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技術 銀粒子製造方法、銀粒子、及び銀ペースト

出願人 国立大学法人大阪大学
発明者 菅沼克昭シュキンテイ
出願日 2015年7月24日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2015-146958
公開日 2017年2月2日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2017-025391
状態 特許登録済
技術分野 電線ケーブルの製造(1) 非絶縁導体 ナノ構造物 金属質粉又はその懸濁液の製造 導電材料 粉末冶金
主要キーワード 低耐熱性 球状銀粒子 マイクロメートルオーダー cmオーダー 製造収率 ジメチルブタノール 印刷配線 大気圧雰囲気
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図面 (20)

課題

パッキング性を向上させ易い銀粒子を製造することができる銀粒子製造方法を提供する。

解決手段

まず、少なくとも銀化合物還元剤、及び分散剤を混合した混合液を得る(S1)。次いで、混合液を加熱して銀化合物と還元剤とを反応させ、シート状又は板状の第1銀粒子、及び、第1銀粒子と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有し且つ第1銀粒子の一辺の長さの最大値と比べて粒子径が小さい第2銀粒子を生成する(S2)。

概要

背景

電子部品接合材、及び印刷配線の材料として、銀マイクロ粒子マイクロメートルオーダー粒子径を有する銀粒子)を有機溶媒に分散させた銀ペーストが実用化されている。銀マイクロ粒子は、銀ペーストにおいて導体材料として機能する。有機溶媒は、典型的にはアルコールである。しかし、銀マイクロ粒子のみを含有する銀ペーストを焼結焼成)するには、250℃以上の高温と圧力(加圧)とが必要となる。このため、銀マイクロ粒子を含有する銀ペーストは、低耐熱性の電子部品や配線基板には使用できない。そこで近年、低温での焼結が可能になることから、銀マイクロ粒子に替え銀ナノ粒子ナノメートルオーダーの粒子径を有する銀粒子)が使用されるようになってきている。銀ナノ粒子の製造方法は、例えば特許文献1に開示されている。

概要

パッキング性を向上させ易い銀粒子を製造することができる銀粒子製造方法を提供する。まず、少なくとも銀化合物還元剤、及び分散剤を混合した混合液を得る(S1)。次いで、混合液を加熱して銀化合物と還元剤とを反応させ、シート状又は板状の第1銀粒子、及び、第1銀粒子と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有し且つ第1銀粒子の一辺の長さの最大値と比べて粒子径が小さい第2銀粒子を生成する(S2)。

目的

本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、パッキング性を向上させ易い銀粒子を製造することができる銀粒子製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

少なくとも銀化合物還元剤、及び分散剤を混合した混合液を得る工程と、前記混合液を加熱して前記銀化合物と前記還元剤とを反応させ、シート状又は板状の第1銀粒子、及び、前記第1銀粒子と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有し且つ前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値と比べて粒子径が小さい第2銀粒子を生成する工程とを包含する銀粒子製造方法。

請求項2

前記混合液が液相を保持する条件下で前記銀化合物と前記還元剤とを反応させる、請求項1に記載の銀粒子製造方法。

請求項3

前記還元剤がN,N−ジメチルホルムアミドである、請求項1又は請求項2に記載の銀粒子製造方法。

請求項4

前記混合液は純水を更に含む、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の銀粒子製造方法。

請求項5

大気圧下で前記銀化合物と前記還元剤とを反応させる、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の銀粒子製造方法。

請求項6

多角形外形を有するシート状又は板状の第1銀粒子と、前記第1銀粒子と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有し且つ前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値と比べて粒子径が小さい第2銀粒子とを含み、前記第1銀粒子の一辺の長さの平均値が100nm以上800nm以下であり、前記第2銀粒子の粒子径の平均値が、10nm以上100nm以下である、銀粒子。

請求項7

前記第1銀粒子の一辺の長さが10nm以上800nm以下である、請求項6に記載の銀粒子。

請求項8

前記第1銀粒子の外形が、三角形又は六角形である、請求項6又は請求項7に記載の銀粒子。

請求項9

外形が三角形の前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値が、50nm以上である、請求項8に記載の銀粒子。

請求項10

外形が六角形の前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値が、30nm以上である、請求項8又は請求項9に記載の銀粒子。

請求項11

前記第2銀粒子の粒子径が、20nm以上300nm以下である、請求項6〜請求項10のいずれか1項に記載の銀粒子。

請求項12

前記第2銀粒子の粒子径が、150nm以下である、請求項11に記載の銀粒子。

請求項13

前記第1銀粒子の厚みが、10nm以上100nm以下である、請求項6〜請求項12のいずれか1項に記載の銀粒子。

請求項14

前記第1銀粒子の厚みが、30nm以下である、請求項13に記載の銀粒子。

請求項15

請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の方法により製造される銀粒子、又は請求項6〜請求項14のいずれか1項に記載の銀粒子を含む、銀ペースト

