
大気開放通路9の閉塞状態に基づく制御について、図4(A)〜(F)を用いて説明する。時刻t0にキャニスタパージ制御の開始条件が成立すると、バイパス弁2,パージ弁3が開放状態に制御され、密閉弁1が閉鎖状態に制御される。このとき、大気開放通路9が閉塞された状態であれば、図4(B)に示すように、大気圧PATMとほぼ同圧力のキャニスタ圧Cが徐々に低下し、インマニ圧PIMに近づくように変化する。このようなキャニスタ圧Cの変化は制御装置30の検出部31で検出される。

0056

時刻t1に大気開放通路9の閉塞状態が検出されると、タンクパージ制御よりも開始条件が緩和された第二タンクパージ制御の要否判定が実施される。すなわち、大気開放通路9の閉塞状態が検出されていない時刻t1以前は、タンク圧Pが第一圧力P1を越えていなければタンクパージ制御は開始されず、密閉弁1が閉鎖状態に制御されている。これに対し、大気開放通路9の閉塞状態が検出されている時刻t1以降は、タンク圧Pが第一圧力P1よりも低い第二圧力P2を越えていれば、キャニスタパージ制御が終了するとともに第二タンクパージ制御が開始され、密閉弁1が開放される。これにより、燃料タンク5のタンク圧Pが減圧される。時刻t2にタンク圧Pが第四圧力P4未満になると第二タンクパージ制御が終了し、キャニスタパージ制御の開始条件が成立していれば、キャニスタパージ制御が再開される。

0057

(1)上記の蒸発燃料処理装置では、図4(A)に示すように、タンク圧Pが第二圧力P2以上かつ第一圧力P1未満であるときに大気開放通路9の詰まりが検出されると、密閉弁1が開放状態に制御され、詰まりが検出されなければ密閉弁1が閉鎖状態に制御される。これにより、大気開放通路9が詰まっているときの燃料タンク5を減圧することができ、部品保護性を向上させることができる。一方、大気開放通路9が詰まった状態でなければ、密閉弁1を閉鎖しておくことで燃料の蒸発を抑制することができ、キャニスタ6への燃料吸着量を減少させることができる。

0058

また、大気開放通路9が完全に詰まってしまうと、パージ弁3を開放しない限り、パージ用通路10の内部圧力が抜けない状態となる。つまり、燃料タンク5のタンク圧Pが上昇してリリーフ弁4が作動したときにも、タンク圧Pを減圧させることができなくなる。これに対し、上記の蒸発燃料処理装置によれば、タンク圧Pをあらかじめ低下させておくことができる。また、タンク圧Pが通常時よりも低めに抑えられることから、圧抜き制御の実施時間を短縮することができる。したがって、給油前の圧抜き時間を削減することができる。

0059

(2)大気開放通路9の閉塞状態に応じて密閉弁1を開放するための条件を緩和することで、燃料タンク5を減圧しやすくすることができる。これにより、燃料タンク5,タンク通路7,リリーフ弁4といったパージ用通路10の部品保護性を向上させることができる。
(3)また、密閉弁1が開放される閾値としての圧力を、第一圧力P1から第二圧力P2へと低下させることで、より低圧の状態から燃料タンク5の減圧を開始することができる。したがって、部品保護性をさらに向上させることができる。また、減圧の開始閾値を低下させることでタンク圧Pの平均値も低下するため、圧抜き制御の実施時間を短縮することができる。

0060

(4)大気開放通路9の閉塞状態に応じて密閉弁1を閉鎖するための条件を強化することで、燃料タンク5の減圧を終了しにくく(継続されやすく)することができる。これにより、部品保護性をさらに向上させることができる。
(5)また、密閉弁1が閉鎖される閾値としての圧力を、第三圧力P3から第四圧力P4へと低下させることで、燃料タンク5がより低圧の状態まで減圧を継続することができる。したがって、部品保護性をさらに向上させることができる。また、減圧の終了閾値を低下させることでタンク圧Pの平均値がさらに低下するため、圧抜き制御の実施時間をより短縮することができる。

0061

(6)直近の給油時からの経過時間に応じて密閉弁1の開閉状態を制御することで、燃料の枯れ具合(燃料の蒸発しやすさ)と燃料タンク5の減圧頻度とを対応させることができ、タンク圧Pの上昇が見込まれる状況下で減圧を開始することができる。一方、タンク圧Pが上昇しにくい状況下(例えば、前回の給油から数ヶ月が経過しているような状況下)では減圧を不実施とすることで、燃料タンク5内における燃料のさらなる蒸発を抑制することができる。

0062

(7)燃料タンク5内の燃料量に応じて密閉弁1の開閉状態を制御した場合も同様であり、燃料タンク5内に残留している燃料量と燃料タンク5の減圧頻度とを対応させることができる。
(8)なお、キャニスタ圧Cとインマニ圧PIMとに基づいて閉塞状態を検出することで、大気開放通路9の閉塞状態(詰まり具合)を精度よく把握することができる。また、キャニスタ圧Cの比較対象をインマニ圧PIMとすることで、大気圧PATMを参照せずに大気開放通路9の詰まり具合を把握することができ、車両の走行高度の高低に関わらず、大気開放通路9の閉塞状態を高精度に検出することができる。

0063

[6.変形例]
上述の実施形態では、大気開放通路9の閉塞状態が検出されたときに、タンクパージ制御の開始条件,終了条件を変更することで密閉弁1の開閉状態を制御するものを例示したが、密閉弁1を開閉するための具体的な手法はこれに限定されない。例えば、タンク圧Pを減圧するための圧抜き通路をパージ用通路10とは別設し、圧抜き通路上に介装された第二密閉弁の開閉状態を大気開放通路9の詰まり具合に応じて制御してもよい。この場合、大気開放通路9の詰まりが検出されたときに第二密閉弁を開放することで、燃料タンク5を減圧することができ、部品保護性を向上させることができる。

0064

上述の実施形態では、密閉弁1及びバイパス弁2が二位置切替弁となっており、パージ弁3が可変開度制御弁となっているが、これらの弁の種類は任意に変更可能であり、弁開度の設定についても同様である。例えば、エンジン21の運転状態やキャニスタ6に吸着されている蒸発燃料量,燃料タンク5に残留する燃料量などに応じたそれぞれの開度を設定することで、燃料蒸気の流通量(エンジン21への導入量)を精度よく調節することができる。なお、上述の実施形態では、閉塞状態の有無(塞がった状態になっているか否か)に応じて密閉弁1の開閉状態を制御するものを例示したが、閉塞の度合い(詰まり具合)に応じて密閉弁1の開度を制御してもよい。

0065

なお、上述の実施形態において、大気開放通路9の閉塞状態が検出されたことを乗員に報知,警告する制御を追加し、キャニスタ6の清掃修理交換を促すようにしてもよい。この場合、大気開放通路9の閉塞状態に対応する情報をダイアグ情報として制御装置30内に記録してもよいし、閉塞状態に対応する情報を車室内に設けられたディスプレイ装置に表示させてもよく、あるいは報知ランプ類を点灯させてもよい。このような制御を実施することで、車両の整備性を向上させることができる。

0066

1密閉弁
2バイパス弁
3パージ弁
4リリーフ弁
5燃料タンク
6キャニスタ
7タンク通路
8キャニスタ通路
9大気開放通路
10パージ用通路
30制御装置
31 検出部
32 制御部
C キャニスタ圧
Pタンク圧
PIMインマニ圧

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