技術分野

0001

本発明は、銀粒子製造方法、銀粒子、及び銀ペーストに関する。

背景技術

0002

電子部品接合材、及び印刷配線の材料として、銀マイクロ粒子マイクロメートルオーダー粒子径を有する銀粒子)を有機溶媒に分散させた銀ペーストが実用化されている。銀マイクロ粒子は、銀ペーストにおいて導体材料として機能する。有機溶媒は、典型的にはアルコールである。しかし、銀マイクロ粒子のみを含有する銀ペーストを焼結焼成)するには、250℃以上の高温と圧力(加圧)とが必要となる。このため、銀マイクロ粒子を含有する銀ペーストは、低耐熱性の電子部品や配線基板には使用できない。そこで近年、低温での焼結が可能になることから、銀マイクロ粒子に替え銀ナノ粒子ナノメートルオーダーの粒子径を有する銀粒子)が使用されるようになってきている。銀ナノ粒子の製造方法は、例えば特許文献1に開示されている。

先行技術

0003

特開2010−265543号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、球状の銀ナノ粒子はパッキング性(銀粒子の充填密度)が十分ではない。このため、球状の銀ナノ粒子のみを含有する銀ペーストでは低い接合強度しか得られない。

0005

本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、パッキング性を向上させ易い銀粒子を製造することができる銀粒子製造方法を提供することである。また、第2の目的は、パッキング性を向上させ易い銀粒子を提供することであり、第3の目的は、パッキング性を向上させ易い銀粒子を含む銀ペーストを提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明の銀粒子製造方法は、少なくとも銀化合物還元剤、及び分散剤を混合した混合液を得る工程と、前記混合液を加熱して前記銀化合物と前記還元剤とを反応させ、シート状又は板状の第1銀粒子、及び、前記第1銀粒子と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有し且つ前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値と比べて粒子径が小さい第2銀粒子を生成する工程とを包含する。

0007

ある実施形態では、前記混合液が液相を保持する条件下で前記銀化合物と前記還元剤とを反応させる。

0008

ある実施形態では、前記還元剤がN,N−ジメチルホルムアミドである。

0009

ある実施形態では、前記混合液は純水を更に含む。

0010

ある実施形態では、大気圧下で前記銀化合物と前記還元剤とを反応させる。

0011

本発明の銀粒子は、多角形外形を有するシート状又は板状の第1銀粒子と、前記第1銀粒子と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有し且つ前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値と比べて粒子径が小さい第2銀粒子とを含む。前記第1銀粒子の一辺の長さの平均値は、100nm以上800nm以下であり、前記第2銀粒子の粒子径の平均値は、10nm以上100nm以下である。

0012

ある実施形態では、前記第1銀粒子の一辺の長さが10nm以上800nm以下である。

0013

ある実施形態では、前記第1銀粒子の外形が、三角形又は六角形である。

0014

ある実施形態では、外形が三角形の前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値が、50nm以上である。

0015

ある実施形態では、外形が六角形の前記第1銀粒子の一辺の長さの最大値が、30nm以上である。

0016

ある実施形態では、前記第2銀粒子の粒子径が、20nm以上300nm以下である。

0017

ある実施形態では、前記第2銀粒子の粒子径が、150nm以下である。

0018

ある実施形態では、前記第1銀粒子の厚みが、10nm以上100nm以下である。

0019

ある実施形態では、前記第1銀粒子の厚みが、30nm以下である。

0020

本発明の銀ペーストは、上記製造方法により製造される銀粒子、又は上記銀粒子を含む。

発明の効果

0021

本発明の銀粒子製造方法によれば、パッキング性を向上させ易い銀粒子を製造することができる。また、本発明の銀粒子によれば、銀粒子のパッキング性を向上させ易くなる。また、本発明の銀ペーストによれば、パッキング性を向上させ易い銀粒子を含むことができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の実施形態に係る銀粒子製造方法を示すフローチャートである。
本発明の実施例1のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例2のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例3のSEM像を示す写真である。
本発明の比較例1のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例4のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例5のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例6のSEM像を示す写真である。
本発明の比較例2のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例7のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例8のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例9のSEM像を示す写真である。
本発明の比較例3のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例10のSEM像を示す写真である。
本発明の実施例11のSEM像を示す写真である。
(a)は本発明の実施例14のSEM像を示す写真であり、(b)は図16(a)の一部を拡大して示す写真である。
(a)は本発明の実施例15のSEM像を示す写真であり、(b)は図17(a)の一部を拡大して示す写真である。
(a)は本発明の実施例16のSEM像を示す写真であり、(b)は図18(a)の一部を拡大して示す写真である。
本発明の実施例17の剪断強度試験で使用した接合試料の模式図である。
剪断強度測定後の銅基板を、銀ペーストを塗布した側から撮影した像を示す写真である。
剪断強度測定後の銀ペーストのSEM像を示す写真である。

0023

以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。

0024

まず図1を参照して、本実施形態に係る銀粒子製造方法及び銀粒子について説明する。図1は、本実施形態に係る銀粒子製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、本実施形態に係る銀粒子製造方法は、混合処理工程S1と、加熱処理工程S2とを包含する。

0025

混合処理工程S1では、純水W、銀化合物C、還元剤R、及び分散剤Dを混合した混合液Mを生成する。あるいは、銀化合物C、還元剤R、及び分散剤Dを混合した混合液Mを生成する。純水Wを使用しない場合、溶媒となり得る還元剤Rを使用する。なお、混合液Mの各成分の添加順序は任意に決定できる。また、銀化合物Cと還元剤Rとが反応し易いように、混合液Mを攪拌して、混合液Mの各成分を適度に混ぜた後に、加熱処理工程S2を実施することが好ましい。

0026

加熱処理工程S2では、混合液Mを加熱して銀化合物Cと還元剤Rとを反応させる(液相還元処理)。反応温度は、加熱処理工程S2において混合液Mが液相を保持できる温度に設定することが好ましい。また、銀化合物Cと還元剤Rとが反応し易いように、混合液Mを所定の回転速度[rpm]で攪拌しながら加熱処理を行うことが好ましい。なお、回転速度[rpm]は任意に決定し得る。

0027

加熱処理工程S2により、銀粒子Pが生成(析出)される。銀粒子Pは、シート状又は板状の銀粒子P1(第1銀粒子)と、球状の銀粒子P2(第2銀粒子)とを含む。以下、「シート状又は板状」を「シート状」と記載する。球状の銀粒子P2(以下、球状銀粒子P2と記載する場合がある。)は、シート状の銀粒子P1(以下、シート状銀粒子P1と記載する場合がある。)と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有する。また、球状銀粒子P2の粒子径は、シート状銀粒子P1の一辺の長さの最大値と比べて小さい。

0028

本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、シート状の銀粒子(シート状銀粒子P1)と、シート状の銀粒子の一辺の長さの最大値よりも粒子径が小さい球状の銀粒子(球状銀粒子P2)とを製造することができる。したがって、パッキング性が向上した銀粒子Pを製造することができる。パッキング性が向上するのは、シート状の銀粒子(シート状銀粒子P1)と、シート状の銀粒子の一辺の長さの最大値よりも粒子径が小さい球状の銀粒子(球状銀粒子P2)との組み合わせにより、シート状の銀粒子間の隙間を球状の銀粒子によって埋めることができるためである。

0029

純水Wを使用する場合、反応系に存在させる純水Wの量(割合)は、混合液Mを構成する他の成分の量や反応温度等の条件によってその最適量が異なるため、設定された条件に応じて予め決定すればよい。純水Wを使用することにより、純水Wを使用しない場合に比べて低い反応温度で、適度なサイズのシート状銀粒子P1を生成することが可能となる。一般には、純水Wの量(割合)が少ないほど、シート状銀粒子P1のサイズが小さくなる傾向がある。よって、純水Wの量は、シート状銀粒子P1のサイズを適度な大きさにするために、例えば反応系での混合液M100重量に対して40重量部以上100重量部未満が好ましく、60重量部以上80重量部以下であることがより好ましい。

0030

銀化合物Cは特に限定されず、代表的なものを例示すれば、硝酸銀酢酸銀カルボン酸銀塩である。2種以上の銀化合物を組み合わせて使用してもよい。反応系に存在させる銀化合物Cの量(割合)も、混合液Mを構成する他の成分の量や反応温度等の条件によってその最適量が異なるため、設定された条件に応じて予め決定すればよい。一般には、反応系での混合液M100重量に対して0.1重量部以上20重量部以下が好ましく、0.5重量部以上10重量部以下であることがより好ましい。

0031

還元剤Rは、銀化合物Cを還元できる限り特に限定されない。代表的なものを例示すれは、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、エチレングリコールプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールグリセリンエタノールグルコースアスコルビン酸、NaBH4、ヒドラジンである。あるいは、還元剤Rとして、2種以上の還元剤を組み合わせて使用してもよい。

0032

反応系に存在させる還元剤Rの量(割合)も、混合液Mを構成する他の成分の量や反応温度等の条件によってその最適量が異なるため、設定された条件に応じて予め決定すればよい。一般には、反応系での混合液M100重量に対して10重量部以上100重量部未満が好ましく、20重量部以上80重量部以下であることがより好ましい。

0033

分散剤Dも特に限定されない。代表的なものを例示すれば、ポリビニルピロリドンPVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)である。分散剤Dとして、2種以上の分散剤を組み合わせて使用してもよい。反応系に存在させる分散剤Dの量(割合)も、混合液Mを構成する他の成分の量や反応温度等の条件によってその最適量が異なるため、設定された条件に応じて予め決定すればよい。一般には、分散剤Dの量(割合)が多いほど、銀粒子Pの製造収率が向上する一方で、シート状銀粒子P1のサイズが小さくなる。よって、分散剤Dの量は、シート状銀粒子P1のサイズを適度な大きさにするために、例えば反応系での混合液M100重量に対して0.1重量部以上20重量部以下が好ましく、0.5重量部以上10重量部以下であることがより好ましい。

0034

本実施形態に係る銀粒子製造方法を実施する環境は特に限定されず、例えば、大気圧雰囲気下で、室温の下に実施することができる。また、反応温度も、混合液Mの各成分の量(割合)や環境等の条件によってその最適温度が異なるため、設定された条件に応じて予め決定すればよい。一般には、反応温度が高いほど、銀粒子Pの製造収率が向上する一方で、シート状銀粒子P1の厚み、及び球状銀粒子P2の粒子径が大きくなる傾向がある。

0035

例えば、純水Wを使用する場合、反応温度は100℃以上が好ましい。反応温度が100℃よりも低いと、混合液Mの各成分の量(割合)や、混合液Mを加熱する時間(以下、反応時間と記載する場合がある。)によっては、所望のサイズを有するシート状銀粒子P1を生成できないことがある。また、純水Wを使用する場合、反応温度は150℃よりも低いことが好ましい。混合液Mの各成分の量(割合)や反応時間によっては、シート状銀粒子P1を所望のサイズに制御できないことがあるためである。更に、反応温度を150℃以上にすると、混合液Mの各成分の量(割合)や反応時間によっては、シート状銀粒子P1を生成できないか、生成できても少量となることがある。一方、純水Wを使用しない場合には、一般に、混合液Mが純水Wを含む場合に比べて反応温度を高くする。混合液Mの各成分の量(割合)や反応時間によっては、シート状銀粒子P1を生成できないことがあるためである。純水Wを使用しない場合、反応温度は例えば150℃以上に設定し得る。

0036

反応時間も特に限定されるものではなく、混合液Mの各成分の量(割合)や反応温度等に応じて任意に設定可能である。但し、反応時間が長過ぎることは製造効率の低下につながるため、反応時間は例えば3時間以内が好ましい。

0037

本実施形態に係る銀粒子製造方法によって製造される銀粒子P(シート状銀粒子P1及び球状銀粒子P2)は、例えば、走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)を用いて観測することができる。図2に、製造された銀粒子P(シート状銀粒子P1及び球状銀粒子P2)のSEM像の一例を示す。

0038

図2に示すように、製造された銀粒子Pは、シート状銀粒子P1と、シート状銀粒子P1の一辺の長さの最大値よりも粒子径が小さい球状銀粒子P2とを含む。球状銀粒子P2は、シート状銀粒子P1と比べて球形に近い形状又は球形の形状を有する。一方、シート状銀粒子P1は、主に三角形又は六角形の外形を有する。なお、三角形又は六角形の外形は、三角形又は六角形に近似する形状も含む。例えば、各辺が直線ではなく円弧曲線)となっていてもよいし、各辺が交わる部分(いわゆる頂点)が丸みを帯びていてもよい(曲線となっていてもよい)。三角形の外形を有するシート状銀粒子P1と、六角形の外形を有するシート状銀粒子P1との割合は、分散剤Dの添加量によって制御することができる。具体的には、分散剤Dの添加量が多いほど、三角形の外形を有するシート状銀粒子P1の割合が高くなり、分散剤Dの添加量が少ないほど、六角形の外形を有するシート状銀粒子P1の割合が高くなる。

0039

シート状銀粒子P1の一辺の長さ(各辺が円弧となっている場合は、一辺の端と端とを結ぶ直線の長さ)は、混合液Mの各成分の量(割合)、及び反応温度を調整することで制御できる。例えば、純水Wの量(割合)が多いほど、シート状銀粒子P1の一辺の長さが大きくなる傾向がある。また、反応温度が高いほど、シート状銀粒子P1の一辺の長さが大きくなる傾向がある。本実施形態では、シート状銀粒子P1の一辺の長さは10nm以上800nm以下となる。

0040

銀粒子Pのパッキング性を向上させるには、三角形の外形を有するシート状銀粒子P1の一辺の長さの最大値が50nm以上であることが好ましく、300nm以上であることが更に好ましい。また、六角形の外形を有するシート状銀粒子P1の一辺の長さの最大値が30nm以上であることが好ましく、100nm以上であることが更に好ましい。また、シート状銀粒子P1の一辺の長さの平均値は、100nm以上800nm以下であることが好ましい。詳しくは、外形が三角形のシート状銀粒子P1の一辺の長さの平均値は、100nm以上600nm以下であることが好ましく、外形が六角形のシート状銀粒子P1の一辺の長さの平均値は、100nm以上300nm以下であることが好ましい。

0041

シート状銀粒子P1の厚みも、混合液Mの各成分の量(割合)、及び反応温度を調整することで制御できる。例えば、反応温度が高いほど、シート状銀粒子P1の厚みが増す傾向がある。銀粒子Pのパッキング性を向上させるには、シート状銀粒子P1の厚みは10nm以上100nm以下であることが好ましく、10nm以上30nm以下であることがより好ましい。また、シート状銀粒子P1は厚みが薄いほど焼成(焼結)し易くなる。したがって、シート状銀粒子P1の厚みが薄いほど、銀粒子Pを含む銀ペーストの焼成温度焼結温度)を低くできる。

0042

球状銀粒子P2の粒子径も、混合液Mの各成分の量(割合)、及び反応温度を調整することで制御できる。例えば、反応温度が高いほど、球状銀粒子P2の粒子径が大きくなる。銀粒子Pのパッキング性を向上させるには、球状銀粒子P2の粒子径は20nm以上300nm以下であることが好ましく、20nm以上150nm以下であることがより好ましい。また、球状銀粒子P2の粒子径の平均値は、10nm以上100nm以下であることが好ましい。球状銀粒子P2も粒子径が小さいほど焼成し易いため、球状銀粒子P2の粒子径が小さいほど、銀粒子Pを含む銀ペーストの焼成温度(焼結温度)を低くできる。

0043

本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、純水W、銀化合物C、還元剤R、及び分散剤Dの量(割合)、又は、銀化合物C、還元剤R、及び分散剤Dの量(割合)を調整することにより、製造される銀粒子Pの形状や製造収率を制御することができる。また、反応温度を調整することによって、製造される銀粒子Pの形状や製造収率を制御することができる。具体的には、シート状の銀粒子(シート状銀粒子P1)と、シート状の銀粒子の一辺の長さの最大値よりも粒子径が小さい球状の銀粒子(球状銀粒子P2)とを製造することができる。したがって、パッキング性を向上させ易い銀粒子Pを製造することができる。

0044

また、本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、混合液Mの各成分の量(割合)、及び反応温度を調整することにより、シート状銀粒子P1の一辺の長さ、及び球状銀粒子P2の粒子径を制御することができる。換言すると、シート状銀粒子P1及び球状銀粒子P2のサイズを制御することができる。したがって、製造される銀粒子のパッキング性を向上させることができる。

0045

また、本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、圧力を付与することなく、シート状銀粒子P1と球状銀粒子P2とを含む銀粒子Pを製造することができる。したがって、シート状銀粒子P1と球状銀粒子P2とを含む銀粒子Pを容易に製造することができる。

0046

また、本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、150℃以下の比較的低い反応温度で、シート状銀粒子P1と球状銀粒子P2とを含む銀粒子Pを製造することができる。したがって、シート状銀粒子P1と球状銀粒子P2とを含む銀粒子Pを容易に製造することができる。

0047

また、本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、大気雰囲気下で、室温の下に銀粒子Pを製造することができる。したがって、シート状銀粒子P1と球状銀粒子P2とを含む銀粒子Pを容易に製造することができる。

0048

また、本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、シート状銀粒子P1と球状銀粒子P2とを1回の反応処理(加熱処理)で析出(合成)することができる。つまり、1つの容器内でシート状銀粒子P1と球状銀粒子P2とを析出することができる。したがって、シート状銀粒子P1と球状銀粒子P2との分散性が良好な銀粒子Pを得ることが可能となる。

0049

また、本実施形態に係る銀粒子製造方法において、混合液Mは、好適には純水Wを含む。混合液Mが純水Wを含むことにより、混合液Mが純水Wを含まない場合に比べて銀粒子Pの製造収率が向上するためである。更に、混合液Mが純水Wを含むことにより、混合液Mが純水Wを含まない場合に比べて低い反応温度で、シート状銀粒子P1の一辺の長さを適度に大きくすることができる。換言すると、低い反応温度(例えば100℃程度)で、適度なサイズのシート状銀粒子P1を生成することが可能となる。また、純水Wを使用することにより、純水Wの量を調整して、シート状銀粒子P1の一辺の長さ(即ち、シート状銀粒子P1のサイズ)を制御できるようになる。したがって、シート状銀粒子P1のサイズの制御が容易となる。

0050

また、本実施形態に係る銀粒子製造方法によれば、パッキング性が向上した銀粒子Pを製造することができる。したがって、本実施形態に係る銀粒子Pを用いることにより、焼成温度(焼結温度)の低い銀ペーストを得ることができる。更に、パッキング性が向上した銀粒子Pを用いることにより、焼成(焼結)後の抵抗率が低い銀ペーストを得ることができる。具体的には、10-5Ω・cmオーダー以下の体積抵抗率を実現することができる。

0051

また、パッキング性が向上した銀粒子Pを用いることにより、接合材として用いる銀ペーストの接合強度を高くすることができる。よって、本実施形態に係る銀粒子Pは、配線用の銀ペーストだけではなく、ダイアタッチ用の銀ペーストにも使用することができる。

0052

続いて、本実施形態に係る銀ペーストの製造方法及び銀ペーストについて説明する。本実施形態に係る銀ペーストの製造方法は、上述した銀粒子製造方法の処理に続いて、銀粒子Pと有機溶媒とを混合する工程を更に含む。例えば、上述した銀粒子製造方法によって析出した銀粒子Pを遠心分離機により単離させた後、水、又はエタノールを用いて3回又は4回洗浄する。そして、洗浄後の銀粒子Pを有機溶媒(例えば、エタノールのようなアルコール)に分散させる。このような手順を経ることにより、銀ペーストを製造することができる。製造した銀ペーストは、例えば、配線材や接合材として使用し得る。

0053

有機溶媒としてアルコールを使用する場合、銀ペーストに含まれる銀粒子Pとアルコールとの割合は、重量部で例えば銀粒子P:アルコールが4:1〜16:1、好ましくは6:1〜12:1、より好ましくは8:1〜10:1である。

0054

アルコールは、低級アルコール又は、低級アルコキシアミノ及びハロゲンからなる群から選択される1以上の置換基を有する低級アルコールであることが好ましい。低級アルコールとしては、例えば、炭素原子1〜6個を有するアルキル基と、水酸基1〜3個、好ましくは1〜2個とを含むものが挙げられる。低級アルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、sec−ペンチル基、t−ペンチル基、2−メチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、及び1−エチル−1−メチルプロピル基のような直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。炭素原子1〜6個を有するアルキル基と水酸基1〜3個とを有する低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、n−プロパノール、i−プロパノールトリエチレングリコールn−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、2−メチルブタノール、n−ヘキサノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール、4−メチルペンタノール、1−エチルブタノール、2−エチルブタノール、1,1−ジメチルブタノール、2,2−ジメチルブタノール、3,3−ジメチルブタノール、及び1−エチル−1−メチルプロパノール等が挙げられる。

0055

低級アルコキシ、アミノ及びハロゲンからなる群から選択される1以上の置換基を有する低級アルコールにおいて、置換基については以下のとおりである。低級アルコキシとしては、低級アルキル基に−O−が置換された基が挙げられる。低級アルコキシとしては、メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ等が挙げられる。ハロゲンとしては、フッ素臭素塩素及びヨウ素が挙げられる。

0056

低級アルコキシ、アミノ及びハロゲンからなる群から選択される1以上の置換基を有する低級アルコールとしては、メトキシメタノール、2−メトキシエタノール2−エトキシエタノール2−クロロエタノールエタノールアミン等が挙げられる。

0057

以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。以下で説明する各実施例及び各比較例は、大気雰囲気下で、室温の下に実施した。

0058

実施例1〜3、及び比較例1
表1に示すPVP0.05g、所定量の純水(0gを含む)、硝酸銀0.2g、及び所定量のDMFを容器内に仕込み、混合液Mを調整した。次いで、混合液Mを反応温度100℃まで昇温後、回転速度400rpmで攪拌しつつ、2時間反応を行った。反応後、室温まで冷却して、析出物を遠心分離機により単離した。次いで、単離した析出物を、水を用いて3回又は4回洗浄して、銀粒子を得た。

0059

得られた銀粒子のサイズの測定結果を表1に併記する。なお、各表1〜6において、「粒子径」は、球状銀粒子の粒子径を示し、「シートの一辺の長さ」は、シート状銀粒子の一辺の長さを示し、「六角シートの一辺の長さ」は、外径が六角形のシート状銀粒子の一辺の長さを示し、「三角シートの一辺の長さ」は、外径が三角形のシート状銀粒子の一辺の長さを示し、「シートの厚み」は、シート状銀粒子の厚みを示す。「粒子径」及び「シートの一辺の長さ」は、SEM像を使って測定した。「シートの厚み」は、SEMを用いて測定した。

0060

また、得られた銀粒子のSEM像を図2図5に示す。図2は実施例1のSEM像を示し、図3は実施例2のSEM像を示し、図4は実施例3のSEM像を示し、図5は比較例1のSEM像を示す。

0061

表1に示すように、実施例1〜3は、純水とDMFとの割合(量)が異なる以外は同じ条件の下で実施した。図2図4(実施例1〜3)に示すように、純水を使用することにより、反応温度100℃の下で、球状銀粒子とともに、シート状銀粒子を得ることができた。一方、図5(比較例1)に示すように、純水を使用しない場合、反応温度100℃の下では球状銀粒子のみが析出され、シート状銀粒子を得ることはできなかった。

0062

また、表1に示すように、純水の割合(量)を調整することにより、球状銀粒子の粒子径、及びシート状銀粒子の一辺の長さを制御できる結果を得た。具体的には、純水の割合を増加させると、球状銀粒子の粒子径、及びシート状銀粒子の一辺の長さが大きくなる傾向が見られた。一方、シート状銀粒子の厚みについては、純水とDMFとの割合(量)の変化の影響を受けなかった。

0063

実施例4、5
実施例4、5は、PVPの量が異なる以外は、実施例2、3と同じ条件の下で実施した。具体的には、表2に示すように、PVP0.2gを混合液Mに添加した。得られた銀粒子のサイズの測定結果を表2に併記する。また、得られた銀粒子のSEM像を図6図7に示す。図6は実施例4のSEM像を示し、図7は実施例5のSEM像を示す。

0064

図6図7に示すように、PVPの量を増やした場合でも、球状銀粒子とシート状銀粒子とを得ることができた。一方、表1、表2に示すように、PVPの量を調整することにより、シート状銀粒子の一辺の長さを制御できる結果を得た。具体的には、PVPの量を増加させると、シート状銀粒子の一辺の長さが短くなる傾向が見られた。一方、球状銀粒子の粒子径、及びシート状銀粒子の厚みについては、PVPの量の変化の影響を受けなかった。

0065

実施例6、比較例2
純水を使用しない条件の下、表3に示す所定量のPVP、硝酸銀0.2g、及びDMF30gを容器内に仕込み、混合液Mを調整した。次いで、混合液Mを反応温度150℃まで昇温した。これ以降の処理は、実施例1〜3と同様に実施した。得られた銀粒子のサイズの測定結果を表3に併記する。また、得られた銀粒子のSEM像を図8図9に示す。図8は実施例6のSEM像を示し、図9は比較例2のSEM像を示す。

0066

図8図9に示すように、純水を使用しない場合でも、反応温度を150℃にすることによって、球状銀粒子とシート状銀粒子とを得ることができた。

0067

また、PVPの量を調整することにより、シート状銀粒子の外形を制御できるという結果を得た。具体的には、PVPの量が多い場合(実施例6)、図8に示すように、三角形の外形を有するシート状銀粒子が、六角形の外形を有するシート状銀粒子よりも多く析出した。一方、PVPの量が少ない場合(比較例2)、図9に示すように、六角形の外形を有するシート状銀粒子が、三角形の外形を有するシート状銀粒子よりも多く析出した。なお、純水を使用しない条件の下では、球状銀粒子の粒子径、及び、外形が三角形のシート状銀粒子の一辺の長さは、PVPの量の変化の影響を受けなかった。これに対し、外形が六角形のシート状銀粒子の一辺の長さは、PVPの量が少なくなると小さくなる傾向が見られた。また、シート状銀粒子の厚みは、PVPの量が少なくなると大きくなる傾向が見られた。なお、比較例2では、シート状銀粒子の厚みの最大値が、球状銀粒子の粒子径の最大値よりも大きくなった。

0068

実施例7
実施例7は、反応温度が異なる以外は、実施例3と同じ条件の下で実施した。具体的には、表4に示すように、反応温度150℃の下で反応を行った。得られた銀粒子のサイズの測定結果を表4に併記する。また、得られた銀粒子のSEM像を図10に示す。

0069

図4図10、及び表1、表4に示すように、反応温度を制御することにより、球状銀粒子の粒子径、及びシート状銀粒子の厚みを制御できるという結果を得た。具体的には、反応温度を高くすると、球状銀粒子の粒子径、及びシート状銀粒子の厚みが大きくなる傾向が見られた。

0070

実施例8、9、及び比較例3
表5に示すPVP0.2g、純水20g、硝酸銀0.2g、及びDMF30gを容器内に仕込み、混合液Mを調整した。次いで、混合液Mを所定の反応温度まで昇温した。これ以降の処理は、実施例1〜3と同様に実施した。得られた銀粒子のサイズの測定結果を表5に併記する。また、得られた銀粒子のSEM像を図11図13に示す。図11は実施例8のSEM像を示し、図12は実施例9のSEM像を示し、図13は比較例3のSEM像を示す。

0071

表5に示すように、実施例8、9、及び比較例3は、反応温度が異なる以外は同じ条件の下で実施した。図11図13に示すように、いずれの反応温度でも球状銀粒子、及びシート状銀粒子を得ることができた。

0072

また、表5に示すように、反応温度を調整することにより、球状銀粒子の粒子径、及びシート状銀粒子の一辺の長さを制御できるという結果を得た。具体的には、反応温度が高いほど、シート状銀粒子の一辺の長さ、及び球状銀粒子の粒子径が大きくなる傾向が見られた。但し、外形が六角形のシート状銀粒子については、反応温度が150℃の場合よりも、反応温度が120℃の場合の方が最大値が大きくなった。なお、反応温度が100℃よりも小さい80℃の比較例3では、シート状銀粒子の一辺の長さの最大値が、球状銀粒子の粒子径の最大値と同じ100nmとなった。

0073

実施例10、11
表6に示すPVP0.25g、所定量の純水、硝酸銀1.1g、及び所定量のDMFを容器内に仕込み、混合液Mを調整した。次いで、混合液Mを反応温度100℃まで昇温した。これ以降の処理は、実施例1〜3と同様に実施した。得られた銀粒子のサイズの測定結果を表6に併記する。また、得られた銀粒子のSEM像を図14図15に示す。図14は実施例10のSEM像を示し、図15は実施例11のSEM像を示す。

0074

表6に示すように、実施例10、11は、硝酸銀の量を他の実施例1〜9よりも増やした。また、硝酸銀の量の増加に合わせて、適宜、PVP等の量を増やした。図14図15に示すように、硝酸銀の量を増やした場合でも、球状銀粒子とともに、シート状銀粒子を得ることができた。また、硝酸銀の量を増やすことにより、一度に大量の銀粒子(シート状銀粒子及び球状銀粒子)が合成された。

0075

実施例12〜16
表7に示すPVP0.25g、純水100g、硝酸銀1.1g、及びDMF150gを容器内に仕込み、混合液Mを調整した。次いで、混合液Mを反応温度100℃まで昇温後、回転速度400rpmで攪拌しつつ、2時間反応を行った。反応後、室温まで冷却して、析出物を遠心分離機により単離した。次いで、単離した析出物を、水を用いて3回又は4回洗浄した後、エタノール中に分散させて銀ペーストを得た。次いで、得られた銀ペーストを表8に示す所定の焼成温度で30分焼成した後、体積抵抗率を測定した。測定結果を表8に併記する。また、焼成温度150℃で焼成した銀ペーストのSEM像(実施例14)を図16(a)に示す。図16(b)は、図16(a)の一部を拡大して示す。同様に、焼成温度180℃で焼成した銀ペーストのSEM像(実施例15)を図17(a)に示し、焼成温度200℃で焼成した銀ペーストのSEM像(実施例16)を図18(a)に示す。図17(b)は図17(a)の一部を拡大して示し、図18(b)は図18(a)の一部を拡大して示す。

0076

表8に示すように、150℃程度の低い温度で焼成した場合でも、十分に低い抵抗率(10-5Ω・cmオーダーの体積抵抗率)を達成することができた。これは、図16図18に示すように、銀ペーストに含有される銀粒子が良好なパッキン性を有しているためであると推測される。また、焼成温度が高くなるほど体積抵抗率が低くなった。特に、焼成温度が200℃の場合には、10-6Ω・cmオーダーの体積抵抗率を達成することができた。

0077

実施例17
表9に示すPVP0.25g、純水150g、硝酸銀1.1g、及びDMF100gを容器内に仕込み、混合液Mを調整した。次いで、混合液Mを反応温度100℃まで昇温後、回転速度400rpmで攪拌しつつ、2時間反応を行った。反応後、室温まで冷却して、析出物を遠心分離機により単離した。次いで、単離した析出物を、水を用いて3回又は4回洗浄した後、エタノール中に分散させて銀ペーストを得た。次いで、得られた銀ペーストの剪断強度試験を行って、銀ペーストの接合強度を調べた。

0078

図19は、実施例17の剪断強度試験で使用した接合試料1の模式図である。図19に示すように、接合試料1は、銀メッキされた銅基板2と、銀メッキされた銅基板3と、銀ペースト4とを含む。銀ペースト4は、銅基板2と銅基板3とを接合する。詳しくは、8mm×8mmの銅基板2上に銀ペースト4を0.1μmのマスクを用いて印刷した後、印刷された銀ペースト4上に、4mm×4mmの銅基板3を載置した。次いで、大気雰囲気の下、銅基板2及び銅基板3を200℃の温度で60分間加熱して銀ペースト4を焼成(焼結)し、銅基板2と銅基板3とを接合した。次いで、接合した銅基板2、3に対して剪断力を加えて、剪断強度を測定した。その結果、20.1MPaの剪断強度が得られた。

実施例

0079

図20は、剪断強度測定後(剪断強度試験後)の銅基板2、3を、銀ペースト4を塗布した側から撮影した像を示し、図21は、剪断強度測定後の銀ペーストのSEM像を示す。図21に示すように、銀ペースト4に含まれる銀粒子は焼成することによって緻密な膜状となった。これは、焼成前の銀ペースト4に含有される銀粒子が良好なパッキン性を有していたためであると推測される。また、銀粒子が緻密な膜状となることにより、15MPa以上の剪断強度を達成できたものと推察される。

0080

本発明は、例えば、配線基板に印刷する配線の材料や、ダイアタッチ用途の接合材に適用することができる。

0081

1接合試料
2銅基板
3 銅基板
4 銀ペースト

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